ABI PRISM® 310 Genetic AnalyzerA Benchmark in Laboratory Automation

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用途は広く操作は簡単に

　ABI PRISM® 310 ジェネティックアナライザの

背後にある理念は実に単純です。つまり、DNA

電気泳動アプリケーションのすべてが行えるほど

用途が広く、操作が簡単で、その上、立ち上げて

即座にランできるようなシステムを提供すること

です。

　この理念を実現するために、弊社では DNA解

析をあらゆる観点から見直して、煩雑で時間のか

かる操作を特定し、その操作を省略あるいは自動

化することはできないかと考えました。そして、

まず最初に簡素化に成功したのがゲルの取り扱い

です。従来のアガロースとアクリルアミドの代り

に革新的なポリマーを使用して、キャピラリへ自

動充填できるようにしました。次に簡素化したの

はサンプルのローディングです。ポリマーへ

のサンプルローディングは自動的に行い

ます。そして、あらかじめプログラム

されたソフトウェアモジュールを開

発し、システム制御とデータ管理を簡

素化しました。最終的に、評判の高い

弊社の ABI PRISM多色蛍光標識技術を

利用する使いやすいシステムとしてオプティ

マイズしました。

　このようにして完成したのが、初めて完全に自

動化されたこの遺伝子解析システムです。皆様の

各研究室において、多色法 DNA解析の威力を発

揮することでしょう。

　ABI PRISM 310 シ

ステムは、DNAのサイ

ジング・定量・シーケ

ンシングの全ての面を

自動化しました。ユー

ザーにしていただくこ

とは、サンプルを調製

し、サンプルトレーに

のせ、使用したいプログラムモジュールを選択す

ることだけです。あとはシステムが自動的にポリ

マーをキャピラリに充填して、サンプルをユー

ザーの指定通りにインジェクションし、ラン・分

離した後、データを解析します。その上 、ABI

PRISM 310 システムでは、これらのステップの

自動化のために信頼性や性能を犠牲にしてはおり

ません。事実、解析結果は非常に正確であり、遺

伝子型決定・突然変異検出・配列アセンブリなど

の専門プログラムに、データを直接転送すること

ができるのです。

　また、アプライドバイオシステムズでは、広い

用途を持つ ABI PRISM 310システムのあらゆる

長所を充分に、しかもできる限り簡単に活用して

いただくために、トレーニングとサポートを提供

しております。

サンプルのロードは全自動です。

ABI PRISM 310 Genetic Analyzerは、現在、アクリルアミドやアガロースを使用して行われているアプリケーションを自動化しました。

従来の単一標識の方法では、レーン間の移動度の差が生じやすくなります。ABI PRISM 310システムは多色蛍光標識法を採用していますので、レーン間の移動度の差がなく、データの正確さが向上します。

RT-PCR

Long PCR

マイクロサテライト解析

SSCP解析

ヘテロ接合体検出

DNAシーケンシング

4レーンシーケンシング 1レーンシーケンシング

生データ 解析データ

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ABI PRISM® 310 ジェネティックアナライザの内部構造

