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平成28年度 岩沼市まち・ひと・しごと創生 総合戦略の検証に関する報告書 平成 29 年 3 月 13 日 岩沼市まち・ひと・しごと創生総合戦略 PDCAサイクル検証委員会

平成28年度 岩沼市まち・ひと・しごと創生 総合戦 …...平成28年度 岩沼市まち・ひと・しごと創生 総合戦略の検証に関する報告書 平成29

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平成28年度 岩沼市まち・ひと・しごと創生

総合戦略の検証に関する報告書

平成 29 年 3 月 13 日

岩沼市まち・ひと・しごと創生総合戦略

PDCAサイクル検証委員会

Page 2: 平成28年度 岩沼市まち・ひと・しごと創生 総合戦 …...平成28年度 岩沼市まち・ひと・しごと創生 総合戦略の検証に関する報告書 平成29

<目 次>

1.はじめに ------------------------------------------------------------ 1

2.効果検証 ------------------------------------------------------------ 2

2-1 重要業績評価指標(KPI)の実績値 ----------------------------- 2

2-2 効果検証 ---------------------------------------------------------- 6

3.検証委員会の意見 -------------------------------------------------- 10

4.人口・世帯等の動向 ------------------------------------------------ 11

4-1 人口・世帯数 ---------------------------------------------------- 11

4-2 人口動態 -------------------------------------------------------- 16

4-3 地区別年齢区分別世帯の分布状況 ------------------------------- 18

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1.はじめに

平成 28 年(2016 年)10 月 26 日、総務省統計局より平成 27 年(2015 年)国勢調査の人口

等基本集計結果(速報値)が公表されました。

これによると、わが国の人口は 1 億 2709 万 5 千人で、平成 22 年(2010 年)(前回)と比べ

ると 96 万 3 千人減少し、大正 9 年(1920 年)の調査開始以来、初めて人口が減少しました。

また、宮城県の人口は 233 万 4 千人で、平成 22 年(2010 年)(前回)から 1 万 4 千人減少

(減少率:△0.61%)し、平成 17 年(2005 年)(前々回)、22 年(2010 年)(前回)に引き続

き人口減となるとともに、減少率は過去最大を示しました。

厚生労働省が発表した平成 28 年(2016 年)の人口動態統計年間推計では、統計を取り始めて

以降、初めて全国の出生数が 100 万人を割り込むことが明らかとなり、課題である少子化に歯止

めがかからない状況が浮き彫りとなりました。

岩沼市では、人口減少社会においても魅力ある地方創生の実現に向けて、平成 27 年(2015 年)

10 月に『岩沼市まち・ひと・しごと創生総合戦略』を策定し、4つの基本目標を掲げ、人口減少

の課題に取り組んでいます。

国勢調査速報値によると、岩沼市は、前回の国勢調査と比べて 491 人の増加がみられました。

最新の人口動向等を踏まえつつ、基本目標に係る数値目標や具体的な施策に係る重要業績評価指

標(KPI)等について、「岩沼市まち・ひと・しごと創生総合戦略PDCAサイクル検証委員会」

において検証し、検証に関する報告書としてその内容を本書にまとめます。

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2.効果検証

2-1 重要業績評価指標(KPI)の実績値

ここでは、『岩沼市まち・ひと・しごと創生総合戦略』において掲げた4つの基本目標の数値目

標や各施策の重要業績評価指標(KPI)として位置づけた各数値の実績値を整理します。

(1)基本目標1:安定した雇用を創出し維持する ~岩沼で仕事をしよう!~

■数値目標

指標 従前の数値 実績値 目標

(平成 31 年度)

従業員数

(法人市民税申告書準拠)

平成 26 年度:

15,249 人

平成 27 年度:

15,124 人 16,000 人

■重要業績評価指標(KPI)

施策 指標 従前の数値 実績値

重要業績

評価指標

(KPI)

仙台空港等を

活かした新た

な産業振興

市内の事業所数

平成 26 年度:

1,070 社

(法人市民税確定申告法人数)

平成 27 年度:

1,079 社

(法人市民税確定申告法人数)

1,120 社

固定資産税(償

却資産)

平成 27 年度:

