38
I. 1.1 [1] すように, さがそれぞれ 2,4 および 2 ある が, xyz それぞれ 3 をそろえて かれている. C, D あり, B A する. A B C D 4 2 O x y z 2 E (1) ベクトル -→ BC -→ BD さい. (2) ベクトル -→ BD きが 大きさが 1 ベクトル ~u xyz をそれぞれ さい. (3) O し, F するベクトル -→ OF -→ OF = - -→ OB + 2 -→ OC + t ( 2 -→ OB - 2 -→ OC ) , -∞ <t< (p1.1.1) される F x-y る.こ さい. A かす ,ある ころ AC BD わった.こ E を以 よう. (4) A まだわから ,そ z a する.こ きベクトル -→ OA ベクトル -→ AC さい. (5) より, -→ BE -→ BD きを いている b いて -→ BE = b -→ BD (p1.1.2) せる. に, -→ AE -→ AC きを いている c いて -→ AE = c -→ AC (p1.1.3) せる.ベクトル -→ OE -→ OB + -→ BE せるし, -→ OA + -→ AE せる -→ OB + -→ BE = -→ OA + -→ AE (p1.1.4) つ. (p1.1.4) から a,b,c さい. (6) E さい.

物数 I. 問物数I. 問2.1 [問2] 図2-1に示すように,辺の長さがそれぞれ2,4 および2 である 直方体が,直交座標系xyz のそれぞれの軸に3辺をそろえて置

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Page 1: 物数 I. 問物数I. 問2.1 [問2] 図2-1に示すように,辺の長さがそれぞれ2,4 および2 である 直方体が,直交座標系xyz のそれぞれの軸に3辺をそろえて置

物数 I.問 1.1

[問 1]

右図に示すように,辺の長さがそれぞれ 2,4 および 2 である直方体が,直交座標系 xyz のそれぞれの軸に 3辺をそろえて置かれている.点 C, D は直方体の頂点であり,点 Bは辺の中点,点 Aは辺上の点とする.

A

BC

D

4

2

O

x

y

z

2 E

(1) ベクトル−→BCと

−→BD を成分で表しなさい.

(2) ベクトル−→BD と向きが逆で大きさが 1 のベクトル ~u の x,y,z成分をそれぞれ求めなさい.

(3) 原点 O を始点とし,点 F を終点とするベクトル−→OFが次の式

−→OF = −−→

OB + 2−→OC + t

(2−→OB − 2

−→OC

), −∞ < t < ∞ (p1.1.1)

で表される時,点 F の集合は x-y 平面上の直線となる.この直線を図示しなさい.

点 Aを辺の上で動かすと,あるところで線分 ACと線分 BDが交わった.このときの交点 Eを以下の手順で求めよう.

(4) 点 Aの位置はまだわからないので,その z 座標を未知数 a とする.このときベクトル−→OAとベクトル

−→ACを成分で表しなさい.

(5) 図より,−→BEと

−→BDは同じ向きを向いているので,未知数 b を用いて

−→BE = b

−→BD (p1.1.2)

と表せる.同様に,−→AEと

−→ACは同じ向きを向いているので,未知数 c を用いて

−→AE = c

−→AC (p1.1.3)

と表せる.ベクトル−→OE は

−→OB +

−→BE とも表せるし,

−→OA +

−→AE とも表せるので,等式

−→OB +

−→BE =

−→OA +

−→AE (p1.1.4)

が成り立つ.等式 (p1.1.4)から a , b , cを求めなさい.

(6) 点 Eの座標を求めなさい.

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物数 I.問 1.2

[答 1]

各点の座標は

A : (2, 0, a) , B : (2, 2, 0) , C : (0, 4, 0) , D : (0, 0, 2) (p1.2.1)

となる.

(1)

−→BC = (0, 4, 0) − (2, 2, 0) = (−2, 2, 0) , (p1.2.2)−→BD = (0, 0, 2) − (2, 2, 0) = (−2,−2, 2) . (p1.2.3)

(2)−→BDと向きが逆で,同じ大きさのベクトル ~aは ~a = −

−→BD = (2, 2,−2) となる.~aの大きさは

|~a| =√

22 + 22 + (−2)2 = 2√

3 なので,

~u =1|~a|

~a =1

2√

3(2, 2,−2) =

( 1√3

,1√3

, − 1√3

)(p1.2.4)

となる.以上より ~uの x成分は1√3,y成分は

1√3,z成分は − 1√

3となる.

(3)

−−→OB + 2

−→OC = (−2, 6, 0),2

−→OB − 2

−→OC = (4,−4, 0)) より

−→OF = (−2 + 4t , 6 − 4t , 0) (p1.2.5)

となる.点 F の座標を (x, y, z)とすると

x = −2 + 4t , y = 6 − 4t , z = 0 (p1.2.6)

となる.この直線は点 (4, 0, 0)と点 (0, 4, 0)を通り,下図のようになる.

x

y

-1 1 2 3 4 5

-1

1

2

3

4

5

尚, t を消去した x と y の関係式は

y = 4 − x (p1.2.7)

となる.

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物数 I.問 1.3

(4)

−→OA = (2, 0, a) , (p1.3.1)−→AC = (0, 4, 0) − (2, 0, a) = (−2, 4,−a) . (p1.3.2)

(5)

−→OB +

−→BE =

−→OB + b

−→BE = (2, 2, 0) + b(−2,−2, 2) = (2 − 2b , 2 − 2b , 2b) , (p1.3.3)

−→OA +

−→AE =

−→OA + c

−→AC = (2, 0, a) + c(−2, 4,−a) = (2 − 2c , 4c , a − ac) (p1.3.4)

なので,等式 (p1.1.4)より連立方程式

2 − 2b = 2 − 2c , (p1.3.5)

2 − 2b = 4c , (p1.3.6)

2b = a − ac (p1.3.7)

が得られる.この連立方程式から未知数 a, b, cを求める.

(p1.3.5)から,b = cが得られる.これを (p1.3.6)に代入して b = c = 1/3が得られる.これを (p1.3.7)に代入して a = 1が得られる.以上より

a = 1 , b =13

, c =13

. (p1.3.8)

となる.

(5) (p1.3.3)あるいは (p1.3.4)に (p1.3.8)を代入して,点 Eの座標は(43

,43

,23

)(p1.3.9)

であることがわかる.

【注】1つの等式 (p1.1.4)から 3つの未知数 a , b , c が求まるのは奇妙に感じるかもしれないが,(p1.1.4)はベクトルの間の等式なので,実際にはベクトルの各成分が等しいという 3つの等式をまとめて表していることになる.

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物数 I.問 2.1

[問 2]

図 2-1に示すように,辺の長さがそれぞれ 2,4 および 2 である直方体が,直交座標系 xyz のそれぞれの軸に 3辺をそろえて置かれている.点 B は辺の中点であり,点 A の座標を (1, 1, 1)とする.ただし ( , , ) の中の数値は点の座標を示す.このとき,次の問に答えなさい.

(1)線分 AC と 線分 AB の間の角度を θ1,線分 AC と 線分 ADの間の角度を θ2,とするとき,cos(θ1) と cos(θ2) をそれぞれ求めなさい.また,θ1 と θ2 はどちらが大きいかを答えなさい.

(2)−→AC ×−→

ABと−→AD ×−→

AC を計算しなさい.

D

C

42

2 AO

B

図 2-1

(3)3角形 ACDの面積を求めなさい.

(4)点 A, B, C を含む平面の方程式を求めなさい.

(5)図 2-1の点 A, B, C を含む平面によって,空間は 2つの領域に区切られる.次の 4点

E : (8, 1, 4) , F : (−1, 13, 2), G : (−2, 5, 7), H : (−5, −6, −7) .

について,それぞれ,点 Dと同じ領域に入っているか,点 Dと違う領域に入っているか,あるいは,ちょうどこの平面上にあるかを判定しなさい.

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物数 I.問 2.2

[答 2]

この座標系について各点の座標は

B : (0, 4, 1),C : (2, 4, 2) , D : (0, 0, 2) , (p2.2.1)

となる.

(1)−→AB = (−1, 3, 0) ,

−→AC = (1, 3, 1) ,

−→AD = (−1, −1, 1) (p2.2.2)

より,以下を得る:

−→AB · −→AC = −1 × 1 + 3 × 3 + 0 × 1 = 8 ,−→AC ·

−→AD = 1 × (−1) + 3 × (−1) + 1 × 1 = −3 , (p2.2.3)

|−→AB| =

√(−1)2 + 32 + 02 =

√10 , |

−→AC| =

√12 + 32 + 12 =

√11 ,

|−→AD| =

√(−1)2 + (−1)2 + 12 =

√3 . (p2.2.4)

これより

cos(θ1) =−→AB ·

−→AC

|−→AB||

−→AC|

=8√110

, cos(θ2) =−→AC ·

−→AD

|−→AC||

−→AD|

= − 3√33

(p2.2.5)

が得られる.cos(θ2) < 0 < cos(θ1)よりθ1 <

π

2< θ2 . (p2.2.6)

従って,θ2 の方が大きい.

(2)−→AC ×

−→AB = (−3, −1, 6) ,

−→AD ×

−→AC = (−4, 2, −2) . (p2.2.7)

(3)

4ACDの面積 =12|−→AD ×

−→AC| =

12

√(−4)2 + 22 + (−2)2 =

12

√24 =

√6 . (p2.2.8)

(4)−→AC ×

−→AB = (−3, −1, 6) は点 A, B, C を含む平面に直交するベクトルとなる. 平面上の任意の点 Pの座

標を (x, y, z)とすると−→APと

−→AC ×

−→AB は直交するので

0 =−→AP ·

(−→AC ×

−→AB

)= (x − 1, y − 1, z − 1) · (−3, −1, 6) = −3x − y + 6z − 2 (p2.2.9)

が成り立つ.従って平面の方程式は

3x + y − 6z = −2 (p2.2.10)

となる.(式 (p2.2.10)を定数倍した式でも構いません.)

【注】平面の方程式は一般に

ax + by + cz = d (p2.2.11)

と書けるの.点 A,B,Cの座標を式 (p2.2.11)に代入した方程式

a + b + c = d (p2.2.12)

4b + c = d (p2.2.13)

2a + 4b + 2c = d (p2.2.14)

を満たすように未知数 a, b, c, dを決めてもよい.

