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1 ★ 浪工会会報 楠本校長と中谷会長が対談 ~母校の現状と将来を聞く~ 会報 星翔高等学校同窓会 第11号 浪工会 学校法人浪工学園 発行●星翔高等学校同窓会浪工会 〒566-0022 摂津市三島3丁目5-36 TEL06-6381-0220 FAX06-6383-4822 発行日●2012年10月1日 楠本義一校長 楠本義一校長 中谷太喜夫会長 中谷太喜夫会長

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今号では新しく浪工会の会長

となった中谷太喜夫と楠本義一

校長の対談記事を掲載させてい

ただきます。去る七月二十五日

に星翔高等学校校長室において、

小林貞夫前会長による司会進行

で行われました。

司会 本日は楠本校長と中谷会

長の対談を設定し、母校が今ど

のようになっているのかを会報

を通じて同窓会員に広く知って

もらおうと考えました。それで

は中谷会長から質問をお願い致

します。

中谷 最近母校星翔高校のクラ

ブが大活躍しています。これは

楠本校長が国際科スポーツコー

スを設置され、有望な生徒たち

を広く勧誘してクラブ活動に力

を注がれて来たことによるもの

と思いますが、その内容と目的

について聞かせてください。

校長 私が本校に着任した際に

強く感じたことは、学校の活気

が乏しいということでした。グ

ラウンドに若い生徒たちの声が

いっぱい聞こえることが必要で

あると思いました。若いエネル

ギーがグラウンドに張り巡らさ

れていることが如何に大切か。

それを考え、本校の普通科には

スポーツコースがなかったため、

何らかの枠組みを作れないかと

思いました。

 

以前に本校には国際科があり

ましたが、募集を停止していま

した。そこで私はスポーツの国

際化を考え、新たな視点で国際

科スポーツコースを創設するこ

とにしました。その考えを府の

私学課に相談したところ、本来

国際科は外国語などの言語教育

が中心になるところであり、ス

ポーツは国際科としてどうなの

かと言われました。

 

私は言語教育の国際専門課程

二十五単位を履修させると同時

に、スポーツ教育を加味して行

うと説明したところ、それであ

れば問題ないであろうというこ

とになり認可されました。目的

はあくまでも学校の活性化です。

 

さて、新コースを作っただけ

では生徒は集まらないので、優

秀な生徒をスポーツ推薦しても

らい優遇制度を設けることにし

ました。学校のスポーツ部顧問

の先生方と話し合う中で、自分

たちが努力して作り上げて来た

スポーツ部を生かして欲しいと

の意見が出ました。それらの意

見に耳を傾け、女子の新スポー

ツ三部を加えて九部で行くこと

になりました。なお、現在は二

部減って、七部になっています。

中谷 かつて卓球部が大活躍し

て来たと思いますが。

校長 確かに従来から卓球部は

よくやってくれています。現在

も強化クラブのひとつです。ま

た現在強いのは女子のスポーツ

部です。指導力のある先生に来

ていただいたこともあり、それ

が成績にも反映していると思い

ます。卓球は従来のやり方で来

ていますが、クラブに集中でき

る監督を招聘するなどの強化策

は必要だと思っています。

 

以前の本校は男子校でしたが、

今では女子も入学し、学校に活

気が出て来ました。しかし男子

校であった学校が女子生徒を集

めるのには苦労がありました。

そのため、女子の優遇制度を作

りました。

(話は男女共学創設時の苦労があ

ったことに及んだ)

中谷 外国との国際交流につい

て何か考えはありますか。私学

では数少ない技術系教育を推進

する母校は、ものづくりの原点

からその特色を生かしてアジア

各国との交流を行う考えはあり

ませんか。

校長 良いご指摘だと思います。

以前は私立高校で工業技術系教

育を行う学校は十四校ありまし

た。現在は府下で二校のみとな

りました。それも電子工業科を

持つ大阪電気通信大学高校と二

校であり、工業四科を持つのは

本校だけです。この特色は生か

さねばなりませんし、良いチャ

ンスです。そのために外国にも

アピールすることが必要だと思

います。

 

ただ日本は他国とは違い政府

の強力なバックアップがないた

め、残念ながら一部の諸外国の

工業教育においてはやや劣勢の

部分があることは否めません。

 

