47
【1】 【2】 【3】 【4】 【5】 【6】 【7】 【8】 一般名処方に関するヒヤリ・ハット 薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業 平成24年年報 薬局ヒヤリ・ハット事例の分析 はじめに 我が国の医療制度や医療提供体制が直面する課題のひとつに、限られた医療費を効率的かつ効果的 に支出することがある。患者負担の軽減や医療保険財政の健全化の観点から、処方、投薬される医薬 品の中で、薬価が安価な後発医薬品の占める割合を増やすことが国の政策として取り組まれてきた。 具体的には「経済財政改革の基本方針2007」(平成19年6月19日 閣議決定) 1) において「平成24年度 までに、後発品の数量シェアを30%(現状から倍増)以上にする」こととされた。 目標を達成するために、厚生労働省では、「後発医薬品の安心使用促進アクションプログラム」 2) 策定して、①安定供給、②品質確保、③後発品メーカーによる情報提供、④使用促進に係る環境整備、 ⑤医療保険制度上の事項に関し、国及び関係者が行うべき取り組みを明らかにした。このうち⑤医療 保険制度上の事項に関しては、保険薬局や病院へのインセンティブとなる後発医薬品調剤体制加算や 後発医薬品使用体制加算の新設により後発品の調剤に対して診療報酬上の評価を与えたほか、処方せ ん様式の変更を行ってきた。そして平成24年度の診療報酬改定では、後発医薬品の一層の使用促進の ために、①薬局で「薬剤情報提供文書」により後発医薬品の有無、価格、在庫情報等に関する情報を 提供した場合に、薬学管理料の中で評価する、②医師が処方せんを交付する際、後発医薬品のある医 薬品について一般名処方が行われた場合の加算を新設する、③処方せんの様式を変更し、医師から処 方された医薬品ごとにジェネリック医薬品への変更の可否がわかる様式に変更した、④保険薬局の調 剤基本料における後発医薬品調剤体制加算の見直しを行い、加算要件である後発医薬品の使用割合を 「22%以上」「30%以上」「35%以上」に改め、評価についても軽重をつける、という対応がなされた。 平成25年3月末の後発医薬品の数量シェアについて、薬価調査の実績ベース(低位推計)、調剤メディ アス(「最の調剤医療費(算処理)の動向」)の実績ベース(位推計)、及び者の按分(中 位推計)により算された果では、低位推計で24 .8 %、中位推計で25 . 6 %であり、位推計でも2 6 . 3 %にとまり、いれも目標には達していないことがされた 3) 。そこで、平成25年月には、 「後発医薬品のさらなる使用促進のためのロードマップ」がされ、「後発医薬品の数量シェアを平成 30年3月末までに6 0%にする」ことを目標に掲げ、①安定供給、②品質に対する信頼性の確保、③情 報提供の方策、④使用促進に係る環境整備、⑤医療保険制度上の事項、ロードマップの実ニタリングに関し、国及び関係者が行うべき取り組みを明らかにし、なお一層の取り組みが続くのと予想される。 このようなれの中で、平成24年月1日以、後発医薬品が在する医薬品について、薬価基収載されている品名にえて、一般的名に剤及び量を付加した記載による処方せんを交付し た場合に、医療関において一般名処方加算を算定できることとなり、いわる医療関による一般 名処方が開始した。これに関し、本事しているヒヤ・ハの中には、一般名で質が処方されたが調剤の際に一般名と販売名の対応を間違った質を調剤しそうになっ た事や、一般名で付剤が処方され調剤する際にップ剤とテープ剤とを取えた事、一般名が 類似していたため医薬品を取えた事の一般名処方に関する事が報されるようになったこ 271 【6】 一般名処方に関するヒヤリ・ハット

【6】 一般名処方に関するヒヤリ・ハット...集しており、一般名の導出のため、MDB版一般名処方マスタ(メディカルデータベース株式会社)

  • Upload
    others

  • View
    1

  • Download
    0

Embed Size (px)

Citation preview

  • 【1】

    【2】

    【3】

    【4】

    【5】

    【6】

    【7】

    【8】

    一般名処方に関するヒヤリ・ハット

    薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業 平成24年年報 Ⅲ 薬局ヒヤリ・ハット事例の分析

    はじめに

    我が国の医療制度や医療提供体制が直面する課題のひとつに、限られた医療費を効率的かつ効果的

    に支出することがある。患者負担の軽減や医療保険財政の健全化の観点から、処方、投薬される医薬

    品の中で、薬価が安価な後発医薬品の占める割合を増やすことが国の政策として取り組まれてきた。

    具体的には「経済財政改革の基本方針2007」(平成19年6月19日 閣議決定)1)において「平成24年度

    までに、後発品の数量シェアを30%(現状から倍増)以上にする」こととされた。

    目標を達成するために、厚生労働省では、「後発医薬品の安心使用促進アクションプログラム」2)を

    策定して、①安定供給、②品質確保、③後発品メーカーによる情報提供、④使用促進に係る環境整備、

    ⑤医療保険制度上の事項に関し、国及び関係者が行うべき取り組みを明らかにした。このうち⑤医療

    保険制度上の事項に関しては、保険薬局や病院へのインセンティブとなる後発医薬品調剤体制加算や

    後発医薬品使用体制加算の新設により後発品の調剤に対して診療報酬上の評価を与えたほか、処方せ

    ん様式の変更を行ってきた。そして平成24年度の診療報酬改定では、後発医薬品の一層の使用促進の

    ために、①薬局で「薬剤情報提供文書」により後発医薬品の有無、価格、在庫情報等に関する情報を

    提供した場合に、薬学管理料の中で評価する、②医師が処方せんを交付する際、後発医薬品のある医

    薬品について一般名処方が行われた場合の加算を新設する、③処方せんの様式を変更し、医師から処

    方された医薬品ごとにジェネリック医薬品への変更の可否がわかる様式に変更した、④保険薬局の調

    剤基本料における後発医薬品調剤体制加算の見直しを行い、加算要件である後発医薬品の使用割合を

    「22%以上」「30%以上」「35%以上」に改め、評価についても軽重をつける、という対応がなされた。

    平成25年3月末の後発医薬品の数量シェアについて、薬価調査の実績ベース(低位推計)、調剤メディ

    アス(「最近の調剤医療費(電算処理分)の動向」)の実績ベース(高位推計)、及び両者の按分(中

    位推計)により試算された結果では、低位推計で24.8%、中位推計で25.6%であり、高位推計でも26.3

    %にとどまり、いずれも目標には到達していないことが示された3)。そこで、平成25年4月には、

    「後発医薬品のさらなる使用促進のためのロードマップ」が示され、「後発医薬品の数量シェアを平成

    30年3月末までに60%にする」ことを目標に掲げ、①安定供給、②品質に対する信頼性の確保、③情

    報提供の方策、④使用促進に係る環境整備、⑤医療保険制度上の事項、⑥ロードマップの実施状況の

    モニタリングに関し、国及び関係者が行うべき取り組みを明らかにし、なお一層の取り組みが続くも

    のと予想される。

    このような流れの中で、平成24年4月1日以降、後発医薬品が存在する医薬品について、薬価基準

    に収載されている品名に代えて、一般的名称に剤形及び含量を付加した記載による処方せんを交付し

    た場合に、医療機関において一般名処方加算を算定できることとなり、いわゆる医療機関による一般

    名処方が開始した。これに関連し、本事業で収集しているヒヤリ・ハット事例の中には、一般名で抗

    生物質が処方されたが調剤の際に一般名と販売名の対応を間違え誤った抗生物質を調剤しそうになっ

    た事例や、一般名で貼付剤が処方され調剤する際にパップ剤とテープ剤とを取違えた事例、一般名が

    類似していたため医薬品を取違えた事例などの一般名処方に関する事例が報告されるようになったこ

    ―271―

    【6】 一般名処方に関するヒヤリ・ハット

  • 【1】

    【2】

    【3】

    【4】

    【5】

    【6】

    【7】

    【8】

    一般名処方に関するヒヤリ・ハット

    Ⅲ 薬局ヒヤリ・ハット事例の分析 薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業 平成24年年報

    とから、本事業の「共有すべき事例」として取り上げ、専門家のコメントを付して事業に参加してい

    る薬局に情報提供するとともに、ホームページに掲載して公表している。

    総合評価部会では、一般名処方の開始以降、それらの事例の発生や報告の可能性が指摘され、実際

    にも報告されたため、一般名処方の仕組みの開始と後発医薬品の使用推進の流れにおける今後の一般

    名処方の機会の拡大を想定し、医療安全の確保の観点から一般名処方に関するヒヤリ・ハット事例を

    分析テーマとして取り上げることが承認された。そこで、一般名処方に関するヒヤリ・ハット事例に

    ついて、調剤や疑義照会の事例における、処方された医薬品の一般名や間違った医薬品の一般名、薬

    効、薬効の異なる組み合わせ、疑義を生じた理由などの分析を行った。

    1)一般名処方に関する事例全体について

    (1)一般名処方のヒヤリ・ハットの考え方

    一般名で記載された処方せんによって調剤を行った事例、疑義照会を行った事例、または、一般

    名処方が行われたことがヒヤリ・ハットの要因となった事例が事例収集項目の「事例の内容」「背

    景・要因」から読み取れるものを一般名処方のヒヤリ・ハット事例とした。なお本報告書中では、

    厚生労働省が作成、公表した「処方せんに記載する一般名処方の標準的な記載」4)に基づき一般名

    を表記し、判別し易いように【般】を付している。本事業では、医薬品を販売名のデータとして収

    集しており、一般名の導出のため、MDB版一般名処方マスタ(メディカルデータベース株式会社)

    を使用した。

    (2)報告件数

    図表6-1 報告件数

    一般名処方に関する事例は229件の報告があり、そのうち「調剤に関する事例」は209件、疑義照

    会に関する事例は20件であった。ヒヤリ・ハット事例全体に占める割合はそれぞれ2.9%、0.3%で

    あった。

    ―272―

    事例の概要 報告件数

    ヒヤリ・ハット事例 7,166(100.0%)

