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第 27 回 視覚障害リハビリテーション 研究発表大会 in 神戸 実施報告書 2018 年 9 月 視覚障害リハビリテーション研究発表大会実行委員会

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第 27 回

視覚障害リハビリテーション

研究発表大会 in 神戸

実施報告書

2018 年 9 月

視覚障害リハビリテーション研究発表大会実行委員会

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大会テーマ

発見 そして 自立

~ 視覚リハの新時代へ ~

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★大会を終えて★

第 27 回視覚障害リハビリテーション研究発表大会

大会長 髙橋 政代

初めての研究会主催が務まるのかという大きな不安の中、お引き受けしました。

今回は神戸にアイセンターができたお祝いやお披露目も兼ねてということで、た

くさんのイベントがどんどん企画されて行きました。クレーン車を使ったバンジ

ージャンプだけは不採用でしたが、アイデアのほとんどは採用されました。実行

委員会では最初は何もわからずボーっと参加していましたが、繰り返し参加する

うちに段々と意識がはっきりしてきて、あれ、これ責任者は私だ、お金足りるの

か?すごくでかい会場を決定したのも私だ、と気づきました。でも、中盤から実

行委員の皆さんが頼もしく本当に責任感を持ってバリバリと事を運ばれて、直前

にはできるという確信に変わり突入しました。やはり視覚障害に寄り添っている

方は様々な細やかな心配り、自分が支えるという責任感など、日頃のお仕事ぶり

が伺える働きでそのプロフェッショナルぶりに本当に感動しました。

移動弱者である視覚障害に対する歩行や、自動運転の話を入れました。ポスター

も興味深いデータが見られました。各地のスマートサイトの先駆けとなったつば

さを作られた山縣先生に講演をお願いしてスマートサイトサミットも行いまし

た。どの講演も聞き応えがあったのでほとんどメイン会場にいましたが、それで

も行き来する人たちの雰囲気でサブ会場が楽しそうなことは伝わってきました。

寺子屋も好評でした。終わってから、当事者の方がすごくたくさん参加してくれ

たこと、皆さん楽しんでくださった事を実行委員が高揚した声で満足感に溢れた

顔で報告してくれました。

我々の目的である、視覚障害者も晴眼者もみんなが一緒に楽しめる真のインクル

ーシブな世界、これを少し垣間見ることができました。このような素晴らしい経

験をさせていただいて、参加していただいた皆様、ハラハラして寄付を集めてく

ださった方、などなど。皆様のおかげで無事終えましたこと深く感謝をしており

ます。ありがとうございました。

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★参加者概要★ 参加者 地域別の人数、ブロック合計人数

北海道・東北 北海道6、青森0、岩手1、宮城19、秋田0、

山形0、福島4、新潟7

37名

関東・甲信 茨城10、栃木0、群馬0、埼玉30、千葉8、

東京83、神奈川38、山梨5、長野2

176名

東海 静岡16、岐阜5、愛知21、三重1 53名

近畿 滋賀6、京都53、大阪71、兵庫109、奈良4、

和歌山1

244名

北陸 石川7、富山8、福井2 17名

中国・四国 鳥取1、島根4、岡山7、広島9、山口4、徳島3、

香川2、愛媛7、高知8

45名

九州 福岡16、佐賀4、長崎1、熊本7、大分1、

宮崎1、鹿児島3、沖縄1

34名

※青森・秋田・山形・栃木・群馬から参加者がなかった。

職種別の参加者数及び割合

福祉 221名 37.1%

医療 183名 30.7%

教育 95名 15.9%

その他 89名 14.9%

空白 8名 1.3%

※その他は企業・メーカー・当事者等

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★発表概要★

特別プログラム 3 題

①誰でもどこでも歩行訓練が受けられるようにするために

②見えにくさを持っての移動~ローテクから最新システムまで~

③視覚障害者の近未来

口頭発表 8 題

①NEDO 福祉用具実用化開発事業「あらゆる状況に歩行補助できる My 地図端末機器の開発状況」

②視覚障害者の駅ホームにおけるヒヤリ把握困難の実態

③歩行訓練における立体的触地図の使用は先天全盲視覚障害者の空間理解を向上させる

④視覚障害者の駅ホームからの転落事故を防止するための取り組み-日本歩行訓練士会として-

⑤主体的視覚リハビリテーションを目指して~文章講座の試み~

⑥中途視覚障害者が点字を触読できることの現代的意義

⑦NPO による地域での視覚リハ(神戸アイライト協会 20 年の歩み)

⑧ 訓練修了後の就労継続支援の取り組みと課題

ポスター発表 101 題

研究発表 54 題 活動報告 47 題

市民公開講座 2 題

①ロービジョン研究最前線

②網膜再生医療の近未来~「もの」から「こと」へ

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★会場概要★

2 号館内 会場外観

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★会場レイアウト★

14 日

15 日

16 日

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★期間中プログラム★ 14 日

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★期間中プログラム★ 15 日

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★期間中プログラム★ 16 日

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★各プログラムの様子★ 大会1日目 9月14日(金曜日) 神戸国際会議場 5階会議室501

視覚障害リハビリテーション協会主催企画 視覚リハ未来への挑戦 Part3

総合司会:岡島 喜謙(福井県立盲学校)

武田 貴子(北九州市立介護実習·普及センター)

第一部 13:00~15:30

『視覚リハ自分ごとプロジェクト』

クローズアップ 子供たちの未来 視覚障害がある子供たちの未来を考えよう

-あなたの今の仕事で子供たちの未来に何ができるか?-

宿題報告者 外園 千恵(京都府立医科大学)

松友 輝子(愛媛県立松山盲学校)

田中 雅之(名古屋市総合リハビリテーション事業団)

新井 千賀子(杏林アイセンター)

グループディスカッション進行:新井 千賀子(杏林アイセンター)

第二部 16:00~17:00

『研究トラの巻』其の3 現場から発信! 実験的研究のツボ

講師:小田 浩一(東京女子大学/視覚リハ協会副会長)

この協会主催企画は、協会員が視覚リハの課題を分野を越えて共有するととも

に、それを「自分事」として捉えられるようにすることを目的に3年計画で行われ

ているもので、今年度が3年目にあたるものでした。

第1部では、「クローズアップ子供たちの未来 視覚障害のある子供たちの未来

を考えよう」をテーマに、医師、盲学校教員、歩行訓練士、視能訓練士の4名の宿

題報告者が、それぞれの立場で視覚障害のある子供たちに対する支援の現状と課題

を、事例を交えながら報告し、それを受けて全体でのグループディスカッションを

行いました。グループディスカッションでは分野や地域の違うメンバー4~5名で

1グループとなり、まさに「自分事」として、活発な意見交換が行われました。各

グループでまとめた今後の取り組みや提言については、協会ホームページに掲載さ

れています。遅れた方もいましたが、全体で84名の参加で盛況でした。

第2部では、「研究トラの巻その3 現場から発信!実験的研究のツボ」という

テーマで、東京女子大学の小田教授から講義がありました。敷居が高いと思われて

いる研究について、ハードルを下げて、多くの方に発表や論文作成をしてもらい、

実践で得た知見を協会内で共有できるようにするための試みとして行われたもので

した。86名の参加がありこちらも盛況でした。

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意見交換 日盲連からの報告

大会2日目 9月15日(土曜日) 神戸国際展示場 2号館 1F北側 メイン会場 特別プログラム ① 15:25~15:55

座長:田中 雅之(名古屋市総合リハビリテーションセンター)