しかし、本校もだんだんと活

性化して来ています。最近赴任

された先生を含めた工業の先生

がロボットを作りたいと提案し

てくれました。

1 ★ 浪工会会報

楠本校長と中谷会長が対談 ~母校の現状と将来を聞く~

アジア諸国との交流はどうか

クラブはなぜ強くなったのか

会報星翔高等学校同窓会 第11号

浪工会学校法人浪工学園

発行●星翔高等学校同窓会浪工会 〒566-0022 摂津市三島3丁目5-36 TEL06-6381-0220 FAX06-6383-4822 発行日●2012年10月1日

楠本義一校長楠本義一校長

中谷太喜夫会長中谷太喜夫会長

浪工会会報 ★ 2

昨年発行した会報第十号以降に、浪工会事務局に

ご報告を頂いた会合をご紹介いたします。

OB会・クラス会・同期会報告

「それは良い、すぐ実行!」とそ

の意欲について全面的に賛成し

ました。二足で歩くロボットを

三年かがりで作る計画です。そ

ういうような上級の技術を生み

出した上で、国際交流にも乗り

出せたらと考えています。

中谷 母校星翔を入学希望する

生徒が年々増加しているとお聞

きしますが、その理由はどこに

あると思いますか。またこのよ

うな時代にあって、今後どのよ

うな学校作りを目指されていま

すか。

校長 確かに近年本校への入学

志願者が増えて来ました。工業

四科も一旦は減少しましたが、

現在は増加しています。不景気

な世の中ですから、ものづくり

の技術を身につけて有利な就職

を目指すというニーズによるも

のと思います。もう一つは国際

科スポーツコースにもニーズが

あります。気掛かりなのは、普

通科に特色がないことです。そ

こにはキャリア教育でニーズを

呼び寄せることができれば良い

のではないかと思います。従来

からのものづくり教育、工業技

術系教育の力を用いてキャリア

教育を目指したいと考えていま

す。文部科学省も生徒の「生き

る力」を身につけさせるために

こうしたキャリア教育の必要性

を唱え始めました。また平成二

十五年度よりキャリア教育に取

り組むように指示もして来てい

ます。本校は基礎教育の段階で

遅れていた生徒たちにもっと学

力をつけさせ、キャリア教育の

取り組みによって「生きる力」

を養成して行きます。普通科総

合コースで現在の一年生から前

倒しでキャリア教育に取り組む

ことに全力を尽くして行きます。

中谷 最後に私たち卒業生に伝

えておきたいことや、希望され

ることがあればお聞かせくださ

い。

校長 卒業生の方に要望という

よりも、卒業生がもっと母校に

来やすい雰囲気を作らなくては

ならないと思っています。学校

に帰って来やすい雰囲気を作れ

ば、卒業生の方々の母校愛も強

まるものと思っています。

 

そのためには企画力も必要だ

と思います。同窓会役員だけに

任せるのではなく、学校や先生

たちも協力する必要があると思

います。

中谷 良いご提案だと思います。

同窓会から言えば、かつて母校

にあった焼き物の施設があれば

それを使い、趣味程度で参加さ

せてもらえる企画があれば良い

なと思いますが。

校長 卒業生が参加していただ

けるのは体育大会や星翔祭など

があります。星翔祭は招待制で

すが、一部の卒業生がグループ

で参加している例もあります。

また、例えば星翔祭で、先生方

の展示コーナーに加えて、同窓

会の展示コーナーを作ってみて

はいかがでしょうか。

■司会を終えての感想

 

対談の中で記録した以外にも

楠本校長と中谷会長から多くの

意見が出されました。

 

特に印象に残ったのは「学校

の教育は夢を描くことだ。夢を

描くということは生徒たちがこ

の学校に来て良かったと思い卒

業して行くことに尽きる」と楠

本校長が強調されていたことで

す。

 

また中谷会長からは工業四科

の男女共学化の可能性について

の提起や、昭和五十年代にあっ

た美術陶芸釜はどうなったのか

など種々の話題が出されました。

 

誌面に限りがあるため、これ

らのすべてを掲載することがで

きずに残念です。

少子化の時代に如何なる方策が

楠本校長と中谷会長楠本校長と中谷会長

 

会員の皆様からご報告を頂戴した各種会合をご紹介させてい

ただきます。

 

OB・OG会やクラス会、同期会などを開催された際には浪工

会事務局にご連絡ください。会報やホームページにて紹介させ

ていただきます。

 

また、浪工会では援助政策の一環として「同窓会特別援助金」

制度を導入していますので、積極的にご活用ください。

 

