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一橋大学地学教室2010.7.1
今、そこにある科学と技術
「はやぶさ」を例に市川隆一
情報通信研究機構鹿島宇宙技術センター
2010年7月6日火曜日
都市伝説かもしれないが
一部で有名な話
2010年7月6日火曜日
「月をなめるな」
2010年7月6日火曜日
某社の採用試験•元ネタは「簡潔日記」というブログの2000年10月の記事
•清水さんという方が大学4年生のときの就職活動で経験
•グループディスカッション•7人の大学生•いわゆる”名門大学”も何人か
2010年7月6日火曜日
• 酸素ボンベ(40kg×8)• 飲料水(30L×8)• パラシュート• 4平方メートルの白い布• ビスケット• 粉ミルク• 非常用信号弾• 宇宙食• ライター• 45口径の拳銃• 方位磁石• 無線機(受信のみ)• 救急用医療セット
これらに加えて「GPS機能付き携帯電話」というバージョンもあり
2010年7月6日火曜日
•あなた方8人が乗っていた宇宙船が故障し、月面に不時着•着陸の際の衝撃で宇宙船は大破•前にあげたものが、中から持ち出すことができた品物のリスト•救助隊とのランデブー地点まで180km、その距離を自らの足で進まなければならない•現在の状況下でリストの品物に優先順位をつける
2010年7月6日火曜日
清水さんは考えたまず、これらの品物は宇宙空間仕様になっているのかを考えねばなるまい。そうでなかったら、ライター、拳銃は使い物にならない。おそらく信号弾もだめだろう。そしてさらに重要な点として、装着している宇宙服は、外部から食料を供給することが可能なのかという問題がある。月面で顔をむきだしにしたらどうなるかなんて考えたくもない。
2010年7月6日火曜日
他の学生さん•パラシュートはあったほうがいいでしょう。崖があったら降りられない•この白い布ですけど、ライターで燃やせば救助隊への目印になりますよね•酸素ボンベは重すぎて持ち運べない。海にもぐる必要はないだろうし、おいていきましょう•水も最小限でいいんじゃないですか? 足りなくなったら途中でくめばいい
2010年7月6日火曜日
「月をなめるな」怒2010年7月6日火曜日
•月面に空気はない。•空気(酸素)がないので、燃えることもない。•月面の日なたの温度は110℃、日陰の温度はマイナス170℃。•月には磁力がない。•重力は1/6• (酸化剤を含んでいれば)信号弾や拳銃は使えるかも? •パラシュートのロープは使えるかも•医療セットに宇宙服修理に使える絆創膏とかあるかも•月でGPSは使えない
2010年7月6日火曜日
•バスタブの水を抜くと、北半球では反時計回り、南半球では時計回りで渦を巻く?•季節の変化が生じるのは、地球と太陽との距離が変化するから?•宇宙船の中で無重力状態になるのは、実際に「重力がない」から?
おまけ
2010年7月6日火曜日
•バスタブの水を抜くと、北半球では反時計回り、南半球では時計回りで渦を巻く?•季節の変化が生じるのは、地球と太陽との距離が変化するから?•宇宙船の中で無重力状態になるのは、実際に「重力がない」から?
おまけ
×2010年7月6日火曜日
2010年7月6日火曜日
「う」さん作
2010年7月6日火曜日
2010年7月6日火曜日
課題2005年12月9日「はやぶさ」通信途絶
2006年1月23日「はやぶさ」通信回復
2010年7月6日火曜日
地球との通信が途絶した「はやぶさ」との通信を再び回復させるために必要な知識、技術とは何か?
2010年7月6日火曜日
太陽
約3億km光の速さで約16分かかる
!遠い!!!地球は自転している!「はやぶさ」はどこにいる?
2010年7月6日火曜日
携帯電話と「はやぶさ」
2010年7月6日火曜日
見つけた!!
2010年7月6日火曜日
見つけた!!
見つけた!!
2010年7月6日火曜日
64m(0.04度の範囲に「はやぶさ」を捉える必要ある)
3億km先だと 度で0.04度ずれると20万kmも離れたところにアンテナを向けることになる
2010年7月6日火曜日
•似ているところ•電波で通信•「圏外」では通じない•自分の位置を知らせることで通信確立•違うところ•遠いので指向性の強いアンテナで強力な信号を送る必要ある•地球の自転と公転、「はやぶさ」の軌道などの「物理」を考える必要ある
携帯と「はやぶさ」
2010年7月6日火曜日
違うところ(続き)•細かい話になるが•スピン状態の「はやぶさ」が落ち着いたときにちゃんとアンテナが地球に向くか?•緊急事態でも太陽電池パネルが発電できる方向に向くか?
•あとは.....根性
2010年7月6日火曜日
地球の自転の「物理」について、おまけ
2010年7月6日火曜日
34m アンテナ
34m
2010年7月6日火曜日
アンテナA アンテナ B
!"#$%&'
遠くにある電波を出す星
時間差
2010年7月6日火曜日
アンテナA アンテナ B
!"#$%&'
()*
+
長さ
遠くにある電波を出す星
2010年7月6日火曜日
34mアンテナで何をはかる?
2010年7月6日火曜日
ハワイ2010年7月6日火曜日
ホノルル
成田
5000km
2010年7月6日火曜日
ホノルル
成田 6時間半
8時間
1時間半よけいにかかる
2010年7月6日火曜日
なぜ?2010年7月6日火曜日
ホノルル
成田
強い西風
2010年7月6日火曜日
夏速い
冬遅い
地球の自転
2010年7月6日火曜日
でも、その変化の大きさは、わずか1000分の3秒ほど
1日の長さ風によって変化
2010年7月6日火曜日
「はやぶさ」だけでなく
2010年7月6日火曜日
カーナビ
2010年7月6日火曜日
GPS
2010年7月6日火曜日
地球の自転が正確にわからない
カーナビで使う人工衛星が、宇宙のどこを飛んでいるかもわからなくなります
2010年7月6日火曜日
カーナビが使えなくなります
2010年7月6日火曜日
2010年7月6日火曜日
34mアンテナは
地球の自転の速さとふらつきの大きさを
はかれる
2010年7月6日火曜日
2010年7月6日火曜日
2010年7月6日火曜日
ありがとうございました
2010年7月6日火曜日