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物質の状態 I. 1 物理量と単位 2 気体の性質 3 エネルギー 4 自発的な変化 4-1 エントロピー 4-2 自由エネルギー 4-3 相転移の熱力学. 4 - 1 エントロピー S. ○ 自発変化 と エントロピー. 自発変化 D S > 0 ?. 不可逆的なプロセス「覆水盆に返らず」. 4 - 1 エントロピー S. ○ 自発変化 と エントロピー. ○ 熱力学第二法則. ① 孤立系の自発変化ではエントロピーが増大する。 ( エントロピー増大則) ② 熱が低温物体から高温物体に自然には移動しない。 - PowerPoint PPT Presentation
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物質の状態 I
1 物理量と単位2 気体の性質3 エネルギー4 自発的な変化 4-1 エントロピー 4-2 自由エネルギー 4-3 相転移の熱力学
4 - 1 エントロピー S○ 自発変化とエントロピー
不可逆的なプロセス「覆水盆に返らず」
自発変化 DS > 0 ?
4 - 1 エントロピー S
○ 自発変化とエントロピー○ 熱力学第二法則
① 孤立系の自発変化ではエントロピーが増大する。( エントロピー増大則)
② 熱が低温物体から高温物体に自然には移動しない。( クラウジウスの原理)
③ 温度一様の物体からとった熱を全て仕事に変えることはできない。 (トムソンの原理)
④ 第二種永久機関はつくれない。⑤ 宇宙(最大の孤立系)のエントロピーは最大値に向かう。⑥ エントロピーは時間の矢である。
4 - 1 エントロピー S
○ 統計学的なエントロピーの定義ボルツマンの式
状態確率 (気体分子にエネルギーを分配させる方法の数)
B lnS k
1 個の粒子を見つける確率= 1/5
1 個の粒子がマスに入る状態確率
2 個の粒子がマスに入る状態確率 = 52
3 個の粒子がマスに入る状態確率 = 53
α 個の粒子が N 個のマスに入る状態確率 = N α
乱雑さを増す
= 5 状態確率
○ 熱力学的なエントロピーの定義
(J K-1)
S q
「可逆的に熱として移動したエネルギー q を系の温度 T で割った値を DS 」
qS
T
4 - 1 エントロピー S
q w
もともと熱い物体は乱雑な熱運動をしている。
4 - 1 エントロピー S
○ エントロピー変化 DS
4-1-1 相転移によるエントロピー変化
4-1-2 体積変化によるエントロピー変化
4-1-3 温度変化によるエントロピー変化
22 1 B 2 1 B
1(ln ln ) lnS S S k k
1 2S S
2 1> 0S
4 - 1 エントロピー S4-1-1 相転移のエントロピー変化
trstrs
trs trs
HqS
T T
(圧力一定)
vapvap
bp
-1 -188 J K mol
HS
T
0H 孤立系では
0S
相転移が起こるには,
trs
trs
H HS
T T
trsT T
4 - 1 エントロピー S
4-1-1 相転移のエントロピー変化trs
trstrs trs
HqS
T T
4 - 1 エントロピー S4-1-2 気体の等温可逆膨張とエントロピー変化
V1 V2 0U q w
2 1 2
1
ln( )ln
n RT V V Vq wS n R
T T T V
気体が膨張すると V2/V1 > 1 なので, DS > 0
↓膨張するほど分子が動く空間が広まり,乱雑さが増える。 ① エントロピー増大則
(例)気体1モルが任意の温度で 3 倍に膨張すれば,
-1 -1 -11 (mol) 8.31 (J K mol ) ln 3 9.1J KS
4 - 1 エントロピー S4-1- 3 温度変化に伴うエントロピー変化
2
1
dT
T
qS
T
2
1
2
1
dln
T ppT
C T TS C
T T
d pq C T
(圧力が一定)
2 1 0T T S
② 熱が低温物体から高温物体に自然には移動しない。( クラウジウスの原理)
ここで,実際の温度変化に伴う
エントロピー変化を考えてみよう。
4-1- 3 温度変化に伴うエントロピー変化
1 1100
33375.3 (J K ) ln 8.5 (J K )
373S
1 120
33375.3 (J K ) ln 9.6 (J K )
293S
1sys 100 20 1.1 (J K )S S S
175.3 (J K )pC
自発的変化DS > 0
4-1- 3 温度変化に伴うエントロピー変化
1 1100
29375.3 (J K ) ln 18.1 (J K )
373S
自発的変化?