なお、同窓会特別援助金制度の詳細は七ページをご覧下さい。

楠本校長と中谷会長楠本校長と中谷会長

浪工 11 期機械科 A クラス会平成23年10月 28日・16名・大阪市北区

浪工バレー部 昭和45・46年卒OB会平成24年1月27日・11名・吹田市江坂

浪工バスケットボールクラブOB会平成24年4月13日・10名・大阪市北区

浪工13期同期会(古希祝い)平成24年4月14日・29名・大阪市北区

3 ★ 浪工会会報

昭和37年卒3年C組クラス会平成24年6月4日・13名・摂津市

亦楽会(昭和24年・25年電気科卒業)平成24年6月・9名

 

浪工学園は立派な創立三十周

年記念誌と五十周年記念誌を発

行している。二年前の浪工会会

報第九号では三十周年記念誌の

中から戦時中の母校の被災や動

員先で犠牲となった生徒の受難

について触れた。今回は五十周

年記念誌の中から戦時中の母校

がたどった道筋の一部について

恩師らが書かれた原稿をもとに

再録してみたい。

 

昭和十三年、大淀区中津浜通

りに、四月開校を目指して建築

中の校舎が、折からの彼岸の嵐

に甚大な被害を受けた。そこで

急遽、付近の電気試験所内の電

気工士養成所を借り受け、同年

五月三日、どうにか開校式を挙

げることができた。それから僅

か二年後、工業学校認可ととも

に現在の地に移転したのである。

その後、いかなる因縁か、中津

校舎が、電気試験所の買い取る

ところとなった。しかしその旧

校舎も、空襲を受け、焼けてし

まった。(中略)

 

現在の地に移転した当時、一

万余坪の広大な敷地は段々畑の

ままで、現在のような土木機械

もなく、鍬、スコップ、モッコ

を頼りに、体操の時間を利用し

て、全員で地ならし作業に励ん

だ。一年くらいかかって漸く、

まがりなりにも整地を終え、初

の運動会らしきものが開催でき、

大変嬉しく思ったことを記憶し

ている。クラス会ではいまもっ

て話題にのぼるのである。また、

土地が低いため水害に苦しめら

れ、ある時など床下浸水も経験

した。ジェーン台風の暴威も忘

れられない。

 

戦時下にあっては、学園も職

員も生徒たちも測り知れぬ辛酸

をなめた。府当局から遊閑地利

用の達しがあった時、職員たち

は、食糧増産のため、馴れない

畑仕事にも精を出したものであ

る。現在のプール辺りから野球

のバックネットに至る土地を耕

したものだ。サツマイモを生徒

が掘り取ったといっては大騒ぎ

した。食糧難の時代のことであ

る。登下校時、生徒が村人の畑

からいちごを盗んだと抗議され

たこともあった。

 

戦争はますます激化していっ

た。生徒たちは勤労奉仕隊員と

して、府下各所の工場に分散す

る。学舎も、一部の実習場を除

いて、遊休施設とされ、軍需品

の倉庫と化した。数えあげれば

きりがない。戦後、校舎の窓ガ

ラスが頻繁に盗まれた。そこで

対抗手段として、ガス一枚一枚

にペンキで

とかいた。などな

ど思い出せばきりがない。

●運動場菜園のはなし

 

私は昭和二十二年から三十五

年間、本校でお世話になった。

昭和二十二年と言えば、敗戦に

よる混乱期で、経済界はどん底

で、ひどい食糧難の時代であっ

た。食糧確保のために皆が東奔

西走した。現在の立派な運動場

も、当時半分は畑であった。殆

んどの職員が、さつま芋、じゃ

が芋、菜っ葉の類を作っていた。

最初先輩の係りの先生に届出る

と一畝が配当される。一畝と言

っても、草ぼうぼう石ころだら

けで、すぐに植えられるもので

はない。先ず開墾から始める。

先生の殆んどは農業に関しては

素人で、皆見よう見まねでやっ

たものである。中には生肥をか

けて一晩の中に全部を枯らして

しまった人もいた。尾籠な話で

恐縮だが、当時は化学肥料と言

うものはなく、肥料は全部職員

と生徒との排せつ物であった。

施肥をしようとしてもない場合

がある。あの先生が汲み過ぎだ。

肥の平等な分配が必要だ。と真

剣に論じ合った事もある。豊か

な経済生活にどっぷりつかって

いる現在の人には、おおよそ想

像もつかぬ話であろう。

●卓球部のはなし

 

私は学生時代卓球をやってい

た。就任してから卓球台を一台

買ってもらって、卓球部を創設

した。部員は二十数名いた。私

の持論では卓球を始めてから、

四年間真面目にやれば物になる

と思っている。丁度良いことに

は、当時中学を併設していたの

で六年間指導できた。

 

