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科学研究費助成事業 研究成果報告書 C-19、F-19、Z-19 (共通) 機関番号: 研究種目: 課題番号: 研究課題名(和文) 研究代表者 研究課題名(英文) 交付決定額(研究期間全体):(直接経費) 82115 若手研究(B) 2015 2013 砂浜海岸におけるプラスチック漂着ゴミの滞留時間モデルの開発 Developmentofamodelforestimatingaresidencetimeofplasticsonsandybeaches 70553767 研究者番号: 片岡 智哉(Kataoka,Tomoya) 国土技術政策総合研究所・その他部局等・研究官 研究期間: 25820234 平成 日現在 28 20 3,200,000 研究成果の概要(和文):海洋環境中に存在するプラスチックは,海岸で紫外線等に暴露されることで急激に劣化・微 細化し,マイクロプラスチックになる.本研究は,プラスチックが海岸に漂着してから再漂流するまでの滞留時間を計 測し,その決定要因を明らかにするものである. 海岸漂着プラスチックは,海浜近くの流れや波により再漂流して指数関数的に減少していた.このことから線形システ ム解析に基づいたマイクロプラスチック(MP)の発生量の評価手法を構築した.さらに,海岸漂着プラスチックの動き を調べることで,海浜流が再漂流に寄与していることを明らかにし,海浜流の水平スケールや発生確率が滞留時間を決 定する重要な指標であることを示した. 研究成果の概要(英文):Plasticsinthemarineenvironmentrapidlybreakdownduetothelight-induced degradationandbiodegradationonabeach,andthuswouldbecomemicroplastics.Inthisstudy,wehave investigatedaresidencetimeofplasticsonabeachandfactorsdeterminingtheresidencetime. Plasticswerebackwashedoffshoreduetonearshorehydrodynamics,andtheirremnantsdecrease exponentially.Asanapplicationofexponentialdecayofplastics,wehaveestablishedamethodfor evaluatinganamountofmicroplasticsgeneratedonabeachbasedonalinearsystemanalysis.Onthe otherhand,remnantplasticsweremovedcorrespondingtothenearshorecurrentpattern.Thisindicates thatthenearshorecurrentswouldcontributetothebackwashofplasticfromthebeach.Weconcludethat thehorizontalscaleofnearshorecurrentstructureandfrequentofnearshorecurrentoccurrenceare importantindexesforestimatingtheresidencetimeofplasticsonthebeach. 研究分野: 海岸工学 キーワード: 海洋プラスチック 滞留時間 線形システム解析 海岸清掃効果 海浜流 和田浜海岸 1版

È w ¤ ï ¬ Æ @ @ ¤ ¬ Ê ñ - KAKEN · l ® P D ¤ J n Ì w i v X ` b N » Ì C n Ö Ì º Ð Æ µ Ä F ¯ ³ ê Ä ¢ é PNAS õ Í C v X ` b N ª

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科学研究費助成事業  研究成果報告書

様 式 C-19、F-19、Z-19 (共通)

機関番号:

研究種目:

課題番号:

研究課題名(和文)

研究代表者

研究課題名(英文)

交付決定額(研究期間全体):(直接経費)

82115

若手研究(B)

2015~2013

砂浜海岸におけるプラスチック漂着ゴミの滞留時間モデルの開発

Development of a model for estimating a residence time of plastics on sandy beaches

70553767研究者番号:

片岡 智哉(Kataoka, Tomoya)

国土技術政策総合研究所・その他部局等・研究官

研究期間:

25820234

平成 年 月 日現在28 6 20

円 3,200,000

研究成果の概要(和文):海洋環境中に存在するプラスチックは,海岸で紫外線等に暴露されることで急激に劣化・微細化し,マイクロプラスチックになる.本研究は,プラスチックが海岸に漂着してから再漂流するまでの滞留時間を計測し,その決定要因を明らかにするものである.海岸漂着プラスチックは,海浜近くの流れや波により再漂流して指数関数的に減少していた.このことから線形システム解析に基づいたマイクロプラスチック(MP)の発生量の評価手法を構築した.さらに,海岸漂着プラスチックの動きを調べることで,海浜流が再漂流に寄与していることを明らかにし,海浜流の水平スケールや発生確率が滞留時間を決定する重要な指標であることを示した.

研究成果の概要(英文):Plastics in the marine environment rapidly break down due to the light-induced degradation and biodegradation on a beach, and thus would become microplastics. In this study, we have investigated a residence time of plastics on a beach and factors determining the residence time.Plastics were backwashed offshore due to nearshore hydrodynamics, and their remnants decrease exponentially. As an application of exponential decay of plastics, we have established a method for evaluating an amount of microplastics generated on a beach based on a linear system analysis. On the other hand, remnant plastics were moved corresponding to the nearshore current pattern. This indicates that the nearshore currents would contribute to the backwash of plastic from the beach. We conclude that the horizontal scale of nearshore current structure and frequent of nearshore current occurrence are important indexes for estimating the residence time of plastics on the beach.

研究分野: 海岸工学

キーワード: 海洋プラスチック 滞留時間 線形システム解析 海岸清掃効果 海浜流 和田浜海岸

1版

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様 式

1.研究開始当初の背景 プラスチック製の海系への脅威として認識されているPNAS染は,プラスチックが微 細 化 し , マ イ ク ロ プ ラ ス チ ッ ク(microplastics; 化の一途をたどるックの劣化・微細化が急速に進行するため、MP の主要な発生源であると認識されている(Andrady, クは、波等の作用により再び沖合に流出する(再漂流する)。従って、海洋中でのプラスチックの輸送過程やらが海岸滞留時間が重要なパラメータとなるが、研究開始当時において全く明らかになっていなかった。 2.研究の目的 本研究では,海岸があることに着目し,チックの滞留時間を計測し、調べることで,滞留時間デルを開発することである. 3.研 まず、計測するためチックの残余数の時間変化を把握する必要がある.田浜海岸ら 2013するプラスチックに個体識別番号を記す現地調査(以下、個体識別調査)を実施して残余数を計量した.加えて,滞留時間の決定要因を明らかにするため,各々のプラスチックの漂着位置をハンディの動きを調べるとともに,海岸背後の山頂にビデオカメラを設置して和田浜海岸沖合の海浜流動場 4.研究成果 本研究の主要な成果はチックの残余数指数関数的に減少すること、(以下、海岸清掃効果)の定量的評価手法を構築したこと、漂流過程にした要を示す。 (1) 各調査時に新規発見されたプラスチックを 1初期数で除味深いことに、どの群の残余率も指数関数的に減少していた

