82
一般社団法人 宮城県臨床工学技士会会誌 第 6 号 2014 年 03 月 会誌 6 号発刊にあたって 一般社団法人宮城県臨床工学技士会代表理事会長 鈴木一郎・・・・・・・・・・・2 一般社団法人 宮城県臨床工学技士会 平成 24・25 年度理事・監事名簿・各種委員会名簿・・・・・・・3/4 第6回 一般社団法人 宮城県臨床工学技士会勉強会プログラム・・・・・・・・・・・・・・・・・・5 1. 新製品紹介-次世代輸液ポンプシステム- 『薬剤投与を変える!』IT 機能を搭載した“スマートインフュージョンシステム” テルモ株式会社 ホスピタルカンパニー営業開発 西田 雄・・・・・・・・6 2. 新薬紹介-重炭酸リンゲル液- 『ビカネイト輸液開発の経緯について』 株式会社大塚製薬工場学術部 前田博史・・・・・・・9 新薬使用報告『ビカネイト輸液を体外循環に使用して』 仙台厚生病院 尾越 登・・・・・・・10 東北薬科大学病院 中鉢 亮・・・・・・・13 3. 教育講演 『透析液カルシウム濃度の変遷』 扶桑薬品工業株式会社 本社営業部学術部 中尾弘和・・・・・・・17 4. 教育講演 『透析膜の変遷と最近のトピックス』 東レ・メディカル株式会社 透析事業本部 CS 室 久保田昌裕・・・・・・・20 5. 話題提供 『全自動透析装置とオンライン HDF 機能について』 株式会社ジェイ・エム・エス 血液透析システム課 前田成臣・・・・・・・22 第7回 一般社団法人 宮城県臨床工学技士会勉強会プログラム・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・24 講演Ⅰ 「透析用コンソールの自動化・高機能化」 1. ニプロ株式会社 国内事業部医療器械開発営業部 三橋 真・・・・・・・26 2. 日機装株式会社 メディカル事業部推進部 田中 剛・・・・・・・28 3. 東レ・メディカル株式会社 透析事業本部企画学術部 高橋宏次・・・・・・・31 演題Ⅰ 呼吸ケアサポートチーム発足、当院はどうする? 総合南東北病院 臨床工学科 狩野真一・・・・・・・33 ネーザルハイフローの有用性について 東北大学病院 診療技術部臨床工学部門 桑島千夏・・・・・・・39 体外循環中に寒冷凝集反応を疑った一例 仙台オープン病院 臨床工学室 富田元沖・・・・・・・41 テルモ社製パルスオキシメータに生じた不具合について 仙台オープン病院 臨床工学室 宮本美有希・・・・・・43 演題Ⅱ 基幹電子カルテ内透析部門システムと多機種コンソールの連携 大崎市民病院 臨床工学科 鈴木 芳・・・・・・・46 マキシフラック MFX21-Ueco の前希釈 on-line HDF における検討 台原内科クリニック 引地 誠・・・・・・・48 Microsoft Office Access を用いた透析管理システム 中新田クリニック 市川貴史・・・・・・・51 キンダリー4E の使用経験―12 ヶ月― 庄司クリニック 鈴木美里・・・・・・・56 第 23 回日本臨床工学会 BPA 若手奨励賞受賞演題 「地震対策としての固定具の開発と検証-地震体験車による耐久性検証と、様々な機器の固定を検証する-」 仙台社会保険病院 臨床工学部 佐藤尚也・・・・・・・59 Snapshot ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・61 一般社団法人 宮城県臨床工学技士会 理事会議事録・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・63 一般社団法人 宮城県臨床工学技士会 定款・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・67 一般社団法人 宮城県臨床工学技士会 定款・施行細則・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・74 「平成 26・27 年度理事・監事選出選挙の結果」に関する公示・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・80 編集後記 No.6 2014

2014.03月発行 一般社団法人宮城県臨床工学技士会会誌 Vol.No.06

Embed Size (px)

Citation preview

一般社団法人 宮城県臨床工学技士会会誌 第 6号 2014 年 03月

会誌 6 号発刊にあたって 一般社団法人宮城県臨床工学技士会代表理事会長 鈴木一郎・・・・・・・・・・・2

一般社団法人 宮城県臨床工学技士会 平成 24・25 年度理事・監事名簿・各種委員会名簿・・・・・・・3/4

第 6 回 一般社団法人 宮城県臨床工学技士会勉強会プログラム・・・・・・・・・・・・・・・・・・5 1. 新製品紹介-次世代輸液ポンプシステム-

『薬剤投与を変える!』IT 機能を搭載した“スマートインフュージョンシステム” テルモ株式会社 ホスピタルカンパニー営業開発 西田 雄・・・・・・・・6 2. 新薬紹介-重炭酸リンゲル液-

『ビカネイト輸液開発の経緯について』

株式会社大塚製薬工場学術部 前田博史・・・・・・・9

新薬使用報告『ビカネイト輸液を体外循環に使用して』 仙台厚生病院 尾越 登・・・・・・・10 東北薬科大学病院 中鉢 亮・・・・・・・13 3. 教育講演 Ⅰ 『透析液カルシウム濃度の変遷』 扶桑薬品工業株式会社 本社営業部学術部 中尾弘和・・・・・・・17 4. 教育講演 Ⅱ 『透析膜の変遷と最近のトピックス』 東レ・メディカル株式会社 透析事業本部 CS 室 久保田昌裕・・・・・・・20 5. 話題提供 『全自動透析装置とオンライン HDF 機能について』 株式会社ジェイ・エム・エス 血液透析システム課 前田成臣・・・・・・・22

第 7 回 一般社団法人 宮城県臨床工学技士会勉強会プログラム・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・24 講演Ⅰ 「透析用コンソールの自動化・高機能化」 1. ニプロ株式会社 国内事業部医療器械開発営業部 三橋 真・・・・・・・26 2. 日機装株式会社 メディカル事業部推進部 田中 剛・・・・・・・28 3. 東レ・メディカル株式会社 透析事業本部企画学術部 高橋宏次・・・・・・・31 演題Ⅰ ① 呼吸ケアサポートチーム発足、当院はどうする? 総合南東北病院 臨床工学科 狩野真一・・・・・・・33 ② ネーザルハイフローの有用性について 東北大学病院 診療技術部臨床工学部門 桑島千夏・・・・・・・39 ③ 体外循環中に寒冷凝集反応を疑った一例 仙台オープン病院 臨床工学室 富田元沖・・・・・・・41 ④ テルモ社製パルスオキシメータに生じた不具合について 仙台オープン病院 臨床工学室 宮本美有希・・・・・・43 演題Ⅱ ⑤ 基幹電子カルテ内透析部門システムと多機種コンソールの連携 大崎市民病院 臨床工学科 鈴木 芳・・・・・・・46 ⑥ マキシフラック MFX21-Ueco の前希釈 on-line HDF における検討 台原内科クリニック 引地 誠・・・・・・・48 ⑦ Microsoft Office Access を用いた透析管理システム 中新田クリニック 市川貴史・・・・・・・51 ⑧ キンダリー4E の使用経験―12 ヶ月― 庄司クリニック 鈴木美里・・・・・・・56 第 23 回日本臨床工学会 BPA 若手奨励賞受賞演題 「地震対策としての固定具の開発と検証-地震体験車による耐久性検証と、様々な機器の固定を検証する-」 仙台社会保険病院 臨床工学部 佐藤尚也・・・・・・・59

Snapshot ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・61 一般社団法人 宮城県臨床工学技士会 理事会議事録・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・63 一般社団法人 宮城県臨床工学技士会 定款・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・67 一般社団法人 宮城県臨床工学技士会 定款・施行細則・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・74 「平成 26・27 年度理事・監事選出選挙の結果」に関する公示・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・80 編集後記

No.6 2014

一般社団法人 宮城県臨床工学技士会会誌 第 6号 2014 年 03月

代表理事 会長挨拶 - 2 -

謹啓 会員の皆様におかれましては、ますますご清祥のこととお喜び申し上げます。

日頃より一般社団法人 宮城県臨床工学技士会の活動に対し、多大なるご理解とご協力

を賜り、厚く御礼申しあげます。

会誌 6号発行にあたりご挨拶を申し上げます。当県技士会は 1994年 9月に任意団体と

して 140名にて発足し、2010年 4月に「一般社団法人 宮城県臨床工学技士会」の法人

格を取得いたしました。現在の会員数は 300名を有し、発足より 20年を迎えようとして

おります。つきましては、創立 20周年記念式典・祝賀会を、来年度に開催いたしたいと

思います。また、「第 24回日本臨床工学会および平成 26年度公益社団法人 日本臨床工

学技士会総会」を、5月 10 日(土)、11 日(日)の両日、仙台国際センター、東北大学

百周年記念会館、仙台市博物館を会場として、厚生労働省をはじめとする多数の団体のご後援をいただき開催す

る運びとなりました。

大会テーマは、「チーム医療と臨床工学技士 — 知識・技術の共有 —」としました。臨床工学技士が誕生し、

早や 25 年、医療関係職種資格法の中で、初めて「チーム医療」の考え方がもり込まれ、医療チームの一員とし

て医師をはじめ看護師その他の医療関係職種と緊密に連携し、円滑で効果的な医療を確保することに協力してき

ました。あらためてチーム医療の重要性を臨床工学技士が再認識し発展させていくステップとしての学術集会と

して企画していく所存であります。第 24 回日本臨床工学会は、特別講演 1 題、教育講演 1 題、市民公開講座 1

題、ワークショップ 27 セッション 112 題、男女共同参画委員会セミナー1 題、一般演題(BPA 含む)318 題、

ポスター205 題、にて開催されます。一般演題・ポスター演題・ワークショップ主要演題 112 題を含めますと、

635演題の発表となりました。多数の応募を頂き、大変感謝しております。

会員の皆様におかれましては、第 24 回日本臨床工学会の開催にあたりまして、ご支援ご協力をお願いいたし

ておりまして、快くお引き受け頂き有り難うございます。学会の成功に向かってよろしくお願い申し上げます。

学会の企画としましては、震災から 3年を迎え宮城の地にて学会を開催するにあたり、被災地の現状を直に体

験して頂こうと、震災復興支援防災学習ツアーを企画いたしました、南三陸町・石巻・名取市の被災地を直接見

て頂き、復興の現状を見学して頂こうと企画しております。ポスターセッションにつきましては、ハイブリット

ポスターセッションとし、座長は置かず発表者と参加者の自由な討論を期待しております。意見交換会につきま

しては、ホテルメトロポリタン仙台「千代の間」にて開催を致します。全国からお越し頂ける会員の皆様に、宮

城の食材を使った料理・お酒を提供しようと企画しております。

会誌 6号につきましては、勉強会の内容を中心に構成して頂き内容の充実した会誌となっております。編集委

員長におかれましては、忙しい中、会誌編集にご尽力頂き感謝しております。今後とも会誌の編集にご協力頂け

ればと思います。

つきましては、会員ならびに関係者各位におかれましては、本趣旨にご賛同していただき、「第 24回日本臨床

工学会」の開催にご支援ご協力を賜りたく、なにとぞよろしくお願い申しあげます。

謹白

一般社団法人 宮城県臨床工学技士会会誌 第 6号 2014 年 03月

平成24・25年度 理事・監事名簿 - 3 -

代表理事会長 鈴木一郎 仙台オープン病院

副会長 相澤康弘 東北文化学園専門学校

副会長 菊地 徹 東北薬科大学病院

事務局長 千葉美樹 仙台オープン病院

理事 引地 誠 台原内科クリニック

理事 尾形佳昭 岩切病院

理事 菊地昭二 東北大学病院

理事 前田 寿 仙台循環器病センター

理事 畠山 伸 仙台医療センター

理事 千田幸夫 宏人会木町病院

理事 工藤剛実 東北文化学園専門学校

理事 松浦周悦 宏人会中央クリニック

理事 安田耕一 東北公済病院

理事 鈴木雅和 東北薬科大学病院

理事 勝又尚紀 仙台市立病院

理事 木幡宏実 仙台社会保険病院

理事 尾越 登 仙台厚生病院

監事 高橋正人 泉ヶ丘クリニック

監事 佐藤政範 永仁会病院

顧問 三浦勝明 仙台医療センター

一般社団法人 宮城県臨床工学技士会会誌 第 6号 2014 年 03月

平成 24・25年度 各種委員会名簿 - 4 -

【学術・教育委員会】委員会開催、勉強会開催

委員長 :工藤剛実

副委員長:相澤康弘

委員 :安田耕一、尾越 登、菊地 徹、千葉美樹、尾形佳昭、引地 誠

【編集委員会】 会誌の編集・発行、新聞の編集・発行、会誌掲載広告募集

委員長 :菊地 徹

副委員長:工藤剛実

委員 :鈴木雅和、安田耕一、千葉美樹、前田 寿、尾越 登、鈴木一郎

【渉外委員会】 各種イベントの協賛及び展示依頼、会員の獲得、医療団体との協力

委員長 :菊地昭二

副委員長:尾越 登

委員 :勝又尚紀、鈴木雅和、松浦周悦、畠山 伸

【福利厚生委員会】 委員会開催、会員相互の親睦

委員長 :安田耕一

副委員長:工藤剛実

委員 :引地 誠、勝又尚紀、千田幸夫、畠山 伸

【企画・調査・情報委員会】 委員会開催、会員調査の実施、HPの運営

委員長 :前田 寿

副委員長:尾形佳昭

委員 :千葉美樹、畠山 伸、木幡宏実、鈴木雅和

【災害対策委員会】

委員長 :尾越 登

副委員長:松田恵介

委員 :千葉美樹、引地 誠、畠山伸、木幡宏実、鈴木雅和

【日臨工学会開催準備委員会】

委員長 :鈴木一郎

副委員長:工藤剛実

委員 :相澤康弘、菊地 徹、尾越登、千葉美樹、高橋正人、佐藤政範

【選挙管理委員会】

委員長 :佐々木典子

委員 :門馬竜一郎、渋谷公美

一般社団法人 宮城県臨床工学技士会会誌 第 6号 2014 年 03月

第 6回勉強会プログラム - 5 -

日時:平成 25 年 06 月 30 日(日)

場所:東北文化学園大学1号館地下大講義室

平成 25 年度一般社団法人宮城県臨床工学技士会総会

午前の部

商品紹介 司会:仙台医療センター 高橋亜純

1. 次世代輸液ポンプシステム

『薬剤投与を変える!』IT 機能を搭載した“スマートインフュージョンシステム”

テルモ株式会社 ホスピタルカンパニー営業開発 西田 雄 先生

2. 新薬紹介―重炭酸リンゲル液― 座長:仙台循環器病センター 前田 寿

(1) 重炭酸リンゲル液 ビカネイト輸液開発の経緯について

株式会社大塚製薬工場学術部 前田博史 先生

(2) 使用報告

『ビカネイト輸液を体外循環に使用して』

仙台厚生病院 尾越 登

東北薬科大学病院 中鉢 亮

午後の部

3. 教育講演 1 司会:庄司クリニック 日下政信

『透析液カルシウム濃度の変遷』

扶桑薬品工業株式会社 本社営業部学術部 中尾弘和 先生

4. 教育講演 2 司会:仙台社会保険病院 葛岡孝一

『透析膜の変遷と最近のトピックス』

東レ・メディカル株式会社 透析事業本部 CS 室 久保田昌裕 先生

5. 話題提供 司会:達内科小児科 佐藤裕二

『全自動透析装置とオンライン HDF 機能について』

株式会社ジェイ・エム・エス 血液透析システム課 前田成臣 先生

一般社団法人 宮城県臨床工学技士会会誌 第 6号 2014 年 03月

商品紹介 - 6 -

I. はじめに

近年では、輸液ポンプ、シリンジポンプを用いた薬

剤投与が院内で幅広く使用されるようになっていま

す。

しかしながら、医療のプロセスの中で依然として薬

剤の投与時のエラー発生率が最も高く、それは投与設

定・計算ミスなどの人為的ミスが起因しています。

2003 年(平成 15 年)3 月 18 日には、厚生労働省から

「輸液ポンプ等に関する医療事故防止対策について」1)(以下、安全通知)が発出されました。

当社もこの安全通知に規定された医療事故防止対

策への対応措置を講ずるだけでなく、ME 機器の開発に

当たり、「人は過ちを犯すもの」を前提とした設計思想

の下、(1)ヒューマンエラー、(2)フェイルセーフ、(3)

フールプルーフの 3つのキーワードと使用者の負担軽

減と使い勝手を考慮し、操作ミスを起こしにくい製品

開発に取組んでいます。

また、使用者のための(1)操作マニュアルなどの作

成、(2)院内説明・勉強会、(3)中央管理や保守点検に関

する情報提供と技術指導、(4)多機種混在と老朽機器

(耐用期間超過)を安全通知対応機種への統一、メンテ

ナンス付きリースなど、課題解決の提案と支援を継続

してまいりました。

しかしながら、ポンプ単体の機能やトレーニングな

どでの投薬エラー防止には限界や未解決な課題も多

く、現在の輸液・投薬環境の変化に対応するため、欧米

ではすでに市場に導入推奨されている IT 機能を搭載

した“スマートインフュージョンシステム”を開発

しました。

II. スマートインフュージョンシステムの特徴

「テルフュージョン輸液ポンプLM型」、「テルフュー

ジョンシリンジポンプSS型」は、搭載されたIT機能を

活用し、システムで薬剤投与の安全性と使いやすさの

向上に寄与します。

一般社団法人 宮城県臨床工学技士会会誌 第 6号 2014 年 03月

商品紹介 - 7 -

III.安全性について

1. スマート輸液システム

(1) 薬剤ライブラリ:薬剤名、濃度、投与単位を登録し、

投与する薬剤を限定することで、薬剤量の設定間

違いの防止に役立ちます。

(2) 誤投与防止:薬剤毎に投与上限を設定

ソフトリミット(確認して設定可能)。

ハードリミット(上限値、設定不可)。

(3) 選択したライブラリに応じた特殊投与モードや、

スムーズなシリンジやバッグ交換を実現する連

携機能。

(4) 小数点以下二桁まで微量投与が可能(シリンジポ

ンプ)。

(5) 継続的改:CQI(Continuous Quality Improvement)

ログデータ解析ソフトによる継続的改善サポー

ト。

(6) ITシステム接続:院内システムとの連携により動

作状況のモニタリング、投与記録の転記ミスを防

ぐとともに業務の省力化にもつながります。

2. フリーフロー防止機能搭載

輸液セットを外す際のクレンメの閉め忘れによる

フリーフローを防止します。

※米国では公的保険の条件となる JC 認証においての

フリーフロー防止機能を 2003 年から JC2)が目標設定

し 2006年からは Standards(監査事項へ)。

IV. 使い勝手について

1. 配置:OPE室、ICUでのポンプの多台数使用(設置)

でのラック運用を考慮し、輸液ポンプをシリンジ

ポンプに合わせ、横型にすることで輸液ラインの

取回を改善、AC電源も集約し省スペース化と、ベ

ットサイドでの動線を確保しました。

2. 移動:ラックからラックや単独使用での着脱操作

性の向上図るため、ポンプにポールクランプを装

着したままでラックに固定できる方式を採用。ま

た、迅速な固定で好評頂いているワンタッチ方式

の新型ポールクランプを標準装備しました(スタ

ンドなどの垂直方向だけでなく、水平方向のバ

ー:Max40mmにも固定可能)。

3. 操作性:シリンジポンプも輸液ポンプも操作は共

通で、7つのボタンとダイヤルのシンプルな操作性

に加え、ビジュアルガイダンスで操作を簡単ナビ

します。

4. 視認性:離れた位置からも稼働状況(流量、薬剤名)

や警報などが確認しやすい大型カラー液晶を装備

しました。

5. 利便性:内蔵バッテリーでの動作時間は輸液ポン

プ(約 5時間)、シリンジポンプ(約 12時間)で、

検査などの移動の際も安心してご使用いただけま

す。

V. 最後に

携帯電話のスマートフォンも当初は、ビジネスマン

のスケジュール管理などの役割だけでしたが、今では

アプリケーションの多様化などにより、人々の日常生

活の中核をなす道具にまで普及しその存在感を高め

ています。

この度ご紹介させて頂きました弊社“スマートイン

フュージョンシステム”も同様に、予想される輸液・

投薬などの医療環境の変化に適応し、ポンプのトータ

ルシステムとしてのその存在感を高めることができ

るよう進化し続けていく必要があると認識しており

ます。

今後もテルモは医療の安全性、効率性を高める商品

やサービスの提供を通じ、医療の質の向上に貢献して

まいります。

参考文献等

1) 「輸液ポンプ等に関する医療事故防止対策につい

て」(平成 15 年 3 月 18 日 医薬発第 318001 号 厚

生労働省医薬局長通知) フリーフロー防止機構(AFF クリップ)

一般社団法人 宮城県臨床工学技士会会誌 第 6号 2014 年 03月

商品紹介 - 8 -

2) JC(The Joint Commission)アメリカの非営利の認

証機関(1951 年設立).アメリカ国民に提供される

医療の質の向上を図るため,病院,ナーシングホ

ーム,ホームケア等の医療プロバイダーの認証を

行っている。

販売名:テルフュージョン 輸液ポンプ LM型

医療機器承認番号:22400BZX00229 特定保守管理医療

機器

販売名:テルフュージョン シリンジポンプ SS型

医療機器承認番号:22400BZX00231 特定保守管理医療

機器

テルモ、TERUMO、テルフュージョン、ミッドプレ

スはテルモ株式会社の登録商標です。

<スマートポンプに関するお問い合わせについて>

たいへん恐縮ではございますが、商品のお問い合わ

せについては、弊社担当者に直接ご連絡いただくか、

もしくはテルモコールセンター(0120-12-8195)まで

ご連絡ください。担当者がお伺いいたします。

©テルモ株式会社 2013年 4月

12GH040

一般社団法人 宮城県臨床工学技士会会誌 第 6号 2014 年 03月

新薬紹介 - 9 -

細胞外液補充液として生理食塩液、リンゲル液及び

リンゲル液にアルカリ化剤を配合した各種のハルト

マン液(無糖あるいは糖質 5%配合)が市販されてい

る。ハルトマン液は、Na 濃度がやや低く、Mg が含ま

れていないことから、急速注入時には Naや Mgの血中

濃度低下がみられることが報告されている。 また、

糖質を含有していない製剤では内因性脂肪の異化亢

進や低血糖などが惹起される可能性があることから、

ブドウ糖やソルビトール、マルトースを配合したリン

ゲル液が開発されている。

フィジオ®140輸液は、細胞外液そのものを補充する

という本来の目的を更に追求した製剤であり、以下の

特徴を持つ。

1. ブドウ糖を 1%配合している。生体内脂肪の異化

亢進を抑制しつつ、血糖の異常上昇を惹起しにく

い 1%ブドウ糖濃度となっている。

2. 細胞外液により近づいた電解質組成である(浸透

圧比:約 1)Na濃度は 140mEq/L、また、細胞外液

補充液としては新規に Mg2mEq/L を配合し、より

生理的な組成となっている。

3. アルカリ化剤として、酢酸 Naを配合している。

4. 副作用の発現率は 1.0%(2 例/201 例)で、内訳

は ST低下 1例(0.5%)、不整脈 1例(0.5%)で

あった(承認時、1999年)。

細胞外液補充液に用いられるアルカリ化剤は、体内

で重炭酸イオンに代謝される乳酸 Na や酢酸 Na、体内

での代謝を必要としない重炭酸 Na の 3 種類があり、

乳酸 Naや酢酸 Naが一般的に用いられている。乳酸 Na

や酢酸 Na の代謝が遅延する肝機能低下時、ショック

状態による循環不全時やミトコンドリア脳筋症など

の代謝異常時では、より速やかにアルカリ化作用を示

す重炭酸リンゲル液を使用することが好ましいと考

えられている。

大塚製薬工場では、リンゲル液に体液中の重炭酸イ

オンと同成分の重炭酸 Na を配合した重炭酸リンゲル

液「ビカネイト®輸液」を開発した。

① アルカリ化剤として、代謝を介さず速やかなアル

カリ化作用を示す重炭酸イオンを用いた製剤で

ある。

② Mgの維持を目的として、Mgイオンを 2mEq/L配合

した製剤である。

③ ガスバリア性フィルムで容器を包装することで、

製剤の安定性が保持された一剤型キット製剤で

ある。

④ 臨床試験による副作用発現例数は 22 例/91 例

(24.2%)で、副作用発現件数は 48件であった。

筆者連絡先(E-mail);[email protected]

一般社団法人 宮城県臨床工学技士会会誌 第 6号 2014 年 03月

ビカネイト®輸液使用経験 - 10 -

I. 緒言

体外循環に使用する補液や薬剤には、各施設の考え

もあり多種多様な物が使用されているのが現状であ

る。当院では 1999 年の心臓血管外科開設以来体外循

環時の補液として乳酸リンゲル液のハルトマン液

pH:8-「HD」®(ニプロ株式会社:以下、ハルトマン)

を使用してきた。現在は包装材の工夫や補液製剤混合

の技術などの進歩もあり、乳酸ナトリウムや酢酸ナト

リウムの媒体を使用せずに炭酸水素ナトリウムを直

接使用し、生理的にアシドーシス補正が可能な補液製

剤が開発され、当院でも 2012年の 11月から重炭酸リ

ンゲル液のビカネイト®輸液(株式会社大塚製薬工

場:以下、ビカネイト)を体外循環用補液として使用

している。ビカネイトは他の乳酸や酢酸と違い代謝を

介さずに速やかにアルカリ化作用を示す重炭酸イオ

ン(HCO3-)を用いた製剤であり、マグネシウム(Mg)