    一般名処方に関する事例 229(3.2%)

    調剤に関する事例 209(2.9%)

    疑義照会に関する事例 20(0.3%)

  • 【1】

    【2】

    【3】

    【4】

    【5】

    【6】

    【7】

    【8】

    一般名処方に関するヒヤリ・ハット

    薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業 平成24年年報 Ⅲ 薬局ヒヤリ・ハット事例の分析

    (3)事例の報告内訳

    図表6-2 事例の報告内訳 (単位:件)

    「調剤」の事例の内訳である「事例の内容」は「薬剤取違え」が64.6%(135/209件)と多く、

    次いで「規格・剤形間違い」が17.2%(36/209件)であった。ヒヤリ・ハット事例全体との比較

    でも「薬剤取違え」の割合が多かった。

    「疑義照会」は「薬剤変更」が70.0%(14/20件)と割合が多かった。

    ―273―

    事例の概要、発生場面 事例の内容または変更内容 件数(参考)ヒヤリ・

    ハット事例

    調剤 調剤 調剤忘れ 8 273

    処方せん監査間違い 9 235

    秤量間違い 0 51

    数量間違い 13 1,827

    分包間違い 0 192

    規格・剤形間違い 36 948

    薬剤取違え 135 1,005

    説明文書の取違え 0 9

    分包紙の情報間違い 0 38

    薬袋の記載間違い 6 265

    その他 (調剤) 2 1,414

    管理 充填間違い 0 23

    異物混入 0 2

    期限切れ 0 12

    その他 (管理) 0 3

    交付 患者間違い 0 34

    説明間違い 0 17

    交付忘れ 0 62

    その他 (交付) 0 14

    疑義照会 疑義照会 薬剤変更 14 259

    用法変更 1 67

    用量変更 0 33

    分量変更 1 102

    薬剤削除 3 236

    その他 1 33

    合 計 229 7,154

  • 【1】

    【2】

    【3】

    【4】

    【5】

    【6】

    【7】

    【8】

    一般名処方に関するヒヤリ・ハット

    Ⅲ 薬局ヒヤリ・ハット事例の分析 薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業 平成24年年報

    (4)月別の発生件数

    図表6-3 月別の発生件数 (単位:件)

    一般名処方が開始された平成24年4月以降を発生年月とし報告された事例の件数を集計したとこ

    ろ、一般名処方に関する事例が増加している傾向は見られなかった。

    ―274―

    発生年 発生月件数(ヒヤリ・ハット事例に

    対する割合(%))(参考)ヒヤリ・ハット事例

    平成24年 4月 44(7.0%) 626

    5月 24(4.1%) 583

    6月 31(5.3%) 588

    7月 27(5.5%) 489

    8月 33(7.2%) 459

    9月 18(4.2%) 429

    10月 18(3.3%) 548

    11月 23(4.4%) 521

    12月 9(2.9%) 309

    ※一般名処方が開始された平成24年4月以降を発生年月とし報告された事例を集計した。

    図表6-4 月別の発生件数(グラフ)

    ※一般名処方が開始された平成24年4月以降を発生年月とし報告された事例を集計した。

  • 【1】

    【2】

    【3】

    【4】

    【5】

    【6】

    【7】

    【8】

    一般名処方に関するヒヤリ・ハット

    薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業 平成24年年報 Ⅲ 薬局ヒヤリ・ハット事例の分析

    2)一般名処方の「調剤」に関する事例の分析

    (1)一般名処方の「調剤」に関する事例の発生場面と実施の有無・治療の程度

    図表6-5 一般名処方の「調剤」に関する事例の発生場面と実施の有無・治療の程度

    (単位:件)

    (参考)「調剤」に関するヒヤリ・ハット事例全体の事例の発生場面と実施の有無・治療の程度

    (単位:件)

    発生場面では「内服薬調剤」が66.0%(138/209件)であり多かった。この割合は、ヒヤリ・ハッ

    ト事例全体における内服薬調剤の割合51.1%と比較しても大きかった。一方、管理、交付に関する

    事例は報告がなかった。

    ―275―

    実施の有無、治療の程度

    発生場面

    実施あり実施なし 合計

    軽微な治療 治療なし 不明

    内服薬調剤 0 47 36 55 138

    外用薬調剤 0 5 10 11 26

    注射薬調剤 0 0 0 0 0

    その他の調剤に関する場面 1 2 6 36 45

    内服薬管理 0 0 0 0 0

    外用薬管理 0 0 0 0 0

    注射薬管理 0 0 0 0 0

    その他の管理に関する場面 0 0 0 0 0

    交付 0 0 0 0 0

    合 計 1 54 52 102 209

    実施の有無、治療の程度

    発生場面

    実施あり実施なし 合計

    軽微な治療 治療なし 不明

    内服薬調剤 65 804 679 1,734 3,282

    外用薬調剤 13 118 123 379 633

    注射薬調剤 1 13 10 19 43

    その他の調剤に関する場面 11 130 32 2,126 2,299

    内服薬管理 0 4 8 19 31

    外用薬管理 1 3 1 2 7

    注射薬管理 0 2 0 0 2

    その他の管理に関する場面 0 0 0 0 0

    交付 0 54 64 9 127

    合 計 91 1,128 917 4,288 6,424

  • 【1】

    【2】

    【3】

    【4】

    【5】

    【6】

    【7】

    【8】

    一般名処方に関するヒヤリ・ハット

    Ⅲ 薬局ヒヤリ・ハット事例の分析 薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業 平成24年年報

    実施の有無を見ると、患者に医薬品を交付したことを示す「実施あり」が選択されていた事例は

    51.2%(107/209件)であった。ヒヤリ・ハット事例全体における実施ありの割合33.3%と比較し

    て大きかった。

    軽微な治療を要した事例は1件のみであった(278ページ参照)。

    (2)一般名処方の「調剤」に関する事例の内容と実施の有無・治療の程度

    図表6-6 一般名処方の「調剤」に関する事例の内容と実施の有無・治療の程度 (単位:件)

    ―276―

    実施の有無、治療の程度

    発生場面

    実施あり実施なし 合計

    軽微な治療 治療なし 不明

    調剤忘れ 0 1 0 7 8

    処方せん監査間違い 1 3 4 1 9

    秤量間違い 0 0 0 0 0

    数量間違い 0 2 7 4 13

    分包間違い 0 0 0 0 0

    規格・剤形間違い 0 7 12 17 36

    薬剤取違え 0 38 28 69 135

    説明文書の取違え 0 0 0 0 0

    分包紙の情報間違い 0 0 0 0 0

    薬袋の記載間違い 0 2 1 3 6

    その他(調剤) 0 1 0 1 2

    充填間違い 0 0 0 0 0

    異物混入 0 0 0 0 0

    期限切れ 0 0 0 0 0

    その他(管理) 0 0 0 0 0

    患者間違い 0 0 0 0 0

    説明間違い 0 0 0 0 0

    交付忘れ 0 0 0 0 0

    その他(交付) 0 0 0 0 0

    合 計 1 54 52 102 209

  • 【1】

    【2】

    【3】

    【4】

    【5】

    【6】

    【7】

    【8】

    一般名処方に関するヒヤリ・ハット

    薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業 平成24年年報 Ⅲ 薬局ヒヤリ・ハット事例の分析

    (参考)「調剤」に関するヒヤリ・ハット事例全体の事例の内容と実施の有無・治療の程度

    (単位:件)

    「事例の内容」では「薬剤取違え」が64.6%(135/209件)であり多かった。この割合はヒヤリ・

    ハット事例全体の割合15.6%と比較して大きかった。次いで「規格・剤形間違い」が17.2%(36/

    209件)であった。

    実施の有無について特に「処方せん監査間違い」を見ると、「実施あり」が選択された事例は88.9

    %(8/9件)であり、他の事例の内容と比較して割合が大きかった。

    「実施あり」のうち、治療の程度が「軽微な治療」であった事例1件の内容を次に示す。

    ―277―

    実施の有無、治療の程度

    発生場面

    実施あり実施なし 合計

    軽微な治療 治療なし 不明

    調剤忘れ 1 37 32 203 273

    処方せん監査間違い 30 84 80 41 235

    秤量間違い 0 19 10 22 51

    数量間違い 21 249 236 1,321 1,827

    分包間違い 1 56 36 99 192

    規格・剤形間違い 17 214 184 533 948

    薬剤取違え 13 227 180 585 1,005

    説明文書の取違え 0 0 3 6 9

    分包紙の情報間違い 0 15 3 20 38

    薬袋の記載間違い 3 91 55 116 265

    その他(調剤) 4 73 25 1,312 1,414

    充填間違い 0 2 3 18 23

    異物混入 0 0 1 1 2

    期限切れ 1 6 4 1 12

    その他(管理) 0 1 1 1 3

    患者間違い 0 12 16 6 34

    説明間違い 0 4 13 0 17

    交付忘れ 0 32 28 2 62

    その他(交付) 0 6 7 1 14

    合 計 91 1,128 917 4,288 6,424

  • 【1】

    【2】

    【3】

    【4】

    【5】

    【6】

    【7】

    【8】

    一般名処方に関するヒヤリ・ハット

    Ⅲ 薬局ヒヤリ・ハット事例の分析 薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業 平成24年年報

    (3)一般名処方の「薬剤取違え」「規格・剤形間違い」に関する事例の分析

    一般名処方の調剤に関する事例のうち、「事例の内容」で特に報告件数の多かった「薬剤取違え」

    と「規格・剤形間違い」について、詳細な分析を行った。なお、一般名処方の薬剤取違えと規格・

    剤形間違えの事例では、一般的な薬剤取違えの事例でみられるような異なるブランド名の取違えの

    事例はありえず、基本的に一般名は共通であることから、「薬剤取違え」「規格・剤形間違い」を合

    わせて集計して、報告項目の「処方された医薬品」「間違えた医薬品」に記載された医薬品の一般

    名の組み合わせの全体像を俯瞰できるように集計、分析した。

    (ⅰ)処方された医薬品の一般名の品目数及び報告回数

    一般名処方の「薬剤取違え」「規格・剤形間違い」に関する事例で処方された医薬品の一般名

    の品目数、及び報告回数を集計したところ101品目158回の報告があった。なお品目数は、事例収

    集項目のうち、「処方された医薬品」の項目に入力された医薬品のうち、記述情報から一般名処

    方であったと判断できる医薬品を抽出し、その一般名の品目数を計上している。そのため、同じ

    一般名の医薬品が複数の項目や事例に入力された場合、1品目として計上している。

    また報告回数とは事例収集項目のうち、「処方された医薬品」の項目に入力された医薬品のう

    ち、記述情報から一般名処方であったと判断できる医薬品を抽出し、その一般名の報告回数を計

    上している。例えば、同じ一般名の医薬品が2事例で入力された場合、報告回数は2回となる。

    図表6-7 処方された医薬品の一般名の品目数及び報告回数

    ―278―

    軽微な治療であった事例

    ○関連医薬品

    【般】アズレンスルホン

    酸 Na・L-グルタミ

    ン配合顆粒(マーズレ

    ンS配合顆粒)、

    【般】アズレンスルホン

    酸Na含嗽剤4%(ア

    ズノールうがい液4%)

