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アヴェ・マリアの祈り 、恵 めぐ みに みに みに みに満 ちた ちた ちた ちた方 かた はあなたとともにおます はあなたとともにおます はあなたとともにおます はあなたとともにおます。 あなたは あなたは あなたは あなたは 女 おな のうちで のうちで のうちで のうちで祝福 祝福 祝福 祝福 しくふく さ、 ご胎内 胎内 胎内 胎内 たいない の御 も祝福 祝福 祝福 祝福 しくふく さています さています さています さています。 かみ の母 はは せい たしたち たしたち たしたち たしたち罪 つみ びと びと びと びとのために のために のために のために、 いま も、死 むか とき も、お祈 いの ください ください ください ください。 2011 6 14 定例司教総会にて承認) 日本カトリック司教協議会 2011 6 14

アヴェ・マリアの祈り - カトリック中央協議会 カ …¯„せられましたが、適当な代案は見いだせませんでした。また、“fructus” の文字通り

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アヴェ・マリアの祈り

アヴェアヴェアヴェアヴェ、、、、マリアマリアマリアマリア、、、、恵恵恵恵めぐ

みにみにみにみに満満満満み

ちたちたちたちた方方方方かた

、、、、

主主主主しゅ

はあなたとともにおられますはあなたとともにおられますはあなたとともにおられますはあなたとともにおられます。。。。

あなたはあなたはあなたはあなたは 女女女女おんな

のうちでのうちでのうちでのうちで祝 福祝 福祝 福祝 福しゅくふく

されされされされ、、、、

ごごごご胎内胎内胎内胎内たいない

のののの御御御御おん

子子子子こ

イエスもイエスもイエスもイエスも祝 福祝 福祝 福祝 福しゅくふく

されていますされていますされていますされています。。。。

神神神神かみ

のののの母母母母はは

聖聖聖聖せい

マリアマリアマリアマリア、、、、

わたしたちわたしたちわたしたちわたしたち罪罪罪罪つみ

びとびとびとびとのためにのためにのためにのために、、、、

今今今今いま

もももも、、、、死死死死し

をををを迎迎迎迎むか

えるえるえるえる時時時時とき

もももも、、、、おおおお祈祈祈祈いの

りりりりくださいくださいくださいください。。。。

アーメンアーメンアーメンアーメン。。。。

(2011年 6月 14日 定例司教総会にて承認)

日本カトリック司教協議会

2011 年 6 月 14 日

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「アヴェ・マリアの祈り」正式口語訳について

1.口語訳改訂の経緯

かつての『公教会祈祷文』に掲載されていた文語による「天使祝詞」は、他の多く

の日常の祈りとともに口語による「聖母マリアへの祈り」として、『日々の祈り』(1993

年 9 月 15 日発行)に掲載され、以来今日まで使用され浸透してきました。その間、聖

書のことば(ルカ 1・28、1・42)に基づく「アヴェ・マリア」のラテン語原文にできる

だけ忠実な口語訳を作成してほしいという要望を受けていた司教団は、改訂の必要性

を認め、昨年 2010 年 10 月 8 日に開催された特別臨時司教総会で、「アヴェ・マリアの

祈り(試用版)」を作成し、2010 年 12 月 8 日から 2011 年 3 月 25 日まで試用して、

全国の皆様のご意見を求めました。短期間の試用ではありましたが、446 件のご意見が

寄せられました。司教団からのお願いに多くの皆様が応えてご意見を提示してくださ

ったことに対して、心から感謝いたします。

そして、このたび開催された 2011 年度定例司教総会において、皆様からいただいた

ご意見をふまえて試用版について再検討し、正式口語訳を承認するに至りました。再

検討にあたっては、以下の点を基本方針としました。

①口語訳(現代語訳)の祈りの正式版をめざすこと。

②ラテン語原文にできるだけ忠実な翻訳をめざすこと。

③日本語の祈りとしての流れやリズムを大切にすること。

④外国籍の信者に配慮すること。

大切な祈りをたびたび変えるべきではない、ようやく祈りを覚えたのになぜ今変更

しなければならないのか、など厳しいご意見もあり、また、すでに親しんでいる祈り

を新しい祈りに変えることによって混乱が生じるおそれもありますが、司教団として

はよりよい祈りを用いていただくために、改訂された口語訳を承認したしだいです。

2.正式口語訳について

①表題「アヴェ・マリアの祈り」

文語の祈りは「天使祝詞」、口語訳は「聖母マリアへの祈り」と呼ばれてきましたが、

下記②の説明にあるように、ラテン語原文の冒頭の“Ave, Maria”を片仮名で表記するこ

とにしたため、祈りの表題もそれに合わせて「アヴェ・マリアの祈り」にしました。

外国語の書名や楽曲名などを片仮名で表記する際の慣例に従い、表題には中点「・」

を使用して「アヴェ・マリア」と表記しました。

②「アヴェ、マリア、」

ラテン語の祈りは、“Ave, Maria”という呼びかけで始まります。ルカ 1・28 に基づく

この“Ave”というあいさつのことばは、「聖母マリアへの祈り」では省かれていました。

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『聖書 新共同訳』では「おめでとう」、フランシスコ会聖書研究所訳『新約聖書』で