式 C-19、F-19、Z-19(共通)

1.研究開始当初の背景プラスチック製の海

系への脅威として認識されているPNAS, 2015).海洋プラスチック染は,プラスチックが微 細 化 し , マ イ ク ロ プ ラ ス チ ッ ク

microplastics; 以下,化の一途をたどるックの劣化・微細化が急速に進行するため、

の主要な発生源であると認識されているAndrady, MPB, 2015、その海岸に居続ける訳ではなく、風・

波等の作用により再び沖合に流出する(再漂流する)。従って、海洋中でのプラスチックの輸送過程や MP

海岸に漂着してから再漂流するまでの滞留時間が重要なパラメータとなるが、研究開始当時において全く明らかになっていなかった。

2.研究の目的 本研究では,海岸が

あることに着目し,チックの滞留時間を計測し、調べることで,滞留時間デルを開発することである.

3.研究の方法 まず、海岸漂着プラスチックの滞留時間を

計測するためには,その海岸におけるプラスチックの残余数の時間変化を把握する必要がある.そこで,本研究では田浜海岸をフィールドにして

2013 年 9 月までの間,プラスチックに個体識別番号を記す現

地調査(以下、個体識別調査)を実施して残を計量した.

加えて,滞留時間の決定要因を明らかにするため,各々のプラスチックの漂着位置をハンディ GPS で計測して調査間のプラスチックの動きを調べるとともに,海岸背後の山頂にビデオカメラを設置して和田浜海岸沖合の海浜流動場の観測を実施した.

4.研究成果 本研究の主要な成果は

チックの残余数が沖合への再漂流によって指数関数的に減少すること、(2)海岸清掃による環(以下、海岸清掃効果)の定量的評価手法を構築したこと、(3)

過程に海浜流が寄与にしたことの 3 つである要を示す。

各調査時に新規発見されたプラスチック1 つの群と考え、

初期数で除すことで、味深いことに、どの群の残余率も指数関数的に減少していた。

C-19、F-19、Z-19(共通)

1.研究開始当初の背景 プラスチック製の海ゴミは

系への脅威として認識されている海洋プラスチック

染は,プラスチックが紫外線等により劣化・微 細 化 し , マ イ ク ロ プ ラ ス チ ッ ク

以下,MP)となる化の一途をたどる.特に、海岸ではプラスチックの劣化・微細化が急速に進行するため、

の主要な発生源であると認識されている, 2015)。一方で、

その海岸に居続ける訳ではなく、風・波等の作用により再び沖合に流出する(再漂流する)。従って、海洋中でのプラスチック

MP の発生過程においてに漂着してから再漂流するまでの

滞留時間が重要なパラメータとなるが、研究開始当時において全く明らかになっていな

本研究では,海岸が MP の主要な発生源で

あることに着目し,砂浜海岸におけるプラスチックの滞留時間を計測し、その決定要因を調べることで,滞留時間を推定するためのデルを開発することである.

海岸漂着プラスチックの滞留時間を

には,その海岸におけるプラスチックの残余数の時間変化を把握する必要

そこで,本研究では東京都新島村和をフィールドにして

月までの間,2-3 ヶ月間隔で漂着プラスチックに個体識別番号を記す現

地調査(以下、個体識別調査)を実施して残を計量した.残余数の時間変化の把握に

加えて,滞留時間の決定要因を明らかにするため,各々のプラスチックの漂着位置をハン

で計測して調査間のプラスチックの動きを調べるとともに,海岸背後の山頂にビデオカメラを設置して和田浜海岸沖合の

の観測を実施した.

本研究の主要な成果は、(1)海岸漂着が沖合への再漂流によって

指数関数的に減少することを明らかにした海岸清掃による環境負荷軽減効果

(以下、海岸清掃効果)の定量的評価手法を(3)プラスチックの

に海浜流が寄与することを明らかつである。以下、各成果の概

各調査時に新規発見されたプラスチックつの群と考え、各群の残余数を計量し

すことで、残余率を計算した味深いことに、どの群の残余率も指数関数的

。そこで、縦軸に残余率をと

C-19、F-19、Z-19(共通)

は、今や海洋生態系への脅威として認識されている(Wilcox,

海洋プラスチック起因の環境汚紫外線等により劣化・

微 細 化 し , マ イ ク ロ プ ラ ス チ ッ ク)となることで悪

特に、海岸ではプラスチックの劣化・微細化が急速に進行するため、

の主要な発生源であると認識されている)。一方で、プラスチッ

その海岸に居続ける訳ではなく、風・波等の作用により再び沖合に流出する(再漂流する)。従って、海洋中でのプラスチック

の発生過程において、それに漂着してから再漂流するまでの

滞留時間が重要なパラメータとなるが、研究開始当時において全く明らかになっていな

の主要な発生源で砂浜海岸におけるプラス

その決定要因をを推定するための

デルを開発することである.

海岸漂着プラスチックの滞留時間をには,その海岸におけるプラス

チックの残余数の時間変化を把握する必要東京都新島村和

をフィールドにして 2011 年 9 月かヶ月間隔で漂着

プラスチックに個体識別番号を記す現地調査(以下、個体識別調査)を実施して残

残余数の時間変化の把握に加えて,滞留時間の決定要因を明らかにするため,各々のプラスチックの漂着位置をハン

で計測して調査間のプラスチックの動きを調べるとともに,海岸背後の山頂にビデオカメラを設置して和田浜海岸沖合の

の観測を実施した.

