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A Study on Discrimination of Heart Murmur Using …ƒ‹ューラルネットワークをををを用用用用いたいた心雑音のののの識別識別ににに対に対対対するする一一一検討一検討

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ニューラルネットワークニューラルネットワークニューラルネットワークニューラルネットワークをををを用用用用いたいたいたいた心雑音心雑音心雑音心雑音のののの識別識別識別識別にににに対対対対するするするする一一一一検討検討検討検討

A Study on Discrimination of Heart Murmur Using Neural Network

○梅澤哲也 1,鬼頭亨東 2,佐伯勝敏 3,関根好文 3

Tetsuya Umezawa1,Yukito Kito2,Katsutoshi Saeki3,Yoshifumi Sekine3

Abstract: We are aiming to develop the diagnosis support stethoscope that analyzes heart sound to help the

diagnosis at home. There is a problem like the mounting area and power consumption, etc. to introduce the

heart sound analysis system into the stethoscope. It is an effective technique to mount the system on DSP to

deal with these problems.

In this paper, we suggest a discriminately system for heart murmur that uses the Simulink model. As a

result, it shows that is able to discriminate heart murmur by using spectral analysis on the heart sound and

neural network.

1.まえがき

近年,人々の健康管理に対する関心が高まり,家庭

用健康管理器具として,体重計や体温計,血圧計以外

に聴診器が普及している.しかし,心音の診断は医学

的知識と熟練を必要とするため大変困難であり,専門

知識を持たない者が心雑音の有無を判断することは難

しい[1].

本研究では,家庭での診断の手助けを目的として,

心音解析を行うシステムを聴診器へ導入し,心雑音の

識別を行う家庭用診断支援聴診器を開発することを目

指す.聴診器にシステムを導入するには実装面積や消

費電力といった問題に対応するため,システムを DSP

に実装することが有効な手法である[2].

心音の周波数は 1kHz以下,主成分は 100Hz程度で

あり,心雑音はⅠ音,Ⅱ音に比べて比較的高周波で

200Hz以上に見られることが多く,周波数解析により,

心音の異常解析を行う研究が報告されている[3].

今回,システムをDSPに実装する前処理として心雑

音を含んだ心音のスペクトル解析を行い,その結果か

ら特徴量を抽出して,その特徴量を入力とするニュー

ラルネットワーク(Neural Network: 以下 NN)による

識別を行う Simulink モデルを作成し,正常心音

(Normal Heart Sound: NH)と,拡張期ランブル

(Diastolic Rumble: DR),収縮早期雑音(Early

Systolic Murmur: ES),駆出性クリック音(Ejection

Click: EC),収縮後期雑音(Late Systolic Murmur:

LS),僧帽弁開放音(Opening Snap: OS),汎収縮期

性雑音(Pan Systolic Murmur: PS)をそれぞれ含ん

だ心音の識別を行った.

2.本論

はじめに心雑音の識別方法について述べる.NHはⅠ

音とⅡ音という 2 種類の成分で構成されており,Ⅰ音

が発生してから次のⅠ音が発生するまでを 1 周期と定

義する.今回用いた心音データには 5~6周期の心音が

含まれているため,まず,心音データからハミング窓

を用いて 1周期分(0.74s)の心音を抽出し,線形予測

法(LPC)によるスペクトル解析を行う.

Figure 1に一例として,NHと心雑音を含んだ心音を

LPC でスペクトル解析した結果を示す.図中,横軸は

周波数,縦軸はパワースペクトルを示し,周波数分解

能は 21.53Hz で解析した.同図より,心雑音を含んだ

心音は正常心音よりも高周波成分が多いことがわかる.

さらに,心雑音の種類によって各周波数帯域でのスペ

クトルの強さが異なるので,1kHzまでのスペクトルの

データ 48個を特徴量とした.

