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中国のベンチャービジネスの紹介
２ ０ １ ７ 年 ９ 月
Ｎ Ｅ Ｄ Ｏ 北 京事務所
1
中国のITベンチャーの話題をよく聞くようになった
2
Baidu
Alibaba
Tencent
中国のベンチャーの状況
急激に成長している
3
15,927
8,924
7,779
20,137
25,084
1,240 1,026 1,818 1,171 1,302
1,505
1,071
1,148
1,917
3,445
1,017 824 1,000
969
1,162
0
500
1,000
1,500
2,000
2,500
3,000
3,500
4,000
0
5,000
10,000
15,000
20,000
25,000
30,000
2011 2012 2013 2014 2015
中国（金額） 日本（金額） 中国（件数） 日本（件数）
ベンチャー投資実行額と案件数の日中比較
4
（億円） （件数）
資料出所：一般財団法人ベンチャーエンタープライズセンター「ベンチャー白書」資料中中国側のデータは清科研究中心「2016年上半年中国株式投資市場発展」
3,445件25,084億
1,162件1,302億
2015年
34,532
11,368
8,148
22,698
38,722
1,197 1,036 921 911 1,932
382
252
199
258
597
31 26 35 39 51
0
100
200
300
400
500
600
0
5,000
10,000
15,000
20,000
25,000
30,000
35,000
40,000
2011 2012 2013 2014 2015中国（金額） 日本（金額） 中国（件数） 日本（件数）
ベンチャーファンドの新規組成本数・組成額の日中比較
5
（億円） （本数）
597本38,722億
51本1,032億
2015年
資料出所：一般財団法人ベンチャーエンタープライズセンター「ベンチャー白書」中国側のデータは清科研究中心「2016年上半年中国株式投資市場発展」
中国のベンチャー投資の状況 業種別
6
業界 案件数 割合 投資額が明らかな案件数
投資金額（億元）
割合
インターネット 1051件 30.5％ 929件 397億元 30.7%
電気通信呼び付加価値業務
481件 14.0% 411件 190億元 14.7%
情報技術 441件 12.8% 403件 97億元 7.5%バイオテクノロジー・医療ヘルスケア
310件 9.0% 294件 143億元 11.1%
金融 243件 7.1% 216件 121億元 9.3%
機械製造 166件 4.8% 159件 53億元 4.1%
・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・
合計 3445件 3113件 1293億元
資料出所：清科研究中心「2016年上半年中国株式投資市場発展」
急成長する中国ベンチャー
7
米国, 107
中国, 56
インド, 10
英国, 9ドイツ, 4
韓国, 3
その他, 25
世界の「ユニコーン企業」の数（2017年8月）企業数
米国 107社
中国 56社インド 10社英国 9社ドイツ 4社韓国 3社イスラエル、スイス、スウェーデン、シンガポール、南アフリカフランス
２社
日本、カナダ、デンマークチェコ、コロンビアナイジェリアオランダ、マルタ、ルクセンブルク
１社
ユニコーン企業・ 設立10年未満・ 評価額10億ドル以上
資料：CB Insight「The Global Unicorn Club」https://www.cbinsights.com/research-unicorn-companies
中国のユニコーン企業はBtoCに多い
8
大分類（NEDO北京事務所分類） カテゴリー（CB Insightによる） 企業数 代表企業例
B to C（30社）
eCommerce/Marketplace 15 美団点評、途家
