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水曜2中央-302 担当: 米山 茂美 経営戦略 (2017 年度・第 2 学期 )

(2017年度・第 2学期 - yoneyama.net · • ドメイン(ビジョン) – 組織の生存・存在領域 ... • I. Ansoffの成長マトリックス 顧客・市場(地域)

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水曜2限 中央-302

担当: 米山 茂美

経 営 戦 略(2017年度・第2学期)

この講義で学ぶこと

• 経営学の中心的な科目の1つである「経営戦略」についての主要な概念や理論を体系的に理解すること

• 戦略的に考えるとはどういうことなのか?という「戦略思考」を身につけること

• 様々な企業の事例に関心を持ち、ゼミ等で行う研究上の問題意識を高めること

講義スケジュール

• 第1学期

– 戦略立案の基礎となる外部環境や自社資源・能力の分析、事業範囲の決定、および企業成長のための基本戦略等について解説します。

• 第2学期

– 競争戦略と企業の利益に焦点を当て、さらにビジネスモデル戦略やオープン・イノベーション、グローバル戦略、CSV等、より発展的な内容について解説します。

経営戦略の概念

• 定義

– 「環境要因と自社資源との関係の中で、組織のあるべき

姿・進むべき方向性を明らかにし、それを実現するため

のシナリオ(道筋)を設計すること」

戦略

あるべき姿進むべき方向性

現状

自社資源

外部環境

シナリオ

成長戦略、競争戦略…

企業が直面する外部環境

• マクロ環境

– 政治・経済の動向

– 社会・文化の変化

– 科学技術の進展

– 地球環境の変動・・・

• ミクロ環境(タスク環境)

– 競合企業の動向

– 市場・顧客ニーズの変化

– サプライヤー(供給企業)の動向・・・

マクロ環境の分析

• PESTe分析(cf. Wartick&Wood, 1997, SEPTEmberapproach)

– Political Change

• TPPの締結

• アベノミクスによる「三本の矢」政策の展開・・・

– Economic Change

• 中国・インド経済の発展

• 為替相場の変動・・・

– Social Change

• 人口減少社会、少子高齢化の推移

• 格差社会の拡大・・・

– Technological Change

• ディスプレイ技術の進展と多様化

• iPS細胞の実用化への動き・・・

– ecological Change

• 地球温暖化対策の本格化(CO2削減)

• リデュース・リユース・リサイクルの要請・・・

外部環境の変化として、

その他の例を挙げてみてください。

ミクロ環境(タスク環境)の分析

• 競合企業の動向

– 競合企業の中期計画、財務諸表、決算報告書、業界団体等の調査資料、同業者の会合等からの情報収集・・・

• 市場・顧客ニーズの変化

– 新聞・雑誌、各種統計データ、市場調査等からの把握・・・

• サプライヤー(部材や補完財等の供給業者)の動向

– サプライヤー企業の中期計画、財務諸表、決算報告書、サプライヤーが属す業界団体等の調査資料、定期的な会合 等からの情報収集・・・

VRIO分析(Barney, 1997)

• VRIO

– 価値(Value)

• その資源は企業の製品・事業展開の上で重要な役割を果たす価値あるものか?

– 希少性(Rareness)

• その資源は他社があまり有していないという意味での希少性はあるか?

– 模倣困難性(Imitability)

• その資源は他社が容易に模倣できるか?

– 組織(Organization)

• その資源の可能性を強化・育成し、活用していくような組織・システムが用意されているか?

外部環境と自社資源の包括的分析

• SWOT分析– 外部環境の機会(Opportunity)と 脅威

(Threat)の把握

– 自社の強み(Strength)と 弱み(Weakness)の把握

• 3C分析(4C分析)– 競合企業(Competitor)

– 顧客(Customer)

– 企業(Company)

+協力企業(Collaborator/Cooperator)

企業(Company)

競合(Competitor)

顧客(Customer)

戦略あるべき姿

シナリオ設計

資源・能力は何か?

競合は誰か? 顧客は誰か?

資源・能力分析

外部環境分析

弱み 強み

機会

脅威

外部環境分析

資源・能力分析

企業の「あるべき姿」とは

• 経営理念

– 組織が拠ってたつ最も基本的な価値

• ドメイン(ビジョン)

– 組織の生存・存在領域

– 我々は何をする会社なのか?

