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鳥取大学医学部 生命科学科 School of Life Sciences 2013 Faculty of Medicine Tottori University

2013 School of Life Sciences Faculty of Medicine ...School of Life Sciences 2013 Faculty of Medicine TottoriUniversity いのちをささえるしくみを知りたい。 いのちをつなぐなぞを解きたい。

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鳥取大学医学部生命科学科

School of Life Sciences

2013

Faculty of Medicine Tottori University

いのちをささえるしくみを知りたい。

 いのちをつなぐなぞを解きたい。

  あすのいのちを救いたい。

  そう思うあなたに応えたいと、

   わたしたちは考えています。

生命科学科の特色

医学部にある生命科学科 本学科は、医学とその関連領域をつなぐ生命科学研究者の育成をめざして、平成 2年に全国にさきがけて設置されました。医師を養成する学科ではなく、生命

現象の解明と、新しい時代の医療への貢献を両軸とする、4年制の学科です。

 医学部にある学科の特色として、細胞や遺伝子などの生物学の知識に加えて医

学関連の知識を学び、生命科学への理解をより深いものにして

いきます。また遺伝子操作技術や細胞解析などのバイオサイ

エンス技術を習得できます。さらに難病の疾患モデル動物の

作製や iPS 細胞を用いた再生医療など、最先端の生命科学研

究への道が開かれています。

充実した教育・研究環境 本学科は、医学科の基礎および臨床系の講座、また隣接する生命機能研究支援

センター(遺伝子、動物、放射線分野)との連携による充実した教育・研究環境

を持っています。また、最近では「染色体工学研究センター」や「とっとりバイ

オフロンティア」が設置され、染色体工学を用いた先端的な研究や産学連携研究

が行われています。本学科学生はこのような環境で教育を受け、また、研究を行

うことができます。

充実した大学院 - さらに専門的な知識を -  本学科から進学できる大学院として、 本学医学系研究科の「生命科学専攻」、「機能再生医科学専攻」[ 博士前期課程(修士 2年間)、博士後期課程(博士 3年間)]