On Demand 5 ディディ、モバイク、ｏｆｏ
Ed Tech 4Social 3Healthcare 2Facilities 1
B to B（５社）
Real Estate 2 優客工場
Supply Chain & Logistics 1 貸車帮
HR & Workforce Management 1Adtech 1
ハードウェア関連（９社）
Hardware 5 小米、美図、ＤＪＩ
AutoTech 1Chips & Semiconductors 1Clothing & Accessories 1Robotics 1
ソフトウェア・IT（９社）
Internet Software & Services 3Computer Vision/ AI 1 头条
Digital Media 1Mobile Software & Services 1
資料：CB InsightによるデータをＮＥＤＯ北京事務所にて加工。
中国のベンチャーの事例
業界が全部ベンチャー ： シェアリングエコノミー
9
シェアリングエコノミーのユニコーン企業
10
企業名 市場価格 業務内容
滴滴出行 338億ドル ネット予約タクシー・シェア85％以上
陸金所 185億ドル フィンテック、ネットでの投融資
新美大 180億ドル ネット注文出前プラットフォームの「美団」、レストラン口コミ「大衆点評」
餓了マ 45億ドル ネット注文出前プラットフォーム
中商恵民 20億ドル コミュニティ電子商取引
微影時代 20億ドル 映画館、イベント等のチケット購入
挂号網 15億ドル ネット診察サービス
優客工場 10億ドル 不動産（コワーキングスペース等）
貨車幇 10億ドル トラックのネット予約（トラックのウーバー）
途家網 10億ドル 電子商取引、民泊
新達達 10億ドル 電子商取引
融360 10億ドル フィンテック
魔方公遇 10億ドル 設備
瓜子 10億ドル 電子商取引
知乎 10億ドル ネットソフトウェアサービス
世界のユニコーン企業 186社
うち中国のユニコーン企業
42社
うちシェアリングエコノミー企業
15社
「ユニコーン企業」の定義は以下の企業。・ 設立10年未満・ 市場価格10億ドル以上
※ データの対象は2017年2月17日までであり、CB Insightが発表している資料を使い、国家信息中心が整理。
※ 前ページまでのデータと取りまとめ時点が違うため、企業数などが異なる。例えば、モバイクやofoはここに入っていない。
• 国務院傘下の「国家信息中心」のシェアリングエコノミー研究センターの「シェアリングエコノミー発展報告2017」によれば、シェアリング事業で多くのユニコーン企業が存在。
シェア自転車の使い方
• 中国のシェア自転車市場は、2016年後半から爆発的に拡大。
• 最大の特徴は「街中のどこでも乗り捨て可能」であること。
• 料金は「３０分以内は１元（≒１６円）」。
11
① 道ばたに放置されているシェア自転車を見つける
② 専用のアプリで自転車の2次元バーコードを読む
→ ロックが自動で開く※
自転車に乗る
※ 上記はシェア自転車大手の「モバイク」の場合の使い方。もう一方の大手のofoの場合には、自転車に表示されている車両番号をアプリ入力すると、その車両の鍵の番号が表示される。 使用者は、自転車の鍵を自分で解錠する。
③ 自転車のロックをかける→ アプリに料金が表示される→ 使い終わった自転車は、歩道等
に放置
（万人）
シェア自転車の市場の広がり ユーザー数
12
245
1886
0
500
1000
1500
2000
2015年 2016年データ：比達諮詢「中国シェア自転車市場研究報告」（2017年2月）
１年で７倍に成長
シェア自転車のユーザー数の変化
• 中国のシェア自転車市場は、2016年に急速に拡大。
• 2015年に比べて2016年のユーザー数は7倍。
シェア自転車の主要企業 ofoとモバイク
13
モバイク 愛称「小橙車」（オレンジチャリンコ）
愛称「小黄車」（黄色チャリンコ）ofo
• 2014年創業。
• 2015年6月に北京大学構内で学生と教員向けに構内移動用のシェア自転車を提供。1年以内に、学内で2000台を保有し、1日利用回数が10万回を突破。
