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■ エラスレン®とは 製造、グレード、構造と物性 ■ エラスレン®の用途紹介 硬・軟質PVC改質、磁性材、ゴム、etc ■ エラスレン®の硬質PVC改質 他改質剤との比較 エラスレン®グレード比較、etc
目 次
■ エラスレン®は昭和電工が独自の技術で開発した
塩素化ポリエチレンです。
・ 上市 1968年10月
・ 製造拠点 昭和電工(株) 川崎事業所内
・ 能力 5,000T/Y
■ エラスレン®はポリエチレンを水性懸濁下で塩素化して得られる 熱可塑性ポリマーです。
■ 柔軟性、耐候性、耐熱老化性、耐薬品性、耐油性、 難燃性が必要な用途に好適です。
Z chlorinated polyethylene = CPE
エラスレン®とは
反応、水洗、乾燥の工程からなります。
エラスレン®の生産プロセス
反応工程 水洗工程 乾燥工程
ポリエチレン粉に水性懸濁下で塩素ガスを吹込み、熱ラジカルによる置換反応を行います。
スラリーを脱水・乾燥し、
エラスレン®粉を得ます。
置換反応により生成した 塩酸を除去します。
■ エラスレン®は熱ラジカルによりランダムに塩素化します。
■ 様々な温度条件を採ることにより、塩素分布、結晶量などを
制御し、特性の異なるグレードを造ることが可能です。
H H H H H H H H H H H Cl H H❘ ❘ ❘ ❘ ❘ ❘ ❘ ❘ ❘ ❘ ❘ ❘ ❘ ❘
-C-C-C-C-C-C-C- -C-C-C-C-C-C-C-❘ ❘ ❘ ❘ ❘ ❘ ❘ ❘ ❘ ❘ ❘ ❘ ❘ ❘H H H H H H H H Cl H H H H H
熱
+2HCl
2Cl2
エラスレン®の反応
① ② ③④
エラスレン®のグレード名
例 : 3 0 2 N A
① 塩素含有量 20、25、30、35、40、45wt% ② 分子量 高 ← 1M、1、1K、2N、2G、2、3、4 → 低 ③ 結晶残 少 ← A :非結晶 B:半結晶 C:高結晶 →多 ④ シート 末尾の A → E
塩素含有量 wt% 25 30 35 40
分子量
高←
→
低
分子量
高←
301MA
25 30 塩素含有量 wt%
25 30 35 塩素含有量 wt%
25 30 40 35 塩素含有量 wt%
25 30
非結晶 (半)結晶
402NA(-X5)
301A 351A
302NA(-X5)
401A
353A
404B 303B
402B 352GB(-X5) 252B
352NA
303A
エラスレン®グレードマップ
45
454A
制御因子 制御方法 物性・特性
① 塩素量 塩素分布
塩素送入量 反応条件
耐熱性、耐薬品性、低温特性 モジュラス、硬度、相溶性
② 分子量 分子量分布
原料PE
加工性、強度、耐摩耗性 上記のバランス
③ 結晶量 結晶サイズ
反応条件 モジュラス、強度、硬度 相溶性、吸油性、加工性
エラスレン®の分子制御
0
200
400
600
800
1000
0
1
2
3
4
5
15 20 25 30 35 40 45 50塩素量(wt%)
100%モジュラス(MPa) 伸び(%)
100%モジュラス(M
Pa)
伸び(%)
■ 同一原料、非結晶の例
①~35wt%
ポリオレフィン→ゴム
②35wt%~ 分子間凝集力が増す ■ 塩素由来の特性
低い ← 塩素量 → 高い 低温特性 難燃性 耐熱性 耐油性
CPE構造と物性|塩素量の影響
■ 同一塩素量、非結晶の例 分子量の選択
特性と加工性のバランスによる
■ 分子量由来の特性 低い ← 分子量 → 高い
易加工 耐摩耗性
溶解性 反撥弾性
反撥弾性
%
MFR
g/10min
0.01
0.1