周辺空気(室温 20℃ )には,75.3 (100 - 20) J の熱が流れ込む。
120,air
75.3 (100 20)20.6 (J K )
293q
ST
1univ 100 20,air 2.5 (J K )S S S 自発的変化
(系) (外界)DS > 0
175.3 (J K )pC
4-1- 3 温度変化に伴うエントロピー変化
4 - 1 エントロピー S
② 熱が低温物体から高温物体に自然には移動しない。( クラウジウスの原理)
4 - 1 エントロピー S
カルノーサイクル
④ 第二種永久機関はつくれない。
③ 温度一様の物体からとった熱を全て仕事に変えることはできない。 (トムソンの原理)
qh
w
4 - 1 エントロピー S
オットーエンジン
1 吸気 2 圧縮・点火 3 膨張 4 排気
4-1-4 カルノーサイクル
燃費 → 熱効率
4 - 1 エントロピー S4-1-4 カルノーサイクル
qh
w
h h効率 h
h h1l l lq T T Tw
q q T T
h0 1lT T
熱機関の効率は決して 100 % にならない。
4 - 1 エントロピー S4-1-4 カルノーサイクル
qh
w
③ 温度一様の物体からとった熱を全て仕事に変えることはできない。
(トムソンの原理)
④ 第二種永久機関はつくれない。
4 - 1 エントロピー S
4-1- 5 熱力学第三法則
① T = 0 K に近づくにつれて,純物質のエントロピー変化はゼロに近づく。
② T = 0 K で完全結晶だけが S = 0 になる。③ T = 0 K に到達するのは不可能である。
(ネルンストの熱定理)
第三法則エントロピー(絶対エントロピー)
( )0K 0S として求められたエントロピー
○ 標準モルエントロピー(第三法則エントロピー)
4 - 1 エントロピー S
4-1-6 自発変化の方向
univ sys sur 0S S S
⑤ 宇宙(最大の孤立系)のエントロピーは最大値に向かう。⑥ エントロピーは時間の矢である。雪の結晶形成 秩序が生まれる。
∥S は減少する。 ?
雲の中では, 周囲の大量の水滴が蒸発, 気相に相転移する。 ∥ S は増大する。
BUT
自発変化とエントロピーの関係は理解できましたか ?
それでは問題を解いてみましょう。
問1 エントロピーに関する記述の正誤
1 気体の体積が大きくなるほど,エントロピーは小さくなる。
2 容器の中の分子数が多くなるほど,エントロピーは大きくなる。
3 孤立系のエントロピーは,可逆過程では常に増大する。
4 完全結晶性物質のエントロピーは, 0 K でゼロである。
5 不可逆過程でのエントロピー変化は,吸収された熱量を絶対温度で割った値に等しい。
6 熱力学第二法則は,エントロピー増大の法則である。
大きく
不可逆過程
DS > q/T
問2 エントロピーに関する記述の正誤
1 2種の理想気体を混合すると,エントロピーは増大する。
2
一定圧力下,物質の DvapS は, DvapH と沸点 T との間
に,
DvapS = DvapH/T の関係がある。
3理想気体が V1 から V2 へ 等温可逆膨張するとき,系の
エントロピー変化量は D S = - R ln V2/V1 である。
4一定圧力下,系が温度 T1 から T2 ( T2 > T1 )に変化し
たとき,エントロピー変化量は DS =-Cp ln T2/T1 で ある。
5系が状態 A から状態 Bへ変化するとき,系のエントロ
ピー変化の増加は可逆変化では不可逆変化より常に大き
い。
D S = R ln V2/V1
D S = Cp ln V2/V1
変化の過程によらず常に一定
問3 熱力学量に関する記述の正誤
1 熱力学第三法則によれば,孤立系においてひとりでに起こる変化は系のエントロピーが増大する方向に進む。
2 熱が高温の物体から低温の物体へ移動する変化は,それ以外に何の変化も起こっていなければ不可逆である。
3 孤立系が平衡状態にあるとき,系のエントロピーは最小である。
4 1つの熱源から熱を取り,これを全て仕事に変え,周りに何も変化も残さずに,周期的に仕事をする機関は無い。
5閉じた系で不可逆変化が起こり,系のエントロピーが増大しても,系と外界のエントロピーの和は減少することがある。
熱力学第二法則
最大
必ず増大する
問4 熱力学に関する記述の正誤
1 元素のエントロピーは標準状態でゼロと約束されている。
2 エントロピーの標準状態は, 1 bar である。
3 相転移のない純物質のエントロピーは定圧熱容量の測定データから求めることができる。
4 全ての物質は有限の正のエントロピーをもつ。
5 カルノーサイクルは第 2 種永久機関であり,熱効率は1となる。
6 水素 H2 ( g )の標準モルエントロピーは 0 J K-1 mol-1 である。
絶対零度
0 J K-1 mol-1 より大きな有限の値
1 より小さい
物質の状態 I
1 物理量と単位2 気体の性質3 エネルギー4 自発的な変化 4-1 エントロピー 4-2 自由エネルギー 4-3 相転移の熱力学
