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月刊現代ギター (gendaiguitar) - [ Lite版 ] 2011年3月号

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GENDAI GUITAR MAGAZINEVol.45 No.3 March2011 No.563

M a r c hPHOTO REPORT

26 コンサート・フォト・レポート 大萩康司

渋谷 環&宮下祥子

全音現代音楽シリーズ 17 四人組とその仲間たち

松永一文

グラン・フェスティバル 東京公演

小原安正20thメモリアル

アンサンブル・ノマド

フレッシュ・ギター・コンサート

松尾俊介

TOYS

REPORT

34 福田、荘村、大萩 台湾公演36 第18回名古屋ギターコンクール

READING/ESSAY

38 濱田滋郎・鑑賞術[12] ファリャの音楽①

46 ロンドン便り[22]

48 ニューヨーク便り[6]

50 巨匠の時代[6](富川勝智) ホセ・ルイス・ゴンサレス③

54 ナクソス・ギター・ライブラリー[最終回]

58 渡辺和彦の a tempo 日記[12](渡辺和彦)

TALK & LECTURE

22 愛器を語る[24]

山田 岳(ロバート・ラック)

60 動画をクリック! テクニックレシピ[12]

(新井伴典)

INFORMATION

42 めもらんだむ43 コンクールインフォメーション45 書評 『ギターと出会った日本人たち』

『ギターに魅せられて』

62 新譜案内64 外盤案内66 新刊案内

EMSEMBLE

アンサンブルの広場68 あんさんぶる今月のイチオシ

69 ホットトーク&掲示板

4 特 集 ギター製作コンクール 2010      コンクール・レポート/優勝者インタビュー/審査員講評インタビュー

12     パヴェル・シュタイドル

16     ホセ・ルイス・ロマニリョス

C O N T E N T S表紙:パヴェル・シュタイドル

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4 Gendai Guitar

 昨年 12 月 11 日、東京の GG サロンにおいて現代ギター社主催「ギター製作コンクール 2010」が開催された。日本において過去に何度かのギター製作コンクールが開催されたが、ここ数年は途絶えていたこともあり、今回は全国から 27 名 31 本の応募があった。また、「ギター・グッズ製作コンクール」も併設され、ギター周辺の作品の応募が5 点あった。

●ギター製作部門

 ギター製作部門の今回の応募資格は、製作者の年齢、性別、プロ・アマチュア、楽器のデザイン、材料を問わない、2010 年以降に完成したもの、複数参加可能、というものであった。昨年の本誌2月号から公募を始めてから数ヶ月はほとんど応募がなく、開催を危ぶむ声もあったが、締め切りの 11 月 20 日直前になってどっと申込みが殺到した。参加すべく製作を始めたものの、申込みは出来具合を見届けてから、ということか、それとも単にスタートが遅れた

のか? いずれにせよ集まったギターたちはいずれもニスの匂い漂う、出来立てのホヤホヤばかりであった。参加者は関東一円からは当然のこととして、関西、四国、北は青森県、南は熊本県からと、全国規模であった。 アンケートによると、27 名のうち 1 名は女性、年齢層は 30 歳から 79 歳、平均年齢は 54.5 歳であった。職業については、ギター製作家は 7 名(8 本)、定年退職者 5 名。そのほ他は自営を含む勤労者である。退職後の趣味としてギター製作を始める方が多いようだ。 昔はアマチュアが使える材料は限られていたが、今回は裏・横板に関してはインディアン・ローズウッドの他にハワイアン・コア、ココボロ・ローズウッド、メープル、ハカランダ、ホンジュラス・ローズウッド、マダガスカル・ローズウッド、マホガニー合板などと多彩であった。インターネットにより簡単に海外からも購入できる時代を反映している。それに対して表面板はほとんどがスプルースで、杉

(レッドシーダー)は2名 3本のみであった。

ギター製作コンクール2010

HERMANN HAUSER III

講演会レポート

通訳:加藤政幸

レポート:編集部 中里精一 写真:宮島折恵

GUITAR CONSTRUCTION COMPETITION 2010Sponsored by Gendai Guitar Co., Ltd.