昭和二十七年頃からそろそろ

大阪府で頭角を現すようになり、

国体、インターハイに選手を送

れるようになった。中でも昭和

三十二年には大阪府下で、国体、

シングルス、ダブルスの三冠を

達成したことがある。以後若干

の浮沈はあったが、退職するま

で浪工で一番強いクラブと言う

ことになっていた。現在もまた

黄金時代が来ているようである。

元教諭 佐々木慶哉先生の回顧録

浪速工業高校元校長 中嶋節二

星翔高校・浪速工業高校の歴史

母校が現在地に移ったころ戦中戦後は運動場がいも畑

昭和20年代の校舎全景昭和20年代の校舎全景

中嶋節二元校長

佐々木慶哉先生

浪工会会報 ★ 4

 

浪速工業高校での学びを起点

にして、現在情報通信業界の第

一線で活躍されている島谷一成

さんにお話を伺いました。

(インタビュー:庄山由多加)

――

電気科に進学した理由を教

えてください

 

高校進学は、当初より工業科

を希望していました。基礎技術

から応用まで幅広く学ぶことで、

ぼんやりとした自分自身の将来

像を明確にしたいと考えていた

のです。兄の様に慕っていた電

気科卒業の先輩から紹介された

のが浪工を知るきっかけでした。

 

当時はプログラミングの学習

環境を備えた電子科にも興味が

あり悩んでいましたが、学校見

学会で普段経験のできない高電

圧を放電するデモンストレーシ

ョンを見て「電気って目に見え

るものなんだ」と深い興味を持

ち、電気科で学ぶことを決めた

一因になったのを覚えています。

――

浪工での学びはどうでしたか

 

男子だけで学ぶという新たな

環境に不安を感じていた私たち

でしたが、入学後に行われたオ

リエンテーション合宿によって

打ち解けあい、向き合うことに

よって、これらの不安を解消す

ることが出来ました。また、随

所にクラスを盛り上げるポイン

トを学校が用意してくれたので、

最後にはひとつの「輪」になれ

たと思います。

 

学校生活が本格化し、専門課

程の電気の授業は、見るものや

触るものの全てが初めての経験

ばかりで、とても刺激的で面白

かったです。

 

今、振り返ってみても電気科

を選んで良かったと感じていま

す。電気のスペシャリストとな

るための基礎をしっかりと身に

つけるカリキュラムと、電気エ

ネルギーの発生から利用技術に

わたって学習ができる指導体制

や環境が整っていたことです。

 

特に基礎の理解には十分時間

をかけ、着実に身につくよう、

一人ひとりに親身になって指導

してくださりました。学生の実

務経験に値する実験では、最後

にレポート提出と同時に、口頭

での試問がありましたが相当苦

労をしました。特に岸田先生や

市場先生、佐古先生には基礎が

判るまで大変お世話になったこ

とを思い出します。

 

また、浪工は国家試験の取得

にも力を注いでいることが大き

な魅力で、資格取得と知識も得

られた電気科での学びは大変有

意義でした。私は卒業後に電気

工事士資格を取得したのですが、

実技試験対策のために実習室を

開放してくださり、工具や線材

と向き合ったことを覚えていま

す。

――

就職後に電気科での学びは

役立ちましたか

 

現在のKDDIに入社し、以

来東京で勤務をしています。通

信に関する業務に携わることに

なりましたが、浪工の電気科で

学んだ精神は、電気通信の世界

でも活かされています。

 

通信には多くのインフラ(社

会基盤)が必要であり、それら

は全て電気で動いています。ま

た、様々な公共性の高いインフ

ラを守るためにも通信は応用さ

れています。例えば最近の異常

気象などの災害では防災関係機

関による迅速な情報収集が欠か

せません。被災の想定や被害を

未然に防止・軽減する方策を立

て、早期に復旧を目指すには情

報が必要不可欠です。全ての方

へ安全・安心を届けるためにも、

通信施設や設備への電力供給が

途絶えることは許されません。

 

日々の私たちの生活やインフ

ラを守るために電気はとても重

要な位置付けであることは言う

までもなく、その基礎技術の学

びは今でも有益なものとなって

います。

――

東日本大震災を通じて感じ

たことを教えてください

 

昨年の東日本大地震において、

東北地方を中心に倒壊や水没な

どによって、各地のライフライ

ンに甚大な被害が発生しました。

その影響で停電も長期化し、計

画停電が行われるなど生活にお

いていかに電気が重要なのかを

体感しました。

 