[誰でもどこでも歩行訓練が受けられるようにするために]

橋井 正喜(日本盲人会連合 常務理事)

視覚障害リハビリテーション協会(以下リハ協)では、全国どこでも視覚障害リ

ハビリテーション(以下視覚リハ)が受けられるようにするための制度設計を厚生

労働省に提言するために、平成28年度、29年度の2年にわたり、日本最大の視

覚障害当事者団体である日本盲人会連合(以下日盲連)が委託を受けた厚生労働省

障害者総合福祉推進事業に参画してきたと報告がありました。その中で、全国の視

覚リハの実施状況を調査するとともに、訓練実施施設数が不足していること、国の

定める人員配置基準がマンツーマンを中心とした視覚リハの実態に合っていないこ

と、視覚リハが視覚障害者の生活や精神面に対して与える影響、視覚障害者への情

報提供が不足しており、視覚リハ機関にうまく繋がってきていない現状などが示さ

れました。

今回のプログラムの中では、調査の実施主体である日盲連から、調査の概要につ

いて報告がありました。そして、この問題に対する現在の日盲連の中でのとらえ

方、今後の活動方針などについて座長からインタビューが行われ、最後にリハ協と

日盲連とで協力体制をとりながら、この問題について継続して取り組んでいくこと

が確認されて、今後に向けて期待の持てる内容でした。

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討論の様子

特別プログラム ② 15:55~18:00

座長:岡田 弥(日本ライトハウス)

[見えにくさを持っての移動~ローテクから最新システムまで~]

1.歩行訓練士からの提言

堀内 恭子(日本歩行訓練士会)

2.バーチャルリアリティ・システムの活用

喜多 伸一(神戸大学)

3.白杖使用者向け音声誘導システムについて

田中 慧(TOA株式会社)

4.交通制約者移動支援システムの開発

米田 友樹(日本信号株式会社)

5.視覚障害者用ナビの可能性

山下 晃弘(東京工業高等専門学校)

6.視覚障害者の立場から

佐木 理人(視覚障害者の歩行と自由と安全を求めるブルックの会)

歩行訓練士、研究者、開発者、当事者というさまざまな立場から、見えにくさを

もっての移動についての話題提供があり、参加者の皆様、関心を持った様子で聞か

れていました。

「見えにくい状態でも白杖をうまく使えば安全に歩けるので、歩行訓練士を活用

してほしい」という提言に始まり、研究者からは「ロービジョンの見え方を測れる

VR 実験室」「歩行訓練効果の定量化」といったことや、「準天頂衛星みちびきを

利用した視覚障害者用ナビの可能性」といった話題提供があり、開発者からは

「bluetooth によってスマートフォンなどで信号の色がわかる信号機」「センサ

ーで白杖を認識して音声ガイダンスを流すシステム」が紹介されました。最後に当

事者の立場から「視覚障害者も常に神経を集中して歩くのは難しい。自由に、安全

に、のんびりと歩くことを楽しみたい」といった意見が出されました。

各話題提供を受けてのディスカッションでは、「スマートフォンは使える人と使

えない人がいるし、移動時に機器の操作をするのは注意が散漫になりかえって危な

い。視覚障害者側が新たな操作をしなくてもよいシステムがよい。」「機器の開発

時に歩行訓練士や当事者の意見も含めて、多くの視覚障害者の生活に即したものを

作ることが必要」「開発された機器やシステムを組み合わせてよいものを作ってい

くことも重要」といった意見が出され、連携の重要さを再認識させられることとな

りました。

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地域ブロックミーティング 18:20~19:30

全国7ブロックに分かれての交流の場。協会員の資格は問わず実施。

北海道・東北 北海道、青森、岩手、宮城、秋田、山形、福島、新潟

関東・甲信 茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、山梨、長野

東海 静岡、岐阜、愛知、三重

近畿 滋賀、京都、大阪、兵庫、奈良、和歌山

北陸 石川、富山、福井

中国・四国 鳥取、島根、岡山、広島、山口、徳島、香川、愛媛、高知

九州 福岡、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄

・各県の振り分けをしていたが、他県ブロックへの参加も可能とした。

地域ブロック会は、前半の 20 分間を全体会とし、各地域ブロックの代表から活

動状況の報告がありました。研修や交流、各地域での情報交換の様子など、また地

域ごとに集会を開催する、ML や SNS による情報交換が実施されているとの報告

もあり地域ごとの違いが分かりました。短時間での発表ではあったが、スライドを

用意して発表された地域もありわかりやすかったです。

全体での報告の後、後半の 40 分間は、メイン会場内で7つのブロックに分か

れ、北日本、関東・甲信、東海、近畿、北陸、中国・四国、九州・沖縄の各ブロッ

クで久しぶりに顔を合わせての会になりました。新しいメンバーの自己紹介や近況

報告、各施設からの情報提供、研修会の実施についてなど、各ブロックごとに協議

されている様子がみられました。終始和気あいあいとした雰囲気の中で話し合わ

れ、会場閉鎖時間ぎりぎりまで熱心に話し合うブロックもあるなど、地域の実態に

合わせた有意義な集会となりました。

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大会2日目 9月15日(土曜日) 神戸国際展示場 2号館 1F 南側 サブ会場

