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140 145 150 155 160 165 170 175 180 185 0 500 1000 1500 2000 2500 3000 3500 2/3 2/17 3/2 3/16 3/30 4/13 4/27 5/11 (ドル) S&P500 (左軸) 12カ月先予想 一株当たり利益 (右軸) 2020/ 0.00 0.25 0.50 0.75 1.00 1.25 1.50 1.75 2.00 2.25 2.50 (%) FF 金利中央値 0.125 0.03 0.05 0.15 FF 先物金利 2017 2018 2019 2020 2021 2022 “FEDに逆らうな”は数ある相場格言の中でも、投 資家が最も肝に銘じておくべきものです。 それ故に、FRBの意志を正しく理解する必要があ ります。今回のFOMC声明文とパウエル議長の記 者会見から得られるメッセージは、「米国景気の 回復には時間が掛かる。FRBは雇用・物価の目標達 成に向けて粘り強く緩和政策を続ける」でしょう。 必要に応じて追加緩和の用意があるとの意思表示 は非常に力強いものですが、FRBが“必要”と判断 するのは、声明文、会見で繰り返し述べられてい る「市場が機能不全に陥った時」と見られます。 V字型回復に向けて矢継ぎ早に緩和策を打つ意図 は読み取れません。 金利・量的緩和策については一旦一服感が出たと 考えられます。 マーケットレポート 2020年5月8日 Market-eye FOMC(4月28・29日)の評価と投資へのインプリケーション やれることは何でもやる(Whatever it takes)決意を改めて表明 金利政策:従前のフォワードガイダンス「雇用・物価目標達成目途まで据え置き」を維持 経済見通し:中期的(≒1年以上)に高いリスクが続く見通し。長期停滞の可能性も指摘 金利政策、量的緩和策に一服感。追加緩和はフォワードガイダンスと信用緩和が中心に 【FOMC(連邦公開市場委員会)声明文】 1.フォワードガイダンス:「足元の状況を乗り切 り、最大雇用と物価安定の目標達成に向け軌道に乗っ たと確信するまで、現行の目標レンジを据え置く」と の文言を踏襲し、実質ゼロ金利政策の長期化を示唆。 2.追加緩和策:「雇用の最大化と物価の安定の目標 を推進するため、あらゆる手段を使うことを約束す る」とし、やれることは何でもやる決意を強調。 【パウエルFRB (連邦準備制度理事会)議長記者会見】 3.量的緩和:「円滑な市場機能を維持するために必 要な額の購入を継続する」とする一方、市場環境の改 善を受け、購入ペースの鈍化を追認する。 4.経済見通し:「失業率低下や消費拡大など経済の 復元には時間がかかる」「雇用機会やスキルが喪失す れば生産性が低下」と長期停滞リスクを指摘。 5 .財政拡大:「今は(財政問題を)懸念すべき時で はない」とした上で、議会に追加の財政出動を求める 考えを示す。 正常化まで時間を要す、必要なら追加対応の用意 ■投資のインプリケーション 図表1. FF金利とFF先物金利 図表2. S&P500と予想EPS(一株当たり利益) 運用戦略部 投資戦略グループ 岩井 真子 【出所】ブルームバーグの公表データ等に基づき、 りそなアセットマネジメントが作成 【出所】先物金利は期近物、56日時点。ブルームバーグの 公表データに基づき、りそなアセットマネジメントが作成 ※本資料の使用に際し、最終ページの<本資料に関するご留意事項>を必ずご覧ください。

@5FOMC (4月28・29日)の評価と投資へのインプリケーション やれることは何でもやる(Whatever it takes)決意を改めて表明 金利政策:従前のフォワードガイダンス「雇用・物価目標達成目途まで据え置き」を維持

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(ドル)

S&P500(左軸)

12カ月先予想

一株当たり利益(右軸)

2020/

0.00

0.25

0.50

0.75

1.00

1.25

1.50

1.75

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2.25

2.50 (%)

FF金利中央値

0.125 0.030.05

0.15

FF先物金利

2017 2018 2019 2020 2021 2022

“FEDに逆らうな”は数ある相場格言の中でも、投資家が最も肝に銘じておくべきものです。

それ故に、FRBの意志を正しく理解する必要があります。今回のFOMC声明文とパウエル議長の記者会見から得られるメッセージは、「米国景気の回復には時間が掛かる。FRBは雇用・物価の目標達成に向けて粘り強く緩和政策を続ける」でしょう。

必要に応じて追加緩和の用意があるとの意思表示は非常に力強いものですが、FRBが“必要”と判断するのは、声明文、会見で繰り返し述べられている「市場が機能不全に陥った時」と見られます。V字型回復に向けて矢継ぎ早に緩和策を打つ意図は読み取れません。

金利・量的緩和策については一旦一服感が出たと考えられます。

マーケットレポート 2020年5月8日

Market-eye

FOMC(4月28・29日)の評価と投資へのインプリケーション

やれることは何でもやる(Whatever it takes)決意を改めて表明

■ 金利政策:従前のフォワードガイダンス「雇用・物価目標達成目途まで据え置き」を維持

■ 経済見通し:中期的(≒1年以上)に高いリスクが続く見通し。長期停滞の可能性も指摘

■ 金利政策、量的緩和策に一服感。追加緩和はフォワードガイダンスと信用緩和が中心に

【FOMC(連邦公開市場委員会)声明文】

1.フォワードガイダンス:「足元の状況を乗り切り、最大雇用と物価安定の目標達成に向け軌道に乗ったと確信するまで、現行の目標レンジを据え置く」との文言を踏襲し、実質ゼロ金利政策の長期化を示唆。

2.追加緩和策:「雇用の最大化と物価の安定の目標を推進するため、あらゆる手段を使うことを約束する」とし、やれることは何でもやる決意を強調。

【パウエルFRB (連邦準備制度理事会)議長記者会見】

3.量的緩和:「円滑な市場機能を維持するために必要な額の購入を継続する」とする一方、市場環境の改善を受け、購入ペースの鈍化を追認する。

4.経済見通し:「失業率低下や消費拡大など経済の復元には時間がかかる」「雇用機会やスキルが喪失すれば生産性が低下」と長期停滞リスクを指摘。

5 .財政拡大:「今は(財政問題を)懸念すべき時ではない」とした上で、議会に追加の財政出動を求める考えを示す。

■正常化まで時間を要す、必要なら追加対応の用意

■投資のインプリケーション

図表1. FF金利とFF先物金利

図表2. S&P500と予想EPS(一株当たり利益)

運用戦略部 投資戦略グループ 岩井真子【出所】ブルームバーグの公表データ等に基づき、

りそなアセットマネジメントが作成

【出所】先物金利は期近物、5月6日時点。ブルームバーグの公表データに基づき、りそなアセットマネジメントが作成

※本資料の使用に際し、最終ページの<本資料に関するご留意事項>を必ずご覧ください。

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〈本資料に関するご留意事項〉本資料は、りそなアセットマネジメント株式会社が投資環境についてお伝えすることを目的として作成したものであり、投資家に対する投資勧誘を目的とするものではありません。

本資料は市場全般の推奨や証券市場等の動向の上昇または下落を示唆するものではありません。

本資料は、信頼できると考えられる情報に基づいて作成しておりますが、情報の正確性、完全性を保証するものではありません。なお、掲載されている見解は本資料作成時点のものであり、将来の市場環境の変動等を保証するものではありません。また、事前の連絡なしに変更されることがあります。

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