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使調2019年12月21日 朝日新聞掲載 20191221 © 朝日新聞社2020 50 1 2 3 4 5 54 =20点 10点×2 100点 30点 20点 10点 20点 46 *地で行く そう ぞう を実 じっ さい に行う。 *複 ふく せい もとの物と同じ物を作る。 *手 ぎわ うで まえ 。物事を処 しょ する能 のう りょく *いささか ほんの少し。わずか。 *遠 えん かく そう はな れた場所からの操 そう *当方 こちら。自分の方。↔先方。 *驚 きょう てき おどろ くほどの。びっくりする ほど。 *ハッキング せい に他人のコン ピューターに侵 しん にゅう したりデータを破 かい したりする。それを行う人がハッカー。 *テロ せい てき な目 もく てき を達 たっ せい するため に暴 ぼう りょく や暴 ぼう りょく による脅 きょう はく をする。 *想起 前にあったことを思い出す。 *本 ほん ごし を入れる 本気になる。 *攻 こう ぼう こう げき と防 ぼう ぎょ *防 ぼう ぎょ こう げき などを防 ふせ ぎ守ること。 *好 こう しん きょう を持つ心。 *反 はん せい の弁 べん はん せい の言葉。 *腕 うで まえ 物事を行う能 のう りょく や技 じゅつ *善 ぜん よう よい目 もく てき に使うこと。

46サイバー攻 の世に米 映えい 画 ﹁ウォー・ゲーム﹂のが 主人公はコンピューターを 自 在じ ざい に 操 あやつ る高校生。生物の 教

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Page 1: 46サイバー攻 の世に米 映えい 画 ﹁ウォー・ゲーム﹂のが 主人公はコンピューターを 自 在じ ざい に 操 あやつ る高校生。生物の 教