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José Luis RomanillosJosé Luis Romanillos|「ロマニリョス」の近況|――シグエンサ近郊のギホーサに移られて最近はどのような生活を送っていますか ? ロマニリョス(以下 R) 私の住むここギホーサは、シグエンサ市から 7Km 離れており、常住しているのは我々を含めて 10 人ほどの本当に小さな村です。正式に引っ越してきたのは 1995 年、今から 15 年前ですね。実はイギリスでも似たような環境の所に住んでいたのですよ。ここでは、人混みや雑踏などとは一切関係なく、静かに生活することができる特権があります。私にとって静かで自然に恵まれたところで生活することは、本当に大切

なことなのです。周囲に邪魔されず、自分の研究に没頭できます。ここでの生活にはとても満足していますよ。――今は息子さんとギターを作っているそうですが、どのような役割分担で、年間何本くらい作っていますか ?R 現在、実際の製作というのは、ほとんどすべて息子のリアンがイギリスでしています。ギホーサは湿度が安定しており材料を寝かせておくには適しているので、私が主に表面板の管理をしています。あと、ときどき口輪のモザイクなどを手伝ったりすることもありますが、今言ったようにすべて息子に任せてあります。年間 8 ~ 10本ほど作っています。ロマニリョスの製作法は我々独自のものですから、私自身か息子のリアン以外の手で作ら

16 Gendai Guitar

スペシャル・インタビュー

ホセ・ロマニリョスPro� le José Luis Romanillos1932 年、スペイン・マドリッド生まれ。1956 年に仕事のためイギリスに渡るも独学でギター製作を学び始め、カルロス・ボネルやギルバート・ビベリアンから絶賛され 1967 年よりギター製作に専念する。1970 年ころからはジュリアン・ブリームとの交流の中からさらに製作技術に磨きをかけ、ブリームの演奏会や録音に使用されて以来、現在では世界でもっとも人気、評価の高いギター製作家の1人。日本でも人気が高く、村治佳織を始めさまざまなギタリストが愛用している。また、研究家としても精力的に活動し、1987年に出版した著書『アントニオ・トーレス ギター製作家/その生涯と作品』は日本語や独語にも訳され国際的に評価を受けている。

製作家として圧倒的な人気を誇るだけでなく、ギター研究家としても名高いロマニリョス。自身のコレクションや資料を展示したギター博物館が 2009 年 10 月に開館され、1 年ほどで約 1 万 7 千人もの来場者を数えると言う。現在はその博物館があるシグエンサ市から離れたところに静かに暮らすマエストロの自宅に訪問しインタビューを行なった。

ギター博物館開館を巡って

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愛器を語る

山田 岳 ◆ロバート・ラック

(1994)

写真:木田新一

山田 岳 Gaku Yamadaこれまでにギターを長野文憲、徳武正和、佐藤紀雄、O. ギリア、E. カソリ、D. ゲーリッツの各氏に、古楽演奏解釈を M. ロナルディ氏に師事。ガルニャーノ国際ギターコンクール最高位、ベルリン国際ギターコンクール第3位入賞。2010 年、第9回現代音楽演奏コンクール「競楽 IX」においてギタリストとして初の優勝を果たし、第 20回朝日現代音楽賞を受賞。2006 年に渡独。在独中はベルリンを中心とした多くの現代音楽シリーズに出演。とりわけ久保摩耶子作曲〈イザナミの涙〉〈イザナギの叫び〉の初演・録音は好評を博し、ベルリン文化放送などのメディアにも取り上げられた。2009 年帰国。現在、東京を拠点にリサイタル活動や新作初演、現代音楽アンサンブルへの参加など、多方面において能動的に活動を展開している。自身が主宰する現代音楽の演奏を中心としたアンサンブル「Trio ku」では、ベルリン、ハノーファー、ツェペルニックのドイツ3都市の音楽祭に招聘され演奏した。

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26 Gendai Guitar

Concertphoto report

2010 年にはデビュー 10 周年記念として各地で公演をしてきた大萩の、東京文化会館でのリサイタルが 12 月に行なわれた。プログラムはすべて 20 世紀以降に生み出された作品で構成され、そのうち

〈大聖堂〉以外はセゴビアもしくは大萩康司のために書かれた作品である(奇しくも1982 年、最後のセゴビア来日でも東京文化会館が使われている)。その二種の作品の対比はそのまま「大曲」と「小品」として表われており、「大曲」では若手らしい推進力とドラマティックな表現で弾ききり、「小品」では大萩最大の持ち味の 1 つであるみずみずしい詩情を活かしたこまやかな表現で鮮烈な音楽を会場中

に響かせ、観客を堪能させた。最後はアンコール 2 曲を披露し盛大な拍手とともにリサイタルが締め括られたが、今後大萩のために書かれた「大曲」を聴かせてくれることを多くのファンも期待していることであろう。プログラム:フェリシタシオン!(金子仁美)、コンポステラ組曲(モンポウ)、ソナタ第 3 番(ポンセ)、大聖堂(バリオス)、マートル(小出稚子)※世界初演、12 月の太陽(ゲーラ)、ソナタ“ボッケリーニ讃”(C= テデスコ)。

〔12 月11 日/東京文化会館小ホール〕

大萩康司写真:東 昭年

Yasuji Ohagi