交流会 13:00~14:10

アマチュア落語会 14:30~15:20

大会 2 日目のサブイベントコーナーにて、一般の方向けの最初の催しとして、視覚障

害のあるアマチュア落語家お二人による落語会が行われました。ライブの落語を楽しも

うと、ステージ前の観客席は多くの参加者で埋まりました。まず始めに芦屋市在住の

「半丸亭寿近」(せみまるていじゅにあ)さんより古典落語「禁酒関所」を披露してい

ただきました。次に神戸市在住の「呆っ人」(ぽっと)さんより現代落語「カルシウム

不足夫婦」、古典落語「時うどん」を演じていただきました。

お二人の軽妙洒脱な語り口は、目の前に情景がありありと浮かぶようで、観客は一気

に引き込まれ、笑いの渦に包まれていきました。お笑いのパワーで楽しい午後のひと時

を共有することができました。

メイン会場からサブ会場への移動の際、わ

かりにくい部分があり少し混乱した部分もあ

りましたが、高橋大会長、田中副大会長のあ

いさつが始まると雰囲気も落ち着いてきて、

ジャズ演奏に聞き入りながら楽しい交流会と

なりました。交流会では、事前に申し込みを

した方にはおにぎりセットが配布されて、手

軽に食べることができてよかったと思われま

す。当日参加者の参加を OK にしたことで参

加も増え、多くの交流が生まれた様子でし

た。また、六甲山の上美術館からの「さわる

ミュージアム」のオブジェクトの紹介や飲食

コーナーの紹介なども行いました。飲食コー

ナーには行列ができ、非常に盛況でした

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ファッション&トークショー 15:30~16:45

社交ダンス 17:00~17:30

ファッションの街神戸ならではの企画として、視覚障害

者をモデルとしたファッション&トークショーが実施され

ました。応募多数の中から、ファッションモデルは 20 代

から 60 代の女性4名、男性1名、ヘアカットモデルは女

性 1 名にお願いしました。5 月から 8 月にはデザイナー

との打合せや仮縫い、ヘアスタイリストとの打合せを重

ね、当日には手引きの学生ボランティアも一緒にリハーサ

ルをし、本番を迎えました。観客も立ち見がでるほどたく

さん集まり、ジャズ演奏をバックにウォーキングするモデ

ルさんには会場から呼び声がかかるなどアットホームで楽

しい時間となりました。モデルの皆さんは緊張しつつも笑

顔で楽しんでおられ、トークショーでは全員から「参加し

てよかった」と喜びのコメントがありました。デザイナー

やスタイリストからも、初めて視覚障害者と深く関わった

が前向きで明るいイメージに変わった、よい刺激をもらえ

た、距離が近くなったとの意見が聞かれ、視覚障害者、協

力者双方にとって有意義な時間となりました。

ダンスパーティ「アッペル」の皆様 48

名による華麗な社交ダンスを披露していた

だきました。初めに代表の阿部敏一さんよ

り社交ダンスは障害者用の特別なルールは

なく、覚えてしまうとダンス愛好家の方と

楽しく踊れますというメッセージがありま

した。男性は蝶ネクタイ、女性は色鮮やか

なドレスで、見えない見えにくい方が見え

る方とペアになり手を取り合ってステージ

へ!全員で踊るブルースから始まり、ルン

バ、ワルツ、タンゴ、サンバなど、色々な

種目のダンスが展開されました。最後は全

員でジルバの曲に合わせて会場を魅了して

くださいました。見えるかたとペアになり

見えない見えにくくても、ひとつになって

思いっきり踊ることができる。踊り終えた

アッペルの皆様の充実した笑顔、凛々しい

姿に会場からは惜しみない拍手が送られま

した。

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点字付き数独

機器展示 15.16日の2日間開催

飲食コーナー営業 15.16日の2日間開催

出展した企業・団体は42とかなり多い出展となりました。また新たな取り組みで

実施したカタログのみ配布する形の出展は、遠方であるなどの理由で出展しにくい団

体からも参加してもらうことができ、9団体からの参加がありました。この取り組み

は非常によかったと思われます。全体としては遠方からの出展者にも、1泊で2日間

の展示ができるプログラムが好評だったようです。入場者も2日間で、延 2,000 人を

超えて従来の参加者と比べても多く、当初の予想を上回るものでした。大会参加登録

者は2日間ともサブイベント会場に足を運ぶ人が多く、メイン会場がの様子が心配に

なるほど機器展示に参加をしてもらうことができました。そのため、時間帯によって

は人気のブースに行列ができるほどのにぎわいでした。

複数のイベントを並行して進行したため、にぎやかな形のイベントとなり、多様な

情報の発信をすることができました。特に地元の視覚障害者の参加が多く皆さんじっ

くり体験をされていました。

開催地神戸の魅力を食からも伝えたいという思いから、大会初の試みとして飲食ブー

スを設置し、共に大会を盛り上げたいという近隣地域の企業など 7 店舗が出店されま

した。メニューは主食、副菜、デザート、酒類、コーヒーなど多岐に渡り、遠方からの

参加者を意識し、地元の素材を使用した土産品も販売されました。また、本大会の特徴

を考慮し、出店者が製作した布製の白杖入れは視覚障害者に好評であったようです。

出店者の中には障害者作業所もあり、多くの来店者に対応をすることで、販売スタッ

フとしていい経験ができたとの感想が寄せられました。

併設した約100席の休憩スペースでは、飲食しながらサブ会場の舞台プログラムを

楽しむ方、機器展を回り終えてひと休みする方など、それぞれが思い思いにこのスペー

スを活用している様子が多く見られました。

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当日利用したタンデム自転車

大会2日目 9月15日(土曜日) 神戸国際展示場 屋外

タンデム自転車体験 14:30~16:00(最大17:30)