当時は被災地の通信手段を確

保するために何をするか、我々

の役割は何かを考えました。気

が付いたときには会社全体で支

援活動に着手していたことを思

い出します。

 

一九九五年に発生した阪神・

淡路大震災の時とは異なり、今

は誰でも携帯電話を所有してい

る時代で、携帯電話が一台あれ

ば安否の確認や被災の情報も手

に入れることができます。そこ

で被災地に向けて車載型無線基

地局や移動電源車を配置すると

ともに、携帯電話等の無償貸し

出しを行い、被災者や復旧活動

を行う方々への支援をしました。

 

通信というものは、普段当た

り前のように使い、使えるもの

として浸透していますが、今回

の震災では人と人を繋ぐことが

いかに大事であるか学びました。

また電話一本が、その声が人々

に大きな安心を与えること、そ

してその当たり前を当たり前と

して存在させ続ける大切さを改

めて学びました。

――

在校生にひとことお願いします

 

現在女子の活躍が目覚しいと

聞いています。私も同じ年代の

娘二人を持つ親です。今後も男

子だけでは出せなかった良いエ

ネルギーを、男女ともに学校に

生み出していただければと思い

ます。

 

また東日本大震災での教訓で、

情報通信事業者はライフライン

を預かっていることが再認識さ

れました。これから次代を担う

星翔高校の皆さんにも、安心感

を届ける仕事に興味関心を持っ

ていただき、将来その中心とし

て携わってもらえればうれしい

です。

――

卒業生にひとことお願いします

 

私は今でも高校の友人や恩師

をはじめ多くの出会いを大切に

しています。友人は宝です。こ

れからも母校や在校生に興味を

持ち続けていただき、卒業生間

や在校生との交流を更に深めて

もらえればと思います。私は東

京在住ですが、今後も何らかの

形で同窓会活動のお手伝いをさ

せていただければと思います。

島谷一成

KDDI株式会社さ

KDDI株式会社技術統括本部運

用本部ITアウトソースセンター

副センター長。主に法人の顧客向

けに社内ネットワークの提案や構

築および運用サポートを行ってい

る。

(昭和五十八年度電気科卒)

活躍する卒業生

5 ★ 浪工会会報

 

星翔高校での学びを基礎に進

学し、現在大阪大学大学院にお

いて「開発経済学」を研究して

いる姫野海里さんに、中谷会長

同席の下、お話を伺いました。

(インタビュー:庄山由多加)

――

高校生活はどうでしたか

 

どちらかというと勉強に真剣

に取り組んだ記憶はありません。

休み時間にゲームをしたり、自

習時間に友達と遊んだりと、ご

く普通の高校生活でした。逆に

言うと、とても誇れるようなも

のではありませんでした。

――

進路について考えたのはい

つですか

 

三年生になった際に、現実的

に自分の将来を考えるようにな

りました。先生のご指導もあり、

資格取得に強い大阪経済法科大

学に指定校推薦制度を利用して

進学しました。実は経済学に興

味があったわけではなく、資格

取得に強い学校という一点のみ

で選びました。

――

大学時代についてはどうで

したか

 

入学当初は会計士を目指して

勉強していました。しかし色々

な経験を経て三回生後半で転機

を迎えました。貧困国が貧困か

ら脱却するためにはどうするべ

きかを研究する分野である「開

発経済学」を学び、面白みを感

じたことです。

 

アフリカの貧困脱却は無理だ

という声も耳にしますが、深く

学び出すと現実的には可能であ

るということを知りました。確

かに色々な障壁があることは事

実ですが、それがどのような障

壁なのか色々な研究がされてお

り、貧困から救う手立てはある

のです。では実際にはどのよう

に救えるのかということを学び、

楽しさを知りました。

 

また、私が塾講師として指導

している小学生から高校生と同

世代の人間までもがアフリカで

は殺しあっている現実がありま

す。これをなんとかできるので

あれば、自分の命をかけてやっ

てみるのも面白いのではないか

と思いました。

 

そして親に「この道に進みた

い」と相談したところ、会計を

学んでいる以上は資格を取れと

いう課題を出され、最終的には

三回生で簿記一級を取得してそ

の課題をクリアしました。

 