海岸漂着プラスが沖合への再漂流によって

ことを明らかにした境負荷軽減効果

(以下、海岸清掃効果)の定量的評価手法をプラスチックの沖合への再

することを明らか以下、各成果の概

各調査時に新規発見されたプラスチック各群の残余数を計量し残余率を計算した。興

味深いことに、どの群の残余率も指数関数的軸に残余率をと

C-19、F-19、Z-19(共通)

今や海洋生態Wilcox,

起因の環境汚紫外線等により劣化・

微 細 化 し , マ イ ク ロ プ ラ ス チ ッ クことで悪

特に、海岸ではプラスチックの劣化・微細化が急速に進行するため、

の主要な発生源であると認識されているプラスチッ

その海岸に居続ける訳ではなく、風・波等の作用により再び沖合に流出する(再漂流する)。従って、海洋中でのプラスチック

、それに漂着してから再漂流するまでの

滞留時間が重要なパラメータとなるが、研究開始当時において全く明らかになっていな

の主要な発生源で砂浜海岸におけるプラス

その決定要因をを推定するためのモ

海岸漂着プラスチックの滞留時間をには,その海岸におけるプラス

チックの残余数の時間変化を把握する必要東京都新島村和

月かヶ月間隔で漂着

プラスチックに個体識別番号を記す現地調査(以下、個体識別調査)を実施して残

残余数の時間変化の把握に加えて,滞留時間の決定要因を明らかにするため,各々のプラスチックの漂着位置をハン

で計測して調査間のプラスチックの動きを調べるとともに,海岸背後の山頂にビデオカメラを設置して和田浜海岸沖合の

プラスが沖合への再漂流によって

ことを明らかにした境負荷軽減効果

(以下、海岸清掃効果)の定量的評価手法を沖合への再

することを明らか以下、各成果の概

各調査時に新規発見されたプラスチック各群の残余数を計量し、

。興味深いことに、どの群の残余率も指数関数的

軸に残余率をと

り、横軸に次式の水準において統計学的にれた0.05

ここで,平均滞留時間である.これを

τ rを得ることに得ることができる.結果として,和田浜海岸にプラスチックの平均滞留時間はあった.とは、図一定確率で再漂流していることを意味する。和田浜海岸(在量のする。 (2) ように線形システムとみなすこと意味する.き,価手法を 新規漂着量存在量きる.

ここで、プラスチックからのると、海岸に漂着している全てのプラスチックからの

Y f(

ここでは、式例として、

図-

クの残余関数

り、横軸に各調査日からの経過日数次式の指数関数で近似した水準において統計学的にれた(n = 104, 0.05)。

h

ここで,h(t)は残余率,平均滞留時間である.これを

を得ることに得ることができる.結果として,和田浜海岸にプラスチックの平均滞留時間は 224 日(98%あった.残余関数が指数関数で表現できることは、図-1 からも分かる通り、時間に対して一定確率で再漂流していることを意味する。和田浜海岸(τ r

在量の 0.5%( =する。

海岸漂着プラスチックの残余数がように指数関数的に減少することは線形システムとみなすこと意味する.そこで,き,海岸清掃による価手法を開発した.新規漂着量x(

存在量y(t)は次式の畳み込み積分で表現できる.

y(t

ここで、τ は経過時間プラスチックからのると、海岸に漂着している全てのプラスチックからの MP 発生率

(t)はそれぞれ次のように

yf(t)= ò

Y

ここでは、式例として、和田浜海岸

-1 和田浜海岸における海岸漂着プラスチッ

クの残余関数

各調査日からの経過日数指数関数で近似したところ、

水準において統計学的に有意な関係が得ら104, R2 = 0.852,

h(t) = exp -t(は残余率,tは経過時間,

平均滞留時間である.これをを得ることに得ることができる.結果とし

て,和田浜海岸にプラスチックの平均滞留時98%信頼区間: 208

残余関数が指数関数で表現できるこからも分かる通り、時間に対して

一定確率で再漂流していることを意味する。= 224)の場合、

= exp -1 224( ))が沖合に再漂流

海岸漂着プラスチックの残余数が指数関数的に減少することは

線形システムとみなすことそこで,線形システム解析に基づ

海岸清掃による MP の発生開発した.

(t)と残余関数は次式の畳み込み積分で表現で

)= x(τ )h(t-0

t

òは経過時間である。

プラスチックからの MP 発生率ると、海岸に漂着している全てのプラスチッ

発生率yf(t)それぞれ次のように

p(t-τ )x(τ )0

t

ò

Yf(t)= y f(τ0

t

òここでは、式(4)の MP 発生量モデルの応用

和田浜海岸(τ r

和田浜海岸における海岸漂着プラスチッ

各調査日からの経過日数をとってところ、95%有意な関係が得ら

= 0.852, P = 6.47×10

τ r )

は経過時間,平均滞留時間である.これをtで積分すれば,

を得ることに得ることができる.結果として,和田浜海岸にプラスチックの平均滞留時

: 208 日244 日)で残余関数が指数関数で表現できるこ

からも分かる通り、時間に対して一定確率で再漂流していることを意味する。

)の場合、1 日当たり存)が沖合に再漂流

海岸漂着プラスチックの残余数が図指数関数的に減少することは海岸を

線形システムとみなすことができることを線形システム解析に基づ

の発生抑制効果の評

と残余関数h(t)を用いると,は次式の畳み込み積分で表現で

-τ )dτ

である。これに個々の発生率 p(t)を導入す

ると、海岸に漂着している全てのプラスチッ及び MP 発生量

それぞれ次のように評価できる。

)h(t-τ )dτ

τ )dτ

発生量モデルの応用= 224)での海岸

和田浜海岸における海岸漂着プラスチッ

をとって95%信頼

有意な関係が得ら10-47 <

(1)

は経過時間,τ rはで積分すれば,

を得ることに得ることができる.結果として,和田浜海岸にプラスチックの平均滞留時

日)で残余関数が指数関数で表現できるこ

からも分かる通り、時間に対して一定確率で再漂流していることを意味する。

日当たり存)が沖合に再漂流

図-1 の海岸を

ができることを線形システム解析に基づ

抑制効果の評

を用いると,は次式の畳み込み積分で表現で

(2)

これに個々のを導入す

ると、海岸に漂着している全てのプラスチッ発生量

できる。

(3)

(4)

発生量モデルの応用)での海岸

和田浜海岸における海岸漂着プラスチッ

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清掃によるを評価した。まず海岸清掃効果を評価するためにの変動を個体識別調査の結果、和田浜海岸での新規漂着量がに起因する。そこで、次式で定義する新規漂着量を仮定した。

さらに、化していくことを仮定し、個々のプラスチックからの

とした。 以上の仮定を踏まえて、和田浜海岸でのプラスチックの存在量と式(2)及び式

図-2の時系列変化.((a)期が

清掃による MP 発生抑制効果(海岸清掃効果)を評価した。まず海岸清掃効果を評価するために 2 つの仮定を導入する。まず新規漂着量の変動を周期 365個体識別調査の結果、和田浜海岸での新規漂着量が毎年 6 月頃に極大値を有に起因する。そこで、次式で定義する新規漂着量を仮定した。

x(t) =

さらに、プラスチック化していくことを仮定し、個々のプラスチッからの MP 発生率

p(tとした。 以上の仮定を踏まえて、和田浜海岸でのプ

ラスチックの存在量と及び式(4)で評価すると、図

2 和田浜海岸で定期清掃の実施有無による存在量(の時系列変化.