1,008,145 千円

(調定額)

平成 28 年度:

1,042,949 千円

(調定額)

1,008,145 千円

既存の事業や

事業者の発展

に向けた支援

市内総生産(経

済活動別、産業

別)

平成 24 年:

191,462 百万円

(農林水産業を除く市内総生産)

平成 25 年:

205,491 百万円

(農林水産業を除く市内総生産)

229,754 百万円

生産年齢人口 平成 27 年 4 月末現在:

27,582 人

平成 28 年 6 月末現在:

27,439 人 26,000 人以上

強い農業づく

市内総生産(第 1

次産業・農業)

平成 24 年:

641 百万円

(第 1 次産業市内総生産額)

平成 25 年:

653 百万円

(第 1 次産業市内総生産額)

650 百万円

農地集積率

平成 27 年:44.6%

(営農計画書における担い手集

積率)

平成 28 年:55.7%

(営農計画書における担い手集

積率)

58%

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(2)基本目標2:新しいひとの流れをつくる ~魅力を伝えよう!岩沼で暮らそう!~

■数値目標

指標 従前の数値 実績値 目標

(平成 31 年度)

住み続けたいと思っている

市民の割合

(市民満足度調査)

平成 26 年度:

78.7%

平成 27 年度:

81.6% 80%

■重要業績評価指標(KPI)

施策 指標 従前の数値 実績値

重要業績

評価指標

(KPI)

イメージアッ

プの推進

ふるさと納税の

件数 平成 26 年度:19 件 平成 27 年度:2,020 件 年間 500 件

市ホームページ

のアクセス数

平成 26 年度:

202,290 件

平成 27 年度:

204,621 件 230,000 件

観光振興によ

る交流人口の

拡大

観光客入込数 平成 26 年:

2,297,962 人

平成 27 年:

2,336,598 人 2,530,000 人

宿泊客入込数 平成 26 年:26,102 人 平成 27 年:30,638 人 30,000 人

定住者確保に

向けた取組の

強化

社人研推計の社

会増減を上回る

平成 26 年:284 人

(転出入の差)

平成 27 年:230 人

(転出入の差)

社人研推計の社

会増減を上回る

住まいの情報に

関するホームペ

ージアクセス数

0 件 ※平成 28年 8月に市ホームペー

ジに「移住・定住に関するペー

ジ」を開設

10,000 件

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(3)基本目標3:結婚・出産・子育ての希望をかなえる ~岩沼で家族になろう!~

■数値目標

指標 従前の数値 実績値 目標

(平成 31 年度)

年少人口のいる世帯数 平成 27 年度:

3,840 世帯

平成 28 年度:

3,824 世帯

3,500 世帯

(平成 32 年における

推計値:約 3,360 世帯)

■重要業績評価指標(KPI)

施策 指標 従前の数値 実績値

重要業績

評価指標

(KPI)

結婚・出産へ

の支援

出生数 平成 26 年:363 人

(住民基本台帳)

平成 27 年:328 人

(住民基本台帳) 350 人

婚姻数(窓口届

出件数) 平成 26 年:245 件 平成 27 年:195 件 250 件

地域の中での

子ども・子育

て支援の充実

子育て支援ボラ

ンティア登録者

111 人

(平成 26年度までに子育て応援

者として登録した人数)

126 人 150 人

保育所入所待機

児童数

24 人

(平成 27 年 4 月 1 日現在)

31 人

(平成 28 年 4 月 1 日現在) 0 人

学校を核とし

た教育機会の

充実

全国学力・学習

状況調査の全国

平均(正答率)

との比較

△:市が上回る

▼:市が下回る

※小学校6年生、

中学校 3 年生

(平成 26 年度調査)

小国語 A:県▼、全国△

国語 B:県△、全国△

小算数 A:県△、全国△

算数 B:県△、全国△

中国語 A:県▼、全国△

国語 B:県△、全国△

中数学 A:県△、全国▼

数学 B:県△、全国△

(平成 27 年度調査)

小国語 A:県▼、全国▼

国語 B:県△、全国▼

小算数 A:県▼、全国▼

算数 B:県△、全国▼

中国語 A:県▼、全国▼

国語 B:県△、全国△

中数学 A:県▼、全国▼

数学 B:県▼、全国▼

国語(A・B)、算

数・数学(A・B)

