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10.技術資料(復旧事例集)
− 56 −
農
地
【1】 地区の概要 ⑴ 所 在 地:上越市吉川区大賀地内 ⑵ 事業主体:上越市 ⑶ 工 種:田 ⑷ 地区番号:5440−9004
【2】 採択条項 第12号 原形復旧
【3】 事業費(単位:千円)
申請額 査定額 備 考
4,030 3,878
【4】 原形施設概要 ⑴ 区画の形状:19a(未整備水田) ・盛土高10m超
【5】 被害状況 農地の盛土法面(3箇所)の崩壊により、畦畔
が40mにわたって崩落し、水田の保水機能が失われた。
【6】 復旧計画 ⑴ 復旧工法の内容 崩壊した法面末端部に普通フトン篭3段積
みを設置し、盛土の安定を図ったうえ、畦畔を築立する。
復旧にあたって、現況の水張り面積を確保しようとすると、盛土勾配が急傾斜となり、安定を期するための大型フトン篭が必要となるなど、事業費が増大してしまう。また、盛土勾配を緩くした場合、用地境界を犯してしまうことから、農地所有者の了解を得て畦畔位置を従来よりも内側に築立して復旧を図ることとした。
⑵ 工事内容 ・復旧面積 A=0.19ha (畦畔復旧延長 L=40.0m) ・土工 1.0式 ・フトン篭工 L=99段m (L=33m×3段積み)
−畦畔の位置変更による農地復旧− 大賀地区の農地災害
復旧工事計画平面図
− 57 −
農
地
復旧工事計画横断面図
被災状況(法面崩壊、畦畔崩落)
復旧状況(畦畔を内側に築立して復旧)
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ため池
【1】 地区の概要 ⑴ 所 在 地:柏崎市西山町和田地内 ⑵ 事業主体:柏崎市 ⑶ 工 種:ため池 ⑷ 地区番号:5050−9101
【2】 採択条項 第15号(2)ア(エ) 被災した護岸や取水施設を原形復旧しても安
定が図れないため、必要最小限度に工法、寸法及び材質を変更する。
【3】 事業費(単位:千円)
申請額 査定額 備 考
(220.500)18,458
(220.500)17,376
上段( )は応急工事費で内数
【4】 原形施設概要 ⑴ 形 式 ・土堰堤(一部コンクリート護岸) ⑵ 諸 元 ・貯水量 V=9,000㎥ ・堤 長 L=129.0m ・堤 高 H=1.5m、天端幅 W=4.5m ⑶ 受益面積:8.9ha
【5】 被害状況 ため池護岸の亀裂、変形や目地部の損傷が生
じた。底樋については、カメラ調査により樋管損傷による漏水が確認されるなど、ため池としての貯水機能及び取水機能が損なわれた。
−ため池の底樋、堤体護岸の復旧− 和田地区のため池災害(東大池)
被災状況(コンクリート護岸のズレ)
被災状況(コンクリート護岸目地の損傷)
被災状況(土羽護岸の崩壊) 被災状況(コンクリート護岸の損傷)
− 59 −
ため池
【6】 復旧計画 ⑴ 復旧工法の内容 用水需要に応えるため、応急仮工事として、
目地破損部の漏水を大型土のう設置、及びコンクリート壁の築造により止水する。
本工事は、破損したコンクリート護岸目地部をコンクリート打ち直しにより原形復旧するとともに、亀裂の入った土羽護岸部分は、積ブロック護岸にて復旧する。
また、漏水が確認された底樋(組合せ暗渠Φ360)については、ヒューム管布設(HPφ600)をおこない復旧する。
⑵ 工事内容 −応急仮工事− ・漏水防止工 N=1.0式 −復旧工事− ・継目補修工 N=3箇所(1工区) ・取水工 N=1箇所(1工区) ・ブロック積工 A=36.5㎡(2工区)
被災状況(護岸の背後地に生じた亀裂)
被災状況(底樋のカメラ調査の様子)
被災状況(底樋のカメラ調査映像)
− 60 −
ため池
応急仮工事構造図
応急仮工事着手前
応急仮工事施工状況(堤体側コンクリート打設)
応急仮工事完了
応急仮工事施工状況(堤体側コンクリート壁の築造)
− 61 −
ため池
1工区(コンクリート護岸部分) 復旧計画図
− 62 −
ため池
2工区(土羽護岸部分) 復旧計画図
− 63 −
ため池
1工区(コンクリート護岸部分) 目地補修施工前
