5
1 1 波とは 波源の変化が回りに伝わっていく現象 媒質を伝わる波は媒質の力学で理解できる 波の式 正弦波 波源の単振動が伝わってできる波 重ね合わせの原理 物理学4 前回のまとめ 時刻 、位置 の変位 2 今日の内容 第12章 波の物理 続き 4.波の干渉 5.波の反射と定常波 第13章 音の物理 正弦波の式を使った理解 3 波の干渉 重ね合わせの原理によって理解できる波の現象の代表 場所によって波が強めあったり弱めあったりする 現象を視覚的に捉えやすいのは二次元、三次元の波 二次元、三次元の球面波の場合で調べる 4 波源から距離 での変位 ★準備 球面波の波の式 軸の正方向に伝わる波 短く表すのに便利な量 波数 角振動数 これらを用いると 球面波の場合 ・・・注目する方向を 軸と思えばよい どの方向にも同じように伝わる 5 球面波の式 波源から距離 での変位 補足1 波源の単振動がずれているとき 補足2 振幅の変化 球面波(円形波)では波のエネルギーが拡散 距離と共に振幅は小さくなる の関数 簡単のため、ここではこれらの点を考慮しない 同じ単振動をする二つの波源 それぞれの波源からの距離 を用いて波の式を使えばよい 重ね合わせの原理より 三角関数の加法定理 を用いると

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1

1

波とは

波源の変化が回りに伝わっていく現象

媒質を伝わる波は媒質の力学で理解できる

波の式

正弦波

波源の単振動が伝わってできる波

重ね合わせの原理

物理学Ⅰ- 第 14 回 -

前回のまとめ

時刻 、位置 の変位

2

今日の内容第12章 波の物理

続き

4.波の干渉

5.波の反射と定常波

第13章 音の物理

正弦波の式を使った理解

3

☆ 波の干渉

重ね合わせの原理によって理解できる波の現象の代表

場所によって波が強めあったり弱めあったりする

現象を視覚的に捉えやすいのは二次元、三次元の波

⇒ 二次元、三次元の球面波の場合で調べる

4

波源から距離 での変位

★準備 球面波の波の式

軸の正方向に伝わる波

短く表すのに便利な量

波数 角振動数

これらを用いると

球面波の場合

・・・注目する方向を 軸と思えばよい

どの方向にも同じように伝わる

5

球面波の式

波源から距離 での変位

補足1 波源の単振動がずれているとき

補足2 振幅の変化

球面波(円形波)では波のエネルギーが拡散

⇒ 距離と共に振幅は小さくなる

は の関数

簡単のため、ここではこれらの点を考慮しない 6

例 同じ単振動をする二つの波源

それぞれの波源からの距離

を用いて波の式を使えばよい

重ね合わせの原理より

三角関数の加法定理

を用いると

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2

7

二つの波源からの距離の差で決まる振幅

で振動する ⇒ 位置により振動の大きさに違い

⇒ 振幅 大

⇒ 振幅0

:整数8

干渉で強めあう場所と弱めあう場所

9

§4 波の反射と定常波 (12-13)

教科書では現象記述的な理解

弦を伝わる波とは別に

進行しない弦の振動も見られる

・・・定常波

弦の運動を式で表す

右向きと左向きの進行波の和と分かる

⇒ 加法定理を用いると

ここでは因果関係に沿って理解10

反対向きに進む波の重ね合わせで定常波ができる様子

11

☆定常波・・・波の式を用いた理解

右に進む波

左に進む波

重ね合わせの原理により

位置 における振幅 単振動

振動が伝わるという波の特徴が無くなる

場所ごとに決まった振幅で単振動する

進行しない⇒定常波

12

定常波の様子

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3

13

☆定常波ができる条件

1)より1次元の波か平面波が作る定常波が考え易い

進行方向が 軸だけで表される

1)反対方向に進む2つの波が重なる

3)2つの波の振幅が等しい

振幅が等しくないと、定常波+おつりの波

1次元の波の代表:弦を伝わる波

平面波の代表:1方向に伝わる音波

この条件は特別なものだろうか?