• 2016年11月から大学外の北京市内に展開。
（ 主要な投資者 ）
• 滴滴出行
（ディディ：ネット予約タクシー最大手）
• 小米科技（シャオミ スマホ製造大手）
• 2014年に元新聞記者の胡氏がプロジェクト開始。
• 2015年にUber上海地区総経理の経験を持つ王暁峰氏がCEOとして加入し、事業が具体化。
• 2016年4月に上海から事業開始。
（ 主要な投資者 ）
• テンセント
• テマセク
• フォックスコン
• シートリップ
社名は、「ofo」が自転車の形に見えることに由来。
資料出所：各種報道等から作成
シェア自転車の市場の広がり シェア
• 20を超える事業者がシェア自転車市場に参入。
• ただし市場は「ofo」と「モバイク」の2社の対決状態。
14
その他,
9%
モバイク,
40%
ofo,
51%
シェア自転車のシェア※（2016年末）
※注： 市場シェア分析について○ ofoとモバイクの市場シェアについては、比達諮詢が資料を公表した本年２月に、Trustdata社が別の分析を発表。○ Trustdata社の発表では、月間アクティブユーザー数で見ればモバイクの方が３倍以上優勢であるとの結果を発表（２０１６年１２月時点の推計）。
モバイク ： ３１３万人ofo ： ９４万人
データ：比達諮詢「中国シェア自転車市場研究報告」（2017年2月）
急速に拡大する営業地域
15
ofoとモバイクの進出都市（2016年末）
モバイク 10都市
ofo 33都市
モバイクは2017年２月時点で21都市に進出。
モバイクの海外営業地域（2017年8月）
• ofoとモバイクの営業都市は中国の国内外で急速に拡大。
• 中国国内では1つの都市に数十万台から100万台を投入。
イギリス（マンチェスター）、シンガポール、イタリア（ミラノ、フィレンツェ）、札幌。札幌では2017年8月にテスト営業を開始。図表：比達諮詢「中国シェア自転車市場研究報告」（2017年2月）
シェア自転車の駐車問題
16
• 歩道などに大量に放置されるシェア自転車が問題に。
• マンションやショッピングセンターなどに放置される場合も増加。
• そのほか、盗難、破壊などの多数の問題が存在。
シェア自転車の駐車問題への対応
17
場所を移動されるシェア自転車自転車を整列させるofoの社員（ ユーザーの勧誘もする ）
17
深セン市での歩道上の停車スペースとシェア自転車キャンペーン（深セン市では市内の多くでシェア自転車マナーキャンペーンを展開）
シェア自転車の制度整備
18
○ 2017年5月に、交通運輸部がシェア自転車に関する規定案を発表し、パブリックコメントを開始。
規定の内容
自転車ネットワークの整備
○ 各都市は、合理的に自転車交通網と駐輪場を整備し、自転車交通網を改善する。
○ 各都市は、駐輪場設置ガイドラインを制定し、自転車の駐輪場の設置を規範化する。重要な商業地域、駅、居住区、観光地には適当な駐輪場を設ける。
シェア自転車の標準化
○ 各地の発展規模や都市管理、地形などに合わせて、地方で標準を決める。
運営サービスの規範化
○ シェア自転車のユーザー登録は実名による登録とする。○ 12歳未満の児童へのサービスを禁止する。
信用管理 ○ シェア自転車の信用情報の記録のデータベースを作成し、全国の信用情報シェアプラットフォームに送信する。
○ 非文明的な行動及び違法行為は信用情報に記録される。
デポジット ○ デポジットを取らずにサービスを提供することを奨励する。
情報管理 ○ シェア自転車のシステムデータの安全を図り、得られたデータは中国国内でのみ保存・使用する。
４１％ 35％ １８％
ネット注文料理出前サービス
19
（ 中国のネット注文料理出前サービスの特徴 ）
• 1日当たり利用数は1000万件以上（2016年末）。
• 市場規模は3500億元（5.7兆円：2016年）、
飲食産業収入の1割に相当（中国調理協会）。
（ ネット注文出前サービスの主要プレーヤー ）
買収
ネット注文料理出前サービス
20
（ ネット注文出前サービスの関連規制の課題 ）