濃度の維持を目的として、Mg イオンを 2mEq/L 配合し

た製剤である(図 1)。

図 1 ビカネイト 特徴

今回当院で従来まで使用していたハルトマン群(以

下、Har 群)とビカネイトを使用した群(以下、Bic

群)とでの電解質や炭酸水素ナトリウム(メイロン静

注 7%®、大塚製薬工場:以下メイロン)の使用量など

をレトロスペクティブに比較検討したので報告する

(表 1)。

表 1 電解質などの違い

II. 対象および方法

対象は 2011 年 2 月から 2013 年 6 月までの 12 例、

内訳は Bic 群が 6 例、Har 群が 6 例である。疾患は大

動脈弁狭窄症のみで術式は大動脈弁置換術である。補

液製剤の検討のため他の追加補液がなかった症例の

みとした(図 2、表 2)。

図 2 手術対象

一般社団法人 宮城県臨床工学技士会会誌 第 6号 2014 年 03月

ビカネイト®輸液使用経験 - 11 -

表 2 対象患者詳細

体外循環用のプライミング液としてビカネイトま

たはハルトマン 1000mL 以外は同一同量で、Mannitol

300mL、抗生剤(1g) 100mL、Heparin 5mL、5%Glucose 15mL

である(表 3)。

表 3 プライミング液

心筋保護液には全例同じ組成でミオテクター®冠血

管注(持田製薬株式会社)500mL に Aspara-K 10mL を

混合したものを用いている(表 4)。

表 4 心筋保護液電解質

検討項目は体外循環開始から 5 分、40 分、80 分、

体外循環終了直前の pH、BE、HCO3-、Ca++、を比較、最

終的な出納バランスと電解質、追加投入したメイロン

とマグネシウムの量などを比較した。測定にはラジオ

メーター社の ABL700血液ガス分析装置を使用した。

III.結果 表 5 経時変化 pH

表 6 経時変化 BE

表 7 経時変化 HCO3-

一般社団法人 宮城県臨床工学技士会会誌 第 6号 2014 年 03月

ビカネイト®輸液使用経験 - 12 -

表 8 経時変化 Ca++

表 9 Bic群バランス、CPB終了直前データ

表 10 Har群バランス、CPB終了直前データ

メイロンの使用量は Har群において多い傾向であっ

た。

IV. 考察

pH、BE、HCO3-の結果をみるとやはり HCO3-を含んで

いる Bic群において最終的な血液ガスデータで pHは

高めに、BEはアルカローシス側に、HCO3-は多く含有し

ていることがわかった。Mgに関しては Bic群にて 1例、

Har群にて 2例追加投与したが、Mg値は当院の血液分

析装置では測定できない項目であり、数値として検討

できておらず、Mgの使用は不整脈の出現により予測的

に投与したものであり両群においての比較検討は難

しいと思われた。

V. まとめ

体外循環は症例に応じて千差万別である。患者の重

症度の違いや末梢循環の違い、補液のタイミングなど

さまざまな違いで変化することが考えられる。今回の

ように一概にデータを比較しての評価はできないと

思われるが、動脈血での血液ガス分析による BE値の

推移により、メイロンの補正投与に関しては Bic群に

おいて Har群よりも少なかった。

VI. 追記

メイロンを体外循環の充填液として使用するのは、

時間経過とともに過度のアルカローシスへの変化が

懸念されるので使用の危険が取りざたされている現

在、同様に HCO3-が含まれるビカネイトを体外循環用

の充填液に使用するのも同様に変化することが危惧

される。当院の体外循環用の充填液の経時変化を示す

(表 11)。

表 11 プライミング液の経時変化

一般社団法人 宮城県臨床工学技士会会誌 第 6号 2014 年 03月

ビカネイト®輸液使用経験 - 13 -

I. 緒言

人工心肺の充填液にはこれまで乳酸リンゲル液や

酢酸リンゲル液を使用していた。今回、重炭酸リンゲ

ル液であるビカネイト®輸液(大塚製薬工場:以下、

ビカネイト)が導入され、その効果について、酢酸リ

ンゲル液であるヴィーン F®(興和株式会社:以下、ヴ

ィーン F)と比較検討したので報告する。

II. 対象

人工心肺に使用する充填液として、重炭酸リンゲル

液であるビカネイトを使用した 10 例を B 群、酢酸リ

ンゲル液であるヴィーン F を使用した 10 例を V 群と

し、2012 年 9 月から 2013 年 3 月までに施行した予定

弁置換術 20 例を対象とした。患者の性別、年齢、身

長、体重、血清クレアチニン(Cr)値、体外循環時間、

大動脈遮断時間、灌流量、最低中枢温を表 1に、両群

の症例詳細を図 1、図 2に示す。

表 1 対象

B群 V群

N数(人) 10

10

男:女 3:7 4:6

年齢(歳) 72.0±8.5 71.0±7.3

身長(cm) 155.7±7.3 155.1±6.3

体重(kg) 55.9±8.6 53.8±10.3

血清 Cr値(mg/dL) 0.78±0.23 0.71±0.13

体外循環時間(min) 124.4±21.8 142.6±27.7

大動脈遮断時間(min) 91.9±18.5 108.1±22.0

灌流量(L/min/㎡) 3.62±0.37 3.67±0.35

最低中枢温(℃) 34.1±0.5 34.5±0.6

III.方法

B群、V群における体外循環開始前、体外循環開始 5

分後、30 分後、60 分後、90 分後、離脱前、離脱後の

pH、PaCO2、BE、HCO3-、Ca2+、Lacの推移をラジオメー

ター社製血液ガス分析装置 ABL800 FLEXにて測定した。

また、人工心肺中の補液量、ECUM 量、水分バランス、

メイロン静注 7%®(大塚製薬工場:以下、メイロン)

投与量について比較検討した。数値は平均±SDで表示

し、両群の比較には Student’s t検定を用いて、p<

0.05を有意差ありとした。

図 1 B群症例詳細

一般社団法人 宮城県臨床工学技士会会誌 第 6号 2014 年 03月

ビカネイト®輸液使用経験 - 14 -

図 2 V 群症例詳細

図 3 人工心肺回路図

IV. 結果

pH は体外循環開始前 B 群 7.41±0.03、V 群 7.40±

0.03、開始 5 分後 B 群 7.43±0.02、V 群 7.43±0.04、

30 分後 B 群 7.37±0.02、V 群 7.35±0.02、60 分後 B

群 7.33±0.02、V 群 7.31±0.01、90 分後 B 群 7.32±

0.03、V群 7.30±0.02、体外循環離脱前 B群 7.32±0.03、

V 群 7.33±0.01、離脱後 B 群 7.39±0.05、V 群 7.41

±0.01となり、有意差は見られなかった(図 4)。

BE は体外循環開始前 B 群 1.80±1.32、V 群 1.21±

1.46、開始 5 分後 B 群 1.42±1.40、V 群−0.84±1.65

(P=0.037)、30分後 B群−0.75±1.22、V群−1.64±1.29、

60分 B群−2.48±1.11、V群−3.12±1.76、90分後 B群

−3.83±1.47、V 群−4.06±1.71、体外循環離脱前 B 群

−3.84±1.14、V群−3.34±0.90、離脱後 B群−2.20±1.40、

V 群−1.55±0.92 となり、体外循環開始 5 分後に V 群

で有意にアシドーシスとなった(図 4)。

図 4 pH・BEの推移

PaCO2 は体外循環開始前 B 群 41.1±5.0mmHg、V 群

41.6±3.2mmHg、開始 5分後 B群 37.8±2.8mmHg、V群

34.2±3.3mmHg(P=0.036)、30分後 B群 41.2±2.8mmHg、

B群 42.3±2.3mmHg、60分後 B群 43.8±3.4mmHg、V群

44.7±2.7mmHg、90分後 B群 42.6±2.6mmHg、V群 44.6

±1.9 mmHg、体外循環離脱前 B 群 42.1±3.3mmHg、V

群 42.0±2.9mmHg、離脱後 B 群 36.5±5.0mmHg、V 群

35.1±2.8 mmHgとなり、体外循環開始 5分後に V群で

有意に低値を示した(図 5)。

HCO3-は体外循環開始前 B 群 25.9±1.5mEq/L、V 群

25.5±1.2mEq/L、開始 5 分後 B 群 25.1±1.4mEq/L、V

群 22.6±1.3mEq/L(P=0.015)、30 分後 B 群 23.7±

1.1mEq/L、V 群 23.1±1.2mEq/L、60 分後 B 群 22.6±

1.0mEq/L、V 群 22.3±1.7mEq/L、90 分後 B 群 21.4±

0.9mEq/L、V群 21.5±1.4mEq/L、体外循環離脱前 B群

21.3±1.0mEq/L、V群 21.7±1.0mEq/L、離脱後 B群 21.9

±1.4mEq/L、V群 22.1±1.1mEq/Lとなり、体外循環開

始 5分後に V群で有意に低値を示した(図 5)。

図 5 PaCO2・HCO3 の推移

Ca2+は体外循環開始前 B群 1.06±0.05mmol/L、V 群

1.08±0.05mmol/L、開始 5分後 B群 1.05±0.03mmol/L、

V群 1.08±0.05mmol/L、30分後 B群 1.09±0.06mmol/L、

V群 1.12±0.04mmol/L、60分後 B群 1.12±0.04mmol/L、

V群 1.11±0.05mmol/L、90分後 B群 1.13±0.04mmol/L、

V 群 1.10±0.06mmol/L、体外循環離脱前 B 群 1.11±

0.04mmol/L、V群 1.07±0.07mmol/L、離脱後 B群 1.08

±0.02mmol/L、V 群 1.03±0.04mmol/L(P=0.014)と

なり、離脱時に V群で有意に低値を示した(図 6)。

Lacは体外循環開始前 B群 1.1±0.4mmol/L、V群 1.4

±0.3mmol/L、開始 5 分後 B 群 1.1±0.3mmol/L、V 群

1.4±0.5mmol/L、30 分後 B 群 1.0±0.3mmol/L、V 群

7.25

7.3

7.35

7.4

7.45

7.5

開始前 5min 30min60min90min離脱前 離脱後

pH

B

-5

-4

-3

-2

-1

0

1

2

3

4BE

B群

V群

30

32

34

36

38

40

42

44

46

48

50

開始前 5min 30min60min90min離脱前 離脱後

PaCO2

B

(mmHg)

20

21

22

23

24

25

26

27

28

開始前 5min 30min60min90min離脱前 離脱後

HCO3

B

(mEq/L

一般社団法人 宮城県臨床工学技士会会誌 第 6号 2014 年 03月

ビカネイト®輸液使用経験 - 15 -

1.3±0.4mmol/L、60分後 1.1±0.3mmol/L、V群 1.1±

0.4mmol/L、90 分後 B 群 1.2±0.3mmol/L、V 群 1.1±

0.3mmol/L、体外循環離脱前 B 群 1.3±0.3mmol/L、V

群 1.3±0.4mmol/L、離脱後 B群 1.7±0.8mmol/L、V群

1.3±0.4mmol/Lとなり、有意差は見られず充填液の種

類の違いで影響を受けない結果となった(図 6)。

図 6 Ca2+・Lacの推移

人工心肺中の補液量は B群 2555±1421mL、V群 2845

±1398mLとなった(図 7)。ECUM量は B群 2650±985mL、

V群 3630±2008mLとなった(図 8)。水分バランスは B

群 1167±1248mL、V群 1001±839mL となった(図 9)。

メイロン投与量は人工心肺中 B群 35±42mL、V群 100

±48mL(P=0.015)となり B 群で有意に少量であった

(図 10)。離脱後のメイロン投与量に有意差は見られ

なかった(図 10)。

図 7 人工心肺中の補液量

図 8 人工心肺中の ECUM量

図 9 人工心肺中の水分バランス

図 10 メイロン投与量

0

20

40

60

80

100

120

140

160

人工心肺中 離脱後

メイロン投与量

B群

V群

(ml)

*P<0.05

1

1.05

1.1

1.15

1.2Ca2+

B

(mmol/L)

0.5

0.7

0.9

1.1

1.3

1.5

1.7

1.9

2.1

開始前 5min 30min60min90min離脱前 離脱後

Lac

B

(mmol/L

0

500

1000

1500

2000

2500

3000

3500

4000

4500

B群 V群

補液量

(ml) n.s

.

0

1000

2000

3000

4000

5000

6000

B群 V群

ECUM量 (ml)

n.s.

0

500

1000

1500

2000

2500

B群 V群

水分バランス (ml)

n.s

.

n.s.

一般社団法人 宮城県臨床工学技士会会誌 第 6号 2014 年 03月

ビカネイト®輸液使用経験 - 16 -

V. 考察

人工心肺開始 5分後に V群がアシドーシスになった

原因として、重炭酸は代謝を介さずに速やかにアルカ

リ化作用を示すのに対し、酢酸は肝臓や骨格筋などで

代謝を介して重炭酸イオンを産生するため、アルカリ

化作用に時間を要したと考える。メイロン投与量は B

群で少なく重炭酸リンゲル液による代謝性アシドー

シスの補正効果が期待できるが、体外循環におけるア

シドーシスを完全に補正することは困難であり、十分

な灌流量の維持やメイロン投与などの代謝性アシド

ーシス補正への対応が重要であることに変わりはな

い。アシドーシス補正の判断は人工心肺操作者や麻酔

科医により異なるため、メイロン投与量に影響がある

と思われる。また、血中重炭酸塩増加、過剰塩基増加

などの副作用の有無や充填液が過度のアルカローシ

スになっていないか JaSECT 安全対策委員会からの対

策に従い体外循環開始直前の充填液の pH を測定する

ことが大切である。

重炭酸が末梢での CO2 の排泄量を増加させることに

より人工心肺中の PaCO2 を上昇させる可能性や、今回

の検討では、Ca2+はむしろ V 群で有意に低値を示す結

果となったが、重炭酸リンゲル液を大量に使用した場

合ではクエン酸ナトリウムがカルシウムの濃度を低

下させ、血圧の低下や出血量に影響を与える可能性も

考えられた。また、手術時に低下すると報告のあるマ

グネシウム濃度の維持を目的としてマグネシウムイ

オンが配合されているが、その効果やマグネシウム製

剤の使用量など今後検討を重ねる必要がある。

Ⅵ.結語

重炭酸リンゲル液であるビカネイトの効果につい

て、酢酸リンゲル液であるヴィーン Fと比較検討を行

った。重炭酸リンゲル液は、人工心肺中のメイロン投

与量は有意に少なく、代謝性アシドーシスの補正には

有用であると考えられた。

一般社団法人 宮城県臨床工学技士会会誌 第 6号 2014 年 03月

教育講演 Ⅰ - 17 -

1965 年わが国初めての国産透析液「人工腎臓潅流原

液“フソー”」が販売されました。

この透析液は現在広く用いられている重炭酸型の

透析液ですが、現在の剤型や希釈方式とは異なり、

500mLバイアル瓶入りの A液と B液を、炭酸ガスをバブ

リングした水道水や井戸水で 10 倍に希釈し、乳酸を

滴下し pH を調節して使用していました。この透析液

の Ca 濃度は 2.7mEq/L と扶桑薬品工業が 2011 年 3 月

に発売したキンダリー透析剤 4 号と近似しています。

しかし当時は水道水や井戸水で透析液を希釈して

いたため、水由来の Ca を考慮する必要があり、実際

には希釈調整された透析液 Ca 濃度は、3.0mEq/L~

3.5mEq/L程度であったと推測されます(図 1)。

図 1 人工腎臓潅流原液“フソー”

1969 年から 1970 年にアルカリ化剤を重炭酸から酢

酸に変えた透析液が次々と発売され、透析治療が広ま

りました。酢酸型透析液は炭酸ガスのバブリング操作

が必要なく、Ca塩析出を心配する必要のない 1剤型の

濃縮型透析液でした。透析液 Ca濃度は 2.5mEq/Lとな

っていましたが、この時期もまだ、水由来の Ca を考

慮する必要があり、希釈調整後透析液 Ca 濃度は

3.0mEq/L~3.5mEq/L程度であったと推測されます(図

2)。

図 2 カルシウム濃度の変遷(1)

当初、透析患者さんは一般的には Caは負のバランス

と考えられており、この状態を改善するために、透析

液から Ca を補給するという考え方でした。その後、

水処理の技術向上などで、希釈水由来の Ca の影響が

なくなったため、透析液そのものの Ca 濃度を高くす

る必要があり、1970年代後半、透析液 Ca濃度 3.0mEq/L

~3.75mEq/Lの透析液が発売されました。

1980年代になると、再び重炭酸型透析液が登場。そ

の時の透析液 Ca 濃度は 3.0mEq/L と 3.5mEq/L の 2

種類でした。1981年に活性型ビタミン D製剤が発売さ

れ消化管からの Ca 吸収が改善され、透析液から積極

的に Ca を付加する必要がなくなり、透析液 Ca 濃度

3.5mEq/Lや 3.75mEq/Lの透析液の必要性は少なくなり、

透析液 Ca濃度は 3.0mEq/Lが主流となりました(図 3)。

1980年代後半、活性型ビタミン D製剤の大量間欠投

与(パルス療法)が行われ、また 1992年リン吸着薬

として使用されていたアルミニウム製剤が脳や骨へ

の蓄積問題により投与中止となり、代替医薬品として

炭酸 Caが使用されることになったことで、透析患者

への Ca負荷の問題が出てきました。そこで医療機関

からもう少し Ca濃度の低い透析液が必要であるとの

要望があり、1993年透析液 Ca濃度 2.5mEq/Lのキンダ

リー液 AF3号シリーズが発売されました。

一般社団法人 宮城県臨床工学技士会会誌 第 6号 2014 年 03月

教育講演 Ⅰ - 18 -

その後 2000 年には注射用活性型ビタミン D 製剤、

2003年には新しいリン吸着薬(塩酸セベラマー)が発

売され、2008年には新しいリン吸着薬(炭酸ランタン)、

また 2008年には二次性副甲状腺機能亢進症治療薬(シ

ナカルセト塩酸塩)の発売と、血清 P・Caを取巻く様々

な薬剤が登場しましたが、2011 年 3 月までは透析液

Ca濃度 2.5mEq/Lと 3.0mEq/Lの 2種類の透析液しかあ

りませんでした(図 4)。

図 3 カルシウム濃度の変遷(2)

図 4 カルシウム濃度の再考

そこで、透析液 Ca 濃度 0.5mEq/L の差は大きいのか

どうかを検証するため、透析液 Ca 濃度 3.0mEq/L の透

析液キンダリーAF2 号透析液と Ca 濃度 2.5mEq/L のキ

ンダリー3D号のクロスオーバー法による 2群比較試験

を行いました。すると両製剤間において透析前値では、

有意差がありませんでした。しかし透析液 Ca 濃度

2.5mEq/L と 3.0mEq/L の差が透析後値に現れました。

AF2 号使用期では透析前値に対する後値の変動が大き

く、有意に上昇しました。3D 使用期では透析前後で変

動が少なく推移しました(図 5)。

図 5 透析前後の血清カルシウム、リン値の変化

次に P・Ca管理についての重要性ですが、腎機能が低

下すると、活性化ビタミン D の産生障害がおこり、ま

た Pの排泄機能が低下します。このため、腎臓病は体内

の Pと Caに影響を及ぼします。まず、血清 Ca値が低く

なると、PTH が上昇します。それが進行すると二次性副

甲状腺機能亢進症を呈します。この二次性副甲状腺機

能亢進症になると、骨から Ca を補うため、骨がどん

どん脆くなり、繊維性骨炎を呈します。あるいは血清

P 値が高くなり、活性化ビタミン D 産生が低下すると

本来のリン酸カルシウムという形の強固な骨を作れ

ない状態となり、骨軟化症という病態にもなります。

つまり、腎機能低下すると骨に影響するということ

が、透析患者の大きな特徴の一つです。これらを今ま

では、総称して『腎性骨異栄養症』と呼んでいました

が、現在では骨だけの問題ではなく、生命予後などに

も関わるため全身性疾患としてとらえた CKD-MBD(慢

性腎臓病に伴う骨ミネラル代謝異常)という概念で考

えられています。また透析患者については腎不全にな

り、腎性骨異栄養症になって異所性石灰化が起こると

いう問題がクローズアップされています。『異所』、つ

まり『別のところ』で石灰化が起こることにより動脈

硬化や心血管系合併症が発症してしまうという問題

です。これらは QOLの低下や生命予後への影響を及ぼ

します。また、最近の話題として、FGF23 があります

が、これは骨から分泌される P排泄を促すホルモンで、

P 値が高くなるとこの FGF23 値も高くなります。腎不

全患者においては P 排泄機能が著しく低下している、

あるいは全くないため、FGF23 が腎機能評価の指標に

なり得ます(図 6)。

一般社団法人 宮城県臨床工学技士会会誌 第 6号 2014 年 03月

教育講演 Ⅰ - 19 -

図 6 腎臓と骨との関係

前述しましたが、CKD-MBD の治療戦略としてさまざ

まな薬剤が出てきています。炭酸カルシウムや塩酸セ

ベラマー、炭酸ランタン、活性型ビタミン Dの内服薬

や静注製剤がでてきてシナカルセト製剤も登場しま

した。Caが負荷されるものや負荷されないもの、作用

機序が異なるなどバラエティに富んだ内用剤、注射剤

が登場してきているのに対し、透析液の Ca濃度は 2011

年 3月までは 2.5mEq/Lと 3.0mEq/Lの大きく 2剤しか

ありませんでした。そこで、透析液の選択肢を増やす

という考えで、キンダリー4 号シリーズの開発を行い

ました(図 7)。

図 7 調整後の糖・電解質能濃度

キンダリー透析剤 4 号シリーズは 2 号シリーズと 3

号シリーズを 1対 1の比率でブレンドし半分にした処

方で Ca濃度 2.75mEq/L、重炭酸濃度 27.5mEq/L、ブド

ウ糖濃度 125mg/dL となっています。キンダリー透析

剤 4 号の第Ⅲ相臨床試験において、透析液 Ca 濃度

2.75mEq/L 群は、透析液 Ca 濃度 3.0mEq/L 群(対照キ

ンダリー2E)と比べ、透析後の Caの上昇がわずかで、

透析前後の Ca変動が小さいという推移を示しました。

また重炭酸濃度 27.5mEq/L 群と 30.0mEq/L 群を比

べると透析前値はともに約 21mEq/Lとなり、透析後値

では 27.5mEq/L群が 25mEq/Lと 30.0mEq/L群に対し約

1mEq/Lほど低くなっています。ブドウ糖濃度 125mg/dL

群と 100mg/dL 群を比べると、有意差はないものの

125mg/dL 群で変動が少なく見えます。透析液 Ca 濃度

3.0mEq/L では、十分な炭酸 Ca 製剤やビタミン D 製剤

が使用しづらく、また透析液 Ca濃度 2.5mEq/Lでは Ca

バランスがマイナスになりやすく、二次性副甲状腺機

能亢進症悪化の可能性が考えられます。

比較的 Ca バランスの変動が小さいキンダリー透析

剤 4号シリーズは使用しやすい透析液ではないかと考

えております。透析液組成のなかで Ca 濃度は、時代

や、技術、様々な薬剤など環境により大きく変化して

きました。透析液組成はこれからも医療技術の進歩や

新しい薬剤の登場により変化していくことと思って

おります(図 8)。

図 8 キンダリー透析剤シリーズ一覧表

扶桑薬品工業株式会社営業本部 営業学術部

課長代理 中尾弘和

〒536-8523 大阪市城東区森之宮二丁目 3番 11号

TEL:06(6969)1131 FAX:06(6969)2341

E-mail:[email protected]

一般社団法人 宮城県臨床工学技士会会誌 第 6号 2014 年 03月

教育講演 Ⅱ - 20 -

I. 透析膜の変遷

Thomas Grahamが 1854年に「膜を介する溶質の除去

現象」を発見してから後、透析の臨床応用への研究が

始まったとされている 1)。その後、数々の動物実験、

抗凝固剤の研究などを経て、現在の人工腎臓システム

が確立されてきた。今から 50~70 年ほど前に臨床使

用された人工腎臓は現在のものに比べると非常に大

きく、救命実績は得られたものの、実用性に乏しかっ

たものと推察される。現在の主流となっている中空糸

型ダイアライザは、1970年代になってから普及し、国

内メーカーも各社相次いで開発を進めてきた 2)。生体

適合性の面から天然高分子(セルロース)系よりも合

成高分子系の方が良好であるとされ、現在は、7種類

の合成高分子透析膜が人工腎臓に適応されている 3)。

II. PMMA 膜に期待される臨床改善効果と抗血栓性向

上への取り組み

PMMA(ポリメチルメタクリレート)膜ダイアライザ

は、合成高分子中空糸膜としては世界初の製品であり、

現存する国内産ダイアライザの中ではもっとも古い

製品でもある 2)。35年の使用実績を有するダイアライ

ザであるが、今もなお、需要が高い理由としては、そ

のユニークな溶質除去特性と高い生体適合性を有し

ていることが一因であろう。ダイアライザは、一般に、

拡散と濾過の原理で血液中の尿毒性物質を除去する

ものとされるが、PMMA膜ダイアライザは、拡散と濾過

に加えて、吸着によっても血液中の尿毒性物質を除去

することができる 4)。透析患者の血液には、拡散・濾

過だけでは除去できない物質も蓄積されていること

が知られており、より広範囲の物質除去が必要となる

と、このような吸着特性を有する膜が有用である。ま

た、PMMA膜は、親水性ポリマーを有しない合成高分子

透析膜でもあり、生体適合性において、その有用性が

期待される。実際、これまでに、PMMA膜を使用するこ

とによって、さまざまな臨床改善効果が報告されてい

る。透析掻痒感、栄養障害など、透析患者が抱える種々

の不定愁訴に対しての有用性が上げられており、これ

らの臨床改善効果が学会にも認知され、本年の透析会

誌(2013年 5月号)において、学会新機能分類「S型」

に認定された 5)。

このユニークな PMMA 膜ダイアライザであるが、他

の合成高分子中空糸膜に比較し、抗血栓性の面でやや

劣るということが指摘されてきた。そういった経緯の

下、従来の PMMA 膜と同様のタンパク質吸着能を保持

し、かつ、抗血栓性を向上させた新型 PMMA 膜の開発

にチャレンジした。開発コンセプトとして、中空糸膜

に吸着するタンパク質構造を制御すべく、膜表面に存

在する吸着水に着目した膜表面の改質を行った(図 1)。

図 1 新型 PMMA膜の開発コンセプト

具体的には BG タイプの中空糸膜をベースとし、陰

性荷電をやや中性よりにシフトさせることで、その制

御を達成している(図 2)。この新型 PMMA 膜は、従来

の BG タイプに比較して、血小板付着レベルが 1/100

に抑制され、タンパク質吸着能は同レベルを保持して

いることが in vitro評価で確認されている(図 3)。

一般社団法人 宮城県臨床工学技士会会誌 第 6号 2014 年 03月

教育講演 Ⅱ - 21 -

図 2 膜表面荷電と吸着水構造

図 3 新型 PMMA 膜の血小板付着性とタンパク質吸着性

III.更なる血液適合性を追求した

ポリスルホン膜“NV”の臨床改善効果

ポリスルホン膜はシャープな分画特性を有するこ

とを特徴としており、国内外で最も使用されている透

析膜である。これまでのポリスルホン膜は、その高い

溶質除去特性と合成高分子膜としての生体適合性の

良さから幅広い症例に使われてきたと推察されるが、

この膜を用いて血液透析を行うことにより、透析患者

の血小板数が減少するようなケースも散見される 6)。

そのような事例を踏まえ、更なる血液適合性を高め

たポリスルホン膜として、“NV”膜を開発した。この

“NV”膜は、従来使用されてきた親水性ポリマー、ポ

リビニルピロリドン(PVP)に加えて、極微量の添加

で大幅な親水性向上が見込まれる新規“NV”ポリマー

を採用したのが特徴である 7)。

実際、この“NV”膜を使用することによって、血小

板の活性化が抑制され、中長期使用下での血小板数上

昇や PDMP(血小板由来マイクロパーティクル)の血中

濃度が低く抑えられる報告もある 8),9)。また、従来タ

イプのポリスルホン膜からの変更で、血圧低下の軽減

が認められたとの報告もあり 10)、より使いやすいポリ

スルホン膜ダイアライザであると考えられる。

IV. まとめ

人工腎臓用の透析膜として、これまでいろいろなタ

イプのものが開発され、その進化を遂げてきた。現在

の中空糸型ダイアライザの中にもさまざまな種類が

存在し、それぞれの特徴を踏まえて膜選択することが

望まれる。

参考文献

1) 酒井清孝,Ⅲ透析膜 ①膜分離の基礎.わかりやす

い透析工学-血液浄化療法の科学的基礎:17-23

(2012)

2) 堀井秀夫,医療機器今昔物語-人工腎臓の巻.医

器工ニュース(No.37号):26-31(2012)

3) 石崎直人,川崎忠行,第Ⅰ章 血液浄化器 2.透

析器.臨床透析[6月増刊号]Vol.29 No.7:751-767

(2013)

4) 板垣一郎,Ⅲ透析膜 ②膜分離の種類と特徴 D.

