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3-1北海道大学 小野里雅彦 2003
生産システムのモデリング生産システムのモデリング
3-2北海道大学 小野里雅彦 2003
生産システムをとらえる枠組み生産システムをとらえる枠組み
支配原理:Physics, Logics, Knowledge
関係要因:人(H),物質(M),設備(F),情報(I),エネルギ(E),金($)
対象領域:製造実施系,計画・管理系,経営系
製造実施系
計画・管理系
経営系
Physics Logics Knowledge
H M F E I
H M F I
$H F II
$E
I
3-3北海道大学 小野里雅彦 2003
プロセス(働き)をとらえる5つのレベルプロセス(働き)をとらえる5つのレベル
機能
簡易謄写板(プリントごっこ 理想科
学)
紙+インク → 印刷物
毎分あたり5枚印刷...
イベント/アクティビティ
紙補給→押しつけ→
転写→取り外し→・・・
挙動/動作 回転運動,接触,・・・
現象 流動,付着,弾性変形
基本原理 支配方程式dSdt
3-4北海道大学 小野里雅彦 2003
工場のモデリング:記述の詳細度と範囲工場のモデリング:記述の詳細度と範囲
記述の範囲
工場群
フロア全体
エリア/ライン
セル/ステーション
マシン
ユニット
パーツ
パーツ部分
分子・原子
記述の詳細度
機能
ex.入出力関係,変換
イベント/アクティビティ
ex.製品出荷,加工中
挙動/動作
ex. 対象把持,搬送動作
現象
ex. 加速,変形
基本原理
ex. 波動方程式要素
基底
範囲
評価
3-5北海道大学 小野里雅彦 2003
生産業務のモデル化生産業務のモデル化
プロセスモデルデータモデル
実際の業務がプロセスの中の個々の部分でどのように行われるか,作業対象となる情報やもの(オブジェクト)に対してどのように手を施し,受け渡すか,といった仕事の流れを機能面からモデル化したもの
プロセスの中で利用・加工・生成・消去される情報やオブジェクトの内容についてモデル化したもの.
業務業務
ER図IDEF1(Information Modeling)IDEF1X(Data Modeling)IDEF5(Knowledge Modeling)
DFD(Data Flow Diagram)IDEF0(Function Modeling)IDEF1X(Data Modeling)IDEF3(Process Description Capture)
IDEF: ICAM Definition, Integrated Definition
3-6北海道大学 小野里雅彦 2003
Entity-RelationshipEntity-Relationship ModelModel
データとその間の関連や結びつきを表現することにより,実世界に存在する情報の意味的な構造を明確にするための手法
部 部の構成員 社員 プロジェクト
Pメンバー
Pチーフ
1 NN
N1
M
氏名人数
E-R Diagram
「部」の実体集合と「社員」の実体集合とは「部の構成員」という関連集合で対応付き,それは1対多の対応.実体や関連には属性と属性値が付けられる.
集合のunionの記述や属性値として実体をとるといったことができない.
3-7北海道大学 小野里雅彦 2003
DataData FlowFlow DDiagram (DFD)iagram (DFD)
ソフトウェアシステムにおける必要な機能の要件を明確にするために,情報の流れとその処理機能を表記することを目的に開発.
• データフロー(Data Flow):オブジェクトの流れ
• 処理(Process)/変換(Transformation):情報の再
編成または変換
• データ記憶(Data Store):オブジェクトを一時的に記憶
• 源泉(Source)と吸収(Sink)
3-8北海道大学 小野里雅彦 2003
IDEF0:IDEF0: FunctionFunction ModelingModeling
分析対象となるプロセスを構成する機能(アクティビティ)の関係構造をモデル化するための手法
動的挙動,条件分岐などは記述範囲外
機能(アクティビティ)
メカニズム(M)
コントロール(C)
イン
プッ
ト(I
)
アウ
トプ
ット
(O)
• ツール• 資源
• 制約• 参照情報• トリガ
Decompose
3-9北海道大学 小野里雅彦 2003
CIMCIM--OSAOSAにみるモデリングの考え方にみるモデリングの考え方
CIM-OSA(Open System Architecture for CIM)EU ESPRIT計画において1986年より4年間実施
生産システムのアーキテクチャ標準化の先駆的業績
段階的導出,段階的生成,段階的具体化の3つの軸を設定
段階的具体化
段階的導出
段階的生成
CIM-OSA
参照アーキテクチャ
CIM-OSA参照アーキテクチャ
CIM-OSA
個別アーキテクチャ
3-10北海道大学 小野里雅彦 2003
CIMCIM--OSAOSAにおけるモデルの必要条件におけるモデルの必要条件
1. モデルは,企業内の従来の意思決定,組織,活動,ビジネスプロセス,情報交換,物流を反映し,実際的で扱いの可能な実装に結びつくものでなければならない.