検出ウィンドウ

シリンジ

ゲルブロック

ステップ 1：サンプル位置への移動

• オートサンプラーが X、Y、Z 軸方向に移動します。

• 48 サンプル用および 96 サンプル用トレーがあります。

• バッファー（ポジション 1）、精製水（ポジション 2）、廃液用バイアル（ポジション 3）にも移動します。

ステップ 2：動電的サンプル注入と電気泳動

• キャピラリと電極が自動でサンプル中に挿入されます。

• 電圧をかけます。

• 負に荷電した DNAはキャピラリに入り、正電極の方向へ移動します。

ステップ 3：蛍光励起と検出

• 蛍光色素で標識された DNAフラグメントが電気泳動により移動してレーザー光を通過します。

• レーザー光により蛍光色素が励起され、レーザー光よりも大きな波長で蛍光を発します。

• 蛍光は CCDカメラにより検出されます。

• ソフトウェアにより、蛍光シグナルを色のピークに変換します。

キャピラリ

ヒートプレート

電極

オートサンプラー

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　研究室ではさまざまな方法を採用して、DNA

のサイジング・定量・スクリーニング・シーケン

シングを行っています。今日までこれらの方法の

ほとんどが、放射性標識化合物や臭化エチジウム

染色法を使用して手作業で行われてきました。し

かし、ABI PRISM 310システムでは、こ

れらの作業は不要です。めんどうなこ

とは、ほとんど何もありません。

　スラブゲルを注ぎ込む必要もなく

なります。ABI PRISM 310 システ

ムでは、アクリルアミドやアガロー

スの代わりに流動性の高いポリマーを

使用して、このポリマーを各ランの前

にキャピラリに自動的に充填します。

ポリマーを使用することで自動化が可

能になったばかりではなく、ポリマー

の保証された品質と均一な粘度が不確

定因子を解消して、再現性が確実に向

上しました。

　Performance Optimized Polymer（POP™）

は、すぐ使用できる状態でユーザーにお届けいた

します。準備は全く必要ありません。ユーザーは、

ポリマーを装置にセットして、サンプルのランを

スタートするだけでよいのです。

　また、ABI PRISM 310 システムでは、サンプ

ルローディングを自動で行います。ユーザーは、

反応チューブをサンプルトレーにのせて、そのサ

ンプルトレーを装置にセットするだけでよいので

す。あとはシステムが、ユーザーが指定した通

りの順序で各サンプルをキャピラリにインジェク

ションします。キャピラリ１本で 100サンプルの

ランまで耐用できますし、交換はとても簡単です。

　POP-4™ポリマーを用いたシーケンシングで

は、約 38分で 1サンプルを解析できるので 1日

に 36サンプルまで解析可能です。

POP-6™ ポリマーは、一塩基の差を分離できるフラグメント分析用として特別に設計されました。

ユーザーにやっていただくこと

あとは、310システムが行います

サンプルの調製

サンプルトレーをセット

ソフトウェアのセットアップ

ランスタート

ポリマーの充填

サンプルのインジェクション

電気泳動

多色検出

データ解析

やさしい遺伝子解析システムを

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大切な時間とデータを有効に活用するための自動化です

　ABI PRISM 310 ジェネティックアナライ

ザには、作動条件・データ収集および解析

に必要な全てを自動的に遂行する制御ソフト

ウェアがありますので、データの収集が迅

速・簡単で、はるかに能率的になります。全

ての機能は、簡単で覚えやすいポイント・ア

ンド・クリックコマンドとポップアップメ

ニューを使用して、コンピュータから制御するこ

とができます。

　コンピュータ上のサンプルシートとインジェク

ションリストが、サンプルのランセットアップを

簡単にします。サンプル情報を入力して、インジェ

クション順序を指定した後、あらかじめプログラ

ムされている解析モジュールから、実行したいも

のを選択するだけです。希望があれば、独自の解

析条件を入力することもできます。

　あとはシステムによって、ラン温度・時間・お

よび電圧が自動的にコントロールされます。装置

セッティング・解析条件・サンプルインジェクショ

ン順序は、各ラン毎に全て保存されます。そして

いつでも好きなときに、システムをモニタしたり、

リアルタイムで結果を表示させたりすることがで

きます。

　各サンプルからのデータが収集される毎に、結

果が自動的に ABI PRISM アナリシスソフトウェ

アに転送されて解析されます。サンプルの解析は

非常に高速で行われます。アプリケーションや要

求される分離能にもよりますが、最初のサンプル

分析結果は、サンプルのインジェクション時間か

ら 12分後という速さで得られます。しかも、す

べてのランの終了を待たずにデータの解析は行わ

れます。ABI PRISM 310 システムでは、前のラ

ンのデータが解析されている間も、次のサンプル

のランが続けられるのです。

高性能がさらに強化されています。多色標識から蛍光シグナルを CCDカメラで同時に検出し、目的の波長を抽出します。

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ABI PRISM® 310 システムは、広範な遺伝子解析アプリケーションをサポートします