は「喜びなさい」などと訳されています。けれども、たとえば臨終や通夜の式の中で

ロザリオの祈りを唱えるような場合、「おめでとう」や「お喜びください」、あるいは

文語の祈りの冒頭の「めでたし」などでは唱えにくいとの意見が従来からありました。

試用版に対しては、ラテン語で始まる祈りに違和感を覚える、“Ave”は無理に訳す

必要がない、などのご意見がある一方で、外国からの信者のためにはなじみやすい、

とのご意見もありました。また、「アヴェ、マリア」ということばは、キリスト教以

外においてもすでに歌曲名等で定着していると思われます。これらを考慮したうえ

で、“Ave”をふさわしい日本語に訳すことはできないため、試用版のとおりラテン語

原文の冒頭のことばを片仮名で表記することとしました。

ラテン語の“Ave”の背景には、新約聖書ギリシア語原文の“chaire”ということばが

あります。この呼びかけのことばの深い意味は、カテケジス(教理教育)によって

解き明かす必要があります。

③「恵みに満ちた方、」

「聖母マリアへの祈り」では「恵みあふれる」と訳されていましたが、ラテン語の

“plena”(満ちる)により忠実な訳として「恵みに満ちた方」としました。「満ちた方」

では、マリアが神からの恵みに満たされた方であることを表していないとのご意見が

あり、「恵みに満たされた方」、「神の恵みに満ちた方」などの代案も検討されましたが、

日本語としての唱えやすさを考慮し、また誤解のおそれは少ないと判断して、「恵みに

満ちた方」を採用しました。

④「主はあなたとともにおられます。」

「おられる」は文法的に誤りではないかとのご指摘がありました。国語の専門家

からは、「おられる」には明治期以来の用例があり、すでに市民権を得た表現である

とのご意見をいただきましたので、試用版どおりにしました。

⑤「あなたは女のうちで祝福され、」

「聖母マリアへの祈り」の「主はあなたを選び、祝福し」については、ラテン語原文

の“in mulieribus”(女の中で)が訳されていないとのご指摘がありました。また、主

なる神を主語にして「主はあなたを選び」と訳したため、原文にはない「選び」が用

いられていました。

今回は上述した改訂の基本原則に従って、これらの点を再検討しました。「女」につ

いては、現代語の用い方からみて適当ではない、「女性」のほうがよい、などのご意見

がありましたが、「女性」は祈りの表現としてまだ自然とはいえないと判断し、試用版

どおり「女」を用いることとしました。

⑥「ご胎内の御子イエスも祝福されています。」

「聖母マリアへの祈り」で「あなたの子」と訳されていた箇所は、ラテン語原文の

“fructus ventris tui”(あなたの胎の実)の“ventris”(胎)を訳して「ご胎内の御子」

としました。「胎内」については、医学の専門用語のような印象を受けるとのご意見も

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寄せられましたが、適当な代案は見いだせませんでした。また、“fructus”の文字通り

の意味は「実」、「果実」(英語では“fruit”)ですが、日本語の祈りの文章にはなじまな

いため「御子」を採用しました。

「祝福されています」については、「聖母マリアへの祈り」の「祝福されました」

に、過去に行われた行為の継続性が含まれているとのご意見がありましたが、行為

の継続性を明確に表す表現として「祝福されています」を採用しました。

この「あなたは女のうちで祝福され、ご胎内の御子イエスも祝福されています。」

の箇所は、かつての「天使祝詞」とよく似た表現になっています。これ以上に適切

な代案を見いだすことができなかったということになりますが、この箇所について

もカテケジスが必要であると考えています。

⑦「神の母聖マリア、」

「神の母」ではマリアに対する尊敬が感じられない、とのご指摘がありましたが、試

用版どおり「神の母」を採用しました。

⑧「わたしたち罪びとのために、」

試用版の「罪深いわたしたちのために」に対しては、試用版を準備する段階でも

検討されていた「わたしたち罪びとのために」を支持するご意見が寄せられました。

「罪深い」と「罪びと」についてあらためて検討し、原文“pro nobis peccatoribus”に

より近い「わたしたち罪びとのために」を採用しました。

⑨「今も、死を迎える時も、お祈りください。」

試用版の「祈ってください」は丁寧な表現ではあるが尊敬を表していないとのご意

見をふまえて、「お祈りください」を採用しました。

3.使用にあたってのお願い

今後は、今回承認された「アヴェ・マリアの祈り」が正式な口語訳となります。し

たがって、従来の口語訳の「聖母マリアへの祈り」と文語による「天使祝詞」は公式

には用いないことといたします。

新しい口語訳に慣れるまでにはしばらく時間がかかると思いますが、個人で、ある

いは共同でこの祈りを繰り返し唱えて、少しずつ親しんでいただきたいと思います。

また、司牧の現場においては、この新しい口語訳「アヴェ・マリアの祈り」の理解

を求める信徒の方々や、子どもたちへの信仰教育、成人のキリスト教入信式への準備

段階をはじめ、カトリックの幼稚園や学校などにおいても、折にふれて「アヴェ・マ

リアの祈り」の内容に関するカテケジスを行い、この伝統的な祈りに対する理解を深

めてくださるようお願いいたします。

2011 年6月 14 日

日本カトリック司教協議会