体験受付を 14 時からとしていたが、タンデム自転車がエントランスホールに到着す

ると、自転車の前で足を止める来場者が目立つようになり、説明に聞き入る晴眼者が

多くみられました。体験が始まると終始、順番を待ってもらう状態でどんどんと時間

は過ぎていきました。

昨年まで自分で自転車に乗っていたという弱視の青年が家族に心配されながらも

『いや、乗れる、乗れるで』と言って風を感じる姿、昔は自転車を乗り回していたも

のの全盲になって諦めていたという女性が『わあ、この感覚久しぶりぃ』と弾んだ声

で風を楽しみ、その姿を目を細めてデジカメに収めるご主人との微笑ましい様子、地

元でタンデム自転車を導入しようとしているのでガイドさんが運転できるか体験して

もらいたくて…と、ドキドキワクワク感いっぱいで体験された男性など、体験に訪れ

た方々がニコニコと笑顔で過ごしておられたことが何よりも嬉しく感じられました。

ガイドボランティアや会場ボランティアなどをはじめとする晴眼の希望者も多く、

また中には自転車に乗ること自体が苦手な人もあったが、目からの情報がない乗車体

験で感じた感覚をかみしめながらも一様に皆さんワイワイと楽しい体験であったよう

です。

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完成したデコ白杖

クライミング体験

大会2日目 9月15日(土曜日) アイセンター Vision Park

ワークショップ デコ白杖 9:00~10:45

クライミング体験 15日に2回開催

参加者は、1 部(15:00~16:00)が 8 名(その内 2 名が視覚障害のある方)、

2 部(16:00~17:00)が 3 名(その内 1 名が視覚障害のある方)でした。小グル

ープをつくり、性別や年齢、障害の有無に関わらず一緒にクライミングを楽しんでいた

だきました。初対面の方がばかりでしたが、同じ業界で働かれていることもあり、すぐ

に意気投合していました。視覚障害でも光覚がある方が登る際は、みちびクライミング

を使用し、課題に使うホールド全てを事前に点灯させたり、次に持つホールドを点滅さ

せたりして、登ってもらいました。「ホールドが点滅しているとわかりやすい。荷重を

かけたら音が鳴り、点滅から点灯にかわるので、色がわからなくても次のホールドを探

すことができる」という感想がでていました。また、全盲の方が登る際は、次に持つホ

ールドの位置や距離、形を後ろで見ている方に声がけでナビゲーションしてもらい、

「声がけが遅くなってしまうと、登っている方がすぐに疲れてしまうので、早く言わな

いといけないが、それが中々難しい」というナビゲーションの難しさを参加者が実感し

ている様子でした。

プロネイリスト専用の卸問屋「株式会社 TAT」協力

のもと、白杖のグリップにラインストーンでデコレ

ーションを行う、ワークショップ デコ白杖を開催し

ました。参加者は 10 名、うち 2 名が視覚障害者で

した。使用するのは、直径 5 ミリ程のクリスタル、

ピンク、ブルーのラインストーン。白杖グリップに

接着剤を塗り、マジカルペンシル(ラインストーン

を芯の先で吸着して拾う便利な鉛筆)を用いて貼り

付けていきます。白杖の周囲がグラデーションにな

るようストーンを並べる方や互い違いに異なる色を

並べる方、螺旋状に並べる方もいれば、星がちりば

められたように並べる方など、参加者それぞれの感

性で 10 本のすばらしいデコ白杖が出来上がりまし

た。作業中は声をかけるのも憚られるほど誰もが真

剣に取り組まれていましたが、完成後は一転、和や

かな雰囲気で出来上がりの感想を述べあったり、写

真撮影を行うなど皆さん非常に楽しまれた様子でし

た。「今はまだ(白杖を)使っていないけど、これ

から白杖を使うのが楽しみになりました。」といっ

た感想をいただくこともでき、とても有意義な時間

となりました。

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Vision Park ツアー 15.16日で計4回開催

大会二日目と三日目にそれぞれ2回計4回のビジョンパークツアーを実施しまし

た。各回 20 名の定員で募集したところ、すぐに定員一杯となってしまい、希望者

からの問い合わせも多数ありました。そこで、大会期間中に希望を受け付け、大会

後の9月17日に見学者の受け入れをすることにしました。

参加者数は、9 月 15 日(土)15:00~16:00 が 16 名、16:00~17:

00 が 18 名、9 月 16 日(日)8:30~9:30 が 20 名、10:30~11:30

が 16 名でした。申し込まれていたのに数名の方が来られませんでしたが、メイン

会場での研究発表との同時開催だったことと、場所が離れていたことが影響したの

ではないかと思われます。

ツアーの内容は、ビジョンパークのコンセプトと isee 運動の説明、連携カードに

よる病院からの患者の受け入れと情報提供、社会実験の場としての役割等を紹介

し、全員に白杖を持ってもらい、ビジョンパークの5つのエリアを移動しながら各

エリアの目的を説明しました。

参加者全員で、ISEE 運動のロゴに描かれている指で輪を作ってメガネのようにし

たポーズで記念写真を撮りましたが、参加者が笑顔でツアーを終えられていたこと

が印象的です。このツアーを楽しみに参加されたという方も多数おられました。

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榊原氏報告 討論の様子

大会3日目 9月16日(日曜日) 神戸国際展示場 2号館 1F 北側 メイン会場

特別プログラム ③ 10 :15~11 :15

座長:原田 敦史(堺市立健康福祉プラザ視覚・聴覚障害者センター)

[視覚障害者の近未来]

報告者:小寺 洋一(スクールカウンセラー)

榊原 賢二郎(早稲田大学先端社会科学研究所)

鈴木 祐香(福島県保健福祉部 障がい福祉課)

奈良 里紗(筑波大学大学院人間総合科学研究科博士後期課程障害科学専攻)

「視覚障害者のこれから」という視点で、20 代から 40 代の男女 2 名ず

つから話をしてもらい、フロアと意見交換を行いました。自己紹介の後は視

覚障害者の職業という視点で榊原さんが情報提供をし、他の 3 名からも現

在の職業、またそこにたどり着くまでの過程についても話がありました。今

回の 4 名は三療以外の仕事をしており、なぜ三療を選択しなかったかとい

う点では、いろいろな理由が挙げられましたが、三療があったからこそ他に

挑戦できたというコメントは印象に残りました。

フロアとの意見交換では、視覚障害者からの質問が多く、60 分という時

間では足りないくらい熱気あふれるプログラムとなりました。最後に自分の

障害についてどのように伝えているかという質問があり、それには 4 人が

言い方こそ異なりましたが、コミュニケーションの重要性をあげていまし

た。向かい合う人としっかり話ができるということは、自分のことも伝えら

れる(障害に限らず)のだと思い、このようなことを学べる場があるのかと考

えさせられた時間にもなりました。若い人のこのような意見を聞く場がなか

なかなく非常に有意義な時間となったようでした。

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岩貞氏講演

ランチョンセミナー 12:30~13:30

座長:髙橋 政代(国立研究開発法人理化学研究所 生命機能科学研究センター

網膜再生医療研究開発プロジェクト プロジェクトリーダー

公益社団法人NEXT VISION 理事)

[自動運転-国内の状況]

岩貞 るみこ(モータージャーナリスト/ノンフィクション作家)

講師のモータージャーナリスト岩貞るみこ氏から、自動運転にかかる法

的、技術的など様々な切り口で、自動運転が置かれている現在の状況ついて

わかりやすく説明いただきました。

自動運転の目的は、大きく 5 つあるということでしたが、今回は視覚障

害者も関わりのある交通事故削減と移動支援についての切り口で専門的な話

であったが理解しやすいものでした。最初に自動運転は何かという話では、

完全自動運転と安全運転支援技術と分けて考えないといけないという説明

は、言われてみると当たり前だがあまり考えたことがない視点でした。また

技術的な問題だけでなく道路交通法の中に「周囲の監視義務はドライバーに

ある」というような文言があるようで、その部分を整理しないと完全自動運

転はできないということでもありました。これは日本だけでなく世界もほぼ

同様(ウィーン条約・ジュネーブ条約との関係)の状況ということであり、こ

の話にはとても驚かされました。

ここ数年、技術的な進歩がかなり進んでいて、車で自由に移動できるとい

うことが全くの夢ではなくなってきてはいるようですが、まだまだ課題も多

いこともわかりました。自動運転の実現に向けては、視覚障害者の方々の協

力も期待されている、というメッセージが印象に残った講演でした。

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仲泊氏講演 平塚氏講演

市民公開講座 14:10~16:30

ロービジョン研究最前線 座長:近藤 寛之(産業医科大学)

1.視覚障害者の就労実態を反映した医療・産業・福祉連携による支援マニュアルの開発

近藤 寛之(産業医科大学)

2.スマートサイトによるロービジョンケア連携システム構築に関する研究

平塚 義宗(順天堂大学)

3.多職種協働による地域包括ロービジョンケアシステム開発に関する研究

鈴鴨 よしみ(東北大学)

4.ICTを活用した寡少専門家による地域・在宅ロービジョンケア

仲泊 聡(理化学研究所)