    (事例の内容)

    処方箋にはアズレンスルホン酸ナトリウム・Lグルタミン配合剤細粒4g

    4× 4日分と記されていて同時にロキソプロフェンNa錠60mg2錠2×食

    後 5日分の処方が出ていたため当事者である薬剤師はマーズレンS配合顆粒

    が処方されていると思い込んだ。しかし、投薬後薬剤師が再確認したところマー

    ズレンS配合顆粒の用法用量がおかしいことに気付き、病院に確認した。す

    ると実際病院が処方したかった薬は、アズレンスルホン酸ナトリウム水和物で

    あり、そこで間違いが発覚した。直ちに患者さんに連絡をとり、患者さんから

    マーズレンS配合顆粒を回収し、本来処方されるはずであった薬を交換した。

    (背景・要因)

    記載なし

    (改善策)

    薬剤師は投薬前に薬のみではなく、用法用量の確認まできちんと行うよう心

    がける。

    品目数 報告回数

    処方された医薬品の一般名 101 158

    ※一般名処方が行われたことが記述情報から判断できる医薬品を集計している。

  • 【1】

    【2】

    【3】

    【4】

    【5】

    【6】

    【7】

    【8】

    一般名処方に関するヒヤリ・ハット

    薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業 平成24年年報 Ⅲ 薬局ヒヤリ・ハット事例の分析

    (ⅱ)処方された医薬品の一般名別の報告数

    一般名処方の「薬剤取違え」「規格・剤形間違い」に関する事例で報告された「処方された医

    薬品」において、報告数が多かった医薬品を一般名にて以下に示す。

    図表6-8 処方された医薬品の一般名別の報告回数(複数回報告のあった一般名)

    処方された医薬品の一般名別の報告数は「【般】アムロジピン錠5mg」「【般】アロプリノール

    錠100mg」が各8回、「【般】アムロジピン錠2.5mg」が7回、「【般】アムロジピン口腔内崩壊錠

    2.5mg」「【般】アルファカルシドールカプセル1μg」が各5回と報告が多かった。報告数上位

    ―279―

    一 般 名 報告回数

    【般】アムロジピン錠5mg 8

    【般】アロプリノール錠100mg 8

    【般】アムロジピン錠2.5mg 7

    【般】アムロジピン口腔内崩壊錠2.5mg 5

    【般】アルファカルシドールカプセル1μg 5

    【般】ケトプロフェンテープ40mg(10×14cm非温感) 4

    【般】ランソプラゾール口腔内崩壊錠15mg 4

    【般】アムロジピン口腔内崩壊錠5mg 3

    【般】カルボシステイン錠500mg 3

    【般】セフカペンピボキシル塩酸塩錠100mg 3

    【般】エチゾラム錠0.5mg 2

    【般】エナラプリルマレイン酸塩錠5mg 2

    【般】エペリゾン塩酸塩錠50mg 2

    【般】ケトプロフェンテープ20mg(7×10cm非温感) 2

    【般】ジフルプレドナート軟膏0.05% 2

    【般】シルニジピン錠10mg 2

    【般】スルピリド錠100mg 2

    【般】セフジトレンピボキシル錠100mg 2

    【般】センノシド錠12mg 2

    【般】ファモチジン口腔内崩壊錠10mg 2

    【般】フェルビナクパップ70mg(10×14cm非温感) 2

    【般】フルルビプロフェンパップ40mg(10×14cm) 2

    【般】ブロチゾラム口腔内崩壊錠0.25mg 2

    【般】ヘパリン類似物質外用液0.3% 2

    【般】ボグリボース口腔内崩壊錠0.3mg 2

    【般】レバミピド錠100mg 2

    【般】一硝酸イソソルビド錠20mg 2

    ※実際に処方された一般名であるとテキスト情報から判断できる医薬品を集計している。

  • 【1】

    【2】

    【3】

    【4】

    【5】

    【6】

    【7】

    【8】

    一般名処方に関するヒヤリ・ハット

    Ⅲ 薬局ヒヤリ・ハット事例の分析 薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業 平成24年年報

    のうち、「アムロジピン」製剤である、「【般】アムロジピン錠5mg」「【般】アムロジピン錠5mg」

    「【般】アムロジピン錠2.5mg」「【般】アムロジピン口腔内崩壊錠2.5mg」が計23回と多く報告さ

    れていた。

    (ⅲ)処方された医薬品の成分名別の報告数

    一般名処方の「薬剤取違え」「規格・剤形間違い」に関する事例で報告された「処方された医

    薬品」において、報告数が多かった医薬品を成分別にて以下に示す。

    図表6-9 処方された医薬品の成分別の報告回数(複数回報告のあった成分)

    ―280―

    処方された医薬品の成分名 報告回数

    アムロジピンベシル酸塩 23

    アロプリノール 8

    ケトプロフェン 7

    L-カルボシステイン 5

    アルファカルシドール 5

    ランソプラゾール 5

    セフカペンピボキシル塩酸塩水和物 4

    ファモチジン 4

    エチゾラム 3

    ジクロフェナクナトリウム 3

    セフジトレンピボキシル 3

    フェルビナク 3

    ボグリボース 3

    アトルバスタチンカルシウム水和物 2

    アンブロキソール塩酸塩 2

    エナラプリルマレイン酸塩 2

    エバスチン 2

    エペリゾン塩酸塩 2

    ジフルプレドナート 2

    シルニジピン 2

    スルピリド 2

    セチリジン塩酸塩 2

    セファクロル 2

    センノシド 2

    プラバスタチンナトリウム 2

    プランルカスト水和物 2

    フルルビプロフェン 2

  • 【1】

    【2】

    【3】

    【4】

    【5】

    【6】

    【7】

    【8】

    一般名処方に関するヒヤリ・ハット

    薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業 平成24年年報 Ⅲ 薬局ヒヤリ・ハット事例の分析

    処方された医薬品の成分名の報告数では、「アムロジピンベシル酸塩」が23回と特に多かった。

    次いで「アロプリノール」が8回、「ケトプロフェン」が7回、「L-カルボシステイン」「アル

    ファカルシドール」「ランソプラゾール」が各5回であった。「アムロジピン」製剤は多くの規格・

    剤形および銘柄名が存在するため5)、ヒヤリ・ハットの報告数が多いことが考えられた。

    (ⅳ)処方された医薬品、間違えた医薬品の販売名の組み合わせ

    一般名処方の「薬剤取違え」「規格・剤形間違い」に関する事例において処方された医薬品、

    間違えた医薬品の組み合わせで、分析可能なものについて、医薬品の販売名及び主たる薬効等を

    整理して次に示す。なお間違えた医薬品についても参考までに一般名を示す。

    ―281―

    処方された医薬品の成分名 報告回数

    ブロチゾラム 2

    ヘパリン類似物質 2

    レバミピド 2

    一硝酸イソソルビド 2

    ※実際に処方された一般名であるとテキスト情報から判断できる医薬品を集計している。

  • 【1】

    【2】

    【3】

    【4】

    【5】

    【6】

    【7】

    【8】

    一般名処方に関するヒヤリ・ハット

    Ⅲ 薬局ヒヤリ・ハット事例の分析 薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業 平成24年年報

    ��

    ��

    ���

    ���

    ��

    � ��

    ���

    ���

    ���

    ���

    ���

    ���

    �����

    ������

    ��

    ��

    �������

    �������

    ���������

    ������

    ��

    ��

    �������

    �������

    ����������

    ����������

    ���������

    ��� �!"�#����

    �������

    $%&'(�#����

    ��� �!"�#����

    �������

    ")&�� �#����

    *+,+-. /�

    �0

    ��1

    � 2�321�

    ##4����

    1

    � 2�321� ##4����

    5678

    *+,+-. /�

    �0

    ��1

    � 2�321�

    ##4����

    9:�21� ##4����

    ��;

    %<��#���

    ;

    %<��#���5=>?@�8

    ��;

    %<��#���

    (

    !���#���

    *+,+ABCD�0��EFGH2 IJ�����

    ��KL!�MN�O

    2 %�����

    *+,+ABCD�0��EFGH2 IJ�����

    ��KL!�MN�O

    EFGH2 IJ�������5P

    Q8

    *+,+RSCD�0��?31!"THT�����

    ?31!"THT�����5%U$8*+,+RSCD�0��?31!"THT�����

    VU3������

    *+,+WXYZC

    D[\]^�0

    ��%��;I�THT_`a

    bc���4��

    d U� e���4��

    *+,+WXYZC

    D[\]^�0

    ��%��;I�THT_`a

    bc���4��

    %��;I�THTfe���4��

    5gh?8

    i%j�k[\e���- =>2 I"� 21

    � �l�

    ���- =>21� �

    i%j�k[\e���- =>2 I"� 21

    � �l�

    - =>;� 21� �l�

    m

    i%j;- =>21� �l�

    - =>;� 21� �l�

    i%j�n�Ki%

    j�n��opqrO���st

    j�������

    ��(� ����l�

    i%j�n�Ki%

    j�n#�opqrO

    ���st

    j�������

    ��st� ����l�

    u�vwx�

    ����:I"�#4��

    ��:g?"�#4��5gh?8

    u�vwx�

    ����:I"�#4��

    1 yz"�#4��

    1 yz"�#4��

    ��:g?"�#4��5gh?8

    {|}~R�

    ��@ 31;=�����

    9���

    {|}~R�

    ��@ 31;=�����

    @ 31;=�����58�

    ��;1;=���

    ��

    ;z�����

    ��;1;=���

    ��

    ;1;=�����

    58

    ��-�;� THT�

    #���

    -�3;��#���

    ��-�;� THT�

    #���

    �s t��#���

    ��2 I�?�I;'1

    �s3;�I;'1

    ��2 I�?�I;'1

    2 I�?�I;'1

    5%2%8

    ��2 I�?��������s�?�������

    ��2 I�?�������2 I�?�������5%?