PMMA(polymethylmethacrylate)膜.わかりやす

い透析工学-血液浄化療法の科学的基礎:42-46

(2012)

5) 川西秀樹ら,血液浄化器(中空糸型)の機能分類

2013.透析会誌 46(5):501~506(2013)

6) 申曽洙ら,PS膜透析器との関連が危惧される病態

について.HPM2007:275-279(2007)

7) 上野良之ら,新規ポリマーを用いた抗血栓性血液

透析膜の開発.人工臓器 40巻:44-45,(2011).

8) 小野猛ら,東レ社製ダイアライザ「NV-16U」の性

能評価.HPM2012:103-106(2012)

9) 中原毅ら,東レ社製ポリスルホン膜ダイアライザ

NV シリーズにおける抗血栓性の評価.HPM2012:

55-57(2012)

10) 三宅智紀ら,トレライトNVが透析中の血圧に及

ぼす影響.HPM2012:51-54(2012)

一般社団法人 宮城県臨床工学技士会会誌 第 6号 2014 年 03月

話題提供 - 22 -

I. はじめに

医療機関においてはさまざまな問題を抱える患者

の増加に伴い、安全面を強化し省力化をはかることは

現在の課題のひとつである。近年、生理食塩液の代わ

りに透析液を用い主要な操作を自動化した透析装置

(以下、全自動透析装置)が一般的になり、これらの

課題解決の選択肢のひとつとなっている。全自動透析

装置は、主要な操作を自動化しているため透析操作の

標準化を行うことができ安全性の向上と省力化をは

かることが可能となるため、全自動透析装置の導入は

現状最も有効な手段であり最良の選択肢と考えられ

る。

弊社は、生理食塩液の代わりに逆濾過透析液を使用

する全自動透析装置を 2005 年から販売を開始してお

り、特長としてプライミング、脱血、補液、返血、抜

液の自動化、オンライン血液透析濾過(オンライン HDF)

の定圧濾過、間歇補充型血液濾過透析(I-HDF)に対

応しているなどがあげられる。

JMS全自動透析装置 GC-110N

II. JMS全自動透析装置 GC-110Nの自動機能について

1. 自動プライミング

血液回路をループ形状にして装置にセットする.逆

濾過透析液を使用するため、あらかじめカプラもダイ

アライザにセットする。装置が準備完了すると血液ポ

ンプと除水ポンプを連動制御させ 4L の逆濾過透析液

を使用し 10分間でプライミングを完了する。

2. 自動脱血機能

患者へ穿刺後、血液回路の動静脈ラインを穿刺針と

接続し、スイッチ操作を行うことで脱血が開始される。

血液ポンプと除水ポンプを連動制御させ動静脈同時

に脱血を行い脱血が完了すると自動的に透析工程に

移行する。

3. 急速補液機能

透析中、患者の血圧低下などで緊急的に補液を行う

場合、スイッチ操作を行うことで血液ポンプと除水ポ

ンプを連動制御させ設定した量の逆濾過透析液がダ

イアライザを介し血液側へ注入され補液が開始され

る。設定量の補液が完了すると自動的に透析工程へ戻

り治療を継続する。

4. 自動返血機能

除水および透析が完了の条件が揃うことで、血液ポ

ンプと除水ポンプを連動制御させ逆濾過透析液がダ

イアライザを介し血液側へ流入し自動的に返血が開

始される。設定した返血量に達すると返血は自動的に

完了する。

5. 抜液機能

透析終了後,血液回路やダイアライザ内に残った液

をスイッチ操作のみで自動的に回収し内部を空に近

い状態にする。廃棄時の取り扱いを容易にすると同時

に廃棄物を軽量化し廃棄コストの削減に貢献する。

II. オンライン HDF機能

オンライン HDFは清浄化された透析液を置換液とし

て使用し、直接血液回路内に注入する療法である。前

希釈と後希釈の方法があるが、国内のオンライン HDF

では前希釈が主流となっている。オンライン HDFの特

一般社団法人 宮城県臨床工学技士会会誌 第 6号 2014 年 03月

話題提供 - 23 -

長は大量置換を安全かつ簡便に行えることであり、前

希釈は 60~90L、後希釈では 15~20L程度行われる。

オンライン HDFは定速濾過法が一般的であるが、過

度な濾過速度の設定により高圧濾過なるとアルブミ

ンのリークや膜劣化が早期に発生し総濾過量が低下

し目的の効果が得られないことがある。一方、定圧濾

過法は装置側にあらかじめ目的となる TMP値を設定す

ることで、設定した TMP値付近で濾過速度を自動制御

する機能である。最適な TMP値で濾過速度を制御する

ことで安定的に最適な濾過量を得ることができ、高圧

濾過による過大なアルブミンリークや透析膜の早期

の劣化を防止し、最大限の濾過量を得ることが可能で

ある。

III.HDF機能

弊社は 2006 年から I-HDF に関する研究の取り組み

を開始し、2008年から I-HDFの基本機能である計画補

液機能を搭載した透析装置を市場へ投入した。2010年

には計画補液機能を見直し更に機能を向上させ、呼称

も I-HDF に変更し現在に至っている。I-HDF 機能は透

析中、間歇的に逆濾過透析液を注入することでできる

だけ愁訴のない透析を施行することを目的としてお

り、血圧低下の防止や透析膜の洗浄効果によるクリア

ランス向上などに期待される機能である。動作は急速

補液と同様であるが、I-HDF 機能はあらかじめ設定し

た逆濾過量と時間間隔で自動的に逆濾過透析液の注

入を行う。注入された逆濾過透析は、透析時間内に自

動回収されるため煩雑な計算や設定などは必要なく、

安全に簡便に I-HDF療法を行うことができる。

また、膜劣化が早期に発生する透析膜においては、

クリアランスの改善は顕著であり I-HDF機能と組み合

わせることで透析膜の性能を効果的に発揮できるも

のと考えられる。

IV. まとめ

GC-110N は、基本的な透析操作(プライミング,脱

血、補液、返血)を自動化することで複雑な操作が不

要となりヒューマンエラーの減少に貢献でき安全性

を確保し安定的な操作が可能となるだけでなく、使用

材料の削減による省力化と経済効果に対し貢献でき

る。

スタッフの教育においては、操作が簡便なため従来

よりも期間の短縮が望め昨今のスタッフ不足に対し

有効な対策を行うことが可能となる。

全自動機能を搭載した透析装置の普及は徐々に進

んでおり、医療事故や感染事故の低減などに対し期待

ができる。

弊社は今後も操作性や安全性を向上させつつ経済

性、環境性を追求した装置の開発、改良を行い質の高

い医療の提供に貢献したいと考える。

参考文献

1) 江口 圭,ほか:逆濾過透析液を利用した自動モ

ードによる間歇補液血液透析(intermittent

infusion HD)の考案とその臨床評価(他施設共

同研究報告).透析会誌.42(9);695~703,2009.

2) 江口 圭,ほか:間歇補液(Intermittent infusion)

HD のプログラム化とその臨床効果.腎と透

析.Vol.67 別冊 HDF療法’09;155~158.

3) 宮崎美和,福田誠,上住敏士,ほか:JMS社全自動透

析用コンソールを用いた透析モードの違いによ

る内部ろ過促進型 APSダイアライザーの溶質除去

量の検討.第 21 回ハイパフォーマンス・メンブ

レン研究会(2006.3.11)発表データより

一般社団法人 宮城県臨床工学技士会会誌 第 6号 2014 年 03月

第7回勉強会 プログラム - 24 -

日時:平成 25 年 10 月 06 日(日)

場所:ホテルメトロポリタン仙台

午前の部

講演Ⅰ 「透析用コンソールの自動化・高機能化」

座長:菊地芽久美(公立刈田綜合病院)

木幡宏実 (仙台社会保険病院)

1. ニプロ株式会社 国内事業部医療器械開発営業部 三橋 真

2. 日機装株式会社 メディカル事業部推進部 田中 剛

3. 東レ・メディカル株式会社 透析事業本部企画学術部 高橋宏次

4. 株式会社ジェイ・エム・エス 第二営業部血液透析システム課 前田成臣

午後の部

演題Ⅰ

座長:滝口尚子(西多賀病院)

中村恵子(仙台循環器病センター)

① 呼吸ケアサポートチーム発足、当院はどうする?

総合南東北病院 臨床工学科 狩野真一

② ネーザルハイフローの有用性について

東北大学病院 診療技術部臨床工学部門 桑島千夏

③ 体外循環中に寒冷凝集反応を疑った一例

仙台市医療センター 仙台オープン病院 臨床工学室 富田元沖

④ テルモ社製パルスオキシメータに生じた不具合について

仙台市医療センター 仙台オープン病院 臨床工学室 宮本美有希

一般社団法人 宮城県臨床工学技士会会誌 第 6号 2014 年 03月

第7回勉強会 プログラム - 25 -

演題Ⅱ

座長:佐藤 忍(富谷中央病院)

大槻 剛(緑の里クリニック)

⑤ 基幹電子カルテ内透析部門システムと多機種コンソールの連携

大崎市民病院 臨床工学科 鈴木 芳

⑥ マキシフラック MFX21-Ueco の前希釈 on-line HDF における検討

台原内科クリニック 引地 誠

⑦ Microsoft Office Access を用いた透析管理システム

中新田クリニック 市川貴史

⑧ キンダリー4E の使用経験―12 ヶ月―

庄司クリニック 鈴木美里

トピックス 司会:浅沼貴之(かわせみクリニック)

オーバーナイト透析における EVAL 膜の使用経験

堀田 修クリニック 吉川 誠

第 23 回日本臨床工学会 優秀発表彰および若手奨励賞受賞記念

① 地震対策としての固定具の開発と検証

―地震体験車による耐久性検証と様々な機器の固定を検証するー

仙台社会保険病院 臨床工学部 佐藤尚也

② 稼働時間を利用した輸液ポンプの稼働率管理方法に関する検討

仙台医療センター 臨床工学室 松田恵介

※ 講演Ⅰ 「透析用コンソールの自動化・高機能化」株式会社ジェイ・エム・エスは第 6 回勉強会 話題提供と同

様の内容のため、掲載しておりません。

※ 「オーバーナイト透析における EVAL 膜の使用経験」 吉川 誠(堀田 修クリニック)は都合により次号へ掲載

予定です。

※ 「稼働時間を利用した輸液ポンプの稼働率管理方法に関する検討」 松田恵介(仙台医療センター)は他誌への

掲載予定のため、今回、掲載は見合わせました。

一般社団法人 宮城県臨床工学技士会会誌 第 6号 2014 年 03月

講演 Ⅰ - 26 -

I. 緒言

ニプロ社製透析監視用装置 NCV-2(図 1)は透析液

による「全自動返血機構」と「自動プライミング機構」

を装備し、オンライン HDF治療にも対応した装置であ

る。当装置の特徴を紹介すると同時に「オンラインで

の自動化」がもたらす効果について考察する。

図 1 透析監視用装置 NCV-2

II. 開発のコンセプト

装置として透析業務に貢献できるポイントとして

以下の 4点をコンセプトとして挙げた。

1. 清浄化

2. 適正透析

3. 高機能

4. 自動化

これらを実現することで、よりレベルの高い治療が行

え、かつ、スタッフが看護に注力する時間を増やすこ

とができると考える。

III.装置の特長

NCV-2 の特徴として、各コンセプトを実現するため

の機能をそれぞれ紹介する。

1. 清浄化については、カプラを直接熱する「ヒート

ピュアカプラ」、オンライン補充液を採取する「採

液ポート」、プライミング余液を排出する「排液ポ

ート」を搭載し、両ポートとも、洗浄時に接続口

を自動で丸洗いすることができるようになってい

る。またクエン酸にも対応した「全自動熱水消毒

システム」を有している。

2. 適正透析については、血液流量、透析液流量、補

液流量、除水速度、高 Na注入量の計 5つの項目を

自在に組み合わせできる「透析プログラム」を有

し、血流に応じた自動透析流量設定も可能である。

3. 高機能については、透析液流量最大 800mL/分、補

液流量最大 500mL/分まで可能な仕様となっており、

大量液置換を実施した場合でも透析液流量を確保

できるため、拡散効率を低下させない治療が可能

である。それらを実現できるのも「VCS(ビスカス

コントロールシステム)」という当社の誇る高精度、

高耐久性を持つ除水制御機構があることにより安

全に治療ができると考える。

4. 自動化については、透析液による「自動プライミ

ング」と「自動返血機能」により、材料費と労力

の削減ができる。またワンボタン操作で行える「自

動脱血機能」と「緊急補液機能」が加わることに

より、スタッフの作業の標準化と、標準化するこ

とによる安全性の向上が期待できる。

IV. 他装置との連動

当社では RO 水の更なる水質向上のため、RO 装置の

熱水消毒を推奨している。熱水消毒の特長として直接

接液しない配管部まで熱伝導により消毒できること

であり、このことにより、デットスペースをなくし確

実な消毒が可能となる。

ニプロ RO装置「W-RO ×ECO Ao」で作成した熱水は、

透析液供給装置「NCS-V」と連動し、自動的に NCV-2

まで、容易かつ安全に送液され、そのラインは確実な

熱水消毒を行うことができる(図 2)。また、本システ

一般社団法人 宮城県臨床工学技士会会誌 第 6号 2014 年 03月

講演 Ⅰ - 27 -

ムでは、熱水を排液する際、水で希釈冷却する機構を

設けており、従来の非耐熱である排液管の施設でも導

入可能である。

透析液供給装置「NCS-V」との信号接続により、洗

浄/準備動作・警報動作などの連携ができる。これら

の信号連動により、安全かつ確実に熱水を含めた洗浄

が可能となった。

図 2 他装置との連動

V. まとめ

ニプロ社製透析監視用装置 NCV-2は、VCSを始め自動

プライミングや自動返血など、従来機 NCV-1の高い基

本性能を引き継ぎつつ、オンラインにも対応した高性

能装置である。また清浄化対策としても熱水消毒など

多くの機能を有し、安心・安全な透析治療を提供でき

る装置となっている。

ニプロは透析システムの開発コンセプトに「自動化

によるヒューマンエラーの削減」「作業の標準化によ

るコストの削減」「多様化する治療法への対応」「徹底

したデータ管理」を掲げ、患者の QOL向上、施設経営

への貢献に誠意努力していく。

一般社団法人 宮城県臨床工学技士会会誌 第 6号 2014 年 03月

講演 Ⅰ - 28 -

I. はじめに

近年、透析患者の高齢化と合併症の増加に伴い、透

析業務は患者ケアの時間が以前に増して必要とする

ようになってきている。そのため、透析装置は自動化

の機能を搭載し煩雑な業務をサポートする機能や、適

切なドライウェイト設定、透析量の指標となるモニタ

リング技術が求められるようになった。今回、自動化

とモニタリング機能に主眼をおいた最新の情報を紹

介したい。

II. 透析装置の自動化

当 社 は 省 力 化 に 寄 与 す る 機 能 と し て 、

D-FAS(Dialysis Full Assist System)を搭載した透析

装置の発売を 2009 年より行っている。また、2011 年

には「HYBRID D-FAS」機能を内蔵した多用途透析用監

視装置 DCS-100NX(図 1)を上市(じょうし)した。

この装置の最大の特長は、オンライン HDF治療を可

能とし、操作性・メンテナンス性両面での省力化を図

ったところにある。

HYBRID D-FAS の HYBRID とは、プライミングの際、

従来の生理食塩液に加え、透析液も選択可能としたこ

とを意味している。D-FAS とは、患者入室から治療開

始までと、透析終了から次の準備に透析スタッフの業

務負荷を軽減するため、「プライミング」、「脱血」、「緊

急補液」「返血」の 4 つの工程をアシストし、患者へ

のケアを充実させるなど、より質の高い治療に寄与し

ている。また、人が行う操作を減らすことによりヒュ

ーマンエラー防止につながり、手技の統一化や安全性

の向上、経済性の向上にも寄与している。

III.モニタリング機能について

1. ブラッドボリューム計(BV計)

BV計(図 2参照)は、透析中の急激な血圧低下を防止

するなどのために開発され、その後 BV 計の技術を応

用して、バスキュラーアクセス再循環率測定の機能が

追加された。これらのモニタリング技術を活用するこ

とで、ドライウェイトの適正管理や、バスキュラーア

クセス再循環を発見することが可能となった。

BV計の原理は、血液回路に近赤外光を照射して、そ

の反射光の強度を測定することにより、非侵襲的に⊿

BVを算出するものである。

モニタ開始時点を基準とした相対値である変化率

(⊿BV[%])としてモニタする。

図 1 多用途透析用監視装置 DCS-100NX

図 2 BV 計

一般社団法人 宮城県臨床工学技士会会誌 第 6号 2014 年 03月

講演 Ⅰ - 29 -

2. バスキュラーアクセス(VA)再循環率測定

BV 計には動脈側と静脈側の 2 つのセンサを装備し、

VA再循環率を測定する。穿刺状態の把握や、日常的な

VAの管理に活用することが可能である。この測定は下

記原理で行われている(図 3)。

1. 短時間、早い除水を行い、血液マーカを付与。

2. 血液マーカを静脈側 BV計で測定。

3. 再循環して動脈側に戻ってきた血液マーカを、動

脈側 BVで測定。

4. 静脈側マーカと動脈側マーカの比から、再循環率

を算出。

図 3 VA再循環率測定原理

3. プラズマリフィリングレート(PRR)

PRR 表示機能は BV 計を使用して、BV の変化と前体

重から間接的に PRRを算出して表示する機能となって

いる。除水速度を決定するための指標として利用する

ことが可能である(図 4)。

図 4 PRP表示

4. 透析量モニタ(DDM)

2013年 4月より、個人用多用途透析装置 DBB-100NX

を上市した(図 5)。この装置は、DCS-100NX 同様の機

能を持った個人用多用途透析装置であるとともに、新

たなモニタリング機能として、透析量モニタ(DDM:

Dialysis Dose Monitor)を搭載している。

図 5 個人用多用途透析装置 DBB-100NX

DDM(図 6)は、透析液排液中の組成変化を光学的に測

定し、吸光度変化から Kt/V(標準化透析量)と URR(尿

素除去率)を算出する機能である。

図 6 透析量モニタ

透析装置のディスプレイには、Kt/Vと URRがリアル

タイムで表示され、透析中は常にデータを確認するこ

とができる(図 7)。

一般社団法人 宮城県臨床工学技士会会誌 第 6号 2014 年 03月

講演 Ⅰ - 30 -

図 7 透析量モニタ表示

IV. NIKKISO Total System NX

透析治療の自動化、省力化、透析液の清浄化は透析

用監視装置単体でなし得るものではなく、システム全

体でこれらの課題を克服するべく開発されたのが

「NIKKISO Total System NX」と称する透析関連装置

群である。本システムは逆浸透精製水製造装置 DRO-NX、

全自動溶解装置 DAD-50NX、多人数用透析液供給装置

DAB-NX、多用途透析用監視装置 DCS-100NXから構成さ

れる(図 8)。

図 8 NIKKISO Total System NX

関連機器群をネットワーク構築することにより、多

人数用透析液供給装置 DAB-NXをシステムの中枢とし、

透析液調整室で使用する装置の一括操作や透析用監

視装置の稼働状況を把握することが可能である。

DAB-NX 自動運転の画面から逆浸透精製水製造装置

DRO-NX、全自動溶解装置 DAD-50NX のウィークリータ

イマーの設定・変更が可能で、DAB-NXで透析開始時刻

を入力するとそれに合わせて各装置の送液開始時刻、

溶解開始時刻を簡単に設定可能である。また、多用途

透析用監視装置 DCS-100NXの「状態」、「濃度」、「温度」、

「液流量」、「工程時間」をモニタリングでき透析中は

透析の残り時間を確認することも可能である。

一般社団法人 宮城県臨床工学技士会会誌 第 6号 2014 年 03月

講演 Ⅰ - 31 -

I. はじめに

今回ご紹介する逆濾過透析液による自動化機能を

搭載した「透析用監視装置 TR-3000MA」(以下、3000MA、

図 1)は、臨床試験(治験)によって安全性、有効性

を確認し、2010年 2月に厚生労働省から透析用監視装

置の製造販売承認を新たに取得しました。また、2012

年 3月にはオンライン HDF対応の多用途透析装置とし

て一部変更承認を取得し、更に 2013年 4月にはオン

ライン補充液による自動化機能も追加取得し、更に機

能が向上しました。

3000MAは生理食塩液(以下、生食)の代わりに、清

浄化された逆濾過透析液またはオンライン補充液を

用いて透析装置の機能の一部を自動化した装置です。

自動化した各機能の使用によって、スタッフの煩雑な

作業、特に開始時のプライミングや終了時の返血作業

の軽減が図れ、業務効率化が実現できます。よって、

スタッフがより多くの時間を患者ケアに向けること

が可能となり、透析環境の向上が期待できます。また、

生食の代わりに使用する逆濾過透析液またはオンラ

イン補充液は生食に比べて非常に安価なため、大きな

経済的メリットを生み出すことも可能です。更に、オ

ンライン HDF機能や間歇補充型 HDF(以下、I-HDF)を

行うための補液プログラム機能によって、多様な治療

に対応することができます。

II. コンセプト

1. 「安全性・信頼性の追求」

安全性を重視した独自の自動化システムにより、

安心・安全で効率的な日常作業を実現します。

2. 「クリーン化」

逆濾過透析液に関する水質管理基準を容易かつ

確実にクリアするための清浄化対策を備えてい

ます。

3. 「業務効率化」

逆濾過透析液の使用により経済的な負担を軽減

します。また、自動化機能がスタッフの方々の操

作および体外循環系の監視をサポートし、業務効

率化を推進します。

4. 「多様な治療への対応」

オンライン HDFや I-HDFなどの多様な治療を簡便

な操作で施行することができます。

III.特長

1. 自動化機能

逆濾過透析液またはオンライン補充液によるプラ

イミング、急速補液、返血および脱血の各自動化機能

を標準搭載しています。

1) 生食を必要としない自動プライミング

2) ワンタッチで自動脱血

3) 生食を必要としない簡単補液

4) 生食を必要としない自動返血

2. オンライン HDF機能

補液と濾液のバランスはダブルチャンバ方式によ

る密閉回路で制御されますので、補液量の影響を受け

ない正確な体液管理が実現できます。

3. I-HDF(補液プログラム機能)

簡便な操作で I-HDFを施行することが可能で、末梢

循環改善、plasma refilling促進、膜性能の経時減少

抑制などの効果が期待できます。

4. 安全性を重視した返血圧(動・静脈圧)の連続モ

ニタリング

逆濾過透析液による自動返血をする際は、血液ポン

プローラ部を開放する独自のシステムにより、動/静

脈圧を連続モニタリングしながら自動返血すること

が可能です。

5. 透析液の清浄化システム

1) ETRF2 連の自動フラッシング、リークチェック機

ETRFの性能維持、安全管理に有効なシステムです。

治療中の単一故障発生時にも高い清浄度が維持

できます。

一般社団法人 宮城県臨床工学技士会会誌 第 6号 2014 年 03月

講演 Ⅰ - 32 -

図 1:透析用監視装置 TR-3000MA

一般的名称:多用途透析装置

承認番号:22200BZX00114000

2) サンプリングポート(クリーンポート)

透析液のサンプリングおよびオンライン補充液

の導出を衛生的かつ容易に行えます。

3) クリーンカプラ

ダイアライザ接続部を確実に洗浄・消毒し、接続

部全体を清潔に保ちます。

IV. 自動化機能の概要

1. 自動プライミング

逆濾過透析液またはオンライン補充液を用いて

血液回路およびダイアライザなどのプライミング

を自動で行え、また、ダイアライザなどに応じて任

意にプライミング方式を選択することが可能です。

2. 自動脱血

動脈側、静脈側からの脱血が簡単操作で行えます。

3. 急速補液

逆濾過透析液またはオンライン補充液を用いて

簡便に補液することができます。

4. 自動返血

逆濾過透析液またはオンライン補充液による返

血を自動で行えます。

V. 補液プログラム機能による I-HDFの概要

間歇的に逆濾過透析液を補液する I-HDFを、補液回

路を用いずに簡便な操作で施行することができます。

補液量を自動で除水し、除水終了予定時刻までに補液

と除水が完了するよう自動制御します(図 2)。また、

初回の補液を開始するタイミング、1 回あたりの補液

量および補液速度、補液間隔などを任意に設定するこ

とが可能です。

図 2 I-HDF施行時の除水経過(例)