• 経営目標

– 成長・利益に関わる具体的な達成水準

e.g. 中期経営計画

思想的・抽象的

行動志向的・具体的

製品ライフサイクルと売上高の伸びとの関係

• 製品ライフサイクル(サービス、事業も同様)

時間

売上高

導入期

(前期)成長期

(後期)成長期

成熟期衰

退期

人間が、生まれてから成長し、老いていくように、製品・サービスや事業にもライフサイクルがある

このライフサイクルが、企業の成長と密接に関係している

成長戦略の類型

• I. Ansoffの成長マトリックス

顧客・市場(地域)

既存 新規

製品・

サービス

新規

既存

市場開発

製品開発

市場浸透

多角化(事業開発)

多角化の目的と効果

• 企業経営の安定性(リスク分散)– 「特定の製品・事業の運命と企業の運命とを分離す

る」

• 企業経営の成長性– 売上高の向上

• 企業の信用力、イメージの向上…

• 企業経営の効率性– 経営資源の多重利用によるコストの削減

• 範囲の経済(Economy of Scope)cf. 規模の経済(Economy of Scale)

垂直展開(vertical integration)

• 川上統合の目的

– 鍵となる要素(材料・素材、部品・設備など)の安定的な調達

– コスト競争力の強化、品質面での差別化

– 要素の占有による競合排他性

• 川下統合の目的

– 販売の確保

– 付加価値を増大させ利益を高める

– 顧客ニーズの把握

PPM分析の枠組み

• 理想的な資源配分

金のなる木

花形

負け犬

問題児

撤退売却

収穫・撤収

拡大

収穫

維持

相対的市場地位

市場成長率

高い

低い

高い 低い

講義スケジュール

• 第1学期

– 戦略立案の基礎となる外部環境や自社資源・能力の分析、事業範囲の決定、および企業成長のための基本戦略等について解説します。

• 第2学期

– 競争戦略と企業の利益に焦点を当て、さらにビジネスモデル戦略やオープン・イノベーション、グローバル戦略、CSV等、より発展的な内容について解説します。

講義スケジュール(2学期)

※変更の可能性があります

月日 内容1 9月20日 第1学期の振り返り、第2学期の講義内容のガイダンス

2 9月27日 競争戦略の考え方1:ポジショニング戦略3 10月 4日 競争戦略の考え方2:資源ベース戦略4 10月11日 三つの基本戦略と市場地位別の戦略5 10月18日 競争戦略の考え方3:ゲーム論的戦略と学習プロセス戦略6 10月25日 ブルーオーシャン戦略7 11月 1日 ビジネスモデル戦略

8 11月 8日 フリービジネスの戦略

9 11月15日 サービス・ドミナント・ロジックとメーカーのサービス化、IoT10 11月22日 オープン・イノベーションとユーザー・イノベーション11 11月29日 グローバル戦略とリバース・イノベーションの視点

12 12月 6日 地域創生の戦略13 12月13日 CSV(共通価値の創造):企業の社会性と経済性の両立に向けて

14 1月10日 調整日:戦略思考と学年末試験に向けた質疑

秀6%

優21%

良26%

可26%

不可21%

秀6%

優18%

良28%

可24%

不可8%

棄権16%

成績評価

• 学年末試験 (約70%)

• 出席確認の代わりとして、小テスト(年間3~4回)及び

レポート(年間2~3回)を課すことがあります(約30%)

※ 成績評価は客観的かつ公平に行います。

※ 「進級・卒業がかかっている」等の事情による追試験や加点は一切行いません。

2014年度の成績分布 2015年度の成績分布 2016年度の成績分布秀6%

優14%

良22%

可19%

不可5%

棄権34%

講義資料のダウンロード

• 講義は、パワーポイントで作成した資料に基づいて行います。

• 各回の授業前に各自、以下の方法でダウンロードしてください。1. http://www.yoneyama.net にアクセスする

2. トップページ左側の「講義」をクリックする

3. 「経営戦略(通年)」の欄の「講義資料」をクリックする

※エラーが出るときは、 キーを押しながらクリックしてみてください。

4. パスワード strategy2017f を入力する

5. 必要となる講義資料をクリックする

6. pdfファイルで講義資料が表示されるので、印刷する

※ 印刷設定で、1ページに複数枚のスライドを印刷するようにしてください。

7. 「補助資料」がある場合には、それも印刷して、事前に目を通しておいてください。

8. なお、後期こそ「講義ノート」を作成する計画です。主として、授業の復習のための利用してください。

SHIFT

参考文献

• 網倉久永、新宅純二郎 『経営戦略入門』、日本経済新聞社、2011年

• 沼上幹『わかりやすいマーケティング戦略』(新版)、有斐閣アルマ、2008年

• 青島矢一・加藤俊彦『競争戦略論』第2版、東洋経済新聞社、2012年

• 米山茂美(監修)・古田靖『ブルーオーシャン戦略を使いこなす』、TAC出版、2009年