    �8

    ���%������

    ��2 I�?��������s�?�������

    ��

    ������������������������ !"#

    ―282―

  • 【1】

    【2】

    【3】

    【4】

    【5】

    【6】

    【7】

    【8】

    一般名処方に関するヒヤリ・ハット

    薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業 平成24年年報 Ⅲ 薬局ヒヤリ・ハット事例の分析

    ��

    ��

    ���

    ���

    ��

    � ��

    ���

    ���

    ���

    ���

    ���

    ���

    �����

    ��

    ��

    ��������

    ����

    �������

    �����

    ��

    ��

    ��������

    ����

    ���� ��

    !

    ��"��#$��%&��

    '(����%&

    ��"��#$��%&��

    "��#$��%&��)*+�,

    !

    "��#$��%&��)*+�,

    '(����%&

    !

    ��-.*/"��"����

    !��

    0�1����!��

    ��-.*/"��"����

    !��

    02����!��

    !

    �345�

    ��'67#$�89:;<�

    =>?��

    @�A �BC�=>?��

    �345�

    ��'67#$�89:;<�

    =>?��

    '67#$�BC�=>?��)D�

    E�,

    !

    '67#$�BC�=>?��)F�

    +,

    !

    ��'67#$�89:;<�

    ���

    '67#$�BC����)F�

    +,

    ��'67#$�89:;<�

    ���

    @�A �BC����

    G

    ��'67#$��=>?��

    @�A ��=>?��

    ��'67#$��=>?��

    '67#$��=>?��)HIJK,!

    ��'67#$�����

    '67#�����

    ��'67#$�����

    '67#$�����)HIJK,!

    '67#$�����)LM,

    !

    @�A �����

    '67#$�����)NONP,G

    '67#$�����)HIJK,!

    '67#$�����)F�+,

    !

    '67#$�����)QRS,

    !

    ����#$�����T��

    U����T

    ����#$�����T��

    ��#$�����T��)QRS,!

    VW�XY�

    ��

    �A DZ�[\�%&���A7Z��%&

    VW�XY�

    ��

    �A DZ�[\�%&��

    �A DZ�[\�%&��)Z]�

    ^�,

    !

    ��

    �A DZ�[\�����A7Z���

    ��

    �A DZ�[\����

    �A DZ�[\����)*+

    �,

    !

    _`ab�cdef����'gh6�%?��

    �'gh6�%?��)iC,

    _`ab�cdef����'gh6�%?��

    �'gh6�%?��)F�+,

    !

    jklm�

    ��n"�I��%&&��

    ��Z��%&&��

    jklm�

    ��n"�I��%&&��

    n"��F�%&&

    !

    opqrs�6tuv

    wuxyzY{|}~��^JK�7�0

    ^�=?&

    ��

    HJ��0

    ^�=?&

    opqrs�6tuv

    wuxyzY{|}~��^JK�7�0

    ^�=?&

    ��

    HJ���0

    ^�=?&��

    !

    opqrs�6tu

    xc��U

    �2�

    yzY{|}~

    ����� 7��"�"7�

    Y%&

    ���"�-v-��"7�

    %&

    Y

    opqrs�6tu

    xc��U

    �2�

    yzY{|}~

    ����� 7��"�"7�

    Y%&

    ��� -��"7�

    %&

    Y!

    ―283―

  • 【1】

    【2】

    【3】

    【4】

    【5】

    【6】

    【7】

    【8】

    一般名処方に関するヒヤリ・ハット

    Ⅲ 薬局ヒヤリ・ハット事例の分析 薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業 平成24年年報

    ��

    ��

    ���

    ���

    ��

    � ��

    ���

    ���

    ���

    ���

    ���

    ���

    �������

    ��

    ����

    ������

    ������

    ����

    �������

    ��

    ����

    ������

    �������

    ������

    ���

    �!"�#$%&

    '()���

    �*

    +�,-()�

    ���

    �!"�#$%&

    '()���

    ��

    �!"�,-()���

    .�/0"1

    ��

    �!"�,-()���

    .2"31

    ���

    �!"�#$%&

    '(4���

    �*

    +�,-(4�

    ���

    �!"�#$%&

    '(4���

    ��

    �!"�,-(4���

    .�/0"1

    ��5678()����

    9:��()����

    ��5678()����

    �5678()����.;<;=1

    �5678()����.>3/1

    ?@�

    �@�<A(44���

    BC����(44���

    ?@�

    �@�D�(44���

    BC6�2(44���

    EFG�

    �HIJK�(���

    ��LM�(���

    EFG�

    �HIJK�(���

    HIJ�(���

    EN�

    ���O�H�PQ�@R(

    )S��

    P�O�+�()S��

    EN�

    ���O�H�PQ�@R(

    )S��

    PM�+�()S��

    TUVW�

    �X+

    M�"�()����

    X�

    +M�()����

    TUVW�

    �X+

    M�"�()����

    I/+M��()��

    X+H"9()����

    I/+M��()��

    Y

    X+

    M�"�()����.QZ"31

    I/+M��()��

    [

    I/+M��()��

    X+H"9()����

    ���\]+B+�(S���

    ^M�"9(S���

    ���\]+B+�(S���

    ��\]+B+�(S���._`a1�

    bcd��

    �eCMe"�#$%&'(

    �f4��gh/M��ij

    �/��,-(�f4

    bcd��

    �eCMe"�#$%&'(

    �f4��gh/M��ij

    eCMe"�,-(�f4��.*6

    �k1

    Y

    lmn��

    �X��+"�(����

    �������

    X���"�(��

    lmn��

    �X��+"�(����

    �������

    ��"6�(��

    op

    qr

    �������

    sttu��

    �vH!�9(���

    �������

    wx�(���

    sttu��

    �vH!�9(�f���

    �������

    wx�(�f���

    ���7M8()����

    �������

    ��B��()����

    �������y�j

    ���7M8(����

    ��B��(����

    z{|{X��}"

    �i

    �v5�H�#$%&'(~

    ��

    v5�H�,-(~��.1

    z{|{X��}"

    �i

    �v5�H�#$%&'()�

    ��

    v5�H�,-()���.1

    ��HMK�R@R()���

    �HMK�R@R()���.>3

    /1

    ��HMK�R@R#$%&

    '()���

    �HMK�R@R,-()���

    .>3/1

    ―284―

  • 【1】

    【2】

    【3】

    【4】

    【5】

    【6】

    【7】

    【8】

    一般名処方に関するヒヤリ・ハット

    薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業 平成24年年報 Ⅲ 薬局ヒヤリ・ハット事例の分析

    ��

    ��

    ���

    ���

    ��

    � ��

    ���

    ���

    ���

    ���

    ���

    ���

    �������

    ��

    ������

    �������

    �����

    ����

    �����������

    �������� �!!"��

    ����� �!!"�#$�

    �������� ����

    ��!%"��

    ����� ������!%"��

    �&'(�

    )*+*,-./-

    01

    ����2�3 �4����

    ��5����

    4678�����5��

    )*+*,-./-

    01

    ����2�3 �4��9:

    ����5����

    4678�;5��

    <=>?@ABC���D�EF��GH8���

    ���I�

    D�EFJ8������I�

    <=>?@ABC���D�EF��GH8���

    ���%"I�

    D�EFJ8������%"IK

    ���D�EF��GH8���I��D�EF��%�IK

    LMNOPQC

    ���D� D>RES�5��

    ��

    �JT8��5��

    LMNOPQC

    ���D� D>RES�!��

    ��

    D� D>RES�!����

    �UV�

    WX0C

    ���YD�J�Z[\W-�%�

    ]

    �^

    YD�J�Z[\W-�%�]�EF

    �_8�

    WX0C

    ���YD�J�Z[\W-�%5

    ]

    `a

    YD�J�Z[\W-�%5]�EF

    �_8�

    ���bcRdG\W-�%��"

    ]

    �^

    ��8ef\W-�%��"]

    ���bcRdG\W0�%��"

    ]bcRdG\W0�%��"]�f�

    8�ghi

    jklC

    ���DmJdn8�

    o

    p����q"��

    r2n�sa����q"��

    jklC

    ���DmJdn8�

    �"��

    r2n�s��"��

    �����tG����!"���r2 J�!"���

    �����tG����"������tG����"�����=�

    u8�

    �����tG����"����v��=�"����

    �����tG����!"���r2�w�!"���

    ,xyzC

    ���4T����{c��

    ��

    cf|8}�

    ,xyzC

    ���4T����{c��

    �!%"��

    cf|8}�!%"

    ����7��=Gcd��

    ��~��

    mJ�c��~

    ����7��=Gcd��

    ����

    mJ�c��

    ,-C

    ���6�0-�%5

    ]�������

    Y�H�HJ8G�%5]

    ,-C

    ���6��%5

    ]�������

    Y�H�HnE �%5]

    h

    ,C

    ���DrJ�b�

    !%"��

    DrJ�B�!%"��

    ,C

    ���DrJ�b�!%"��

    R�s���!%"��

    h

    R�s��B�!%"��

    ���DrJ�b�

    ��

    R�s��B�

    ��

    ���DrJ�b�

    ��

    DrJ�bB�

    ��� 8��

    ���DrJ�b�

    ��

    DrJ��

    ��

    ���DrJ�b�!%"��

    DrJ�b�!%"���Dv��

    DrJ�b�

    ���Dv��

    DrJ��!%"��

    DrJ��

    ��

    ―285―

  • 【1】

    【2】

    【3】

    【4】

    【5】

    【6】

    【7】

    【8】

    一般名処方に関するヒヤリ・ハット

    Ⅲ 薬局ヒヤリ・ハット事例の分析 薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業 平成24年年報

    ��

    ��

    ���

    ���

    ��

    � ��

    ���

    ���

    ���

    ���

    ���

    ���

    �������

    ��

    ������

    ��

    ����������

    ��

    �������

    �������

    �����������

    ��

    ��������

    �������

    ��� �!