が設置されています。また、研究内容によって、同じ医学系研究科の「臨床心理

学専攻」、「保健学専攻」への進学も可能です。本学科の卒業生の多くが、専門的

な知識を学ぶべく、大学院に進学しています。

 「生命科学」とは、生き物が生きている過程で起こる様々

な事柄を、分子の動き、遺伝子の働き、細胞のふるまいな

どから調べて、「いのち」の現象、その不思議さを科学的な

視点で解き明かす学問です。その成果を医学、農学、工学、

環境分野などに応用し、社会に貢献する学問でもあり

ます。

生命科学

産業

真理

医療応用生物学

医学基礎生物学

生体情報学病態生化学神経生物学

細胞工学免疫学

ゲノム医工学

分子生物学

生体情報機能学講座分子細胞生物学講座生命科学科を構成する 2講座 7分野

幅広い進路、卒業生のネットワーク 学科の卒業生は、平成 6年 3月の第一期生卒業からすでに 700 名を数え、大学

や研究所の研究者、製薬や食品関連企業での研究、開発、営業職などで幅広く活

躍しています。さらに社会の変化に対応し、生命科学の知識をもとに社会に貢献

できるさまざまな職業へ進出する可能性が広がっています。

特色

特色

特色

特色

1

【2:乗り物の交通ルールは?】

 ヒト細胞に 46 本ある染色体(天然)は、親から子への生命の継承

を担います。しかし暴走したり壊れたりすると癌など染色体疾患に陥

ります。この乗り物の交通ルールや修理場に相当することは何なの

か?その特徴的な構造体(動原体、

テロメアなど)に注目して、ルー

ルを分子の言葉で記述します。 

ルールを知ることは生命継承の真

理を知るだけでなく、事故防止、

つまり疾患を減らすことにつなが

ります。

免疫学分野 教授

林 眞一

「自分」を見つめる 免疫細胞の不思議

ゲノム医工学分野 准教授

井上 敏昭

細胞工学分野 教授

押村 光雄

知りたい、 作りたい、  活かしたい、    染色体

【1:染色体は遺伝子の乗り物=ベクター】

 この乗り物を小型化した新しい乗り物を作りました。それが人工

染色体ベクターです(細胞工学分野との共同研究)。小型でも多数の

遺伝子を載せて、安全に細胞や個体に運べます。さらに改良を加え、

ねらった細胞にしっかり届ける方法を開発します。

 免疫は、細菌やウイルスなど、病気を引き起こす病原体の感染に対

抗するための体の仕組みです。好中球やリンパ球などの免疫を担当す

る血液細胞は、病原体を攻撃し処理します。このとき、病原体だけが

攻撃され、自分の体は攻撃されません。免疫機構は、私達の細胞が持

つ「これが自分!」という目印となる物質で「自分」を、逆に病原体

だけが持つ物質を目印に「他者」を認識し見分けるシステムを利用し

ています。しかしこの「自分」と「他者」の見分けは絶対的ではなく、

時に簡単に崩れることがあります。これが自己免疫疾患のような、自

分で自分を攻撃する病気につながると考えられています。私達の研究

室では、ある細胞が自分の体の成分をリンパ節という臓器に運び続け

て、常に自分を確認しているのでは

ないかということに気付きました。

免疫でいう「自分」とは、絶え間な

い努力でやっと維持できるものなの

かも知れません。そういう自然の不

思議に心惹かれて、研究しています。

 細胞工学分野では世界最先端の細胞操作技術や染色体工学技術を利

用して、 1. 多様な生命のいとなみの解明、2. 薬など我々にとって有用

な物質の生産、 3. またそれを作り出す有用細胞の作製、4. 病気のモデ

ル動物の作製を行っています。 私たちは、未知なるものへの好奇心を

原動力として基礎から応用に至る幅広い研究分野を通じて人類の幸せ

な未来へ貢献することを目指しています。

(1) 新しいがん抑制遺伝子の発見やがんの発生メカニズムを解明し、

がんの早期発見や治療への応用に貢献します。

(2) 細胞を用いた医薬品開発に関する研究をしています。

(3) iPS 細胞 ( 人工多能性幹細胞 ) から

遺伝子再生治療を目指す研究をしてい

ます。

(4) 人と同じような薬の反応を示すマ

ウスやラットを作製し、薬物や食品の

代謝・安全性・毒性の評価システムを

開発する研究をしています。

 私たちは、時としてさまざまな疾病に罹り悩まされますが、その多

くが未だ原因究明に至っていないのが現状です。私たちは細胞から個

体レベルでの基礎的な生体機能(生体防御、遺伝子の調節制御、発生

の制御など)を解明することが、一見遠回りのようですが個々の病因

を明らかにする上でとても重要なことと考え研究を進めています。 

 具体的には、①マクロファージのように病原微生物と闘う食細胞に

備わっている特殊な機能はどのように発揮されるのか? ②DNAの

メチル化などゲノム構造がどのように調節され遺伝子の働きに関わっ

ているのか? ③卵子や初期胚の発生過程で染色体がどのような構造

変化と調節を受け、正常な発生を達成できるか? これらの解明を大

きなテーマに掲げ、染色体工学技術などを利用し、遺伝子導入細胞や

トランスジェニックマウスを作製しています。

 謙虚な気持ちで細胞の世界を覗き、そこから

語りかけてくるうつくしい生命の原理の一つひ

とつを丁寧に拾い上げることで得られる成果が、

疾病の原因解明や治療へと還元されるよう日々

取り組んでいます。

学科の教育•研究

がんや遺伝病を治したい!

2分子生物学分野 教授

初沢 清隆

細胞の世界を覗けば、生命の原理がみえてくる

最近の卒業論文テーマ

新しい細胞老化制御機構解析のための遺伝子導入細胞の樹立

核内高次構造を介する転写制御機構解明に向けた人工染色体操作技術

何がイモリの心臓再生を引きおこすのか

抗原量の変化に伴う T細胞の分裂、活性化の検討

外来性DNAの追跡による生殖細胞系列を通したメチル化制御機構の解析

視覚経験を模倣した人工的神経活動による視覚系神経回路再編成の試み

ヒト ES 細胞ならびにヒト iPS 細胞の心筋分化誘導法の確立

脆弱 X症候群にみられる CGGリピートの解析

炎症発がんを標的とした阻害化合物の探索

iPS 細胞ならびにヒト人工染色体を用いた毛細血管拡張性失調症の遺伝子治療に向けた基盤研究

•••

••

神経生物学分野 教授

畠 義郎

使って育つ 脳のしくみ

がんを知る、 がんを防ぐ

生体情報学分野 教授

竹内 隆再生できる、 できないは  何が決める?