VI. TR-3000MA導入効果

1. 自動化機能によりスタッフの方々の負担が軽減さ

れ、業務の効率化が図れます。

2. ガイダンス機能により操作が簡単になり、ヒューマ

ンエラーの低減が期待できます。

3. 静脈圧および動脈圧の連続モニタリングによって、

より安心・安全な自動返血が可能です。

4. 逆濾過透析液またはオンライン補充液の使用が経

済性に貢献します。

5. 透析液清浄化システムによって、透析液の清浄化に

伴う臨床的な相乗効果が期待できます。

VII.おわりに

今回は、逆ろ過透析液による自動化機能を搭載した

「透析用監視装置 TR-3000MA」のコンセプト、特長な

どについてご紹介させていただきました。3000MAの導

入によって透析環境向上の一助となれば幸いです。東

レはこれからも透析分野に有用な新機能の研究、開発

に積極的に取り組み、透析医療の更なる発展のお役に

立ちたいと存じます。

一般社団法人 宮城県臨床工学技士会会誌 第 6号 2014 年 03月

一般演題 Ⅰ - 33 -

I. 序言

近年、チーム医療の趨勢(すうせい)に伴って、人

工呼吸管理・ケアの質及び医療安全の向上に寄与する

べく、多職種から構成される呼吸ケアサポートチーム

(Rrespiratorycare Support Team:以下、RST)が病棟

回診、マニュアル作成や院内勉強会、環境整備などを

内容 1-3)として活動するようになってきており、その

数は全国で 300 チーム以上 4)又はそれ以上 5)と報告さ

れるようになってきた。当院 6)では年間約 100 名の急

性期人工呼吸症例を経験し、各診療科の一般病棟で侵

襲 的 陽 圧 換 気 (Invasive Positive Pressure

Ventilation:以下、IPPV)に携わることになるが、その

環境の中で安全体制の確保と維持に努め、適切な管理

による質の向上及び予後の改善を人工呼吸器装着患

者に提供していくためには、RST 未発足の当院におい

ても今後 RSTを発足させ、活動していく必要性がある

のかを検討した。

II. 対象と方法

1. 対象

2012 年度に気管挿管・切開下に IPPV 導入となった

84名とし、人工呼吸器からの離脱、又は死亡退院にて

人工呼吸器が外された時点をエンドポイントとした。

2. 方法

医科診療報酬点数表の呼吸ケアチーム加算 7,8)算定

要項(対象患者、診療要件)を IPPV 施行上の基準と仮

定し、2012年度の当院の実施状況と比較した。

1) 患者背景と実施状況

7 機種 10 台の運用状況を自作の医療機器管理支援

システム(Microsoft Access2010®)9)から、患者背景

と実施状況は臨床工学技士が電子カルテシステム(富

士通社製、HOPE/EGMAIN-GX)の各種情報を後方視的に

調査して入力した自作の補助療法管理システム

(Microsoft Access2010®)10)から抽出した。得られた

データは平均値±標準偏差で表した。

2) 診療状況

人工呼吸器装着患者の安全管理、離脱、合併症予防、

リハビリテーションの診療要件を、 ARDS(acute

respiratory distress syndrome、急性呼吸窮迫症候

群 ) の 換 気 設 定 の 概 念 11) 及 び 日 本 版

VAP(ventilator-associated pneumonia、人工呼吸器

関連肺炎)バンドル(表 1)12)を参考に、人工呼吸法、

回路交換、鎮痛法、離脱法、体位について、臨床工学

技士による使用中点検(定期 2回/日、及び必要に応じ

て)から実施者がコメディカルの視点で主観的に実施

状況を評価した。患者状態は 1)と同様に補助療法管

理システム 10)から各検査データを抽出して評価した。

3) 安全管理体制

IPPV 関連の院内勉強会開催状況は医療機器に関す

る研修実施記録 2010~2012 年度分から、トラブル事

例は医療安全管理室で毎月発行している医療安全管

理委員会報告のヒヤリハット集計結果 2009~2011 年

度分から臨床工学技士が後方視的に調査した。教育状

況は 2)と同様に臨床工学技士の使用中点検から評価

した。

表 1 日本版 VAPバンドル

III.結果

1. 患者背景と実施状況

機器の貸出しと導入患者数の動向は図 1のとおりで

あった。患者背景と導入原因は図 2、施行部門別での

状況は図 3 のとおりであった。平均装着日数は 12.5

±14.8日、離脱率 56.0%で、内 5例(6%)が離脱後再装

着となり、再度離脱できたのは 3 例(60%)のみであっ

た(表 2)。離脱不能症例は図 4 のとおりであった。呼

吸ケアチーム加算の算定対象別においては、算定対象

一般社団法人 宮城県臨床工学技士会会誌 第 6号 2014 年 03月

一般演題 Ⅰ - 34 -

48時間以上~1ヵ月以内と対象外 1ヵ月以上とで、図

5に示すように長期装着例での離脱率低下を認めた。

図 1 2012年度の機器運用と IPPV導入患者数の動向

図 2 患者背景

図 3 診療科別導入原因

表 2 実施状況

図 4 臨脱困難症例

図 5 装着期間別状況

2. 診療状況(図 6)

呼吸ケアチーム加算の算定要項において、人工呼吸

法は、グラフィックモニタで得られる一回換気量及び

気道内圧等の実測値からは ARDS の換気設定の概念 11)

がどの程度反映されているかは不明であった。日本版

VAP バンドル 12)からみた各種状況は、人工呼吸器回路

の交換は臨床工学技士により学会指針 13)に準じて実

一般社団法人 宮城県臨床工学技士会会誌 第 6号 2014 年 03月

一般演題 Ⅰ - 35 -

施されていた。鎮静法は、鎮静のスケール評価は実施

されておらず、多くが深い鎮静レベルに維持される傾

向にあった。離脱法は、症例によっては大きく異なる

手順が用いられていた(図 7-a、b)。体位は、仰臥位に

あることが多く、合併症対策としてのポジショニング

がどの程度実施されているかは不明であった。患者状

態は、呼吸数と GCS(glasgow coma scale)、PaO2 の情

報量が少ない傾向にあった(図 8)。

図 6 IPPV診療状況

図 7-a 離脱方法の違い 症例 1

3. 安全管理体制:IPPV関連の研修は、臨床工学技士

と看護部、医療安全管理室又は感染管理の連携で

看護師及び理学療法士対象に、機器取扱い、トラ

ブル対策、体験学習などの内容で 3.7回/年実施さ

れていたが、気管吸引は定時で施行される傾向に、

気道管理・口腔ケア手技・材料は診療科で異なり、

呼吸回路の水貯留や挟み込みは日常的に見かける

状況にあった(図 9)。インシデント・アクシデン

ト発生状況は図 9 のとおりであったが、その詳細

および人工呼吸関連機器が含まれていたかは不明

であった。

図 7-b 離脱方法の違い 症例 2

図 8 患者情報の収集状況

図 9 安全管理状況

一般社団法人 宮城県臨床工学技士会会誌 第 6号 2014 年 03月

一般演題 Ⅰ - 36 -

IV. 考察

2010 年度の診療報酬改定を機にチーム医療の流行

りの一つとして RSTが普及してきている。その活動状

況は、重要な役割を担っていたり、思うように進まず

手探り状態であったりと施設間で異なるであろうが、

患者を早期に人工呼吸管理から離脱させること、また、

医療事故のリスクの高い人工呼吸器の安全の向上に

努めることを各施設、共通の目的として取組んでいる

と思われる。集中治療室を有せず RST未発足である当

院においても、前述した目的の達成に向け人工呼吸器

装着患者の管理に努めているが、課題もあり充分な呼

吸療法を提供できているとは言い難いため、今回目的

達成に向け課題を具体化し、その克服に RSTの発足・

活動が必要であるかを検討した。

実施状況において、年間の人工呼吸器運用と導入患

者数の動向、患者背景が把握できた。今後の参考とし

たい。IPPV 導入 84 症例では、診療科により導入原因

が異なり、装着日数や離脱率にバラツキがあったが平

均装着日数 12 日、離脱率 56%、再装着率 6%が当院の

現時点での成績であることが判った。他施設との比較

検討がなされていないこの成績の良否を論ずること

はできないが、再装着例の高い死亡率(40%)、全体の

13%に及ぶ長期装着例の離脱率の低さ (69.8% vs.

45.5%)は、今後改善を目指していきたい課題の一つで

あると考えられた。

診療の評価には、呼吸ケアチーム加算の算定要項の

実践状況を判断する材料として、人工呼吸管理上の肺

保護という方向性が臨床医に広く受け入れられてい

る ARDS の換気設定の概念 11)と、医療施設関連感染症

の中でも多く、人工呼吸期間や入院日数の増加につな

がる VAPの予防戦略として提唱されているケアバンド

ルで、米国の医療改善研究所 (IHI:institute of

healthcare improvement)14)より算定要項の内容によ

り則していると考えられた日本版 VAPバンドル 12)を選

択した。

人工呼吸法において、今回はデータや予後との関連

が検討できておらず、医師でないコメディカルが主観

的に評価を行ったことにより信憑性には劣るが、肺保

護戦略 15)の現在推奨されている方法 16)からは、多くの

症例がプラトー圧<30cmH2Oであったが、一回換気量は

6mL/kg(予測体重)目標ではなく通常量 10mL/kgもしく

はそれ以上にあり、どの程度人工呼吸器の設定に低容

量換気等の肺保護の概念が反映されているかは読み

取ることができなかった。しかし、機械的換気に起因

する肺胞の過伸展及び肺胞虚脱と再開放の反復によ

って生じる肺傷害 (VILI:ventilator-induced lung

injury)を最小限に抑えるという概念が広く臨床医に

受け入れている現在、当院でも経験する急性肺損傷の

重症型でコンプライアンスの高・低が不均一に混在し

ている ARDS症例など、病態によっては VILI予防を考

慮していくことも必要ではないかと考えられた。

手洗い・手指衛生は、すべての院内感染から患者及

び医療従事者を護るための基本手技であるため今回

検討から除外した。人工呼吸器回路の交換は、どのく

らいの期間使用できるかは明らかではなく、定期的な

回路交換は VAP発生率を高める 13)ことから、臨床工学

技士の使用中点検時に明らかに目に見える汚染又は

破損などを認めた場合に実施している。この学会指針13)に準じた回路交換は、これまで院内トラブルなどが

発生したこともないことから適当であると考えられ

た。

鎮静は、当院全般において過少鎮静による気管チュ

ーブなどライン類の不慮の抜去などを危惧し過ぎて

か、時間当たり〇mLで深い鎮静レベルに維持という漠

然とした調節となっている傾向にあった。しかし過剰

鎮静は人工呼吸期間延長の原因や VAP発生率を高める

うえ、「眠らせる」ことではなく「不安感を和らげ、

快適さを確保する」という鎮静の目的 17)から逸脱して

しまうため、至適な鎮静深度を患者に提供できるよう

に 使 用 が 推 奨 さ れ て い る RASS(Richmond

agitation-sedation scale) 17)などを用いて鎮静スケ

ールの評価を当院も取り入れていく必要があるだろ

うと考えられた。

離脱法は、当院では離脱プロトコルが定められてい

ないため、担当医の経験に基づいて遂行されているが、

図 7 に示すようにさまざまな方法が用いられている。

この様々な方法による臨床的影響は今回検討できて

いないが、離脱の遅延は VAP発生率を高め、呼吸機能

が十分に改善していない状態での離脱はガス交換能

の回復が困難となり、離脱の失敗は今回の結果にも表

れているように死亡率を増加させる 19)ことから、離脱

方法は直接的に人工呼吸期間に影響する重要な問題

として捉えていかなければならない。その離脱をさま

ざまな手順や絶対的な手順ではなく、一貫性を持って

安全かつ迅速に遂行できるようにしていくには、ガイ

ドラインなど 11,19)を参考に自発呼吸トライアルをベ

ースとした当院なりの離脱プロトコルを作成して活

用していくことが必要となってくるであろう。

体位は、仰臥位にあることが多く、頭部拳上 30°や

前傾側臥位などをとっていることは稀であったが、長

一般社団法人 宮城県臨床工学技士会会誌 第 6号 2014 年 03月

一般演題 Ⅰ - 37 -

期にわたり仰臥位をとり続けることは換気血流比不

均等分布を増悪させ、廃用症候群の促進の可能性があ

り、VAP 発生率を高めてしまう恐れがある。水野の調

査 20)で述べられているような治療規制による阻害や、

腹臥位のように生存率に対する利得もなく、安全性の

問題などからルーチンに行う必要がない方法 21)もあ

るが、今後は合併症予防のためにも目的に合ったポジ

ショニングを積極的にとっていくことを考えていか

なければならない。

患者状態は、前回の報告 10)同様に呼吸数と GCS、PaO2

の情報量が少ない傾向(図 8)にあり、呼吸補助症例に

おける実測呼吸数の記録など継続して解決をはかる

必要がある。

教育や安全管理体制は、気道管理・口腔ケアの基本

手技・材料は標準化されておらず、呼吸回路系トラブ

ルが日常的に観察され、侵襲的で苦痛を伴う気管吸引

が必要以上に実施されている可能性があることから、

3.7 回/年という研修回数とその内容の妥当性は判断

できないが、研修の効果が十分発揮されていないこと

が示唆された。また、過去のインシデント・アクシデ

ント情報から関連事項の詳細が調査できなかったこ

とを考えると、関わる者すべてが安全に効果的に業務

を行うため、より環境整備に努めていくことが肝要で

あろう。

今回、栄養管理 22)や深部静脈血栓症予防 23)、VAP発

生率調査などを含めた人工呼吸療法全般とした検討

が行えなかったが、年間の実施状況や成績、IPPV施行

上の課題や改善点が確認できた。この課題や改善点だ

けでも克服していくことができれば当院においても、

基礎疾患や既往歴、発症機転などがそれぞれ異なる人

工呼吸器装着患者にも安全体制の確保と維持、適切な

管理による質の向上及び予後の改善を提供していけ

ることが期待できる。しかし複雑な呼吸療法に対し、

関連職種が個々に取組んでいってもその問題解決は

困難であることから、RSTの効果 24、25)を期待し、当院

でも常勤の救急科専門医、救急看護認定看護師、臨床

工学技士(呼吸療法認定士)、理学療法士などでお互い

に共通認識を持って協力していく RSTのような体制を

構築し、課題や改善点の克服に向けて活動していくこ

とが必要ではないかと考えられた。だが現実的にはマ

ンパワー不足で専従スタッフを確保できない現状が

あり、RST 活動を軌道にのせ継続性を維持していくの

は困難である。仮に RSTを発足し活動できても、尾崎

や中西、宮手が述べている 25-27)ように、RST は一般病

棟での人工呼吸管理を推奨するものではない、教育支

援は全スタッフには行き届かない、24時間体制でのサ

ポートはできないなどピットホールや限界が存在し、

病棟スタッフが RSTに全ておまかせとなったり、逆に

RST が出張 ICU となったり、不慣れで、少ないマンパ

ワーで、必要に迫られて IPPV に携わっている病棟ス

タッフに集中治療を求めることは好ましくない安全

対策であることを配慮する必要がある。

以上より、さまざまな課題を抱えながら一般病棟に

て IPPVが施行される当院において、RST発足・活動の

必要性が考えられたが、さまざまな事情により現時点

での取組みは困難であると考えられた。しかし、充実

した呼吸療法を人工呼吸器装着患者に提供していく

ためにも今後 RST体制を構築し、将来的には“特定の

部署で、ごく限られたスタッフによる”という医療機

関における最善の診療体制を構築できるよう我々臨

床工学技士もチーム医療の一員として目指していき

たい。

V. 結語

一般病棟での IPPV実施状況から RST発足・活動の

必要性を検討した。

呼吸ケアチーム加算の算定要項から、患者予後、

管理の質、安全体制に関する課題を確認できた。

呼吸療法のアウトカム向上には、当院でも RST を

発足し活動することが必要であると考えられた。

RST のみでは最善の診療体制とはならないため、

最終的には集中治療室に準じるような特定の部署

で人工呼吸器装着患者を管理する体制構築が望ま

れる。

文献

1) 山本 奏、辛島隆司:当院臨床工学技士の呼吸療

法サポートチーム(RST)における今後の課題.人工

呼吸,30(1);58-61,2013.

2) 石原英樹:RSTの役割.人工呼吸,29(1);2-4,2012.

3) 鮎川勝彦 他:呼吸サポートチーム(RST)が医療安

全にいかに寄与するか?-地域連携も踏まえて-.

人工呼吸,29(1);20-25,2012.

4) 長谷川隆一:RST を伸ばしてゆくために.人工呼

吸,29(1);1,2012.

5) 臨床工学技士に関する実態調査 2012 のアンケー

ト結果報告:公益社団法人 日本臨床工学技士会

会誌.No.47; 10, 2013.

6) 狩野真一 他:記憶が遠ざかる前に“備え”を再

考する.一般社団法人 宮城県臨床工学技士会誌

一般社団法人 宮城県臨床工学技士会会誌 第 6号 2014 年 03月

一般演題 Ⅰ - 38 -

第 3号;173-176,2012年 3月.

7) A 242 呼吸ケアチーム加算:平成 24年医科診療報

酬点数表

8) A 242 呼吸ケアチーム加算:日本臨床工学技士会

たより 第 100号、平成 22年 3月 28日

9) 狩野真一:役に立ってる?自作の医療機器管理支

援ツール.一般社団法人 宮城県臨床工学技士会

誌,第 1号;50-52,2011年 5月.

10) 狩野真一:臨床データを探ってチーム力の向上を

図る、一般社団法人 宮城県臨床工学技士会誌;

第 5号,19-24,2013年 6月.

11) 日本呼吸療法医学会・多施設共同研究委員会:ARDS

に対する Clinical Practice Guideline 第 2 版.

人工呼吸,21(1);44-61,2004.

12) 日本集中治療医学会 ICU機能評価委員会:人工呼

吸関連肺炎予防バンドル 2010 改訂版(略:VAP バ

ンドル)

13) 日本呼吸療法医学会:人工呼吸器安全使用のため

の指針 第 2版:平成 23年 7月 27日

14) http://www.ihi.org/knowledge/Pages/Changes/I

mplementtheVentilatorBundle.aspx

15) 小田真也、中根正樹、川前金幸:急性呼吸窮迫症

候 群 (ARDS) に 対 す る 肺 保 護 戦 略 . 人 工 呼

吸,28(2);168-176,2011.

16) Dellinger RP, Levy MM, Carlet JM, et al:

International Surviving Sepsis Campaign

Guidelines Committee. Surviving Sepsis

Campaign: international guidelines for

management of severe sepsis and septic shock:

2008. Crit Care Med. 2008; 36:1394-1396.

17) 日本呼吸療法医学会:人工呼吸中の鎮静のための

ガイドライン、人工呼吸,24(2);146-167,2007.

18) 桑迫勇登:人工呼吸器からの離脱 .人工呼

吸,27(2);248-253,2010.

19) MacIntyre NR, Cook DJ, Ely EW Jr, et al:

Evidence-Based Guidelines for Weaning and

Discontinuing Ventilatory Support: A

Collective Task Force Facilitated by the

American College of Chest Physicians;the

American Association for Respiratory Care;and

the American College of Crtical Care

Medicine.Chest.2001;120:375-396.

20) 水野浩子,志馬伸朗 ほか:人工呼吸器ケアバンド

ル の 適 用 阻 害 因 子 の 検 討 . 人 工 呼

吸,28(2);189-192,2011.

21) 宇 都 宮 明 美 : 体 位 と 呼 吸 管 理 . 人 工 呼

吸,27(1);64-67,2010.

22) 日本呼吸療法医学会:急性呼吸不全による人工呼

吸患者の栄養管理ガイドライン 2011 年版.人工呼

吸,29(1);75-120,2012.

23) 鳥畠康允、塩梅 修:肺血栓塞栓症裁判の判決文

から見えること-患者救済と法的防御の視点から-.

脈管学,52;25-29,2012.

24) 山口久美 ほか:呼吸サポートチームによる看護

師の呼吸アセスメント能力向上の試み:実践的ツ

ールの作成・普及.人工呼吸.30(1);62-65,2013.

25) 宮手美治 ほか:呼吸ケアチームは有意義である。

しかし限界もある.人工呼吸,29(1);5-10,2012.

26) 尾崎孝平 ほか:[再提言]RST 普及にもの申す.人

工呼吸.26(1);102,2009.

27) 中西美貴:呼吸療法の安全における現状と課題-

看護師の立場から-.人工呼吸,29(1);26-30、2012.

一般社団法人 宮城県臨床工学技士会会誌 第 6号 2014 年 03月

一般演題 Ⅰ - 39 -

I. はじめに

近年、新たな酸素療法として登場したフィッシャー

&パイケル ヘルスケア社のネーザルハイフロー®

(以下、ネーザルハイフロー)を当院で 2011年 10月

より導入したので、その有用性を検討した。

II. 装置概要

ネーザルハイフローとは専用の鼻カニューレ、また

は気切用ダイレクトコネクタをインターフェイスと

し、高流量の混合酸素を供給する新しい酸素療法であ

る。酸素ブレンダ、熱線付き呼吸回路、自動給水加湿

チャンバ、加温加湿器で構成され、流量と酸素濃度を

広範囲に設定することが可能である(図 1、2、3)。

III.対象

患者は 60 歳男性。耳下腺癌腫瘍に対し腫瘍摘出術

施行。その後、骨、肝臓、肺に転移。肺転移による肺

炎のため呼吸苦があり入院。意識はクリアで酸素マス

クの装着を拒否していた。

図 1 ネーザルハイフロー®の構成

図 2 インターフェイスの種類

図 3 酸素ブレンダの種類

IV. 方法

1. ネーザルハイフロー導入前

鼻カニューレ 5L/分、オキシアーム®10L/分を使用し、

SpO2 は 80%前半。この時、吸入気酸素濃度は 40%程

度だったと考えられる。

2. ネーザルハイフロー導入後

流量 30L/分、酸素濃度 88%で導入。その後、患者

の状態の変化に応じて流量や酸素濃度を調整し SpO2

を維持(図 4)。

一般社団法人 宮城県臨床工学技士会会誌 第 6号 2014 年 03月

一般演題 Ⅰ - 40 -

図 4 導入前と導入後の結果

V. 結果

ネーザルハイフローを導入したところ SpO2 は 80%

後半から 90%へと改善がみられた。

実際に使用した患者に気になる点を聞いてみたと

ころ、「鼻カニューレとオキシアームを併用していた

時に比べ、音が大きく感じる。」、「回路の固定が落

ち着かないと下がってきてしまう。」などの意見もあ

ったが、息苦しさは改善されたとのことだった。

VI. 考察

1. ネーザルハイフローは患者の吸気時の要求を満

たす流量を供給でき、それにより呼吸苦は緩和さ

れる。

2. より正確に酸素濃度の設定が可能で患者の状態

変化に応じて幅広く調整ができる。

3. 加温加湿器を用いることで適切な湿度に加温さ

れ鼻腔内の乾燥を防ぐとともに、粘膜線毛のクリ

アランスが維持される。

4. マスクの装着を拒否する患者や、装着が困難な患

者にも比較的抵抗なく導入できる。

VII.おわりに

人工呼吸器離脱後の酸素化不良の患者や、人工呼吸

器の適応とはならない低酸素血症の患者に対し有用

な酸素療法であり、使用症例は今後更に増加していく

ものと考えられる。

一般社団法人 宮城県臨床工学技士会会誌 第 6号 2014 年 03月

一般演題 Ⅰ - 41 -

I. 緒言

寒冷凝集素は赤血球膜抗原に対する自己抗体であ

る。低温域で赤血球と結合し凝集を起こし、再び温め

ると、寒冷凝集素は赤血球から遊離し凝集は消失する。

寒冷凝集反応が陽性で体外循環を使用する場合、低体

温下では体外循環回路における人工肺などに目詰ま

りを引き起こす可能性がある 1)。今回、緊急にて上行

大動脈置換術を施行した症例において寒冷凝集反応

を疑う症例を経験したので報告する。

II. 症例

患者は 85歳男性、体表面積 1.51㎡、自宅で背部痛

を自覚し当院に救急搬送され検査したところ、急性大

動脈解離(Stanford A)と診断されたため、緊急で上

行大動脈人工血管置換術を行なう予定とした。術前の

血液検査では生化学、血算、凝固能検査には異常を認

めなかったが、緊急症例だったため寒冷凝集素価の確

認はできなかった。

III.方法

人工肺及び静脈リザーバーは泉工医科工業社製エ

クセラン NSH-R、遠心ポンプは MAQUET社製 ROTAFLOW、

動脈フィルタは PALL 社製 AUTO VENT を使用した。右

腋窩動脈送血、右房脱血で体外循環を確立し、膀胱温

25℃で循環停止、選択的脳潅流(SCP)を行なう予定

とした(図 1)。

心筋保護は血液併用心筋保護(BCP)を用いて積極

的な冷却は行なわず 20 分間隔で順行性に注入し、脳

保護のモニタは脳局所酸素飽和度(rSO2)を用いた。

回路内圧は遠心ポンプの出口と人工肺の出口で測

定した。

図 1 回路構成

IV. 結果

人工心肺開始後、冷却を始めると、急に人工肺前後

の圧較差が大きくなり灌流量も低下した。開始から 13

分後に灌流圧が上がりはじめて、ピークでは人工肺前

の圧は 345mmHg、人工肺後は 110mmHg で圧較差は

225mmHgまで広がり(図 2)、同時刻に灌流量は急激に

約 30%の低下を認め、遠心ポンプの回転数を上げても

潅流量は上昇しなかった(図 3)。術野に報告し ACTを

確認したところ 400秒を超えていたため寒冷凝集反応

を疑い、一度加温して送血可能な温度を確認する方針

とした。加温を始めると送血温が 25℃あたりで圧較差

が減少し灌流量も上昇したため、送血温 25℃、膀胱温

28℃にて循環停止し、SCP を行なった。その後の灌流

圧の上昇はなく灌流量も安定していた。心筋保護は速

やかな心停止及び再灌流後の回復を得られ、rSO2の低

下も認められなかった。

術後は、体外循環回路、静脈リザーバー、人工肺、

動脈フィルタなどに血栓は見られず、患者も 3病日目

に抜管し 69 病日目に退院された。術後 5 病日目に測

定した寒冷凝集素価は 8倍でありクリオグロブリンは

陰性であった。体外循環時間 249分、大動脈遮断時間

152分、循環停止時間 88分であった。

一般社団法人 宮城県臨床工学技士会会誌 第 6号 2014 年 03月

一般演題 Ⅰ - 42 -

図 2 人工心肺前後圧と送血温度

図 3 灌流量と回転数

V. 考察

寒冷凝集素は赤血球膜抗原に対する自己抗体であ

り、健常人の 50~90%に認められる。低温域(0~5℃)

で赤血球と結合し、凝集を起こすものを生理的寒冷凝

集素、30℃くらいでも反応するものを病的寒冷凝集素

と呼ばれ、再び温めると、寒冷凝集素は赤血球から遊

離し凝集は消失する。寒冷凝集反応が陽性で体外循環

を使用する場合、低体温下では体外循環回路における

人工肺などに目詰まりを引き起こす可能性があると

いわれている 1)。今回の症例では緊急症例のため術前

の寒冷凝集反応は確認されておらず、術後の検査にお

いては当院では人工心肺の残血をセルセーバーで洗

浄してから返血しているため寒冷凝集素なども濃度

が変化している可能性があるため正確な値とはいえ

ない。術前から寒冷凝集反応が陽性であることが判明

している体外循環症例は数多く報告されているが、判

明していない状態で術中に判明したという報告は少

ない 2)。また、術中では寒冷凝集反応による凝集なの

か他の原因によるものなのかを判断することが非常

に難しい。可逆性の凝集でなければ凝集は消失せず、

人工肺の交換が必要ならば加温ではなく逆に冷却し

て循環を停止させなければいけない可能性もある。し

かし今回のように冷却を機転として灌流に影響を与

えた状況であれば一度加温をしてみる必要があり、温

度を上昇させることが対処法としては望ましいと言

われている 3)。また寒冷凝集反応には臨界温度が存在

し、患者によって凝集する温度が違うことが知られて

いる。このことも送血可能な温度を確認することの重

要性を示している 4)。

一方、寒冷凝集反応の凝集力は弱く人工心肺回路に

圧力が加わる環境では凝集反応は起こらないとも言

われており 5)、体外循環の条件や状況によって大きく

左右される可能性が考えられるが、寒冷凝集を念頭に

置いたトラブルシューティングやマニュアルの整備

は必要だと思われる。

VI. 結語

緊急手術において寒冷凝集反応を疑った症例に対

して、送血温を上げることで体外循環が可能であった。

● 参考文献

1)藤田清貴:寒冷凝集反応および寒冷で反応する蛋

白質について. 体外循環技術, 33 (1);1-7, 2006.