    �����"�#$%�&''��

    �������

    ()*��&''

    ��� �!

    �����"�#$%+,�&''��

    �������

    ��(*�-�&''��

    ./012!

    ����3���45��

    ��

    �3���45��

    ���66�./012!

    ����3���45��&'��

    �3���45��&'���66��

    ���7���45��&'��

    89���&'

    ���7���45��

    ��

    89���

    :;<=!>�?@

    !�����A)��B��

    CDEF��B��

    :;<=!>�?@

    !�����A)��

    ��

    CDEF��

    ��

    ���G�5HI�JKLMN�

    '�

    ��

    D�O�F�P�'�

    ��

    ���G�5HI��'�

    ��

    DO�)Q�'�

    ��

    D�O�F��'�

    ��

    R0!

    ���3IST��#��

    '��

    3I��F���

    '��

    R0!

    ���3IST��#�

    ''��

    3IST��#�

    ''���UP�

    VWX2!

    ���Y�5ZH�"��[�#

    \�]�^W_

    '̀�

    abc2

    Y�EQA^W_

    '̀�

    abc2

    VWX2!

    ���Y�5ZH�"��[�#

    \�]�^W_

    '̀��dbc2

    Y�EQA^W_

    '̀��dbc2

    efg�hI�ijk

    ljmno2pqrs���CYZt��uT7�v#

    v�w

    ��

    Y�xy���w

    ��

    efg�hI�ijk

    ljmno2pqrs���CYZt��uT7�v#

    v�&''��

    CYZt��uT7�v#v�

    &''�������

    z{j|}2!

    ���~5��Z"C�w

    ��

    ~5�Z"C�w

    z{j|}2!

    ���~5���w

    ��

    �7���w

    ��

    ���Yx5��JKLMN�

    &'��

    �9Q3P�&'��

    ���Yx5��JKLMN�

    �'��

    �9Q3P��'��

    ���Yx5���&'��

    Yx5���&'�����

    ���Yx5��JKLMN�

    �'��

    Yx5��P��'�������

    ���Yx5����'��

    Yx5����'�����

    ���Yx5����'��

    �4Q��'��

    ���Yx5��JKLMN�

    �'��

    �8Q�P��'��

    ���I�"IHQ�JKLM

    N�&

    ��

    I�"IHQ�P�&

    ��

    �P�

    ���I�"IHQ�Z"C�

    &

    ��

    4�"�3�Z"C�&

    ��

    B

    <><>>

    z!

    �����O47��

    ��EFy3��

    <><>>

    z!

    �����O47��8Q��

    ��EFy3�8Q��

    ���*3"�Y�]Q"�'��

    &'�

    xQI�]Q"�'��

    ���*3"�Y�)y"'��

    &'&�

    xQI�)y"'��

    B

    ���*3"�Y�]Q"'��

    &'&�

    xQI�]Q"'��

    ���*3"�Y�]Q"�'��

    &'�

    xQI�]Q"�'��

    B

    ���*3"�Y�)y"a'��

    �'&�

    xQI�)y"a'��

    ���*3"�Y�]Q"'��

    &'&�

    xQI�]Q"'��

    ―286―

  • 【1】

    【2】

    【3】

    【4】

    【5】

    【6】

    【7】

    【8】

    一般名処方に関するヒヤリ・ハット

    薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業 平成24年年報 Ⅲ 薬局ヒヤリ・ハット事例の分析

    ��

    ��

    ���

    ���

    ��

    � ��

    ���

    ���

    ���

    ���

    ���

    ���

    �������

    ���

    ��

    ����������������

    ���

    �������

    �������

    ���

    ��

    � ���!���������

    ���

    ��� ��

    "

    �������

    ���#$%

    "&

    ��'()��*+)"&

    �������

    ����,�

    -"&

    ����

    .,/-�,�

    -"&01�.�2

    "

    ������3���)45�

    �������������

    678945�����

    ������3���)

    ��

    ����������������

    :�;)

    ������

    <

    �����3

    �45�=���

    ������������

    >�'5?45�=�

    �����3

    ��=���

    ������������

    9@�

    ��=���

    <

    ABC$D

    ���E�F,�?)GHIJK

    LMNO ���������

    P*�

    LMNO ��

    ABC$D

    ���E�F,�?)GHIJK

    LO ���������

    P*�

    LO ��

    "

    ���F,QR,SL�N ���

    ������

    ET,���N ��L

    ���F,QR,SL"���

    ������

    F,QR,SL"��0UVW2

    "

    ����F,��9XYZ[\L

    �NO���������

    ]W9)^_L�NO

    ����F,��9XYZ[\L

    �N����������

    ]W9)^_L�N�

    "

    `a

    b

    �����

    cdedE(�f�

    $g

    ���h;9?)L����

    h;9

    �L����

    cdedE(�f�

    $g

    ���hR

    9?)KJKL����E�R�SL��

    "

    cdedijkl$

    g���W�)����mnJK

    LO���

    h)>�)LO���

    opD

    ���]'q9?)Q*�JKL

    r��

    Q,9�)Lr��

    "

    stouvwD

    �������

    ���LO ����'()LO ��

    xyz{D

    ���Q*�J|(}~U*)L

    O����

    5�LO����

    "

    D

    ���JW�3SLO���EW.���LO���

    D

    ���JW�3SLO�

    ��

    �8)S�LO���

    <

    ���JW�3S

    ����

    ��

    �8)S�

    ������

    ���.�F,>,)

    ��

    ����N� ��N ����

    @,9

    ����

    "

    $D

    ���E.�;9'?)L����

    ,R.��L����

    $D

    ����8;9'?)��L����Q;�?)L��

    "

    oDzGD����864-L"��

    1�4)L�N���

    oDzGD�����Q'64-L"��

    h;@��L�N�

    "

    F8-

    {$

    d

    ���>���� ¡O�&

    >���� ¡O�&0T�¢2F8-

    {$

    d

    ���E£~**,) ¡O�&

    VWS*,) ¡O��

    "

    ���>�¤¥)R�~*�KJ

    KL�����

    >�¤¥)R�~*�KJKL

    �����0UVW2

    ���>��.()R�~*�L

    �����

    >��.()R�~*�L�����

    0UVW2

    "

    >�¤¥)R�~*�KJKL

    �����0.�V2

    >��.()R�~*�L�����

    0UVW2

    "

    ��£5�9L�����

    ���>���¤�>������>�¦)¤�>������

    "

    ―287―

  • 【1】

    【2】

    【3】

    【4】

    【5】

    【6】

    【7】

    【8】

    一般名処方に関するヒヤリ・ハット

    Ⅲ 薬局ヒヤリ・ハット事例の分析 薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業 平成24年年報��

    ��

    ���

    ���

    ��

    � ��

    ���

    ���

    ���

    ���

    ���

    ���

    �������

    ��

    ���

    ����

    ���������������

    �������

    ��

    �� !

    �����

    �"#$�%��������&'

    (

    �������

    ��

    ��)

    ���&'

    �������)���&'

    ������*��+�����&'��,

    �+�����&'

    (

    �����-.

    �/+"

    �0

    �)���&'

    12��3

    )���&'

    (

    ������*������

    ��,

    ��������

    �������

    ��

    ���

    ����

    ���������������

    (

    45678�9

    ���:*0�

    );<&'

    :*=$�);<

    45678�9

    ���*=0�

    );<&'

    ��>

    );<&'

    (

    ���:?+:,@�AB)��&':?+:,@�AB)

    ���:

    C+:,@�DEFG

    H)�<&'

    :