復旧状況(継目補修完了)
2工区(土羽護岸部分) ブロック積施工前
復旧状況(ブロック積での護岸復旧完了) 施工状況(大型積みブロック据え付け)
施工状況(コンクリート護岸はつり)
− 64 −
ため池
【1】 地区の概要 ⑴ 所 在 地:上越市柿崎区坂田新田地内 ⑵ 事業主体:上越市 ⑶ 工 種:ため池 ⑷ 地区番号:5410−9002
【2】 採択条項 第15号(2)ア(ア) ため池が被災し、原形に復旧することが著し
く不適当な場合における、直接貯水池に面する崩壊部分の土止工の施行
【3】 事業費(単位:千円)
申請額 査定額 備 考
17,782 16,734
【4】 原形施設概要 ⑴ 形 式:コンクリート矢板護岸 ⑵ 諸 元:貯水量 V=70,000㎥ ⑶ 受益面積:50ha
【5】 被害状況 ため池護岸をなしているコンクリート矢板が
傾斜し、護岸背後地に長さ約68mにおよぶ亀裂や地盤の沈下が生じた。
また、洪水吐ボックスカルバートの連結目地部が開き、貯水機能が失われた。
【6】 復旧計画 ⑴ 復旧工法の内容 池の周囲(ため池護岸の背後地)は、地域
住民に親しまれている桜並木となっている。従前と同様のコンクリート矢板で原形復旧を行おうとする場合、資機材搬入のために伐採をしなければならず、関係者の合意形成が非常に困難である。
したがって、資機材の搬入が容易で、施工時にも桜並木に影響を与えず、かつ、経済的であるコンクリートブロック積みを採用し護岸復旧を行う。
洪水吐ボックスカルバートは、本体に構造的支障がおよんでいないことから、連結目地部のコンクリート巻立てにより、遮水処理を施す。
⑵ 工事内容 ・護岸工 L=68.1m (コンクリートブロック積み A=230.2㎡) ・洪水吐工 1.0式 (ボックスカルバート布設替えL=12.5m) (遮水工:コンクリート巻立てN=6箇所)
−ブロック積みによる護岸復旧− 坂田新田地区のため池災害(坂田池)
被災状況(コンクリート矢板護岸の傾斜)
被災状況(洪水吐け目地の開き)
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ため池
復旧状況(ブロック積み護岸)
施工状況(洪水吐ボックスカルバートCo.巻立て)
復旧状況(洪水吐ボックスカルバートCo.巻立て)
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水
路
【1】 地区の概要 ⑴ 所 在 地:刈羽郡刈羽村大字大塚 ⑵ 事業主体:刈羽村 ⑶ 工 種:水路、揚水機 ⑷ 地区番号:5040−9013(揚水機) 5040−9017(水路) 5040−9025(水路)
【2】 採択条項 第12 原形復旧
【3】 事業費(単位:千円)
地区番号 申請額 査定額 備 考
9013 3,179 3,050 うち応急本工事131
9017 1,589 1,589 うち応急本工事1,589 用水
9025 (2,763)5,684
(2,763)5,684
( )内は応急仮工事で内数 用水
【4】 原形施設概要 揚水機:渦巻ポンプφ200mm、φ250mm
(各1台) 揚程21.3m、揚水量0.189㎥ /s 管水路:塩ビ管φ125mm〜450mm 受益面積:44.1ha
【5】 被害状況 揚水機場の建屋が不等沈下したため、揚水ポ
ンプ吸水管の可とう部が大きく偏心したことや、地震動により用水パイプラインが各所で破損し、かんがい機能を失った。
−パイプラインの応急本工事− 大塚地区の用水パイプライン災害(刈羽中部地区)
被災状況(ポンプ吸水管可とう管の変形)
被災状況(用水パイプラインの破損)
被災状況(応急本工事で撤去された用水パイプライン)
− 67 −
水
路
【6】 復旧計画 ⑴ 復旧工法の内容 −応急仮工事− ポンプ吐き出し部の大口径配管材料を即座に入手することが困難であったため、出穂期を迎えた稲
への影響を考慮して、新潟県農地部所有の災害応急ポンプを貯水槽に設置し、各給水ブロックまで仮配管をおこない給水を実施する。
応急仮工事実施状況(給水ブロックへの仮配管)
応急仮工事実施状況(給水ブロック既設パイプラインへの接続)