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物数 I.問 2.3

(5)

−→AD = (−1 , −1 , 1) ,

−→AE = (7 , 0 , 3) ,

−→AF = (−2 , 12 , 1) ,

−→AG = (−3 , 4 , 6) ,

−→AH = (−6 , −7 , −8) (p2.3.1)

より

−→AD ·

(−→AC ×−→

AB)

= 10 ,−→AE ·

(−→AC ×−→

AB)

= −3 ,−→AF ·

(−→AC ×−→

AB)

= 0 ,

−→AG ·

(−→AC ×

−→AB

)= 41 ,

−→AH ·

(−→AC ×

−→AB

)= −23 (p2.3.2)

となる.これより点Gが平面に対して点 D同じ側,点 Eと Hが逆側に位置することがわかる.また,点 Fはちょうど平面上にある.

【注】点 D,E,F,G,Hの座標を式 (p2.2.9)の右辺に代入して,その値の正負から判断してもよい.

f(x, y, z) = −3x − y + 6z − 2 (p2.3.3)

とすると

f(0, 0, 2) = 10 , f(8, 1, 4) = −3 , f(−1, 13, 2) = 0 ,

f(−2, 5, 7) = 41 , f(−5,−6,−7) = −23 (p2.3.4)

より,点Gは点 Dと同じ領域に属し,点 Eと Hは違う領域に属することがわかる.また点 Fはちょうど平面上にある.

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物数 I.問 3.1

[問 3]

図 3-1に示すように,辺の長さがそれぞれ 2,4 および 2である直方体が,直交座標系 xyz のそれぞれの

軸に 3辺をそろえて置かれている.点 C, D, E は直方体の頂点であり,点 B は辺の中央にある.また,点 A の座標を (1, 1, 1)とする.ただし ( , , )の中の数値は点の座標を示す.このとき,次の問に

答えなさい.

(1)線分 AB, AC, AD を 3辺とする平行 6面体の体積を求めなさい.

D

C

42

2AO

B

E

図 3-1

(2) 一定の速度で運動している点 P が図の点 D を時刻 t = 0 に通過し,時刻 t = 2 に点 E を通過した.任意の時刻 t の点 P の位置ベクトル ~rP(t) =

(xP(t) , yP(t) , zP(t)

)を求めなさい.

(3) 点Pが 3点 A,B,Cを含む平面を横切る時刻を求めなさい.(平面を表す方程式は [問 2]の (4)で求めました.)

(4) 点 P が 点 A に最も近づく時刻を求めなさい.

次に,図 3-2に示すように,点 A,B,C を頂点とする 3角形の板の後方にある点 S : (0, 0, 4)に点光源を置くと,地面に板の影 FGHができた.ただし,地面は手前が低くなるように少し傾いていて,次式

z = −x + 2y

10(p3.1)

で表される.つまり,(x , y , z)が地面上にある点の座標である場合,x,y と z の間には (p3.1)という関係がある.

(5) 点 G の座標を求めなさい.

FG

C

S

A

O H

B

図 3-2

Page 8: 物数 I. 問物数I. 問2.1 [問2] 図2-1に示すように,辺の長さがそれぞれ2,4 および2 である 直方体が,直交座標系xyz のそれぞれの軸に3辺をそろえて置

物数 I.問 3.2

[答 3]

この座標系について各点の座標は

B : (0, 4, 1),C : (2, 4, 2) , D : (0, 0, 2) , E : (2, 4, 0) , (p3.2)

となる.

(1)−→AB = (−1, 3, 0) ,

−→AC = (1, 3, 1) ,

−→AD = (−1, −1, 1) (p3.3)

より,平行 6面体の体積は∣∣∣−→AD ·(−→AC ×−→

AB)∣∣∣ = |(−1 , −1 , 1) · (−3, −1, 6)| = |10| = 10 , (p3.4)

あるいは ∣∣∣−→AB ·(−→AD ×−→

AC)∣∣∣ = |(−1 , 3 , 0) · (−4, 2, −2)| = |10| = 10 , (p3.5)

などより,10となる.

(2) 一定の速度で動く点の位置ベクトルは,~a,~bを定数のベクトルとして

~r(t) = t~a +~b (p3.6)

と表される.(線形代数・演習 Iの資料 §2.4 を参照.パラメータ t を時刻と考える.) 問題の条件,

−→OD = ~r(0) = ~b ,

−→OE = ~r(2) = 2~a +~b , (p3.7)

より

~a =12

(−→OE −

−→OD

)= (1 , 2 , −1) , ~b =

−→OD = (0 , 0 , 2) (p3.8)

が得られるので,時刻 t での点 Pの位置ベクトルは

~rP(t) = (t , 2t , 2 − t) (p3.9)

と表される.

(3) 平面を表す方程式は [問 2-4]より次式となる:

3x + y − 6z + 2 = 0 . (p3.10)

時刻 t = t1 に点 Pが平面を横切るとすると,(p3.9)を (p3.10)に代入して

0 = 3xP(t1) + yP(t1) − 6zP(t1) + 2 = 3t1 + 2t1 − 6(2 − t1) + 2 = 11t1 − 10 (p3.11)

より,点 Pが平面を横切る時刻 t1 は t1 =1011となる.

(参考)平面上の任意の点を表す位置ベクトル ~r を 2 つのパラメータ q,s を用いて

~r =−→OA + q

−→AB + s

−→AC = (1 − q + s , 1 + 3q + 3s , 1 + s) (p3.12)

と表すこともできる.点 P が時刻 t = t1 に平面を横切るという条件 ~rP(t1) = (1 − q + s , 1 + 3q + 3s , 1 + s) すなわち

t1 = 1 − q + s (p3.13)

2t1 = 1 + 3q + 3s (p3.14)

2 − t1 = 1 + s (p3.15)

を q, s, t1 についての連立方程式と考えて t1 = 10/11 を求めてもよい.(このとき,q = 2/11,s = 1/11 となります.)

Page 9: 物数 I. 問物数I. 問2.1 [問2] 図2-1に示すように,辺の長さがそれぞれ2,4 および2 である 直方体が,直交座標系xyz のそれぞれの軸に3辺をそろえて置

物数 I.問 3.3

(4)−→AP = (xP(t) − 1 , yP(t) − 1 , zP(t) − 1) = (t − 1 , 2t − 1 , 1 − t) (p3.16)

なので,点 Pと点 Aの間の距離の 2乗∣∣∣~rP(t) −−→OA

∣∣∣2 = (t − 1)2 + (2t − 1)2 + (1 − t)2 = 6t2 − 8t + 3 = 6(

t − 23

)2

+13

(p3.17)

を t の関数と考えて,最小値を与える t を求めればよい.関数が最小となる時刻を t2 とすると t = t2 で微

分係数が 0 となるので,式 (p3.17)を t で微分して

0 = 12t2 − 8 (p3.18)

より,時刻 t2 =23で点 Pは点 Aに最も近づくことがわかる.

(参考) ~rP(t) −−→OA と

−→DE が直交するという条件から最も近づく時刻を求めてもよい;

~rP(t2) −−→OA

·−→DE = 12t2 − 8 = 0 → t2 =

2

3.

上の条件と˛

˛

˛

~rP(t) −−→OA

˛

˛

˛

2の t についての微分が 0 という条件が一致するのは以下のようにわかる:

0 =d

dt

˛

˛

˛

~rP(t) −−→OA

˛

˛

˛

2=

d

dt

““

~rP(t) −−→OA

·“

~rP(t) −−→OA

””

=d

~rP(t) −−→OA

dt·

~rP(t) −−→OA

+“

~rP(t) −−→OA

·d

~rP(t) −−→OA

dt

= 2d

~rP(t) −−→OA

dt·

~rP(t) −−→OA

= 2~a ·“

~rP(t) −−→OA

=−→DE ·

~rP(t) −−→OA

. (p3.19)

(5)−→SC = (2 , 4 , −2) (p3.20)

であり,−→SC と

−→CG は同じ向きなので,αを正の実数の未知数として

−→CG = α

−→SC = (2α , 4α , −2α) (p3.21)

と書ける.αの値は点 Gが地面上にあるという条件から決める.点 Gの座標は

−−→OG =

−→OC +

−→CG = (2 + 2α , 4 + 4α , 2 − 2α) (p3.22)

なので,(p3.1)より

2 − 2α = −2 + 2α + 2(4 + 4α)10

(p3.23)

が成り立っている必要がある.この条件から α = 3 となる.従って点 Gの座標は

G : (8 , 16 , −4) (p3.24)

となる.

なお,点 F,Hの座標も同様に求めることができ

F :(

4027

,4027

, −49

), H :

(0 ,

8011

, −1611

)(p3.25)

となる.

Page 10: 物数 I. 問物数I. 問2.1 [問2] 図2-1に示すように,辺の長さがそれぞれ2,4 および2 である 直方体が,直交座標系xyz のそれぞれの軸に3辺をそろえて置

物数 I.問 4.1

.

[問 4-1]

(1) 4つの力 ~F1 = (2 , 3 , 1),~F2 = (−1 , −1 , 2),~F3 = (0 , 1 , 2)と ~F4 が物体に働いてつりあっている.~F4 を求めよう.大きさが最大の力と最小の力はそれぞれどれ?

(2) 図 4-1に示すように,辺の長さがそれぞれ 2,4 および 2である直方体が,直交座標系 xyz のそれぞれの軸に 3辺をそろえて置かれている.点 O,B,C.D は直方体の頂点,点 A は x = 2 にある面の中央にある.また,点 Eの座標を (1, 3, 1)とする.ただし ( , , ) の中の数値は点の座標を示す.このとき,次の問に答えなさい.

(2-1)点 Eから点 A,B,C,D,Oに向かう単位ベクトル ~uA,~uB,

~uC,~uD,~uO をそれぞれ求めなさい.

(2-2)点 E にある物体に,点O に向かって大きさ 2√

11 N の力 ~FO が働いているとき,~FO を成分で表しなさい.

D

C

42

2A

OB

E

図 4-1

(2-3) 点 E にある物体を点 A に向かって大きさ fA [N] の力 ~FA で引っ張る.さらに点 B に向けて大きさfB [N] の力 ~FBで,点 Cにむけて大きさ fC [N] の力 ~FCで,点Dにむけて大きさ

√11 N の力 ~FDで,

点Oにむけて大きさ 2√

11 N の力 ~FOで引っ張る.力がつりあって物体が静止する場合に fA,fB,fC

を求めなさい.

[問 4-2]

なめらかな平面 ACと BCからなる三角柱形の斜面が水平面上に固定されている.図 4-2に示すように,質量 m1 とm2 の物体を糸で

つないで斜面 ACと BC上に置くとつりあって静止した.このとき,斜面の長さの比,AC/BC を以下の手順で求めよう.