(a)及び(b): 清掃時期が

期が 2 年 1 回極大時の場合)

発生抑制効果(海岸清掃効果)を評価した。まず海岸清掃効果を評価するた

つの仮定を導入する。まず新規漂着量365 日の正弦波とする。

個体識別調査の結果、和田浜海岸での新規漂月頃に極大値を有

に起因する。そこで、次式で定義する新規漂着量を仮定した。

= 1+ sin(2π t T

プラスチックが時間に比例して微細化していくことを仮定し、個々のプラスチッ

発生率 p(t)を t) = p0 t -τ( )

以上の仮定を踏まえて、和田浜海岸でのプラスチックの存在量と MP 発生量をそれぞれ

で評価すると、図

和田浜海岸で定期清掃の実施有無による存在量(

清掃時期が 1 年 1 回極小時の場合,

回極大時の場合)

図-3 各調査時における海浜地形と海岸漂着プラスチックの平面分布.

発生抑制効果(海岸清掃効果)を評価した。まず海岸清掃効果を評価するた

つの仮定を導入する。まず新規漂着量日の正弦波とする。これは、

個体識別調査の結果、和田浜海岸での新規漂月頃に極大値を有していたこと

に起因する。そこで、次式で定義する新規漂

T )

が時間に比例して微細化していくことを仮定し、個々のプラスチッ

以上の仮定を踏まえて、和田浜海岸でのプ発生量をそれぞれ

で評価すると、図-2 になる。計

和田浜海岸で定期清掃の実施有無による存在量(

回極小時の場合,

各調査時における海浜地形と海岸漂着プラスチックの平面分布.(太破線は朔望平均満潮位を意味する.

発生抑制効果(海岸清掃効果)を評価した。まず海岸清掃効果を評価するた

つの仮定を導入する。まず新規漂着量これは、

個体識別調査の結果、和田浜海岸での新規漂していたこと

に起因する。そこで、次式で定義する新規漂

(5)

が時間に比例して微細化していくことを仮定し、個々のプラスチッ

(6)

以上の仮定を踏まえて、和田浜海岸でのプ発生量をそれぞれ

になる。計

算したプラスチック存在量と海岸清掃効果によるプラスチックの削減を考慮すると、図年 1-2(a)に行う場合清掃を極大時期に行う場合の 3回の定期清掃を極小時期に行う場合、後(することが可能である。これに対して、同頻度で清掃時期をずらして極大時期に行えば、84%る。すなわち、同頻度であっても、プラスチックの漂着量が多い時期にやれば、量を抑制できることを意味する。一方、1 回の定期清掃を極大時期に行えば、量を

和田浜海岸で定期清掃の実施有無による存在量((a), (c)

回極小時の場合,(c)及び(d): 清掃時期が

各調査時における海浜地形と海岸漂着プラスチックの平面分布.太破線は朔望平均満潮位を意味する.

算したプラスチック存在量と海岸清掃効果によるプラスチックの削減を考慮すると、図

1 回の定期清掃を極小時期に行う場合2(a)及び(b))、1に行う場合(図-清掃を極大時期に行う場合

3 パターンの海岸清掃を想定した。回の定期清掃を極小時期に行う場合、後( t = 5T )におけるすることが可能である。これに対して、同頻度で清掃時期をずらして極大時期に行えば、84%の MP の発生を抑制することが可能になる。すなわち、同頻度であっても、プラスチックの漂着量が多い時期にやれば、量を抑制できることを意味する。一方、回の定期清掃を極大時期に行えば、

量を 55%削減することができる。

(a), (c)及び(e))及び

清掃時期が 1 年 1 回極大時の場合,

各調査時における海浜地形と海岸漂着プラスチックの平面分布.太破線は朔望平均満潮位を意味する.)

算したプラスチック存在量と海岸清掃効果によるプラスチックの削減を考慮すると、図-2 の赤線になる。ここで

回の定期清掃を極小時期に行う場合1 年 1 回の定期清掃を極大時期

-2(c)及び(d))清掃を極大時期に行う場合(図

パターンの海岸清掃を想定した。回の定期清掃を極小時期に行う場合、

)における MP 発生量をすることが可能である。これに対して、同頻度で清掃時期をずらして極大時期に行えば、

の発生を抑制することが可能になる。すなわち、同頻度であっても、プラスチックの漂着量が多い時期にやれば、量を抑制できることを意味する。一方、回の定期清掃を極大時期に行えば、

削減することができる。

)及び MP 発生量(

回極大時の場合,

各調査時における海浜地形と海岸漂着プラスチックの平面分布.

算したプラスチック存在量と MP 発生量から海岸清掃効果によるプラスチックの削減を

になる。ここで回の定期清掃を極小時期に行う場合

回の定期清掃を極大時期)、2 年 1 回の定期(図-2(e)及び

パターンの海岸清掃を想定した。1回の定期清掃を極小時期に行う場合、5

発生量を 63%することが可能である。これに対して、同頻度で清掃時期をずらして極大時期に行えば、

の発生を抑制することが可能になる。すなわち、同頻度であっても、プラスチックの漂着量が多い時期にやれば、MP量を抑制できることを意味する。一方、回の定期清掃を極大時期に行えば、MP

削減することができる。この発生抑

発生量((b), (d)及び

回極大時の場合,(e)及び(f): 清掃時

各調査時における海浜地形と海岸漂着プラスチックの平面分布.

