20
平成25-27年度環境研究総合推進費 5-1306 日本海及び周辺域の大気・海洋における 有機汚染物質の潜在的脅威に関する研究 累積予算額 120,329千円 研究代表者 早川 和一 (金沢大学) K. Hayakawa (Kanazawa Univ.) 1

5-1306日本海及び周辺域の大気・海洋における 有 …...平成25-27年度環境研究総合推進費 5-1306日本海及び周辺域の大気・海洋における 有機汚染物質の潜在的脅威に関する研究

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平成25-27年度環境研究総合推進費

5-1306 日本海及び周辺域の大気・海洋における

有機汚染物質の潜在的脅威に関する研究

累積予算額 120,329千円

研究代表者 早川 和一 (金沢大学)

K. Hayakawa (Kanazawa Univ.)

1

Page 2: 5-1306日本海及び周辺域の大気・海洋における 有 …...平成25-27年度環境研究総合推進費 5-1306日本海及び周辺域の大気・海洋における 有機汚染物質の潜在的脅威に関する研究

研究体制 (○:サブテーマリーダー)

(S1) 大気・海洋環境中のPAHs及び放射性核種の起源と動態の把握に関する研究

○早川和一,長尾誠也(金沢大学)

(S2) 大気・海洋環境中のPOPs条約指定物質の起源と動態の把握に関する研究

○荒巻能史,高澤嘉一((国研)国立環境研究所)

(S3) 大気・海洋環境中のPAHs類二次生成と毒性化の解明に関する研究○亀田貴之(京都大学)

(S4) 日本海及び周辺域の有機汚染物質の発生・輸送と海洋負荷の解析に関する研究

○佐藤啓市,猪股弥生,大泉 毅((一財)日本環境衛生センター)

K. Hayakawa (Kanazawa Univ.)

2

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ゴビ砂漠

東シナ海East China

Sea

日 本 海Japan Sea

太 平 洋Pacific Ocean

ソウル(慶煕大学校)

札幌(北海道環境科学研究セ)

富山(富山科学文化セ,富山高専,富山大)

北九州(産業医科大)

(ロシア科学アカデミー極東支部太平洋海洋研究所)

ウラジオストク

環日本海環境協力センター

(NPEC)兵庫県立健康環境科学研究セ

NOWPAP

国立環境研究所(NIES)

環境省(Minist. of Environ.)

国内の大学

その他

タクラマカン砂漠

大気調査研究

健康影響調査研究

中国分室

ロシア分室

敦煌フィールド 瀋陽フィールド

上海フィールド

能登スーパーサイト北京

オホーツク海Okhotsk Sea

金沢大Kanazawa Univ.

東京(東京都健康全研究セ,麻布大)

金沢(石川県保健環境セ・金沢市)

(中国医科大学)瀋陽,鉄嶺,撫順

(復旦大学,華東理工大学)

国連大学UNU/IAS

東南アジアフィールド(チェンマイ大学・プリンスオブソンクラ大学・ハノイ医科大学ほか)

韓国分室

海洋調査研究

1. 国内大気モニタリングネットワーク (1995~)

2. 東アジア大気モニタリングネットワーク (2001~)

3. 日本海モニタリングネットワーク (2008~)

3

釜山(釜慶大学校,釜山大学

校)

(中国科学院・生態環境研究所,中国科学院・大気物理研究所,清華

大学)

黄 海Yellow Sea

アジア大気汚染研究セ(EANET)