 私たちヒトは、多くの組織を再生できません。ところが、両生類

のイモリは足や尾、さらには心臓までも再生します。一体、何が違

うのでしょうか?その大きな鍵の一つは、細胞が分裂できるか、ど

うかにあります。たとえば、ヒトの心筋細胞は生後に分裂しなくなり、

たとえ傷害を受けても、もう、増えることはありません。ところが、

イモリの心筋細胞は、傷害を受けると再び分裂します。その結果、

心臓は再生されます。分裂ができる、できない、の違いは何による

のでしょう?私たちは、 マウスとイモリの両方を研究することで、こ

の謎解き に挑戦しています。

この謎が解ければ、 私たちヒ

トでも多くの組織を大規模に

(たとえば腕を丸ごと?)再

生できる日が来るかもしれま

せん。そんな壮大な夢を抱き

ながら、私たちは日夜、研究

に取り組んでいます。

 がんは、日本人の一生のうちで 2人に 1人が患い、その半数が治療で

治ります。しかし、3人に 1人はがんで命を落としています。その原因

は様々ですが、明らかなものは意外と少ないのです。中でも、肝炎ウイ

ルス感染やヘリコバクター・ピロリ菌感染は、肝がんや胃がんの原因と

考えられます。これらは、感染の種類(ウイルスや細菌など)は異なり

ますが、感染した後に生じる炎症が、がん発生に共通する原因となりま

す。炎症が引き起こすがんによって死亡する割合は、全世界のがん死因

の約 20%を占めるともいわれています。 原因と結果がこれほど明らかな

発がん要因は少なく、換言すると炎症はがん予防を達成する際の最初の

標的となるのです。私たちの

研究室では、図に示すような

“炎症発がん” の動物モデルを

作り、発がん機構と予防へ向

けた研究も続けています。あ

なたも教科書に載るがん研究

を一緒に始めてみませんか。

 古来、数多くの哲学者、心理学者、脳科学者が「私とは何か?」

「世界はどう認識されるのか?」など心の謎に取り組んできましたが、

まだまだわからないことは山ほどあります。もののしくみがわから

ないとき有効な手段の一つが、その成り立ちを調べることです。子

供の脳はどうやって育つのか? 実は、脳は時間がたてば育つという

ものではありません。使ってはじめて育つのです。ものを見る脳の

しくみが発達する時には、きちんと「見る」経験が必要です。幼児

期に眼をふさぐと、その眼の情報を運ぶ神経は発達できません。他

の感覚も同じです。経験が、

どのようにして、脳の発達を

制御するのか?そのしくみが

わかれば、心の育ち方や、そ

れにまつわる様々な問題の解

決法もわかるに違いない。そ

う思って日々研究を続けてい

ます。

病態生化学分野 教授

岡田 太

学生生活

医学科や既存の理工学部の生物系学科とどこが違うのですか?また、他大学の生命科学科との違いはどんなところですか?

生命科学科のWebページにはこの他にもたくさんのQ&Aが掲載されていますので参考にしてください!

