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課題 対策 効果 ・インフラ更改に当たり、顧客情報を含むメール環境のセキュリティの強化が求 められた ・あらゆるロケーションから送受信可能なメール環境の必要性が高まっていた ・システム管理部門の運用負荷を軽減したい ・セキュアな閉域ネットワーク上での安全なメール送受信を実現 ・端末にデータが残らないメール環境を構築 ・メールに紐づけしたスケジューラ、グループウェアにより業務効率を向上 ・閉域網直結のモバイルサービスにより、ロケーションフリーのメール活用を実現 一般財団法人 近畿健康管理センター 常務理事 尾ヶ井(おがい) 正幸氏 「事業のグローバル展開を見据えている中 で、海外での実績が豊富なNTTコミュニケー ションズは心強いパートナーとなり得ます」 一般財団法人 近畿健康管理センター 経営戦略本部 IT戦略開発部 エキスパート 林 博子氏 「クラウドへリソースを統合したことで、各拠 点からのアクセスが格段にスムーズになりま した。管理コストも大幅に軽減できています」 一般財団法人 近畿健康管理センター 経営戦略本部 IT戦略開発部 主任 竹中 章浩氏 「グループワーク機能を活用して、ポータルサ イトを立ち上げ情報連携を図るなど、社内コ ミュニケーションの密度が向上しました」 一般財団法人 近畿健康管理センター 導入事例 導入サービス名:Enterprise Mail Arcstar Universal One Enterprise Cloud “セキュリティ”と“業務効率化”の 相反する課題を両立させるメール環境を構築 1973(昭和48)年、滋賀県大津市に設立された近畿健康管理センター(以下KKC)は日本全 国で予防医療を支える健康診断サービスを提供。現在は「診る健康から創る健康へ」を基本方 針に掲げ、従来の企業・団体向けの集団健診に加え、一般向けの個人健診にまでサービスを拡 大し、さまざまな健康支援事業を展開している。 KKC常務理事の尾ヶ井 正幸氏は「本部および5つの事業部と8つの健診クリニックを基点 として、病気を診るのではなく、病気にかかりにくい健康を創ることに重きを置いたサポー トを実践しています。お客さまの生涯の健康管理を行うために、私たちは拠点間のデータ連 携の徹底に努め、事業エリア内であれば、どこでも一元管理されたデータで健診を受けられ る仕組みづくりを進めてきました」と説明する。 こうした拠点間の緊密なデータ連携を支えてきたのがネットワークインフラだ。しかし、 近年の接続PCの増加、通信データの大容量化などにより帯域不足が慢性化。しかも、長年、事 業展開に合わせて拡張してきたため、複数キャリアが混在している複雑な構成になってい た。また各事業部に設置したサーバーを運用するシステム担当者の負荷も増大し、とりわけ4 月、10月の人事異動の際にはサーバー間のデータ移行作業に大きな負荷がかかっていた。 「一連の課題を解決するために、全拠点のIT環境を見直すプロジェクトチームを編成し、複 雑化した業務系のネットワークやシステムを一気通貫で統合させる取り組みに着手しまし 課題 インフラ更改に合わせて、セキュアで業務効率を 高めるメール環境構築が課題に

“セキュリティ”と“業務効率化”の 相反する課題を両立させるメール環境を構築 · KKCが選択した「Enterprise Mail」は、クラウド基盤上に

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Page 1: “セキュリティ”と“業務効率化”の 相反する課題を両立させるメール環境を構築 · KKCが選択した「Enterprise Mail」は、クラウド基盤上に

課題

対策

効果

・インフラ更改に当たり、顧客情報を含むメール環境のセキュリティの強化が求められた・あらゆるロケーションから送受信可能なメール環境の必要性が高まっていた・システム管理部門の運用負荷を軽減したい