京都大気象庁

K. Hayakawa (Kanazawa Univ.)

PAH/NPAHモニタリングネットワーク

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(S1) 大気・海洋環境中のPAHs/

放射能核種

(S3) 大気・海洋環境中のPAHs

類二次生成/毒性化

(S2) 大気・海洋環境中のPOPs

(S4) 大気・海洋環境中のPAH/POPs

の発生・輸送と海洋負荷の解析

モデル実験大気サンプル

研究目標

1. 2006~2010年のPAHインベントリ作成,POPsインベントリの提供・取得

2. PAHs,POPs のモデルの精緻化

日本海及び周辺域の大気・海洋環境の将来予則(悪化?改善?) → PAHs,POPs から解明

大気サンプル

海洋サンプル

実測値 モデルシュミレーション

研究計画と目標,環境政策・社会貢献

(これまでの実績)・REAS-POPインベントリー・RAQM-POPモデル開発・PAHs由来負荷評価

K. Hayakawa (Kanazawa Univ.)

4

環境政策及び社会への貢献

1. 東アジア大気,日本海の汚染の将来予測2. PM2.5の有害リスク評価,発生源特定

3. 環境汚染の国際モニタリングネットワークの基盤強化

4. 汚染防止のための国際・国内政策提言

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⾦沢

北京

瀋陽 ウラジオストク 札幌

上海

北九州

PAH 単位 : pmol/m3

[ΣPAH] = [Pyr] + [BaA] + [Chr]+ [BbF] + [BkF] + [BaP]

夏 冬

0

400

800

1200

1600

1997 2001 2005 2009 2013

0

400

800

1200

1600

1997 2001 2005 2009 2013

0

400

800

1200

1600

1997 2001 2005 2009 20130

400

800

1200

1600

1997 2001 2005 2009 2013

0

400

800

1200

1600

1997 2001 2005 2009 2013

0

400

800

1200

1600

1997 2001 2005 2009 2013

0

400

800

1200

1600

1997 2001 2005 2009 2013

0

400

800

1200

1600

1997 2001 2005 2009 20130

100

200

300

400

1997 2001 2005 2009 2013

0

20

40

60

1997 2001 2005 2009 2013

0

20

40

60

1997 2001 2005 2009 2013

0

20

40

60

1997 2001 2005 2009 20130

20

40

60

1997 2001 2005 2009 2013

新宿/相模原

0

25

50

75

100

1997 2001 2005 2009 2013

釜⼭

0

400

800

1200

1600

1997 2001 2005 2009 20130

20

40

60

1997 2001 2005 2009 2013

夏:冬:

夏:冬:

夏:冬:

夏:冬:

夏:冬:

夏:冬:

夏:冬:

夏:冬:

夏:冬:

S1-1 最近18年間の大気中ΣPAH濃度の推移K. Hayakawa (Kanazawa Univ.)

5

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⾦沢

北京

瀋陽 ウラジオストク 札幌

上海

北九州

NPAH 単位 : fmol/m3

夏 冬

[ΣNPAH] = [DNPs] + [1-NP]

0

300

600

900

1200

1997 2001 2005 2009 2013

0

300

600

900

1200

1997 2001 2005 2009 2013

0

300

600

900

1200

1997 2001 2005 2009 2013

新宿/相模原

0

300

600

900

1200

1997 2001 2005 2009 2013

0

300

600

900

1200

1997 2001 2005 2009 2013

0

300

600

900

1200

1997 2001 2005 2009 2013

0

300

600

900

1200

1997 2001 2005 2009 2013

0

300

600

900

1200

1997 2001 2005 2009 2013

釜⼭

0

300

600

900

1200

1997 2001 2005 2009 2013

夏:冬:

夏:冬: 夏:

冬:

夏:冬:

夏:冬:

夏:冬:

夏:冬:

夏:冬:

夏:冬:

S1-2 最近18年間の大気中ΣNPAH濃度の推移K. Hayakawa (Kanazawa Univ.)

6

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⾦沢

北京

瀋陽 ウラジオストク 札幌

上海

北九州

⽯炭燃焼 (0.001)

/石炭暖房

低温燃焼

⾃動⾞ (0.36)[1-NP]/[Pyr]比

ディーゼル車

00.050.100.150.200.250.30

1997 2001 2005 2009 2013

夏 冬

00.050.100.150.200.250.30

1997 2001 2005 2009 2013

00.050.100.150.200.250.30

1997 2001 2005 2009 2013

新宿/相模原

00.050.100.150.200.250.30

1997 2001 2005 2009 2013

00.050.100.150.200.250.30

1997 2001 2005 2009 2013

00.050.100.150.200.250.30

1997 2001 2005 2009 2013

00.050.100.150.200.250.30

1997 2001 2005 2009 2013

00.050.100.150.200.250.30

1997 2001 2005 2009 2013

1) Tang, N. et al., Atmos. Environ., 39, 5817‐5826 (2005).2) JAMA: ⾃動⾞統計⽉報.

