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1.TRIZ-DEを活用した技術進化概論

1.TRIZ-DEを活用した技術進化概論 の技術進化のパターンを活用 した未来予測アプローチが有効 ©2006 THESANNOINSTITUTEOFMANAGEMENT 2.技術進化のパターンを活用した未来予測アプローチ

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1.TRIZ-DEを活用した技術進化概論

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売上

時間

次世代型新製品の企画・開発

生産技術のブレークスルー

既存製品のコストダウン

主に成長期に移行中の製品の生産技術面でのイノベーション絡みの技術課題

主に成熟後期から衰退期にかけて、次世代型製品の企画・開発絡みの技術課題

主に成熟期において、競合他社との生残りをかけた既存製品のコストダウンに絡む技術課題

1.1.SSカーブから見た各ステージ毎の代表的な技術課題カーブから見た各ステージ毎の代表的な技術課題

成長期

成熟後期

成熟前期

導入期

成熟前期

衰退期 導入期

成長期

成熟後期

衰退期

TRIZの技術進化のパターンを活用した未来予測アプローチが有効

©2006 THE SANNO INSTITUTE OF MANAGEMENT

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2.2.技術進化のパターンを活用した未来予測アプローチ技術進化のパターンを活用した未来予測アプローチ

過去 現在 未来

① ④

② ③

①歴史的な側面からデータ収集

②DE診断(過去~現在の進化傾向把握)

③アイデアによる総合化(未来の進化を予測)

技術進化のコント技術進化のコントロールこそ成功へロールこそ成功へのキ-であるのキ-である

““TRIZTRIZ--DEDE((DirectedDirected EvolutionEvolution))””とも言うとも言う

④意思決定(最適な未来シナリオの選択)

⑤進化プロセスのサポート

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2.代表的な技術進化のパターン

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1.1.主な技術進化のパターン主な技術進化のパターン

①理想性向上による進化

②システムユニットの完成度バランス保持による進化

③社会や人間とのリズム調和性向上による進化

④エネルギー伝導性向上による進化

⑤技術転移(feature transfer)による進化 ⑥ミクロレベルへの移行による進化

⑦保有資源の活用度向上による進化

⑧マッチングとミスマッチングの繰返しによる進化

⑨人間介在減少による進化

⑩ダイナミズム向上による進化

⑪制御性向上による進化

⑫機能展開の洗練化による進化

⑬単純-複雑-洗練化の繰返しによる進化 ⑭スーパーシステム(上位システム)への移行・融和による進化

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【カプセル内視鏡】

丸のみして、小腸内の撮影を可能とするカプセル型の内視鏡

2.6cm

1.1cm

・プラスチック製カプセルにカメラや電池をコンパクトに内蔵・小腸の内壁など約55000カット撮影・約8時間後に便といっしょに排泄・原則1回限り使用

カプセル自身が移動し、電波を放ち、撮影画像を小型受信機に送信

小型受信機は受診者の腹に取り付け

後日、医師が受信機から取り出した画像を見て診断

電波のやりとりにミサイル誘導技術の応用あり

技術移転による進化

ミクロレベルへの移行による進化

22.製品レベルでの“.製品レベルでの“技術進化のパターン技術進化のパターン”事例”事例

大腸内視鏡⇒ カプセル内視鏡への進化か!?(参考:日本経済新聞(夕刊)2004.10.6)

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【カプセル内視鏡の進化予測】LEDランプで小腸内を照らす

小型カメラで撮影カメラでとらえた画像を小型アンテナから対外へ無線で送信

内臓電池から電源を供給

現在

腸内内壁の撮影

電源を外から供給

自在に動ける

様々な診断・

治療可能

飲むだけで病気を

自動検出・診断

未来

人間介在減少による進化 制御性向上による進化

(参考:日本経済新聞2005.10.9)©2006 THE SANNO INSTITUTE OF MANAGEMENT

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【ヘッドホーンの進化予測】

騒音を減らすヘッドホーン

ヘッドホーン内蔵の電子回路が、騒音の信号波形と山と谷の形が逆の音波を即座に生成これをヘッドホーン内に流して騒音を打ち消してしまう

社会や人間とのリズム調和性向上による進化

音声信号から“音楽”の分を除いて“騒音”を取り出す

音楽

騒音

“騒音”が打ち消される“騒音”と山谷が逆の音波を作って重ねる

(参考:讀賣新聞夕刊2005.9.24)©2006 THE SANNO INSTITUTE OF MANAGEMENT

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3.要素技術レベルでの“3.要素技術レベルでの“技術進化のパターン技術進化のパターン”事例”事例

【iPodの背面ボディー製作】

東陽理化学研究所(新潟県燕市):チタンの精密加工技術で世界トップクラス(元々は洋食器の表面処理メーカー⇒魔法瓶メーカー⇒チタン・ステンレスの精密加工技術でIT分野へ転出)

アップル社:「パワーブックG4」~ボディに初めてチタンを採用(2001年販売)⇒ボディの全量供給が東陽理化学研究所

アップル社:「iPodの背面ボディ製作:鏡のようなステンレス製の背面ボディ製作

技術移転による進化

■■■・・

■■■・・

(参考:日本経済新聞 2005.1.31)