(1)斜面 AC 上にある物体には,鉛直下向きの重力 ~w1,糸の方

向の 張力 ~F1,斜面から物体にはたらく斜面に垂直な向き

の 垂直抗力 ~N1 がはたらく (図 4-3).一般には斜面に平行

な 摩擦力 もはたらくが,ここでは面がなめらかで摩擦はない

とする。y 軸を水平方向に,z 軸を鉛直上向きにとり,2つの物体が y-z平面内にあるように座標系をとる.(x軸は紙面に垂直上向きとなる.) 重力を成分で表すと

~w1 = (0 , 0 , −m1g) (p4.1)

となる.斜面ACと水平面との角度を θとする.また,張力の大

きさを f1,垂直抗力の大きさを n1 とするとき,~F1 と ~N1 を成

分で表しなさい.

(2)力のつりあいの条件 ~w1 + ~F1 + ~N1 = ~0を用いて,f1 と n1 を θ

とm1gで表しなさい.

(3)同様に,斜面 BC上にある物体にはたらく,重力 ~w2,糸の張力~F2,斜面からの垂直抗力 ~N2 を成分で表しなさい (図 4-4).ただし,斜面 BCと水平面との角度を φとする.また,張力の大きさ

を f2,垂直抗力の大きさを n2 とする.

1m 2

m

A B

C

D

図 4-2

1m

A

C

θ

1Fr

1Nr

1wr y

z

図 4-3

y

2m

B

C

2wr

2Fr

2Nr

φz

図 4-4

(4) 力のつりあいの条件 ~w2 + ~F2 + ~N2 = ~0を用いて,f2 と n2 を求めなさい.

(5) 糸にはたらく張力の大きさが同じであること f1 = f2 と,関係式

CD = ACsin(θ) = BC sin(φ) (p4.2)

から AC/BC をm1 とm2 で表しなさい.

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物数 I.問 4.2

[答 4-1]

(1)~F4 = −~F1 − ~F2 − ~F3 =

(− 1 , −3 , −5

). (p4.3)

|~F1| =√

14 , |~F2| =√

6 , |~F3| =√

5 , |~F4| =√

35 (p4.4)

なので,大きさが最大の力は ~F4,最小の力は ~F3 となる.

(2) この座標系について各点の座標は A:(2, 2, 1),B:(0, 4, 0),C:(2, 4, 2),D:(0, 0, 2),E:(1, 3, 1),となる.

(2-1)

−→EA =

(1 , −1 , 0

),

−→EB =

(− 1 , 1 , −1

),

−→EC =

(1 , 1 , 1

),

−→ED =

(− 1 , −3 , 1

),

−→EO =

(− 1 , −3 , −1

)(p4.5)

となる.点 Eから点 A,B,C,D および Oに向かう単位ベクトル ~uA,~uB,~uC, ~uD, ~uO, はそれぞれ

~uA =−→EA

|−→EA|

=1√2

(1 , −1 , 0

), ~uB =

−→EB

|−→EB|

=1√3

(− 1 , 1 , −1

),

~uC =−→EC

|−→EC|

=1√3

(1 , 1 , 1

), ~uD =

−→ED

|−→ED|

=1√11

(− 1 , −3 , 1

),

~uO =−→EO

|−→EO|

=1√11

(− 1 , −3 , −1

)(p4.6)

となる.

(2-2)~FO = 2

√11 ~uO =

(− 2 , −6 , −2

). (p4.7)

(2-3) 点 Eから点 A,B,C,D および Oに向かう力をそれぞれ ~FA,~FB,~FC,~FD および ~FO とすると

~FA = fA ~uA =fA√

2

(1 , −1 , 0

), ~FB = fB ~uB =

fB√3

(− 1 , 1 , −1

),

~FC = fC ~uC =fC√

3

(1 , 1 , 1

), ~FD =

√11 ~uD =

(− 1 , −3 , 1

)~FO = 2

√11 ~uO =

(− 2 , −6 , −2

)(p4.8)

となる.力のつりあいの条件

~FA + ~FB + ~FC + ~FD + ~FO =

−3 + fA√2

+ fC−fB√3

−9 − fA√2

+ fC+fB√3

−1 + fC−fB√3

=

0

0

0

(p4.9)

より,fA,fC,fD についての連立方程式

fA√2

+fC − fB√

3= 3 , − fA√

2+

fC + fB√3

= 9 ,fC − fB√

3= 1 (p4.10)

が得られる.

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物数 I.問 4.3

これを解いて

fA = 2√

2 , fB = 5√

3 , fC = 6√

3 (p4.11)

となる.

【注】(p4.10)を解くのに変数 fA, fB, fCのかわりに f̃A =fA√

2,f̃B =

fB√3,f̃C =

fC√3を用いてもよい.

[答 4-2]

(1)~F1 =

(0 , f1 cos(θ) , f1 sin(θ)

), ~N1 =

(0 , −n1 sin(θ) , n1 cos(θ)

)(p4.12)

(2) 力のつりあいの条件 ~w1 + ~F1 + ~N1 = ~0 より

f1 cos(θ) − n1 sin(θ) = 0 (p4.13)

−m1g + f1 sin(θ) + n1 cos(θ) = 0 (p4.14)

が得られる.f1,n1を未知数とする連立方程式なので,まず,n1を消去する:cos(θ)×(p4.13)+sin(θ)×(p4.14)より

−m1g sin(θ) + f1

(cos2(θ) + sin2(θ)

)= 0 (p4.15)

が得られる.

同様に cos(θ) × (p4.14) − sin(θ) × (p4.13) より f1 を消去して

−m1g cos(θ) + n1

(cos2(θ) + sin2(θ)

)= 0 (p4.16)

が得られる.以上から以下が得られる:

f1 = m1g sin(θ) , n1 = m1g cos(θ) . (p4.17)

【注】斜辺の長さが m1g,他の 2辺の長さが f1 と n1 の直角3角形 (図4-5)を考えて (p4.17)を求めてもよい.

1Fr1

Nr

1wr

. 図 4-5

(3)~F2 =

(0 , −f2 cos(φ) , f2 sin(φ)

), ~N2 =

(0 , n2 sin(φ) , n2 cos(φ)

)(p4.18)

(4) 力のつりあいの条件 ~w2 + ~F2 + ~N2 = ~0 より

−f2 cos(φ) + n2 sin(φ) = 0 (p4.19)

−m2g + f2 sin(φ) + n2 cos(φ) = 0 (p4.20)

が得られる.これらの式から以下が得られる:

f2 = m2g sin(φ) , n2 = m2g cos(φ) . (p4.21)

(5) f1 = f2 より

m1 sin(θ) = m2 sin(φ) . (p4.22)

また,ACsin(θ) = BC sin(φ) なのでACBC

=sin(φ)sin(θ)

=m1

m2(p4.23)

が得られる.

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物数 I.問 5.1

.

sin“π

6

=1

2, cos

“π

6

=

√3

2

[問 5-1]

図 5-1に示すような,長さ 2Lと L の棒を,棒の中心で直角に組み

合わせた物体を考える.この物体を棒の中心を原点として y-z 平面内に置き,x 軸を回転軸として,そのまわりに自由に回転できるよ

うにする.長さ 2L の棒が y 軸から θ = π/6 だけ傾いているとき,点 B に力 ~FB =

(0 , 2 , 3

)を加え,点 C に力 ~FC =

(0 , 2 , −2

)を

加えた.

(1)力 ~FB がこの物体に及ぼす,原点の回りの力のモーメント ~NBを

求めなさい.

(2)力 ~FC がこの物体に及ぼす,原点の回りの力のモーメント ~NCを

求めなさい.

θ

A

B

C

z

yO

2L

L

D

図 5-1

(3) この物体に力 ~FBと ~FC を加えた場合,この棒は x 軸のまわりに,時計回りに回り始めるか,反時計回りに

回り始めるか,あるいは静止したままかを答えなさい.

(4) 点 D に力 ~FD =(0 , 0 , Fz

)をさらに加えて回転軸のまわりに回転しないようにした.Fz を求めなさい.

[問 5-2]

図 5-2のような,ゆがんだやじろべえを考える.やじろべえは y-z平面内にあり,x軸のまわりにのみ,回転でき

るとする.点 Aに質量 m1 のおもりをつけ,点 Bに質量 m2 のおもりをつけると,やじろべえはつりあって静止

した.このときの点Aの座標を (0 , 2 , −1),点 Bの座標を (0 , −4 , 1) とする.重力加速度の大きさを g とし,次

の問いに答えなさい.

(1) 点 Aの位置のおもりにはたらく重力 ~FA による原点の回りの力のモーメント ~NA を求めなさい.

(2) 点 Bの位置のおもりにはたらく重力 ~FB による原点の回りの力のモーメント ~NB を求めなさい.

(3)m1

m2を求めなさい.

z

yO

1m

2m

A

B

図 5-2

z

yO 1

m2m

A

B

θ

図 5-3

(4) 次に,やじろべえを θだけ傾けて放した (図 5-3).このとき,やじろべえは x 軸のまわりに,時計回りに回

り始めるか,反時計回りに回り始めるか,あるいは静止したままかを答えなさい.やじろべえを,少し反時

計回りに回転させて傾ける場合 (θ > 0)と,少し時計回りに回転させて傾ける場合 (θ < 0)のそれぞれについて答えなさい.ただし,傾ける角度は小さい (|θ| ¿ 1) として,以下の近似式が成り立つとする:

sin(θ) ≈ θ , cos(θ) ≈ 1 . (p5.1)

また,座標 (0 , y , z)にある点を x 軸のまわりに θだけ回転させた点の座標 (0 , y′ , z′) は以下のようになる(線形代数・演習 I 資料 §3.3):(

y′

z′

)=

(cos(θ) − sin(θ)sin(θ) cos(θ)

)(y

z

)=

(cos(θ)y − sin(θ)zsin(θ)y + cos(θ)z

)≈

(y − θz

z + θy

). (p5.2)

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物数 I.問 5.2

[答 5-1]

(1) ~rB = L(0 cos(θ) , sin(θ)

)なので

~NB = ~rB × ~FB = L(0 cos(θ) , sin(θ)

(0 , 2 , 3

)= L

(3 cos(θ) − 2 sin(θ) , 0 , 0

)=

(L

3√

3 − 22

, 0 , 0)

(p5.3)

となる.

(2) ~rC =L

2

(0 − sin(θ) , cos(θ)

)なので

~NC = ~rC × ~FC =L

2

(0 − sin(θ) , cos(θ)

(0 , 2 , −2

)=

L

2

(2 sin(θ) − 2 cos(θ) , 0 , 0

)=

(L

1 −√

32

, 0 , 0)

(p5.4)

となる.