2) 佐野茂、杉原学、青柳成明、ほか:人工心肺中に

寒冷凝集反応を認めた 1 例. 体外循環技術, 33

(1);53-55, 2006.

3) 鈴木一郎:人工心肺安全ハンドブック -ケース

100の分析と安全対策-; 140-141, 2003.

4) 本吉宣也、天内雅人、宗万孝次、ほか:寒冷凝集

症を合併した弓部大動脈瘤に対する脳分離体外循環

の経験. 体外循環技術. 39 (4); 449-451, 2012.

5) 安野 誠:人工心肺中に発生する凝血について.

CIRCULATION Up-to-Date, 4 (5); 546-552, 2009.

一般社団法人 宮城県臨床工学技士会会誌 第 6号 2014 年 03月

一般演題 Ⅰ - 43 -

I. 緒言

当院では 2011 年 7 月よりテルモ社製パルスオキシ

メータ・ファインパルス®SP(以下、ファインパルス)

を採用した。しかし、採用後短期間にファインパルス

を使用していた各病棟より不具合の報告が続いた。不

具合の内容が各病棟酷似していたことから、何らかの

原因があると考えメーカーに不具合の原因調査を依

頼した。

今回、メーカーでの調査結果から不具合の原因が明

らかになったので報告する。

II. 対象および方法

対象は、2011 年 7 月~2013 年 3 月までに購入した

ファインパルス 23台中、不具合を生じた 7台である。

方法として、不具合を生じたファインパル 7台の不

具合の内容をメーカーに伝え、現品を渡し、原因の調

査を行ってもらった。

不具合の内容は 2種類に分けられ、不具合の内容と

台数の内訳は、①Err表示が出て SPO₂を測定できない、

が 7台中 4台で、②SPO₂の表示値が 100%から変化しな

い、が 3台であった。

III.結果

メーカーに調査を依頼したファインパルス 7 台中 4

台が当院で生じた不具合と同様の現象を確認できた

と報告を受けた。

まず①Err 表示が出て、SPO₂を測定できなかったフ

ァインパルスは 4台中 2台で同様の現象を確認できた。

この原因として、フレキシブルケーブルの接触面に薄

い錆が確認でき、これにより電気的接触が不安定にな

り不具合が生じたのではないかとの回答であった。ま

た 1台のみだが、バッテリーのマイナス端子にも錆が

付着しているのが確認され、これも錆によって電気回

路への電源供給を不安定にさせたのではないかとの

回答であった。

次に②SPO₂の表示値が 100%から変化しなかったフ

ァインパルスは 3 台中 2 台で同様の現象を確認でき、

プリント基板の表面に溶けた痕跡を確認できた。また

同様の現象が確認されなかった 1台においても基板の

溶けた痕跡を確認できたとの回答であった。

また、不具合を生じたファインパルス 7台すべてに

おいて、受光部である透明窓の白濁と溶着部の剥離

(図 1)を確認でき、この透明窓はプリント基板が溶け

た痕跡が認められた部分に接触しているとのことで

あった。透明窓の白濁と溶着部の剥離の原因として、

清掃・除菌の際に使用している消毒剤が影響を及ぼし

ているのではないかとの回答であった。そのため、メ

ーカーにより消毒剤の調査が行われた。

図 1 透明窓の白濁と剥離

1. 消毒剤イソプロピルアルコールでの調査

透明窓にイソプロピルアルコールを塗布したとこ

ろ、透明窓の白濁と溶着部の剥離が認められた(表 1)。

この結果から、消毒剤で透明窓を塗布し、透明窓の

白濁、溶着部の剥離がおこり、その隙間から消毒剤が

製品内部へ入り込み、プリント基板を溶かす、または

錆を作り、不具合が生じたのではないかと想定された

ため、実際にプリント基板の溶けた痕跡が確認された

同様の場所にイソプロピルアルコールを塗布し、検査

治具を使用して表示値と赤光と赤色光による脈波信

号の変化を確認した。検査治具の設定は「SPO₂:97%・

脈拍数:80拍/分」で行われた。

一般社団法人 宮城県臨床工学技士会会誌 第 6号 2014 年 03月

一般演題 Ⅰ - 44 -

表 1 イソプロピルアルコールを透明窓に塗布した結果

表示値と脈波信号の変化を時間の経過とともに観

察した結果、イソプロピルアルコールを塗布した後、

表示値と脈波信号の異常を確認でき、時間の経過とと

もにイソプロピルアルコールが蒸発するため、表示値

と脈波信号が正常に戻ることが確認された(表 2)。

表 2 表示値と脈波信号の変化

当院で不具合を生じた 2台の脈波信号を確認した結

果、表 2の「測定異常④」の脈波信号に酷似していた

(図 2)。

図 2 100%表示するパルスオキシメータの脈波信号

2. 当院で使用する消毒剤での調査

消毒剤での影響を確認されたことから当院で使用

している消毒剤 3種類を使用し、透明窓の調査を行っ

た。

1) ワンショットプラス®(白十字株式会社:以下、ワ

ンショットプラス):消毒用エタノールを使用し

ている。

2) クリアパワーTM(白十字株式会社:以下、クリアパ

ワー):第 4 級アンモニウム塩、両面界面活性剤

などを使用しており、院内の機器の清掃・除菌に

使用している¹⁾。

3) エリエール®除菌できるアルコールタオル®(大王

製紙株式会社:以下、アルコールタオル):エタ

ノールを使用している。

調査方法として①清掃を想定して透明窓を 40 回擦

る、②患者の指を消毒し SPO₂を測定した場合や、使用

後に消毒剤を含ませた布を挟んだ状態を想定し、ワン

ショットプラスを挟む。この 2種類の調査方法で評価

を行った。調査結果は、①透明窓を 40回擦った場合、

ワンショットプラスとアルコールタオルで溶着部の

亀裂と剥離が確認された。主成分のエタノールが溶着

部分の隙間に染み込み、亀裂や剥離が起こったのでは

ないかとの回答であった。クリアパワーでは、異常は

認められなかった(表 3)。

表 3 当院使用の消毒剤での結果

次に②ワンショットプラスを挟んだ場合、透明窓の

亀裂や剥離は認められなかったが、ワンショットプラ

スと接触していた透明窓や接触面の表面が白濁して

いることが確認できた(表 4)。主成分であるエタノー

ルが蒸発しにくい状態で置かれていたなどが原因で

接触面を溶かしてしまったのではないかとの回答で

あった。

表 4 ワンショットプラスを挟んだ結果

一般社団法人 宮城県臨床工学技士会会誌 第 6号 2014 年 03月

一般演題 Ⅰ - 45 -

IV. 考察

今回当院で起こったファインパルスの不具合の原

因をメーカーで調査した結果から、清掃や除菌で使用

している消毒剤が原因であったと考えられる。

ファインパルスなどの医療機器に対する清掃・除菌

は、有機溶剤であるアルコールなどの成分が含まれて

いないものでの行うよう添付文書で表示されている。

当院でもアルコールなどの有機溶剤を含んでいない

クリアパワーを使用して、清掃・除菌をするよう決め

られている。しかし、今回調査で使用した消毒剤イソ

プロピルアルコールや当院で使用しているワンショ

ットプラス、アルコールタオルでの調査結果からこれ

らの主成分であるアルコール成分が原因で透明窓の

溶着部の亀裂・剥離や、透明窓の白濁を引き起こし、

製品内部に消毒剤が入り込んだことによって今回の

不具合が生じたと考えられたため、各病棟で患者に使

用後ワンショットプラスやアルコールタオルで清

掃・除菌をしてしまっているのではないかと考えられ

た。

メーカーからの調査結果を報告されてから即座に、

臨床工学室より院内の各病棟に「パルスオキシメータ

の消毒法について」という注意文を出した(図 3)。ま

た、毎週の機器点検で病棟を回る際も、各病棟に声掛

けをするよう心がけている。

各病棟でも対策として、回診車の上にはクリアパワ

ーのみを置くよう工夫してくれた(図 4)。

また、メーカーより即座に透明窓の強化がなされ、

アルコールなどの薬品耐性に優れた素材に改良され

た。

これらの取り組みが、今後院内の医療機器の清掃・

除菌方法の改善へと繋がればと考える。

図 3 臨床工学室からの注意文

図 4 病棟回診車の上

V. 結論

当院ではテルモ社製パルスオキシメータ・ファイン

パルスを採用したが、不具合が続いたためメーカーに

調査を依頼した。今後、パルスオキシメータを含めた

院内機器の清掃方法を改めて周知させる必要がある。

参考文献

1)伏見 了,ほか:これで解決!洗浄・消毒・滅菌の基

本と具体策.ヴァンメディカル,初版:24,80-83,2008.

一般社団法人 宮城県臨床工学技士会会誌 第 6号 2014 年 03月

一般演題 Ⅱ - 46 -

I. 目的

今回、完全電子カルテシステムを導入するにあたり、

FutureNet などの透析メーカーの透析中央監視システ

ム(以下、透析システム)を使用せず、基幹電子カルテ

システム(以下、基幹システム)内の透析部門システム

を日本透析医学会共通通信プロトコル Ver.3(以下、

Ver.3)で接続したので報告する。

II. 経過

当院では、2008年から電子カルテの導入検討が始ま

った。

同時に、透析システムの構築も決定したが、システ

ム構築にあたっていくつかの問題があった。

まず、FutureNetや ERGOTRI-NXなどの使用経験の報

告はあったが、いずれもコンソールは 1機種に統一し

たもので、複数社のコンソールと Ver.3で接続した研

究発表は確認できず、また、基幹システムとの接続も

スムーズにいかないなどの問題があった。

一方、当院では複数社のコンソールを使用しており、

ICU での血液浄化療法なども考慮すると、透析室以外

の端末からの情報閲覧や、検査・薬局などの部門シス

テムとの連携が必要になると考えられたため、基幹シ

ステム内の透析部門システムを使用し Ver.3で接続す

ることにした。

それに伴い、2011 年 1 月に一部のコンソールを

Ver.3 対応の GC-110N に更新、既存のコンソールに関

してはソフトウェアなどの更新、通信基盤などの改修

を行った。

その後、2011 年 5 月、SSI 社の基幹システム『e カ

ルテ』及び、その透析部門システムの運用を開始した。

III.概要

コンソールは、日機装社の DCS-27 が 12 台、JMS 社

の DC-110N が 13 台となっており、各コンソールに 1

台ずつ端末を接続している(図 1)。

コンソールと端末は、RS-232C ケーブルにて 1 方向

通信とし、基幹システムのサーバーとは LANケーブル

で接続した。

基幹システムとは双方向で通信可能となっており、

院内の基幹システム端末であれば、どこからでも閲覧

が可能となっている(図 2)。

図1 透析室概要

図 2 システム構成

IV. システム運用

透析部門システムは、基幹システムと患者基本情報

や各種オーダーなどの情報を共有している。双方向で

情報を共有しているため、医師カルテや看護カルテの

透析情報から、透析基本画面を開くことができるよう

一般社団法人 宮城県臨床工学技士会会誌 第 6号 2014 年 03月

一般演題 Ⅱ - 47 -

になっている。

透析を行う際は、まず透析部門システムで、透析マ

スター、スケジュールを作成。

透析中は、患者のバイタルサインを各種パラメータ

とともにコンソールを介して取り込み、時系列で表示

する。

入院中の患者であれば、透析中のバイタルは基幹シ

ステムの病棟経過表に自動で記載されるようになっ

ている。

また、当院では物流管理システムとも連携させ、備

品をバーコードで管理し、データの読み込みを行うだ

けで発注ができるようになった(図 3、4、5)。

図 3 システム運用フロー

図 4 電子カルテ側からのアクセス方法

図 5 物品管理

V. 結語

当院では、複数社のコンソールを使用している状況

下で日本透析医学会共通通信プロトコル Ver.3を使用

し、完全電子カルテシステムを構築した。

このシステムの利点として、基幹システム内の透析

部門システムを使用したことで、双方向でオーダーの

共有が可能となり、カルテの転記作業などが不要とな

った。

また物流管理システムと連携し、物品をバーコード

管理することで、請求業務が簡便になり、スタッフの

負担軽減につながった。

一般社団法人 宮城県臨床工学技士会会誌 第 6号 2014 年 03月

一般演題 Ⅱ - 48 -

I. はじめに

当院では、不定愁訴の改善、QOL の維持、合併症の

予防を目的として 1)、蛋白漏出型 V 型ダイアライザ

PES-21Dα eco(以下、PES-Dα)を使用した大量液置

換の前希釈 on-line HDFを施行していたが 2)、2012年

4 月以降、血液透析濾過(複雑なもの)が新設され、

それ以降は同じ条件でヘモダイアフィルタ MFX-21U

eco(以下、MFX-U)を使用した前希釈 on-line HDFを施

行している。

本検討ではニプロ社製ヘモダイアフィルタ MFX-U

を使用した際の除去特性データと長期使用した際の

各種血中濃度や栄養状態の変化について検討を行っ

たので報告する。

II. 目的

蛋白漏出型ヘモダイアフィルタである MFX-U を前希

釈 on-line HDFを施行し、各種低分子量蛋白質除去性

能の評価、透析前低分子量蛋白質濃度、および栄養状

態の検討を行った。

III.対象および方法

当院において本評価に同意の得られた安定期維持透

析患者 5 名を対象とした。患者背景は年齢 61.2±7.2

歳、透析歴 214±72ヵ月、DW 59.1±5.4kg、原疾患は

IgA 腎症が 3 例、腎形成不全、慢性糸球体腎炎が各 1

例であった。症例によって治療条件は異なるが、表 1

に示すとおりに実施した。

評価項目は、低分子量蛋白物質として β2MG、α1MG

の除去率、除去量、クリアスペースの算出、および Alb

漏出量を測定した。またヘモダイアフィルタ変更前後

のβ2MGとα1MGの透析前値濃度を測定し長期的に観

察を行った。本評価においては Alb漏出量が多いこと

が予想されたため、ヘモダイアフィルタ変更前後の栄

養指標である GNRI とクレアチニン産生速度(以

下、%CGR)の推移を観察した。また、本臨床評価開始

時からこれまでの臨床症状改善効果について患者に

対し聞き取り調査を実施し、検討した。

表 1 対象

IV. 結果

MFX-U の除去率については、β2MG では条件 2 で

83.0±5.0%、条件 3 で 84.1±3.4%、α1MG では条件 2

で 36.8±5.2%、条件 3で 35.5±3.4%であった(図 1)。

図 1 除去率

除去量では、β2MG では条件 2で 228±22mg、条件 3

で 246±33mg、α1MGでは条件 2で 199±30mg、条件 3

で 209±54mg であった(図 2)。クリアスペースでは、

β2MGでは条件 2で 8.0±0.1L、条件 3で 8.8±0.08L、

α1MGでは条件 2で 1.6±0.009L、条件 3で 1.7±0.03L

であった(図 3)。Alb漏出量では、条件 2で 4.1±1.6g、

条件 3で 4.6±1.9gであった(図 4)。

透析前β2MG と透析前α1MG の濃度を本評価開始時

のデータと比較したところ、透析前β2MG は 30.5±

4.5mg/dLから 28.0±5.0mg/dL、透析前α1MGは 133.0

一般社団法人 宮城県臨床工学技士会会誌 第 6号 2014 年 03月

一般演題 Ⅱ - 49 -

±18.9mg/dLから 123.0±20.5mg/dLとの結果が得られ

た(図 5)。

MFX-U へ変更後の%CGR、透析前 Alb 濃度と GNRI の

推移を図 6 に示す。変更後の%CGR は 122.8±4.5 から

115.3±7.1、GNRIは 97.9±7.3から 97.8±5.9と有意

な変動はみられなかった。

図 2 除去量

図 3 クリアスペース

図 4 アルブミン漏出量

図 5 透析前β2MG、α1MG濃度推移

図 6 栄養状態

V. 考察

今回検討した MFX-U は条件 2 でα1MG 除去率約

36.8%、Alb 漏出量約 4.1g、条件 3 でα1MG 除去率約

35.5%、Alb 漏出量約 4.6g と、どちらの条件において

もα1MG 除去率は 35%をクリアしていることと濾過量

増大による Alb漏出量の増加が確認できた。また、透

析前β2MG 濃度、α1MG 濃度は条件 2 の継続使用によ

り有意差はないものの低下傾向がみられた。

栄養状態において平均%CGR は 100 未満となる症例

はみられず、また平均 GNRIも 92未満となる症例はな

く、MFX-U 変更後も低栄養をきたすことなく、安全に

施行することが可能であった。

本法は比較的活動的で食事量も多く、全身状態の安

定した患者では問題ないと考える。しかし、高齢者や

栄養状態の悪い患者においてはヘモダイアフィルタ

をはじめ、本治療条件の選択には十分な注意を払わな

ければならないと考える。

桜井らはレストレスレッグス症候群がα1MG 除去率

35%以上で治癒することを報告していることから 3)、

一般社団法人 宮城県臨床工学技士会会誌 第 6号 2014 年 03月

一般演題 Ⅱ - 50 -

今回の治療条件はこれを満たしていた。また、土田ら

は 1 回あたりの albumin loss は 10g以内を推奨して

いる 4)。透析治療における臨床症状の改善は分子量

33,000領域の物質除去のみでなく、分子量の高い物質

や蛋白結合型尿毒素物質などの積極的な除去が有用

と考えられる。

本治療を長期継続使用した患者に対し、聞き取り調

査を行ったところ「痒みが治まった(軽微になった)」、

「今の治療を始めてから倦怠感がなくなった、楽にな

った」、などレトロスペクティブではあるが、症状改

善となった感想が多数聞かれた(表 2)。

表 2 on-line HDF へ治療モード変更による患者からの声

VI. 結語

ヘモダイアフィルタ MFX-U を用いた前希釈 on-line

HDF治療を実施し、α1MG~Alb近傍領域の高い除去性

能が確認できた。また、本法を長期的に施行すること

で透析前β2MG およびα1MG 濃度について有意差はな

いものの低下傾向を示すことが示唆された。臨床症状

改善にはさまざまな物質除去なども影響しているも

のと考えられ、今後更に除去特性を高めた条件での長

期継続使用が臨床症状改善にどのように影響するか

検討していきたい。

参考文献

1) Canaud B, Bragg-Gresham JL, Marshall MR,

Desmeules S,et al:Mortality risk for patients

receiving hemodiafiltlation versus

hemodialysis European results from the DOPPS.

Kidney International,69(11):2087-2093, 2006

2) 引地誠、後藤麻偉子、千葉ひろみ、他:PES-21Dα の

前希釈 on-line HDFにおける溶質除去性能の検討.

腎と透析 69別冊 HDF療法’,10:122-124,2010.

3) 櫻 井 健 治 、 齋 藤 毅 、 小 久 保 健 一 、 山 下 明

泰:On-lineHDFの優位性を検証するー臨床面からの

検 討 ― 腎 と 透 析 73 別 冊 HDF 療

法’,12:24-26,2012.

4) 土田健司、細谷洋子 道脇宏行、水口 潤 HDF 臨床:

オンライン HDF 療法を始めるにあたって 腎と透

析 73別冊 HDF療法’,12:39-41,2012.