1年次

人体の構造と機能人間の発達と健康論健康と生体情報栄養と代謝

大学入門科目教養科目 主題科目 基幹科目  人文•社会  生物•物理•化学  実習•演習外国語科目健康スポーツ科学

全学共通科目

専門科目

2年次専門科目

3年次生命科学科 7分野のそれぞれによる講義•実習•セミナー

心の病環境衛生学臨床検査学人類遺伝学老年医学がんのメカニズムと治療など

専門科目

内科学概論外科学概論周産期医学バイオ技術

4年次

生命科学科に加え、医学科、保健学科、染色体工学研究センター、生命機能研究支援センターなどの幅広い分野の中から研究室を選択。

( 卒業研究 )生命科学特別研究

細胞組織学細胞生化学細胞生理学社会環境医学病気と微生物実験動物学遺伝子ベクター理論生命倫理学臨床心理学免疫生物学構造生物学•バイオインフォーマティックス

など

基礎腫瘍学遺伝生化学幹細胞•発生工学くすりと作用基礎神経科学生命科学概論医学概論再生医療学概論遺伝子医療学概論医学英語

2•3 年次の一部の講義は医学科•保健学科の教員により行われます。

鳥取大学 生命科学科 検索

 最大の特徴は、医学部の中にある生命科学科だということです。基礎的な医学の講義を受けたり、医学科、保健学科との合同講義の機会もあるなど、理•工学部などの生命科学科に比べると、医療に役立てることをより意識した生命科学の教育・研究を指向しています。医学科、保健学科の講座と連携した卒業研究•大学院研究を行うことも可能です。生命科学科に隣接する生命機能研究支援センター(遺伝子、動物、放射線利用実験)、染色体工学研究センター、とっとりバイオフロンティアなどの研究環境も充実しています。これは本学科が設立からすでに20年あまりの実績を誇り、各センターとのしっかりとした連携があるからこそ出来ることです。 さまざまな業界で活躍する 700 名にのぼる卒業生のネットワークを持っていることも強みです。先輩達がさまざまな形で皆さんをサポートしてくれます。一学年が少人数のため、同級生、先輩後輩や教員との距離がとても近い学科です。

Q & A

1 年次は鳥取キャンパスで他学部の学生とともに講義を受けます。

在学生の声 生命科学科は、一学年が40名程度と適度な人数の学科なので、同じ学年はもちろん、先輩・後輩ともとても仲が良いです。また、先生方ともつながりが深く、授業外でも専門的な話題はもちろん、くだけた話などもしてくださったり、研究室を訪問すると気軽に見学させていただけたりします。クラスメートは皆、全国各地から生命科学に関する研究がしたくて集まってきているので、授業や実習、様々な場所で日々切磋琢磨しあうことができます。他にも部活動や学祭など学生生活を満喫できるイベントも多々あり、充実した毎日を過ごすことができています。

カリキュラム3

(写真)垰田将汰さん , 黒田悠子さん , 井上崚さん , 楠瀬未菜さん ,堀田享佑さん , 赤木智美さん , 坂野慶太さん( 生命科学科 3年生 , 22 期生 )

溝口さん 楠瀬さん起床・朝食 7:00頃 起床、朝の準備

講義(内科学概論・人類遺伝学) 8:40~12:00 (1,2限目) 授業の空き時間はレポートをやったり、友達とおしゃべりしたり

リフレッシュルームでお弁当 12:00~13:00 昼休み 学食や病院内の食堂、パン屋さんでお昼ごはん

生命科学科実習 13:00~16:20 (3,4限目) 実習新しく知ることばかりで楽しい!

分野研究室で研究補助のアルバイト 17:00~19:00 野球部の練習

帰宅 19:00頃 部活のみんなと晩ごはん

晩ごはん・明日の準備 21:00頃 帰宅

↓ 21:30頃 課題やレポートをしたり、のんびりしたり

就寝 24:00頃 就寝

私の一日

 生命科学科の卒業生の8割以上は、本学あるいは他大学の大学院博士前期課程(修士課程)に進学します。また、

卒業生・大学院修了者の多くは、大学・研究機関における研究職のほか、製薬・食品企業の研究開発職や胚培養士・

出版関連企業等に就いています。今後、社会のニーズに対応して再生医療・遺伝子医療や臨床研究等のコーディ

ネーターなど生命科学の知識が必要とされる新たな職種への進路も広がります。

卒業生・修了者の進路

生命科学科と連携する充実した研究組織

 世界最先端の技術と機器を用いて、

学部生、大学院生の研究を強力に支援

いたします。

 支援内容は、遺伝子の構造、機能、

発現の解析、実験動物の飼育、遺伝子

改変動物の作製、放射能を用いた実験

など多岐にわたります。

 世界最先端の染色体工学技術の活用を

めざして鳥取県、鳥取大、企業の3者が

連携して運用する研究施設で、医薬品開

発などのバイオ産業の新技術の開発や実

用化につなげます。

 本学科学生は、このような企業との接

点をもった研究に参加でき、インターン

シップ(企業での就業体験)も可能です。

生命機能研究支援センター とっとりバイオフロンティア染色体工学研究センター 鳥取大発で世界トップレベルの染色体

工学(人工の染色体を用いて生命の機能

を探ったり、再生医療や難病の治療など

をめざす技術)を駆使して、医学、農学、

工学の技術と組み合わせて、様々な融合

研究を行っています。さらにその成果を

産業界へと橋渡ししています。

 本学科の学生は、このセンターでの研

究が可能です。

4

教育・研究機関

大学教員・研究員

研究機関

公務員出版社

自治体

法人

医療・教育系出版社

医療機関

医療技術

カウン

セラー臨床心理士

胚培養士(産科婦人科)