2. モデルは柔軟で修正が行えるもので,変化する企業環境,拘束条件,操業を反映し,とくに進化できる方法でのシステム実装を可能にするものでなければならない.
3. モデルとそれを支援するガイドラインは,製造業におけるシステムの設計,実装,操業の各段階で利用者をガイドするものでなければならない.
4. 参照アーキテクチャとそれを支援するガイドラインは,システムとシステムコンポーネントの設計,実装,市販においてベンダをガイドするものでなければならない.
5. モデルとシステムの全体的整合のためには,十分なシステム支援がおこなわれなければならない.この設計支援システムは,既存の企業CIMシステムの記述と全く新しく設計または修正されるシステムとを関連づけ,新しいシステムコンポーネントの設計選択を行えるものでなければならない.
6. CIMシステム支援は,企業内情報交換に基づいて異なる企業部門を統合するメカニズムを備えなければならない.
3-11北海道大学 小野里雅彦 2003
CIMCIM--OSAOSAフレームワークの概要フレームワークの概要
アーキテクチャの水準一般
限定
個別
モデル化の水準要求定義
設計仕様
実装記述
ビュー機能
情報
リソース
組織CIMのためのオープンシステムアーキテクチャ
大見・福田訳(日刊工業新聞社)
3-12北海道大学 小野里雅彦 2003
オブジェクト指向モデリング言語オブジェクト指向モデリング言語 UMLUML
【UML (Unified Modeling Language) 】米国 OMG(Object Modeling Group)が標準として定める統一モデリング言語.OMT, Booch法など,さまざまなオブジェクト指向分析設計手法が統合されて,ひとつの言語仕様に集約
特定の設計分析手法とは独立した記法を提供
ダイヤグラム記法を与えることでわかりやすい
記法(文法)とともに意味(セマンティックス)を定義.統一された解釈を保証
並列処理,分散処理などの記述が可能
UMLの特徴
3-13北海道大学 小野里雅彦 2003
UMLのドキュメント構成UMLのドキュメント構成
UMLサマリー: UMLの概要記述と残りのドキュメントへの導入
UMLセマンティックス: UMLに基づくモデルを解釈する基礎となるメタモデルを,UML記法と自然言語により記述
UML記法ガイド: UMLによるモデル記法の使用法を例を用いて解説
プロセス固有の拡張: 開発プロセスやビジネスモデリングへの応用を考慮し,UMLを拡張する際の拡張メカニズムとそれに基づく追加アイコン案を提示
CORBAファシリティIDL記法: UMLモデル情報の相互運用性を確保するためのIDL(interface definition language)に基づくインタフェース定義を解説
UML標準要素: UMLで既定義の標準要素(ステレオタイプ,タグ付き値,制約)を解説
オブジェクト制約言語OCL仕様: オブジェクト指向制約言語OCL(Object Constraint Language)を解説
3-14北海道大学 小野里雅彦 2003
UMLUMLの4階層言語構成の4階層言語構成
モデル要素: モデルを構成する基本要素構造: クラス/オブジェクト,インタフェース,ユースケース,プロセス/スレッド,コンポーネント,ノード
振る舞い: 相互作用,状態マシン
その他: パッケージ,ノート
関係: 基本要素間の接続関連,汎化関係,依存関係,洗練関係
メカニズム: モデル要素や関係に対し,注釈を付けて修飾したり,拡張する手段を提供
ダイアグラム: 上記のものをある視点からまとめて提示する図式を提供
構造図: クラス図,オブジェクト図,パッケージ図
振る舞い図:ユースケース図,シーケンス図,コラボレーション図,ステートチャート図,アクティビティ図
実装図: コンポーネント図,配置図
3-15北海道大学 小野里雅彦 2003
クラス図とオブジェクト図クラス図とオブジェクト図
クラス図(Class Diagram)対象領域やシステムの静的な構造を,クラスとそれらの間の関係として表現したもの.
クラス間には関連,依存関係,汎化,集約などの関係を張ることで構造を作る.
オ ブ ジ ェ ク ト 図 (Object Diagram)
クラス図の1事例.システムのある実行時点でのスナップショットを記述.