の 4 領域におい

て、市の平均正

答率(小・中)

が県及び全国の

平均正答率を全

て上回る

体力・運動能力

調査における全

国及び県平均と

の比較

(平成 25 年度調査)

最も上回っている種目が多

い学年

小学5年男子:

8 種目中 6 種目

(平成 26 年度調査)

最も上回っている種目が多

い学年

中学 2 年女子:

8 種目中 3 種目

小・中それぞれ

の種目の市の平

均値が、いずれ

の学年も全て県

及び全国の平均

値を上回る

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(4)基本目標4:共創のまちをつくるとともに、地域と地域を連携する~岩沼でつながろう!~

■数値目標

指標 従前の数値 実績値 目標

(平成 31 年度)

住みよいまちだと思う市民

の割合

(市民満足度調査)

平成 26 年度:

86.7%

平成 27 年度:

86.8% 88%

■重要業績評価指標(KPI)

施策 指標 従前の数値 実績値

重要業績

評価指標

(KPI)

地域の担い手

を育む環境整

市民活動助成金

交付件数 平成 27 年度:5 件 平成 28 年度:5 件 8 件

各種サポーター数(千年希望の丘

サポーター等) 平成 27 年度:約 490 人 平成 28 年度:538 人 約 1,000 人

安全安心対策

の強化

交通事故死亡者

平成 26 年:5 人

(岩沼警察署調べ)

平成 27 年:0 人

(岩沼警察署調べ) 0 人

自主防災訓練の

訓練率 平成 26 年度:46% 平成 27 年度:47% 60%

ふるさと教育

の充実

岩沼に愛着があ

ると感じる市民

の割合

- 平成 27 年度:81.3%

(市民満足度調査) 70%

地域の行事に参

加している子ど

もの割合

平成 26 年度:

小学生:73.2%

中学生:34.8% (文部科学省「全国学力・学習状

況調査」、「どちらかといえば」を

含む)

平成 27 年度:

小学生:65.2%

中学生:35.9% (文部科学省「全国学力・学習状

況調査」、「どちらかといえば」を

含む)

小学生:80.0%

中学生:50.0%

地域連携によ

る地域力の向

広域行政の推進

に関する満足度

(市民満足度調

査)

平成 26 年度:4.113 平成 27 年度:4.157 4.113 以上

町内会連携によ

る津波避難訓練

の参加率

平成 26 年度:74%

(参加町内数 17/東部地区町内

会数 23)

平成 27 年度:65%

(参加町内数 17/東部地区町内

会数 26)

80%

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2-2 効果検証

ここでは、「岩沼市まち・ひと・しごと創生総合戦略PDCAサイクル検証委員会」における評

価内容を整理します。

なお、評価にあたっては、社会・経済動向や主な事業の取組状況を踏まえ、施策ごとに「順調

/ほぼ順調/課題あり」の3段階で評価しています。

(1)基本目標1:安定した雇用を創出し維持する

■重要業績評価指標(KPI)

施策 指標 目標

(平成 31年/平成 31年度) 委員会評価

仙台空港等を活か

した新たな産業振

市内の事業所数 1,120 社

順調

固定資産税(償却資産) 1,008,145 千円

既存の事業や事業

者の発展に向けた

支援

市内総生産(経済活動別、産業別) 229,754 百万円

順調

生産年齢人口 26,000 人

強い農業づくり

市内総生産(第 1 次産業・農業) 650 百万円

順調

農地集積率 58%

委員会評価:順調/概ね順調/課題ありの3段階で表記

【検証委員会での主な意見】

仙台空港を活かした新たな産業振興ということでは、西原地区、矢野目西地区に積極的誘

致を進められていると思う。仙台港に物流特区があるが、空港関連で特区があると進出企

業のメリットもあると思う。

基本目標1にある「強い農業づくり」というのはこれからだと思うが、例えば、6次産業

化はどうか。6次産業化には、そこにある技術を活用して、加工して特長のあるものを作

っていくというものもある。

事業所を増やす施策のひとつとして、「創業者支援」がある。こういったものを推進したら

どうか。

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(2)基本目標2:新しいひとの流れをつくる

■重要業績評価指標(KPI)

