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41 42 Tokushima University 70th Anniversary 3.11 中村修二氏 徳島大学工学部卒業博士 工学徳島大学ノーベル物理学賞を受賞 2014 平成26103 近年徳島大学 創立60周年から現在まで 2014 平成26107 日中村修二教授 カリフォルニ 大学サンタバーバラがノーベル物理学賞受賞れた同年113 文化勲章受章され114 には化功労者 として顕彰された中村教授徳島大学工学部 卒業生(学部:1977 昭和52年卒業修士:1979 昭和 54年修了) 青色発光ダイオードの研究本学工学研 究科博士論文 となっており 本学博士号取得されて いる この業績照明分野はもとより ディスプレイへの次世代高精細DVD開発医用装置開発などにも 多大貢献をし 光電子工学広範囲にわたり 画期 技術革新をもたらすものである 中村修二教授の学生時代の電子工学科の紹介 富永喜久雄 当時電子工学科(1971( 昭和46) 1978( 53) ) までの卒業者数2944少数精鋭 でクラスの仲間意識教官少数でした所属田研 故多田修先生故新谷義廣先生福井萬壽夫先 私富永ではしく えられた半面いは緊密 でした牛田先生電気工学科でしたが物性造詣多田先生 仲良しでよく 講座えられていまし 当時学生体力面でもランニングにらずみなしかの運動をしていました知的好奇心旺盛輪講のグループが主導 してつかなどはでした当時電気系先生方 新学科てようと 妥協 しない教育での熱意がみなぎっていました徳島大学内半導体 という のつくテーマは多田研みで学内での半導体研究出発点位置しています中村氏のテーマは BaTiO3 半導体電気伝導機構いうもので当時主流Si 半導体ではなく チタンバリウ BaTiO3半導体化でした日本電気製1000えるフローティングゾーン結晶育成炉半導体結晶育 評価うものでした中村氏では4年生 のときからの卒業研究面白 くなって修士課程までった べられていますかようなテーマでも 面白 じたところ 感性とはなるものがあったと われますCopyright ©Nobel Media AB,Photo:Alexander Mahmoud Copyright ©Nobel Media AB,Photo:Alexander Mahmoud 2015(平成27)26日、前列、牛田先生、 中村教授、多田先生、 福井先生、後列、富永 先生、近藤技官、岡本 先生、西野先生)

70book web 再々校 - Tokushima U41 Tokushima University 70th Anniversary 42 3.11 中村修二氏(徳島大学工学部卒業、博士(工学)(徳島大学)が ノーベル物理学賞を受賞

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Page 1: 70book web 再々校 - Tokushima U41 Tokushima University 70th Anniversary 42 3.11 中村修二氏(徳島大学工学部卒業、博士(工学)(徳島大学)が ノーベル物理学賞を受賞

41 42 Tokushima University 70th Anniversary

3.11 中村修二氏(徳島大学工学部卒業、博士(工学)(徳島大学)がノーベル物理学賞を受賞2014(平成26)年10月

第3部 近年の徳島大学 創立60周年から現在まで

 2014(平成26)年10月7日中村修二教授(カリフォルニア大学サンタバーバラ校)がノーベル物理学賞を受賞された。同年11月3日に文化勲章を受章され、11月4日には文化功労者として顕彰された。中村教授は徳島大学工学部の卒業生(学部:1977(昭和52)年卒業、修士:1979(昭和54)年修了)で、青色発光ダイオードの研究は本学工学研究科の博士論文となっており本学の博士号を取得されている。 この業績は、照明の分野はもとより、ディスプレイへの応用、次世代の高精細DVDの開発、医用装置開発などにも多大な貢献をし、光電子工学を始め、広範囲にわたり画期的な技術革新をもたらすものである。

中村修二教授の学生時代の電子工学科の紹介富永喜久雄 当時の電子工学科は、(1971(昭和46)年~1978(昭和53)年)までの間の卒業者数は29~44名で、少数精鋭でクラスの仲間意識が高く、教官も少数でした。所属の多田研(故多田修先生、故新谷義廣先生、福井萬壽夫先生、私富永)では厳しく鍛えられた半面、付き合いは緊密でした。牛田先生は電気工学科でしたが物性に造詣が深く、多田先生と大の仲良しで、よく講座へ見えられていまし

た。当時の学生は体力面でもランニングに限らず、みな何がしかの運動をしていました。知的好奇心旺盛で、輪講も学生のグループが主導して行い、何の役に立つかなどは二の次でした。当時の電気系先生方も新学科を盛り立てようと妥協しない教育での熱意がみなぎっていました。 徳島大学内で半導体という名のつくテーマは多田研のみで、学内での半導体研究の出発点に位置しています。中村氏のテーマは「BaTiO3半導体の電気伝導機構」というもので、当時主流のSi半導体ではなく、チタン酸バリウム(BaTiO3)の半導体化でした。日本電気製の1000万を超えるフローティングゾーン結晶育成炉で半導体結晶育成を行い、評価を行うものでした。中村氏の言では、4年生のときからの卒業研究が面白くなって修士課程まで行ったと述べられています。かようなテーマでも面白く感じたところに氏の感性が人とは異なるものがあったと思われます。

Copyright ©Nobel Media AB,Photo:Alexander Mahmoud

Copyright ©Nobel Media AB,Photo:Alexander Mahmoud

(2015(平成27)年2月6日、前列、牛田先生、中村教授、多田先生、福井先生、後列、富永先生、近藤技官、岡本先生、西野先生)