3-16北海道大学 小野里雅彦 2003
シーケンス図とコラボレーション図シーケンス図とコラボレーション図
シーケンス図(Sequence Diagram)あるコラボレーションに参加するオブジェクト間でやりとりされる個々のメッセージ送受信の時間的順序
コラボレーション図(Collaboration Diagram)あるコラボレーションに参加するオブジェクト間で送受信されるメッセージを,それらのオブジェクト間の接続関係とともに示す.
シーケンス図 コラボレーション図
3-17北海道大学 小野里雅彦 2003
ステートチャート図ステートチャート図
ステートチャート図(State Chart Diagram)クラスの取りうるライフサイクルの状態遷移図として,Harelのス
テートチャート記法で表現したもの.
従来の状態遷移図と較べて,
状態の入れ子
遷移とアクションの継承
状態履歴
が追加され,表現力と
記述の簡潔さが向上
3-18北海道大学 小野里雅彦 2003
ユースケース図ユースケース図
ユースケース図(Use Case Diagram)システムの利用しかたを外部の視点から記
述したもの.システムの利用者のタイプ(アクタ)と併せて記述
関係のキーワードラベル
<communicates> :アクタとユースケースとの相互作用
<uses>:ユースケースの内部で別のユースケースのインスタンスを呼び出して使用する関係
<extends>:一般的なユースケースとそのバリエーションや例外を与えるユースケースとの関係を示す.
3-19北海道大学 小野里雅彦 2003
アクティビティ図アクティビティ図
アクティビティ図(Activity Diagram)ワークフローを表現するために用いられる.ステートチャート図の特殊形
DFD(Data Flow Diagram)の代用が可能
手続き指向であり,オブジェクト指向との整合性の確保に注意が必要.
3-20北海道大学 小野里雅彦 2003
コンポーネント図と配置図コンポーネント図と配置図
コンポーネント図(Component Diagram)ソフトウェア・ユニット間の依存関係を示すもので,ソフトウェアモジュールの構成や版管理も表現できる.
配置図(Deployment Diagram)ハードウェアにどうソフトウェアを配置するか,という観点からシステムを表現したもの.ランタイムシステムの構成管理
3-21北海道大学 小野里雅彦 2003
UMLUMLによるシステム開発例によるシステム開発例
お風呂温度水量設定システム
山田,鈴木監修 具志堅,垣花,倉骨著 「実践的UML入門」 ASCII,2002 から引用抜粋
ユースケース図
浴室内の浴槽の中の
水(湯)の温度と水量
をそとから指定
3-22北海道大学 小野里雅彦 2003
UMLUMLによるシステム開発例によるシステム開発例
山田,鈴木監修 具志堅,垣花,倉骨著 「実践的UML入門」 ASCII,2002 から引用抜粋
クラス図
湯ふね
リモートコントローラ
バスタブコントローラ
センサ
給湯器
3-23北海道大学 小野里雅彦 2003
UMLUMLによるシステム開発例によるシステム開発例山田,鈴木監修 具志堅,垣花,倉骨著 「実践的UML入門」 ASCII,2002 から引用抜粋
アクティビティ図:システムの振る舞いをモデリング
3-24北海道大学 小野里雅彦 2003
UMLUMLによるシステム開発例によるシステム開発例山田,鈴木監修 具志堅,垣花,倉骨著 「実践的UML入門」 ASCII,2002 から引用抜粋
クラス図:開発仕様向け
3-25北海道大学 小野里雅彦 2003
UMLUMLによるシステム開発例によるシステム開発例山田,鈴木監修 具志堅,垣花,倉骨著 「実践的UML入門」 ASCII,2002 から引用抜粋
ステートチャート図
3-26北海道大学 小野里雅彦 2003
UMLUMLによるシステム開発例によるシステム開発例山田,鈴木監修 具志堅,垣花,倉骨著 「実践的UML入門」 ASCII,2002 から引用抜粋
シーケンス図
3-27北海道大学 小野里雅彦 2003
UMLUMLによるシステム開発例によるシステム開発例山田,鈴木監修 具志堅,垣花,倉骨著 「実践的UML入門」 ASCII,2002 から引用抜粋
クラス図:実行/開発環境に合わせた詳細化
(Java + Swing)
3-28北海道大学 小野里雅彦 2003
UMLUMLによるシステム開発例によるシステム開発例山田,鈴木監修 具志堅,垣花,倉骨著 「実践的UML入門」 ASCII,2002 から引用抜粋
IIOS
* Integrated Inter-exchangeable Object-modeling and Simulation System for Opensource Software Environment)
IIOS*によるシステム実装例の動作画面