施工状況(水中ポンプ2台を貯水槽内に直接設置)
− 68 −
水
路
−応急本工事− 機能喪失した可とう管を交換のうえ、ポンプ側の沈下量に合わせてポンプ吸水管を据え付け直す。 破損したパイプラインについては、給水ブロック毎の通水試験により破損箇所を特定し、随時復旧
する。
応急本工事実施状況(吸水管の復旧)
応急本工事実施状況(パイプラインの復旧:チーズ管)
応急本工事実施状況(パイプラインの復旧:直管)
− 69 −
水
路
−復旧工事− 地盤の変動により、沈下等が生じた揚水機場構内の整地、舗装等を復旧工事として実施する。
⑵ 工事内容 ・管路復旧工 L=132.5m ・舗装復旧工 A=147㎡ ・取水口目地補修 1.0式
復旧状況(揚水機場内舗装復旧)
− 70 −
水
路
【1】 地区の概要 ⑴ 所 在 地:柏崎市安田地内 ⑵ 事業主体:柏崎市 ⑶ 工 種:水路 ⑷ 地区番号:2050−9501
【2】 採択条項 第15号(2)ウ(ア) 用水路の護岸が崩壊し水路が閉塞したが、原
形復旧をした場合、水路の安定が図られないため、必要最小限度に工法及び寸法等を変更する。
【3】 事業費(単位:千円)
地区番号 申請額 備 考
(551)32,981
(551)32,981
( )内は応急仮工事で内数 用水
【4】 原形施設概要 ⑴ 形 式:ブロック積水路(空積み) ⑵ 諸 元: ・幅 W=4.3m〜2.3m ・高さ H=1.9m ⑶ 受益面積:659ha
【5】 被害状況 ブロック積護岸が崩壊して、水路を閉塞させ
たために通水機能が損なわれた。
−護岸崩壊による水路閉塞の応急復旧− 安田地区の水路災害(西江用水路)
被災状況(ブロック積護岸の崩落)
被災状況(水路断面の閉塞)
被災状況(現況断面と被災区間)
− 71 −
水
路
【6】 復旧計画 ⑴ 復旧工法の内容 応急仮工事により崩壊した積ブロックを撤
去した後、大型土のうを土羽の根止めとして設置し、通水断面を確保する。
水路用L型ブロックを布設し、底張りコンクリート打設により水路を復旧する。
⑵ 工事内容 −応急仮工事− ・大型土のう設置 N=30袋 ・土工 1.0式 −復旧工事− ・水路用L型ブロック布設 L=198m ・土工 1.0式
応急仮工事(通水断面確保)
施工状況(水路用L型ブロック布設) 復旧状況(水路用L型ブロックによる復旧)
− 72 −
水
路
【1】 地区の概要 ⑴ 所 在 地:新潟市西蒲区今井地内 ⑵ 事業主体:西蒲原土地改良区 ⑶ 工 種:水路 ⑷ 地区番号:3490−9001
【2】 採択条項 第15号(2)ウ(イ)ⅰ 原形復旧が著しく不適当な場合における効用
を回復するために行う位置、形状、材質等の変更
【3】 事業費(単位:千円)
申請額 査定額 備 考
14,732 13,629 排水
【4】 原形施設概要 ⑴ 形 式:コンクリート矢板護岸 ⑵ 諸 元 ・総延長 10,100m ・計画排水量 11.2㎥ /s ・流域面積 735ha ・構造 コンクリート矢板L=3.1m/枚 ⑶ 受益面積:651ha
【5】 被害状況 排 水 路 堤 防 に 延 長 約70m、深 さ 約15〜
30cmに達する亀裂が発生し、堤防機能が失われた。
更に、この影響でコンクリート矢板護岸が水路側に60cmほど傾斜し、流下能力が喪失した。
−コンクリート矢板護岸水路の復旧− 今井地区の排水路災害(新木山川排水路)
被災状況(矢板コーピング部の傾き)
被災状況(全景)
被災状況(堤防部に生じた亀裂)
− 73 −
水
路
【6】 復旧計画 ⑴ 復旧工法の内容 被災部分の前後(原形構造)との擦り付けや、仮設工、経済性、資材調達等から鋼矢板護岸による復
旧とした。また、既設矢板の引き抜きに伴う堤防(盛土)崩壊が懸念されるため、既設矢板の背面側を鋼矢板打設位置(護岸復旧位置)として計画した。構造検討にあたっては、近傍のボーリング調査結果を用いて構造計算をおこない鋼矢板の規格を決定した。
施工方法は、堤防部分の保全を重視し、①既設矢板背面に鋼矢板を打設、②既設矢板引き抜き、③被災した堤防の築立、という手順で復旧をおこなった。