その後、大学院試験までの半

年間、数学がほとんどできない

状況からのスタートでしたが、

様々な人々の支援により「学び

なおし」を始め、大阪大学大学

院に合格しました。

――

大学院では何を研究されて

いますか

 「開発経済学」を研究していま

す。貧困で非常識なぐらい脆弱

な国を経済的観点から救済する

ための学問分野です。中でも、

私は「感染症と人口成長」につ

いて研究をしています。

 

感染症が蔓延している国では

人間がたくさん亡くなります。

更には死ぬ確率が高いので、「保

険」として子どもを多く生む傾

向があります。その結果、もと

もと貧困であるのに、人口過多

によってひとりひとりにかける

教育の費用がなく、学ぶことの

できない子どもがたくさん出て

きます。そのため、大人になっ

ても職がなく稼ぎが少なくなる

という負のスパイラルが起きま

す。

 

感染症が、彼らが貧困国であ

るひとつの所以ではないかと私

は着目しています。

 

この分野は疫学をはじめ様々

な分野の枠組みに重なっており、

現在様々な教授に師事し、研究

を深めています。

 

疫学と経済学は一見して関係

ないように見えて、実は関係が

あり、経済学分野で研究できる

とは当初は思っていませんでし

た。

 

現在私が考えている視点で研

究を進めている研究者が他には

いないため、とてもやりがいが

あり楽しいです。

――

将来はどのような展望を持

たれていますか

 

最終的な目標は、アフリカの

大学や研究機関に拠点を置き、

正しい経済学の指導を行い、彼

らが政策立案できる環境を現地

で作ることです。

 

日本は他国に比べて異常な位

裕福な国です。裕福な国の人間

が偉そうに指導をしても、貧困

国の人間の心には全く響きませ

ん。ですから、彼らの国の人間

が、彼らの国の文化や思想そし

て環境を踏まえて立案すべきで

す。そのためには、現地で立案

できる人間を生み出す手助けを

進めたいのです。

――

星翔高校で後輩の進学指導

を行われているそうですが

 

自ら志願して、現在進学指導

のお手伝いをしています。

 

モチベーションが高い生徒は

勿論、現状モチベーションを維

持できていない生徒は学ぶ知恵

を持ち合わせていない場合があ

り、それを拾い上げるお手伝い

をしています。

 

受験の勉強と合わせて、プロ

グラミングも希望者を募って講

座を開講し、企業と連携してア

プリやウェブサービスを実際に

作る予定です。

――

最後にひとことお願いします

 

同窓会を盛り上げるには、卒

業生の皆さんが現役の生徒に自

分たちの経験を基に指針や進路

を示す視点も重要です。是非卒

業生の皆さんには、母校に興味

を持ち、卒業生の立場から積極

的に生徒や学園と関わりを持っ

ていただければと思います。

姫野海里

大阪大学大学院生さ

大阪経済法科大学経済学部を経て、

平成二十三年四月に大阪大学大学院

に進学。現在同大学院経済学研究科

にて「開発経済学」を研究している。

(平成十八年度普通科卒)

進路指導を受ける後輩たちと一緒に

浪工会会報 ★ 6

(順不同・平成 24年 9月現在)

平成24年度 主なクラブ活動の戦績

*春季大会 2回戦進出*選手権大会 2回戦進出

*近畿高等学校卓球選手権大会 男子ダブルスの部出場*大阪高等学校新人卓球大会ベスト 8*大阪私立高校総合体育大会 3位

*春季大阪総体(インターハイ予選)4位*第 59 回近畿大会出場

*全国高校バスケットボール選手権大会 大阪府予選 5位*近畿高校バスケットボール選手権大会 初出場

*日本ユース選手権(2000mSC)2 位*全国インターハイ近畿予選(5000mW) 優勝 羽原実優(大会新)*全国インターハイ(5000mW)7位

 

*大阪高等学校陸上競技選手権大会 100m中央大会出場*大阪高等学校総合体育大会 陸上競技の部 800m中央大会出場

*高円宮杯U-18 サッカーリーグ 大阪 3部リーグ三島グループ 8位

*大阪新人サッカー大会新人戦ベスト4*関西高校女子サッカーリーグ 5位

*インターハイ大阪予選団体 2位*インターハイ大阪予選個人 52kg 級 助野早紀優勝・樋口知佳 2位 48kg 級 中江菜々望 3位 63kg 級 山田美咲 2位

*近畿大会団体予選 8位 個人 住友雅治 3位・四木晃志 17 位*インターハイ団体予選 11 位*インターハイ団体決勝トーナメント12位 個人 住友雅治6位入賞・四木晃志9位*近畿ブロック大会 2位(国体へ進出)