GeneMapper® ソフトウェア

SNaPshot® Multiplex キット

Process Based Quality Values（PQV）システムでは、サイズコーリングおよびアレルコーリングのプロセスごとにクオリティ値が計算されます。クオリティに問題のあるアレルコールは、再処理が簡単に行えるように表の上位に移動します。この PQVシステムを利用することにより、クオリティの高いデータセット、再処理が必要なデータセット、および破棄すべきデータセットを区別することができます。クオリティチェックの結果、Pass（ ）、Check（ ）、Low Quality（ ）の 3つのレベルに分類されます。

GeneMapper® ソフトウェア上でビン情報がオーバーレイされた SNaPshot® Multiplexコントロールサンプル。このコントロールサンプルは、36cmキャピラリと POP-4™ポリマーをセットアップした 310システムで、GeneScan™-120 LIZ®サイズスタンダードとともにランしたものです。

GeneMapperの Genotypeページにおける PQVフラグ

ADO = allele display overflow(check box)

AEH = allele edit history(check box)

SHP = sharp peak

ANE = allele number error

OBA = one base pair allele

SPA = single peak artifact

BIN = out of bin allele

PHR = peak height ratio

LPH = low peak height

SPU = spectral pull-up

BD = broad peak

SP = split peak

OS = offscale

CC = control concordance

OP = overlap

NB = narrow bin

DP = double peak

GQ = genotype quality

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SeqScape® ソフトウェア

SeqScape®ソフトウェアは最先端のリシーケンシング用ツールであり、リファレンスシーケンス（バリアント情報を含む）に基づいてデータを解析します。SeqScape®ソフトウェアでは高度なアルゴリズムが採用されており、塩基の検出、クオリティ値の算出、コンセンサスシーケンスの決定のほか、リファレンスシーケンスとの比較によるシーケンスのアライメントや方向づけも可能です。このツールは、塩基またはサンプルごとにクオリティ値を算出したり、ヘテロ接合などの遺伝子多型を高精度で検出したりするなどのユニークな機能を備えています。また、プロジェクトテンプレートや、解析結果が元のエレクトロフェログラムとリンクしている統合レポートを使用することにより、解析時間を短縮し、エラーを削減することができます。