(3) 力 ~FB と力 ~FC が働く場合の原点の回りの力のモーメント ~N は

~N = ~rB × ~FB + ~rC × ~FC+ =(L

2√

3 − 12

, 0 , 0)

(p5.5)

となる. ~N は x 軸の正の向きを向いているので,棒は x 軸の回りに 反時計回りに回転を始める.

(4) 力 ~FD による力のモーメント ~ND は ~rD =L

2

(0 sin(θ) , − cos(θ)

)なので

~ND = ~rD × ~FD =L

2

(0 sin(θ) , − cos(θ)

(0 , 0 , Fz

)=

L

2

(Fzsin(θ) , 0 , 0

)=

(L

Fz

4, 0 , 0

)(p5.6)

となる.物体が回転しないのは ~N + ~ND = ~0となる場合なので

L2√

3 − 12

+ LFz

4= 0 (p5.7)

より

Fz = 2 − 4√

3 (p5.8)

となる.

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物数 I.問 5.3

[答 5-2]

(1) ~FA = (0 , 0 , −m1g)なので

~NA = ~rA × ~FA =(0 , 2 , −1

(0 , 0 , −m1g

)=

(− 2m1g , 0 , 0

). (p5.9)

(2) ~FB = (0 , 0 , −m2g)なので

~NB = ~rB × ~FB =(0 , −4 , 1

(0 , 0 , −m2g

)=

(4m2g , 0 , 0

). (p5.10)

(3) 力のモーメントの和が 0ベクトルになるという条件:

~NA + ~NB =(− 2m1g + 4m2g , 0 , 0

)= (0 , 0 , 0) (p5.11)

よりm1

m2= 2 (p5.12)

となる.

(4) やじろべえが θ 傾いたときのおもりの位置は (p5.2)より

A′ :(0 , 2 + θ , −1 + 2θ

), B′ :

(0 , −4 − θ , 1 − 4θ

)(p5.13)

となる.おもりにはたらく重力は変わらないので,この場合の力のモーメントは

~NA′ = ~rA′ × ~FA ≈(0 , 2 + θ , −1 + 2θ

(0 , 0 , −m1g

)=

(− 2m1g − θm1g , 0 , 0

),

~NB′ = ~rB′ × ~FB ≈(0 , −4 − θ , 1 − 4θ

(0 , 0 , −m2g

)=

(4m2g + θm2g , 0 , 0

),

~NA′ + ~NB′ =(− 2m1g + 4m2g − θm1g + θm2g , 0 , 0

)m1=2m2=

(− θm2g , 0 , 0

)(p5.14)

となる.これより, やじろべえを{少し反時計回りに回転 ; θ > 0 ; Nx < 0 ; 棒は時計回りに回り始める少し時計回りに回転 ; θ < 0 ; Nx > 0 ; 棒は反時計回りに回り始める

(p5.15)

となることがわかる.

やじろべえはつりあいの配置 (θ = 0)からの微小な変化に対して,元の配置に戻ろうとするので,この場合,つりあいの状態は 安定 となる.

Page 16: 物数 I. 問物数I. 問2.1 [問2] 図2-1に示すように,辺の長さがそれぞれ2,4 および2 である 直方体が,直交座標系xyz のそれぞれの軸に3辺をそろえて置

物数 I.問 6.1

[問 6-1]

図 6-1に示すように,辺の長さがそれぞれ 2,4 および 2 である直方体が,直交座標系 xyz のそれぞれの軸に 3辺をそろえて置かれている.点 C, D, E は直方体の頂点であり,点 B は辺の中央にある.また,点 A の座標を (1, 1, 1)とする.ただし ( , , ) の中の数値は点の座標を示す.点 P が一定の加速度

~a0 = (0 , 0 , −6) (p6.1)

で運動しているとする.次の問に答えなさい.

D

C

A

O

B

E4

2

2

図 6-1

(1) 点 P が図の点D を時刻 t = 1 に通過した.また,時刻 t = 2 に点 E を通過した.任意の時刻 t の点 Pの位置ベクトル ~rP(t) =

(xP(t) , yP(t) , zP(t)

)を求めなさい.

(2) 点 Pが点 Dから点 Eまで動く間に,3点 A,B,C を含む平面を横切る時刻を求めなさい.(平面を表す方程式は [問 2]の (4)で求めました.)

[問 6-2]

なめらかな水平面上を 2人の人 A, C が運動している.それぞれの位置ベクトルは,水平面上の x-y 座標によって

~rA(t) =(− t2 + 6t − 10 , t − 3

), ~rC(t) =

(t − 2 , 2t − 8

)(p6.2)

と表されている.(z 成分はともに 0.)

Aが手に持っていたボールを水平面上で静かに放し,その後,ボールは等速度運動を行うとする.Cがこのボールをうまく受け取れるためには,Aがいつボールを放せばよいかを以下の手順で求めよう.

(1) Aがボールを放す時刻を t = t1 とする.時刻 t = t1 での A の速度ベクトル ~v1 を t1 で表しなさい.

(2) 時刻 t = t1 に A が手に持っていた ボールを水平面上で静かに放した.ボールと水平面の間には摩擦は働かないとすると,ボールは時刻 t = t1 に ~rA(t1) を通り,速度 ~v1 の等速度運動を行う.t ≥ t1 で

のボールの運動を表す位置ベクトル ~rB(t) を書き表しなさい.

(3) このボールを C が時刻 t = t2 に受け取った.(つまり,~rB(t2)= ~rC(t2) となった.)時刻 t1 と t2 を求

めなさい.

A

C

B

-6 -4 -2 2 4

-4

-2

2

4

x

y

図 6- 2

Page 17: 物数 I. 問物数I. 問2.1 [問2] 図2-1に示すように,辺の長さがそれぞれ2,4 および2 である 直方体が,直交座標系xyz のそれぞれの軸に3辺をそろえて置

物数 I.問 6.2

[答 6-1]

この座標系について各点の座標は

B : (0, 4, 1),C : (2, 4, 2) , D : (0, 0, 2) , E : (2, 4, 0) , (p6.3)

となる.

(1) プリントの式 (24.4)より, 一定の加速度 ~a0 で運動する物体が時刻 t = t0 に位置 ~r0 を通り,その時の速度

が ~v0 である場合の位置ベクトルは

~r(t) = ~r0 + (t − t0) ~v0 +(t − t0)2

2~a0 (p6.4)

となる.点 Pは時刻 t = 1に点 Dを通るので,t0 = 1 , ~r0 =−→ODとすると,点 Pの位置ベクトルは

~rP(t) =(t − 1)2

2~a0 + (t − 1) ~v0 +

−→OD (p6.5)

と表される.問題の条件より

~rP(2) =12

~a0 + ~v0 +−→OD =

−→OE (p6.6)

なので,

~v0 =−→OE −

−→OD − 1

2~a0 =

(2 , 4 , 0

)−

(0 , 0 , 2

)+

(0 , 0 , 3

)=

(2 , 4 , 1

)(p6.7)

が得られる.(p6.7)を (p6.5)に代入して,時刻 t の点 P の位置ベクトルは以下で与えられる;

~rP(t) =(xP(t) , yP(t) , zP(t)

)=

(2t − 2 , 4t − 4 , −3t2 + 7t − 2

). (p6.8)

(2) 平面を表す方程式は [問 2-4]より次式となる:

3x + y − 6z + 2 = 0 . (p6.9)

時刻 t = t1 に点 Pが平面を横切るとすると,(p6.8)を (p6.9)に代入して,t1 に対する条件,

0 = 3xP(t1) + yP(t1) − 6zP(t1) + 2 = 18t21 − 32t1 + 4 = 2(9t21 − 16t2 + 2) (p6.10)

が得られる.この方程式の解は

t1 =8 ±

√46

9(p6.11)

となるが,1 < t1 < 2なので,点 Pが平面を横切る時刻は t1 =8 +

√46

9となる.

Page 18: 物数 I. 問物数I. 問2.1 [問2] 図2-1に示すように,辺の長さがそれぞれ2,4 および2 である 直方体が,直交座標系xyz のそれぞれの軸に3辺をそろえて置

物数 I.問 6.3

[答 6-2]

(1) A の速度ベクトル ~vA(t) は A の位置ベクトルの時間 t についての微分で得られる;~vA(t) =d~rA(t)

dt.

ベクトルの微分は各成分を微分すればよいので

~vA(t) =ddt

(− t2 + 6t − 10 , t − 3

)=

(− 2 t + 6 , 1

)(p6.12)

となる.時刻 t1 での速度ベクトルは上の式に t = t1 を代入して得られる;

~v1 =(− 2 t1 + 6 , 1

)(p6.13)

(2) ボール B は時刻 t1 に位置 ~rA(t1) にあり,速度 ~v1 で等速度運動 (等速直線運動)を行う.B の位置の変化は単位時間あたり ~v1 なので,時刻 t1 から時刻 t の間には (t− t1) ~v1 だけ位置が変化する.(プリントの式 (24.1)も参照.) 従って

~rB(t) = ~rA(t1) + (t − t1) ~v1 =((6 − 2t1) t + t21 − 10 , t − 3

)(p6.14)

となる.

(3) 条件 ~rB(t2)= ~rC(t2) は両辺のベクトルの各成分が等しいことを意味する;

(6 − 2t1) t2 + t21 − 10 = t2 − 2 , (p6.15)

t2 − 3 = 2t2 − 8 . (p6.16)

この 2式から t1 , t2 を求める.式 (p6.16)より

t2 = 5 (p6.17)

が得られる.これを式 (p6.15)に代入して t1 が満たすべき条件

t21 − 10 t1 + 17 = 0 (p6.18)

が得られる.この 2次方程式の解は 5 ± 2√

2 であるが,

t1(A がボールを放した時刻) < t2 = 5 (B がボールを受け取った時刻)

なので,Aは時刻t1 = 5 − 2

√2 (p6.19)

にボールを静かに放せばよいことがわかる.

Page 19: 物数 I. 問物数I. 問2.1 [問2] 図2-1に示すように,辺の長さがそれぞれ2,4 および2 である 直方体が,直交座標系xyz のそれぞれの軸に3辺をそろえて置

物数 I.問 7.1

.

exp(f(t)) = ef(t) θ(シータ)

[問 7-1] これは微分の練習問題です.次の関数を変数 t について微分して,導関数を求めなさい. また,x 軸上を

運動する物体の時刻 t の x座標が x = f(t)で表される場合,時刻 t = 1 で物体は,x 軸の正の向きに動くか,負

の向きに動くか,それとも (一瞬)静止するかをそれぞれについて述べなさい.