1
10
100
1000
20
30
40
50
60
70
低 ← 分子量 → 高
CPE構造と物性|分子量の影響
■ 同一原料、塩素量の例 結晶量の増加に伴い
ゴム → 樹脂
■ 結晶由来の特性 少ない ← 結晶 → 多い
柔軟性 高強度
溶解性 永久歪性
0
200
400
600
800
1000
50
60
70
80
90
100
0 5 10 15結晶量 J/g
硬度 JUS A 伸び(%)
伸び(%)
硬度 JIS A
CPE構造と物性|結晶量の影響
Fig.熱天秤(TG)による熱劣化挙動の比較(10℃/min、N2)
Temp Cel550.00500.00450.00400.00350.00300.00250.00200.00150.00100.0050.00
TG %
105.0
100.0
95.0
90.0
85.0
80.0
75.0
70.0
65.0
60.0
55.0
50.0
45.0
40.0
35.0
30.0
25.0
20.0
15.0
10.0
5.0
0.0
269.24Cel99.8%
414.89Cel30.2%
530.02Cel9.0%
299.45Cel96.7%
432.27Cel51.7%
529.91Cel2.0%
エラスレン®
PVC(p=1050)
理論上の脱HCl量
エラスレン®=ランダム
脱HClしやすいところから
徐々に
塩素分布の影響
PVC=規則的(ジッパー)
熱分解挙動|エラスレン®とPVCの比較
エラスレン®の用途
対象樹脂 主な効果 適用代表グレード 製品用途
硬質塩ビ 耐衝撃性向上 加工性向上
351A,301A HI,HTパイプ 樹脂サッシ
軟質塩ビ 低温特性改良 401A,303B 電線被覆材 絶縁テープ
難燃ABS 難燃性付与 火だれ防止
252B,303B 302NAC
UL94 V-0対応 難燃ABS樹脂
ポリエチレン 難燃性付与 303B,404B 電線、電設部品
磁性材料 フィラー高充填性 301A,351A 302NA
ゴム磁石 電磁遮蔽/吸収材
ゴム 耐油性付与 難燃性付与
301A,351A 301MA
自動車用ホース 難燃ゴム部品
硬質PVCの耐衝撃性、加工性改良
■ 特長
1)混練時のトルク上昇が小さく、加工性に優れる。
2)分子設計(分子量、塩素量等)によりゲル化挙動の調整が可能。
3)二重結合を分子内に持たないため耐候性が良好。
エラスレン MBS アクリル系MBS
衝撃改良性 ○ ◎ ○
加工性 ◎ △ △
耐候性 ◎ × ◎
耐薬品性 ◎ △ ○
硬質塩ビ用途
■PVCパイプ(水道管、電纜管)
■ 特長 1)半結晶性のエラスレン®を用いることにより、透明性を損なうことなく、耐候性、耐熱老化性、耐寒性を改善できます。 2)分子量、塩素量、塩素分布等の異なるエラスレンを選択することにより溶融粘度の調整が可能となり、加工特性の改善が可能です。
透明フィルム
軟質・半硬質塩ビ用途
■透明フィルム
CPE/PEをベースとした難燃コンパウンド
■ 特長 1)難燃性、耐候性、電気特性(耐トラッキング性、耐電圧性)
2)柔軟性(ヒンジ特性)
エラスレン®
コンパウンド PVC EPDM
難燃性 ○ ○ ×
電気特性 ○ × ○
耐候性 ○ △ △
■引留クランプカバー、 碍子カバー類
■防護管、ネット類
難燃コンパウンド(電設資材)
■ 特長
1)軟質塩ビ、NBR等他の樹脂と比較し多量にフィラーを充填することが可能。
2)非架橋で使用でき(架橋工程が不要)、コスト、リサイクル性に優れる。
3)難燃性を有しており、難燃用途に応用が可能。
■ゴム磁石性
エラスレン® 軟質PVC 架橋NBR
難燃性 ○ △ △
電気特性 ○ × ○
耐候性 ○ ○ ×
磁性材・フィラー高充填用途