• 個人が自宅の台所などで作る料理も販売されていることがある。
• 偽物も多い（ネット注文できるスターバックスの大半は偽物との報道）。
（ ネット注文出前サービスの関連規制の整備 ）
• 国家食品管理監督総局は、本年2月に「ネット飲食サービス管理監督弁法（パブコメ版）」を発表。
• ネット注文出前サービスを提供する飲食業者には以下が求められる。
① 実店舗を有すること
（実店舗には客の飲食スペースは必ずしも必要ではない）
② 飲食業経営許可証を取得していること
増え続けるシェアビジネス
21
シェア雨傘 シェア充電器
写真：中研網http://big5.chinairn.com/scfx/20170426/142837476.shtml
写真：中国新闻网http://www.pzh.gov.cn/html/2017/0814/527957.html
シェアバスケットボールは、140万ドルの投資を受けるところもある。
中国シェアリングエコノミーの市場規模
資料出所 ： 国家信息中心・シェアリングエコノミー研究センター
「シェアリングエコノミー発展報告2017」（2017年3月）※ 同報告書では、病院の診察順番予約サービス、個人によるネット直接放送等も対象に含めており、シェアリングエコノ
ミーをかなり広くとらえている。22
3,603
2,000
1,000
200 105 70
7,233
3,380
2,038
610 243 155
101%
69%
104%
205%
131%121%
0%
50%
100%
150%
200%
250%
-
1,000
2,000
3,000
4,000
5,000
6,000
7,000
8,000
生活サービス 生産能力 交通サービス 知識技能 家屋宿泊 医療シェア
2015年
2016年
増加率
•ネット予約タクシー
•シェア自転車•シェア自動車•バス予約•駐車場
•クラウドソーシング
•オンラインQ&A
•ネット直接放送
•民泊•ネット注文出前
•家事サービス•ハウスクリーニング
•地域配送サービス
•オンライン診察・手術
•オンライン病院予約
•健康コンサルティング
（億元）
年間市場規模10兆円のライン
年間市場規模5兆円のライン
中国のモバイル決済
ベンチャーの決済環境を支える
23
モバイルペイメントの利用方法
• スマートフォンの専用アプリに表示される二次元バーコードを読み取ることで、決済が完了する
24
１ 支払アプリにバーコードを表示 ２：店舗のPOS端末に読み込ませる ３：支払完了/アプリに通知が来る
モバイルペイメントの広がり
25
屋台での利用（決済用のバーコードが必ず貼ってある）
店舗（コンビニ）での利用（店舗の入り口にモバイル決済ができるマーク）
自動販売機での利用
どんな小さな屋台でも、決済用の2次元バーコードが添付されている。
自販機も、商品選択後に二次元バーコードでの決済を促す画面が現れる。
モバイルペイメントの市場• モバイルペイメントは、アリババ系の「支付宝（アリペイ）」と、テンセン
ト系の「財付通（ウィチャットペイ）」が市場を寡占。 「支付宝」が5割以上のシェアを有しているが、急速に「財付通」に追い上げられている。
• 両者ともに4億人を超えるユーザーを保有。
26
第三者モバイル決済市場の決済市場のシェア
資料： Analysys易観「中国第三者支払市場専門研究報告書2016年上半期等」
68% 63%55% 51%
21%23%
32% 38%
0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
70%
80%
90%
100%
2015年 2016年Q1 2016年Q2 2016年Q3
その他
財付通
支払宝
財付通
支付通
財付通
テンセント系
アリババ系
モバイルペイメントの利用状況• モバイルペイメントの利用は、近年急速に増加し、1年で2倍に成長。
• 2016年には450兆円規模の決済が行われている。
27
34,746
43,914
56,67459,703
75,037
90,419
0
10,000
20,000
30,000