一般社団法人 宮城県臨床工学技士会会誌 第 6号 2014 年 03月

一般演題 Ⅱ - 51 -

I. 背景

透析機器メーカーの透析支援システムの普及はほ

とんど進んでおらず、その原因としてシステム導入の

費用が高いなどがあげられる。市販の透析支援システ

ムもあるが、安いとは言えない。

II. 目的

透析業務の効率化および医療機器管理の一元管理

を行うため、透析支援システムとして小規模アプリケ

ーションを構築した。

III.方法

1. 使用ソフトと基本構成

初心者からデータアーキテクトまでカバーするデ

ータベースソフトウエア Microsoft Office Access®

を使用し、当院独自の透析管理システムを作成した

(図 1)。

図 1 作成したデータベース(表紙)

患者管理システムと医療機器管理システムのテー

ブル間に、リレーションシップを作成することにより

患者が使用している機器の関連付けを行った。1 対多

のリレーションシップはメンテナンス履歴、紹介状履

歴用に作成した(図 2、3)。

患者基本情報をメインとしたテーブルに透析条件、

紹介状、投薬記録、機器メンテナンスなどのテーブル

から、さまざまなクエリで選択的にデータを抽出し各

入力フォームを作成した(図 4)。

図 2 テーブル構造とリレーション

図 3 データベースの基本構造

図 4 入力画面(患者情報用)

一般社団法人 宮城県臨床工学技士会会誌 第 6号 2014 年 03月

一般演題 Ⅱ - 52 -

各入力フォームはリストから選択する入力方式を

メインとし、キーボード入力を極力減らした。透析条

件関係の入力と透析時に投与する薬剤の入力とで大

きく色分けした入力フォーム構造となっている(図 5)。

図 5 入力画面(薬剤投与条件用)

投薬処方の入力もクリックのみで可能である。医薬

品マスターを厚生労働省のホームページからダウン

ロードし、検索フォームからクリック入力またはフィ

ールドに直接入力(予測検索)も可能となっている。

薬剤検索フォームを使用することで、クリックのみで

入力が可能となっている(図 6、7)。

図 6 入力画面(投薬処方)

図 7 薬剤検索フォーム

2. 隔週投与薬剤への対応

今回の改良点は、ミルセラ®注シリンジ(中外製薬

株式会社)、ネスプ®注射液(協和発酵キリン株式会社)

の隔週投与の対応である。カレンダー機能を使用した

スケジュール管理で投与日に合わせて入力する方法

もあるが、当システムは自動更新、自動出力を可能と

した。投与開始日を指定し、2 週に 1 回もしくは 4 週

に 1 回の条件を入力することにより、以後の投与量、

投与間隔の変更があるまでは自動的に日付を返し反

映し、投与日の透析経過記録や注射薬用ラベルにプリ

ントアウトされる。投与日以外に出力されることはな

い(図 8)。

図 8 隔週投与への対応

注射薬にラベルを貼付することで、準備忘れや投与

ミスが減少した。また、クロス集計クエリにより、ダ

イアライザや薬剤などの使用量も容易に把握でき無

駄のない発注も可能である(図 9、10)。

図 9 患者ごとの注射薬ラベル

一般社団法人 宮城県臨床工学技士会会誌 第 6号 2014 年 03月

一般演題 Ⅱ - 53 -

図 10 実際の使用例

投与薬剤の更新タイミングは、投与日の週初めに設

定してある。DateAdd 関数で 2 週間後、4 週間後の日

付を返し、更に DateDiff 関数で次回投与日までの日

付間隔を返し、VBA(Visual Basic for Application)

を使用し更新動作を行う。

イベント プロシージャの内容は Do Until Loop ス

テートメント内に If~ElseIf ステートメントを組み

合わせ、自動更新のイベントを作成した。この一連の

イベントを透析経過記録印刷ボタンに設定し、印刷時

に必ず実行される仕様とした(図 11)。

このスクリプト・プログラムの作成はマクロの一覧

にないイベントを Visual Basic を使用し複雑な動作

を行うのに適しているが、ある程度の習得が必要であ

る。この点において FileMaker Pro®はスクリプト一覧

からソース組み合わせにより、処理の自動化が可能で

ある。アプリケーションの操作に慣れていないユーザ

ーまたはスペシャリストでも、完成度の高いデータベ

ースシステムを構築できる優れたデータベースソフ

トウエアである。

図 11 投与薬の更新プログラム

3. 透析経過記録

当院の透析経過記録は、実際に使用する前の週に印

刷するため、記載される日付は印刷する次週の日付を

返すように設定している。DateAdd と Weekday 関数を

使用し、月・水・金と火・木・土の透析日を区別する

ため、IIF 関数を使用した。この日付更新は毎週自動

的に行われる(図 12)。

図 12 日付設定関数

臨時透析や曜日変更が生じた場合は、カレンダーか

らの入力も可能となっている。透析経過記録に記載さ

れる申し送りや注意書きの入力も可能である(図 13)。

図 13 カレンダーコントロール運用の一例

4. シャントマップの編集

透析条件入力フォームより「シャント」ボタンをク

リックすると、現在開いている患者のシャント図の確

認と編集を行うことができる。開いたフォーム内のシ

ャント図をダブルクリックすると編集アプリケーシ

ョンが起動し、ペンタブレットなどで編集が可能であ

る(図 14)。

一般社団法人 宮城県臨床工学技士会会誌 第 6号 2014 年 03月

一般演題 Ⅱ - 54 -

図 14 シャントマップ

5. 紹介状作成

紹介状は複数の医師が作成するので、入力手順を簡

素化し段階を踏みながら進む作りとした。「次へ」や

「入力」のボタンをクリックすることにより、入力漏

れ、操作ミスが軽減できた。また、過去の紹介履歴か

ら紹介内容などの閲覧も可能となっている。既往歴や

処方薬などを、確認しながら入力することが可能であ

る。更に、紹介病院への封筒宛名印刷も行うことがで

きる(図 15、16)。

図 15 紹介先一覧と過去の紹介履歴

図 16 紹介状入力画面

6. 医療機器管理システム

透析室や機械室に配置されている機器と同じ並び

のボタンを配したフォームを作成し、メンテナンスを

行った機器の設置場所をクリックすると、その機器の

メンテナンス管理フォームを開くことができる(図

17)。

図 17 医療機器管理システム画面

メンテナンス管理フォームを開くと、右側のサブフ

ォーム内にメンテナンス履歴が表示され、「開く」ボ

タンをクリックすることにより過去のメンテナンス

内容確認も可能である。据え付け時からの経過月数が

表示され、次回のメンテナンス予定日も表示されるた

め、メンテナンス予定の策定も容易である(図 18)。

また、患者管理システムと医療機器管理システムの

リレーションを組むことにより、透析監視装置とその

装置を使用している患者の相互を関連付け、経過記録

に使用機器の製造番号を記載することにより、透析経

過記録を使用中点検簿として扱うことが可能となっ

た(図 19)。

図 18 メンテナンス管理フォーム

一般社団法人 宮城県臨床工学技士会会誌 第 6号 2014 年 03月

一般演題 Ⅱ - 55 -

図 19 透析経過記録と使用中点検簿

7. 保存方法

医療情報の電子化が進み「診療録等の電子媒体によ

る保存について」という電子化で守るべきガイドライ

ンが定められており、特に重要なものに、真正性の確

保、見読性の確保、保存性の確保がある。

真正性の確保とは、誰がいつ何を書いたのかを明確

にし、内容の変更や消去が行われないようにする。見

読性の確保とは、電子情報の整理、アクセス権限の整

備や常に閲覧できるように運用する事である。保存性

の確保とは、PC(パーソナルコンピュータ)機器の故

障対策、ウイルス対策を行い、データを失われないよ

うにすることである。

それぞれ多くの課題があるが、特にデータ損失は大

きな問題である。そこで当システムは RAID1(ハード

ディスクドライブの二重化)モードの NAS(ネットワ

ークに接続されているハードディスクドライブ)にデ

ータを保存し、更に PC 内のシステムドライブ以外に

複数のドライブを増設、それぞれの HDDに保存してい

る。

通常システムドライブ内に設置されるユーザーフ

ォルダも別ドライブに移動し、システムドライブはア

プリケーション専用ドライブとし、OS(オペレーショ

ンシステム)の起動やアプリケーションの起動の高速

化を図っている。その対策により、OSのバージョンア

ップや PC機器の故障によるデータ損失も防いでいる。

更に停電時に備え、NASを含め PCに UPS(無停電装

置)を接続し、データ損失に対応している。

IV. 結果

Microsoft Office Access®によるシステムでも、ク

リニックレベルでの透析管理システムとして運用す

ることは十分可能であった。

V. 考察

当院独自のシステムを構築するにあたり、ある程度

の知識と発想力が必要となってくるが、市販されてい

るデータベースアプリケーション Microsoft Office

Access®や FileMaker Pro®などはバージョンアップを

重ねることにより、使い易くて作り易い各施設独自の

システム作りが可能である。

市販の透析管理システム導入も良いが、時代の流れ

に沿ったカスタマイズ、施設ごとの特有な使い方など

さまざまなニーズにリアルタイムに対応できる点に

おいては、独自のシステムならではであり、総合的な

パフォーマンスにおいては市販の透析管理システム

に引けを取らないと考えている。

VI. 結語

当院独自の透析管理システムではその時々のニー

ズにあったカスタマイズが可能で、低コストで業務の

簡素化、効率化が可能である。

今後は検査会社からの検査データのインポートや、

更にきめ細やかな改良を加えていく予定である。また

機器管理には、タブレット PC を使った入力も実用的

と考える。

一般社団法人 宮城県臨床工学技士会会誌 第 6号 2014 年 03月

一般演題 Ⅱ - 56 -

I. はじめに

重炭酸型透析液におけるカルシウム(Ca)濃度は 2.5

と 3.0mEq/L でほぼ占められており、2 剤のいずれを

選択すべきかは、生体への Ca負荷量・影響を勘案し、

透析液 Ca濃度の変更を検討する。

透析液 Ca濃度の重要性としては

1. 高 P 血症・高 Ca 血症は生命予後を悪化→透析液

による Ca負荷の回避。

2. 透析液 Ca 濃度 3.0mEq/L は充分な炭酸 Ca 剤・ビ

タミン D 剤が使いづらい→透析液による Ca 負荷

の回避。

3. 透析液濃度 2.5 mEq/L は Ca バランスがマイナス

になり易く、二次性副甲状腺機能亢進症悪化の可

能性→透析液による Ca低下の回避。

4. 透析液 Ca濃度差 0.5mEq/L(2.5 vs. 3.0)は大き

い→透析液 Caの検討。

などが挙げられる(図 1)。

図 1 透析液濃度と Caバランス

II. 目的

2012 年 5 月より Ca 濃度 3.0mEq/L の透析液(キンダ

リー2E)から Ca 濃度 2.75mEq/L の透析液(キンダリー

4E)への変更をする機会が得られた。当院での各種デ

ータなどを比較し有用性を評価した。

III.方法

当院透析患者 62 名を対象に、透析液変更前後にお

ける血液データの比較、血行動態の推移、発生した有

害事象による安全性の比較検討を行った。比較検討に

は、student’s t 検定を用い、危険率 5%未満を有

意差有りとした。

IV. 結果

透析液変更後、透析前 Ca 濃度は上昇し、透析後 Ca

濃度は低下傾向を示した。血圧は透析前後ともに有意

に低下した(表 1、図 2、3)。

図 2 結果 血圧

表 1 結果

一般社団法人 宮城県臨床工学技士会会誌 第 6号 2014 年 03月

一般演題 Ⅱ - 57 -

図 3 結果 Ca推移

IP(無機リン)、i-PTH(インタクト-副甲状腺ホル

モン)に関しては有意な変化は認められなかったが、

Ca、IP、i-PTH ともに管理目標値となる症例が増加し

た(表 2、3、4)。

表 2 管理目標値 Ca

表 3 管理目標値 intact-PTH

表 4 管理目標値 IP

有害事象は透析施行時に代表的な筋痙攣・血圧低下

に絞り比較したところ透析液変更後で処置回数は減

少傾向を示した(表 5、図 4)。

表 5 結果 処置回数

図 4 活性型ビタミン D製剤 使用状況

一般社団法人 宮城県臨床工学技士会会誌 第 6号 2014 年 03月

一般演題 Ⅱ - 58 -

V. 考察

筋痙攣・血圧低下はともにドライウェイトや除水量

にも左右されるため、一概に処置回数が減少したとは

言えないが透析液変更による有害事象の増加は認め

られなかったと言える。2E に比べ 4E では血圧が有意

に低下しているが、処置回数は増加していないため、

降圧薬の減量が期待される。透析中の Ca 負荷減少に

よる PTH 増加が認められ、それに対する VD 製剤の使

用量が増加した。昨今、VD不足による心機能・免疫低

下が危惧されているため、その効果も期待される。

VI. 結語

キンダリー4E はキンダリー2E と比べ安全性も劣ら

ず、Ca の出納バランスにも優れた透析液であるため、

今後治療の選択肢を増やせる可能性が示唆された。

短期的観察では、良好な(遜色のない)結果が得られた

が、CKD-MBD(慢性腎臓病に伴う骨・ミネラル代謝異

常)の病態管理も含め長期的な観察が必要である。

一般社団法人 宮城県臨床工学技士会会誌 第 6号 2014 年 03月

第 23回日臨工学会 BPA若手奨励賞受賞演題 - 59 -

I. 緒言

以前より当院では災害対策の一つとして、透析監視

装置のキャスターはフリー、ベッドのキャスターはロ

ックとしており、東日本大震災による透析監視装置の

転倒や患者の転落は免れた。しかし、地震発生時、透

析監視装置の両側がベッドの場合はベッドに衝突す

るが血液回路は引っ張られることはなく、片側が通路

の場合はベッドに衝突するか通路側へ移動すること

で血液回路が引っ張られる現象を経験した。

また、県内 54 の維持透析施設中、津波被害のなか

った 46 施設を対象とした血液透析関連機器災害対策

調査によると、キャスター付の自立式が 43 施設であ

った。当院同様、地震対策としてキャスターフリーと

している施設が 40 施設あり、そのうち 13 施設にて、

地震による透析監視装置の移動・転倒、振動による故

障、ケーブル類の抜け・切断、停電による故障を経験

した。実際にどの程度移動したか目視による距離で調

査したところ、10~30cm移動したと回答した施設が 8

施設、同様に 50cm と回答した施設が 3 施設、最長で

150cm と回答した施設もあったが、幸い、抜針事故に

は至らなかった。

以上、地震発生時の当院の状況や宮城県内の血液透

析関連機器災害対策調査の結果を踏まえ、新たに地震

対策が必要であると実感し、透析監視装置とベッドの

固定方法の検討を行ない、昨年の日本透析医学会にて

報告した。

II. 目的

今回開発した固定具について、実際の振動による耐

久性の検証および透析監視装置とベッドの固定以外

の利用方法を模索し、地震による機器転倒対策として

応用できないか検討したので報告する。

III.方法

1. トム・メディック協力のもと作成したステンレス

製の固定具を用いて透析監視装置とベッドを固

定し、地震体験車にて耐久性を検証する。

2. 固定具を人工呼吸器や点滴スタンド、その他の血

液浄化装置とベッドの固定に応用できないか検

討する。

IV. 固定具の取り付け方法

1. ベッドの適当な位置に固定具を取り付ける。

2. 透析監視装置のサイドポールに固定具を取り付

ける。

3. 透析監視装置側、ベッド側の固定具にコの字型の

固定具を接続する。

V. 結果

1. 地震体験車による耐久性の検証

ベッドのキャスターを固定・透析監視装置はフリー

の状態で固定具を使用しない状態では、東日本大震災

の地震発生時と同様、揺れに伴い透析監視装置とベッ

ドは衝突後、大きく離れるといった現象が確認された。

次に、キャスターは同条件で固定具を使用した状態

である。透析監視装置とベッドは理想通り一定の距離

を保ちながらも固定具の破損・外れなどはなく、装置

の転倒も防ぐことができ、安全性・有用性が実証され

た。

今回制作した固定具は、透析監視装置やベッドの種

類に関係なく使用できる。各施設に適した使用が可能

であり、今後発生が予想される大震災への備えに有効

であると思われる。

2. 透析監視装置以外の機器との固定の検討

1) 人工呼吸器とベッドの固定

当院で使用している人工呼吸器 2 種類(IMI 株式会

社 VELAおよび日本光電株式会社ハミルトン C-2)を対

象とした。

両機種ともサイドポールはなくとも、ポールホルダ

ーと同様な円柱の形状の部位を使用することで固定

することが可能であった。なお、どちらの人工呼吸器

も機器側の固定位置が高く、従来のコの字型固定具で

一般社団法人 宮城県臨床工学技士会会誌 第 6号 2014 年 03月

第 23回日臨工学会 BPA若手奨励賞受賞演題 - 60 -

は長辺側の長さがベッド側の固定具まで届かなかっ

たため、コの字側固定具の長辺側を長くすることで対

応した。

2) 点滴スタンドの固定

コの字型固定具は透析監視装置に使用した長さの

まま応用した。

3) 他の血液浄化装置とベッドの固定

今回は当院で CHDF用として使用している ACH-Σ(旭

化成メディカル株式会社)にて検証した。

ACH-Σの裏側にある太いポール部を利用すること

で固定できたが、コの字型固定具とベッド固定部まで

の距離が通常の透析監視装置よりも距離が長いため、

従来の固定具では横幅が足りず、コの字型固定具の横

幅を長くすることで対応した。

ベッドと固定する機器の距離は、機器の種類により

様々であるが、コの字型固定具の長さを変更すること

で対応できた。

また、今回検討はできなかったが、機器側の固定部

がポール以外の形状の場合でも機器側の固定具の形

状を工夫することで、さまざまな機器の固定にも応用

することができると思われる。

VI. 考察・結語

今回開発した固定具は、地震体験車による検証にて

震度 6に対する耐久性が実証でき、地震発生時の患者

安全対策として十分に活用できると思われる。

また、他の機器との固定に関しても、コの字型固定

具の長さを変更もしくは機器側の固定具の工夫によ

り取り付けの制限がなく、様々な機器の固定に有用で

あると考えられ、今後更なる検討を重ねていきたい。

一般社団法人 宮城県臨床工学技士会会誌 第 6号 2014 年 03月

Snapshot - 61 -

Snapshot

一般社団法人 宮城県臨床工学技士会会誌 第 6号 2014 年 03月

Snapshot - 62 -

一般社団法人 宮城県臨床工学技士会会誌 第 6号 2014 年 03月

一般社団法人 宮城県臨床工学技士会 定款 - 63 -

平成 25年度 4月 理事会議事録 開催日時:平成 25年 4月 25日木曜日 18:00-19:15 開催場所:仙台オープン病院 大会議室 文責者:鈴木雅和 東北厚生年金病院 出席・欠席者 ☒鈴木一郎☐相澤康弘☐菊地 徹☒千葉美樹☒尾形佳昭☒尾越 登☐勝又尚紀☒菊地昭二☒工藤剛実 ☒木幡宏実☒鈴木雅和☒千田幸夫☒畠山 伸☒引地 誠☒前田 寿☒松浦周悦☒安田耕一 ☒佐藤政範☒高橋正人☐三浦勝明 1. 会長報告

1) 仙台社会保険病院の槙さんに、第 24回日本臨床工学会の副学会長として、理事会に参加していただく。 2) 第 24回学会運営事会社を 3月 25日(月)のプレゼンテーションを踏まえ、JTBに選択する方向。 3) 宮城県医師会長、仙台市医師会長、宮城県知事、仙台市長に第 24回学会の挨拶をお願いする。正式に

は開催趣意書が確定後。 2. 事務局報告

1) 3月 25日(月)にオープン病院で学会運営会社のプレゼンテーションがあり、鈴木会長、菊地副会長、勝又理事、千葉事務局長、日臨工から松坂さんが参加し、日本コンベンション株式会社と JTBのプレゼンテーションを行った。

2) 宮城県技士会収支報告書の報告と修正箇所の確認。 3) 総会の議案書作成中、5月下旬に会員に送付予定。

3. 委員会報告 1) 学術・教育 第 6回勉強会案の進行度の報告。第 7回勉強会は 10月 6日(日)ホテルメトロポリタンで行う。山形の学会終了後に詳しく詰めていく。

2) 編集 会誌 5号が印刷の段階に入った。

3) 渉外 3月 24日東北文化学園のオープンキャンパス参加報告。鈴木理事と薬科大学病院大谷さんが参加。生徒20名保護者 12名に理事会作成のスライドを使った説明と昼食時の質疑応答に対応してきた。

4) 福利厚生 勉強会の昼食は昨年同様の予定。

5) 企画・調査・情報 第 24回学会のホームページのデザインについて。写真はポスターと同じにする。

6) 災害対策 なし。

7) 第 24回開催準備 後援の部分を削ったポスターを印刷し山形の大会で公開。学会趣意書、予算書作成報告。準備金 300万円(後日返却)が赤字となった場合主催県の負担となる。山形大会の理事視察役割分担表と報告書、打ち合わせ会について。山形大会視察は各理事の自己負担。24回学会各イベントの予定と討議。

4. その他 1) オープンキャンパス参加者の感想を鈴木会長、事務局、菊地渉外委員長、鈴木理事に後日メールで送付

予定。 平成 25年度 5月 理事会議事録 開催日時:平成 25年 5月 23日 木曜日 18:00-20:30 開催場所:仙台オープン病院 大会議室 文責者:鈴木雅和 東北厚生年金病院 出席・欠席者 ☒鈴木一郎☒相澤康弘☒菊地 徹☒千葉美樹☒尾形佳昭☒尾越 登☒勝又尚紀☐菊地昭二☒工藤剛実 ☒木幡宏実☒鈴木雅和☒千田幸夫☒畠山 伸☐引地 誠☐前田 寿☒松浦周悦☐安田耕一 ☒佐藤政範☒高橋正人☐三浦勝明 1. 会長報告

1) 平成 25年度宮城県臨床工学技士会総会の議案書が完成した。理事の皆さんには、訂正箇所が無いか確認してほしい。

2. 事務局報告 1) 4月 30日に 6月 30日予定の宮城県臨床工学技士会総会会場費用 を東北文化学園に 26000円支払い済み。 2) 5月 8日、七十七銀行より平成 25年度会費引き落としをできなかった 6名の通知あり、本人に連絡を取

り全員納付済み。新規入会申し込み者 14名で会員は 300名を超えた。 3) 賛助会費を 44社に依頼。例年は 34社。 4) 会誌 5号が本日 400部出来上がり。広告 12社。

3. 委員会報告 1) 学術・教育

一般社団法人 宮城県臨床工学技士会会誌 第 6号 2014 年 03月

一般社団法人 宮城県臨床工学技士会 定款 - 64 -

第 6回勉強会内容の確定、発表者、司会、座長も確定した。 2) 編集

会誌 5号発行。 3) 渉外

6月の東北文化学園オープンキャンパス参加予定。 4) 福利厚生

勉強会の昼食をホットモットとコバヤシに見積もり、飲み物込み 630円程度でいかかでしょうか→このまま進めるが、勉強会に昼食が必要か?の意見あり。

5) 企画・調査・情報 なし。

6) 災害対策 なし。

7) 第 24回開催準備 今後理事会の後に、運営委員会を行う。

4. その他 1) 6月 2日(日)を臨床工学の日としポスター掲示を行い、臨床工学技士の広報を行う。各医療機関に掲

示のご協力をお願いする。各医療機関に 5部送付する。 2) 手当の明記化の提案、今のところ腎キャンペーン 2000円、オープンキャンパス講師 5000円、ハーフマ

ラソン視察 3000円。申請、報告等の決まりは今後検討。 3) 第 23回日本臨床工学会に派遣した会員 5名に、技士会より手当を 2日分支給する。

5. 宮城県臨床工学技士会総会関連 1) 総会の進行の確認と予算収支の確認。予算案に記載ミスが見つかり修正を行う。 2) 総会時、選挙に立候補の案内を行う。 3) 今年度より、年会費を引き落とし手数料込 5000円とする。それに伴って、予算項目に手数料を支出項

目に計上する。また、引き落としできない方への案内をどうするか検討が必要。 6. 仙台ハーフマラソン視察報告

1) 相澤副会長、千葉事務局長、千田理事、松浦理事、尾形理事、尾越理事、工藤理事、引地理事、オープン病院宮本さんの参加で行われた。

2) 視察詳細は視察報告。 7. 第 24回日本臨床工学会運営関連

1) 仙台ハーフマラソンと第 24回日本臨床工学会の 2日目午前中が重なるため、上記視察を踏まえ、プログラムを考えていく。

2) 第 23回日本臨床工学会運営参加報告 仙台オープン病院宮本さん (1) 詳細は報告書。 (2) 座長に発表者の所属・氏名のフリガナがわからない→2日目は改善。 (3) 受付が 2か所のため混乱。 (4) ネームプレートが複数あり煩雑。 (5) 学生が協賛セミナーで昼食をとれない場合あり。お弁当はセミナー開始 15分で配布終了。最終的

には別室で昼食はとることができた。 (6) タイムスケジュールはわかりやすかった。 (7) 体験コーナーの服が汚れてひどかった、また連日はきつい。

3) 第 23回日本臨床工学会運営参加報告 大崎市民病院 菊地さん (1) 招聘状が 3日前に来たため、院内の手続きが後手となった。 (2) 会場の集合時間と開館時間が大きく違い、外で打ち合わせとなった。 (3) 体験コーナーは着替えが上着しかなく、スーツでは動きにくかった。 (4) 体験コーナーは子供が多いので、足台等の準備を子供目線で用意したほうがよい。 (5) プログラムアプリは良かった。

4) 第 23回日本臨床工学会運営参加報告 仙台厚生病院 門馬さん (1) 大会前日のミーティングはスタッフの顔がわかりよかった。 (2) JCSの方々の段取りがよかった。 (3) 機器展示とポスター発表が同一場所で騒がしく声が聞こえなかった。

5) 第 23回日本臨床工学会運営参加報告 岩切病院 相沢さん (1) 会員番号の照会がテルサ側でしか出来なく不便であった。 (2) 体験コーナーの透析機器がもう少し多いほうが良い。

6) 第 23回日本臨床工学会運営参加報告 仙台医療センター 松田さん (1) 大会前日のミーティングでは山形のスタッフの自己紹介はあったものの、全員ではないため最後ま

で名前のわからないスタッフもいた。 (2) 体験コーナーに行くスタッフの打ち合わせが無かった。 (3) 開場と集合時間に解離があり時間が少し無駄。集合時間 6:50分。 (4) 地震対策マニュアルがあるとよい。 (5) 無線機が入らない会場があり、本部に何回も行った。JCSから情報が伝わらない場合もあった。

7) 体験コーナーには夜間に警備員を置いた。 8) 各理事で学会に協力してもらえる企業がわかれば、企業の住所・担当者を事務局まで報告。開催趣意書

を後日送付する。

一般社団法人 宮城県臨床工学技士会会誌 第 6号 2014 年 03月

一般社団法人 宮城県臨床工学技士会 定款 - 65 -

平成 25年度 6月 理事会議事録 開催日時:平成 25年 6月 30日 日曜日 14:20-14:40 開催場所:東北文化学園大学 大講義室 文責者:鈴木雅和 東北薬科大学病院 出席・欠席者 ☒鈴木一郎☐相澤康弘☐菊地 徹☒千葉美樹☒尾形佳昭☒尾越 登☒勝又尚紀☒菊地昭二☒工藤剛実 ☐木幡宏実☒鈴木雅和☒千田幸夫☒畠山 伸☒引地 誠☒前田 寿☒松浦周悦☒安田耕一 ☒佐藤政範☒高橋正人☐三浦勝明 1. 会長報告

1) 第 24回日本臨床工学会の運営委員を宮城県の各施設から 2名程度選出する。前段階として、菊地渉外委員長に各施設の選出者に内諾をとってもらい、その後委嘱状を送付する。状況を見て県外の技士にお手伝いを依頼する。

2. 事務局報告 1) なし

3. 委員会報告 1) 学術・教育 第 7回勉強会は 10月 6日(日)ホテルメトロポリタンで行うにあたり、ランチョンセミナーや機器展示をお願いしたい。

2) 編集 なし。

3) 渉外 オープンキャンパスの講師について、7月 21日は勝又理事、7月 28日は尾越理事が参加予定。

4) 福利厚生 なし。

5) 企画・調査・情報 日臨工の HPにバナー貼り付け許可。7月に UMINの受け渡しが可能。

6) 災害対策 なし。

7) 第 24回開催準備 なし。

4. その他 1) なし。

平成 25年度 7月 理事会議事録 開催日時:平成 25年 7月 25日木曜日 18:00-19:00 開催場所:仙台オープン病院 大会議室 文責者:千葉美樹 東北薬科大学病院 出席・欠席者 ☒鈴木一郎☒相澤康弘☐菊地 徹☒千葉美樹☒尾形佳昭☒尾越 登☒勝又尚紀☐菊地昭二☐工藤剛実 ☒木幡宏実☐鈴木雅和☐千田幸夫☒畠山 伸☒引地 誠☒前田 寿☒松浦周悦☐安田耕一 ☒佐藤政範☒高橋正人☐三浦勝明 1. 平成 25年度総会

1) 6月 30日(日)出席 64名、委任 155名、計 219名で総会成立。(総会議事録別紙にて参照) その後、第 6回勉強会 会員 78名、非会員 2名、メーカー21名、学生 7名が参加した。

2. 東北文化学園オープンキャンパス

1) 勝又理事、熊谷さん(仙台市立病院)2名を技士会から派遣。高校生 14名、同伴者 8名、計 22名の参加者だった。スライドを使用しての職業紹介。昼食時には学生と保護者から質問があり回答してきた。