・セキュアな閉域ネットワーク上での安全なメール送受信を実現・端末にデータが残らないメール環境を構築

・メールに紐づけしたスケジューラ、グループウェアにより業務効率を向上・閉域網直結のモバイルサービスにより、ロケーションフリーのメール活用を実現

一般財団法人 近畿健康管理センター常務理事 尾ヶ井(おがい) 正幸氏「事業のグローバル展開を見据えている中で、海外での実績が豊富なNTTコミュニケーションズは心強いパートナーとなり得ます」

一般財団法人 近畿健康管理センター経営戦略本部 IT戦略開発部エキスパート 林 博子氏「クラウドへリソースを統合したことで、各拠点からのアクセスが格段にスムーズになりました。管理コストも大幅に軽減できています」

一般財団法人 近畿健康管理センター経営戦略本部 IT戦略開発部主任 竹中 章浩氏「グループワーク機能を活用して、ポータルサイトを立ち上げ情報連携を図るなど、社内コミュニケーションの密度が向上しました」

一般財団法人 近畿健康管理センター導入事例

導入サービス名:Enterprise Mail Arcstar Universal One Enterprise Cloud

“セキュリティ”と“業務効率化”の相反する課題を両立させるメール環境を構築

 1973(昭和48)年、滋賀県大津市に設立された近畿健康管理センター(以下KKC)は日本全国で予防医療を支える健康診断サービスを提供。現在は「診る健康から創る健康へ」を基本方針に掲げ、従来の企業・団体向けの集団健診に加え、一般向けの個人健診にまでサービスを拡大し、さまざまな健康支援事業を展開している。 KKC常務理事の尾ヶ井 正幸氏は「本部および5つの事業部と8つの健診クリニックを基点として、病気を診るのではなく、病気にかかりにくい健康を創ることに重きを置いたサポートを実践しています。お客さまの生涯の健康管理を行うために、私たちは拠点間のデータ連携の徹底に努め、事業エリア内であれば、どこでも一元管理されたデータで健診を受けられる仕組みづくりを進めてきました」と説明する。 こうした拠点間の緊密なデータ連携を支えてきたのがネットワークインフラだ。しかし、近年の接続PCの増加、通信データの大容量化などにより帯域不足が慢性化。しかも、長年、事業展開に合わせて拡張してきたため、複数キャリアが混在している複雑な構成になっていた。また各事業部に設置したサーバーを運用するシステム担当者の負荷も増大し、とりわけ4月、10月の人事異動の際にはサーバー間のデータ移行作業に大きな負荷がかかっていた。 「一連の課題を解決するために、全拠点のIT環境を見直すプロジェクトチームを編成し、複雑化した業務系のネットワークやシステムを一気通貫で統合させる取り組みに着手しまし

課題インフラ更改に合わせて、セキュアで業務効率を高めるメール環境構築が課題に

1管理コスト

2グループワーク機能を活用して、ポータルサイトを立ち上げ情報連携を図るなど、

3健診健診

4および

5一元管理された

6なっていた。

7また、人事異動の際にはPCの入れ替えが発生するため、メールボックスの移行作業に大きな負担もかかっていました。

8「Enterprise Mail」の

9

10また運用面でも、従来は事業部間のデータ授受をCDでやり取りしていたのですが、全社共有のファイルサーバー運用に切り替えたことで、業務のスピードアップだけでなく管理者の負荷も大幅に軽減できています。

11管理職や営業担当者のスケジュール

12

13健診

14左から、中村 英夫氏(経営戦略本部 統括マネージャー)、林 博子氏(IT戦略開発部 エキスパート)、清水 敏夫氏(経営戦略本部 IT戦略開発部 グループマネージャー)、尾ヶ井 正幸氏(常務理事)、竹中 章浩氏(IT戦略開発部 主任)