施策 指標 目標

(平成 31年/平成 31年度) 委員会評価

イメージアップの

推進

ふるさと納税の件数 500 件 課題あり

さらなる取組改善や

推進が必要 市ホームページのアクセス数 230,000 件

観光振興による交

流人口の拡大

観光客入込数 2,530,000 人

概ね順調

宿泊客入込数 30,000 人以上

定住者確保に向け

た取組の強化

社人研推計の社会増減を上回る △127 人以上

概ね順調

住まいの情報に関するホームペー

ジアクセス数 10,000 件

委員会評価:順調/概ね順調/課題ありの3段階で表記

【検証委員会での主な意見】

イメージアップの推進は、学校教育や拠点づくりに結びつく、全体を包括した施策に位置

づけられる。成長社会から人口減少社会への道筋をどう描くか。定常化していく中で、豊

かなまちを作っていく。成長しなくても魅力あるものが作れればよいのではないか。

市民目線の情報発信などがあまり行われていないイメージがある。市民がそれぞれの地域

で感じている魅力や生活像、震災後にどのような生活が取り戻されたのかという発信が弱

いと感じている。

イメージアップを推進するためには、ふるさと納税の額やホームページのアクセス数の向

上だけに終始しないよう留意する必要がある。

観光振興や交流人口の拡大については、周辺市町と連携を図ることで人の流れも変わる。

2市2町の取組は非常に良いと思う。また、4市9町の広域の話もあったと思うが、こち

らの方がより効果は高いと思う。

空き家の活用については、定住者確保、地域コミュニティの活動拠点や起業支援の手段と

して可能性がある。空き家にこだわることはないが、地域資源を取り入れると、住民に受

け入れられやすいというメリットがある。

高速交通体系を活用すると、二地域居住というのもある。地方都市で十分考えられる。地

元に住んでいる方だけでなく、学識経験者や岩沼にゆかりのある方などから、遠くから岩

沼を見てどう思うかなどの意見を吸い上げられるようになると良いのではないか。

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(3)基本目標3:結婚・出産・子育ての希望をかなえる

■重要業績評価指標(KPI)

施策 指標 目標

(平成 31年/平成 31年度) 委員会評価

結婚・出産への支援

出生数 350 人

概ね順調

婚姻数(窓口届出件数) 250 件

地域の中での子ど

も・子育て支援の充

子育て支援ボランティア登録者数 150 人

順調

保育所入所待機児童数 0 人

学校を核とした教

育機会の充実

全国学力・学習状況調査の全国平

均(正答率)との比較

国語(A・B)、算数・

数学(A・B)の 4 領域

において、市の平均正

答率(小・中)が県及

び全国の平均正答率

を全て上回る。

課題あり

KPI の設定見直しが

必要

体力・運動能力調査における全国

及び県平均との比較

小・中それぞれの種目

の市の平均値が、いず

れの学年も全て県及

び全国の平均値を上

回る。

委員会評価:順調/概ね順調/課題ありの3段階で表記

【検証委員会での主な意見】

活力に繋げていくという意味では、若い人の移住や参画が必要となる。婦人科の医師が不

足する中で、大きな病院があるというのは強み。何か連携できると良い。

総合戦略策定時のアンケートをみると、安心して子育てできるニーズが高くあるようだ。

子育て支援ボランティアの取組は、ニーズに合った代表例と言えるのではないか。

「学校を核とした教育」については、教育熱心な方を呼び込むという意味では良い指標だ

と思うが、全部の項目を全国と比較する必要があるのか。

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(4)基本目標4:共創のまちをつくるとともに、地域と地域を連携する

■重要業績評価指標(KPI)

施策 指標 目標

(平成 31年/平成 31年度) 委員会評価

地域の担い手を育

む環境整備

市民活動助成金交付件数 8 件

概ね順調

各種サポーター数(千年希望の丘サポーター等) 約 1,000 人

安全安心対策の強

交通事故死亡者数 0 人

概ね順調

自主防災訓練の訓練率 60%

ふるさと教育の充

岩沼に愛着があると感じる市民の

割合 70% 概ね順調

地域の行事に参加している子ども

の割合

小学生:80.0% 中学生:50.0%

(どちらかといえばを含む)