⑵ 工事内容 ・土工 L=64.0m ・護岸工 L=62.9m(鋼矢板ⅡW型 L=7.6m) ・付帯工 1.0式
− 74 −
水
路施工状況(矢板コーピング取り壊し) 施工状況(鋼矢板打設)
施工状況(既設コンクリート矢板引き抜き) 施工状況(堤防盛土築立整形)
復旧状況(下流側より)
復旧状況(上流側より)
− 75 −
水
路
被災状況(軸方向、断面方向に生じた無数のひび割れ)
(長崎排水路)シールドトンネル構造概念図
被害状況(左記、囲み部分の拡大)
【1】 地区の概要 ⑴ 所 在 地:柏崎市荒浜地内 ⑵ 事業主体:柏崎市 ⑶ 工 種:水路 ⑷ 地区番号:2050−9102
【2】 採択条項 第12号 原形復旧
【3】 事業費(単位:千円)
申請額 査定額 備 考
93,872 61,983 排水
【4】 原形施設概要 ⑴ 形 式:シールドトンネルφ3700mm ・(一次覆工)RCセグメント ・(二次覆工)無筋コンクリート ⑵ 諸 元 ・延長L=720m ・土被り約10〜60m ・土圧系加泥式シールド工法 ⑶ 受益面積:3,226ha
【5】 被害状況 ・シールドトンネル部のL=212mに渡り、管
軸方向及び管断面方向に無数のひび割れが発生し、最大で36mmの亀裂が生じた。
・ 内空断面は上下方向に潰れ、横方向に約10cm程度変形した。
・(シールドトンネル)リング間継手部の破損により、セグメント接合面に45mm程度の目開きが発生した。
−シールドトンネルの復旧− 荒浜地区の水路災害(長崎排水路)
− 76 −
水
路
【6】 復旧計画 ⑴ 復旧工法の内容 ①リング間継手の破断により損なわれた一次
覆工の止水性と隣接リングの一体性の回復を行う。
②周辺地盤の剛性低下の影響により損なわれたトンネルの安定性を回復する。
③天井部の連続したひび割れにより損なわれた二次覆工の安定性を回復する。
⑵ 復旧工法の内容 ①仮設支保工を設置した上で二次覆工を帯状
にはつり、一次覆工表面を露出させる。一次覆工のリング間継手に生じた隙間を充填し、補修ピースを設置する。二次覆工のはつり部分を断面修復して完了とする。また、ひび割れについては、ひび割れ幅に応じて、3mm以下は無機系自動式低圧注入工法、10mm以下は特殊セメント系無収縮機械式注入工法、10mm超は充填工法により補修する。
②トンネル側部に2リング間隔でコア抜きをし、そこから低圧浸透注入工法により恒久グラウトを背面地盤へ注入する。
③天井部の90度範囲にFRPメッシュをアンカーにより固定し、二次履工の剥離・落下を防止する。
⑶ 工事内容 ・リング間継手補修工 N=5リング ・ひび割れ補修工 無機系自動式低圧注入 L=444.0m 特殊セメント系注入 L=75.4m 充填工法 L=43.5m ・背面注入工(低圧浸透注入) V=24.884kl ・剥落防止工(FRPメッシュ) A=615.0㎡ ⑷ その他 ・トンネル内の作業のため、豪雨による洪水
等が予想される5月から11月の期間は作業を中止し、出水に備えた。
被災状況(リング間継手が破損し、セグメント接合面が開いている)
− 77 −
水
路
− 78 −
水
路
− 79 −
水
路
施工状況(ひび割れ補修) 施工状況(ひび割れ補修状況)
施工状況(FRPメッシュ貼付) 復旧状況(剥落防止工の完了)
− 80 −
水
路
【1】 地区の概要 ⑴ 所 在 地:柏崎市与三地内 ⑵ 事業主体:柏崎市 ⑶ 工 種:水路 ⑷ 地区番号:2050−9103
【2】 採択条項 第15号(1) 現況矢板の除去が困難なため、原形に復旧す
ることが著しく困難であり、必要最小限度に工法を変更する。
【3】 事業費(単位:千円)
申請額 査定額 備 考
52,365 52,365 排水
【4】 原形施設概要 ⑴ 形 式:矢板護岸 ⑵ 諸 元 ・延長L=429m ・幅員W=3.4m〜2.8m ・軽量鋼矢板3型 ⑶ 受益面積:15.4ha
−矢板護岸をフリュームで復旧− 与三地区の水路災害(与三排水路)
現況施設の状況
被災状況(矢板の傾き)
被災状況(矢板の破損)
− 81 −
水
路
【5】 被害状況 矢板護岸が変形、破損して通水機能に支障が
生じた。また、天端笠コンクリートの不等沈下、切梁材の固定ボルトが破断するなど構造的に不安定な状態となった。