(1) f(t) =√

t2 + 8 (2) f(t) = sin(π

3

√t2 + 8

)(3) f(t) = exp

(3 −

√t2 + 8

)(4) f(t) = sin

3

√t2 + 8

)exp

(3 −

√t2 + 8

)(5) f(t) = cos

(3π

2e3−

√t2+8

)

(6) f(t) = log(√

t2 + 8 − 2)

(7) f(t) = F(sin

3

√t2 + 8

)),ただし F (x) =

2√π

∫ x

0

e−s2ds, つまり F (x)は,導関数が

dF (x)dx

=

2√π

e−x2であり,F (0) = 0となる関数.

【注】 (7) でdf(t)

dt6= dF (u)

du

˛

˛

˛

˛

u=sin“

π3

√t2+8

=2√π

e−u2˛

˛

˛

˛

u=sin“

π3

√t2+8

=2√π

e−

h

sin“

π3

√t2+8

”i2

(p7.1)

であることに注意.F の導関数dF (u)

duに u = sin

“π

3

p

t2 + 8”

を代入するのではなく,F (u) に u =

sin“π

3

p

t2 + 8”

を代入した後に,t で微分する.

(参考) F (x)は 誤差関数 と呼ばれ,erf(x) などと書かれる.

[問 7-2] x-y 平面上で物体が曲線 y = cosh(x) 上を一定の速さ (速度の大きさ) |~v(t)| = 3 で左から右に動いている.物体が,点 A (0 , 1)を通る時の速度ベクトル ~v1 と加速度ベクトル ~a1,を求めたい.以下の手順に従って考

えよう.ただし

sinh(θ) =eθ − e−θ

2, cosh(θ) =

eθ + e−θ

2(p7.2)

は 双曲線関数 と呼ばれる関数で

cosh2(θ) − sinh2(θ) = 1 , (p7.3)

d sinh(θ)dθ

= cosh(θ) ,d cosh(θ)

dθ= sinh(θ) (p7.4)

などの関係式を満たす.§̈ ¥¦香中 p.29 §̈ ¥¦和達 p.18,p.232

(1) 時刻 t の物体の x 座標を x(t) と書くと,時刻 t の物体の y 座標は

y(t) = cosh(x(t)) と x(t) で表せる.この関係を用いて時刻 t での物体の

速度ベクトル ~v(t) を x(t) とdx(t)

dtを用いて表そう.

(2) 時刻 t での物体の加速度ベクトル ~a(t) を x(t),dx(t)

dtと

d2x(t)dt2

を用いて

表そう.

(3) 物体が速さ (速度の大きさ) |~v(t)| = 3 で左から右に動いている.(つまり

dx(t)/dt > 0 となっている.) このときdx(t)

dtと

d2x(t)dt2

を x(t) を用いて表そう.

(4) 物体が点 A を通る時刻を t = t1 とする.(つまり,x(t1) = 0となる.)t = t1 でのの速度と加速度をそれぞれ求めよう.

� � ����� � ��� ����� � ���� � ���� �

����

���

� ��

x

y

A

vr

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物数 I.問 7.2

.

多少,複雑な関数の微分には合成関数の微分の式を何回か用いる.既に求めた結果を用いると計算が楽になる:

(1)df(t)dt

=d

dt

√t2 + 8 =

du1/2

du

∣∣∣∣u=t2+8

d(t2 + 8)dt

=12u−1/2 2t =

t√t2 + 8

. (p7.5)

vx(1) =df(t)dt

∣∣∣∣t=1

=13

> 0 (p7.6)

より,時刻 t = 1 で物体は x 軸の正の向きに動く.

(2)

df(t)dt

=d

dtsin

3

√t2 + 8

)=

d sin(u)du

∣∣∣∣u= π

3

√t2+8

π

3d

dt

√t2 + 8

(1)= cos(u)

π

3t√

t2 + 8

=πt

3√

t2 + 8cos

3

√t2 + 8

). (p7.7)

vx(1) =df(t)dt

∣∣∣∣t=1

9cos(π) = −π

9< 0 (p7.8)

より,時刻 t = 1 で物体は x 軸の負の向きに動く.

(3)

df(t)dt

=d

dtexp

(3 −

√t2 + 8

)=

deu

du

∣∣∣∣u=3−

√t2+8

d(3 −√

t2 + 8)dt

= −eu d√

t2 + 8dt

(1)= − t√

t2 + 8e3−

√t2+8 . (p7.9)

vx(1) =df(t)dt

∣∣∣∣t=1

= −13

e0 = −13

< 0 (p7.10)

より,時刻 t = 1 で物体は x 軸の負の向きに動く.

(4)

df(t)dt

=d

dt

{sin

3

√t2 + 8

)exp

(3 −

√t2 + 8

)}=

d sin(

π3

√t2 + 8

)dt

e3−√

t2+8 + sin(π

3

√t2 + 8

) de3−√

t2+8

dt(2,3)=

πt

3√

t2 + 8cos

3

√t2 + 8

)e3−

√t2+8 − sin

3

√t2 + 8

) t√t2 + 8

e3−√

t2+8

=t√

t2 + 8e3−

√t2+8

3cos

3

√t2 + 8

)− sin

3

√t2 + 8

)}. (p7.11)

vx(1) =df(t)dt

∣∣∣∣t=1

=13

e0{π

3cos(π) − sin(π)

}= −π

9< 0 (p7.12)

より,時刻 t = 1 で物体は x 軸の負の向きに動く.

(5)

df(t)dt

=d

dtcos

(3π

2e3−

√t2+8

)=

d cos(u)du

∣∣∣∣u= 3π

2 e3−√

t2+8

2d

dt

(e3−

√t2+8

)(3)=

2sin(u)

t√t2 + 8

e3−√

t2+8 =3πt

2√

t2 + 8sin

(3π

2e3−

√t2+8

)e3−

√t2+8 . (p7.13)

vx(1) =df(t)dt

∣∣∣∣t=1

2sin

(3π

2e0

)e0 = −π

2< 0 (p7.14)

より,時刻 t = 1 で物体は x 軸の負の向きに動く.

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物数 I.問 7.3

(6)

df(t)dt

=d log(

√t2 + 8 − 2)dt

=log(u)

du

∣∣∣∣u=

√t2+8−2

d(√

t2 + 8 − 2)dt

(1)=

1u

t√t2 + 8

=t

(√

t2 + 8 − 2)√

t2 + 8. (p7.15)

vx(1) =df(t)dt

∣∣∣∣t=1

=13

> 0 (p7.16)

より,時刻 t = 1 で物体は x 軸の正の向きに動く.

(7)

df(t)dt

=dF

(sin

(π3

√t2 + 8

))dt

=dF (u)

du

∣∣∣∣u=sin(π

3

√t2+8)

d

dtsin

3

√t2 + 8

)(2)=

2√π

e−u2∣∣∣∣u=sin(π

3

√t2+8)

πt

3√

t2 + 8cos

3

√t2 + 8

)=

2√

π t

3√

t2 + 8cos

3

√t2 + 8

)e−[sin(π

3

√t2+8)]2 . (p7.17)

vx(1) =df(t)dt

∣∣∣∣t=1

=2√

π

9cos (π) e−[sin(π)]2 = −2

√π

9e0 = −2

√π

9< 0 (p7.18)

より,時刻 t = 1 で物体は x 軸の負の向きに動く.

[答 7-2]

(1) 物体の位置ベクトルは~r(t) =

(x(t) , cosh(x(t))

)(p7.19)

と書き表すことができる.速度ベクトルは

~v(t) =d~r(t)dt

=(

dx(t)dt

,d cosh(x(t))

dt

)=

(dx(t)

dt,

d cosh(θ)dθ

∣∣∣∣θ=x(t)

dx(t)dt

)

=(

dx(t)dt

, sinh(θ)|θ=x(t)

dx(t)dt

)=

dx(t)dt

(1 , sinh(x(t))

)(p7.20)

となる.

(2) 加速度ベクトルは

~a(t) =d~v(t)dt

=d

dt

{dx(t)

dt

(1 , sinh(x(t))

)}=

d2x(t)dt2

(1 , sinh(x(t))

)+

dx(t)dt

d

dt

(1 , sinh(x(t))

)=

d2x(t)dt2

(1 , sinh(x(t))

)+

dx(t)dt

(0 ,

d sinh(θ)dθ

∣∣∣∣θ=x(t)

dx(t)dt

)=

d2x(t)dt2

(1 , sinh(x(t))

)+

(dx(t)

dt

)2 (0 , cosh(x(t))

)=

(d2x(t)

dt2,

d2x(t)dt2

sinh(x(t)) +(

dx(t)dt

)2

cosh(x(t))

)(p7.21)

となる.

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物数 I.問 7.4

(3) 物体が一定の速さ 3 で運動しているという条件から

3 = |~v(t)| =∣∣∣∣dx(t)

dt

∣∣∣∣ ∣∣∣(1 , sinh(x(t)))∣∣∣ =

∣∣∣∣dx(t)dt

∣∣∣∣ √1 + (sinh(x(t))2 =

∣∣∣∣dx(t)dt

∣∣∣∣ √(cosh(x(t))2

=∣∣∣∣dx(t)

dt

∣∣∣∣ cosh(x(t)) (p7.22)

が得られる.dx(t)/dt > 0 なので dx(t)/dt は x(t) と次の関係

dx(t)dt

=3

cosh(x(t))(p7.23)

があることがわかる.次に,d2x(t)/dt2 は (p7.23)を t でもう一度微分して

d2x(t)dt2

= 3d

dt

(cosh(x(t))

)−1

= 3du−1

du

∣∣∣∣u=cosh(x(t))

d cosh(x(t))dt

= −3u−2 d cosh(θ)dθ

∣∣∣∣θ=x(t)

dx(t)dt

= −3sinh(x(t))(cosh(x(t))

)2

dx(t)dt

(p7.24)

が得られるが,この式の右辺に (p7.23)を代入して

d2x(t)dt2

= −9sinh(x(t))(cosh(x(t))

)3 (p7.25)

となる.

(4) (p7.23)と (p7.25)から t = t1 で

dx(t)dt

∣∣∣∣t=t1

=3

cosh(x(t1))=

3cosh(0)

= 3 , (p7.26)

d2x(t)dt2

∣∣∣∣t=t1

= −9sinh(x(t1))(cosh(x(t1))

)3 = −9sinh(0)(cosh(0)

)3 = 0 (p7.27)

となる.上の値を (p7.20)と (p7.21)に代入して点 Aでの速度と加速度は

~v1 = ~v(t1) =dx(t)

dt

∣∣∣∣t=t1

(1 , sinh(x(t1))

)= 3

(1 , sinh(0)

)= (3 , 0) , (p7.28)

~a1 = ~a(t1) =

d2x(t)dt2

∣∣∣∣t=t1

,d2x(t)

dt2

∣∣∣∣t=t1

sinh(x(t1)) +

(dx(t)

dt

∣∣∣∣t=t1

)2

cosh(x(t1))

=

(0 , (3)2 cosh(0))

)= (0 , 9) (p7.29)

となる.