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導入事例

対策セキュアな閉域ネットワーク上に安全なメール環境を構築

効果安全・安定のメール環境でセキュリティリスクと運用負荷を軽減

た。その中で業務負荷軽減、データ統合の観点からクラウドへのサーバーリソース移行を決断したのです」と尾ヶ井氏は更改の経緯を語る。 インフラ更改の検討を進めていく中で、もう一つの課題として挙がったのが職員用のメール環境だった。「本部のメールサーバーで一元管理していたのですが、基本的には職員のPCにメールデータをローカル保存する仕組みでした。そのため『PCの故障でデータが消えた』『メールの整理中に誤ってデータを削除した』といったトラブルが多く、そのたびにログサーバーを使った復旧作業が必要でした。また、人事異動の際にはPCの入れ替えが発生するため、メールボックスの移行作業に大きな負担もかかっていました」と運用面の課題を挙げるのは経営戦略本部 IT戦略開発部 エキスパートの林 博子氏である。 KKCでは、「1年以上経過したメールは破棄する」「個人情報を含む添付ファイルにパスワードをかける」といったルールを定めていたものの、人為的なミスなどにより徹底できておらずセキュリティリスクが顕在化。さらにセキュリティの観点から外出先、出張先でメールが確認できず、外回りが多い営業スタッフの業務効率を低下させる一因になっていた。そこでKKCではインフラ更改を機に“セキュリティ”と“業務効率化”という、相反する課題を解決するメール環境の検討を開始する。

 はじめにKKCではインフラまわりの更改に着手。複数キャリアやベンダーからの提案を「セキュリティ」「信頼性」「コスト」などの観点から比較検討し、結果的にNTTコミュニケーションズをパートナーに選択する。そして全拠点のネットワークを閉域ネットワーク「Arcstar Universal One」にリプレースし、そこに直結して使える

プライベートクラウドサービス「Enterprise Cloud」へ各拠点のファイル、AD(アクティブディレクトリ)といったサーバーリソースを順次移行していった。クラウドとネットワークが一元提供できる安心感も大きな決め手になったという。 続いてのミッションはメール環境だった。「当初は導入したクラウド環境にメールサーバーを立てることも考えたのですが、今回構築した閉域ネットワーク上で使える条件にぴったりのクラウド型のメールサービスを提案されたため、採用を決めました」と林氏は説明する。 KKCが選択した「Enterprise Mail」は、クラウド基盤上に1ユーザーあたり最大10GBの大容量を保存できるWebメールサービス。24時間365日体制の万全な監視・運用体制のもとで、閉域ネットワークと直結して利用できる高いセキュリティが最大の魅力である。また、パッケージならではの廉価な料金体系や多彩なセキュリティ機能、コミュニケーション機能をオプションで利用できることも強みになっている。 こうしてKKCではネットワーク更改、クラウドでのサーバー統合、メール環境の切り替えを、大きな問題もなく順次完了させていき、新たなインフラは稼働を開始する。経営戦略本部 IT戦略開発部 主任の 竹中 章浩氏は「最初は不安もあったのですが、NTTコミュニケーションズの手厚いサポートのおかげでスムーズに移行できました。メール環境についてはこれまで使っていたメールソフトと操作感が近かったため、ユーザーサイドの混乱もなく受け入れられたようです」と移行作業を振り返る。 懸案だったメール環境の課題も「Enterprise Mail」のオプション機能により解決できた。全送受信メールを職員PCではなくクラウド環境に自動保存することで、誤ってメールを削除しても容易に復旧できるようになった。さらに添付ファイルにパスワードをかけ忘れても自動的にパスワードロックする仕組みでセキュリティが担保されている。また、従来は内製していたグループワークやスケジューラなども、「Enterprise Mail」のオプションサービスに切り替えて、全拠点および各拠点内のコミュニケーション活性化に貢献している。まさにセキュリティと業務効率化が両立したメール環境といえるだろう。