【6】 復旧計画 ⑴ 復旧工法の内容 現況と同構造である矢板護岸での復旧を
基本として、施工性、経済性等について比較設計をおこない、経済的かつ矢板撤去に伴う地盤の緩みが生じない工法として、排水フリュームによる復旧を採用した。
流下断面は縮小されるが、粗度係数を下げることによって(流速を上げ)計画流量を満足させ、流下機能を回復する。
⑵ 工事内容 ・排水フリューム布設(1500×2200)
L=415.4m ・取付水路工 N=4箇所 ・土工 1.0式
被災状況(切梁材固定ボルトの破断)
− 82 −
水
路
− 83 −
水
路
− 84 −
水
路
施工状況(枕木設置)
施工状況(基礎コンクリート打設完了)
施工状況(排水フリューム布設)
復旧状況
− 85 −
水
路
【1】 地区の概要 ⑴ 所 在 地:柏崎市春日地内 ⑵ 事業主体:柏崎市 ⑶ 工 種:水路 ⑷ 地区番号:2050−9106
【2】 採択条項 第12号 原形復旧
【3】 事業費(単位:千円)
申請額 査定額 備 考
14,837 14,837 排水
【4】 原形施設概要 ⑴ 形 式:鋼製ローラーゲート ⑵ 諸 元 ・設置数 2門 ・純径間 5m ・有効高 3m ・水密方式 後方4方ゴム水密 ⑶ 受益面積:254ha
−鋼製ローラーゲートの復旧− 春日地区の水路災害(春日排水樋門)
現況施設
被害状況(門柱の破損)
被害状況(全景)
− 86 −
水
路
【5】 被害状況 準用河川よしやぶ川から二級河川鯖石川へ
の合流部に設置している排水樋門の鋼製ローラーゲートが激しく振動したと思われる。ゲートの門柱が破損し、戸当たり金物が変形、躯体から離脱した状態になった。
また、管理用階段が地震動によりゆがんだ状態となり、通行が困難となった。
【6】 復旧計画 ⑴ 復旧工法の内容 門柱の破損部分は鉄筋を組み直し、コンク
リート打設して補修(築造)する。破損したサイドローラー、戸当り金物は取替えをおこなう。
また、変形した管理階段は、2次製品を使用していることから布設替えをおこない正常な状態へ戻す。
⑵ 工事内容 ・門柱補修 1.0式 ・サイドローラー取替え N=4基 ・戸当り金物取替え N=1基 ・階段布設替え N=1箇所
← 被害状況(管理用階段の変形)
− 87 −
水
路
施工状況(門柱、戸当りの復旧完了)
施工状況(戸当りの復旧)
施工状況(扉体据付)
復旧状況
− 88 −
水
路
【1】 地区の概要 ⑴ 所 在 地:上越市柿崎区馬正面地内 ⑵ 事業主体:上越市 ⑶ 工 種:水路 ⑷ 地区番号:5410−9001
【2】 採択条項 第15号(2)ウ(イ)ⅰ 排水路が被災し、原形に復旧することが著し
く不適当な場合における、形状、寸法、材質等の変更、土止工等の施行
【3】 事業費(単位:千円)
申請額 査定額 備 考
(9,964)29,683
(9,964)28,536
( )内は応急工事で内数 排水
【4】 原形施設概要 ⑴ 形 式:布製型枠三面張り水路 ⑵ 諸 元: ・総延長 1,366m ・計画排水量 14,638㎥ /s ・流域面積 1,269ha ・構造 布製型枠三面張り
H2.9m×B3.5-10.0m ⑶ 受益面積:174ha
【5】 被害状況 左岸側護岸に長さ約80mにわたって亀裂、不
等沈下、河床部の布製型枠がめくれる等の被害が生じた。
特に下流側は、背後地(宅地)のコンクリート擁壁が水路側に沈下・傾斜したため、布製型枠が破壊され護岸全体が崩壊し、水路を閉塞した。
背後地(宅地)の亀裂は、家屋にまで達するとともに、約1mの段差が生じて作業小屋が損壊した。
−閉塞した排水路の応急仮工事− 馬正面地区の水路災害(赤川排水路)
被災状況(左岸側護岸の沈下)
被災状況(左岸側護岸の崩壊、水路閉塞)
被災状況(家屋にまで達した亀裂による段差)
被災状況(背後の宅地被災)
− 89 −
水
路
【6】 復旧計画 ⑴ 復旧工法の内容 応急仮工事として、崩壊土砂等撤去の後、
コルゲート管Φ1,500mmを設置して当面の排水機能を確保する。また、大型土のうを設置し、宅地側からの崩壊土砂押し出しを防止する。