40,000
50,000
60,000
70,000
80,000
90,000
100,000
2015年 Q2 2015年 Q3 2015年 Q4 2016年 Q1 2016年 Q2 2016年 Q3
第三者モバイル決済の推移（4半期ベース）（億元）
4半期で約100兆円のライン
＊2015年４Q～2016年３Qの1年間では年間28兆元≒450兆円。
資料： Analysys易観「中国第三者支払市場専門研究報告書2016年上半期等」
中国モバイルペイメントの海外展開１
28
アリペイの使える店舗等（報道をまとめたもの）
日本 ローソン、ファミリーマート、大丸松坂屋、近鉄百貨店、ビックカメラ、ヤマダ電機 等
欧州 アリペイが提携する（仏）BNPパリバ、バークレイズ銀行、（伊）ウニクレディトなどを通じて93万社の小売店で利用可能になる見込み
米国 スターバックス
台湾 セブンイレブン 等北極圏のサンタクロースハウス
中国人旅行者の海外旅行向け
中国モバイルペイメントの海外展開２
29
エリア別の状況（報道をまとめたもの）
インド • アリペイは2015年1月に印・Paytmに資本・技術提携。以降、Paytmの電子財布サービスは、ユーザー2千万から2億人に、1日取引量は820万件に拡大。
韓国 • 韓国で9割以上のシェアを持つチャットアプリ「カカオトーク」の傘下のカカオペイに対して、2017年2月にアリペイが2億ドル出資。
フィリピン • 同国最大の電子財布サービス「Ccash」（約300万ユーザ）を運営するMyntに対して出資することを合意（2017年2月）。Mynt傘下には、個人・小規模企業向けに貸し付けを行うFuseLendingも存在。
タイ • 2016年11月に、アリババとタイのAscendMoneyは戦略的協力を結び、5年以内にタイのネット利用者の半分以上にサービスをすることを目標とした。
現地のモバイルペイメントとして進出する事例
資料：各新聞記事等から構成
中国のベンチャーを支える環境
マーケット・政策・ヒト・モノ・カネ
30
マーケットが大きい
31
○人口 約１３．８億人
○ネット利用人口 約７．４億人
○モバイルネット利用人口 約７．０億人※ インターネット利用人口は、中国インターネット情報センター「中国インターネット発展状況統計報告（2016年12月時点）」
○アリペイ（モバイル決済）
・上海の一人当たり利用額（年） 約14.8万元（230万円）
・北京、浙江省、福建省、江蘇省での利用額 10万元台（160万円）
・トップ５０大学の学生年間利用回数 670回
政府の方針
大衆創業 万衆創新
32
ヒト ： 大卒人材の多さ• 中国では近年毎年700万人以上が入学している。
• 一方、大卒者が満足する就職先が大幅に不足していると言われており、就職できなかった者の一部が起業を志すケースも多いと言われる。
33資料： 「中国統計年鑑」・教育部HPデータをもとに東京大学北京事務所宮内所長が整理されたもの。
中国の各年大学入学者数
５６万人の学生が起業に参加
資料：国家発展改革委員会「2015年中国大衆創業・万衆創新発展報告」の記載から引用
ヒト ： 大卒人材の多さ• 博士課程のような高度な教育を受ける理系学生も多い。
34
中・日の博士課程在籍者人数（2013年）
資料：中国：国家統計局HP、日本：文科省HP、基本調査･H26をもとに東京大学北京事務所宮内所長が整理されたもの。
ヒト：海外帰国組（いわゆる「ウミガメ族」）
• 中国から海外へ126万人が留学中（日本の留学生の6倍の規模）。
• 帰国した留学生は、スタートアップ人材の供給源の一つとなっている。
• 留学帰国人員向けの創業パーク（留学人員創業園、科学技術部・教育部認定）が全国に100か所以上あり、その内27か所は北京に所在している。
35資料：中国教育部のHPのデータをもとに東京大学北京事務所宮内所長が整
理したもの。
中国人留学生の各年出国者数 留学帰国組の代表的な起業家
0
10
20
30
40
50
60
50 55 60 65 70 75 80 85 90 95 0 5 10 15
万人