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物数 I.問 8.1

.

sin(α) cos(β) =1

2

sin(α − β) + sin(α + β)”

cos(α) cos(β) =1

2

cos(α − β) + cos(α + β)”

, sin(α) sin(β) =1

2

cos(α − β) − cos(α + β)”

cos(0) = 1 , sin(0) = 0 ea+b = ea eb d log |t + a|dt

=1

t + a, log(1) = 0

[問 8] 積分の練習問題

次の関数 f(t) が x 軸上を運動する物体の時刻 t の速度 (の x成分),vx(t),であるとする.x(0) = 5 である場合に,任意の時刻 t での物体の x座標,x(t),を求めなさい.

(1) f(t) = 6t2 + 2t + 3 (2) f(t) = sin(2t

)(3) f(t) = 5 cos

(3t

)

(4) f(t) = 2 sin2(5t

)(5) f(t) = 5 cos2

(2t

)(6) f(t) = 4 sin

(2t

)cos

(3t

)

(7) f(t) = 4 sin(2t

)sin

(4t

)(8) f(t) = 4 cos

(3t

)cos

(4t

)(9) f(t) = 10 exp(−5t + 3)

(10) f(t) =

0 ; t < 4

2 − 4t−2 ; 4 ≤ t

t < 4 と 4 ≤ t のそれぞれの場合の x(t) を求めてください.

(11) f(t) =

0 ; t < 2

4 − 4(t−1)2 ; 2 ≤ t < 3

3 ; 3 ≤ t

t < 2,2 ≤ t < 3,3 ≤ t のそれぞれの場合の x(t) を求めてください.

【注】exp(f(t)) = ef(t),sin2(α) =(

sin(α))2

,cos2(α) =(

cos(α))2

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物数 I.問 8.2

.

[答 8]

時刻 t での物体の位置 x(t) は

x(t) = x(0) +∫ t

0

vx(t′) dt′ = 5 +∫ t

0

vx(t′) dt′ (p8.1)

より求まる.

(1)

x(t) = 5 +∫ t

0

(6(t′)2 + 2t′ + 3

)dt′ = 5 +

[2(t′)3 + (t′)2 + 3t′

]t′=t

t′=0= 2t3 + t2 + 3t + 5 . (p8.2)

なお,vx(t) の不定積分

x(t) =∫ (

6t2 + 2t + 3)

dt = 2t3 + t2 + 3t + C (p8.3)

より,初期条件 x(0) = 5 から積分定数 C = 5を決めてもよい.(以下の問についても同様.)

(2)

x(t) = 5 +∫ t

0

sin(2t′)dt′ = 5 +[−1

2cos(2t′)

]t′=t

t′=0

= 5 − 12

cos(2t) +12

= −12

cos(2t) +112

. (p8.4)

(3)

x(t) = 5 +∫ t

0

5 cos(3t′)dt′ = 5 +[53

sin(3t′)]t′=t

t′=0

= 5 +53

sin(3t) . (p8.5)

(4)

sin2(α) =12

(1 − cos(2α)

)(p8.6)

を用いる.

x(t) = 5 + 2∫ t

0

sin2(5t′)dt′ = 5 +∫ t

0

(1 − cos(10t′)

)dt′ = 5 +

[t′ − 1

10sin(10t′)

]t′=t

t′=0

= 5 + t − 110

sin(10t) . (p8.7)

(5)

cos2(α) =12

(1 + cos(2α)

)(p8.8)

を用いる.

x(t) = 5 + 5∫ t

0

cos2(2t′)dt′ = 5 +52

∫ t

0

(1 + cos(4t′)

)dt′ = 5 +

52

[t′ +

14

sin(4t′)]t′=t

t′=0

= 5 +52t +

58

sin(4t) . (p8.9)

(6)

sin(2t) cos(3t) =12

(sin(5t) − sin(t)

)(p8.10)

を用いる.

x(t) = 5 + 4∫ t

0

sin(2t′) cos(3t′)dt′ = 5 +42

∫ t

0

(sin(5t′) − sin(t′)

)dt′ = 5 + 2

[−1

5cos(5t′) + cos(t′)

]t′=t

t′=0

= 5 + 2(− 1

5cos(5t) + cos(t) +

15− 1

)= −2

5cos(5t) + 2 cos(t) +

175

. (p8.11)

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物数 I.問 8.3

(7)

sin(2t) sin(4t) =12

(cos(2t) − cos(6t)

)(p8.12)

を用いる.

x(t) = 5 + 4∫ t

0

sin(2t′) sin(4t′)dt′ = 5 +42

∫ t

0

(cos(2t′) − cos(6t′)

)dt′ = 5 + 2

[12

sin(2t′) − 16

sin(6t′)]t′=t

t′=0

= 5 + 2(1

2sin(2t) − 1

6sin(6t)

)= sin(2t) − 1

3sin(6t) + 5 . (p8.13)

(8)

cos(3t) cos(4t) =12

(cos(t) + cos(7t)

)(p8.14)

を用いる.

x(t) = 5 + 4∫ t

0

cos(3t′) cos(4t′)dt′ = 5 +42

∫ t

0

(cos(t′) + cos(7t′)

)dt′ = 5 + 2

[sin(t′) +

17

sin(7t′)]t′=t

t′=0

= 5 + 2 sin(t) +27

sin(7t) . (p8.15)

(9) exp(−5t + 3) = e3 e−5t なので

x(t) = 5 + 10 e3

∫ t

0

e−5t′dt′ = 5 + 10 e3

[−1

5e−5t′

]t′=t

t′=0

= 5 − 2e3(e−5t − 1

)= 5 + 2e3 − 2e−5t+3 . (p8.16)

(10) t < 4 の場合と 4 ≤ tの場合について別々に考える.

t < 4 の場合 x(t) = 5 +∫ t

0

0 dt′ = 5 , (p8.17)

4 ≤ t の場合 x(t) = 5 +∫ t

0

vx(t′) dt′ = 5 +∫ 4

0

vx(t′) dt′ +∫ t

4

vx(t′) dt′ = 5 + 2∫ t

4

(1 − 2

t′ − 2

)dt′

= 5 + 2[t′ − 2 log |t′ − 2|

]t′=t

t′=4= 5 + 2

(t − 2 log(t − 2) − 4 + 2 log(2)

)= 2t − 4 log(t − 2) + 4 log(2) − 3

(= 2t + 4 log

(2

t − 2

)− 3

). (p8.18)

(11) t < 2,2 ≤ t < 3と 3 ≤ t の場合について別々に考える.

t < 2 の場合 x(t) = 5 +∫ t

0

0 dt′ = 5 , (p8.19)

2 ≤ t < 3 の場合 x(t) = 5 +∫ t

0

vx(t′) dt′ = 5 +∫ 2

0

vx(t′) dt′ +∫ t

2

vx(t′) dt′

= 5 + 4∫ t

2

(1 − (t′ − 1)−2

)dt′ = 5 + 4

[t′ + (t′ − 1)−1

]t′=t

t′=2= 5 + 4

(t +

1t − 1

− 2 − 1)

= 4t +4

t − 1− 7

(=

4t2 − 11t + 11t − 1

), (p8.20)

3 ≤ t の場合 x(t) = 5 +∫ t

0

vx(t′) dt′ = 5 +∫ 2

0

vx(t′) dt′ +∫ 3

2

vx(t′) dt′ +∫ t

3

vx(t′) dt′

= 5 + 4∫ 3

2

(1 − (t′ − 1)−2

)dt′ + 3

∫ t

3

dt′(p8.20) に t = 3 を代入

= 7 + 3(t − 3)

= 3t − 2 . (p8.21)

Page 26: 物数 I. 問物数I. 問2.1 [問2] 図2-1に示すように,辺の長さがそれぞれ2,4 および2 である 直方体が,直交座標系xyz のそれぞれの軸に3辺をそろえて置

物数 I.問 9.1

[問 9-1]

質量 m の物体に力 ~F を加えると,加速度 ~a =1m

~F を生じる.

時刻 t = 0 に原点 x = 0 で静止していた質量 m の物体が,力 ~F (t) = (Fx(t) , 0 , 0);

Fx(t) =

0 ; t ≤ 0

F0

(1 − cos

(2π t

T

)); 0 < t ≤ T

0 ; T < t

(p9.1)

を受けて x 軸上を運動する.

(1) 0 < t ≤ T での物体の位置 x(t) を求めなさい.

(2) T < tでの物体の位置 x(t) を求めなさい.

[問 9-2]

滑らかな水平面 (x-y平面)上を運動する質量 m = 1 の物体を考える.時刻 t = 0 で物体は ~r(0) = (0 , 3) の位置にあり,速度 ~v0 = (1 , 0) を持つ.この物体に,時刻 t = t1( > 0 ) から t = t1 + 1 まで力

~F (t) =

~0 ; t < t1(

1 − cos(2π(t − t1)))

~F0 ; t1 ≤ t < t1 + 1~0 ; t1 + 1 ≤ t

(p9.2)

を加える.ここで,~F0 = (−2,−3) (p9.3)

は定ベクトルを表す.力を加えて物体の軌道を変えて,物体が原点を通るようにしたい.力を加え始める時刻,t1,

を以下の手順で求めよう:

(1) 時刻 t > t1 + 1 では物体は等速度運動を行う:

~r(t) = ~r(t1 + 1) + ~v(t1 + 1)(t − t1 − 1) . (p9.4)

~r(t1 + 1)と ~v(t1 + 1)を t1 を用いて表しなさい.

(2) この質点が t1 + 1 以降の時刻 t2 で原点を通るという条件

~r(t1 + 1) + ~v(t1 + 1)(t2 − t1 − 1) = ~0 (p9.5)

から t1 と t2 を求めなさい.