また、その後のまとまった降雨に伴う出水により水路上流の農地に湛水被害が発生したことから、応急仮工事(2回目)を実施し、従前の通水断面を確保する。ボーリング調査で土質状況を把握し、鋼矢板Ⅱ型L=8.0mを打設(永久埋設)することによって、宅地側土砂崩壊の拡大を防止する計画とした。
本復旧工事は、鋼矢板を打設した後、護岸盛土をおこなったうえでブロックマットを敷設して復旧する。
⑵ 工事内容 −応急仮工事(1回目)− 施工延長 L=10.0m ・コルゲート管布設工 L=10.0m (ポリエチレン波状管Φ1,500mm) ・大型土のう設置 N=23袋 ・土工 1.0式 ・仮設工(敷鉄板等) 1.0式
応急仮工事実施状況(コルゲート管布設による排水機能確保)
− 90 −
水
路
応急仮工事実施状況(コルゲート管布設による排水機能確保)
−応急仮工事(2回目)− 施工延長 L=25.0m ・鋼矢板打設工 L=25.0m(古材利用) (鋼矢板Ⅱ型L=8.0m、N=63枚) ・湧水処理工 L=25.0m (Φ75mm有孔管、吸い出し防止材) ・土工 1.0式 ・仮設工 1.0式
− 91 −
水
路
上流部における湛水状況(転作大豆の水田)
降雨出水時の応急仮工事実施箇所の状況(通水断面の不足)
2回目の応急仮工事実施状況(鋼矢板打設による通水断面確保)
2回目の応急仮工事実施状況(鋼矢板打設による通水断面確保)
当該排水路上流部の湛水状況
− 92 −
水
路
復旧状況(ブロックマットによる護岸復旧)
復旧状況(ブロックマットによる護岸復旧)
−復旧工事− 施工延長 L=70.0m ・護岸工 L=70.0m (ブロックマット敷設 A=595.9㎡) ・鋼矢板打設工 L=30.0m(古材利用) (鋼矢板Ⅱ型L=8.0m、N=75枚) ・湧水処理工 L=72.3m (Φ75mm有孔管、吸い出し防止材) ・土工 1.0式 ・仮設工 1.0式
− 93 −
農
道
被災状況(道路法面土羽の崩落)
被災状況(L型擁壁基礎部の露出)
被災状況(全景)
被災状況(道路法面土羽の崩落)
【1】 地区の概要 ⑴ 所 在 地:柏崎市石曽根地内 ⑵ 事業主体:柏崎市 ⑶ 工 種:道路 ⑷ 地区番号:2050−9237
【2】 採択条項 第15号(2)オ(ア) 農道が被災したが、原形に復旧することが著
しく不適当なため、形状、寸法等の変更を行い、従前の効用を回復する。
【3】 事業費(単位:千円)
申請額 査定額 備 考
41,256 13,250
【4】 原形施設概要 ⑴ 形 式:L型擁壁+土羽 ⑵ 諸 元:法高 H=10m ⑶ 受益面積:11.8ha
【5】 被害状況 道路法面が崩落し、路体を形成しているL型
擁壁基礎部が露出、オーバーハングした状態となり、道路が不安定化した。
崩落土砂は、河川を閉塞し、ダムアップにより農地に溢水していたため、排土をおこなった。
−法枠工による法面復旧− 石曽根地区の道路災害(西之入農道)
− 94 −
農
道 被災状況(全景:上部より)
【6】 復旧計画 ⑴ 復旧工法の内容 露出したL型擁壁基礎部の浸食が進まない
よう、崩落した土羽部分を現場吹付法枠工により保護し、法面の復旧をおこなう。
⑵ 工事内容 復旧延長 L=24.5m ・現場吹付法枠工 A=150㎡ ・仮設工 1.0式
− 95 −
農
道
復旧状況(全景)
復旧状況(吹き付け法枠工による法面復旧)
− 96 −
橋
梁
【1】 地区の概要 ⑴ 所 在 地:柏崎市西山町和田地内 ⑵ 事業主体:柏崎市 ⑶ 工 種:橋梁 ⑷ 地区番号:5050−9102
【2】 採択条項 第15号(2)オ(ア) 農道橋が被災したが、状況の変化から原形に
復旧することが著しく不適当なため、原施設の構造を変更する。
【3】 事業費(単位:千円)
申請額 査定額 備 考
3,612 3,222
【4】 原形施設概要 ⑴ 形 式:簡易組立橋(PC床版橋) ⑵ 諸 元 ・橋長 3.0m ・幅員 2.4m ・下部工(RCパイル+基礎橋台) ⑶ 受益面積:1.1ha
【5】 被害状況 橋梁基礎工が移動変形し、コンクリート床板
及び橋台が崩落、損傷したことにより通行不能となった。
−プレキャストボックスカルバートによる農道橋復旧− 和田地区の橋梁災害