課題あり

KPI の設定見直しが

必要

地域連携による地

域力の向上

広域行政の推進に関する満足度

(市民満足度調査) 4.113 以上

概ね順調

町内会連携による津波避難訓練の

参加率

80% (参加町内会数/東部地区町

内会数)

委員会評価:順調/概ね順調/課題ありの3段階で表記

【検証委員会での主な意見】

「ふるさと教育の充実」については、町内会や子ども会など、地域コミュニティの課題と

もいえる。

他市の例では、内申書にボランティア活動の有無を記載する学校もある。生徒が自発的に

行うのは難しいかもしれないが、親へのインセンティブにもなる。

高齢者に生きがいづくりを考えたとき、特に男性高齢者はまちづくりの取組になかなか参

加してもらえない傾向がある。何か役割があると参加しやすい。

今からの人たちとワークショップなどをしてやり取りをし、意見を反映させるなどして、

参画してもらうことが大事。

AI(人工知能)など新たな情報技術を活用したまちづくりを。

共創のまちづくりには交流する場が必要である。地域における交流の場づくりについては、

若者から壮年層に親しみやすい場づくりを優先してほしい。各地で設置されている、起業

支援と地域文化発信とくつろぎ、交流機能を併せ持ちレストランなども併設されるのが良

い。「インテリアデザイン」と「まちへの顔づくり」によって、「居心地の良さ」をつくる

ことが重要。

地域の方たちだけで施設を運営していくのはなかなか難しい。この施設を使ってどのよう

な活動をしていきたいかを地域の方に伺った上で、進めていったら良いのではないか。

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3.検証委員会の意見

(1) 現状と課題

平成 27 年(2015 年)国勢調査における本市の人口・世帯数をみると、人口・世帯数とも依然

として増加傾向にあります。

しかしながら、人口増の内訳として住民基本台帳をベースとした自然増減(出生数、死亡数)

及び社会増減(転入者数、転出者数)についてみると、社会増(転入者数>転出者数)によって

市全体では増加傾向を示したものの社会増の増加幅は縮小傾向にあり、また自然減(出生数<死

亡数)の傾向がより顕著になってきたことを合わせると、今後、人口減に転ずるものと見込まれ

ます。

また、世帯数は堅調に増加傾向を示していますが、市全体の 14.7%が老年人口のみで構成され

る世帯となっており、このうち 6.4%が老年人口の単身世帯となっています。いずれの割合も地

区に偏りがみられることから、今後この傾向はますます顕著になっていくものと考えられます。

(2) 検証

本市の現状と課題を踏まえ、検証委員会において、『岩沼市まち・ひと・しごと創生総合戦略』

を確認した結果、総合戦略に掲げた施策のうち3つの施策について「課題あり」となり、基本目

標2『イメージアップの推進』ではさらなる取組改善や推進が必要、基本目標3『学校を核とし

た教育機会の充実』、基本目標4『ふるさと教育の充実』では重要業績評価指標(KPI)そのもの

の見直しが必要との検証を行いました。

(3) 意見

これらの施策については、早急に取組の改善やさらなる推進、指標の見直し等を進めるととも

に、「順調」「概ね順調」と評価したその他の施策に関しても、重要業績評価指標(KPI)の実績値

が芳しくないものについて、目標達成に向けて検討を講じる必要があります。

さらに、地域資源を活用した6次産業化の取組、空き家を活用した定住者確保や起業支援、4

市9町連携による観光振興、交通体系を活かした二地域居住、新たな情報技術(例:人工知能)