2) 次回は 7月 28日に開催される(尾越理事、千葉さん(厚生病院)参加予定)。 3. 平成 25年度第 1回常任理事会(2/27)日臨工

1) 鈴木会長が出席し、第 24回日本臨床工学会の準備状況について報告してくる。 4. その他

1) 腎キャンペーンが 9月にあるので、技士会の腕章を作りアピールしていく。 平成 25年度 8月 理事会議事録 開催日時:平成 25年 8月 29日 木曜日 18:00-18:40 開催場所:仙台オープン病院 大会議室 文責者:鈴木雅和 東北薬科大学病院 出席・欠席者 ☒鈴木一郎☒相澤康弘☐菊地 徹☒千葉美樹☒尾形佳昭☒尾越 登☒勝又尚紀☐菊地昭二☒工藤剛実 ☐木幡宏実☒鈴木雅和☐千田幸夫☐畠山 伸☒引地 誠☐前田 寿☒松浦周悦☒安田耕一 ☐佐藤政範☒高橋正人☐三浦勝明

一般社団法人 宮城県臨床工学技士会会誌 第 6号 2014 年 03月

一般社団法人 宮城県臨床工学技士会 定款 - 66 -

1. 会長報告 1) 今年は 12月に役員選挙を行うため、選挙管理委員会を東北文化学園専門学校の佐々木先生に 11月まで

に公示できるようにお願いする。 2. 事務局報告

1) オープンキャンパスの参加報告 7月 28日、8月 4日分。 2) 9月 29日の腎キャンペーン参加は、宏人会から 2名、仙台社保から 2名、泉ヶ丘クリニックから 2名の

6名で参加予定。腕章は事務局で準備予定。 3) 菊地渉外委員長は腎臓協会の打ち合わせに参加。不可の場合は別に人選する。 4) 日本臨床工学技士会より被災地先遣隊支援コーディネーターと透析医療メーリングリスト登録のお願

いがあり、事務局から公立刈田病院の鹿島さん、石巻日赤 1名、仙台社保 1名をお願いする予定。 5) 第 7回勉強会について工藤理事より報告。昨年同様意見交換会費用は 2000円とする。

3. 委員会報告 1) 学術・教育

第 7回勉強会は 10月 6日(日)ホテルメトロポリタンで行うにあたり、プログラム原案の提示。共催セミナーについて、ネームプレート、機器展示についての報告。9月中旬に出席確認はがきとプログラム送付予定。

2) 編集 なし。

3) 渉外 菊地委員長不在のため、工藤理事よりオープンキャンパスの内容報告。相澤副会長よりアンケート報告。 鈴木会長よりスライド変更の方向で調整依頼。次回は平成 25年 3月より

4) 福利厚生 なし。

5) 企画・調査・情報 なし。

6) 災害対策 なし。

7) 第 24回開催準備 なし。

4. その他 1) 9月 1日に呼吸療法セミナーが東北文化学園専門学校にて開催。参加予定は 50名程度。 2) 日本臨床工学会のバナーが本日より使用できる。間違いがあれば事務局まで連絡を。 3) 各学会に参加する方は、可能な限りポスターとチラシを配布する。

平成 25年度 9月 理事会議事録 開催日時:平成 25年 9月 24日火曜日 18:00-18:40 開催場所:仙台オープン病院 大会議室 文責者:千葉美樹 仙台オープン病院 出席・欠席者 ☒鈴木一郎☒相澤康弘☐菊地 徹☒千葉美樹☒尾形佳昭☐尾越 登☐勝又尚紀☐菊地昭二☐工藤剛実 ☐木幡宏実☐鈴木雅和☐千田幸夫☐畠山 伸☒引地 誠☐前田 寿☒松浦周悦☐安田耕一 ☒佐藤政範☒高橋正人☐三浦勝明 1. 会長報告

1) 9月 2日に宏人会理事長関野先生が逝去。技士会より鈴木会長、相澤副会長、菊地副会長、千葉事務局長が参列し生花、弔電、香典をお供えした。

2) 9月 13日、14日急性血液浄化学会に参加、第 24回日本臨床工学会のチラシを約 60部配布。 2. 事務局報告

1) 9月 29日に臓器移植普及推進キャンペーンが、陸上自衛隊仙台駐屯地にて開催予定。技士会から仙台社会保険病院の木幡理事、高橋舞香さん、泉ヶ丘クリニックの高橋監事、佐藤美幸さん、宏人会の松浦理事、高橋まり子さんが参加予定。当日の責任者は木幡理事。

2) 臓器移植キャンペーンの打ち合わせが、9月 24日に開催予定、菊地渉外委員長が参加予定。 3) 第 7回勉強会の抄録集が完成し、参加登録のはがきと平成 26、27年度役員改選告示文章および立候補

届を入れ 9月 23日に会員へ送付した。 4) 前回のメトロポリタンで行った勉強会の改善点を踏まえ、180名が入れるレイアウトとした。受付等の

スペースや機器展示があり、レイアウトについてもメトロポリタンの担当者と協議を行った。勉強会当日のスタッフは一般会員から手伝いをお願いする。

3. 委員会報告 1) 学術・教育

第 7回勉強会の勉強会抄録集完成。 2) 編集

会誌 6号作成中、第 7回勉強会の内容を入れた形で来年初めには発行予定。 3) 渉外

東北文化学園オープンキャンパスの参加報告書が文化学園側から提出された。感想がまとめられているの

一般社団法人 宮城県臨床工学技士会会誌 第 6号 2014 年 03月

一般社団法人 宮城県臨床工学技士会 定款 - 67 -

で、今後の参考に検討。 4) 福利厚生 第 7回勉強会意見交換会の式次第の提出。

5) 企画・調査・情報 なし。

6) 災害対策 なし。

7) 第 24回開催準備 なし。

4. その他 1) 9月 21、22日に第 17回アクセス研究会学術総会に引地理事が参加しポスター配布を行った。10月 26

日に HDF研究会も参加予定なので、同様に配布予定。 2) 理事・監事改選では、若い方に入っていただき組織の活性化を行いたいので、立候補や推薦の後押しを

行ってほしい。 平成 25年度 10月 理事会議事録 開催日時:平成 25年 10月 24日木曜日 18:00-19:00 開催場所:仙台オープン病院 大会議室 文責者:千葉美樹 仙台オープン病院 出席・欠席者 ☒鈴木一郎☐相澤康弘☒菊地 徹☒千葉美樹☐尾形佳昭☒尾越 登☒勝又尚紀☐菊地昭二☒工藤剛実 ☒木幡宏実☒鈴木雅和☐千田幸夫☒畠山 伸☒引地 誠☐前田 寿☐松浦周悦☐安田耕一 ☒佐藤政範☒高橋正人☐三浦勝明 1. 会長報告

1) 平成 25年度 26年度理事、監事選挙について。投票となった場合、理事会・事務局の関与はないが細則等で細かいことが決まっていないので、今後の課題となる。

2. 事務局報告 1) 9月 29日の臓器移植普及推進キャンペーンの参加報告。木幡理事より、学生の参加人数が多くスケジュ

ールが以前より詰まっていないと報告あり。来年以降は技士会の広報活動をおこなってもよいのではないか?

2) 10月 6日メトロポリタン仙台で開催の第 7回勉強会の参加人数は会員 112名、賛助会員 35名、非会員5名の参加。意見交換会は 86名の参加であった。費用は 150万円程度であった。参加費収入は 20万円、機器展示 30万円残りは技士会費より支出した。キッズルーム等の設置が来年度以降の課題。

3) 11月 16日に北海道・東北臨床工学技士会連絡協議会および Yボードが山形県で開催予定。鈴木会長、相澤副会長、菊地副会長、千葉事務局長、Yボードに引地理事が参加予定。

3. 委員会報告 1) 学術・教育 なし。

2) 編集 なし。

3) 渉外 なし。

4) 福利厚生 なし

5) 企画・調査・情報 なし。

6) 災害対策 なし。

7) 選挙管理委員会 (1) 佐々木委員長、門馬委員より報告。理事 23名、監事 3名の立候補あり、11月 1日に告示。 (2) 投票は平成 26年 1月 6日から 14日必着とする。これ以外に到着した場合は無効とする。 (3) 選挙は単記制 14日即日開票とし、16日結果発送とする。投票用紙は 12月 20日前後に発送予定。 (4) 異議申し立て、辞退は委員会で判断。費用のかかる郵便代等は事務局に領収書で請求。

4. その他 1) 腎キャンペーンの日当は 5000円とする。 2) 選挙管理委員会報告は理事会で承認。選挙管理委員会の予算は来年度以降計上予定。

平成 25年度 11月 理事会議事録 開催日時:平成 25年 11月 28日木曜日 18:00-19:00 開催場所:仙台オープン病院 大会議室 文責者:鈴木雅和 東北薬科大学病院 出席・欠席者 ☒鈴木一郎☒相澤康弘☒菊地 徹☒千葉美樹☒尾形佳昭☒尾越 登☒勝又尚紀☒菊地昭二☒工藤剛実 ☐木幡宏実☒鈴木雅和☐千田幸夫☒畠山 伸☒引地 誠☒前田 寿☒松浦周悦☒安田耕一 ☒佐藤政範☐高橋正人☐三浦勝明

一般社団法人 宮城県臨床工学技士会会誌 第 6号 2014 年 03月

一般社団法人 宮城県臨床工学技士会 定款 - 68 -

1. 会長報告 1) 11月 9日、第 2回日本臨床工学技士会常任理事会にて、第 24回大会演題の募集締め切り期日等を含め、

大会概要の承認を得た。理事の施設からはぜひ一般演題へ申し込みをお願いしたい。 2) 代議員選挙について、全国代議員の定数は少なくなっており、少なくても 1000票必要であろうと考え

る。北海道東北地区で協力して行い、なるべく多くの代議員を選出したい。 3) 平成 26年 11月 1日、2日に北海道東北臨床工学会を秋田で開催する。代表者会議、組織委員会をそこ

で、開催する。 2. 事務局報告

1) 11月 1日 、平成 26年、27年度理事・監事選挙告示があり理事候補 23名、監事候補 3名の立候補があったが、監事候補に立候補した仙台循環器センターの前田さんが辞退した。

2) 11月 16日、北海道東北臨床工学技士会連絡協議会と Yボード会議が山形県上山市で行われた。参加者:鈴木会長、相澤副会長、菊地副会長、千葉事務局長、引地理事。

3) 中部日本臨床工学会大会に、24回大会の宣伝のためポスターとチラシを送付した。 3. 委員会報告

1) 学術・教育 なし。

2) 編集 秋の勉強会の原稿がまだ全部投稿されていない。原稿が集まれば 1月中に会誌を発行したい。

3) 渉外 なし。

4) 福利厚生 なし

5) 企画・調査・情報 なし。

6) 災害対策 なし。

7) 第 24回開催準備 なし。

4. その他 1) Yボード会議より(引地理事)、宮城県の活動報告を行い、組織委員会に名称変更を決定、養成校との連

携について論議された。引地理事は来年 40歳となるので、次期担当を決めてほしい。 2) 宮城県臨床工学技士会選挙は投票用紙を 12月下旬に発送、単記制。 3) 仙台新東京ライブが 11月 29日から開催、事前に分かれば次回より H.P.に掲載する。

平成 25年度 12月 理事会議事録 開催日時:平成 25年 12月 19日木曜日 18:00-19:00 開催場所:仙台オープン病院 大会議室 文責者:千葉美樹 仙台オープン病院 出席・欠席者 ☒鈴木一郎☒相澤康弘☒菊地 徹☒千葉美樹☒尾形佳昭☐尾越 登☐勝又尚紀☐菊地昭二☒工藤剛実 ☒木幡宏実☐鈴木雅和☒千田幸夫☒畠山 伸☒引地 誠☐前田 寿☐松浦周悦☐安田耕一 ☒佐藤政範☒高橋正人☐三浦勝明 1. 第 24回日本臨床工学会の進捗状況報告 1) 一般演題の締め切りが 12/5。総演題数 522題集まった。今後、演題の割り振りを行っていく(BPA、口演、

ポスター)。 2) ワークショップについては菊地実行委員長と引地準備委員と、演者・座長・日程について打ち合わせを行

った。だいたいの選出は決まったので、依頼状を発送する準備にうつる。(シンポジウムとワークショップのタイトルも決定)

3) 仙台空港の視察をし、学会の案内の看板の設置場所などの検討を行った。 4) BPAのエントリーは 175題だったが、査読し、72題に絞った。

2. 平成 26.27年度役員選挙 1) 12月下旬に投票用紙を発送する。投票期間は平成 26年 1月 6日〜1月 14日(選挙管理委員会必着)。

3. 第 3期代議員選挙について 1) 本日 12/19(木)で立候補届締め切りとなった。当会から地区代議員に鈴木会長、菊地副会長、引地理

事が立候補し、全国区には相澤副会長、菊地理事、尾形理事、千葉事務局長が立候補した。一人でも多く当選させるため、北海道・東北連絡協議会で検討し、北海道・東北地区から推薦した立候補者への投票を各道県の会員へお願いすることとした。理事の皆さんは投票行動をお願いする。

平成 25年度 1月 理事会議事録 開催日時:平成 26年 1月 23日木曜日 18:00-18:40 開催場所:仙台オープン病院 大会議室 文責者:鈴木雅和 東北薬科大学病院 出席・欠席者 ☒鈴木一郎☒相澤康弘☐菊地 徹☒千葉美樹☒尾形佳昭☐尾越 登☒勝又尚紀☒菊地昭二☒工藤剛実 ☒木幡宏実☒鈴木雅和☐千田幸夫☐畠山 伸☒引地 誠☒前田 寿☐松浦周悦☒安田耕一 ☒佐藤政範☒高橋正人☐三浦勝明

一般社団法人 宮城県臨床工学技士会会誌 第 6号 2014 年 03月

一般社団法人 宮城県臨床工学技士会 定款 - 69 -

1. 会長報告

1) 日本臨床工学技士会代議員選挙が行われる。技士会より東北北海道地区の候補者リストと投票のお願いのはがきを 1月 31日に発送する。理事は自施設の投票状況を 2月 12日時点で事務局あてにメールで連絡してください。

2) 理事・監事選出規定を次期総会にて、日本臨床工学技士会と同様に連記制に変更を考えている。 2. 事務局報告

1) 平成 25年 12月末に東北アフェレーシス研究会技術部会設立のため、宮城県より仙台医療センター畠山さんを推薦した。第 24回東北アフェレーシス研究会から活動する。

2) 宮城県腎臓病患者連絡協議会から、第 9回腎臓病フォーラムの講演依頼があり承諾した。 3) 春の勉強会、宮城県臨床工学技士会総会を会場の予約状況などから 6月 29日を予定する。

3. 委員会報告 1) 学術・教育 春の勉強会の内容は職域拡大、保険償還の変更点、企業講演を検討。

2) 編集 会誌発行準備中。

3) 渉外 なし。

4) 福利厚生 なし

5) 企画・調査・情報 なし。

6) 災害対策 なし。

7) 第 24回開催準備 運営委員会で討論。

4. その他 1) 選挙管理委員会門馬さんより、宮城県臨床工学技士会理事・監事選挙結果公表。

一般社団法人 宮城県臨床工学技士会会誌 第 6号 2014 年 03月

一般社団法人 宮城県臨床工学技士会 定款 - 70 -

第1章 総則

(名称)

第1条 当法人は、一般社団法人宮城県臨床工学技士会と称する。

(事務所)

第2条 当法人は、主たる事務局を宮城県仙台市に置く。

2 当法人は、理事会の決議により従たる事務所を必要な場所に設置することができる。

(目的)

第3条 当法人は、臨床工学技士の連帯交流を深め、職業倫理の高揚、学術技能の研鑽及び資質の向上に努め、

県民の医療、福祉の普及発展に寄与することを目的とする。

(事業)

第4条 当法人は、前条の目的を達成するため、次の事業を行う。

(1) 臨床工学技士の資質及び教育の向上と啓蒙活動に関する事業

(2) 臨床工学技士相互の連帯交流に関する事業

(3) 臨床工学技士会の社会的地位の向上と相互福祉に関する事業

(4) 刊行物の発行及び調査研究事業

(5) 内外関連団体との連帯交流に関する事業

(6) 臨床工学に関する助成及び顕彰に関する事業

(7) その他当法人の目的を達成するために必要な事業

(公告)

第5条 当法人の公告は、電子公告により行う。

2 やむを得ない事由により、電子公告によることができない場合は、官報に掲載する方法による。

(機関の設置)

第6条 当法人は、理事会および監事を置く。

第2章 会員

(種別)

第7条 当法人の会員は次の 3種とし、正会員をもって一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(以下「一

般法人」という)上の社員とする。

(1) 正会員 臨床工学技士の免許を有し、当法人の目的に賛同して入会した個人。

(2) 賛助会員 当法人の目的に賛同し、これを援助する個人又は団体

(3) 名誉会員 当法人に顕著な功労のあった者又は学識経験者で、理事会の推薦に基づき、社員総会の承認を得

たもの。

(入会)

第8条 正会員、または賛助会員として入会しようとする者は、理事会が別に定める入会申込書により申し込み、

理事会の承認をもって正会員又は賛助会員となる。ただし、名誉会員に推薦されたものは、入会の手続きを

要せず、本人の承諾をもって会員となることができる。

(入会金及び会費)

第9条 正会員は、社員総会において別に定める入会金及び会費を納入しなければならない。

2 賛助会員は社員総会において別に定める賛助会費を納入しなければならない。

3 名誉会員は、入会金及び会費の納入を要しない。

(任意退会)

第10条 当法人の会員は、理事会において別に定める退会届けを提出することにより、任意に退会することがで

きる。

(会員資格の喪失)

第11条 当法人の会員は、次の各号のいずれかに該当するときは、会員資格を喪失する。

(1) 退会したとき。

(2) 死亡、若しくは失踪宣言を受け、又は会員である団体が解散したとき。

(3) 正当な理由なくして会費を1年以上滞納したとき。

一般社団法人 宮城県臨床工学技士会会誌 第 6号 2014 年 03月

一般社団法人 宮城県臨床工学技士会 定款 - 71 -

(4) 除名されたとき。

(5) 総正会員が同意したとき。

(除名)

第12条 会員が、次の各号のいずれかに該当するときは、第 20 条第 2 項に定める社員総会の特別決議によって

当該会員を除名することができる。この場合、当該会員に対し議決の前に弁明の機会を与えなければならな

い。

(1) 当法人の定款又は規則に違反したとき。

(2) 当法人の名誉を傷つけ、又は目的に反する行為があったとき。

(3) その他、除名すべき正当な事由があるとき。

(会員資格喪失に伴う権利及び義務)

第13条 会員が前 3条の規定によりその資格を喪失したときは、当法人に対する会員としての権利を失い、義務

を免れる。正会員については、一般社団法人上の社員としての地位を失う。ただし、未履行の義務は、これ

を免れることはできない。

2 当法人は、会員がその資格を喪失しても、既納の入会金、会費及びその他の拠出金品は、これを返還しない。

第 3章 社員総会

(種類)

第14条 当法人の社員総会は、定時社員総会と臨時社員総会の 2種類とする。

(構成)

第15条 社員総会は、正会員をもって構成する。

2 社員総会における議決権は、正会員1名に1個とする。

(権限)

第16条 社員総会は、次の事項を決議する。

(1) 入会の基準並びに会費及び入会金の金額

(2) 会員の除名

(3) 役員の選任及び解任

(4) 役員の報酬の額又はその規定

(5) 事業計画及び収支予算

(6) 事業報告及び収支決算

(7) 定款の変更

(8) 解散、合併並びに事業の全部及び事業の重要な一部の譲渡

(9) 理事会において社員総会に付議した事項

(10) 前各号に定めるもののほか、一般法人法に規定する事項及びこの定款に定める事項

(開催)

第17条 定時社員総会は、毎年 1回、毎事業年度終了後 3か月以内に開催し、臨時社員総会は、必要がある場合

に開催する。

(招集)

第18条 社員総会は、法令に別段の定めがある場合を除き、理事会の決議に基づき会長が招集する。

2 総正会員の議決権の 5 分の 1 以上を有する正会員は、会長に対し、社員総会の目的である事項及び招集の理

由を示して、社員総会招集の請求をすることができる。

(議長)

第19条 社員総会の議長は、その社員総会において、出席した正会員の中から選任する。

(決議)

第20条 社員総会の決議は、法令又はこの定款に別段の定めがある場合を除き、総正会員の議決権の過半数を有

する正会員が出席し、出席した正会員の議決権の過半数をもって行う。

2 前項の規定にかかわらず,次の決議は、総正会員の半数以上であって、総正会員の議決権の 3 分の 2 以上に

当たる多数をもって行う。

(1) 会員の除名

(2) 監事の解任

(3) 定款の変更

(4) 解散

(5) その他法令で定めた事項

一般社団法人 宮城県臨床工学技士会会誌 第 6号 2014 年 03月

一般社団法人 宮城県臨床工学技士会 定款 - 72 -

(書面表決及び代理表決)

第21条 やむを得ない理由のため社員総会に出席できない正会員は、あらかじめ通知された事項について書面を

もって表決し、又は他の正会員を代理人として表決を委任することができる。この場合において、前条の規

定の適用については、会議に出席したものとみなす。

(議事録)

第22条 社員総会の議事については、法令で定めるところにより、次の事項を記載した議事録を作成する。

(1) 日時及び場所

(2) 構成員の現在員数、出席者数及び出席者氏名(書面表決者及び表決委任者の場合にあっては、その旨を付

記すること。)

(3) 審議事項及び議決事項

(4) 議事の経過の概要及び発言者の発言要旨

(5) 議事録署名人の選任に関する事項

2 議事録には、議長及びその会議において選任された議事録署名人 2 名以上が、署名、押印をしなければなら

ない。

第4章 役員等

(役員)

第23条 当法人に、次の役員を置く。

(1) 理事 20名以内

(2) 監事 2名以内

2 理事のうち、1名を代表理事とし、代表理事をもって会長とする。また 2名以内を副会長、1名を事務局長と

する。

(選任等)

第24条 理事及び監事は、社員総会の決議によって選任する。

2 会長、副会長及び事務局長は、理事会の決議によって理事の中から定める。

3 理事のうち、理事のいずれかの 1名とその配偶者又は 3親等内の親族その他特別の関係にある者の合計数は、

理事総数の 3分の1を超えてはならない。監事についても、同様とする。

(理事の職務権限)

第25条 会長は、当法人を代表し、その業務を統括する。

2 副会長は、会長を補佐し、会長に病気・事故などの事由で職務遂行が不可能なとき、又は会長が欠けたとき

は、その職務を代行する。

3 理事は、理事会を構成し、定款及び社員総会の議決に基づき、当法人の業務を執行する。

(監事の職務権限)

第26条 監事は、理事の職務の執行を監査し、法令で定めるところにより、監査報告を作成する。

2 監事は、いつでも、理事及び使用人に対して事業の報告を求め、当法人の業務及び財産の状況の調査をする

ことができる。

(役員及び会計監査人の任期)

第27条 理事及び監事の任期は、選任後2年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時社員総会の

終結の時までとし再任を妨げない。

2 補欠又は増員として選任された理事又は監事の任期は、前任者又は現任者の任期の満了する時までとする。

3 理事及び監事は、辞任又は任期満了後においても、後任者が就任するまでは、その任務をおこなわなければ

ならない。

(解任)

第28条 役員において、役員としてふさわしくない行為があったときは、社員総会の議決によって解任すること

ができる。この場合においては、当該役員に対し、社員総会において弁明する機会を与えるものとする。た

だし、監事を解任する場合は、総正会員の半数以上であって、総正会員の議決権の 3 分の 2 以上に当たる多

数の議決に基づいて行わなければならない。

(報酬等)

第29条 役員は無報酬とする。ただし、常勤の役員には報酬を支給することができる。その額については、社員

総会の議決により別に定める。

2 役員には、その職務を行うために要する費用の支払いをすることができる。

(顧問)

一般社団法人 宮城県臨床工学技士会会誌 第 6号 2014 年 03月

一般社団法人 宮城県臨床工学技士会 定款 - 73 -

第30条 当法人に,顧問を置くことができる。

2 顧問は、理事会の推薦により会長が委嘱し、任期は会長の在任期間とする。

3 顧問は、本会の運営に関する重要事項について会長の諮問に応ずる。

第5章 理事会

(構成)

第31条 理事会は、すべての理事をもって構成する。

(権限)

第32条 理事会は、この定款に定めるもののほか、次の職務を行う。

(1) 社員総会の日時及び場所並びに議事に付すべき事項の決定

(2) 規則の制定、変更及び廃上に関する事項

(3) 前各号に定めるもののほか当法人の業務執行の決定

(4) 理事の職務の執行の監督

(5) 会長、副会長及び事務局長の選定及び解職

2 理事会は、次に掲げる事項その他の重要な業務執行の決定を理事に委任することができない。

(1) 重要な財産の処分及び譲受け

(2) 多額の借財

(3) 重要な使用人の選任及び解任

(4) 従たる事務所その他重要な組織の設置、変更及び廃止

(5) 理事の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制その他当法人の業務の適正を確

保するために必要な法令で定める体制の整備

(種類及び開催)

第33条 理事会は、通常理事会と臨時理事会の 2種類とする。

2 通常理事会は、毎年 1回以上開催する。

3 臨時理事会は、次の各号のいずれかに該当する場合に開催する。

(1) 会長が必要と認めたとき。

(2) 会長以外の理事から会議の目的である事項を記載した書面をもって会長に招集の請求があったとき。

(3) 前号の請求があった日から 5日以内に、その請求があった日から 2週間以内の日を理事会の日とする理事

会の招集の通知が発せられない場合において、その請求をした理事が招集したとき。

(招集)

第34条 理事会は、会長が招集する。ただし、前条第 3項第 3号により理事が招集する場合及び一般法人法第 101

条第 3項の規定に基づき監事が招集する場合を除く。

2 会長は、前条第 3 項第 2 号又は一般法人法第 101 条第 2 項に該当する場合は、その請求のあった日から 5 日

以内に、その請求があった日から 2週間以内の日を理事会の日とする理事会の招集の通知を発しなければならな

い。

(議長)

第35条 理事会の議長は、法令に別段の定めがある場合を除き、会長がこれに当たる。

(決議)

第36条 理事会の決議は、この定款に別段の定めがあるもののほか、決議に加わることができる理事の過半数が

出席し、その過半数をもって決する。可否同数のときは議長の決するところによる。

(決議の省略)