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【車体で活用~軽くて強いハイテン(高張力鋼)】

100%ハイテン使うと、車両の20~30%の軽量化可能⇒燃費が約22/ℓへ(現在の倍以上の燃費の実現)⇒自動車レベル(システム)の“理想性の向上”へ

ハイテンは、強度に優れているがゆえに、曲げ加工が難しい(技術矛盾の発生)

ハイテンを曲げると、製品の鋼板に歪みが発生する。つまり、曲げても内部に戻ろうとする力(残留応力)が発生する

(課題)直角に曲げてもしばらくすると角度が開いてしまう。製品形を崩す

曲げ加工の際に、雌型となる金型の表面に細い切削跡(カプス)を刻む。結果的にここにハイテンが食い込み残留応力が相殺されて、角度がぴたりと決まった

板金加工の歪みとり技術:板にへこみ入れる“星うち技術”の転用

素材の開発(TRIP鋼の改良):鉄の結晶組織の中に硬い組織と加工容易な軟らかい組織を混在させる

技術移転による進化

矛盾解消による進化

構造の進化

(参考:日本経済新聞 2004.12.17)

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3.イノベーションとは

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11. . イノベーションイノベーションととはは

Innovation~画期的イノベーション

Improvement~漸進的イノベーション

革新度

イノベーションへのターニングポイント

【未来志向型技術者】

時間

高度経済成長期1960~1972

安定成長期1973~1990

バブル崩壊後1991~1995

現在1996~2006

近未来2007以降

イノベーション能力(その1~その4)

新商品の芽の創造

未来ビジョン構築力

未来型リスク予測力

未来型リスク回避力

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IFRへ近づける

イノベーション(

広義)

一般的に我々がイメージするイノベーション

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22. . イノベーターの養成へイノベーターの養成へ

Innovation~画期的イノベーション

Improvement~漸進的イノベーション

革新度

イノベーションへのターニングポイント 時間

高度経済成長期1960~1972

安定成長期1973~1990

バブル崩壊後1991~1995

現在1996~2006

近未来2007以降

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IFRへ近づける

イノベーション(

広義)

一般的に我々がイメージするイノベーション

【未来志向型技術者】

イノベーターへ

Innovationを実現していく環境づくりこそ必須である

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33. . イノベーションの視点イノベーションの視点

Innovation~画期的イノベーション

Improvement~漸進的イノベーション

革新度

イノベーションへのターニングポイント 時間

高度経済成長期1960~1972

安定成長期1973~1990

バブル崩壊後1991~1995

現在1996~2006

近未来2007以降

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IFRへ近づける

イノベーション(

広義)

一般的に我々がイメージするイノベーション

イノベーターへ

Innovationを実現していく環境づくりこそ必須である*社会と技術システム

(商品)とのミスマッチ(一種の矛盾)を合理的で素早く解消する視点が重要である

【未来志向型技術者】

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4.身近なイノベーション事例~紙製コーヒーカップのイノベーション~

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日本社会(文化)の変化を見る

飲料水のパーケージングの変化

飲料水(お茶、ジュースなど)⇒缶タイプ“から“ペットボトルタイプ”が主流へ

歩きながら飲むスタイルに対して抵抗なし

コーヒーを歩きながら飲む文化の流入

(米国のスターバックスの日本への進出)

(使用者の最終目的)F0:おいしいコーヒーを飲む実施条件:座った状態・立った状態(スタティック)

(使用者の最終目的)F0:歩きながら快適においしいコーヒーを飲む実施条件:座った状態・立った状態(スタティック)+歩いた状態(ダイナミック化)

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IFR

イノベーション

歩きながら飲むスタイルに対して

抵抗なし

コーヒーを歩きなが

ら飲む文化の流入

(

米国のスターバック

スの日本への進出)

ペットボトルが主流へ

缶タイプの飲料水

理想性

時間

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ドトールコーヒードトールコーヒー スターバックススターバックス

US patent #$ 5205473 and #6863644

SOLO TRAVELER

PAT NO 4589559©2006 THE SANNO INSTITUTE OF MANAGEMENT

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5.次世代事業・商品企画開発活動の基本ステップ(一例)

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次世代事業・商品企画次世代事業・商品企画開発活動の概要開発活動の概要

企画段階企画段階第1フェーズ 対象システムの分析と将来の予測と方向づけ <未来予測活動> 対象システムについての新商品企画を方向づけた

シナリオ作成

技術進化の視点 …技術システム進化のパターン システムアプローチ Sカーブ分析

第2フェーズ 対象システムについての新商品企画案の作成 <商品企画活動> 対象システムについての

新企画書の立案 QFD&マーケティング的視点 …社会分析 顧客分析 価値 仕様

自社のコア・テクノロジーが有効に活用できる未来シナリオの検討

未来シナリオ+顧客の声を企画書へ反映させるフェーズ

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開発段階開発段階

第3フェーズ 対象システムの開発設計の具体的構想化 <開発設計活動>

対象システムについての <問題解決アイデア発想>

開発設計仕様書(基本構想案)の立案

開発解決的な視点 … 問題解決 アイデア発想 評価 具体化

未来シナリオ+顧客の声を設計案に具現化させるフェーズ

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