米映

えい

画が

﹁ウォー・ゲーム﹂の

主人公はコンピューターを自じ

在ざい

に操

あやつ

る高校生。生物の教

きょう

師し

から

F︵不ふ

可か

︶の成

せい

績せき

を付つ

けられて

納なっ

得とく

せず、教

きょう

職しょく

員いん

用のシステム

に忍

しの

び込こ

み、成

せい

績せき

をC︵可か

︶に

書き換か

えてしまう▼①映

えい

画が

を地で行くよ

うな事じ

件けん

が、新

にい

潟がた

県の中学校で起きた。

生せい

徒と

が教

きょう

職しょく

員いん

用システムに接

せつ

続ぞく

し、自分

の成

せい

績せき

表を複

ふく

製せい

。社会や美び

術じゅつ

の評

ひょう

定てい

を高

く変か

えて印

いん

刷さつ

し、親に渡

わた

していた。今月、

警けい

察さつ

は生

せい

徒と

を書

しょ

類るい

送そう

検けん

した▼﹁学校の管

かん

理り

体たい

制せい

が甘

あま

かった﹂と学校側

がわ

は陳

ちん

謝しゃ

した

が、独

どく

力りょく

で侵

しん

入にゅう

した中学生の手て

際ぎわ

にはい

ささか驚

おどろ

く。遠

えん

隔かく

操そう

作さ

用アプリを使って

自分のスマホから不ふ

正せい

接せつ

続ぞく

していたとい

う。どんな技ぎ

法ほう

か当方には見当すらつか

ない▼手にとってみたのは漫

まん

画が

﹁ブラッ

ディ・マンデイ﹂。主人公の少年は、中

学生のころから驚

きょう

異い

的てき

なハッキング能

のう

力りょく

を発

はっ

揮き

し、公

こう

安あん

調ちょう

査さ

庁ちょう

の情

じょう

報ほう

収しゅう

集しゅう

に加

くわ

る。高校では、その技ぎ

術じゅつ

で首都を破は

壊かい

るテロを未み

然ぜん

に防

ふせ

ぐ。②ハッカーといえ

ば犯

はん

罪ざい

者を想起した時代は去った、と漫

まん

画が

を読んで実感する▼通

つう

信しん

システムを悪

意ある攻

こう

撃げき

からどう守るか。政

せい

府ふ

はサイ

バー技ぎ

術じゅつ

者の養

よう

成せい

に本

ほん

腰ごし

を入れる。人々

が幼

おさな

いころからネットに浸

ひた

りながら育つ

いま、③

攻こう

防ぼう

はこの先、さらに激

はげ

しく

なる。危き

険けん

な侵

しん

入にゅう

から防

ぼう

御ぎょ

できる人

じん

材ざい

育いく

成せい

はまさに急

きゅう

務む

であろう▼﹁好

こう

奇き

心の

方が勝り、続

つづ

けてしまった﹂。新

にい

潟がた

の中

学生が口にした反

はん

省せい

の弁

べん

だ。不ふ

正せい

アク

セスの責

せき

任にん

はもちろん重いが、せっか

くの腕

うで

前まえ

である。今後は④

善ぜん

用よう

され

ますよう。

2019年12月21日 朝日新聞掲載

2019・12・21

© 朝日新聞社2020

合計

100点

1

2

3

4

5点×4=20点

5点×6=30点

10点×3=30点

20点

サイバー攻こ

撃げき

の世に

次の意味や説せつ

明めい

を表す言葉を本文中から探さが

して書きましょう。

事じ

情じょう

を述の

べて謝あ

やま

ること

  

        

まだそのことが起こらないこと

 

         

ー①「映えい

画が

を地で行く」とは、どのようなことですか。簡かん

単たん

に説せつ

明めい

しましょう。

(例れ

)新にい

潟がた

県の中学校で、生せ

徒と

が教き

ょう

職しょく

員いん

用シス

テムに接せ

続ぞく

し、成せ

績せき

表を複ふ

製せい

していたこと。

ー②「ハッカー」とは今後、どのような役やく

割わり

の人が想定されてい

ますか。本文中から7字で書き抜ぬ

きましょう。

 

            

ー③「攻こう

防ぼう

」とは、ここではどのようなことですか。簡かん

単たん

に説せつ

明めい

しましょう。

(例れ

)通つ

信しん

システムに悪意を持って攻こ

撃げき

した

り、その攻こ

撃げき

から通つ

信しん

システムを守ったりす

ること。

ー④「善ぜん

用よう

」の例れい

として、どのようなことをするのが適てき

当とう

か、50

字程て

度ど

でまとめましょう。

(例れ

)サイバー技ぎ

術じゅつ

者となり、インターネット

に関か

する知ち

識しき

や能の

力りょく

をいかして、通つ

信しん

システ

ムを悪意のある攻こ

撃げき

から守ること

。( 字)