警察科学捜査研究所、警官警察事務職員

【国内】鳥取大学、東京大学京都大学、北海道大学、大阪大学東北大学、名古屋大学など

【海外】オックスフォード大学ケンブリッジ大学、ハーバード大学

スタンフォード大学など

理化学研究所産業技術総合研究所科学技術振興事業団国立がん研究センター国立成人病センターなど

会社・企業(研究、開発、

営業、学術情報)

製薬

食品

ヘルスケア機器

バイオ関連

武田薬品、大鵬薬品,大塚製薬協和発酵キリン、ツムラグラクソスミスクライン日本イーライリリーなど

グリコ、ロッテ、日本製粉カゴメ、味の素、キューピー加ト吉、チチヤスなど

ライオン、ニプロ、ベックマン・コールター、メニコン、テルモ日本光電、カールツァイスライカ、医学生物学研究所フナコシ、宝酒造、サンスター

ノエビアなど

自治体(県庁、市役所など)の行政職員大学職員(事務、技術系)

ベネッセコーポレーションニュートンプレス、南山堂アークメディア、羊土社東京化学同人など

その他 百貨店、証券会社、行政事務所など

卒卒業生と大学院修了者の進路

卒業生と大学院修了者の主な就職先

本学大学院

67%

他大学大学院

19%

就職

10%

その他

4%

学部卒業生

教育・研究

機関23%

製薬・医療

関係企業36%

医療機関

6%

その他

11%

食品関係

企業12%

12%

大学院修了者

ヘルスケア・バイオ関係企業

平成2年に全国に先がけて創設した医学部生命科学科は、平成24年度までに700名を越える人材を育成し、輩出しています。

卒業生736名

修士290名

博士83名

4年 2年 3年

学部 大学院博士課程

前期 後期

H20−24年度累計

先輩からのメッセージ

 私は生命科学科卒業後に国家公務員試験を受け、

現在は大阪大学医学部の技術専門職員として、光学

および電子顕微鏡を用いた組織形態学的な仕事に従

事しています。依頼内容は多岐に渡り、難しい仕事

もありますが、結果が出せた時の達成感には格別な

ものがあります。私は自分自身の研究に取り組む機

会も得、論文を書いたり学会で発表したり、と充実

した日々を送っています。技術職の魅力は、専門技

術の熟練と向上、新技術の確立などにとことん向き

合えることです。研究する上で、これは誰にも負け

ないといえるものを会得したい方はぜひ技術職員を

目指してみてください。

 私は生命科学科で学部 4年間と修士課程 2 年間を

過ごした後、研究者への道を志し大阪大学医学系研

究科博士課程に進学しました。博士号を取得後、ア

メリカ留学を経て、 現在は大阪大学免疫学フロンティ

ア研究セ ンター准教授として研究を続けています。

現代人を悩ます癌、鳥インフルエンザやマラリアな

どの感染症、花粉症や喘息などのアレルギー、関節

リウマチや骨粗鬆症、メタボリックシンドロームと

いった疾患を克 服するためには、生命科学研究は欠

かすことができません。 鳥取大学医学部生命科学科

は、こうした研究の遂行を目的として全国に先駆け

て新設された学科であり、世界最先端の研究を学ぶ

ことができます。研究者を目指す若者にとって、本

学科はたいへん魅力的な学科であることは間違いあ

りません。

河合 太郎(1期生 )

 私は一般化学や有機化学、医学・薬学・生命科学

といった理系書籍を扱っている出版社で営業職とし

て働いています。日本全国の大学をまわり、講義に

適した教科書を先生方に薦めています。医学部生命

科学科では、生命科学だけでなく医学も学べること

で幅広い知識が得られました。ここで学んだ経験を

活かして、 生命科学にすでに携わっている方々はもち

ろん、これから大学で学ぼうとしている学生さんに

より良い書籍を提供し、生命科学をもっと楽しく学

んでいただけるよう、書籍という切り口で貢献して

いければと思います。この橋渡し役を担っている職

業につけたのも、生命科学科での経験・すばらしい

先生方のおかげだと感謝しています。

野口 (柴崎 )江里子(12 期生 )