波の反射により自然に実現される

⇒ 定常波はよく見られる現象

次項目

2)2つの波の周期(振動数)が等しい

14

☆波の反射

媒質に「端」があると反射が起こる

右へ進む波⇔左へ進む波

反射で入れ替わる

15

2種類の「端」

自由端

支えがなくて跳ね上がって

固定端

無理やり固定すると反動が生じる戻ってくる

2種類の端で生じる反射波

自由端 固定端きっちり理解するには波動方程式まで戻る必要があるのでイメージで理解

「跳ね上がり」、「反動」があることとエネルギー保存の法則で何となく納得

17

☆連続的な波の反射

右に進む波が同じ振幅、同じ振動数の左に進む波になる

反射波は左右対称に

折り返した波

反射波は点対称に

折り返した波

折り返し点18

☆入射波と反射波の合成波の様子

定常波が生じる条件が自然に満たされている

自由端は腹

固定端は節

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4

19

☆弦に生じる定常波

どんな場合にも定常波は生じるのだろうか?

No答え

左右の反射波が滑らかにつながるときだけ

前頁の図の左にも端があると考える

言い換えると

定常波の式

長さ の弦で固定された端の位置を とすると

より

従って、波長が

整数

あるいは、振動数で表すと

のときだけ定常波が生じる

固有振動数、 基本振動数、 の振動:倍振動

21

第13章 音の物理

この章のポイント

1.音の波動現象の基礎

音とは何か、力学的背景を定性的に理解したい

2.ドップラー効果

3.うなりの重ね合わせの原理による理解

三角関数の加法定理

4.音速の力学的理解

講義範囲外であるが音を力学的に理解するポイント

22

講義では音の波動現象の基礎のみ

§音波 (13-1)

・縦波

・3次元の波・次第に広がるが音源の振動方向に応じた

指向性を持つ

・気体、液体、固体すべての中を伝わる

但し、固体中では横波もある

23

音が聞こえる仕組み

空気の振動=空気の疎密=圧力の高低

⇒ 鼓膜を振動させ神経を通して脳に情報

圧力および密度の変化を力学的に捉えると

音を力学的に理解できる

ドップラー効果

24

音速を , 音源の速度を振動数を

音源が止まっていれば波長

観測者が音源に向かって で動いているとき

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5

コウモリは超音波を虫にぶつけて、その反射波の周波数から虫の移動速度

を知る。コウモリの発する超音波の周波数を とすると虫が感じる周波数は

である。それが反射されてコウモリに達するときの周波数は

である。 と に入る数式はどれか。簡単のためにコウモリは静

止しているとする。また、虫はコウモリに向かって速さ で近づいてきてい

るものとする。

ドップラー効果

25

A C

(A) (B) (C)

ドップラー効果に関するもの(主に電磁波のドップラー効果)スピードガン ドップラーレーダー(雲粒子の移動から風を測る)恒星の遠ざかる速度の測定(赤方偏移)

(演習問題13ー1の解答参照)

衝撃波

26

空気中の音速は、ほぼ気温のみに依存し、近似的に331.5+0.61T m/s(ここでTは摂氏温度)のように書かれる。水中では 1500m/s 程度である。気相中の音速は、分子量が小さい方が大きい

音速

音源の速度が音速を超えると、ドップラー効果の式は成り立たなくなる(音速で、振動数は無限大、波長はゼロ)。音が到達できる領域は右図の

で表されるコーン状領域の中に限られる。航空機が音速を超えると、このコーン状の領域の端に圧力の段差が生じる。それが衝撃波である。

2次元・3次元の波の性質

音波や光は3次元の波の代表である。

• 回折:塀の後ろに声は伝わるか? ビルの陰にテレビの電波は到達するか?

• 屈折:プールに半身浸かって足下を見ると足が短く見えるのは何故か。海岸に打ち寄せる波の波面が海岸と平行になることが多いのは何故か。

• 伝播速度が変化する面での反射:水に潜って上を見ると空が狭いのは何故か。 よく晴れた夜、遠くの電車の音が聞こえたりするのは何故か。

• 反射と屈折:虹の本体はどこにあるのか?

27 28

今日のまとめ波の干渉

同じ波長(振動数)の波がいくつかあると

場所によって強めあったり弱めあったりする

定常波

一次元の干渉現象の結果、進行しないで

各点が振動する状態が実現

空気中の音は空気の粗密の縦波

ドップラー効果

速度の計測に用いることが出来る