12345

54

=20点10点×2

100点

30点

20点

10点

20点

46

*地で行く 想そう

像ぞう

を実じっ

際さい

に行う。*複ふく

製せい

 もとの物と同じ物を作る。*手

際ぎわ

 腕うで

前まえ

。物事を処しょ

理り

する能のう

力りょく

。*いささか ほんの少し。わずか。*遠えん

隔かく

操そう

作さ

 離はな

れた場所からの操そう

作さ

。*当方 こちら。自分の方。↔先方。*驚

きょう

異い

的てき

 驚おどろ

くほどの。びっくりするほど。*ハッキング 不

正せい

に他人のコンピューターに侵

しん

入にゅう

したりデータを破は

壊かい

したりする。それを行う人がハッカー。*テロ 政

せい

治じ

的てき

な目もく

的てき

を達たっ

成せい

するために暴ぼう

力りょく

や暴ぼう

力りょく

による脅きょう

迫はく

をする。*想起 前にあったことを思い出す。*本ほん

腰ごし

を入れる 本気になる。*攻こう

防ぼう

 攻こう

撃げき

と防ぼう

御ぎょ

。*防ぼう

御ぎょ

 攻こう

撃げき

などを防ふせ

ぎ守ること。*好こう

奇き

心しん

 興きょう

味み

を持つ心。*反はん

省せい

の弁べん

 反はん

省せい

の言葉。*腕うで

前まえ

 物事を行う能のう

力りょく

や技ぎ

術じゅつ

。*善ぜん

用よう

 よい目もく

的てき

に使うこと。

ハッカーのコンテストを

運営する米国の若手ホワ

イトハッカー

サイバー技ぎ

術じゅつ

陳ちん

謝しゃ

未み

然ぜん

Page 2: 46サイバー攻 の世に米 映えい 画 ﹁ウォー・ゲーム﹂のが 主人公はコンピューターを 自 在じ ざい に 操 あやつ る高校生。生物の 教

米映

えい

画が

﹁ウォー・ゲーム﹂の

主人公はコンピューターを自じ

在ざい

に操

あやつ

る高校生。生物の教

きょう

師し

から

F︵不ふ

可か

︶の成

せい

績せき

を付つ

けられて

納なっ

得とく

せず、教

きょう

職しょく

員いん

用のシステム

に忍

しの

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み、成

せい

績せき

をC︵可か

︶に

書き換か

えてしまう▼①映

えい

画が

を地で行くよ

うな事じ

件けん

が、新

にい

潟がた

県の中学校で起きた。

生せい

徒と

が教

きょう

職しょく

員いん

用システムに接

せつ

続ぞく

し、自分

の成

せい

績せき

表を複

ふく

製せい

。社会や美び

術じゅつ

の評

ひょう

定てい

を高

く変か

えて印

いん

刷さつ

し、親に渡

わた

していた。今月、

警けい

察さつ

は生

せい

徒と

を書

しょ

類るい

送そう

検けん

した▼﹁学校の管

かん

理り

体たい

制せい

が甘

あま

かった﹂と学校側

がわ

は陳

ちん

謝しゃ

した

が、独

どく

力りょく

で侵

しん

入にゅう

した中学生の手て

際ぎわ

にはい

ささか驚

おどろ

く。遠

えん

隔かく

操そう

作さ

用アプリを使って

自分のスマホから不ふ

正せい

接せつ

続ぞく

していたとい

う。どんな技ぎ

法ほう

か当方には見当すらつか

ない▼手にとってみたのは漫

まん

画が

﹁ブラッ

ディ・マンデイ﹂。主人公の少年は、中

学生のころから驚

きょう

異い

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なハッキング能

のう

力りょく

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はっ

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し、公

こう

安あん

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査さ

庁ちょう

の情

じょう

報ほう

収しゅう

集しゅう

に加

くわ

る。高校では、その技ぎ

術じゅつ

で首都を破は

壊かい

るテロを未み

然ぜん

に防

ふせ

ぐ。②ハッカーといえ

ば犯

はん

罪ざい

者を想起した時代は去った、と漫

まん

画が

を読んで実感する▼通

つう

信しん

システムを悪

意ある攻

こう

撃げき

からどう守るか。政

せい

府ふ

はサイ

バー技ぎ

術じゅつ

者の養

よう

成せい

に本

ほん

腰ごし

を入れる。人々

が幼

おさな

いころからネットに浸

ひた

りながら育つ

いま、③

攻こう

防ぼう

はこの先、さらに激

はげ

しく

なる。危き

険けん

な侵

しん

入にゅう

から防

ぼう

御ぎょ

できる人

じん

材ざい

育いく

成せい

はまさに急

きゅう

務む

であろう▼﹁好

こう

奇き

心の

方が勝り、続

つづ

けてしまった﹂。新

にい

潟がた

の中

学生が口にした反

はん

省せい

の弁

べん

だ。不ふ

正せい

アク

セスの責

せき

任にん

はもちろん重いが、せっか

くの腕

うで

前まえ

である。今後は④

善ぜん

用よう

され

ますよう。

2019年12月21日 朝日新聞掲載

2019・12・21

© 朝日新聞社2020

合計

100点

1

2

3

4

5点×4=20点

5点×6=30点

10点×3=30点

20点

サイバー攻こ

撃げき

の世に

次の意味や説せつ

明めい

を表す言葉を本文中から探さが

して書きましょう。

事じ

情じょう

を述の

べて謝あ

やま

ること

  

        

まだそのことが起こらないこと

 

         

ー①「映えい

画が

を地で行く」とは、どのようなことですか。簡かん

単たん

に説せつ

明めい

しましょう。

(例れ

)新にい

潟がた

県の中学校で、生せ

徒と

が教き

ょう

職しょく

員いん

用シス

テムに接せ

続ぞく

し、成せ

績せき

表を複ふ

製せい

していたこと。

ー②「ハッカー」とは今後、どのような役やく

割わり

の人が想定されてい

ますか。本文中から7字で書き抜ぬ

きましょう。

 

            