( 株 ) 東京化学同人営業部

 私は生命科学科で学部、修士課程、博士課程を経て、

大学院機能再生医科学専攻の助教として教育・研究

に従事しています。現在は鳥取大学発の染色体工学

技術を使って、筋ジストロフィーの遺伝子治療を目

指した研究や、医薬品の効率的な開発を目指したヒ

トに近い薬物代謝能を持つマウスを作製する研究等

を行っています。この染色体工学技術は世界に類を

見ない遺伝子導入技術で、筋ジストロフィーの原因

遺伝子 2.4Mb もの大きさの遺伝子をも運ぶことがで

きます。筋ジストロフィー患者さんの iPS 細胞におい

て、染色体工学技術を使うことで巨大な欠損遺伝子

を修復することに成功して以来、たくさんの患者さ

んからのメール等を頂いていることから、いち早く

患者さんへの治療に結びつけたいと強く思うように

なり研究を進めています。

小山 佳久(6期生 )

大阪大学医学部 技術専門職員(国家公務員 II 種)

奈良先端科学技術 大学院大学分子免疫制御研究室准教授

 私は高校生の時、漠然と「医療・病気・遺伝子」

に興味を持ち、生命科学科を受験しました。ここでは、

人体の仕組み、病気の原因、薬の種類、最新の診断

治療方法、遺伝子研究や再生医療の必要性・手法な

どを学ぶことが出来ました。同時に、この分野には

様々な職種が存在することも知りました。私自身は、

「がん」という病気の原因を明らかにしたいと思い、

本学科大学院に進学し、その研究のやり方・進め方

を学び、現在も東京医科歯科大学内研究所で研究・

教育の仕事をしています。

 本学科では、各々専門の先生方から幅広い知識・

技術を習得できます。それらを生かして、多くの先

輩方が様々な職種で活躍しています。「医療・病気・

遺伝子」に興味ある学生の皆さん、この分野に入る

第一歩として、生命科学科はお勧めですよ。

井上 純(3 期生 )

東京医科歯科大学 難治疾患研究所 分子細胞遺伝 助教

 私は生命科学科で学部 4年間と修士課程 2年間を

過ごした後、 現在、製薬会社でMRと いう職業で働い

ています。 MR は、医師や薬剤師の方に薬剤の情報を

提供したり、医療従事者の方からニーズ等の情報を

収集したりする職業です。 大学で学んだ大好きな医学

や薬学の知識をベースにして、 営業という形で積極的

に人に関わっていける仕事です。 研究ではなく営業と

して働いていることにはいくつか理由がありますが、

生命科学科で 教わった 6年間の知識やプレゼンテー

ション力は、 現在の営業という職場でも日々非常に役

立っています。 営業にはタフさも必要で、喜び以上に

厳しいこともたくさんあります。 生命科学科卒業生と

して誇りを持ちながら、 より多くの地域の患者さんの

お役に立てる ように今後も邁進したいと思います。

岸本 賢和(10 期生 )

グラクソ・スミスクライン ( 株 ) 大阪支店姫路営業所

香月 康宏(7期生 )

鳥取大学大学院医学系研究科 助教

5

生命科学科で学べるのはどのようなこと?どのような分野の専門家がいて、どのような研究をしているの?

学生生活はどんな様子?さらに詳しく知りたい方は...

鳥取大学 生命科学科 検索学科パンフレットpdf 版もダウンロードできます。

さらに詳しく知りたい方はwebページへ

鳥取大学 医学部 生命科学科〒 683-0853 鳥取県 米子市 西町 86TEL: 0859-38-7057(生命科学科 学科事務室)E-mail: [email protected]

!平成24年度入試から入試方法が大きく変わりました

詳細につきましては、入学者選抜要項、学生募集要項を必ずご確認下さい。

● 推薦入試 II を実施します。  個別学力検査等の内容は、面接のみです。

● 前期日程の個別学力検査等の内容が変更されました。  数学(数I・数II・数III・数A・数B・数C)、 外国語(英I・英II・リーディング・ライティング)、 面接です。

● 後期日程入試を実施します。  個別学力検査等の内容は、面接のみです。

24年度入試からの変更点