の活用など、先進事例などを基に地方創生に向けた新たな取組の可能性について検討を行う必要

があると考えます。

なお、本検証による意見を踏まえつつ、『岩沼市まち・ひと・しごと創生総合戦略』のフォロー

アップに努め、今後の人口減少社会への未来に向けて挑戦し、引き続き、市民とともに「まち・

ひと・しごと」づくりに取り組まれることを提唱します。

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4.人口・世帯等の動向

4-1 人口・世帯数

(1)総人口

平成 27 年(2015 年)国勢調査結果速報値における本市の人口をみると、総人口は 44,678

人で、平成 22 年(2010 年)(前回)調査と比べて 491 人増(増加率:1.1%)と、引き続き

増加傾向にあります。

年齢区分別にみると、年少人口(0~14 歳)は 6,445 人(前回比:△3.7%)、生産年齢人

口(15~64 歳)は 27,590 人(前回比:△4.0%)といずれも減少傾向であるのに対し、老年

人口(65 歳以上)は 10,410 人(前回比:+19.3%)と 10,000 人を超え、伸び率も 20%近

くを示しており、少子高齢化がさらに進展しています。

図表 4-1-1 年齢別人口の推移

出典:総務省『国勢調査』

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年齢区分別の構成比をみると、年少人口は 14.4%(前回比:△0.7 ポイント)、生産年齢人

口は 61.8%(前回比:△3.2 ポイント)とそれぞれ減少しているのに対し、高齢者人口①(65

~74 歳)は 12.3%(前回比:+2.1 ポイント)、高齢者人口②(75~84 歳)人口は 7.6%(前

回比:+0.7 ポイント)、高齢者人口③(85 歳以上)は 3.4%(前回比:+0.8 ポイント)とい

ずれも増加しています。団塊の世代が 65 歳以上となったことで、高齢者人口①の占める割合

がより高くなっています。

図表 4-1-2 年齢5区分別構成比の推移

出典:総務省『国勢調査』

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平成 12 年(2000 年)から平成 27 年(2015 年)までの国勢調査結果から、5 年毎の人口

増減率の推移をみると、本市の人口はいずれの段階においても増加傾向にあります。

これを県内市部、県内郡部、東北6県、全国のそれぞれの値と比較すると、県内市部や県内

郡部、東北6県の増減率はいずれも減少傾向を示しており、かつ年を経るごとに人口増減率の

減少幅が大きくなっているのに対し、本市の人口増減率は一貫して増加傾向を示しています。

図表 4-1-3 5 年毎の人口増減率の推移

出典:総務省『国勢調査』 ※県内市部、県内郡部とは、平成 27 年国勢調査結果の県内市部、県内郡部に合わせて、各年国勢調査結果を再集計しています。

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(2)世帯数

平成 27 年(2015 年)国勢調査結果における本市の世帯数をみると、16,631 世帯で、平成

22 年(2010 年)(前回)調査と比べて 1,112 世帯増(増加率:7.2%)と増加傾向にあります。

一方、1世帯あたり人員は年々減少傾向にあり、全国平均や宮城県平均よりは多いものの、

平成 27 年(2015 年)では 2.69 人/世帯となっています。

また、一般世帯の世帯構成の推移をみると、「核家族世帯」「単独世帯」が増加傾向にあり、

特に「単独世帯」は前回に比べて 787 世帯増(前回比:+22.3%)と大幅に増加しています。

その一方で、夫婦、子ども、親で構成される多世代同居等を含む「その他の親族世帯」は減少

傾向が続いています。

平成 12 年(2000 年)から平成 27 年(2015 年)までの国勢調査結果から、5 年毎の総世

帯数増減率の推移をみると、本市の総世帯数はいずれの段階においても増加傾向にあります。

これを県内市部、県内郡部、東北6県、全国のそれぞれの値と比較すると、どれも総世帯数

は増加傾向にありますが、本市の総世帯数は他に比べて著しく増加していることが分かります。

※一般世帯…国勢調査における世帯の区分。住居と生計を共にしている人の集まり、一戸を構

えて住んでいる単身者、間借り・下宿等の単身者、会社等の独身寮の単身者を指す。それ以

外の、寮・寄宿舎や病院等の施設に入所している人を「施設等の世帯」という。「一般世帯」

と「施設等の世帯」の合計が総世帯数となる。

図表 4-1-4 総世帯数と 1 世帯あたり人員の推移

出典:総務省『国勢調査』

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図表 4-1-5 一般世帯の世帯構成の推移

図表 4-1-6 5年毎の総世帯数増減率の推移

出典:総務省『国勢調査』

出典:総務省『国勢調査』 ※県内市部、県内郡部とは、平成 27 年国勢調査結果の県内市部、県内郡部に合わせて、各年国勢調査結果を再集計しています。

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4-2 人口動態

(1)自然増減

出生・死亡数の推移をみると、平成元年(1989 年)以降、出生数が死亡数を上回り、100

~200人台の規模で自然増となっていましたが、東日本大震災が発生した平成23年(2011年)