医療の分野における基礎から実用化までの研究を進めるために、大学や他の研

究機関を支援している日本医療研究開発機構(Japan Agency for Medical

Research and Development, 略して AMED(エイメド)といいます)がスポ

ンサーとなり、ロービジョンの研究を行っている 4 つの研究機関による研究発表

がありました。

まず、座長をお願いした産業医大の近藤寛之先生から「視覚障害者の就労実態

を反映した医療・産業・福祉連携による支援マニュアルの開発」と題した発表が

あり、続いて、順天堂大学の平塚義宗先生から「スマートサイトによるロービジ

ョンケア連携システム構築に関する研究」、東北大学の鈴鴨よしみ先生から「多

職種協働による地域包括ロービジョンケアシステム開発に関する研究」、そし

て、本大会の実行委員でもある理研の仲泊聡から「ICT を活用した寡少専門家に

よる地域・在宅ロービジョンケア」についての発表がありました。

いずれも平成 31 年度までの研究で、現在がちょうど中間報告にあたります。

各発表 20 分と限られた中でしたが、研究背景から進捗状況を比較的平易な表現

で、解説していただきました。

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髙橋氏講演

網膜再生医療の近未来~「もの」から「こと」へ

座長:山縣 祥隆(山縣眼科医院 院長)

髙橋 政代(国立研究開発法人理化学研究所 生命機能科学研究センター

網膜再生医療研究開発プロジェクト プロジェクトリーダー

公益社団法人NEXT VISION 理事)

大会最後のプログラムであった大会長の髙橋政代先生の網膜再生医療の近未来~

「もの」から「こと」へは予定時間もオーバーするほどで、非常に力の入った講演

でした。最初は加齢黄斑変性症の方に対して行った iPS 細胞の移植について、その

後の経過報告でした。移植した細胞はそのまましっかり定着をしているということ

でした。この手術は自家移植であり、今までは ES 細胞ではできなったことができ

たという点で非常に画期的なことであったということでした。患者の視力について

は回復することはなかったようですが、視力低下は抑えられているということで、

その点で非常に喜ばれているということで、改めて視力回復の難しさも実感しまし

た。 ただ現在はもう一歩先に行き、他家移植の段階に入っているということで、

これでコストを抑えて、手術ができるところを広げていくということでした。この

手術も 5 例されているということで大きな問題がなければ多く病院で移植手術が受

けられるようになるのも夢ではなさそうです。先生はすぐにはという話でしたが、

割といい感触をもってやられているような印象を受けました。

さらに、視細胞の移植についての話もありました。細胞自体はすでにできており

マウスでは視細胞の定着もでき、効果がでているデータもあるということでした。

主に網膜色素変性症の方に対しての手術となると思いましたが、非常に期待をした

くなる話でした。ただいずれの話も以前のように見えるようになるのはずっと先で

あるのでまずはリハとセットで考えてほしいという話も印象的でした。医療とリハ

がしっかり連携し患者を支援するのが、より求められる時代が来ていると感じた講

演でもありました。

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田中氏司会 山縣氏講演

大会3日目 9月16日(日曜日) 神戸国際展示場 2号館 1F南側 サブ会場

スマートサイトサミット 8 :15~ 9 :45

座長:田中 桂子(神戸アイセンター病院/橋村メンタルクリニック)

講 話:山縣 祥隆(山縣眼科医院)

助言者:永井 春彦(勤医協札幌病院)

平塚 義宗(順天堂大学)

岡島 喜謙(福井県立盲学校)

仲泊 聡(理化学研究所)

原田 敦史(堺市立健康福祉プラザ視覚・聴覚障害者センター)

「スマートサイトサミット」は、全国でスマートサイト(リーフレット)や地

域のネットワークに関わっている方々を対象に、交流とそれぞれの現状を語り合

うことを目的に企画しました。早朝 8 時 15 分開始にも関わらず、事前登録者

35 名全員出席、オブザーバー58 名参加と、その関心の高さを伺うことができ

ました。

副大会長でもある山縣先生の講義のあと、事前課題の「各地域でうまくいって

いること、いっていないこと」をグループごとにまとめる作業を行いました。そ

れぞれのグループには、6 名の専門家が、助言者として加わりました。グループ

作業のあとは、全体発表、助言者からの講評と続き、散会いたしました。

参加者からはおおむね好評を得、実施担当者としても、当初の大きな目的「初

回はまず交流」は実現できたと考えます。この成果を来年の盛岡大会に引き継ぎ

したいと考えています。

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得する寺子屋 10:00~12:05 座長:岡田 弥(日本ライトハウス)

1.障害年金を知ろう

辰巳 周平(辰巳社労士事務所)

2.ショーワリの達人~鉄と空をお得に楽しむために~

永井 春彦(勤医協札幌病院眼科)

3.実践!身体を守る予防衛生

橋本 伸子(しらお眼科)

4.目の病気の遺伝

吉田 晶子(理化学研究所/神戸アイセンター病院)