Page 27: 物数 I. 問物数I. 問2.1 [問2] 図2-1に示すように,辺の長さがそれぞれ2,4 および2 である 直方体が,直交座標系xyz のそれぞれの軸に3辺をそろえて置

物数 I.問 9.2

[答 9-1]

(1) 0 < t ≤ T での物体の加速度の x 成分,ax は

ax(t) =1m

Fx(t) =F0

m

(1 − cos

(2π

t

T

))(p9.6)

となるので,

vx(t) = vx(0) +∫ t′=t

t′=0

ax(t′)dt′ =F0

m

∫ t′=t

t′=0

(1 − cos

(2π

Tt′))

dt′

=F0

m

[t′ − T

2πsin

(2π

Tt′)]t′=t

t′=0

=F0

m

(t − T

2πsin

(2π

Tt

))(p9.7)

となる.次に,vx(t)を積分する:

x(t) = x(0) +∫ t′=t

t′=0

vx(t′)dt′ =F0

m

∫ t′=t

t′=0

(t′ − T

2πsin

(2π

Tt′))

dt′

=F0

m

[(t′)2

2+

T 2

4π2cos

(2π

Tt′)]t′=t

t′=0

=F0

m

(t2

2+

T 2

4π2cos

(2π

Tt

)− T 2

4π2

). (p9.8)

(2) T < t では加速度が 0なので,物体は等速度運動を行う.従って

x(t) = x(T ) + vx(T )(t − T ) (p9.9)

となる.(p9.7)より vx(T ) =F0T

m,(p9.8)より x(T ) =

F0T2

2mなので,以下を得る:

x(t) =F0T

2

2m+

F0T

m(t − T ) =

F0T

m

(t − T

2

). (p9.10)

[答 9-2]

(1) 時刻 t1 ≤ t < t1 + 1 での速度ベクトルは

~v(t) = ~v(0) +∫ t′=t

t′=0

~a(t′)dt′ = ~v(0) +∫ t′=t

t′=t1

~a(t′)dt′ = ~v(0) + ~F0

∫ t′=t

t′=t1

{1 − cos (2π(t′ − t1))} dt′

= ~v(0) + ~F0

[t′ − 1

2πsin (2π(t′ − t1))

]t′=t

t′=t1

= ~v(0) + (t − t1)~F0 −~F0

2πsin (2π(t − t1)) (p9.11)

となる.これより

~v(t1 + 1) = ~v(0) + ~F0 =(− 1 , −3

)(p9.12)

が得られる.

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物数 I.問 9.3

時刻 t1 ≤ t < t1 + 1 での位置ベクトルは

~r(t) = ~r(0) +∫ t′=t

t′=0

~v(t′)dt′ = ~r(0) +∫ t′=t1

t′=0

~v(t′)dt′ +∫ t′=t

t′=t1

~v(t′)dt′ = ~r(0) + t1~v(0) +∫ t′=t

t′=t1

~v(t′)dt′

= ~r(0) + t1~v(0) +∫ t′=t

t′=t1

{~v(0) + ~F0

(t′ − t1 −

12π

sin (2π(t′ − t1)))}

dt′

= ~r(0) + t1~v(0) + (t − t1)~v(0) + ~F0

[(t′ − t1)2

2+

14π2

cos (2π(t′ − t1))]t′=t

t′=t1

= ~r(0) + t~v(0) + ~F0

{(t − t1)2

2+

14π2

cos (2π(t − t1)) −1

4π2

}(p9.13)

となる.これより

~r(t1 + 1) = ~r(0) + (t1 + 1)~v(0) +~F0

2=

(t1 + 1 − 1 , 3 − 3

2

)=

(t1 ,

32

)(p9.14)

が得られる.

(2)

(0 , 0) = ~r(t1 + 1) + ~v(t1 + 1)(t2 − t1 − 1) =(

t1 ,32

)+ (t2 − t1 − 1)

(− 1 , −3

)=

(t1 − t2 + t1 + 1 ,

32− 3t2 + 3t1 + 3

)=

(2t1 − t2 + 1 ,

92− 3t2 + 3t1

)(p9.15)

より,連立方程式

2t1 − t2 + 1 = 0 ,92− 3t2 + 3t1 = 0 (p9.16)

を解いて

t1 =12

, t2 = 2 (p9.17)

が得られる.

� � ����� � ���� � � �� � ����

� �

x

y112

t =

いくつかの t1 の値に対する ~r(t)

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物数 I.問 10.1

[問 10-1]

(1) x 軸上を正の向きに速さ v0 で運動している物体に,大きさ一定の力を x 軸の負の向きに加えて停止させた.

力を加え始めてから物体が止まるまでにかかる時間が t1,力を加え始めてから止まるまでに物体が進んだ距

離が `0であるとき,v0を t1と `0で表しなさい。また,この力により物体に生じる加速度の大きさ a0を t1

と `0 で表しなさい。

(2) ある速さで走っている車にブレーキをかける.車はブレーキをかけ始めてから 2 s で止まり,止まるまでに10m 進んだ.このとき車は時速何キロで走っていたかを求めなさい.ただし,ブレーキをかけている間,車には一定の加速度が生じるとする.単位に注意して計算すること.

[問 10-2]

滑らかな水平面 (x-y平面)上を運動する質量 m = 3 の物体を考える.この物体に,時刻 t = 1 から t = 2 まで力

~F (t) =

~0 ; t < 1

π2 sin (πt) ~F0 ; 1 ≤ t < 2

~0 ; 2 ≤ t

(p10.1)

を加える.時刻 t = 0 での物体の位置を ~r(0) = ~r0,速度を ~v(0) = ~v0 としたとき,以下に答えなさい.ただし,~F0,~r0,~v0 は定ベクトルを表す.

(1) 時刻 0 ≤ t < 1 での物体の位置ベクトル ~r(t)を求めなさい.

(2) 時刻 1 ≤ t < 2 での物体の位置ベクトル ~r(t)を求めなさい.

(3) 時刻 2 ≤ t での物体の位置ベクトル ~r(t)を求めなさい.

(4) ~r0 = (0, 3),~v0 = (1, 0) の場合に,この物体が時刻 t = 3 に原点を通るように,~F0 を定めなさい.

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物数 I.問 10.2

.

[答 10-1]

(1) 物体に加わる力による物体の加速度の x 成分は ax(t) = −a0 となる.物体に力を加え始める時刻を t = 0,そのときの物体の x 座標を x(0) = 0 とする.物体が停止する時刻は t = t1 なので.t = 0 から t = t1 まで

のあいだの時刻では物体の速度は

vx(t) = vx(0) +∫ t

0

ax(t′)dt′ = v0 − a0

∫ t

0

dt′ = v0 − a0t , 0 ≤ t ≤ t1 (p10.2)

となる.また,物体の位置は

x(t) = x(0) +∫ t

0

vx(t′)dt′ =∫ t

0

(v0 − a0t

′)dt′ =

[v0t

′ − a0(t′)2

2

]t′=t

t′=0

= v0t − a0t2

2, 0 ≤ t ≤ t1 (p10.3)

となる.条件 vx(t1) = 0と x(t1) = `0 より

0 = v0 − a0t1 , `0 = v0t1 − a0t212

(p10.4)

が得られる.これらを v0 と a0 についての連立方程式と考えて

v0 =2`0t1

, a0 =2`0t21

(p10.5)

が得られる.

(2) 式 (p10.5)を用いる.`0 = 10 m,t1 = 2 s なので,

v0 = 10 m/s (p10.6)

となる.次に v0 の単位を [km/時] に変換する.速さ 10 m/sの車は 1時間つまり 60 × 60 s に

10 × 60 × 60 m = 3.6 × 104 m = 36 km (p10.7)

進むので,車は時速 36 km/時 で進んでいたことになる.

[答 10-2]

物体の加速度は ~a(t) =1m

~F (t) より

~a(t) =

~0 ; t < 1

π6 sin (πt) ~F0 ; 1 ≤ t < 2

~0 ; 2 ≤ t

(p10.8)

となる.

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物数 I.問 10.3

(1)

~v(t) = ~v0 +∫ t

0

~a(t′)dt′ = ~v0 , t < 1 (p10.9)

より

~r(t) = ~r0 +∫ t

0

~v(t′)dt′ = ~r0 + ~v0 t , t < 1 (p10.10)

となる.0 ≤ t < 1 では物体は等速度運動をすることから,直接,上の式を導いても構わない.

(2)

~v(t) = ~v(1) +∫ t

1

~a(t′)dt′ = ~v0 +π

6~F0

∫ t

1

sin(πt′)dt′ = ~v0 +π

6~F0

[− 1

πcos(πt′)

]t′=t

t′=1

= ~v0 −~F0

6(1 + cos(πt)) , 1 ≤ t < 2 (p10.11)

より

~r(t) = ~r(1) +∫ t

1

~v(t′)dt′ = ~r0 + ~v0 +∫ t

1

{~v0 −

~F0

6(1 + cos(πt′))

}dt′

= ~r0 + ~v0 +

[~v0t

′ −~F0

6

(t′ +

sin(πt′))]t′=t

t′=1

= ~r0 + ~v0 + ~v0(t − 1) −~F0

6

(t − 1 +

sin(πt))

= ~r0 + ~v0t −~F0

6

(t − 1 +

sin(πt))

, 1 ≤ t < 2 (p10.12)

となる.

(3)

~v(t) = ~v(2) +∫ t

2

~a(t′)dt′ = ~v(2) = ~v0 −~F0

6(1 + cos(2π)) = ~v0 −

~F0

3, 2 ≤ t (p10.13)

より

~r(t) = ~r(2) +∫ t

2

~v(t′)dt′ = ~r(2) + ~v(2)(t − 2) = ~r0 + 2~v0 −~F0

6

(1 +

sin(2π))

+ (t − 2)

(~v0 −

~F0

3

)

= ~r0 + t~v0 −~F0

6(2t − 3) , 2 ≤ t (p10.14)

となる.

(4) 条件

~0 = ~r(3) = ~r0 + 3~v0 −~F0

2(p10.15)

より~F0 = 2~r0 + 6~v0 = (6 , 6) (p10.16)

となる.

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物数 I.問 11.1

[問 11-1]

質量mのボールを水平面上の点 Oから,初速度の大きさ v0 は一定

で,水平面との角度 θをいろいろ変えて上方に向かって投げる.点O

から距離v20

2gだけ離れた水平面上の点 Aにボールが落下するために

はどの角度にボールを投げればよいか? tan(θ)を求めなさい.ただし,重力加速度の大きさを g とし,空気の抵抗が無視できるとする.

��� � ���� ���� ���� ����

��� �

����

����

����

����

O

A

2

0

g

vz

2

0

g

vx

図 11-1

[問 11-2]

質量 m のボールを丘の斜面上の点 Oから,初速度の大きさ v0,水平面と θ = π/4 の角度 で上方に投げる.図11-2に示すように,z 軸を鉛直上向きにとり,ボールが x-z 平面内を運動するように x 軸を水平にとる.丘の表

面は

z =12x

(1 − x

2L

)(p11.1)

で表わされるとする.重力加速度の大きさを g とし,空気の抵抗が無視できるとする.以下の問に答えなさい.