1997アジア金融危機
2003サーズ
52万人
ソ連留学
1966-76文化大革命
出国中の留学生は126万人（2015年）
施正荣 サンテックパワー
オーストラリアでの留学を経て2000年に帰国、無錫科技創業園で設立、2005年に米国ナスダック市場で上場。
李彦宏 バイドゥ 米ニューヨーク州立大学留学、中関村科技園で創業。
鄧中翰 中星微電子Vimicro（ICチップ）
米UCバークレー校留学、99年中関村科技園創業。初期投資の一部は工業省が支出。
文剣平 OriginWater（水処理技術）
豪ニューサウスウェールズ大学留学、中関村科技園創業。
モノ ： 豊富に提供される創業空間
• 「大衆創業、万衆創新」が打ち出されて以降、創業支援施設は全国で急激に増加。
• 創業間もない起業家に低コストの作業空間、インターネット環境、ソーシャルネットワーク空間やリソースの共有空間を提供する「衆創空間」は、2014年以降急激に増加。
36
衆創空間の設置数
データ出所：テンセント 2016創新創業白書
モノ：衆創空間の事例
37
(施設概要)• Tus Holdingsは清華大学の4つの子会社の１つ。現
在世界17都市に展開。(入居企業に対する支援の概要)• 成長資金：自社のVC、外部のVC。（Tus Starは政
府が一部出資するファンドを多数運営。）• 成長トレーニング：外部の大手法律事務所と提携、
一部無料で提供。複数のコースを実施。(実績)• サポート企業は5,000社を超え、うち27社が上場。
300社に20億元程度投資。(センター運営のモデル)• コワーキングスペースの賃料は1,500元/デスク・月。• 清華大学のx-lab（ベンチャー教育施設）と連携。x-
labで優秀な企業をTus Starに推薦（推薦状を送り）、Tus Starの審査後1年間無料でTus Starのコワーキングスペースを借りられる。(海外のVC。企業等との協力状況、意向)• オーストラリアのニューサウスウェールズ大学・政
府：インキュベーションセンター及びサイエンスパークの建設
• 英国ケンブリッジ、ニューカッスル：サイエンスパーク建設。ケンブリッジ大学側は、スペースを提供、Tus Holdings側は新たな建物の建設費用を捻出。
清華大学傘下の衆創空間“Tus Star”
モノ：衆創空間の事例
38
(事業者概要)• 創業公社は首都鋼鉄の従来事業からのモデルチェン
ジの観点から生まれている。• 株主は首都鋼鉄のファンド、シャオミのファンド
「順為」、中関村株式取引サービスグループなどが株主。(施設概要)・全国に14か所（北京11か所）のべ13万平米のイン
キュベーションセンターを保有。(実績)• 首都鋼鉄は工場移転に合わせて、2010年に460億元
（7000億円）のファンドを設立し、セコイアキャピタルの中国におけるマザーファンドなどとして活動。(センター運営のモデル)・ 中関村国際創客中心はもともとショッピングセンターであったものを改造。
創業公社 中関村国際創客中心
カネ ： 活発化なCVC
• 中国ではネット系IT企業や電子電器メーカーなどを中心として、先行して成功したベンチャーが自社の戦略のために行うベンチャー投資“CVC”が盛んにおこなわれ、後発のベンチャーの成長を支える一因となっている。
39
1998年 インテルが中国初のCVCを設立
2010年代 力をつけた中国企業がCVCを設立・投資・ ネットIT バイドゥ、アリババ、テンセント、ジンドン・ ハードIT シャオミ、レノボ、・ 家電 ハイアール、TCL
カネ：活発なCVC 活躍するBAT＋
40
主要投資分野 主要投資先
T テンセントゲーム、文化エンタメEコマース
ジンドン、ディディ、モバイク、头条、饿了吗
A アリババ Eコマース、文化エンタメ
高徳、口碑
B バイドゥ文化エンタメ、生活Eコマース
愛奇芸、楽車、爱奇艺,乐车邦,知我科技,沪江网,万学教育
L 雷軍（シャオミ等）
ハードウェア、文化エンタメ
ofo，怪兽充电,爱丁医生,发现旅行网,小站教育,什马金融
E 周鴻褘（360等）
PC関連ソフトハードウェアゲーム
安普诺科技,摩比神奇,小忆机器人,蓝信工场,司南物联