 現在、KKCの新たなインフラは極めて安定している。竹中氏は「頻発していたネットワークの遅延に関するクレームは一切ありません。時間帯によってレスポンスが落ちる問題も解消できており、かなり安定感は増している印象です」とネットワークインフラを高く評価する。 続けて林氏は「ファイルサーバー、ADをクラウドに統合したことで、どの拠点からでも同じIDでファイルにアクセスできるようにな

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導入事例

りました。また運用面でも、従来は事業部間のデータ授受をCDでやり取りしていたのですが、全社共有のファイルサーバー運用に切り替えたことで、業務のスピードアップだけでなく管理者の負荷も大幅に軽減できています」とクラウドへのリソース統合についても評価は高い。 それでは、メール環境はどう変わったのだろうか。「メールを誤って削除しても復旧が容易で、さらに人事異動の際の業務負荷も大幅に軽減できています。またスケジューラで管理職や営業担当者のスケジュールを確認したり、全社版と各事業部版でポータルサイトを立ち上げて情報連携を図ったり、コミュニケーションの密度も向上しています」と竹中氏は新たなメール環境にも確かな手応えを感じている。もちろん、添付ファイルへのパスワード付け忘れ対策など、セキュリティポリシーを強化できていることも収穫の一つだ。 こうした新たなインフラの導入により、サービスの品質、顧客への対応力も格段に向上した。「お客さまとの契約情報、サービス提供のルールなどをクラウド上に一本化。加えて本部、各事業部で案件別にサイトをつくって情報を共有できているため、すべての拠点でお客さまに新鮮かつ高品質なサービス対応ができるようになっています」と尾ヶ井氏が語るように、業務改善にもつながっている。 さらにKKCでは、こうした業務効率化を加速すべく、外出先、出張先からのメール確認についても、外部から閉域ネットワークに直結

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ホームページ www.ntt.com/business●記載内容は2015年11月現在のものです。●表記のサービス内容は予告なく変更することがありますので、お申し込み時にご確認ください。●記載されている会社名や製品名は、各社の商標または登録商標です。

2015.11

できるモバイル接続サービス「Arcstar Universal Oneモバイル」を導入。「モバイルPCとセットで営業スタッフ全員に配布したことで、社内に戻らないと確認できなかったメールが外出先でもセキュアに確認できるようなりました。これによりお客さまへのサービス対応のレスポンスが早くなるメリットも生まれています」と林氏は新たなモバイル導入の効果を実感している。 今後、KKCでは新たなインフラのもとで、さらなる事業拡大を目指す。「個人向けの予防医療を支える健診サービスのニーズが高まっており、今後はお客さまのニーズに合わせて拠点を拡大する予定です。クラウドにリソースを集約したことで拠点新設のフットワークが軽くなりますので、チャンスがあれば日本国内のみならずグローバル展開も狙っていきたいと考えています。グローバルエリアで多くの実績を持つNTTコミュニケーションズをパートナーに選んだ理由は、実はその部分も大きかったりするのです」と尾ヶ井氏は締めくくる。 ネットワーク、サーバーの更改時期は、従来の業務環境を見直す絶好のタイミングだ。こうした業務改革に柔軟に対応できるクラウドサービスのメリットを活かし、従来のメール環境を見直すのもひとつの手といえる。今後、KKCはインフラ更改と併せて手に入れたクラウドメール環境により、国内、そしてグローバルな事業展開を加速させていくだろう。

社名 一般財団法人 近畿健康管理センター事業概要 1973年4月設立。巡回型各種健康診断・検査に関する事業や施設型各種健康診断・検査に関する事業、健康の維持・増進等の普及啓発に関する教育・相談・指導・支援および調査研究などを行っている。URL http://www.zai-kkc.or.jp/

左から、 中村 英夫氏(経営戦略本部 統括マネージャー)、 林 博子氏(IT戦略開発部 エキスパート)、 清水 敏夫氏(経営戦略本部 IT戦略開発部 グループマネージャー)、尾ヶ井 正幸氏(常務理事)、竹中 章浩氏(IT戦略開発部 主任)