*春季大会個人戦中央大会出場*大阪総体個人戦出場*吹田市連盟杯争奪大会出場

*大阪私立高校総合体育大会 3位*全日本高校選手権大会予選ベスト 8*近畿私立高校バレーボール選手権大会 ベスト 8

*一級認定審査 受験者 4名全員合格*摂津市長杯 ベスト 4(川枝)

*大阪高校総合体育大会団体2回戦進出

*全国高等学校鉄道模型コンテスト ・HOゲージ車両部門技能賞 ・モジュール部門参加賞

*ロボット相撲近畿地区大会出場

*エコデン大会出場

硬式野球部

卓球部

男子バスケットボール部

女子バスケットボール部

女子駅伝部

男子サッカー部

陸上部

剣道部

バレーボール部

機械研究部

バドミントン部

電子機械研究部

電気自動車研究部

女子サッカー部

女子柔道部

ソフトテニス部

アーチェリー部

誌面に紹介できなかったクラブも含めて、母校・星翔高校には多様な部活動で頑張っている生徒がたくさん在籍しています。星翔高校のクラブは近年高い成果をあげており今後も継続的な支援が必要不可欠です。同窓会員の皆様におかれましては引き続きまして温かいご声援とご支援を賜りますようお願い申し上げます。

同窓会員の皆様へのお礼とお願い

7 ★ 浪工会会報

★今回の総会・懇親会の会場は

二年前と同じく、母校の近くに

ある阪急摂津市駅前の摂津市立

コミュニティプラザ三階コンベ

ンションホールです。会費も前

回と同様にエコノミーです。卒

業して間もない会員には更に配

慮をしておりますので、より多

くの方々のご参加をお待ちして

おります。

★会場確保の関係から金曜の夕

刻になりました。ご多忙とは存

じますが是非ご協力ください。

総会式典は短時間で終わり、懇

親会に移りますが、イベントと

して市民コーラスなどを指導さ

れている声楽家の大峰かず子さ

んに登場していただきます。心

の歌や昭和歌謡など皆様になじ

み深い名曲を歌っていただく予

定です。恩師らも交えて在校時

代の思い出をゆっくりと語り合

ってください。

★今年七月から浪工会は中谷太

喜夫新会長を初め一部役員体制

が変わりました。その披露も兼

ねての総会です。浪工学園の和

泉愼次理事長らにもご参加いた

だき、母校の更なる発展につい

て語っていただききたいものと

思っています。

総会・懇親会の会場は

阪急摂津市駅前一分

 浪工会では援助政策の一環と

して「同窓会特別援助金」制度

を平成二十三年四月より導入し

ました。

 この制度は、同期会やクラス

会などの会合を開催した浪工会

会員に対して、規定に応じた補

助金を支給するものです。

 これまで以上に同窓会活動を

活発に推進し、浪工会会員内で

の会合を定期的に行う環境を積

極的に支援すべく、この援助金

制度を制定しました。

 浪工会事務局より規定に則り、

年間一回一万円を上限として参

加者一名につき三百円の補助金

を後日援助します。申請には申

請用紙と出席者名簿および写真

が必要となります。

 開催日程が決まりましたら浪

工会事務局にご連絡いただき、

詳細をお聞きの上で申請用紙を

請求してください。また、浪工

会ホームページでも詳細をお知

らせしておりますので合わせて

ご参照ください。皆様の積極的

な制度のご活用を期待しており

ます。

 浪工会では工業技術系の知識

を身につけた生徒に対する資格

取得顕彰制度である「星翔ジュ

ニアマイスター制度」を運営し

ています。平成十八年度より運

営を開始し、平成二十三年度ま

でにゴールド賞三名、シルバー

賞二十七名を輩出しております。

平成二十三年度 ゴールド賞

 佐

規(電子工学科)

平成二十三年度 シルバー賞

 大

介(電気工学科)

 大

平(電気工学科)

 富

尊(電気工学科)

 髙

西

 

悟(電気工学科)

  浪工会では在学生の課外活動

を支援するため「クラブ活動援

助金」として、近年成長著しい

クラブ活動に、浪工会褒賞費規

定に基づいて進呈しています。

平成二十三年度 支給クラブ

 女子柔道部    二十万円

 バスケットボール部 十万円

 バレーボール部   十万円

 女子駅伝部     八万円

 電気自動車部    八万円

 卓球部       五万円

 アーチェリー部   一万円

皆様の同窓会活動を

積極的に支援します

同窓会特別援助金制度

を是非ご活用ください

浪工会の援助・奨励制度について

星翔ジュニアマイスター制度

クラブ活動援助金制度

訃  報

宮部善浄

先生 社会科

平成 年 月 日( 歳)