パラスポーツ体験 12:05~14:00

1.ブラインドサッカー 2.ゴールボール

設置された 60 席の椅子席は開始前から満席、飲食テーブルの前列も満員とな

り、急きょ椅子席を追加して 100 人超を集める人気セッションとなっていました。

障害年金の話、鉄道と航空会社の障害者割引の話、保健衛生の話、遺伝の話と、

どれもすぐに役に立つ知識であるのに加え、リズムに合わせて一緒に体操したり、

クイズ形式で会場に問いかけたりと、会場を巻き込む講師陣の進め方もあって、テ

ンポのよい、活気ある催しとなりました。

余った時間で会場からの質問を受けると、年金の話を中心に次々と質問が飛びだ

し、終了後も講師を捕まえて質問をする参加者が多くいて、ステージとフロアが一

体感のある企画となり、好評のうちに終了しました。

ブラインドサッカー全日本代表チーム元監督の風祭氏をはじめ、各競技の指導者と

現役選手を指導役に迎えて、パラリンピックの視覚障害競技であるブラインドサッカ

ーとゴールボールの体験会を行いました。現役選手の華麗なデモンストレーションを

観て頂いたあと、参加者にアイシェードを着けてもらい、実際にボールに触れ、投

げ、蹴って頂きました。視覚を用いずに転がっていくボールを捕え、操ることがどれ

ほど難しいかを体感するとともに、訓練を積むことでそれが可能になるということ

を、現役選手のプレーから知ることができました。また、コート隅のスクリーンでは

実際のパラリンピックの映像を流し、実践の様子を観て頂きました。この体験会のコ

ーディネートをして下さった、視覚障害スポーツ指導の専門家である細川健一郎氏に

よるご自身考案の「視覚障害吹き矢」の紹介・体験もあり、パラスポーツの面白さ、

楽しさ、難しさ、そして奥行の深さを知る貴重な時間となりました。

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完成した焼きそば やきそば作り中

大会3日目 9月16日(日曜日) アイセンター Vision Park

ワークショップ ② 三菱音声家電による調理体験会 8:30~ 9:30

9 月 16 日(日)第1部 8:30~9:30(参加者 3 名、うち視覚障害者 1

名)、第 2 部 10:30~11:30(参加者 3 名、うち視覚障害者 1 名)、合計 6

名が参加しました。各回 5 名の定員のところ、当日キャンセルが出ましたが、その

分一人一人にとって充実した体験になりました。

体験したのは、音声付きのレンジグリル(オーブンレンジ)を使用した「焼きそ

ば作り」と「冷凍の今川焼の温め」、音声付きのIHジャー炊飯器を使用した「白

米ご飯の炊飯」の 3 つで、特に参加型で体験したのは焼きそばです。焼きそばは付

属の耐熱皿に麺をほぐし均等にひろげ、その上にカット野菜と豚肉を順番にのせ

て、メニューのボタンを押すだけの簡単操作。冷凍の今川焼の温めでは、出来上が

った今川焼きを包丁で切るときの「サクッ」という音を聞きました。外はサクサ

ク、中はホクホク。皆さんとっても感激しました。

講師には三菱電機の開発部の方もいたので、性能についてとても詳しい説明を聞

くことができました。「炊飯器のメモリが触って分かりやすくできないか?」など

のご意見に対しても、出来ない理由を丁寧に説明していただき、お米の量に合わせ

た水量の量測り方などのアドバイスもありました。

参加者同士では音声電化製品の助成(県単独事業として)などの情報交換もあ

り、大変有意義な体験会となりました。

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★サテライト講演★

大会1日目 9月14日(金曜日) 国際会議場 会議室502

さわるアート ~その新しい体験と発見 17:30~ 19:30

さわるアート実行委員会が開催するプログラムを大会のサテライト講演と位置付けて実施しま

した。金曜日のブログラム終了後引き続き参加した方や地元の視覚障害者の方が参加されまし

た。

三人の講師から触る事の大切さや触る事によってもたらされる効果、意味などが話

されました。触るという当たり前にしている行為ですが、触り方によっても脳への刺

激は異なるという話は興味深かったです。講義によると能動的に触ることは、受動的

に触るよりも効果が 10 倍もあり、脳の発達に大きく影響を及ぼすというこで、赤ち

ゃんが色々なものに対して触る、触ろうとするのも触ることで脳に刺激がいき、そこ

から脳が発達していくということでした。

実際の事例として、障害児の子供がいろいろな芸術作品に触れている様子、また手

だけでなく体全体で感じている様子の報告は芸術の楽しみ方について考えさせられま

した。特に彫刻等の造形物は作者自身が触れながら、作品を完成させていることを考

えると、触って楽しむということも当然あっていいのでは思いました。見えなくなる

と触って確認することが多くなるけれど、視覚障害がどのように触っていけば理解し

やすいか、どのような効果があるのかはまだ研究されていないようで今後の期待した

いところです。講演だけでなく、会場内には猫や葛飾北斎の富岳百景の点図などもあ

り、また箱の中に造形物があって、触って何の動物か考えたりするものもあり楽しめ

ました。非常に貴重なミロのビーナス像も展示され、見るだけでなく触って楽しむ鑑

賞をする光景が印象的でした。

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★その他のブース★ 神戸国際展示場ロビー内

理化学研究所 大学院生 ポスター発表 9/16(日)11:20~12:20

大学院生リサーチ・アソシエイト(JRA)制度※により、理化学研究所で経験豊富な研究者と研究

を展開する大学院生のポスター発表を行いました。これからの未来を担う若手研究者の研究成果

を多くの参加者が閲覧し、意見を交換していたのが印象的でした。

なお、15 日(土)、16 日(日)ともに、終日ポスターの掲示を行いました。

※ 大学院生リサーチ・アソシエイト(JRA) 理化学研究所”理化学研究所. http://www.riken.jp/careers/programs/jra/

地域の活動・団体紹介コーナー 9/15(土)、9/16(日) 終日

視覚障害に関わる各種団体の活動を紹介するポスターコーナーをロビーの一角に設けて、プロ

グラム内のポスター発表には収まらない地域の活動につきまして、紹介しました。地元団体だけ

でなく神戸市からもポスター掲示があり、多くの方に閲覧いただきました。

日本歩行訓練士会ブース 9/15(土)10:00~17:30 9/16(日) 9:00~14:00

歩行訓練士がブースに常駐し、視覚障害者からの相談に対応しました。初めての試みでしたが、

全国から大会に参加している歩行訓練士もブースに立ち寄り、意見交換・交流を行い、普段はな

かなかできない情報交換の場となりました。2 日間で視覚障害者 7 名、その他(ガイドヘルパー・

眼科医)23 名の立ち寄りがあり、歩行訓練等の相談にも 9 件対応し、必要な情報提供を行うこと

ができました。

盲導犬体験 9/15(土)10:00~17:00 9/16(日) 9:00~14:00

日本ライトハウス盲導犬訓練所・兵庫県盲導犬協会

2 つの団体にブースを出していただきました。二つの団体があることで各団体の違いを聞くこ

とができ、また体験歩行も両方で体験した視覚障害者の方もいらっしゃったようでした。2 日間

という時間的にも余裕があり、多くの方に体験歩行をしてもらうことができました。

また、ちょっとした講座を通して盲導犬を知ってもらうものや、パネル展示もあり、視覚障害

者でない来場者にも盲導犬の PR をおこなうことができました。グッズ販売もあり盲導犬の育成

支援にもつながりました。

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大会会計 収支報告

収入 金 額 適 用

参加費 3,923,000 事前登録 455 人 当日登録 141 人

大会運営支援金 500,000 協会本部

寄付・協賛金 3,886,736

助成金 1,196,000

出展料 1,280,000

雑収入 2,300

合計 10,788,036

支出 金 額 適 用

会場費 3,715,696 会場費

会場備品使用料 2,698,542 会場設備費

会場運営費 2,492,374 大会運営費等

報償費 624,330 講師謝礼・交通費等

飲食費 162,000 スタッフボランティア用弁当・飲み物

印刷製本費 43,990 プログラム作成

会議費 584,240 実行委員・ボランティア交通費等

事務費 47,372 事務備品、封筒、ビブス等

宣伝広報費 94,048 ホームページ、大会チラシ

通信運搬費 159,707 大会案内、各種依頼、抄録集郵送

損害保険料 20,950 ボランティア保険含む

報告書作成費 144,787 報告書等作成費、事務処理手数料等

合計 10,788,036

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★製作物 チラシ★

A4 事前告知チラシ 大会参加者用 10600 枚

A4 事前告知チラシ 一般参加者用 10000 枚

チラシは印刷物に加えて、点字版、テキストデータ版を作成

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★製作物 ホームページ★

ホームページは文字サイズ変更、白黒反転ができるものを作成

通常版

白黒反転版

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★会場内サイン★

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★大会参加者アンケート★ n=87名

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⑪視覚障害リハビリテーション対して期待すること、やりたいことがあれば書いてください。