発生量から海岸清掃効果によるプラスチックの削減を

になる。ここで、1回の定期清掃を極小時期に行う場合(図

回の定期清掃を極大時期回の定期及び(f))

1 年 15 周期

63%抑制することが可能である。これに対して、同頻度で清掃時期をずらして極大時期に行えば、

の発生を抑制することが可能になる。すなわち、同頻度であっても、プラスチ

MP 発生量を抑制できることを意味する。一方、2 年

MP 発生この発生抑

及び(f))

清掃時

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制効果はった場合と大差はなく、もかかわらず、期に行う場合と同等の効果が得られる。一般に、海岸清掃にはされる。もし隔年でしか海岸清掃を行えないのであれば、存在量が極大時期に海岸清掃を実施すべきである。清掃を実施する前にそれらによる清掃効果を調べることでより効率的か発生量を抑制することが可能になる。 (3) 海岸にあるプラスチックの残余数が指数関数的に減少する要因がわかれば、調査を実施しなくても滞留時間を推定し、前述したよが可能になる。そこで、本研究では調査から得られた残余プラスチックの漂着位置の変遷から再漂流過程を推察し,滞留時間の決定要因について考察した. 図-チック((remnantの漂着位置である。新規漂着及び残余プラスチックは、各調査時の漂着位置を意味し、再

図-4チックの平均集積率(灰色ハッチは沖合にある潜堤の沿岸方向の位置を意味する)

図-

制効果は 1 年 1 回の定期清掃を極小時期に行った場合と大差はなく、もかかわらず、1期に行う場合と同等の効果が得られる。一般に、海岸清掃にはされる。もし隔年でしか海岸清掃を行えないのであれば、存在量が極大時期に海岸清掃を実施すべきである。清掃を実施する前にそれらによる清掃効果を調べることでより効率的か発生量を抑制することが可能になる。

海岸にあるプラスチックの残余数が指数関数的に減少する要因がわかれば、調査を実施しなくても滞留時間を推定し、前述したように海岸清掃効果を評価することが可能になる。そこで、本研究では

から得られた残余プラスチックの漂着位置の変遷から再漂流過程を推察し,滞留時間の決定要因について考察した.

-3 は各調査時における新規漂着プラスチック( immigrant

remnant)及び再漂流プラスチック(の漂着位置である。新規漂着及び残余プラスチックは、各調査時の漂着位置を意味し、再

4 2011年 11月チックの平均集積率(灰色ハッチは沖合にある潜堤の沿岸方向の位置を意味する)

-5 和田浜海岸沖合の海浜流の形成パターン

回の定期清掃を極小時期に行った場合と大差はなく、労力を半分にしたに

1 年 1 回の定期清掃を極小時期に行う場合と同等の効果が得られる。一般に、海岸清掃には多くの労力や費用が必要とされる。もし隔年でしか海岸清掃を行えないのであれば、存在量が極大時期に海岸清掃を実施すべきである。以上のようにして、海岸清掃を実施する前にそれらによる清掃効果を調べることでより効率的か発生量を抑制することが可能になる。

海岸にあるプラスチックの残余数が指数関数的に減少する要因がわかれば、調査を実施しなくても滞留時間を推定し、前

うに海岸清掃効果を評価することが可能になる。そこで、本研究では

から得られた残余プラスチックの漂着位置の変遷から再漂流過程を推察し,滞留時間の決定要因について考察した.

各調査時における新規漂着プラスimmigrant)、残余プラスチック)及び再漂流プラスチック(

の漂着位置である。新規漂着及び残余プラスチックは、各調査時の漂着位置を意味し、再

月 24日に新規発見したプラスチックの沿岸方向の軌跡チックの平均集積率(b) (灰色ハッチは沖合にある潜堤の沿岸方向の位置を意味する)

和田浜海岸沖合の海浜流の形成パターン

回の定期清掃を極小時期に行労力を半分にしたに

回の定期清掃を極小時期に行う場合と同等の効果が得られる。一般

多くの労力や費用が必要とされる。もし隔年でしか海岸清掃を行えないのであれば、存在量が極大時期に海岸清掃を

以上のようにして、海岸清掃を実施する前にそれらによる清掃効果を調べることでより効率的かつ効果的に発生量を抑制することが可能になる。

海岸にあるプラスチックの残余数が指数関数的に減少する要因がわかれば、個体識別調査を実施しなくても滞留時間を推定し、前

うに海岸清掃効果を評価することが可能になる。そこで、本研究では個体識別

から得られた残余プラスチックの漂着位置の変遷から再漂流過程を推察し,滞留時間の決定要因について考察した.

各調査時における新規漂着プラス)、残余プラスチック

)及び再漂流プラスチック(emigrantの漂着位置である。新規漂着及び残余プラスチックは、各調査時の漂着位置を意味し、再

日に新規発見したプラスチックの沿岸方向の軌跡

(灰色ハッチは沖合にある潜堤の沿岸方向の位置を意味する)

和田浜海岸沖合の海浜流の形成パターン

回の定期清掃を極小時期に行労力を半分にしたに

回の定期清掃を極小時期に行う場合と同等の効果が得られる。一般

多くの労力や費用が必要とされる。もし隔年でしか海岸清掃を行えないのであれば、存在量が極大時期に海岸清掃を

以上のようにして、海岸清掃を実施する前にそれらによる清掃効果

つ効果的に MP

海岸にあるプラスチックの残余数が指数個体識別

調査を実施しなくても滞留時間を推定し、前うに海岸清掃効果を評価すること

個体識別から得られた残余プラスチックの漂着

位置の変遷から再漂流過程を推察し,滞留時

各調査時における新規漂着プラス)、残余プラスチック

emigrant)の漂着位置である。新規漂着及び残余プラスチックは、各調査時の漂着位置を意味し、再

漂流プラスチックは再漂流によって海岸からなくなる前の調査時の漂着ている。興味深いことに、いずれの分類のプラスチックはている。これに対して、朔望平均満潮位(図-3 中の破線)はこれはスチックは再する高波浪時 各調査間におけるプラスチックの漂着位置の変遷側に集積する傾向があった(図海岸を延長り、各区画における率を計算した均集積ていたことを示唆する。 そこで,和田浜海岸北側に集積する要因を調べるため,和田浜海岸背後の山頂にビデオカメラを設置し,高波浪時における海浜流の連続モニタリングを行った.メラで観測された動画のスナップショットであり、濁水の移動から赤い矢印の海浜流が形成されており、方向距離がの 2に、これらっており、再漂流しやすい場所であることが示唆される(図 以上の漂着プラスチックの漂着位置の変遷から推察される再漂流過程を図まず、和田浜海岸沖合では、北向きの沿岸流が卓越している結果、漂着プラスチックが海岸南側から北側へ移動する。北側に移動したプラスチックの多くは、波により岸向きに押され、再び海岸に再漂着する。一方、一部のプラスチックは、潜堤の両側から離岸流に沿って再漂流する。 従って、このような再漂流過程から滞留時間は、高波浪の発生確率や海浜流系の水

