Upload
others
View
0
Download
0
Embed Size (px)
Citation preview
と
の音を脳波で評価
お詫び
各種のレコードやテープなどの音楽ソフトの整理整頓が悪く、あちこちに無造作
に散らばっていて、欲しい時に欲しいものを探し出すのが大変でしたので、この
たび思い切って大々的に整理整頓をして、かなりすっきりしました。そのお蔭で、
長らく行方不明だった探している重要なソフトが見付かったりするなど、とても良
かったです。
しかし、その全体の整理整頓に、かなりの時間がかかったために、この原稿や
次の原稿 (SPレコードや2トラ38オープンリールテープ) の作成が遅れております
ことをお詫びします。私の拙文を楽しみにしておられる方が何人もおられて、メー
ルで意見交換などをよくしております。広い世の中には、実に色んな方がおられ
て、私自身もとても良い勉強になります。今後もどうぞよろしくお願いします。
Rim Start Center Start針が最外周から最内周方向へ移動 針が最内周から最外周方向へ移動
エジソン・ダイヤモンドディスク (80 rpm) フランスPathé社の初期のディスク (90 rpm) その後はRim Startに変更
上記のように、これらのレコードの回転数は80 rpmと90 rpmで特殊なものなので、回転数を正しく設定するためにストロボが必要になる。しかし、どのようにしてこれらの数値が決められたのかよくわからない。そこで以下に示すストロボスコープとLEDストロボフラッシャーを特注で作ってもらったので、Pathé用のものには私の名前が入っている。
レコードの回転数は、他の条件が同じであれば、回転数が大きいほど音がよくなるが、収録時間は短くなる。さらに、レコードの外周に近いほど線速度が大きくて音が良いので、高音質の特製レコードは、満杯に音が入っているのではなくて、外周部1/2くらいに入っているのみ。
CDは、線速度が一定で、回転数が連続可変になっており、時々刻々に回転数が連続的に変化している。また、レーザー光のピックアップは、センタースタートであり、最内周から外周へ向かって移動している。
内側: 90 rpm用
外側: 80 rpm用
rpm = revolution per minute
の略で、1分間の回転数のこと。
特注のPathé用のストロボスコープ
(特注品なので私の名前が入っている)
78 rpm SP 用
アメリカの商用電源の周波数は60ヘルツであり、これに同期して回るシンクロナスモーターは、毎分3600回転。この回転数を落とすギア比が46対1なので、割り算すると78.26086956となるのに由来するらしいが、なぜギア比が46対1 なのかは不明。
内側: 45 rpm (EP)用
外側: 33 1/3 rpm (LP)用
【注】33 1/3 rpm という中途半端な数値は、3分間に100回転しているので、1分間当たりが 100/3 = 33 1/3 となるから。33.3 rpm という表示も見かけるが、厳密に言うと33 1/3 rpm の方が正確。
ところで、 3分間に100回転という数値自体を誰がどのようにして決めたのか、よくわからない。
当時アメリカの2大レコード会社であるコロムビアが33回転、ビクターが45回転のレコードを多く出していた。
裏面に点滅照射用LEDが9個ある
LEDストロボフラッシャー(これは1秒間に80回点滅中の写真)
アップ・ダウンスイッチで80回/秒点滅にセットしたストロボ点滅コントローラー
(点滅回数は任意に設定可能)
UP
DOWN
1. エジソン・ダイヤモンドディスク
Edison Diamond Discアメリカのエジソン社で1912年~1929年頃に市販されたディスク。回転数は80rpm。針が専用のダイヤモンド製であるので、ダイヤモン
ドディスクと呼ばれている。Grooveは縦振動であるので、リプロデューサー(サウンドボックス)は盤面に対して並行になっている。
このディスクのサイズは、筆者の実測では、直径25cm、厚さ6.5mm (ノギスで測定)、質量407gです。近年の重量級LP盤は180gの重さを売り物にしているが、Diamond Discと比べると話にならないくらいの軽さである。このディスクのジャケットの紙袋は、約百年前のもので非常に古いものであり、さらに酸性紙を使用しているためか、ちょっと触っただけでも、紙なのに容易に細かく割れてしまい、すぐにボロボロになるので取扱が超大変です。紙が破れるのは、よく経験することですが、ちょっと触れただけで紙が容易にパリパリと割れるなんて、普通では
あり得ないことであり、まるで紙のように薄くてすぐ割れる煎餅のようなジャケットです。なので、全く無傷のこのジャケットは、今や存在しないのでは。
なお、余談ながら、現在世間一般に “Diamond Disc” と言うと、道路
工事でアスファルト舗装などをカットするための鋼円盤にダイヤモンド粉末を貼り付けたカッター・ディスクのことです。ネットで調べると、それが大量に出ます。
EDISON DIAMOND DISC RECORD の実例
EDISON DIAMOND DISC を再生しているところ (針は赤い矢印の方向へ移動)
金属部分は金メッキされている
手でゼンマイを巻き上げて回転するゼンマイ駆動方式
のために電気は全く必要ない。なのに音量調節機構も
付いています。最大では、かなり大きな音がします。
電気もケーブル類もアンプも一切いらないオーディオ
なので変な感じがします。
左端の写真: この蓄音機の上部のメカ (青い矢印の所に金メダルが貼り付けられている)中央の写真: その金メダルに”Diamond Disc Official Laboratory Model. Thomas A Edison”