被災状況(橋梁取り付け部分の地盤崩落)
被災状況(橋梁全景)
被災状況(PC床版の崩落)
− 97 −
橋
梁
【6】 復旧計画 ⑴ 復旧工法の内容 比較設計をおこなった結果、既設橋梁と同じ幅員を確保し、機能回復を図る復旧をおこなう。 本川は二級河川であるが、河川管理施設等構造令の附則条項(指定河川における災害復旧の取扱)
により、構造令の適用外となっていることから、災害復旧事業の復旧工法の擁壁工(基礎根入れ)の「水路勾配が比較的緩やかな箇所」を採用し、根入れ0.50mとして河川管理者の了解を得た。
既設橋梁と同様に杭基礎を設置する場合、構造物本体に比べ、大規模な仮設工や施工機械が必要になるため、基礎地盤への影響が少なく、等分布荷重により地盤反力が小さくて済む構造で、かつ、仮設工や施工性が容易なボックスカルバート形式を採用した。
⑵ 工事内容 ・BOXカルバート(B2000×H2300) L=3.0m ・アスファルト舗装 A=16.5㎡ ・小口止工、フトン篭工、水替工 各1.0式
− 98 −
橋
梁
復旧状況(ボックスカルバート形式で復旧)
復旧状況(取り付け部の舗装復旧)
− 99 −
集落排水
−農業集落排水施設の復旧− 山谷地区の埋設管路災害(松本処理区)
被災状況(管路埋戻し部の道路沈下)
被災状況(マンホールの隆起)
被災状況(カメラ調査による映像):汚水が滞留している
【1】 地区の概要 ⑴ 所 在 地:三島郡出雲崎町大字山谷地内 ⑵ 事業主体:出雲崎町 ⑶ 工 種:集落排水施設 ⑷ 地区番号:4050−9003
【2】 採択条項 第12号 原形復旧
【3】 事業費(単位:千円)
申請額 査定額 備 考
56,637 54,736
【4】 原形施設概要 ⑴ 事業内容 ・処理施設 1箇所 ・管路施設 L=5,660m ⑵ 諸 元 ・計画日最大汚水量 208㎥ /日 ・計画戸数 144戸 ・計画人口 630人
【5】 被害状況 管路施設埋戻し位置に沿って、液状化による
と思われる道路の沈下(約10〜30cm)が生じ、管路施設の汚水流下機能が失われた。
マンホール内には約30〜50cmの滞水があったものの、被災直後は当面の供用に支障は生じていなかったが、管路勾配の乱れや閉塞が懸念された。
カメラによる詳細調査を行った結果、管路勾配が逆勾配になっていることを確認した。また、復旧工事に際し、管路の高さを確認したところ、被災後は30〜50cm隆起していた区間もあった。
− 100 −
集落排水
【6】 復旧計画 ⑴ 復旧工法の内容 汚水管路を所定の勾配で布設替え、原形に復旧する。 埋戻し土は、「撤去〜廃棄〜購入土埋戻し(液状化を生じて
いることから再利用は困難)」と、「改良土埋戻し(改良材を添加して現状土再利用)」とを経済比較のうえ、「改良土埋戻し」による復旧工法を採用した。改良材には、セメント系固化剤を使用した。
⑵ 工事内容 ・復旧全延長 L=596.1m ・本管工(塩ビ管)VUΦ150mm L=361.7m ・ 〃 VUΦ200mm L=214.3m ・付帯工 1.0式
管路被災状況(管路高の縦断状況図)
復旧工事計画平面図
− 101 −
集落排水
施工時の被災確認状況(管路高さ) 施工状況(管路頂部埋戻し)
施工状況(路床部埋戻し) 施工状況(現場密度試験)
復旧状況(舗装復旧まで完了)
復旧状況(マンホール内の滞水解消)
− 102 −
集落排水
【1】 地区の概要 ⑴ 所 在 地:柏崎市大字藤井地内 ⑵ 事業主体:柏崎市 ⑶ 工 種:集落排水施設 ⑷ 地区番号:2050−9423
【2】 採択条項 第12号 原形復旧
【3】 事業費(単位:千円)
申請額 査定額 備 考
(5,600)90,347
(5,600)84,217
( )内は応急工事で内数
【4】 原形施設概要 ⑴ 事業内容 ・処理施設 1箇所 ・管路施設 L=17,825m ⑵ 諸 元: ・計画日最大汚水量 924㎥ /日 ・計画戸数 792戸 ・計画人口 3,170人
【5】 被害状況 マンホール、汚水管埋設埋戻し部の液状化
によると思われる道路の沈下や管路施設の浮上等、大きな被害を被った。マンホールは最大61cm、汚水管では最大76cmもの隆起が見られるなど、汚水流下機能が失われた。