日に新規発見したプラスチックの沿岸方向の軌跡

(灰色ハッチは沖合にある潜堤の沿岸方向の位置を意味する)

和田浜海岸沖合の海浜流の形成パターン

漂流プラスチックは再漂流によって海岸からなくなる前の調査時の漂着ている。興味深いことに、いずれの分類のプラスチックは T.P.+ている。これに対して、朔望平均満潮位(図

中の破線)はこれは潮位変動が支配的なスチックは再漂流せず、する高波浪時に再漂流することを示唆する。

各調査間におけるプラスチックの漂着位置の変遷に着目すると、沿岸方向に関して北側に集積する傾向があった(図海岸を延長 900 mり、各区画における率を計算した(図均集積率を意味し、和田浜海岸北側に集積していたことを示唆する。そこで,和田浜海岸北側に集積する要因を

調べるため,和田浜海岸背後の山頂にビデオカメラを設置し,高波浪時における海浜流の連続モニタリングを行った.メラで観測された動画のスナップショットであり、濁水の移動から赤い矢印の海浜流が形成されており、方向距離が 700 m

2 区画であったに、これら 2 区画では、平均集積率が低くなっており、再漂流しやすい場所であることが示唆される(図

以上の漂着プラスチックの漂着位置の変遷から推察される再漂流過程を図まず、和田浜海岸沖合では、北向きの沿岸流が卓越している結果、漂着プラスチックが海岸南側から北側へ移動する。北側に移動したプラスチックの多くは、波により岸向きに押され、再び海岸に再漂着する。一方、一部のプラスチックは、潜堤の両側から離岸流に沿って再漂流する。従って、このような再漂流過程から滞留時

間は、高波浪の発生確率や海浜流系の水

日に新規発見したプラスチックの沿岸方向の軌跡(a)

漂流プラスチックは再漂流によって海岸からなくなる前の調査時の漂着ている。興味深いことに、いずれの分類のプ

T.P.+2.0 m 以上のている。これに対して、朔望平均満潮位(図

中の破線)は T.P.+0.7 m である。従って、潮位変動が支配的な

漂流せず、T.P.+2.0mに再漂流することを示唆する。

各調査間におけるプラスチックの漂着位に着目すると、沿岸方向に関して北

側に集積する傾向があった(図900 m を 100 m 間隔の区画で区切

り、各区画における残余プラスチックの(図-4(b))。これは

率を意味し、和田浜海岸北側に集積していたことを示唆する。 そこで,和田浜海岸北側に集積する要因を

調べるため,和田浜海岸背後の山頂にビデオカメラを設置し,高波浪時における海浜流の連続モニタリングを行った.メラで観測された動画のスナップショットであり、濁水の移動から赤い矢印の海浜流が形成されており、離岸流の発生区画は、

700 m—800 m 及び区画であった(図-4 の縦軸参照)

区画では、平均集積率が低くなっており、再漂流しやすい場所であることが示唆される(図-4(b))。

以上の漂着プラスチックの漂着位置の変遷から推察される再漂流過程を図まず、和田浜海岸沖合では、北向きの沿岸流が卓越している結果、漂着プラスチックが海岸南側から北側へ移動する。北側に移動したプラスチックの多くは、波により岸向きに押され、再び海岸に再漂着する。一方、一部のプラスチックは、潜堤の両側から離岸流に沿って再漂流する。 従って、このような再漂流過程から滞留時

間は、高波浪の発生確率や海浜流系の水

(a)と全調査期間におけるプラス

漂流プラスチックは再漂流によって海岸からなくなる前の調査時の漂着位置を意味している。興味深いことに、いずれの分類のプ

以上の位置に漂着している。これに対して、朔望平均満潮位(図

である。従って、潮位変動が支配的な平常時には

T.P.+2.0m 以上に遡上に再漂流することを示唆する。

各調査間におけるプラスチックの漂着位に着目すると、沿岸方向に関して北

側に集積する傾向があった(図-4(a))。和田浜間隔の区画で区切

残余プラスチックの。これは全期間の平

率を意味し、和田浜海岸北側に集積し

そこで,和田浜海岸北側に集積する要因を調べるため,和田浜海岸背後の山頂にビデオカメラを設置し,高波浪時における海浜流の連続モニタリングを行った.図-5 はビデオカメラで観測された動画のスナップショットであり、濁水の移動から赤い矢印の海浜流が

離岸流の発生区画は、及び 1000 m—1100 mの縦軸参照)。

区画では、平均集積率が低くなっており、再漂流しやすい場所であることが

以上の漂着プラスチックの漂着位置の変遷から推察される再漂流過程を図-6 に示す。まず、和田浜海岸沖合では、北向きの沿岸流が卓越している結果、漂着プラスチックが海岸南側から北側へ移動する。北側に移動したプラスチックの多くは、波により岸向きに押され、再び海岸に再漂着する。一方、一部のプラスチックは、潜堤の両側から離岸流に沿

従って、このような再漂流過程から滞留時間は、高波浪の発生確率や海浜流系の水

と全調査期間におけるプラス

漂流プラスチックは再漂流によって海岸か位置を意味し

ている。興味深いことに、いずれの分類のプ位置に漂着し

ている。これに対して、朔望平均満潮位(図である。従って、

はプラ以上に遡上

に再漂流することを示唆する。 各調査間におけるプラスチックの漂着位

に着目すると、沿岸方向に関して北和田浜

間隔の区画で区切残余プラスチックの集積

全期間の平率を意味し、和田浜海岸北側に集積し

そこで,和田浜海岸北側に集積する要因を調べるため,和田浜海岸背後の山頂にビデオカメラを設置し,高波浪時における海浜流の

ビデオカメラで観測された動画のスナップショットであり、濁水の移動から赤い矢印の海浜流が

離岸流の発生区画は、沿岸1100 m。実際

区画では、平均集積率が低くなっており、再漂流しやすい場所であることが

以上の漂着プラスチックの漂着位置の変に示す。

まず、和田浜海岸沖合では、北向きの沿岸流が卓越している結果、漂着プラスチックが海岸南側から北側へ移動する。北側に移動したプラスチックの多くは、波により岸向きに押され、再び海岸に再漂着する。一方、一部のプラスチックは、潜堤の両側から離岸流に沿