○ DS 自発変化の方向univ sys sur 0S S S
4 -2 自由エネルギー
syssur
qS
T
系が吸収する熱量を とすると,sysq
sysuniv sys
qS S
T
univ sys sysT S T S q
univ sys sysT S T S H
定圧変化では, sysq H
sys sysG H T S ○ G ギブズ自由エネルギー
univ 0 0S G
G H T S
4 -2 自由エネルギー 4-2-1 ギブズ自由エネルギー
DG < 0:状態 A → 状態 B の反応が自発的に起こる。DG = 0:系は平衡状態にある。
DG > 0:状態 B → 状態 A の逆反応が自発的に起こる。
(定圧下)
G H T S
Enthalpy H(全エネルギー)
Gibbs enerugy G(利用できるエネル
ギー)
T S(利用できな
いエネルギー)
4 -2 自由エネルギー A U T S 4-2-2 ヘルムホルツ自由エネルギー
(定容下)A U T S
univ 0 0S A
D A< 0:状態 A → 状態 B の反応が自発的に起こる。DA = 0:系は平衡状態にある。
DA > 0:状態 B → 状態 A の逆反応が自発的に起こる。
熱力学関数のまとめ
記号 熱力学関数関数を用いるのに便利な条件
他の熱力学関数との関係
U 内部エネルギー 定温定積
H エンタルピー 定温定圧 H = U + p V
A ヘルムホルツエネルギー 定温定積 A = U – T S
G ギブズエネルギー 定温定圧 G = H – T S
G = U + p V – T S
DH DS DG 反応の方向性< 0 (発熱反応)
< 0 低温で < 0
低温で自発的(エンタルピー駆動)
< 0 (発熱反応)
> 0 常に < 0
温度に関わらず自発的に起こる
> 0 (吸熱反応)
< 0 常に > 0
温度に関わらず自発的に起こらない。
> 0 (吸熱反応)
> 0 高温で < 0
高温で自発的(エントロピー駆動)
4 -2 自由エネルギー 4-2-3 反応の自発変化の方向 G H T S
4 -2 自由エネルギー
○ 標準反応ギブズエネルギー
r r rG H T S
rG
標準状態( 1 bar )での反応に伴うギブズエネルギー変化
( (生成物) 反応物)r f fG G G
○ 標準生成ギブズエネルギー基準状態にある構成元素から 1 mol の物質を生成するときの標準反応ギブズエネルギー
fG
では、 CO2 の標準反応ギブズエネルギーを求めてみましょう。
4 -2 自由エネルギー
黒鉛 -r f 2 f f 2(CO ) ( ) (O )G G G G
CO2 は以下の反応から
(黒鉛 +) 2 2C O (g) CO (g)
r f 2(CO )G G
標準反応ギブズエネルギーは
つまり、CO2 の標準生成ギブズエネルギーは、 CO2 生成の標準反応ギブズエネルギーと一致する。
↓=0
↓=0
4 -2 自由エネルギー 4-2-4 ギブズエネルギーの温度と圧力による変化
○ 温度,圧力依存性
d d dG V p S T
○ 定圧( )であれば,
d 0p d dG S T
○ 定温( )であれば,
d 0T d dG V p
G は温度上昇に伴い減少する。
G は圧力上昇に伴い増加する。
d d d d d d d
d d , d d
d d d
G H S T U pV ST
G q w p V V p S T T S
q T S w p V
G V p S T
4 -2 自由エネルギー 4-2-4 ギブズエネルギーの温度と圧力による変化
d
d
GS
T
d
d
GV
p
S (固体) < S (液体) < S (気体) 2
1
2
1d ln
V
V
pG V p nRT
p
温度が上昇すると,固体→液体→気体 と相転移する。
物質の状態 I
1 物理量と単位2 気体の性質3 エネルギー4 自発的な変化 4-1 エントロピー 4-2 自由エネルギー 4-3 相転移の熱力学
4 -3 相転移の熱力学 ○ クラペイロンの式 : 相境界の傾きを表す式
相境界上では、2つの相( α 相と β 相)は平衡状態である。
d d dG V p S T
, , , ,
, , , ,
d S d d S d
S S d d
m m m m
m m m m
V p T V p T
T V V p
trs
trs
dd
SpT V
trs , ,m mV V V
trs , ,m mS S S H
ST
trs trs
trs trs trs
dd
S HpT V T V
4 -3 相転移の熱力学
trs
trs trs
dd
HpT T V
○ クラウジウス - クラペイロンの式 : 液体 - 気体の相境界
vap ( ) ( ) ( )
( ) /
m g m l m g
m g
V V V V
V R T p
2
dd
vapp HpT R T
ln vapHp C
R T
2
1 2 1
1 1ln vapHp
p R T T
傾き vapH
R
クラペイロンの式
それでは、最後の問題です。あと ちょっと!