の大幅な自然減を除くと、平成 22 年(2010 年)以降、出生数の減少と死亡数の増加が重なり、

その差がなくなってきています。

特に、平成 27 年(2015 年)においては、前年より死亡数が減少したものの、出生数がそれ

以上に減少したため、平成 23 年(2011 年)以来の自然減となっています。

図表 4-2-1 出生・死亡数の推移

出典:宮城県『住民基本台帳に基づく人口移動調査年報』

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(2)社会増減

平成元年(1989 年)以降の転入・転出数の推移をみると、平成 19 年(2007 年)まで概ね

転入超過で推移し、平成 20 年(2008 年)~平成 24 年(2012 年)の 5 年間は転出超過が続

いたものの、平成 25 年(2013 年)以降は再び転入超過で推移しています。

なお、平成 13 年(2001 年)以降の転出数の推移をみると、東日本大震災が発生した平成

23 年(2011 年)を除き、概ね毎年 2,100~2,200 人前後で推移しています。平成 27 年に自

然減に転じたことを踏まえると、今後の本市の人口推移は転入数に大きく依存するといえます。

図表 4-2-2 転入・転出数の推移

出典:宮城県『住民基本台帳に基づく人口移動調査年報』

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4-3 地区別年齢区分別世帯の分布状況

ここでは、平成 28 年(2016 年)6 月末現在の住民基本台帳を元に、小学校区別、字別の年齢

区分別世帯分布状況を整理します。なお、ここでの世帯とは、世帯主及びその家族により構成さ

れるものであり、同一住所内に世帯主が複数存在する場合(例:二世帯住宅等)は1世帯として

計上しています。

(1)年少人口がいる世帯の分布状況

①小学校区別

小学校区別の総世帯数を分母として年少人口がいる世帯の割合をみると、岩沼西小学校区が

25.7%と最も多く、その他の小学校区はいずれも 21.0%前後となっています。

また、公営住宅内における年少人口がいる世帯の割合をみると、岩沼西小学校区が 31.9%、

岩沼小学校区が 27.2%と、小学校区全体の場合と比較して年少人口がいる世帯の割合が高くな

っています。一方、玉浦小学校区では公営住宅内の年少人口がいる世帯の割合が 13.4%となっ

ており、玉浦小学校区全体と比較しても極端に少なくなっています。

図表 4-3-1 小学校区別年少人口がいる世帯の割合

小学校区

総世帯数

A

年少人口がいる

世帯数 B

世帯割合

B/A

公営住宅内 公営住宅外

総世帯数

C

年少人口がいる 世帯数

D

世帯割合

D/C

総世帯数

E

年少人口がいる 世帯数

F

世帯割合

F/E

岩沼小学校区 4,021 844 21.0 625 170 27.2 3,396 674 19.8

玉浦小学校区 1,861 392 21.1 201 27 13.4 1,660 365 22.0

岩沼西小学校区 5,353 1,376 25.7 160 51 31.9 5,193 1,325 25.5

岩沼南小学校区 3,498 731 20.9 153 34 22.2 3,345 697 20.8

岩沼市 計 14,733 3,343 22.7 1,139 282 24.8 13,594 3,061 22.5

②字別

字別の総世帯数を分母として年少人口がいる世帯の割合を市域図に表すと、土地区画整理事

業によって近年住宅地整備が行われた地区を中心に、年少人口がいる世帯の占める割合が高い

ことが分かります。

出典:『住民基本台帳』(平成 28 年 6 月 30 日現在)

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※地図内の色の濃淡は、字全体の構成比に基づき表記。

※公営住宅のある字については、字全体、公営住宅内

と公営住宅外の構成比を比較するため、枠内にそれぞ

れの構成比を表記。

出典:『

住民基本台帳』(

平成

28年

6月

30日現在)