従って、このような再漂流過程から滞留時間は、高波浪の発生確率や海浜流系の水平ス

と全調査期間におけるプラス

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ケールに依存することが示唆された。今後、これらをパラメータとして滞留時間を推定するためのモデルを構築していく予定である。 5.主な発表論文(研究代表者、研究分担者は下線) 〔雑誌論文〕(計① Hinata H. and

setting strategy for experiments to evaluate the 1D diffusion coefficient of beached litter in the crossBulletin, http://ww/pii/S0025326X16302983

② Kataoka T.beach cleanup effects using linear system analysis, Marine Pollution Bulletin, Vol. 91, Issue 1, 2015, pp. 73http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0025326X14008273

③ Kataoka T.Backwash process of marine macroplastics from a beach by nearshore currents around a submerged breakwater, Bulletin, 539http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0025326X15301387

④ 片岡智哉

クの滞留時間の計測と海岸清掃への応用に関する研究研究報告http://www.nilim.go.jp/lab/bcg/siryou/rpn/rpn0054.htm

(赤色破線

ケールに依存することが示唆された。今後、これらをパラメータとして滞留時間を推定するためのモデルを構築していく予定であ

.主な発表論文(研究代表者、研究分担者は下線)

〔雑誌論文〕(計 Hinata H. and setting strategy for experiments to evaluate the 1D diffusion coefficient of beached litter in the cross-shore directionBulletin, 査読有http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0025326X16302983 Kataoka T. and H. Hinata: Evaluation of beach cleanup effects using linear system analysis, Marine Pollution Bulletin, Vol. 91, Issue 1, 2015, pp. 73http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0025326X14008273 Kataoka T., H. Hinata and S. Kato: Backwash process of marine macroplastics from a beach by nearshore currents around a submerged breakwater, Bulletin, 査読有539—548. http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0025326X15301387

片岡智哉: 海岸における海洋プラスチックの滞留時間の計測と海岸清掃への応用に関する研究研究報告, 査読無http://www.nilim.go.jp/lab/bcg/siryou/rpn/rpn0054.htm

図-6 和田浜海岸における再漂流過程(赤色破線: 再漂流経路、灰色実線

認した海浜流、灰色破線

ケールに依存することが示唆された。今後、これらをパラメータとして滞留時間を推定するためのモデルを構築していく予定であ

.主な発表論文等 (研究代表者、研究分担者及び連携研究者

7 件) Hinata H. and T. Kataoka: setting strategy for experiments to evaluate the 1D diffusion coefficient of beached litter in the

shore direction, Marine Pollution 査読有, in press, 2016.w.sciencedirect.com/science/article

/pii/S0025326X16302983

and H. Hinata: Evaluation of beach cleanup effects using linear system analysis, Marine Pollution Bulletin, Vol. 91, Issue 1, 2015, pp. 73http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0025326X14008273

, H. Hinata and S. Kato: Backwash process of marine macroplastics from a beach by nearshore currents around a submerged breakwater, Marine Pollution

査読有, Vol. 101, Issue 2, 2015, pp.

http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0025326X15301387

海岸における海洋プラスチックの滞留時間の計測と海岸清掃への応用に関する研究, 国土技術政策総合研究所

査読無, Vol. 54, 2014http://www.nilim.go.jp/lab/bcg/siryou/rpn/rp

和田浜海岸における再漂流過程再漂流経路、灰色実線

認した海浜流、灰色破線: 推測した海浜流)

ケールに依存することが示唆された。今後、これらをパラメータとして滞留時間を推定するためのモデルを構築していく予定であ

及び連携研究者

: A belt transect setting strategy for mark-recapture experiments to evaluate the 1D diffusion coefficient of beached litter in the

, Marine Pollution , in press, 2016.

w.sciencedirect.com/science/article

and H. Hinata: Evaluation of beach cleanup effects using linear system analysis, Marine Pollution Bulletin, 査読有Vol. 91, Issue 1, 2015, pp. 73—81. http://www.sciencedirect.com/science/article

, H. Hinata and S. Kato: Backwash process of marine macroplastics from a beach by nearshore currents around a

Marine Pollution , Vol. 101, Issue 2, 2015, pp.

http://www.sciencedirect.com/science/article

海岸における海洋プラスチックの滞留時間の計測と海岸清掃への応用

国土技術政策総合研究所, 2014.

http://www.nilim.go.jp/lab/bcg/siryou/rpn/rp

和田浜海岸における再漂流過程 再漂流経路、灰色実線: ビデオ観測で確

推測した海浜流)

ケールに依存することが示唆された。今後、これらをパラメータとして滞留時間を推定するためのモデルを構築していく予定であ

及び連携研究者に

A belt transect recapture

experiments to evaluate the 1D diffusion coefficient of beached litter in the

, Marine Pollution

w.sciencedirect.com/science/article

and H. Hinata: Evaluation of beach cleanup effects using linear system

査読有,

http://www.sciencedirect.com/science/article

, H. Hinata and S. Kato: Backwash process of marine macroplastics from a beach by nearshore currents around a

Marine Pollution , Vol. 101, Issue 2, 2015, pp.

http://www.sciencedirect.com/science/article

海岸における海洋プラスチックの滞留時間の計測と海岸清掃への応用

国土技術政策総合研究所

http://www.nilim.go.jp/lab/bcg/siryou/rpn/rp

〔学会発表〕(計①

ビデオ観測で確

Kataoka, T., H. Hinata and S. Katoof a beach as a timeinput/output system of marine litter, Marine Pollution Bulletin, 1-2, 2013, pp. 266http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0025326X13006000

Kataoka, T.Numerical estimation of inflow flux of floating natural macroEstuarine Coastal and Shelf Science, 有, Vol. 134, No.http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0272771413004046