(1) ボールを投げてから丘の表面ににぶつかるまでの時間 t1 とぶつかる点 A の x 座標 x1 と を求めなさい。

(2) ボールが丘の向こう側にとどく (x1 > L)ための v0 の条件を求めなさい.

� � �

����� �

���� �

���

���

���

1

Lx

1

Lz

O A

A

図 11-2

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物数 I.問 11.2

[答 11-1]

点Oを原点とし,z 軸を鉛直上向きにとり,ボールが x-z 平面内を運動するように x 軸を水平にとる.時刻 t = 0にボールを投射したとする.初期条件は

~r(0) = (0 , 0 , 0) , ~v(0) =(v0 cos(θ) , 0 , v0 sin(θ)

)(p11.2)

となり,点 Aに落下するまでのボールの位置ベクトル ~r(t) =(x(t) , y(t) , z(t)

)は

x(t) = v0 cos(θ) t , y(t) = 0 , z(t) = −12gt2 + v0 sin(θ) t (p11.3)

と表される.

ボールが点 Aに到達する時刻を t1 とすると,条件より

v20

2g= v0 cos(θ)t1 , 0 = −g

2t21 + v0 sin(θ) t1 (p11.4)

が成り立つ.最初の式より得られる t1 =v0

2g cos(θ)を 2番目の式に代入して t1 を消去すると

0 = − v20

8g cos2(θ)+

v20

2g

sin(θ)cos(θ)

(p11.5)

が得られる.1

cos2(θ)= 1 + tan2(θ) なので,tan(θ)についての方程式

0 = tan2(θ) − 4 tan(θ) + 1 (p11.6)

が得られる.これより

tan(θ) = 2 ±√

3 (p11.7)

となる.

【注】

軌道の式

z = − g

2v20

x2

cos2(θ)+ tan(θ)x (p11.8)

に,x =v20

2g,z = 0を代入して (p11.6)を求めてもよい.あるいは,z = 0を因数分解すると

0 = − g

2v20 cos 2(θ)

x

(x − v2

0 sin(2θ)g

)(p11.9)

となるが,関係するのは x =v20 sin(2θ)

gなので,

v20

2g=

v20 sin(2θ)

g(p11.10)

より

sin(2θ) =12

(p11.11)

から,

θ =π

12, θ =

12(p11.12)

となる.これから tan(θ) = 2 ±√

3を出してもよい。

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物数 I.問 11.3

(参考)初速度の速さ v0を固定して,角度 θをいろいろ変えた場合に,物体が到達できる範囲を考える。物体が位置 (x0 , z0)に到達できるとすると,軌道の式 (p11.8)より

z0 = −gx20

2v20

(1 + tan2(θ)

)+ tan(θ)x0 (p11.13)

が得られる.この式を tan(θ)についての 2次式

tan2(θ) − 2v20

gx0tan(θ) +

2v20z0

gx20

+ 1 = 0 (p11.14)

と考えて,tan(θ)が実解を持つための条件 (v20

gx0

)2

− 2v20z0

gx20

− 1 ≥ 0 (p11.15)

より,

z0 ≤ v20

2g− g

2v20

x2 (p11.16)

が得られる。(下図の破線の下の領域)

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物数 I.問 11.4

[答 11-2]

時刻 t = 0 にボールを投射したとする.初期条件は

~r(0) = (0 , 0 , 0) , ~v(0) =( v0√

2, 0 ,

v0√2

)(p11.17)

となり,点 Aに落下するまでのボールの位置ベクトル ~r(t) =(x(t) , y(t) , z(t)

)は

x(t) =v0√2

t , y(t) = 0 , z(t) = −12gt2 +

v0√2

t (p11.18)

と表される.

(1) ボールが点 Aに到達する時刻を t1 とすると,条件より

z(t1) = − 14L

x(t1)2 +12x(t1) (p11.19)

となっている.(p11.18)を代入して得られる t1 に対する方程式

−g

2t21 +

v0√2

t1 = − v20

8Lt21 +

v0

2√

2t1 (p11.20)

より

t1 =v0

2√

2

g2 − v2

08L

=L

v0

2√

24gLv20

− 1(p11.21)

また,x1 =v0√2t1 より

x1 =2L

4gLv20

− 1(p11.22)

が得られる.

【注】v0 ≥ 2√

gLの速さでボールを投げると,ボールの軌道 (放物線)が,丘の表面より緩やかに減少することになるので,(もし丘が無限に続くとすると)ボールは丘の表面に永久にぶつからずに落下していく。

(2) x1 > Lより v0 についての条件 √43gL < v0

(< 2

√gL

)(p11.23)

が得られる.

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物数 I.問 12.1

[問 12-1]

空気の抵抗が無視できる場合の質量 m のボールの運動を考える.図 12-1に示すように,点 O から 水平に 2L 離

れた位置に高さ L の垂直な崖がある.点 O を座標系の原点にとり,z 軸を鉛直上向きにとる.また, x 軸を点 Oから崖に向かって水平にとる.点 O から,初速度の大きさ v0 で水平面と θ =

π

3の角度にボールを投げる.ボー

ルが崖の上に届くために必要な v0 の最小値 vmin 求めなさい.ただし,崖の上の地面は水平とする.また,重力

加速度の大きさを g とする.

O

L

x2L

図 12-1

[問 12-2]

(1) −3 ≤ t ≤ 3 の範囲で

x(t) = 3 sin(2π

3t − π

6

)(p12.1)

のグラフの概形を描きなさい.山や谷,横軸を横切る点の t の値を書きなさい.

(2) x 軸上で原点を中心に単振動を行う物体を考える.時刻 t = 0 の物体の x 座標が x(0) = 5,速度の x 成

分が vx(0) = 2であった.この物体が,次に同じ位置と速度になる時刻を t = π とする.つまり,x(π) =5 , vx(π) = 2.このとき,この物体の任意の時刻 t での x 座標 x(t) を書きなさい.また,振幅を求めなさい.

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物数 I.問 12.2

.

[答 12-1]

時刻 t = 0 にボールを投げるとすると,ボールの運動は地面に衝突するまでは

x(t) = v0 cos(θ) t =v0

2t , z(t) = v0 sin(θ) t − g

2t2 =

√3v0

2t − g

2t2 (p12.2)

と表される.ボールの x 座標が 2L となった時刻 t1 でのボールの z 座標が L 以上であればよい:

x(t1) = 2L , z(t1) ≥ L . (p12.3)

(p12.3)の最初の方程式より得られる t1 =4L

v0を 2番目の不等式に代入して

√3v0

24L

v0− g

216L2

v20

≥ L (p12.4)

より v0 に対する条件は

v0 ≥

√8gL

2√

3 − 1(p12.5)

となる.つまり,ボールを崖の上に届かせるために必要な v0 の最小値 vmin は

vmin = 2

√2gL

2√

3 − 1

= 2

√2(2

√3 + 1)gL

11

(p12.6)

となる.

【注】

ボールの z 座標が L となった時刻 t2 でのボールの x 座標が 2L 以上という条件

z(t2) = L , x(t2) ≥ 2L (p12.7)

を用いてもよい.(p12.7)の最初の方程式 √3v0

2t2 −

g

2t22 = L (p12.8)

の解は,v20 ≥ 8gL

3の場合,t =

√3v0

2g

(1 ±

√1 − 8gL

3v20

)となるが,ボールが落ちてくる場合の時刻を選ぶ必要が

あるので

t2 =√

3v0

2g

(1 +

√1 − 8gL

3v20

)(p12.9)

が得られる.t2 を (p12.7)の 2番目の不等式に代入して

√3v2

0

4g

(1 +

√1 − 8gL

3v20

)≥ 2L より

√1 − 8gL

3v20

≥ 8gL√3v2

0

− 1 (p12.10)

が得られる.8gL√3v2

0

> 1,つまり v20 <

8gL√3の場合は,不等式の両辺を 2乗して

1 − 8gL

3v20

≥ 1 − 16gL√3v2

0

+64g2L2

3v40

(p12.11)

より,条件8gL

2√

3 − 1≤ v2

0

(<

8gL√3

)(p12.12)

を得る.また,8gL√3v2

0

− 1 ≤ 0,つまり v20 ≥ 8gL√

3の場合は,(p12.10)は自動的に成り立つ.以上から,v2

0 に対す

る条件は

v20 ≥ 8gL

2√

3 − 1(p12.13)

となる.

Page 38: 物数 I. 問物数I. 問2.1 [問2] 図2-1に示すように,辺の長さがそれぞれ2,4 および2 である 直方体が,直交座標系xyz のそれぞれの軸に3辺をそろえて置

物数 I.問 12.3

.

sin(α + β) = sin(α) cos(β) + cos(α) sin(β) , cos(α + β) = cos(α) cos(β) − sin(α) sin(β)

[答 12-2]

(1)

� � ��� ��� � � �

� �

���

���

� ( )x t

t

山の位置は2π

3t − π

6=

π

2+ 2πn より t = 3n + 1 , n = 0 , ±1 , ±2 · · · (p12.14)

を満たす t となる.従って,t = −2 , 1 となる.

谷の位置は

3t − π

6= −π

2+ 2πn より t = 3n − 1

2= 3n − 0.5 , n = 0 , ±1 , ±2 · · · (p12.15)

を満たす t となる.従って,t = −0.5 , 2.5 となる.

x(t) = 0となるのは

3t − π

6= πn より t =

32n +

14

= 1.5n + 0.25 , n = 0 , ±1 , ±2 · · · (p12.16)

を満たす t となる.従って,t = −2.75 , −1.25 , 0.25 , 1.75 となる.

(2)x(t) = A cos(ωt) + B sin(ωt) (p12.17)

とおいて,A , B , ωを求める.

x(0) = A = 5 , vx(0) = ωB = 2 . (p12.18)

また,問題の条件より,単振動の周期は T = πなので,ω = 2π/T = 2.従って A = 5 , B = 1 , ω = 2より

x(t) = 5 cos (2t) + sin (2t) (p12.19)

となる.単振動の振幅 R は

R =√

A2 + B2 =√

26 (p12.20)

となる.

【注】

x(t) = R cos(ωt + φ

)(p12.21)

という式から出発してもよい.条件

x(0) = R cos(φ) = 5 , vx(0) = −ωR sin(φ) = 2 , ω = 2 (p12.22)

より

R =

√x(0)2 +

(vx(0)

ω

)2

=√

25 + 1 =√

26 (p12.23)

が得られる.初期位相 φ は

cos(φ) =5√26

, sin(φ) = − 1√26

, 0 ≤ φ < 2π (p12.24)

より定まる.