と特殊な字体で書いてある
右端の写真: 蓄音機下部にある2段のレコード収納ラックで、上下段に各36枚収納可能。その上に半分写っているグリルの裏には拡声用のホーンがあり、針が拾ってリプロデューサーに伝わった音が、かなり大きく拡大されて出てくる。巧妙な方法で音量調節が可能。
この蓄音機は全体が全く無傷で完動の超美品
これがエジソン・ダイヤモンドディスクを実際に聴いている蓄音機で、型番はC-250。1915年頃のもので、これをデザインしたチッペンデール氏に由来して“Chippendale”との愛称がある最上位モデルで、金属部分は金メッキされている。
そのトーマス・チッペンデール(Thomas Chippendale)は、当時のイギリスの家具師でデザイナー。シノワズリーとロココ様式を調和させた猫足の家具なども含むデザインで著名。この蓄音機のデザインも非常に凝っていて木工芸の極致で実に素晴らしい。実測したおよそのサイズは、高さ:130cm (上部の蓋を開けると165cm)、横幅:54cm、奥行き:60cm、質量は自分での実測は不可能ですが、聞くところによると約80kgあるとのこと。重すぎて、そう簡単には動かせません。
この写真は、この蓄音機が奏でる音を分析するために録音した時のもので、真空管(ECC83♢)プリアンプ内臓のプロ用コンデンサーマイクを使用している。
エジソンの写真
マイクの電源
2. パテ(Pathé)ディスク
Pathé Disc1896年にパテ4兄弟が、パリにレコードや蓄音機を販売する『パテ兄
弟商会』(“Société Pathé Frères”)を設立したのが始まり。このディスクのジャケットにフランス語か英語で記載されている回転
数は、80rpmと90~100rpmの2とおりあるようです。ターンテーブルの回転数は連続可変式であり、LEDフラッシング・ストロボとストロボスコープは、特注の80rpmと90rpm用が手元にあるので、この両回転数であれば、簡単に正確にセットできる。
針は専用のサファイア製である。Grooveは横振動であるので、専用のリプロデューサー(サウンドボックス)は、再生時には盤面に対して垂直になっている。このディスクは珍しいCenter Startであり、再生する時は最初に針を最内周に降ろすと、回転と共に針は次第に最外周に向かって行く。一般的なレコードとは針の動きが全く逆です。
このディスクのサイズは、筆者の実測では、直径28.8cm、厚さ3mm、質量294gです。
【注】Edison Diamond DiscもPathé Discも、現代の一般的なレコードプレーヤーでは、回転数と針の違いなどで再生は全く不可能であり、専用機でないと再生できませんので注意してください。
ちなみに両ディスクとも手元に多数あり、たまに聴いています。
DISQUE PATHÉ の実例 (これは仏語バージョンのもの)赤い雄鶏の絵はこの会社のマークで登録商標 (MARQUE DÉPOSÉE)
PATHÉ’S DISC の実例 (これは英語バージョンのもの)
PATHÉ’S DISC を再生しているところ (針は赤い矢印の方向へ移動)
パテ用のリプロデューサーと交換して再生
もっと新しい PATHÉ DISC (どこにも年号が書いてないのでいつ頃のものか不明。しかし、ドーナツ盤なので1949年以降であろう。)
フランス語で45回転LPレコード(45TOURS MICROSILLON)と書いてある
このディスクは今回の試聴には関係ありません
Edison Diamond Disc と Pathé Disc を聞いた時の脳波測定結果のまとめ(従来どおりの方法で測定しグラフ化した)
1. Edison Diamond DiscΔRD
LIST OF DISC TITLE
E1: THAT BRAN’ NEW GAL O’MINE
E2: PAL OF MY CRADLE DAYS:
E3: ANDANTE-SYMPHONIE ESPAGNOLE
E4: DANCE OF THE NIGHTINGALES:
E5: DREAM FLOWERS
DISC TITLE
Title ΔRDE1 0.01E2 -0.07E3 0.04E4 0.02E5 0.03
-0.08
-0.06
-0.04
-0.02
0
0.02
0.04
0.06
E1 E2 E3 E4 E5
これらのDiscは、全く無作為にエイヤーと選んだだけのものです。次ページのも同様。
2. Pathé Disc
Title ΔRD
P1 0.71
P2 0.15
P3 0.41
P4 0.13
P5 0.34
0
0.2
0.4
0.6
0.8
P1 P2 P3 P4 P5
ΔRD
DISC TITLE
LIST OF PATHÉ DISC
P1: MARCHE SOLENNELLE
P2: LES CATHEDRALES
P3: A L’ETENDARO
P4: MARCHE ROMAINE DE VERCINGETORIX
P5: MARCHE NUPTIALE
Edison Diamond DiscよりもPathé Discの方が全般的に値がかなり良い結果が出た。
今回の原稿と密接に関連する原稿が私のHP中にいくつかありますので参照してください。色々ありますが、たとえば、2014.12.17にアップした「レコード音楽を楽しもう」がその一つです。
今後は、各種レコードプレーヤーによるSPレコードの再生や民生用アナログ音源では最高峰の2トラ38オープンリールテープ音源などについても同様の実験を行い、その結果をアップロードする予定で、目下準備中ですが、結構、手間暇かかります。
完