管路勾配の乱れや閉塞、破損による滞水等、汚水流下に支障が生じた延長はL=493mに及んだ。
−農業集落排水施設の復旧− 藤井地区の埋設管路災害(北鯖石処理区)
被災状況(管路埋戻し部の道路沈下)
被災状況(マンホールの隆起)
被災状況(マンホール内の滞水状況:85cm)
− 103 −
集落排水
被災状況(ミラーテストでの見え方):線形の乱れにより光が見通せない(または乱反射する)
正常な状態(ミラーテストでの見え方):一定勾配に布設されているため、光が通っている
【6】 復旧計画 ⑴ 復旧工法の内容 応急仮工事として仮設ポンプ13箇所を設置、仮設配
管により当面の施設供用を図る。 査定後、本復旧工事をおこない、汚水管路を所定の勾
配で布設替え、原形に復旧する。 埋戻し土は、「撤去〜廃棄〜購入土埋戻し(液状化を
生じていることから再利用は困難)」と、「改良土埋戻し(改良材を添加して現状土再利用)」とを経済比較のうえ、「改良土埋戻し」による復旧工法を採用した。改良材には、セメント系固化剤を使用した。
−改良土の配合(柏崎市の基準)− ・改良材:高炉セメントを標準とする ・添加量:埋戻し土(現状土)1.0㎥あたり30kg ・混合方法:バックホウ混合もしくはプラント混合 ・施工品質:一軸圧縮強度50〜100kPa(現場強度) ・環境対策:六価クロム溶出試験で0.05mg/l以下 ⑵ 工事内容 ・復旧全延長 L=493.0m ・本管工(塩ビ管)VUΦ150mm L=117.0m ・ 〃 VUΦ200mm L=363.0m ・付帯工 1.0式
応急仮工事実施状況(汚水管の仮配管)
− 104 −
集落排水
復旧状況(舗装復旧まで完了)
施工状況(高圧洗浄車による汚水管洗浄) 施工状況(マンホール布設替え)
施工状況(管路埋設部埋戻し) 施工状況(ガス・水道管の復旧)
− 105 −
農村公園
−EPS盛土の原形復旧− 長嶺地区の農村公園災害(白鳥ふれあい広場)
被災状況(トイレ周辺の地盤沈下)
被災状況(園路舗装部の地盤沈下)
被災状況(東屋周辺の地盤沈下)
【1】 地区の概要 ⑴ 所 在 地:柏崎市西山町長嶺地内 ⑵ 事業主体:柏崎市 ⑶ 工 種:農村公園 ⑷ 地区番号:5050−9301
【2】 採択条項 第12号 原形復旧
【3】 事業費(単位:千円)
申請額 査定額 備 考
8,545 8,208
【4】 原形施設概要 ⑴ 形 式:アスファルト舗装 ⑵ 諸 元 ・カラーAs舗装園路 A=450㎡ ・東屋 N=1棟 ・パーゴラ N=1棟 ・トイレ N=1棟 ・安全柵 L=80m ・駐車場 A=414㎡ ⑶ 受益面積:30ha
【5】 被害状況 液状化現象により、公園内の地盤(園路、駐
車場)及び公園施設に不等沈下や変形が生じ、農村公園としての機能が失われた。
【6】 復旧計画 地盤の沈下は大きかったが、施設そのものの
損傷は見られなかったため、現況構造と同様に復旧を行う。ため池護岸を兼ねている鋼矢板は、変位量が小さいことから現況のままとする。
− 106 −
農村公園
被災状況(全景:駐車場、トイレ)
被災状況(全景:園路、植栽等)
被災状況(全景:東屋、安全柵、園路等)
− 107 −
農村公園
⑴ 復旧工法の内容 ・液状化により沈下した園路を再築する。 (EPS工法:発泡スチロール再利用) ・沈下により変形した安全柵を布設替えする。 (安全柵再利用) ・液状化により沈下した駐車場を再築する。 (搬入土による盛土工法) ⑵ 工事内容 ・園路舗装 A=210㎡ ・木柵布設替え L=64m ・EPS布設替え L=94.5㎡ ・駐車場舗装 A=177㎡
【7】 その他 査定にあたり、公園内の植栽(樹木)を補助
対象施設(修景施設の一部)と見なすか否か議論されたが、明確な結論がでなかった。
盛土層が薄く植替え後の生育障害が懸念されることから、樹木植替えN=58本を今回の査定では削除した。(植栽は現状のまま復旧)
− 108 −
農村公園
施工状況(EPS工法:発泡スチロールブロックの布設替え作業)
復旧状況(全景:東屋、園路、安全柵等)
復旧状況(全景:東屋、園路等)