※原文まま

・情報交換の場をもう少し作って欲しかった。

・新しい価値を創造したい。

・職業リハが現職復帰や一般就労に偏っている感があり、伝統的な職業である理療についても正

当に取り扱って欲しい。

・視覚障害患者の患者会にはどのような会があるのでしょう?ちょっと関心があります。

・ディスカッションなど多く、知り合いが増えて良かったです。

・全盲者の方向感覚、歩行能力の評価方法の開発

・研究大会に参加させていただき、様々な職種の方々と交流させていただいたり、新たなつなが

りができたり、と大変有意義でした。今後も、多職種連携を目的の一つとしたプログラムがある

と良いと思います。

・当事者の主体性を引き出すイベント。金銭的に参加できないメンバーへの配慮。たとえばWeb

中継や、後日の動画配信など。

・次の開催地にプレッシャーが係るほど実行委員の方々が策を練って準備企画され立派な内容だ

ったと思う。大変お疲れ様でした。ただサブ会場での企画が充実していたためメイン会場での発

表など見れない時間帯があり残念であった。

・体験プログラムと、施設見学等の参加者枠を増やしてほしい。

・福祉と医療の連携に対して、教育がなかなか関われていないように思います。制度的な制約も

ありますが、中途の視覚障害者も、生まれながらの視覚障害者もケアしていけるような仕組みが

できるといいなと思います。

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・期待。私が入った20年近く前頃は30~40代の若い人が多かった印象だが、その人たちの継続

した活躍はあるが、今の若手が入っていない。各施設の呼びかけが必要では? そして、地域バ

ランスの悪さも気になる。歩行訓練士以外にも呼びかけて視覚リハに関心を持つ人を増やす必要

がある。(役員の人も若手の人に担って欲しい)

・サブ会場の催しにももっと参加したかった。当事者のみなさんの話を聞きたい。医療従事者が

どのあたりから介入したらいいのかよくわからないので、そのあたりもよろしくお願いします。

・クライミングやVISION PARKの見学の定員が少なかったように思う。

・先進の「医療」とだけでなく、視覚リハや当事者と先進の「技術」とも同じように結びつけて

いく必要があると思っています。社会的にはマイノリティーで人数も少ない視覚障害ですので、

ただ待っているだけで恩恵にあずかるのは難しいです。そのあたりの活動を進めていきたいです。

・さまざまな現場で取り組んでいることの共有がポスター発表や口頭発表以外にもビデオ上映な

どでもっと気軽にできるとよい。

・沢山の方が興味を持ち、参加して頂けるといいです。

・視覚障害者が社会と共生するためには、まだ様々なバリアやストレスがあります。テクノロジ

ーの発展と共にツールに関しては随分と低減されてきたとは思いますし、今後も更に取り組まれ

るとは思いますが、健常者・晴眼者の方達の心のバリアフリーが推進されるような方策等も同時

に研究を行っていただくことも期待します。

⑫大会の申し込みから参加までに困ったことや要望があれば書いてください。

※原文まま

・晴眼者ですが、会場までのアクセス・ルートが分かりづら過ぎると思いました。三宮駅からポ

ートライナーが特にわかりづらく、点字ブロックはない上、坂道もあり看板を見ても迷う経路で

した。難しいかとは存じますが、会場がターミナル駅付近のようなアクセスの良い場所だとより

安心して来場できるのではないかと感じました。

・会場が金曜日と土日で異なったこと。

・Vision Park ツアー等、申し込みプログラムの後日の確認方法がなかった?(あったのなら、わ

かりにくかった)

・イベントが多すぎて興味があっても参加できないものがあった。

・抄録のダウンロードに苦労しました。メールで先日のパスワードという表現がありましたが、

きちんと、何日送信のメールとか書いていただくと嬉しいです。一日に100通以上メールが来る

ので過去メールから探すのが大変でした。

・申込フォームで各企画への参加のチェックが音声PCでは非常に入れづらかった。本アンケート

回答後の確認画面で、特定ブラウザ(ネットリーダー)でアクセスすると、チェックを入れてい

ない項目もチェックされたかのように表示された。

・ポスター発表抄録が受理されていなかったことでご迷惑をおかけしました。何が悪かったのか、

わからないとまた同じ間違いをするのではないかと不安が残りました。次回は確認をするように

致します。

・ツアーの締め切りが早くて残念でした。応募者多い場合は抽選などにしてほしかったです。プ

ログラムの時系列表を早めに出していただきたかったです。自分で作りました。

・もう少し早めに抄録を出してもらいたい

・定員制の企画がすぐにいっぱいになってしまったことが困りました

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・沢山の有意義な企画があったものの、会場を分けて並行開催であったため、参加を断念したも

のが多く残念だった。ポスターセッションの会場はもう少し明るくしてほしい。

・抄録の冊子はデータではなく、本としていただきたいです。

・昼食を買える場所が少なかった。会場から宅急便の発送ができなかった。クロークがあること

を事前に知らされていなかった。

・人数制限や事前登録などがあり、当日参加の者にはプログラムがわかりにくいように思いまし

た。

・申し込み時の決済画面 → 原田さんからメーリングリストの報告で解決しました。夜の懇親

会(6、000円)が昼の懇談会(無料) → 自分の確認が悪かったのですが、懇親会はあった

方が良かったです。

・特になかった。強いて言えば、抄録の取り込みにてこずった。

・大会は3日間(金・土・日)ということで、大会参加費を納入することになっています。しかし、

ここ数年の大会は、初日のプログラムは定員制(しかも、大会参加想定人数の3分の1から4分の

1というたいへん少ない人数に限定)となっており、毎年「定員を超えたので参加できない」状態

が続いています。これについては、強く改善を求めます。もしも大会に参加する人の想定人数の

2割か3割くらいの人だけが参加可能な企画しかしないのであれば、そのような日(時間帯)は大会

そのもには含めず、参加費も大会参加費とは別にして、「別の催事」として実施するべきです。

※表現がきついかもしれませんが、今回のようなことが例年続くという事態をみていると、協会

主催プログラムを企画している方々は、「協会主催プログラムは企画者のためにある企画ではな

く、大会参加者の学習機会を参加者に等しくきちんと保障するプログラムである必要がある」と

いう自覚が根本的に不足しているのでは…とさえ思われます。

・◆大会1日目(9月14日)のプログラムは定員を超えているということで参加できなかったのが

不満。次回以降、ぜひとも多くの人が参加できるようにプログラムを考えてほしい。

◆ポスター会場が暗かった。一方、サブ会場では「こんなコーナーをここに設けなくてもいい

のではないのか」と思われるコーナーがあり、もう少し工夫しても良かったのではと思った。

◆大会のスタッフの皆さんのご尽力には感謝します。

・公式の申し込み以外の方法(メールなど)で受け付けられたものに関しては大会の公式ページ

では確認できないなど、参加情報が一元化されていたわけではなかったので、ちょっとわかりづ

らい部分がありました。また、このアンケートの前半にある協会主催プログラムに関してのアン

ケートは、当日紙のアンケートとしても行われ回収されていますが、重複カウントとならないで

しょうか(私は紙でも回答しています)。

・おかげさまで順調でした。

・抄録はPDFをタブレットで参照しましたが、非常に使いにくかったです。読みたい抄録を探す

のが異様に大変でした。晴眼者でもサムネイル画面で目的の抄録を探すのはかなり大変。さっさ

と読みたいのにいちいち検索して目的の抄録のページを出すというのも現実的ではないので、興

味のある部分だけでも事前に印刷しておけばよかったなと後悔しました。コスト上、プログラム

から抄録へのリンク機能がつけられないのは仕方がないと思いますが、プログラムページ(目次

ページ)に抄録が掲載されているページ番号が記載してあれば簡単に参照できるのにと残念に思

いました。

・申し込みが遅かったのですが、1日目(9月14日金曜日)に参加できなかったのが、残念で

あった。

・当日の配布資料が点字で準備されていなかったので、せめて何が入っているかだけの一覧でも

点字で準備していただければ幸いです

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・事前登録していて、ネーム札が送られてきたが、ダイレクトメールと間違えて、処分しそうに