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多方面に広がる多色標識法の可能性

　ABI PRISMの多色蛍光標識技術が、自動遺伝

子解析の正確さと感度において、新基準を構築し

ました。ABI PRISMの標識法は安全で、迅速か

つ簡単です。その上、ラン間の再現性が良く、定

量的な結果が得られます。

　多色標識による正確な結果を得るために、

ABI PRISM 310 シ ス テ ム で は、ABI PRISM

GeneMapper ソ フ ト ウ ェ ア、 ま た は DNA

Sequencing Analysisソフトウェアを使用しま

す。どちらのプログラムも自動遺伝子解析専用に

開発されたもので、世界中の何千もの研究所にお

いて使用されており、高い評価を得ています。

　GeneMapper®ソフトウェアは、サイズコール

からアレルコールまでを自動で行うジェノタイピ

ングソフトウェアです。SNP解析をはじめ、マ

イクロサテライト解析などの様々なアプリケー

ションに対応します。API PRISM 310は多色検

出ですから、複数のサンプルとインターナルスタ

ンダードを同一レーン内でランできます。

　DNA Sequencing Analysisソフトウェアは、

多色シーケンスデータから正確・明瞭に塩基を

同定します。まず、それぞれの塩基に対応するよ

うに異なる色素で標識し、それを同時に泳動しま

す。その後ソフトウェアが、自動的に塩基を同定し、

結果を表示・印刷、保存します。得られたシーケン

スデータは、SeqScape®ソフトウェアに転送して、

ミ ュ ー テ ー シ ョ ン 検 出、SNP 検 出 等 の

Comparative Sequencingが可能です。

ABI PRISMシステムは、多色蛍光標識法と 1レーン検出における正確さの基準となっています。

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遺伝子解析のあらゆるニーズをひとつのシステムで

　アプライドバイオシステムズは、遺伝子解析の

分野にもっとも総合的・専門的な技術とサポート

を提供しております。

　ABI PRISM ファミリーには、ユーザーの遺伝

子解析の手腕を拡大する製品が全領域にわたって

取り揃えられています。その中には、遺伝子型決

定や DNA配列解析用にすぐ使用できるラベル化

キットや試薬類、強力なアプリケーションソフト

ウェアなどがあります。

　ABI PRISM 310 システム用の試薬類は、定評

あるプロトコールと分子生物学手法の標準に基

づいております。また、広範囲に選択できる ABI

PRISM DNAシーケンシングキットを利用すれば、

1本鎖や 2本鎖 DNAを含む、DNAテンプレート

の全領域にわたってシーケンシングを簡単に行う

ことができます。弊社には ABI PRISM レーンス

タンダードや、PCRプライマー及び PCRプロダ

クトのダイレクトラベル化試薬が揃っています。

　さらに、ABI PRISM 310システムにWindows®

仕様が登場しました。データをはじめ試薬やアク

セサリ等はMacintosh仕様と互換性があります。

また、各ソフトウェアの最新バージョンを入手で

きます。

　また、専用の遺伝

子解析ソフトウェアを

使用することで、ABI

PRISM 310 システムの

データ解析性能を簡単に拡張す

ることができます。

　ABI PRISM GeneMapper®および SeqScape®

ソフトウェアはいずれもWindows®仕様の ABI

PRISM 310システムからデータを読み込むこと

ができます。もちろん、他の商品化されている遺

伝子解析ソフトやパブリックドメイン遺伝子解析

ソフトウエアパッケージにも同様に読み込むこと

ができます。

ABI PRISM 310 システムは、ユーザーを遺伝

子解析の最前線にご案内します。

　ABI PRISM 310 ジェネティックアナライザに

興味をお持ちになったら、どうぞお近くのアプラ

イドバイオシステムズ営業所にお電話ください。

自動遺伝子解析がどれほど簡単で広い用途を持っ

ているか、お分かりいただけると存じます。

全ての遺伝子解析アプリケーションのために、サンプルを簡単にラベル化する ABI PRISM キットや他の商品が幅広く用意されています。

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　検出ユニット　　蛍光波長 525nm～ 650nmまでを CCDカメラによりモニタ　　ABI PRISMケミストリ用に最適化されたバーチャルフィルター　光学ユニット　　アルゴンイオンレーザーによる励起　　（波長：488nmおよび 514nm、出力：10mW）　電気泳動パワーサプライ　　電圧範囲は 100～ 15,000ボルト　ゲルポンプ　　キャピラリへポリマーをロード　サンプルトレイ　　48または 96サンプル保持　キャピラリヒートプレート　　室温～ 60℃の範囲でコントロール

　寸法・重量

　　電気泳動ユニット（本体のみ、コンピュータは含まない）　　　横幅 609.6mm× 奥行 558.8mm× 高さ 863.6mm　重量　　　94.5kg　　　（ドアの開閉のため、本体右側に 127mmの余裕が必要です。）　電源等　　　100/120V, 50/60Hz, 15A, 1500W　　　※ 本体専用の電源を使用して下さい。

ハードウェア

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知識の統合

ABI PRISMプラットフォームを所有することのメリットの一つは、10,000以上にも及ぶ世界中のユーザーとデータベースを共有できる点です。すなわち、知識を共有し、互いの経験を分かち合い、成功基盤を構築できるのです。ABI PRISM® 310システムは、アプライドバイオシステムズの卓越した技術革新と比類のないカスタマーサポートの伝統から生まれた、業界で最も高い信頼性と汎用性を備えるキャピラリ電気泳動遺伝子解析システムであり、今や確固たる地位を築いています。ABI PRISM® 310システムは、現在市販されているどのキャピラリ電気泳動遺伝子解析システムと比べても、そのユーザー層の規模、評価、性能において他の追随を許しません。科学者や研究者のユーザーがます ま す 増 え て い る 中 で、ABI PRISM® 310 システムは遺伝子解析のための最も優れたプラットフォームとして選ばれています。

確立された評価と実績

ABI PRISM® 310システムの多用性、信頼性、有用性は著名な文献においても頻繁に引用されており、多くのユーザーがこのシステムを利用して新しい知見を得たことが知られています。ABI PRISM® 310システムの用途の広さは、このシステムが貢献した数々の研究事例によって端的に証明することができます。その一端をご紹介します。

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