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(2)老年人口のみで構成される世帯の分布状況

①小学校区別

小学校区別の総世帯数を分母として老年人口のみで構成される世帯の割合をみると、玉浦小

学校区が 17.0%と最も高く、次いで岩沼小学校区が 16.4%となっています。

また、公営住宅内における老年人口のみで構成される世帯の割合をみると、玉浦小学校区が

30.8%、岩沼南小学校区が 29.4%となっており、各小学校区全体の割合と比較して極端に数値

が高くなっています。

さらに、老年人口のみで構成される世帯のうち単身世帯の割合をみると、市全体の 6.4%が

老年人口の単身世帯となっており、特に岩沼小学校区、玉浦小学校区で割合が高くなっていま

す。

図表 4-3-3 小学校区別老年人口のみで構成される世帯の割合

小学校区

総世帯数

A

老年人口のみの

世帯数 B

世帯割合

B/A

公営住宅内 公営住宅外

総世帯数

C

老年人口のみの 世帯数

D

世帯割合

D/C

総世帯数

E

老年人口のみの 世帯数

F

世帯割合

F/E

岩沼小学校区 4,021 661 16.4 625 131 21.0 3,396 530 15.6

玉浦小学校区 1,861 316 17.0 201 62 30.8 1,660 254 15.3

岩沼西小学校区 5,353 721 13.5 160 29 18.1 5,193 692 13.3

岩沼南小学校区 3,498 472 13.5 153 45 29.4 3,345 427 12.8

岩沼市 計 14,733 2,170 14.7 1,139 267 23.4 13,594 1,903 14.0

図表 4-3-4 小学校区別老年人口のみで構成される世帯の単身世帯の割合

小学校区

総世帯数

A

老年人口のみの 世帯数

B

うち、単身世帯

世帯数

C

世帯割合

C/A

岩沼小学校区 4,021 661 323 8.0

玉浦小学校区 1,861 316 133 7.1

岩沼西小学校区 5,353 721 269 5.0

岩沼南小学校区 3,498 472 212 6.1

岩沼市 計 14,733 2,170 937 6.4

②字別

字別の総世帯数を分母として老年人口のみで構成される世帯の割合を市域図に表すと、古く

からの集落や 80 年代に住宅地として整備された地区を中心に、老年人口のみで構成される世

帯の占める割合が高いことが分かります。

出典:『住民基本台帳』(平成 28 年 6 月 30 日現在)

出典:『住民基本台帳』(平成 28 年 6 月 30 日現在)

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※地図内の色の濃淡は、字全体の構成比に基づき表記。

※公営住宅のある字については、字全体、公営住宅内

と公営住宅外の構成比を比較するため、枠内にそれぞ

れの構成比を表記。

出典:『

住民基本台帳』(

平成

28年

6月

30日現在)

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◇岩沼市まち・ひと・しごと創生総合戦略PDCAサイクル検証委員会委員名簿

(敬称略、五十音順)

役 職 氏 名

日本政策金融公庫 仙台支店 支店長 安達 研造

公益社団法人日本建築家協会 東北支部

宮城地域会 地域会長 安達 揚一

公立大学法人宮城大学 事業構想学部

事業計画学科 教授 ◎ 糟谷 昌志

東北工業大学 工学部 建築学科

准教授 福屋 粧子

株式会社七十七銀行 岩沼支店

支店長 渡邉 和彦

※◎は委員長

◇検証委員会開催状況

開催日 内 容

平成 28 年 8 月 22 日

(1)岩沼市における地方創生の取組について

(2)地域活性化・地域住民生活等緊急支援交付金(地方創生先行

型)の検証について

平成 28 年 10 月 5 日 (1)地方創生総合戦略の検証について

(2)企業版ふるさと納税

平成 28 年 11 月 18 日

(1)地方創生総合戦略の検証について

(2)地方創生の拠点形成等について

(3)地域経済分析システム(RESAS)について

平成 29 年 1 月 16 日 (1)岩沼市まち・ひと・しごと創生総合戦略の検証に関する報告

書(案)について