Figure 1.Spectrum analytical result of normal heart sound

and heart sound including heart murmur

1:日大理工・学部・子情 2:日大理工・院・電子 3:日大理工・教員・子情

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今回,心雑音の識別は誤差逆伝播法により学習をする

3層構成の階層型NNで行うことを考えた.入力データ

は各心音の特徴量を 0~1の範囲に正規化し,入力層のユ

ニット数 48,中間層のユニット数 48,出力層のユニッ

ト数 7でNNを構成した.そして,出力層のユニットの

値が最大になったユニットに対応した心音を識別結果

とする.

Figure 2に心音の識別を行う Simulinkモデルを示す.

まず,心音データをMATLABに取り込み,ハミング窓

を用いて抽出した 1周期分の心音データをMATLABの

ファイルに保存する.そして,その心音データを同図の

Simulinkモデルにより識別する.同図の Simulinkモデル

では,From FileブロックによりMATLABのファイルか

ら心音データを出力し, LPC ブロックでスペクトル解

析を行う.そして,MATLAB Functionブロックにより特

徴量の抽出と正規化を行いNNブロックに入力して識別

を行う.最後に,Scopeブロックにより識別結果を確認

する.

Figure 2.Simulink model for discrimination of

heart murmur

Table 1に各心音につき 2サンプルの学習データで学

習を行ったNNの識別結果を示す.また,今回評価デー

タとして 1 種類の心音につき 3~4 サンプルを検討に使

用する.識別率は次式により求める.

[ ]%100×=評価データ数

識別数識別率 (1)

同表より,学習データが各心音につき 2サンプルの場

合,平均識別率は79.7%となった.NH,DR,ES,LS

の識別率は 100.0%であり,OS の識別率も 75.0%とい

う結果が得られた.しかし,ECと PSの識別率は 50%

以下となった.この原因として Figure 1より,これらの

心音が誤識別した心音に近い周波数成分を持つため,入

力データが誤識別した心音の学習データに類似してい

たと考えられる.これらの心音の識別率を上昇させるに

はより多くの学習データが必要と考えられる.

3.まとめ

今回,DSPに心雑音を識別するシステムを実装する前

処理として,心雑音を含んだ心音のスペクトル解析を行

い,その結果から特徴量を抽出して,その特徴量を入

力とするNNによって識別を行うSimulinkモデルを用い

て心雑音を含んだ心音の識別を行った.その結果,平均

識別率は約 80%,7種類中NH,DR,ES,LSの識別

率は 100.0%となり,スペクトル解析とNNを用いた心

雑音の識別は有用性があることを示した.しかし,EC

とPCは識別率が 50%以下となったため,NNの学習デ

ータのサンプル数を増やし,識別率の上昇を図る必要が

ある.

今後は,今回作成した Simulinkモデルを DSPに実装

し,検討を行っていく予定である.

4.参考文献

[1]江鏡偉,他,「ワイヤレス電子聴診システムと異常心

音解析法の開発」,日本機械学会論文集 C,

Vol.71,No.711,pp.3246-3253,2005.

[2]鬼頭亨東,他,「DSPを用いた簡易心音診断装置の開

発に対する検討」,第 11回 DSPS教育者会議予稿集,

pp.69-70,2009.

[3]大場尚嗣,他,「Wavelet変換を用いた心音の異常解析」,

バイオメカニズム学会誌,Vol.22,No.2,pp.74-76,1998.

Table 1.Result of discrimination of heart murmur by neural network

Discrimination result

Heart sound

(Number of sample data)

NH

DR

ES

EC

LS

OS

PS

Discrimination rate [%]

NH(3) 3 0 0 0 0 0 0 100.0

DR(3) 0 3 0 0 0 0 0 100.0

ES(4) 0 0 4 0 0 0 0 100.0

EC(3) 0 0 1 1 0 1 0 33.3

LS(3) 0 0 0 0 3 0 0 100.0

OS(4) 0 0 0 0 0 3 1 75.0

PS(4) 0 0 0 0 0 2 2 50.0

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