ジンドン 饿了吗、達達
カネ ： 活発なCVC テンセントの例
41
投資先企業投資先の業界
投資時期投資額（百万ドル）
モバイク シェア自転車2016年10月2017年1月
6月
55200600
これらの内数蔚来汽车 自動車 2015年9月 125
滴滴出行無線インターネットサービス
2015年8月 429
荣昌e袋洗電気通信および付加価値業務
2015年6月 100
易车网 インターネット 2015年1月 150易鑫资本 金融 2015年1月 150
滴滴出行無線インターネットサービス
2014年12月 233
口袋购物 インターネット 2014年10月 145
开心网 インターネット 2011年10月 100艺龙旅行网(e龙) インターネット 2011年5月 84
京东商城 インターネット 2014年3月 ー
テンセント 騰訊産業共贏基金の主な投資先
150 2,473
467 520
5,173
13,578
3
15
10
17
26
42
0
5
10
15
20
25
30
35
40
45
0
2,000
4,000
6,000
8,000
10,000
12,000
14,000
2010 2011 2012 2013 2014 2015※
投資金額(百万元) 投資案件数
テンセント 騰訊産業共贏基金の投資状況
（百万元）
年間投資額1000億円
年間投資額２000億円
＊2015年は第1～3四半期
制度は事後的に調整される
小型電気自動車
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・ 2016年に急速に普及・ 2017年５月にシェア自転車に関する制度が公表。
・ ネット予約タクシーも2016年8月に制度整備、11月から実施。
シェア自転車
・ 法律的な位置づけがないまま急速に普及。・ 現在制度検討中。
小型自動配送車
・ 路上や大学等で実証実験が実施されている。
中国の都市別のベンチャー
ハードウェア・パラダイスの深セン、大学等とコラボする北京
43
中国のベンチャー投資の状況 地域別
44
都市別のベンチャー投資の状況（中国全体に占める割合 2015年）
1位：北京市1042件（30％）
431億円≒7100億円（33％）
２位：上海市601件（17％）
258億元≒4257億円（20％）
３位：深セン市357件（10％）
132億元≒2178億円（10％）
案件数 割合投資額が明らかな
案件数投資金額（億元）
割合
北京市 1042 30.20% 909 431 33.30%
上海市 601 17.40% 538 258 19.90%深セン市 357 10.40% 326 132 10.20%浙江省 289 8.40% 259 99 7.70%江蘇省 258 7.50% 247 96 7.40%
資料出所：清科研究中心「2016年上半年中国株式投資市場発展」
深センの代表的なテック系企業、ベンチャー企業
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ファーウェイ
ZTE
テンセント
DJI
ハードウェアスタートアップからみた深センの強み
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• 試作品の発注から到着までが２～３日で完了する。カナダなどにいると発注・空輸などで６週間かかる。試作→トライ→修正→試作というサイクルが大幅に短縮可能。最近では、スタートアップだけではなく大手企業も深センで試作を行っている。
• 深センでの１週間は、その他の地域の１か月に相当する。
• （試作品や量産のための）サプライヤーを既存のネットワークから紹介できる。信頼できるサプライヤーかどうかを確認することも比較的容易。
• 深セン中心街から工場までは１～2時間程度しか離れていない。1日で何か所もまわることができる。
＊ 北京のハードウェアスタートアップにヒアリングした際も、「試作は深センに発注している」との声が複数あった。
資料 ： 深センのハードウェアスタートアップに対するヒアリング。