    C+:,@�IJ)�

  • 【1】

    【2】

    【3】

    【4】

    【5】

    【6】

    【7】

    【8】

    一般名処方に関するヒヤリ・ハット

    薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業 平成24年年報 Ⅲ 薬局ヒヤリ・ハット事例の分析

    同一成分、同一規格・剤形だが、銘柄を取違えた事例を「銘柄間違い」、銘柄に関わらず規格・

    剤形を取違えた事例を「規格・剤形間違い」、異なる成分の医薬品を取違えた事例を「成分間違

    え」とし、事例を分類した。

    「銘柄間違い」では、56通りの組み合わせで、計64件の報告があった。処方された医薬品の主

    たる薬効別では、「血管拡張剤」が11通り13件、「消化性潰瘍用剤」が6通り6件、「痛風治療剤」

    が5通り9件と多く報告されていた。処方された一般名の成分別では「アムロジピン」が10通り

    12件、「アロプリノール」が4通り8件と多く報告されていた。

    「規格・剤形間違い」では、51通りの組み合わせで、計58件の報告があった。処方された医薬

    品の主たる薬効別では、「鎮痛、鎮痒、収斂、消炎剤」が8通り12件、「血管拡張剤」が7通り8

    件、「消化性潰瘍用剤」が6通り7件と多く報告されていた。「鎮痛、鎮痒、収斂、消炎剤」は全

    て外用薬であり、「テープ」「パップ」「ゲル」「クリーム」「ローション」などの様々な剤形が存

    在するため、取違いを生じ易いと考えられた。処方された一般名の成分別では「アムロジピン」

    が7通り8件と多く報告されていた。

    「成分間違い」では、28通りの組み合わせで、計30件の報告があった。処方された医薬品の主

    たる薬効別では、「主としてグラム陽性・陰性菌に作用するもの」が8通り8件、「鎮痛、鎮痒、

    収斂、消炎剤」が7通り8件と多く報告されていた。成分として特に多く報告されたものはなかっ

    たが、「主としてグラム陽性・陰性菌に作用するもの」ではセフェム系抗生剤が報告のほとんど

    を占めており、「セフ」から始まる名称類似の要素があると考えられた。

    主たる薬効が異なる医薬品を取違えた事例は、医薬品を使用した際の患者への影響が大きいと

    考えられることから、医薬品の組み合わせを改めて次に示す。

    図表6-11 主たる薬効が異なる医薬品の組み合わせ

    ―289―

    処方された医薬品 間違えた医薬品

    主たる薬効 一般名 販売名 主たる薬効 一般名 販売名

    精神神経用剤 【般】スルピリド錠100mg(ハイリスク薬)

    ベタマック錠100mg

    消化性潰瘍用剤注)

    【般】スルピリド錠50mg

    ベタマック錠50mg

    その他の循環器官用薬

    【般】イフェンプロジル酒石酸塩錠20mg

    エンセロン錠20mg

    鎮暈剤 【般】ベタヒスチンメシル酸塩錠6mg

    メリスロン錠6mg

    解熱鎮痛消炎剤 【般】ジクロフェナクNa錠25mg

    ボルタレン錠25mg

    合成抗菌剤 【般】メシル酸ガレノキサシン錠200mg

    ジェニナック錠200mg

    鎮けい剤 【般】エペリゾン塩酸塩錠50mg

    ミオナール錠50mg

    骨格筋弛緩剤 【般】クロルフェネシンカルバミン酸エステル錠250mg

    リンラキサー錠250mg

    鎮けい剤 【般】エペリゾン塩酸塩錠50mg

    ミオナール錠50mg

    消化性潰瘍用剤 【般】レバミピド錠100mg

    レバミピド錠100mg「ケミファ」

  • 【1】

    【2】

    【3】

    【4】

    【5】

    【6】

    【7】

    【8】

    一般名処方に関するヒヤリ・ハット

    Ⅲ 薬局ヒヤリ・ハット事例の分析 薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業 平成24年年報

    さらに図表6-11の医薬品取違えの内容を次に示す。一般名と一般名の名称類似、一般名と販

    売名の名称類似、薬効の思い込みなどの事例が報告されていた。

    ―290―

    処方された医薬品 間違えた医薬品

    主たる薬効 一般名 販売名 主たる薬効 一般名 販売名

    鎮痛、鎮痒、収斂、消炎剤

    【般】ベタメタゾン・ゲンタマイシン配合軟膏

    デルモゾールG軟膏

    痔疾用剤 【般】ヒドロコルチゾン・フラジオマイシン等配合軟膏

    ヘモレックス軟膏

    不整脈用剤 【般】アロチノロール塩酸塩錠5mg(ハイリスク薬)

    アルマール錠5 痛風治療剤 【般】アロプリノール錠100mg

    アロシトール錠100mg

    利尿剤 【般】トリクロルメチアジド錠1mg

    フルイトラン錠1mg

    血圧降下剤 【般】インダパミド錠1mg

    ナトリックス錠1

    注:スルピリドは投与量によって適応症の一部が異なる。

    【事例1】注)

    ○処方された医薬品

    【般】スルピリド錠100

    mg

    (ベタマック錠100mg)

    ○間違えた医薬品

    【般】スルピリド錠50mg

    (ベタマック錠50mg)

    (事例の内容)

    一般名処方で規格変更を見落としてしまった。

    (背景・要因)

    記載なし

    (改善策)

    記載なし

    【事例2】

    ○処方された医薬品

    【般】イフェンプロジル

    酒石酸塩錠20mg

    (エンセロン錠20mg)

    ○間違えた医薬品

    【般】ベタヒスチンメシ

    ル酸塩錠6mg

    (メリスロン錠6mg)

    (事例の内容)

    エンセロン錠が一般名で処方されており、誤って同じめまい薬であるメリス

    ロン錠を調剤してしまった。

    (背景・要因)

    記載なし

    (改善策)

    一般名で記載されている医薬品について、記載されている横に、鉛筆で商品

    名を記載するようにした。

    【事例3】

    ○処方された医薬品

    【般】ジクロフェナク

    Na錠25mg

    (ボルタレン錠25mg)

    ○間違えた医薬品

    【般】メシル酸ガレノキ

    サシン錠200mg

    (ジェニナック錠200mg)

    (事例の内容)

    一般名「ジクロフェナクナトリウム」で処方されていたところ、「ジェニナッ

    ク錠200mg」で調剤してしまった。

    (背景・要因)

    一般名処方であることに気づかず、名前が似ていたため取り間違えてしまっ

    た。

    (改善策)

    記載なし

  • 【1】

    【2】

    【3】

    【4】

    【5】

    【6】

    【7】

    【8】

    一般名処方に関するヒヤリ・ハット

    薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業 平成24年年報 Ⅲ 薬局ヒヤリ・ハット事例の分析

    ―291―

    【事例4】

    ○処方された医薬品

    【般】エペリゾン塩酸塩

    錠50mg

    (ミオナール錠50mg)

    ○間違えた医薬品

    【般】クロルフェネシン

    カルバミン酸エステル錠

    250mg

    (リンラキサー錠250mg)

    (事例の内容)

    処方せんを見てピッキング。一般名処方のミオナール「エペリゾン錠50mg」

    を、思い込みでリンラキサーで取った。他の薬剤師の指摘により、間違いに気

    がついた。

    (背景・要因)

    ピッキングの後の薬情との再確認を怠った。

    (改善策)

    ピッキング後の再確認を徹底する。

    【事例5】

    ○処方された医薬品

    【般】エペリゾン塩酸塩

    錠50mg

    (ミオナール錠50mg)

    ○間違えた医薬品

    【般】レバミピド錠100mg

    (レバミピド錠100mg

    「ケミファ」)

    (事例の内容)

    エペリゾン処方の所、レバミピド調剤・鑑査モレ

    (背景・要因)

    記載なし

    (改善策)

    記載なし

    【事例6】

    ○処方された医薬品

    【般】ベタメタゾン・ゲ

    ンタマイシン配合軟膏

    (デルモゾールG軟膏)

    ○間違えた医薬品

    【般】ヒドロコルチゾン・

    フラジオマイシン等配合

    軟膏

    (ヘモレックス軟膏)

    (事例の内容)

    デルモゾールG(ベタメタゾン・ゲンタマイシン配合軟膏)を10g(5g×

    2本)処方のところ、ヘモレックス軟膏(ヒドロコルチゾン・フラジオマイシ

    ン等配合軟膏)を10g(2g×5本)で調剤。鑑査で発見。

    (背景・要因)

    一般名処方で長い名前の配合軟膏が偶数gだったためヘモレックスだと思

    い込んで調剤。 遠くから処方せんをのぞきこんで判断してしまったため間違

    いに気付かなかった。

    (改善策)

    処方せんが手元にきた時点で再確認をする。

    【事例7】

    ○処方された医薬品

    【般】アロチノロール塩

    酸塩錠5mg

    (アルマール錠5)

    (ハイリスク薬)

    ○間違えた医薬品

    【般】アロプリノール錠

    100mg

    (アロシトール錠100mg)

    (事例の内容)

    【般】アロチノロール塩酸塩錠5mgの処方を【般】アロプリノール錠と読

    み間違え、アロシトール錠100mgを調剤し鑑査した薬剤師も気付かずに投薬。

    一ヶ月後に受診された際に、前回から薬が変わっていたと医師に話したこと

    により発覚。患者さんは一ヶ月間誤って調剤したアロシトールを服用し、本来

    調剤すべきだったアルマールを服用してなかった。

    (背景・要因)

    調剤する際に一般名処方は必ず薬歴を確認することにしているが、調剤した

    薬剤師がそれを怠った。 アルマール錠5mgはこの患者さんにしか出ていな

    いので思い込みをしたと思われる。 また、鑑査した薬剤師も薬歴を十分に見

    ずに投薬したものと思われる。

    (改善策)

    薬局内の決め事を順守する。 薬歴に【般】アロチノロール塩酸塩錠5mg

    はアルマール錠5mgであることを大きく記載。 アルマール錠5mgの棚に注

    意喚起する貼紙をした。

  • 【1】

    【2】

    【3】

    【4】

    【5】

    【6】

    【7】

    【8】

    一般名処方に関するヒヤリ・ハット

    Ⅲ 薬局ヒヤリ・ハット事例の分析 薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業 平成24年年報

    (ⅴ)異なる成分の一般名同士の名称類似

    異なる成分の一般名の医薬品を取違えた事例のうち、一般名の音韻から、取違えの要因として

    名称類似が考えられる一般名の組み合わせを以下に整理して示す。「主たる薬効」が異なる医薬

    品の組み合わせは太字で表記した。

    図表6-12 異なる成分の一般名同士の名称類似の組み合わせおよび主たる薬効

    ―292―

    【事例8】

    ○処方された医薬品

    【般】トリクロルメチア

    ジド錠1mg

    (フルイトラン錠1mg)

    ○間違えた医薬品

    【般】インダパミド錠1

    mg

    (ナトリックス錠1)

    (事例の内容)

    一般名処方でトリクロルメチアジド錠1mgと記載されていたのを、ナトリッ

    クス1mgと思いこみ調剤・投薬した。薬歴入力時に気が付き、TELして交

    換へ。

    (背景・要因)