片岡智哉, ら東京湾へ流入する漂流ゴミ量の逆推定国土技術政策総合研究所研究報告無, Vol. 53, 2013http://www.nilim.go.jp/lab/bcg/siryou/rpn/rpn0053.htm

片岡智哉, ゴミ量に対する海岸の線形応答特性土技術政策総合研究所資料738, 2013. http://www.nilim.go.jp/lab/bcg/siryou/tnn/tnn0738.htm

〔学会発表〕(計 片岡智哉, よる海岸漂着プラスチックの再漂流過程2016 年度日本海洋学会春季大会16S25-10, 2016

片岡智哉, 滞留時間計測のための調査区画設定方法について, 2016会, 16S25-

片岡智哉, 着したプラスチックの再漂流過程に関する物理メカニズム演会, SS, 2014

Kataoka, T.Analysis of a beach as a timelinear input/output system of marine litter, PICES

Kataoka, T.Sequential moniat multiple sites using webcam, PICES-2014, S8

Kataoka, T.Exponential decay of remnants of plastic litter through an

, H. Hinata and S. Katoof a beach as a timeinput/output system of marine litter, Marine Pollution Bulletin, 査読有

2013, pp. 266—273. http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0025326X13006000

Kataoka, T., H. Hinata and Y. NiheiNumerical estimation of inflow flux of floating natural macro-debris into Tokyo Bay, Estuarine Coastal and Shelf Science,

, No. 1, 2013, phttp://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0272771413004046

, 日向博文, 二瓶泰雄ら東京湾へ流入する漂流ゴミ量の逆推定国土技術政策総合研究所研究報告

, 2013. http://www.nilim.go.jp/lab/bcg/siryou/rpn/rp

, 日向博文, 加藤茂ゴミ量に対する海岸の線形応答特性土技術政策総合研究所資料

http://www.nilim.go.jp/lab/bcg/siryou/tnn/tn

〔学会発表〕(計 9 件) , 日向博文, 加藤茂

よる海岸漂着プラスチックの再漂流過程年度日本海洋学会春季大会

, 2016.

, 日向博文: 漂着プラスチック滞留時間計測のための調査区画設定方法

, 2016 年度日本海洋学会春季大-11, 2016.

, 日向博文, 加藤茂着したプラスチックの再漂流過程に関する物理メカニズム, 第

, 2014.

Kataoka, T., H. Hinata and S. KatoAnalysis of a beach as a timelinear input/output system of marine litter, PICES-2014, S8

T., H. Hinata and S. KakoSequential monitoring of beach litter at multiple sites using webcam,

2014, S8-9505, 2014

T., H. Hinata and S. KatoExponential decay of remnants of plastic litter through an

, H. Hinata and S. Kato: Analysis of a beach as a time-invariant linear input/output system of marine litter, Marine

査読有, Vol. 77, Issue

http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0025326X13006000

, H. Hinata and Y. NiheiNumerical estimation of inflow flux of

debris into Tokyo Bay, Estuarine Coastal and Shelf Science,

2013, pp. 69—79. http://www.sciencedirect.com/science/article

二瓶泰雄: 河川から東京湾へ流入する漂流ゴミ量の逆推定国土技術政策総合研究所研究報告,

http://www.nilim.go.jp/lab/bcg/siryou/rpn/rp

加藤茂: 新規漂着ゴミ量に対する海岸の線形応答特性土技術政策総合研究所資料, 査読無

http://www.nilim.go.jp/lab/bcg/siryou/tnn/tn

加藤茂: 海浜流による海岸漂着プラスチックの再漂流過程

年度日本海洋学会春季大会

漂着プラスチック滞留時間計測のための調査区画設定方法

年度日本海洋学会春季大

加藤茂: 海岸に漂着したプラスチックの再漂流過程に関す

第 61 回海岸工学講

, H. Hinata and S. KatoAnalysis of a beach as a time-invariant linear input/output system of marine

2014, S8-9476, 2014

, H. Hinata and S. Kakotoring of beach litter

at multiple sites using webcam, , 2014.

, H. Hinata and S. KatoExponential decay of remnants of plastic litter through an

: Analysis invariant linear

input/output system of marine litter, Marine , Issue.

http://www.sciencedirect.com/science/article

, H. Hinata and Y. Nihei: Numerical estimation of inflow flux of

debris into Tokyo Bay, Estuarine Coastal and Shelf Science, 査読

http://www.sciencedirect.com/science/article

河川から東京湾へ流入する漂流ゴミ量の逆推定,

, 査読

http://www.nilim.go.jp/lab/bcg/siryou/rpn/rp

新規漂着ゴミ量に対する海岸の線形応答特性, 国

査読無, Vol.

http://www.nilim.go.jp/lab/bcg/siryou/tnn/tn

海浜流による海岸漂着プラスチックの再漂流過程,

年度日本海洋学会春季大会 ,

漂着プラスチック滞留時間計測のための調査区画設定方法

年度日本海洋学会春季大

海岸に漂着したプラスチックの再漂流過程に関す

回海岸工学講

, H. Hinata and S. Kato: invariant

linear input/output system of marine , 2014.

, H. Hinata and S. Kako: toring of beach litter

at multiple sites using webcam,

, H. Hinata and S. Kato: Exponential decay of remnants of plastic litter through an

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advection-diffusion process on wadahama beach, Niijima Island, Japan, 2014 Ocean Sciences Meeting, P1644, 2014.

⑦ 片岡智哉, 日向博文: 海岸漂着ゴミの滞

留時間と海岸清掃の効果, 流域圏シンポジウム, 土木学会水工学委員会環境水理部会, 2013.

⑧ Kataoka, T., H. Hinata and S. Kato:

Beaches as a linear input/output system of marine debris, 53th ECSA Conference, O9.04, 2013.

⑨ 片岡智哉, 日向博文, 加藤茂: 新規漂着

ゴミ量に対する海岸の線形応答特性, 2013 年度日本海洋学会秋季大会, 143, 2013.

6.研究組織 (1)研究代表者 片岡 智哉(KATAOKA, Tomoya) 国土技術政策総合研究所・沿岸海洋・防災研究部・沿岸域システム研究室・研究官 研究者番号:70553767

(2)研究協力者 日向 博文(HINATA, Hirofumi) 加藤 茂(KATOU, Shigeru) 加古 真一郎(KAKO, Shinichiro)