ー③「攻こう

防ぼう

」とは、ここではどのようなことですか。簡かん

単たん

に説せつ

明めい

しましょう。

(例れ

)通つ

信しん

システムに悪意を持って攻こ

撃げき

した

り、その攻こ

撃げき

から通つ

信しん

システムを守ったりす

ること。

ー④「善ぜん

用よう

」の例れい

として、どのようなことをするのが適てき

当とう

か、50

字程て

度ど

でまとめましょう。

(例れ

)サイバー技ぎ

術じゅつ

者となり、インターネット

に関か

する知ち

識しき

や能の

力りょく

をいかして、通つ

信しん

システ

ムを悪意のある攻こ

撃げき

から守ること

。(

 字)

12345

54

=20点10点×2

100点

30点

20点

10点

20点

46

*地で行く 想そう

像ぞう

を実じっ

際さい

に行う。*複ふく

製せい

 もとの物と同じ物を作る。*手

際ぎわ

 腕うで

前まえ

。物事を処しょ

理り

する能のう

力りょく

。*いささか ほんの少し。わずか。*遠えん

隔かく

操そう

作さ

 離はな

れた場所からの操そう

作さ

。*当方 こちら。自分の方。↔先方。*驚

きょう

異い

的てき

 驚おどろ

くほどの。びっくりするほど。*ハッキング 不

正せい

に他人のコンピューターに侵

しん

入にゅう

したりデータを破は

壊かい

したりする。それを行う人がハッカー。*テロ 政

せい

治じ

的てき

な目もく

的てき

を達たっ

成せい

するために暴ぼう

力りょく

や暴ぼう

力りょく

による脅きょう

迫はく

をする。*想起 前にあったことを思い出す。*本ほん

腰ごし

を入れる 本気になる。*攻こう

防ぼう

 攻こう

撃げき

と防ぼう

御ぎょ

。*防ぼう

御ぎょ

 攻こう

撃げき

などを防ふせ

ぎ守ること。*好こう

奇き

心しん

 興きょう

味み

を持つ心。*反はん

省せい

の弁べん

 反はん

省せい

の言葉。*腕うで

前まえ

 物事を行う能のう

力りょく

や技ぎ

術じゅつ

。*善ぜん

用よう

 よい目もく

的てき

に使うこと。

ハッカーのコンテストを

運営する米国の若手ホワ

イトハッカー

サイバー技ぎ

術じゅつ

陳ちん

謝しゃ

未み

然ぜん

2019年12月21日 朝日新聞掲載

2019・12・21

© 朝日新聞社2020

解答解説

サイバー攻こ

撃げき

の世に

46

1辞じ

書しょ

でも意味を確かく

認にん

しておきましょう。

2「映えい

画が

を地で行く」が表す内ない

容よう

について、第

1段だん

落らく

に述の

べられている米映えい

画が「ウォー・ゲー

ム」の内ない

容よう

と混こん

同どう

しないようにしましょう。

ここでは第2段だん

落らく

に述の

べられている、新にい

潟がた

の中学校での事じ

件けん

のことを表しています。

 「ハッカー」について、第4段だん

落らく

で「犯はん

罪ざい

を想起した時代は去った」とあることに注目

しましょう。犯はん

罪ざい

者としてのハッカーではな

く、第5段だん

落らく

にあるような通つう

信しん

システムを守

る「サイバー技ぎ

術じゅつ

者」のことです。

 「攻こう

防ぼう

」について、第4、5段だん

落らく

の内ない

容よう

から

34

考えましょう。漫まん

画が「ブラッディ・マンデイ」

では、「首都を破は

壊かい

するテロを未み

然ぜん

に防ふせ

ぐ」役やく

割わり

を果は

す少年が描えが

かれています。第5段だん

落らく

からは、「通つう

信しん

システムを悪意ある攻こう

撃げき

」から

守る必ひつ

要よう

があることが読み取れます。

 「善ぜん

用よう

」について、第6段だん

落らく

の「せっかくの

腕うで

前まえ

」から、少年が、インターネットに詳くわ

いという能のう

力りょく

を活かすことが善ぜん

用よう

につながる

ことがわかります。どのように活かすかとい

うと、第5、6段だん

落らく

にあるように、テロを防ふせ

いだり通つう

信しん

システムを守ったりする行こう

為い

が考

えられます。

5