問5 定温定圧の閉じた系でのギブズエネルギーに関する記述の正誤
1 系の不可逆変化はギブズエネルギーが増加する方向に進む。
2系の変化に際して, DH の寄与で DG が負になる場合,エントロピー駆動の変化という。
3系が外界に対して行うことができる体積変化以外の最大仕事は,ギブズエネルギーの減少量に対応する。
4系が平衡状態であるとき,系のギブズエネルギーは最小である。
5 ギブズエネルギーの定義式は, G = H T - S である。
減少
エンタルピー駆動
G = H- S T
問6 ギブズエネルギーに関する次の記述の正誤
1 エンタルピーとエントロピーとの関数であり,圧力には依存しない。
2 温度一定の条件下では,圧力の上昇に伴って増大する。
3定温定圧の閉じた系では,系が平衡状態であるとき,系のギブズエネルギーは最小である。
4定温定圧の閉じた系では,系の不可逆変化はギブズエネルギーが増加する方向に進む。
5定温定圧の閉じた系では,系の微小変化に際して, DH < 0
かつ DS < 0 ならば,その変化は自発的に起こる。
6定温下で, 1 mol の理想気体の圧力を p1 から p2 に増大するときの DG は, DG = R T ln p1/p2 で表される
H = U + p V であるから,圧力と温度による影響を受ける。
減少する
DH < 0 かつ DS > 0
DG = R T ln p2/p1
問7 熱力学に関する次の記述の正誤
1 熱力学第二法則は孤立系に対して自発性の判定基準を与える。
2理想気体の膨張仕事の最大値は予測できるが,圧縮に要する仕事の最小値は予測できない。
3理想気体の等温可逆膨張による仕事 wrev は,等温不可逆膨張の仕事 wirrev よりも常に大きい。
4等温変化で系が熱 q を吸収するとき, q/T は変化の経路に関係なく一定である。
5 自発的な変化が起きるとき,系のエントロピーは常に増加する。
6 仕事と熱は相互に完全に変換できるエネルギーである。
予測可能
q は経路の変化により変わる。
系と外界との総和エントロピー変化
熱効率
【理論問題】第 98回 問 91 熱力学に関する次の記述のうち、誤っているも
のはどれか。 1 つ選べ。
1 系の内部エネルギーは、その系の現在の状態だけで決まり、その状態に至る経路は関係しない。
2 孤立系で不可逆変化が起これば、エントロピーは増大する。
3 状態量には示強性と示量性があり、温度は示量性の状態量である。
4 熱力学第三法則でいう純物質の完全結晶のエントロピーは、絶対零度ではゼロである。
5 ギブズ自由エネルギーは、エントロピー、エンタルピーおよび温度の関数である。
1 固体と液体が共存する状態では、純物質は圧力をかけると固体から液体へと変化する。
2 純物質は圧力が高くなると沸点が上昇する。
3 純物質の状態図における昇華曲線の傾きは負となる。
4相転移に伴うエンタルピー変化と相転移温度から、相転移に伴うエントロピー変化を求めることができる。
【理論問題】第 98回問 93 式は、相転移温度と圧力の関係を表したクラペイロンの式
である。相転移に関する記述のうち、正しいのはどれか。 2 つ選べ。
trs
trs
dd
HpT T V
p : 圧力、 T:温度、 DtrsH:相転移に伴うエンタルピー変化DtrsV :相転移に伴う体積変化
熱力学はこれでおしまい!!!!
理解できましたか ?