なった。ネーム札に記名されていなかったので、書き入れるのが煩わしく感じた。ポスター会場

が。狭くて暗くて、ポスター番号さえ確認出来なかった。

・プログラムの内容が多く、参加したくてもできないものがあった。

・ポスター発表用の資料作成のルールなどの情報がすぐに見つけることが出来なかった。

・全ての申込みメニューがあって、自分が何に申し込んで何に申し込まなかったのかがわかる一

覧があれば、何らかの申込み漏れがなかったのにと悔やまれました。(あるいは、申込み画面に

情報や説明が少なすぎた)視覚障害者が申込むにはあちらもこちらも視て申し込むこと自体が難

しいということはわかってほしい。

⑬2020年日本ロービジョン学会が神戸で開催されます。学会の内容に対するご意見やご要望が

あれば書いてください。 ※原文まま

・障がいを抱えならも前向きにがんばっていらっしゃる当事者の方の講演が聞きたい。

・ポートアイランドで行うのであれば、ポートライナー以外の交通手段が欲しい。

・寺子屋では障害年金の質問が大変多かったと思いますので、この分野も詳しくやっていただけ

るといいと思います。

・vision PARKの実績発表

・Vision Park ツアの募集人員が少なくてすぐに埋まってしまったので、もう少し多く回数多く

する必要あるかと思いました。

・今回の会場が交通のアクセスが良い。視能訓練士の実践報告を多くしては。

・視覚障害者本人が参加できる企画を、増やしてほし。

・ぜひ参加したいですし、大会運営に関われるよう協力したいと思います。これを機会にまた、

神戸の医療・福祉・教育・行政が顔見知りになれたらいいなと思います(兵庫県在住のため)。

・以前、視覚リハ大会と合同でやったように、もう少し近い関係だと良いと思う。(眼科医が嫌

がっているという噂も聞いたのですが、視覚リハ大会にお出でになられるロービジョンケアに積

極的な眼科医の先生方のお力をお借りして、患者にとって支援者にとって眼科医との関係の敷居

が低くなり、ロービジョンケア、福祉へのつながりがスムーズになればと思います)

・どんなことでも教えて下さい。よろしくお願いします。楽しみにしています。足元をスマート

にお願いします。

・どうして、視覚障害リハビリテーション協会の研究発表大会に関する事後アンケートの中で、

このような日本ロービジョン学会の学術総会に関する質問が入っているのか? たいへん疑問に

思います。もしかして近いうちに日本ロービジョン学会に視覚障害リハビリテーション協会が吸

収合併される見込みなのでしょうか? もしもそういう事情がないのであれば、日本ロービジョ

ン学会学術総会に関するアンケートはその学会にかかわっている人たちを対象に意見聴取すべき

です。このような質問をこの視覚障害リハビリテーション研究発表大会の事後アンケートに組み

込むことで、あらぬ誤解を生むかと思います。

・また最新の視覚再生について知りたい。

・医療従事者と当事者の双方向の意見交換の機会があればありがたいです。

・関係者がロービジョン者とつながる啓発活動のシステム化

・楽しみにしています。医学系学会ですので、「ロービジョンへの対応は眼科医療の責務である」

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大会実行委員メンバー

ことを参加した眼科医が痛感するような企画をお願いします。 ロービジョンにかかわっている

医師が痛感してもしょうがなにので、ロービジョンにかかわっていない眼科医の参加がうんと増

えるように、「日眼会誌」や「日本の眼科」、各種学会での広報活動を派手にしていただけたら

と思います。広報にあたって眼科医療界のビックな人たちに登場していただき、必要性を本気で

語っていただけたら・・・。 (勝手に思い付きを書きすみません)

・またぜひビジョンパークでの取り組みなどを体験できるプログラムに参加したいです。着席の

昼食または夕食会などがあったら、ゆっくり色々な方ともっとお話しできるのではと思いました。

・リハ協の大会と同時開催できたらと思います。

・今後益々発展する事を期待します。

・視覚リハ協会との位置づけの区別がわかりませんが、我々視覚障害者がより社会共生できてい

る発表ができることをのぞんていますし、いち早くJRPSや日盲連等の患者の関連団体にフィ

ードバックしていただければと思います。

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第27回視覚障害リハビリテーション研究発表大会実行委員会

大 会 長:高橋 政代(理化学研究所 多細胞システム形成センター

網膜再生医療研究開発プロジェクト プロジェクトリーダー)

副大会長:田中 環(兵庫県視覚障害者福祉協会 会長)

山縣 祥隆(山縣眼科医院 院長)

実行委員:岡田 弥(日本ライトハウス 情報文化センター)

奥谷 由貴子(神戸市障害者支援課)

倉本 志朗(兵庫県視覚障害者福祉協会)

住吉 葉月(神戸アイライト協会)

田中 桂子(神戸アイセンター病院/橋村メンタルクリニック)

土井 敏(神戸市立点字図書館 館長)

古川 民夫(神戸市立盲学校)

三浦 久美子(長田区保健福祉部)

山口 成志(株式会社タイムズコーポレーション)

和田 眞由美(神戸アイライト協会)

委員補助:畑野 容子(堺市立健康福祉プラザ 視覚・聴覚障害者センター)

花田 潤子(日本ライトハウス 情報文化センター)

安山 周平(堺市立健康福祉プラザ 視覚・聴覚障害者センター)

山口 恵(日本ライトハウス 盲導犬訓練所)

事 務 局:仲泊 聡(理化学研究所 網膜再生医療研究開発プロジェクト)

原田 敦史(堺市立健康福祉プラザ 視覚・聴覚障害者センター)

別府 あかね(NEXT VISION)

山田 千佳子(NEXT VISION/理化学研究所)

和田 浩一(NEXT VISION)

第 27 回視覚障害リハビリテーション研究発表大会 報告書

発行日:2018 年 10 月

編集・発行:第 27 回視覚障害リハビリテーション研究発表大会 実行委員会

事 務 局:神戸市中央区港島南町 2-2-3 理化学研究所(BDR)網膜再生プロジェクト内