第37条 理事が、理事会の決議の目的である事項について提案した場合において、その提案について、決議に加

わることのできる理事の全員が書面又は電磁的記録による同意の意思表示をしたときは、その提案を可決す

る旨の理事会の決議があったものとみなすものとする。ただし、監事が異議を述べたときは、その限りでは

ない。

(報告の省略)

第38条 理事又は監事の全員に対し、理事会に報告すべき事項を通知した場合においては、その事項を理事会に

報告することを要しない。ただし、一般法人法第 91条第 2項の規定による報告については、この限りではな

い。

(議事録)

第39条 理事会の議事については、法令で定めるところにより議事録を作成する。

2 議事録には、議長及び出席した 2名以上の理事と監事の記名押印をしなければならない。

一般社団法人 宮城県臨床工学技士会会誌 第 6号 2014 年 03月

一般社団法人 宮城県臨床工学技士会 定款 - 74 -

第6章 資産及び会計

(資産の構成)

第40条 当法人の資産は、次に掲げるものをもって構成する。

(1) 設立当初の財産目録に記載された財産

(2) 入会金及び会費

(3) 寄付金品

(4) 資産から生ずる収入

(5) 事業に伴う収入

(6) その他の収入

(資産の管理)

第41条 当法人の資産は、会長が管理し、その方法は社員総会の決議により定める。

(経費の支弁)

第42条 当法人の経費は,資産をもって支弁する。

(事業計画及び収支予算)

第43条 当法人の収支予算は、年度開始前に理事会及び総会の議決により定め、収支決算は、年度終了後 3ヶ月

以内に収支計算書、貸借対照表及び財産目録と共に監事の監査を経て、理事会及び総会の承認を得なければ

ならない。

2 やむを得ない理由により収支予算が成立しないときは、予算成立の日まで前年度の予算を執行する。

3前項の規程により暫定予算を執行した場合における収支は、新たに成立した予算に基づくものとみなす。

(事業報告及び収支決算)

第44条 当法人の事業報告及び収支決算については、毎事業年度終了後、会長が計算書類及び事業報告並びにこ

れらの附属明細書を作成、監事の監査を受け、かつ理事会の承認を経て定時社員総会の承認を得なければな

らない。

(事業年度)

第45条 当法人の事業年度は,毎年 4月 1日に始まり,翌年 3月 31日に終わる。

第7章 定款の変更及び解散

(定款の変更)

第46条 この定款は、社員総会において、総正会員の議決権の 4分の 3以上の決議により変更することができる。

(解散)

第47条 当法人は、一般法人法第 148条第 1号、第 2号及び第 4号から第 7号までに規定する事由のほか、社員

総会において、総正会員の議決権の 4分の 3以上に当たる多数の決議により解散することができる。

(残余財産の帰属等)

第48条 当法人の事業を精算する場合において有する残余財産は、社員総会の議決を得て、公益社団法人又は公

益財団法人の認定等に関する法律第 5条第 17号に掲げる法人又は国若しくは地方公共団体に贈与するものと

する。

2 当法人は剰余金の分配を行わない。

第8章 委員会

(委員会)

第49条 当法人の事業を推進するために必要ある時は、理事会はその決議により、委員会を設置することができ

る。

2 委員会の委員は、会員及び学識経験者のうちから、理事会が選任する。

3 委員会の任務、構成並びに運営に関し必要な事項は、理事会の決議により別に定める。

第9章 事務局

(設置等)

第50条 当法人の事務を処理するため、事務局を設置する。

2 事務局には、事務局長及び所要の職員を置く。

3 事務局長は、会長が理事会の承認を得て任免する。

4 事務局の組織及び運営に関し必要な事項は,会長が理事会の決議により別に定める。

一般社団法人 宮城県臨床工学技士会会誌 第 6号 2014 年 03月

一般社団法人 宮城県臨床工学技士会 定款 - 75 -

第10章 情報公開及び個人情報の保護

(情報公開)

第51条 当法人は、公正で開かれた活動を推進するため、その活動状況、運営内容、財務資料等を積極的に公開

するものとする。

2 情報公開に関する必要な事項は、理事会の決議により別に定める情報公開規程による。

(個人情報の保護)

第52条 当法人は、業務上知り得た個人情報の保護に万全を期するものとする。

2 個人情報の保護に関する必要な事項は、理事会の決議により別に定める。

第11章 附則

(委任)

第53条 この定款に定めるもののほか、当法人の運営に必要な事項は、理事会の決議により別に定める。

(特別の利益の禁止)

第54条 当法人は、当法人に財産の贈与若しくは遺贈する者、当法人の役員若しくは正会員又はこれらの親族等

に対し、施設の利用、金銭の貸付け、資産の譲渡、給与の支給、役員等の選任、その他財産の運用及び事業

の運営に関して特別の利益を与えることはできない。

(最初の事業年度)

第55条 当法人の設立初年度の事業年度は、当法人成立の日から平成 23年 3月 31日までとする。

(設立時の役員)

第56条 当法人の設立時の役員は、次のとおりである。

1 設立時代表理事(会長) 鈴木一郎

2 設立時理事 菊地 徹

3 設立時理事 佐藤政範

4 設立時理事 千葉美樹

5 設立時理事 工藤剛実

6 設立時監事 川﨑勇喜

(設立時の社員の氏名又は名称及び住所)

第57条 当法人の設立時の氏名又は名称及び、住所は次のとおりである。

1 住所 宮城県多賀城市

氏名 鈴木一郎

2 住所 宮城県遠田郡美里町

氏名 佐藤政範

3 住所 宮城県宮城郡利府町

氏名 菊地 徹

4 住所 宮城県仙台市

氏名 千葉美樹

5 住所 宮城県仙台市

氏名 工藤剛実

(法令の準拠)

第58条 本定款に定めのない事項は、すべて一般法人法その他の法令に従う。

以上、一般社団法人宮城県臨床工学技士会を設立するため、この定款を作成し、設立時社員が次に記名押印する。

平成 22年 5月 19日

1 設立時社員 鈴木一郎 印

2 設立時社員 佐藤政範 印

3 設立時社員 菊地 徹 印

4 設立時社員 千葉美樹 印

5 設立時社員 工藤剛実 印

一般社団法人 宮城県臨床工学技士会会誌 第 6号 2014 年 03月

一般社団法人 宮城県臨床工学技士会 定款施行細則 - 76 -

第1章 総則

(目的)

第1条 この施行細則は一般社団法人宮城県臨床工学技士会定款により、当法人の運営を円滑に行うことを目的

として、これを定める。

(構成)

第2条 この施行細則は次の各章により構成する。

第1章 総則

第2章 理事、監事選出規程

第3章 総会規程

第4章 会費に関する規程

第5章 会員の権限に関する規程

第6章 委員会規程

第7章 第7章 事務局規程

第8章 出張旅費規程

第9章 表彰規程

第10章 慶弔規程

第11章 施行細則改廃規程

第12章 補足

第2章 理事、監事選出規程

(総則)

第3条 定款第 24条に基づき、理事及び監事の選出を次のごとく定める。

第4条 選挙権及び被選挙権を有する者は、会費を完納している正会員に限る。

(選挙管理委員会)

第5条 理事及び監事を選出するために、理事会の承認を得て、選挙管理委員会を設ける。

第6条 選挙管理委員会は、正会員の中より若干名を選出して構成し、委員長は、互選する。但し、その選挙の候補

者は、選挙管理委員になれない。

第7条 選挙管理委員会は、次の業務を行う。

(1) 選挙の告示

(2) 理事及び監事候補者届けの受理、資格審査、候補者の公示

(3) 投票及び開票の管理と当選の確認

(4) 総会に選挙結果を報告

第8条 選挙管理委員の任期は 2年とする。

(選挙)

第9条 理事及び監事に立候補しようとするものまたは、候補者を推薦しようとするものは選挙管理委員会に文

書をもって届け出る。但し、推薦届けの場合には本人の同意を必要とする。

第10条 立候補、推薦候補の届け出締め切りは、投票日 2 ケ月前とする。

第11条 選挙は立候補届けのあったものについて、正会員の無記名投票により行い、理事及び監事についてそれ

ぞれ単記制とする。

第12条 当選者は、それぞれ有効投票数を得たものから高点順に定める。

第13条 理事選挙は、定員以上の場合には選挙とし、定員以内の場合は無投票にて選出する。会長、副会長は、理事

の中より互選する。

(無投票当選)

第14条 各選挙を通じ締切日を経過するも、候補者が定数を越えないとき、または、越えなくなったときは、無投

票で当選者を定めることができる。

(候補者の補充)

第15条 候補者が定数を越えないときは、理事会にて候補者を推薦することができる。

第16条 当選候補者が当選を辞退した場合は、次点者が当選者となることができる。

(異議の申し立て)

第17条 選挙に関する異議は公示後 14日以内に選挙管理委員会に申し立てることができる。

一般社団法人 宮城県臨床工学技士会会誌 第 6号 2014 年 03月

一般社団法人 宮城県臨床工学技士会 定款施行細則 - 77 -

付則

1. この規程の改廃は、理事会の決定を経て、総会での決議を必要とする。

2. この規程は、平成 6年 9月 11日より施行する。

3. この規程は、平成 7年 5月 28日より施行する。

4. この規程は、平成 22年 6月 27日から施行する。

第3章 総会規程

(総則)

第18条 総会運営は、定款及びこの規程の定めるところによる。

第19条 司会者は、会長が指名し、議長決定までの会議の責任をもつものとする。

2総会における構成員とは、会費を前年度まで納入した正会員を含むものとする。

(議長の選出)

第20条 司会者は、仮議長となって出席正会員の中から議長を選出する。議長は、2名以内とする。

第21条 正会員が、総会に出席できず、書面票決も出来ない場合は、出席正会員を代理人として、票決を委任する

ことが出来る。委任する場合は、別に定める委任状によるものとする。

2前項により、委任を受けた代理人は、その委任状を総会に提出しなければならない。

第22条 議長は、会議の議事を記録するため、書記を 2名任命しなければならない。

第23条 議長は、会議の成立を宣言する。但し出席者が定数に満たないときは、休憩または散会あるいは延会を宣

言する。

(議事の進行)

第24条 総会の議題はあらかじめ会員に通知しなければならない。

第25条 議長は案件を議題とするときは、その旨を宣言する。

第26条 会議で発言する場合は、議長に通告し、その指名を受けなければならない。議長から指名を受けたときは、

発言に先立ち所属、氏名を明確にしなければならない。

第27条 総会に提案する場合は、次の各号によらなければならない。

(1) 提案主旨を書面にて、総会の日の 14日前までに事務局長に送付する。

(2) 修正動議は、書面にて、議長に提出しなければならない。

(3) 緊急の事情により総会の当日提出する場合は、その事由と要旨を議長に届けなければならない。

(4) 予算を伴うものについては、修正の結果必要とする経費を明らかにした文書をそなえなければならない。

(採決)

第28条 採決を行うときは、議長はその票決に対する問題を宣言しなければならない。

第29条 採決の順序は、議長がこれを決め、原案にもっとも遠い修正案より先に採決する。

第30条 修正案がすべて否決されたときは、原案について採決しなければならない。

第31条 採決の方法は、次の各号の一つとする。

(1) 拍手

(2) 挙手

(3) 起立

(4) 無記名投票第 15条 票決を行った場合議長はその結果を宣言する。

(傍聴)

第32条 傍聴者は、定められた場所において傍聴する。

第33条 この規程に違反し、議長の注意に従わない者は、発言の停止あるいは退場させることができる。

付則

1. この規程でさだめられていない必要事項は、会長が理事会の承認を得て総会議案書とともに提示するものと

する。

2. この規程は、理事会に議を経なければ変更できない。

3. この規程は、平成 6年 9月 11日から施行する。

4. この規程は、平成 7年 5月 28日から施行する。

5. この規程は、平成 22年 6月 27日から施行する。

一般社団法人 宮城県臨床工学技士会会誌 第 6号 2014 年 03月

一般社団法人 宮城県臨床工学技士会 定款施行細則 - 78 -

第4章 会費に関する規程

第34条 定款第 7条に基づき、会費を次のごとく定める。

第35条 正会員の入会金は 3,000円とする。

第36条 正会員の年会費は 5,000円とする。

第37条 賛助会員は年会費を一口 10,000円とし、個人会員は一口以上、団体会員は三口以上とする。但し入会金は

免除する。

第38条 会費は前納とし、会計年度前に納入しなければならない。

第39条 この規程の変更は、総会の議決を必要とする。

第40条 この規程は、平成 6年 9月 11日から施行する。

付則

1. この規程は、平成 10年 4月 1日から施行する。

2. この規程は、平成 22年 6月 27日から施行する。

第5章 会員の権限に関する規程

第41条 定款第 5条に基づき、会員の権能を次のごとく定める

第42条 正会員は次の権能をもつ。

(1) 総会に出席し議決権を有する。

(2) 役員の選挙権、被選挙権を有する。

(3) 当法人の発行する刊行物に投稿し、またこれを受領する権利を有する。

(4) その他当法人の事業に参加する権利を有する。

第43条 賛助会員は次の権能をもつ。

(1) 総会に出席する権利は有するが、発言権ならびに議決権は有しない。

(2) 当法人の発行する刊行物に投稿し、またこれを受領する権利を有する。

(3) 当法人が主催、共催する展示会への出展と当法人の発行する刊行物への広告を優先的に掲載する権利を有す

る。

(4) その他当法人の事業に参加する権利を有する。

第44条 特別会員はつぎの権能をもつ。

(1) 当法人に対して、助言を与える権利を有する。

(2) 総会に出席し発言権は有するが、議決権は有しない。

(3) 当法人の発行する刊行物に投稿し、またこれを受領する権利を有する。

(4) その他本会の事業に参加する権利を有する。

付則

1. この細則は、平成 6年 9月 11日より施行する。

2. この規程は、平成 22年 6月 27日から施行する。

第6章 委員会規程

第45条 この規程は定款第 49条に基づき、委員会及び小委員会に関して定める。

第46条 理事会が会務運営上必要と認めるときは委員会を常設することができる。

2会長が必要と認めるときは小委員会を設置することができる。

以下、小委員会に関しては、理事会を会長に、委員会を小委員会にそれぞれ読み替えるものとする。

第47条 委員会は、その目的を冠して◯◯委員会という。

第48条 委員会は、理事会の諮問事項について、調査審議、または立案してこれを答申する。

第49条 委員会は委員長及び副委員長各 1名、ならびに委員若干名をもって構成する。

2委員は理事会が正会員の中から選任する。

第50条 委員長は特別事項の調査審議及び立案にあたり、必要と認めるときは委員会に正会員以外の特別委員を

おくことができる。

第51条 委員会の設置、改廃ならびに委員長、副委員長、委員、特別委員の任免は、理事会がこれを行う。

第52条 委員会は委員長が召集する。

2委員会は、委員(特別委員をおいたときは、これを含む)の過半数の出席がなければ開催することができない。

第53条 委員会の議事は、出席した委員の過半数をもって議決する。可否同数の時は、委員長がこれを決定する。

第54条 委員長は、委員会の会務を総括し、委員会を代表する。

第55条 副委員長は、委員長を補佐し、委員長に事故があるときは委員長の職務を代表する。

第56条 委員は、委員長の指示を受け、委員会の会務を処理する。

一般社団法人 宮城県臨床工学技士会会誌 第 6号 2014 年 03月

一般社団法人 宮城県臨床工学技士会 定款施行細則 - 79 -

第57条 委員会は、付議された事項に関して報告書を作成し、これを理事会に堤出しなければならない。

第58条 委員会議事録は、委員長及び書記が作成する。

第59条 この規程の改廃は、理事会において決定する。

付則

1. この規程は、平成 22年 6月 27日から施行する。

第7章 事務局規程

第60条 この規程は、当法人の事務を円滑に処理することを目的とする。

第61条 事務局には、理事会の同意を得た所要の職員をおくことができる。

第62条 会長は、会計を担当する理事(財務担当理事)を任命する。

2財務担当理事は会計責任者とする。

3会計責任者は、会計の出納に関し、その一部について補助者を命じて行わせることができる。

第63条 事務局には、常に次に掲げる帳簿及び書類を備えておかなければならない。

(1) 定款

(2) 会員名簿及び会員の異動に関する書類

(3) 理事、監事及び職員の名簿及び履歴書

(4) 許可、認可等及び登記に関する書類

(5) 定款に定める機関の議事に関する書類

(6) 収入、支出に関する帳簿及び証拠書類

(7) 資産、負債及び正味財産の状況を示す書類

(8) その他必要な帳簿及び書類

第64条 前条の帳簿及び書類は、永久保存としなければならない、但し会計に関わる書類の保存機関は 10 年とす

る。

第65条 この規程で定められていない必要事項は、理事会の議決によるものとする。

付則

1. この規程は、理事会の議を経なければならない。

2. この規程は、平成 6年 9月 11日から施行する。

3. この規程は、平成 22年 6月 27日から施行する。

第8章 出張旅費規程

第66条 会長は、会務のため関係役員に出張を命ずることができる。

第67条 前条により出張する場合は、次の旅費を支給する。

汽車賃普通旅客運賃(付随する特急料金等は実費支給)

日当 5,000円

宿泊料 10,000円

但し、出張距離によっては航空機の使用を許可することもある。

第68条 日当(食事代を含む)は出張日数、宿泊料は宿泊日数に応じてこれを支給する。但し、鉄道及び船舶内にお

ける宿泊は、宿泊料を支給しない。

第69条 宿泊料は、朝、夕食、サービス料及び税金を含む。

第70条 日当は、昼食代及び車中食事代その他の支弁に当てる。

第71条 日帰り出張は、交通費の実費のみを支給する。但し、必要により食事代の実費を支給する。

第72条 当法人以外から交通費あるいは経費が全額または一部が支給されるときは、当法人よりの支給はその差

額分とする。

第73条 当法人の理事会、委員会の開催にあたっての出張は、交通費の実費のみを支給する。但し、必要により食

事代に実費を支給する。

第74条 国外出張の場合は理事会の決定による。

第75条 この規程の改廃は、理事会において決定する。

付則

1. この規程は、理事会の議を経なければならない。

2. この規程は、平成 6年 9月 11日から施行する。

3. この規程は、平成 22年 6月 27日から施行する。

一般社団法人 宮城県臨床工学技士会会誌 第 6号 2014 年 03月

一般社団法人 宮城県臨床工学技士会 定款施行細則 - 80 -

第9章 表彰規程

(目的)

第76条 この規程は、当法人が行う表彰に関することを定める。

(表彰の種別)

第77条 この規程による表彰の種別は以下の各号とする。

(1) 功労賞 当法人の発展に顕著な功績を有すると認められたもので、当法人役員の経歴を有すること。

(2) 奨励賞 顕著な学術成績を有するもので、日本臨床工学会誌等の全国誌に原著論文として掲載されること。

(3) 顧問感謝状 当法人会長より委嘱された顧問が退任したとき。

(選考)

第78条 前条の表彰にかかる推薦および選考は理事会において決定し、総会において表彰する。

(内容)

第79条 表彰の内容については表彰状(または感謝状)ならびに相当額の記念品とし、理事会において決定する。

(付則)

1. この規程は、平成22年6月27日より施行する。

第10章 慶弔規程

(目的)

第80条 この規程は、当法人行う慶弔に関することを定める。

(慶弔の種別)

第81条 この規程による慶弔の種別は弔意とする。

(弔意)

第82条 会員が死亡した場合は、会長または会長代行が弔意を行い、弔電、生花、弔慰金10,000円を贈るものと

する。

(付則)

1. この規程は、平成22年6月27日より施行する。

第11章 施行細則改廃規程

(施行細則の変更)

第83条 本施行細則の変更は、理事会の承認を経て、総会において正会員の3分の2以上の議決を経なければなら

ない。

第12章 補足

(疑義)

第84条 本施行細則に疑義が生じた時は、理事会において決定し総会の承認を受ける。

2正会員は、当法人を個人の営利目的に使用してはならない。

3本施行細則は、平成 6年 9月 11日をもって施行日とする。

平成 7年 5月 28日一部改正

平成 10年 4月 1日一部改正

平成 22年 6月 27日一部改正

一般社団法人 宮城県臨床工学技士会会誌 第 6号 2014 年 03月

「平成 26・27年度理事・監事選出選挙の結果」に関する公示 - 81 -

平成 26年 1月 17日

一般社団法人宮城県臨床工学技士会

正会員 各位

一般社団法人

宮城県臨床工学技士会

選挙管理委員長 佐々木典子

選挙管理委員 門馬竜一郎

選挙管理委員 渋谷 公美

「平成 26、27年度理事、監事選出選挙の結果」に関する公示

「定款」及び「定款細則 理事、監事選出規程」に則り、かつ平成 25年 10月 1日付け「選挙の告示」に準拠

して実施された「平成 26、27年度理事、監事選出選挙」の結果を下記のとおり報告します。

1. 選出すべき理事、監事の定数(定款第 23条):

(ア)理事 20名以内

(イ)監事 2名以内

2. 立候補届け出期間までに受理した候補者の数:

(ア)理事 23名(うち辞退者 1名)

(イ)監事 3名(うち辞退者 1名)

3. 投票の実施:

(ア)理事 : 投票実施

(イ)監事 : 無投票

4. 選挙の結果(開票日:平成 26年 1月 14日実施)

(ア)理事選出選挙の結果

有効投票用紙数 204通(投票用紙送付数 316通)

No. 当選者名 所属機関 No. 当選者名 所属機関

1 相澤康弘 東北文化学園専門学校 11 佐藤裕二 達内科小児科

2 浅沼貴之 かわせみクリニック 12 鈴木一郎 仙台市医療センター仙台オープン病院

3 尾形佳昭 岩切病院 13 鈴木雅和 東北薬科大学病院

4 尾越 登 仙台厚生病院 14 千田幸夫 医療法人宏人会 中央クリニック

5 菊地昭二 東北大学病院 15 千葉美樹 仙台市医療センター仙台オープン病院

6 菊地 徹 東北薬科大学病院 16 畠山 伸 仙台医療センター

7 日下政信 医療法人 庄司クリニック 17 引地 誠 (医)台原内科クリニック

8 小嶋昌信 大崎市民病院 18 松浦周悦 医療法人宏人会 中央クリニック

9 木幡宏実 仙台社会保険病院 19 松川陽明 大崎市民病院

10 佐藤政範 医療法人永仁会 永仁会病院 20 安田耕一 東北公済病院

(敬称略、50音順)

(イ)監事選出選挙の結果 No. 当選者名 所属機関 No. 当選者名 所属機関

1 髙橋正人 医療法人盟陽会 泉ヶ丘クリニック 2 槇 昭弘 仙台社会保険病院

(敬称略、50音順)

5. 選挙管理委員会の決定事項:

(ア)理事選出選挙は、投票の結果、上記 20 名に決定しました。ただし、定数最下位の同数得票者が複数あ

ったため立会人同席の下、選挙管理委員会による抽選で当選者を決定しました。

(イ)監事選出選挙は、無投票により上記 2名に決定しました。

以上

一般社団法人 宮城県臨床工学技士会会誌 第 6号 2014 年 03月

主に HP の管理を行っています前田です。2005 年に技士会 HP 立ち上げの相

談を受けてから 9 年になろうとしています。

当時、個人的な趣味で主に人工心肺の分野をターゲットにした“カニューレデ

ータベース”という Web サイトを構築し運用していました。今は当たり前とな

っていますが、インタラクティブ(対話、双方向性)な技術をふんだんに使い、

一人でその動きを確認しながら自己満足に浸っていました。そうしたことをし

ているうちに、私の同期生でもある理事の尾越氏の目にとまり現在に至ってい

ます。

“カニューレデータベース”の設計は 2000 年頃から始まっているのですが、

これは複数のプログラミング言語を使いそれらを繋ぎ合わせて作られています

(この技術の一部は技士会 HP にも使用しています)。それを実行するために膨

大な量のプログラミング本を読み、それらを制御できるようになるまで 2 年ほどを費やしました。しかし、IT

技術の進歩は強烈に早く次々に新たな技術が作られ、当初の技術は時代遅れのものとなっております。そろそろ

最新の知識を持った次世代の方に技士会ページをリニューアルしてもらう必要があると感じているこの頃です。

さて、私の本業である循環器の分野の進歩はどうなっているか?コンピュータ能力の発達によりその恩恵をも

っと受けているのは、私の範疇ではアブレーションと PM・ICD デバイスと思われます。特にアブレーションは

強力なグラフィック機能を生かし、最新の装置では職人知識を必要としないナビゲーションシステムを搭載して

いる模様です(私のところはまだその装置をもっていない)。それが導入された場合、多少の時間掛かるかもし

れないが、いずれ使いこなせるようになるでしょう。ただ、そうこうしているうちに、さらに画期的な装置がで

きるでしょう。そして、少し時間が掛かるが操作できるようになる。しかし、また新たな装置が。。。Web サイト

技術と同様、なんだかどんどん更新が早くなるような気がします。新たな装置が出てくるのはアブレーションだ

けではないでしょう。このままではついていけなくなりそうです。本業を Web サイトのように切り捨てるわけ

にはいかないので、日々修練する毎日です。

臨床工学の分野は広く、それぞれを極めようと思えば相当深いと思われます。“カニューレデータベース”のコア

の部分では数学(曲線補間:スプライン関数)を使っています。これは学問でありほぼ普遍的な道具です。プロ

グラム技術は新たなものに入れ替わり廃れましたが、コアの部分は更新されるものではなく廃れることはありま

せん。また、様々な分野で応用が利きます。

工学も医学も学問、装置の操作方法の習得は大事ですが、応用が利き永遠に使える普遍的な道具の入手に時間

を費やすのが得策と考えます。

仙台循環器病センター 臨床工学科 前田寿

一般社団法人 宮城県臨床工学技士会会誌

第 6号

2014年 03月 01日発行

発行人 一般社団法人 宮城県臨床工学技士会 会長 鈴木一郎

編集委員会

編集委員長 菊地 徹 副委員長 工藤剛実

委員 鈴木雅和/安田耕一/千葉美樹/前田 寿/尾越 登/鈴木一郎

発行

一般社団法人 宮城県臨床工学技士会 事務局

仙台市医療センター 仙台オープン病院 臨床工学室

〒983-0842 仙台市宮城野区鶴ヶ谷 5-22-1 TEL 022-252-1111

編集 後記