    数分前に他の患者への調剤ミスに気が付き、気持ちが動転していた。処方日

    数が90日分で長く数の確認に意識が偏っていた。投薬時からなんとなく違和感

    があったが、十分に薬歴を確認しないで渡してしまった。

    (改善策)

    一般名処方の医薬品の確認の徹底をする。必ず調剤時は薬歴の確認をする。

    注:スルピリドは投与量によって適応症の一部が異なる。

    一般名 主たる薬効 一般名 主たる薬効

    【般】アロチノロール塩酸塩錠5mg(ハイリスク薬)

    不整脈用剤 【般】アロプリノール錠100mg

    痛風治療剤

    【般】一硝酸イソソルビド錠20mg

    血管拡張剤 【般】硝酸イソソルビド徐放錠20mg

    血管拡張剤

    【般】アトルバスタチン錠10mg

    高脂血症用剤 【般】プラバスタチンNa錠10mg

    高脂血症用剤

    【般】ラニチジン錠75mg 消化性潰瘍用剤 【般】ニザチジン錠75mg 消化性潰瘍用剤

    【般】ラベプラゾールNa錠10mg

    消化性潰瘍用剤 【般】ランソプラゾール口腔内崩壊錠15mg

    消化性潰瘍用剤

    【般】クロベタゾン酪酸エステル軟膏0.05%

    鎮痛、鎮痒、収斂、消炎剤

    【般】クロベタゾールプロピオン酸エステル軟膏0.05%

    鎮痛、鎮痒、収斂、消炎剤

    【般】ジフルプレドナート軟膏0.05%

    鎮痛、鎮痒、収斂、消炎剤

    【般】ジフルコルトロン吉草酸エステル軟膏0.1%

    鎮痛、鎮痒、収斂、消炎剤

    【般】亜鉛華単軟膏20% 鎮痛、鎮痒、収斂、消炎剤

    【般】亜鉛華軟膏 鎮痛、鎮痒、収斂、消炎剤

    【般】ケトプロフェンテープ40mg(10×14cm非温感)

    鎮痛、鎮痒、収斂、消炎剤

    【般】フルルビプロフェンパップ40mg(10×14cm)

    鎮痛、鎮痒、収斂、消炎剤

    【般】ケトプロフェンテープ40mg(10×14cm非温感)

    鎮痛、鎮痒、収斂、消炎剤

    【般】フルルビプロフェンテープ40mg(10×14cm非温感)

    鎮痛、鎮痒、収斂、消炎剤

  • 【1】

    【2】

    【3】

    【4】

    【5】

    【6】

    【7】

    【8】

    一般名処方に関するヒヤリ・ハット

    薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業 平成24年年報 Ⅲ 薬局ヒヤリ・ハット事例の分析

    主たる薬効の組み合わせをみると、「鎮痛、鎮痒、収斂、消炎剤」と「主としてグラム陽性・

    陰性菌に作用するもの」の医薬品の組み合わせが多かった。「主としてグラム陽性・陰性菌に作

    用するもの」は全てセフェム系抗生物質製剤であり、「セフ」から始まる一般名の名称の類似で

    あった。また「鎮痛、鎮痒、収斂、消炎剤」は全て外用薬であった。

    主たる薬効が異なる組み合わせは「【般】アロチノロール塩酸塩錠5mg」(不整脈用剤)と

    「【般】アロプリノール錠100mg」(痛風治療剤)の1通りであった。

    ―293―

    一般名 主たる薬効 一般名 主たる薬効

    【般】エバスチン錠10mg その他のアレルギー用薬 【般】エピナスチン塩酸塩錠10mg

    その他のアレルギー用薬

    【般】セフジニル細粒10%

    主としてグラム陽性・陰性菌に作用するもの

    【般】セフジトレンピボキシル細粒10%

    主としてグラム陽性・陰性菌に作用するもの

    【般】セフジトレンピボキシル細粒10%

    主としてグラム陽性・陰性菌に作用するもの

    【般】セフカペンピボキシル塩酸塩細粒10%

    主としてグラム陽性・陰性菌に作用するもの

    【般】セフジトレンピボキシル錠100mg

    主としてグラム陽性・陰性菌に作用するもの

    【般】セフポドキシムプロキセチル錠100mg

    主としてグラム陽性・陰性菌に作用するもの

    【般】セフジトレンピボキシル錠100mg

    主としてグラム陽性・陰性菌に作用するもの

    【般】セフジニルカプセル100mg

    主としてグラム陽性・陰性菌に作用するもの

    【般】セフカペンピボキシル塩酸塩錠100mg

    主としてグラム陽性・陰性菌に作用するもの

    【般】セフジニルカプセル100mg

    主としてグラム陽性・陰性菌に作用するもの

    【般】セフカペンピボキシル塩酸塩錠100mg

    主としてグラム陽性・陰性菌に作用するもの

    【般】セフジトレンピボキシル錠100mg

    主としてグラム陽性・陰性菌に作用するもの

  • 【1】

    【2】

    【3】

    【4】

    【5】

    【6】

    【7】

    【8】

    一般名処方に関するヒヤリ・ハット

    Ⅲ 薬局ヒヤリ・ハット事例の分析 薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業 平成24年年報

    (ⅵ)「実施なし」で済んだ理由

    ヒヤリ・ハット事例では、件数は少ないが、何らかの仕組みや個人の知識、注意が機能して、

    誤った医薬品を交付せずに済んだ理由が記載されている事例がある。図6-6で示したように、

    一般名処方の「調剤」に関する事例の「薬剤取違え」「規格・剤形間違い」の事例のうち、実施

    なしの事例は86件であった。そのうち、実施せずに済んだ理由が記載されていた事例は38件であっ

    た。そこで、その理由を整理したところ、薬局内の他のスタッフ(薬剤師、事務員、実習生)か

    らの指摘で発見した、鑑査で間違いを発見したという事例が多く、その他には、交付時に発見し

    た事例などがあった。

    実施せずに済んだ理由が記載されていた主な事例を以下に示す。

    ―294―

    【事例1】薬剤師の指摘で発見した事例

    ○処方された医薬品

    【般】フェルビナクパッ

    プ70mg(10×14cm非

    温感)

    (セルタッチパップ70)

    ○間違えた医薬品

    【般】フェルビナクテー

    プ70mg(10×14cm非

    温感)

    (スミルテープ70mg)

    (事例の内容)

    一般名処方:フェルビナクパップ70mg(非温感)の処方せんがきた。パップ

    処方にも関わらず、勝手にスミルテープ70mgで入力した。薬剤師の指摘によ

    り、シップの枚数(21枚)からセルタッチパップ70mgの間違いであることが

    判明した。

    (背景・要因)

    一般名処方:フェルビナクパップ70mg(非温感)とフェルナビクテープ70

    mg(非温感)が区別しづらくなっている。しかも、テープ剤はセルタッチテー

    プとスミルテープ70mgとどちらも採用があり、包装枚数でしか区別できない。

    (改善策)

    採用薬を把握し、前回処方と確認しながら入力する。医療機関側と採用薬と

    処方名とを再確認する。

    【事例2】実習生の指摘で気付いた事例

    ○処方された医薬品

    【般】フェルビナク軟膏

    3%

    (スミルスチック3%)

    ○間違えた医薬品

    【般】サリチル酸メチル・

    グリチルレチン酸等配合

    軟膏

    (スチックゼノールA)

    (事例の内容)

    一般名処方でスミルスチックが処方されていたが、間違えてスチックゼノー

    ルを用意した。

    (背景・要因)

    フェルビナク軟膏3%は商品名だとどの薬にあたるのかを確認せず、なんと

    なく用意。1本あたりの量も同じだったため、スチックゼノールだと思い込ん

    でしまった。用意したあと、処方内容を調べていた実習生に指摘される。

    (改善策)

    処方せんが一般名できたら、商品名を必ず調べる習慣をつける。(外部から

    の見慣れない処方せんについては特に注意)

    【事例3】交付時に患者が気付いた事例

    ○処方された医薬品

    【般】ヘパリン類似物質

    外用液0.3%

    (ヒルドイドローション

    0.3%)

    ○間違えた医薬品

    【般】ヘパリン類似物質

    軟膏0.3%

    (ヒルドイドソフト軟膏

    0.3%)

    (事例の内容)

    ヘパリン類似物外用液25gという一般名処方のところ、ヒルドイドソフト軟

    膏25gを調剤し、投薬を開始していた。

    患者本人が気付き、投薬薬剤師が処方せんを再確認したところで、発見。

    (背景・要因)

    安易に「ヘパリン類似物~」・「25g」というキーワードからヒルドイドソフ

    ト軟膏25gを調剤、レセコン入力してしまった。

    その他数種類、一般名外用剤が処方されており、そちらにも気を取られた。

    (改善策)

    複数種類ある外用剤の一般名処方は細かく見落とさない事が大切。

    注意深く確認する。

  • 【1】

    【2】

    【3】

    【4】

    【5】

    【6】

    【7】

    【8】

    一般名処方に関するヒヤリ・ハット

    薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業 平成24年年報 Ⅲ 薬局ヒヤリ・ハット事例の分析

    (ⅶ)「共有すべき事例」で取り上げた一般名処方の薬剤取違え、規格・剤形間違いに関する事例

    本事業では、特に重要で周知すべきと考えられる事例を「共有すべき事例」6)として、総合評

    価部会の委員による「事例のポイント」を付して公表している。その事例の中に、一般名処方の

    薬剤取違え、規格・剤形間違いに関する事例が取り上げられているので、改めて紹介する。

    ―295―

    【事例4】鑑査で気がついた事例

    ○処方された医薬品

    【般】ベンズブロマロン

    錠25mg

    (ユリノーム錠25mg)

    ○間違えた医薬品

    【般】ベンズブロマロン

    錠25mg

    (ベンズブロマロン錠25

    mg「日医工」)

    (事例の内容)