23

11

12

79

 近年、会報の発行をはじめ、

会員様にご連絡をさせていただ

く際に「転居先不明」で返送さ

れる事例が多くなっています。

特に住居表示の変更や統合等に

伴う都市名の変更による宛先不

明が多発しております。

 転居された場合は勿論のこと、

住居表示の変更や都市名の変更

などの場合でも、必ず新しいご

連絡先をお知らせいただきます

よう、お願いいたします。また

電話番号の変更やご結婚などに

伴う氏名変更の際にも届け出を

お願いいたします。

 もし会員の皆様の中でお手元

に会報が届いていない方をご存

知でしたら、浪工会事務局まで

ご連絡ください。後ほど改めて

お送りいたします。

 同窓生は貴重な財産です。浪

工会会員の皆様におかれまして

も、引き続きまして卒業生ネッ

トワークの構築にご理解とご協

力を賜わりますよう、重ねてお

願い申し上げます。

新しいご連絡先の

届け出はお忘れなく

星翔高等学校浪工会は皆様から

の個人情報(氏名、住所、電話

番号等)を同窓会が定める「個

人情報の取り扱いに関する方針」

に従い責任を持って管理します。

星翔高等学校同窓会浪工会事務局

大阪府摂津市三島三丁目五―三六

電 

話 

06―

6381―

0220

FAX 

06―

6383―

4822

和泉愼次

山本茂雄

大安義彦

楠本義一

瀬川 昭

橋本克巳

久富 実

小林貞夫

行澤 勇

中谷太喜夫

恩庄俊治

中井 東

庄山由多加

髙田真和

佐古清巳

横山和則

中谷誠一

岸田 弘

山本吉弘

林 義晟

西田和廣

橋本孝治

酒井美明

太田豊司

新谷峰史

小籔義則

加藤睦美

志水雅春

宮﨑裕幸

畑山正年

中井正泰

大石勝馬

川﨑 馨

山本 甫

顧 問

名誉会長

相談役

会 長

副会長

会 計

書 記

幹 事

監 査

平成二十四年度

浪工会役員

星翔高等学校同窓会浪工会会報第十一号

発行責任者 中谷太喜夫

編集責任者 庄山由多加

会報編集委員 小林貞夫・中谷太喜夫

       恩庄俊治・佐古清巳

       横山和則・中谷誠一

       庄山由多加 (

理事長)

(元校長)

(前校長)

(校 長)

昭和 年

機械科

昭和 年

機械科

昭和 年

機械科

昭和 年

機械科(定)

昭和 年

電気科

昭和 年

電気科

昭和 年

電気科

昭和 年

電子科

平成 年

普通科

平成 年

電子科

昭和 年

電気科

昭和 年

電子科

昭和 年

普通科

昭和 年

電気科

昭和 年

機械科

昭和 年

機械科

昭和 年

電子科

昭和 年

機械科

昭和 年

電気科

昭和 年

機械科

昭和 年

機械科

昭和 年

機械科

昭和 年

電子科

昭和 年

電子科

昭和 年

電子科

昭和 年

機械科

昭和 年

機械科

平成元年

電子科

昭和 年

電気科

昭和 年

機械科

3040 60 53 51 51 51 50 48 47 45 44 42 37 35 28 58 54 47 7 5 38 35 31 30 28 27 24 20

浪工会会報 ★ 8

平成24年度浪工会総会のご案内星翔高等学校同窓会

平成24年11月 30日(金)午後6時00分~受付午後6時30分~総会・懇親会※総会・懇親会は2時間程度を予定しております。※イベントとして声楽家の大峰かず子さんに心の歌を歌っていただきます。

日時

場所

会費 3,000円(平成22・23年度卒業生は1,000円)同封の振込用紙にてお申し込み・ご入金ください。(お近くの郵便局にてお願い致します・手数料無料)準備の都合上11月22日(木)までにお申し込みをお願い致します。

大阪府摂津市南千里5-35 TEL:06-4860-9300

摂津市立コミュニティプラザ3階コンベンションホール阪急摂津市駅前・JR千里丘駅徒歩10分 ※公共交通機関でご来場ください。

会場

阪急摂津市駅東改札口

駅前広場

西改札口

↑JR

 

千里丘駅

←正雀駅

南茨木駅→南茨木駅→