釜⼭

00.050.100.150.200.250.30

1997 2001 2005 2009 2013

0.117 0.0460.123 0.021

0.172 0.0140.201 0.035

0.019 0.0040.018 0.010 0.082 0.017

0.066 0.010++

0.006 0.0050.016 0.015

0.003 0.0070.057 0.016

0.026 0.0180.034 0.022

0.040 0.0120.055 0.024

0.051 0.0140.129 0.026

S1-3 18年間の発生源マーカー[1-NP]/[Pyr]比の推移K. Hayakawa (Kanazawa Univ.)

7

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1

10

100

1000

100009/

110

/31

12/3

02/

284/

296/

288/

2710

/26

12/2

52/

234/

246/

238/

2210

/21

12/2

02/

184/

196/

188/

1710

/16

12/1

52/

134/

136/

128/

1110

/10

12/9 2/7

4/8

6/7

8/6

10/5

12/4 2/2

4/3

6/2

8/1

9/30

11/2

91/

283/

295/

287/

279/

2511

/24

1/23

3/23

5/22

7/21

9/19

11/1

81/

173/

185/

177/

169/

1411

/13

1/12

3/13

5/12

FR Pyr BaAChr BbF BkFBaP BgPe IDP

Con

cent

ratio

n (p

g/m

3 )

S1-4 能登半島の過去10年間の大気中PAH濃度推移

北京オリンピック

8

K. Hayakawa (Kanazawa Univ.)

Tang, N. et. al., Atmos. Environ., 120, 144-151 (2015)

飛来する燃焼由来PM2.5の量は2009年以降は減少傾向

北京PM2.5

冬高夏低を繰り返す

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S1‐5

長江

対馬海峡

宗谷海峡185

9.2ロシア河川

28.4 9.5

津軽海峡

9.6

7.67

HAYAKAWA (Kanazawa Univ.)

単位:  ng/L

9.5

S2-1 日本海のPAH汚染は悪化?それとも改善?

9

K. Hayakawa (Kanazawa Univ.)

対馬海峡

津軽海峡

宗谷海峡

沈降

上昇

水深 200 m

日本海の容積1.0 ×106 km3

250-820

93-240140-440

( トン/年 )

大気

60-110018-24

海 底

海 面

60-270

130-240

日本海のPAH収支は増加?減少?

河川

大気からの負荷は海流に匹敵

大気と海洋を統合

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1)日本海のPAH汚染は軽減傾向,2)対馬海流の濃度変化の主原因は長江の変化?

(A) 日本海

0

20

40

60

80

100

120

140

160

180

2010/08 2011/02 2012/03 2014/01PA

Hs

(ng/

L)

DPAHs

K. Hayakawa (Kanazawa Univ.

溶液状 PAHs

粒子状 PAHs

S2-2 (A) 日本海と (B) 長江のPAH濃度の変化 (2008- 2014)

10

0

3

6

9

12

15

2008 2009 2010 2011 2014

PAH

[ng/

L]

対馬海峡

日本海

(B) 長江

採水は春,秋

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0

0.2

0.4

0.6

0.8

1

0 0.2 0.4 0.6 0.8 1

[BaA

] / [B

aA +

Chr

]

[Flu] / [Flu + Pyr]

Aug. 2010

Feb. 2011

Feb. 2012

Jan. 2014

Aug. 2014

1 2

3

4

5

6

8

91011

0

0.2

0.4

0.6

0.8

1

0 0.2 0.4 0.6 0.8 1

[BaA

] / [B

aA +

Chr

]

[Flu] / [Flu + Pyr]

木材石炭燃焼

原油燃焼

原油

原油原油燃焼

木材石炭燃焼

(a) (b)

原油 原油燃焼

木材石炭燃焼

2014年9月

2010年8月

2011年2月

2012年2月

2014年1月

2014年8月

原油・原油燃焼由来が多い,冬は石炭燃焼由来が増加

S2-3 日本海のPAHの由来は?K. Hayakawa (Kanazawa Univ.)