    一般名処方の患者。後発品を一部使用しているので、先発品を後発品に変更

    する際、前回までに使用していない、ベンズブロマロン錠25mgも変更してし

    まった。鑑査した薬剤師により指摘され、間違いに気がついた。

    (背景・要因)

    後発品希望の患者であっても、採用後発品すべてを変更していない。患者ご

    とに後発品の変更に関しては、前回処方を確認するか、患者本人に確認をとっ

    てから変更する。

    (改善策)

    後発品変更希望の患者は必ず前回処方を参考にしてから変更する。

    共有すべき事例(事例番号 : 000000024862)「バーコード入力に関する事例」

    事例の内容等

    (事例の内容)

    一般名処方「アムロジピン口腔内崩壊錠2.5mg」記載の処方せんを、二次元バーコードで読み取る際、

    払出の多い「ノルバスクOD錠2.5mg」ではなく、「アムロジンOD錠2.5mg」に以前から置き換えられて

    いた。それに気付かず取り込み、前回処方と確認している際に、ノルバスクOD錠であることに気づき、

    すぐ様、手入力でノルバスクOD錠に変更する際、規格を2.5mgでなく、5mgで入力してしまった。薬

    剤師より指摘され、間違いに気がついた。

    (背景・要因)

    一般名処方をバーコードで取り込む際の取り決めを当初からきちんと行っていなかった。

    (薬局が考えた改善策)

    一般名処方をとりあえず払出の多い併売品に置き換えておくように内規を見直す。

    事例のポイント

    ●バーコードシステムを用いているが、その運用手順に不備があった事例である。

    ●システム化が進む中で、定例的に進める作業手順よりも、むしろ例外事項についての手順こそ真っ先に

    整備することが望ましい。

    ●システムが全てをカバーしているという安易な前提に立つことがないようにすべきである。

  • 【1】

    【2】

    【3】

    【4】

    【5】

    【6】

    【7】

    【8】

    一般名処方に関するヒヤリ・ハット

    Ⅲ 薬局ヒヤリ・ハット事例の分析 薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業 平成24年年報

    ―296―

    共有すべき事例(事例番号 : 000000025527)「先発品・後発品の取違えに関する事例」

    事例の内容等

    (事例の内容)

    一般名処方のアムロジピン錠5mgを調剤する際、患者希望のアムロジン錠5mgを調剤しなければな

    らないが、アムロジピン錠5mgを調剤し、鑑査でも間違いを見つけることができず、患者に渡してしま

    い、患者本人からの連絡でミスに気付いた。

    (背景・要因)

    処方せんの確認を怠った。患者情報で、自宅の電話しか聞いておらず、直ぐに連絡が取れなかった。

    (薬局が考えた改善策)

    一般名処方の薬について、先発品・後発品希望の確認、調剤する薬を記載するなどして、見落とさない

    ようにする。

    事例のポイント

    ●本年度から一般名処方を採用する医療機関が増えている。

    ●一般名で表示された医薬品の取り間違いを防止する方策が求められる。

    共有すべき事例(事例番号 : 000000027101)「セフェム系抗生剤の取違えの事例」

    事例の内容等

    (事例の内容)

    歯科医院からの一般名処方で調剤

    【般】セフジトレンピボキシル〔100mg・錠〕(100mg 1錠)3錠/分3 毎食後服用3日分

    【般】アセトアミノフェン〔200mg・錠〕(200mg 1錠)2錠/疼痛時服用 3回分

    一般名処方の抗生物質がセフゾンカプセル100mgで調剤されており、鑑査時にセフゾンの一般名と異

    なることに気づき再調剤として、過誤には至らなかった。

    (背景・要因)

    薬剤師経験が1年3ヶ月の薬剤師が処方受付から調剤までを担当していた。昨日より胃腸炎で服薬しな

    がら勤務していたことも影響があったかもしれない。

    セフェム系の抗生物質が処方されていることは確認していたが、一般名と商品名の照らし合わせが不十

    分だったと思われる。レセコンの入力が一般名からの入力であり、鑑査時に別の薬剤で入力され、調剤さ

    れていたことに気づいたため、過誤を回避することができた。レセコンの入力は医療事務が担当したが、

    受付した薬剤師よりセフゾンカプセル100mgで調剤すると伝達があったため、一般名処方の入力をセフ

    ジニルで入力していたことも問題がある。

    (薬局が考えた改善策)

    一般名処方の場合には、在庫している薬品との照合には薬価本等でまちがいがないことを十分確認する

    よう申し合わせを行う。在庫のローケーションのインデックスや薬品の保管場所にも商品名だけでなく一

    般名がわかるように整備する。

    医療事務による入力ミスが過誤へつながることがあるため、薬剤師が入力の確認を怠ったことが主なる

    要因ではあるが、医療事務職員にも一般名と調剤する商品名が合致しない場合には確認すべきであること

    を周知して、過誤の防止に努める。

    事例のポイント

    ●セフェム系の抗生物質は一般名が類似している場合があるため、入力時、調剤時に注意が必要である。

    ●ジェネリック医薬品名が「一般名+会社名」になっているものは比較的間違いが起こりにくいが、多く

    の先発医薬品名は一般名が想像できない名称のものもあり、一般名処方により先発医薬品を調剤する場

    合は特に注意が必要である。

    ●薬品棚に商品名と一般名を明記する等の対応が求められる。

  • 【1】

    【2】

    【3】

    【4】

    【5】

    【6】

    【7】

    【8】

    一般名処方に関するヒヤリ・ハット

    薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業 平成24年年報 Ⅲ 薬局ヒヤリ・ハット事例の分析

    ―297―

    共有すべき事例(事例番号:000000027353)「フルルビプロフェン貼付剤取違えの事例」

    事例の内容等

    (事例の内容)

    一般名処方の処方せんを入力時に同じ一般名のゼポラスパップ40mgとヤクバンテープ40mgを入力ミ

    ス。それに気付かず実習生が調剤し、鑑査者も見逃した。次回来局時に患者から前の湿布が違ったからと

    訴えがあり、謝罪の上正しい薬をお渡しした。

    (背景・要因)

    一般名処方での外用、特に湿布は同じ一般名が多くミスが起こりやすい。入力する事務へのミスしやす

    い薬剤の注意喚起も必要と思われる。

    (薬局が考えた改善策)

    一般名処方での間違い易い処方について朝礼にて報告。今回のゼポラスとヤクバンテープは過誤はおこっ

    てなくても、ヒヤリハットは多数報告されているため注意が必要と思われる。

    事例のポイント

    ●フルルビプロフェン貼付剤の取違えの事例である。

    ●外用薬は同じ成分を含有する医薬品が多いので、一般名処方の機会も多くなる。そこで、外用薬の一般

    名処方では規格、剤形の確認が重要である。

    共有すべき事例(事例番号:000000028263)「セフェム系抗生剤の取違えの事例」

    事例の内容等

    (事例の内容)

    一般名:セフジトレンピボキシルのところ、セフポドキシムプロキセチルのバナセファン錠100mgで

    調剤してしまった。

    (背景・要因)

    知識不足であった。

    似た一般名なので思い込みをしてしまった。

    (薬局が考えた改善策)

    該当薬については、薬の入っているケースに一般名を貼りつけた。

    その他の薬に関しては、取り急ぎ、「一般名処方時、調剤者が必ず、箱などで一般名も確認をする」と

    いうように決めました。

    事例のポイント

    ●セフェム系の抗生物質の一般名には類似したものが多く、ミリ数も同じであることから、 多くのヒヤ

    リ・ハットが生じている。

    ●知識不足や、注意鑑査の不足等で、引き起こす可能性が高い。

    ●薬局で採用している医薬品だけでなく、抗生物質の一般名の勉強会などを薬局の安全研修などで実施し、

    薬剤師、入力補助の事務員等で再確認するなどの対策が必要である。

    共有すべき事例(事例番号:000000028235)「セフェム系抗生剤の取違えの事例」

    事例の内容等

    (事例の内容)

    一般名処方による調剤時の類似名称医薬品の間違い。

    (背景・要因)

    同じ患者への衛生用品(ガーゼ等)の販売を先に行いそのまま服薬指導を行い、鑑査を怠った。

    (薬局が考えた改善策)

    服薬指導が終わってから衛生用品の販売を行う。

  • 【1】

    【2】

    【3】

    【4】

    【5】

    【6】

    【7】

    【8】

    一般名処方に関するヒヤリ・ハット

    Ⅲ 薬局ヒヤリ・ハット事例の分析 薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業 平成24年年報

    (ⅷ)薬局から報告された主な改善策

    薬局から報告された改善策のうち、主なものを整理して以下に示す。

    ① 新たな内規等の導入

    ○処方せん上に既にブランド名で記載されている後発医薬品および先発医薬品または一般名称

    から後発医薬品に変更して調剤する場合には、薬剤師または事務員がその頭の部分を鉛筆に

    て丸印をつけるように薬局内にてルール決めを行った。

    ○後発品変更時の薬品選択ミスなので採用している後発品の局内用コードの前にしるしをつけ

    て自店で採用している医薬品が分かるようにする。

    ○レセコン画面でも先発品希望か、後発品希望かをわかるように画面の色を区別する。

    ② 注意喚起の表示

    ○複数採用品がある一般名薬については、調剤棚にピッキングの際注意を促すメモを貼る。

    ○1mgのみ採用していることを見ただけで分かるように表示した(注意喚起)

    ○複数の銘柄がある医薬品は、調剤棚に取り違えの注意を促すメモを貼る。

    ○先発、GEで更に複数規格が存在する薬剤については棚に注意を促すメモを貼る。

    ③ 棚、保管場所等の整備

    ○棚に商品名と一般名を両方入れる

    ○先発品は調剤棚、後発品は引出しに置くなど、意識的な使い分けが必要。

    ○在庫のローケーションのインデックスや薬品の保管場所にも商品名だけでなく一般名がわか

    るように整備する。

    ○該当薬については、薬の入っているケースに一般名を貼りつけた。

    ④ 一般名と販売名のリストアッ