11

Page 12: 5-1306日本海及び周辺域の大気・海洋における 有 …...平成25-27年度環境研究総合推進費 5-1306日本海及び周辺域の大気・海洋における 有機汚染物質の潜在的脅威に関する研究

(  >7.0 m, 3.3 – 7.0 m, 2.0 – 3.3 m, 1.1 – 2.0 m, <1.1 m, 黄砂)

0.0

0.5

1.0

1.5

2.0

2.5

3.0

3.5

4.0

4.5

0

50

100

150

200

250

300

3/1

3/3

3/5

3/7

3/9

3/11

3/13

3/15

3/17

3/19

3/21

3/23

3/25

3/27

3/29

[1-N

P]/[B

kF]

黄砂

(μg/

m3 )

観測地:北京

K. Hayakawa (Kanazawa Univ.)

PAH: Benzo[k]fluoranthene (BkF)

1-nitropyrene (1-NP)

NO2NO2

1-Nitropyrene (1-NP)

NO2NO2

黄砂の飛来とともに1-ニトロピレン濃度が上昇

S3-1 大気中の黄砂表面で起こるPAHニトロ化の検証

12

Page 13: 5-1306日本海及び周辺域の大気・海洋における 有 …...平成25-27年度環境研究総合推進費 5-1306日本海及び周辺域の大気・海洋における 有機汚染物質の潜在的脅威に関する研究

気相OH 気相NO3液相NO3

Chrysene (Chry) 1.76 ± 0.08 4.4 ± 0.2 9.2 ± 0.6Benz[a]anthracene (BaA) 2.27 ± 0.20 5.3 ± 0.4 12.6 ± 1.4Benzanthrone (BA) 0.75 ± 0.01 2.3 ± 0.0 3.1 ± 0.1

OO

蒸気圧が低い3種の4環PAHについて,これまで実験的に求めることが困難だったOH及びNO3ラジカルとのガス相反応速度定数を新たに明らかにできた*

S-4のモデルへ

提供

*Kameda et al., Polycyclic Aromat. Compd., in press (doi: 10.1080/10406638.2016.1159583).

S3‐2 液相反応実験により求めた気相中PAH‐ラジカル反応の速度定数

K. Hayakawa (Kanazawa Univ.)

13

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0

0.7

1.4

2.1

2.8

3.5

0 0.5 1 1.5 2 2.5 3

Chinese dustk Py

-obs

/h-1

[NO2] /ppmv

回帰式から,任意のNO2濃度について反応速度定数を算出可能

kobs = kmaxKNO2[NO2]g/(1 + KNO2[NO2]g)

KNO2= (5.8 ± 1.1) x 10-14 cm3

kmax = (1.0 ± 0.8) x 10-3 s-1

S-4の

モデルへ提供

Py反

応速

度定

数/h

-1

ガス相NO2濃度/ppm

S3-3 黄砂上Pyrene(Py)反応速度のNO2濃度依存性K. Hayakawa (Kanazawa Univ.)

14

Page 15: 5-1306日本海及び周辺域の大気・海洋における 有 …...平成25-27年度環境研究総合推進費 5-1306日本海及び周辺域の大気・海洋における 有機汚染物質の潜在的脅威に関する研究

0

25

50

75

100

125

0

5

10

15

20

25

30

35

0 5 10 15

(1) Arizona test dust ([NO2]=3ppm, RH=20%)N

orm

aliz

ed c

once

ntra

tions

of P

y an

d 1-

NP

Nor

mal

ized

con

cent

ratio

ns o

f DN

Ps

Time/hr

0

25

50

75

100

125

0

5

10

15

20

25

30

35

0 5 10 15

(2) Arizona test dust ([NO2]=3ppm, RH=50%)

Nor

mal

ized

con

cent

ratio

ns o

f Py

and

1-N

P

Nor

mal

ized

con

cent

ratio

ns o

f DN

Ps

Time/hr

kPy‐obs = 1.38 (hr–1) kPy‐obs = 0.34 (hr–1)

1-NPPy 1-NPPy

湿度増加に伴いPyの反応速度が低下

37%)

kobs = kmaxKNO2[NO2]g/(1 + KNO2[NO2]g + KH2O[H2O]g)

KH2O= 1.54 x 10-18 cm3

S-4のモデルへ

提供

S3-3 黄砂上Py-NO2反応の湿度依存性K. Hayakawa (Kanazawa Univ.)

15

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・ 春にWIOC, ECが極大

・ 冬季に4環, 5環のPAHs濃度が極大

・ 日本国内で初めて降水中PAHsの連続観測実施・ この結果から,モデルによるPAHsの湿性沈着量の計算結果の検証可能

S4-1 能登における降水中炭素成分, PAHs濃度の変化K. Hayakawa (Kanazawa Univ.)

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アジア大陸からの風下に位置する日本,韓国では,排出量よりも湿性・乾性沈着量が多い

・観測値(S1)と反応速度定数(S3)を入れて精緻化・検証したインベントリ計算,モデル化

・PAHの収支計算・解析

S4-2 北東アジアにおけるPAH発生・沈着量の収支K. Hayakawa (Kanazawa Univ.)

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• 日本海へ沈着するPAHは中国北部・中央部からの発生源からの寄与が多く,冬は80%以上• 大気からのPAHの除去は,湿性沈着(降水)過程が大きい(80-90%)

冬季平均;NCHN 冬季平均;CCHN

S4-3 発生源寄与解析による日本海へのPAH沈着量の推定K. Hayakawa (Kanazawa Univ.)

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公開シンポジウム講演

(1)日本臨床環境医学会 第23回日本臨床環境医学会学術集会シンポジウム「PM2.5-対策と研究の最前線-」(講演)早川和一, 鳥羽 陽, 唐 寧, 亀田貴之, 多環芳香族炭化水素類から見た東アジアのPM2.5, 2014. 6. 14-15, 京都.

(2)日本環境変異原学会 平成25年度公開シンポジウム「東アジア地域の環境汚染の現状とヒト健康への影響」 (基調講演)早川和一, 東アジア地域における汚染物質PAH類の発生と動態, 2013. 5. 25, 東京.

「国民との対話」リスト

主催一般公開シンポジウム

(1)金沢大学薬学シンポジウム2013 「東アジアのPM2.5の動態と健康影響」 2014. 1. 10, 金沢エクセルホテル東急, 86名.

(2) 環境省環境研究総合推進費[5-1306金沢大学]/大気環境学会共催「PM2.5 -汚染は悪化?それとも改善している?- 」2016. 1. 14, 石川県政記念しいのき迎賓館, 40名.

市民公開講座

(1)野々市市 ののいち市民大学校 (講演)早川和一, 最近のPM2.5問題について, 2014.7.25, 野々市市中央公民館, 40名.

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K. Hayakawa (Kanazawa Univ.)

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5-1306 日本海及び周辺域の大気・海洋における有機汚染物質の潜在的脅威に関する研究

S1. 大気中多環芳香族炭化水素(PAH)及びニトロ多環芳香族炭化水素(NPAH)

• 日本,中国,韓国,ロシアとの18年間調査から,極東アジア都市の発生分布図を作成• 中国の都市のPAH,NPAH濃度は極めて高く,冬の石炭暖房が主要因• 中国発生PAH,NPAHの一部は我が国に長距離輸送,能登半島への飛来量は減少傾向

環境政策への貢献• 東アジア大気汚染の将来予測• 日本海汚染の将来予測• 環境汚染の国際モニタリングネットワークの基盤形成• 汚染防止のための国際・国内政策提言

S2. 日本海及び周辺海のPAHs及びPOPs

• 8年間の継続調査から,PAH分布図を作成し,変化把握• 日本海のPAHの汚染レベルは減少傾向• 日本海対馬海峡及び黄海にPOPsの高濃度域

S3. NPAHsの二次反応

• 黄砂大気中で強毒性のNPAHsを二次生成

S4. PAH動態シミュレーションモデル構築

• S1~S3の研究結果を総合し,極東アジアにおけるPAH動態シミュレーションモデル構築• 日本海へのPAH負荷経路では対馬海流由来と大気由来が大• 大気由来のPAHの主要発生源は中国東北地方,湿性降下物の寄与が大

K. Hayakawa (Kanazawa Univ.)