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インフルエンザ伝染性膿痂疹(とびひ)流行性耳下腺炎(おたふく)風疹麻疹(はしか)水痘(みずぼうそう)足白癬(水虫)後天性免疫不全(エイズ)結核etc.
爪周囲炎毛嚢炎中耳炎瘭疽破傷風肺炎胆嚢炎膀胱炎etc.
伝染性感染症 非伝染性感染症
Q: ↑この二群の違いは?↑
感染症
時代と共に変化
細菌学・ウィルス学の進歩 抗菌薬の開発
環境衛生改善 ワクチンの進歩
↓
感染症治療の進歩
薬剤耐性菌の出現
(メシチリン耐性黄色ブドウ球菌MRSAなど)
日和見感染
Heinrich Hermann Robert Koch
Louis Pasteur
Louis Pasteur
ルイ・パスツール
白鳥の首フラスコを使用し、
微生物は自然発生しない=「生命は生命からのみ生まれる」ことを提唱近代細菌学の開祖のひとり
http://www.ecosystem.aori.u-
tokyo.ac.jp/microbiology/members/hama/microbi
alocean2.pdf#search=%27%E7%99%BD%E9%
B3%A5%E3%81%AE%E9%A6%96%E3%83%9
5%E3%83%A9%E3%82%B9%E3%82%B3+ac.j
p%27
感染症(細菌)の症状・徴候
腫脹
発赤
局所熱感、全身の発熱(弛張熱)
疼痛(圧痛、自・他動運動痛)
白血球増多(例外は結核)
赤沈(赤血球沈降速度 ESR)亢進(数値↑)
CRP(C-Reactive Protein)高値(数値↑)
⇒細菌感染である疾病なら基本的に共通
細菌とは?
○原核細胞を持つ単細胞の微生物
○原形質に明瞭な核をもたない生物の一群
○主に分裂によって繁殖(♂♀はない)
○地球上のいたる所に存在
○食品加工や有機物の分解に利用されるが、
病原体となるものも多い。
e.g. ?
ウィルス
○光学顕微鏡では観察不能
○細菌濾過器を通過してしまう病原体
=非常に小さい: 20~300ナノメートル
○生物と無生物の中間形とされ、
外殻はタンパク質からなり、
内部にDNAのみまたはRNAのみを含む
○単独では生命活動を営めず、
生細胞に寄生して増殖
壊死性筋膜炎
筋膜と皮下脂肪組織の感染症
広範な壊死と毒素性ショックによる
重篤な全身症状を引き起こす
糖尿病など易感染性の宿主に起こりやすい
致死率30-40%
起炎菌:A群溶血性連鎖球菌など
※劇症型は「人食いバクテリア」といわれる
ガス壊疽
○ガスを産生する重症の軟部組織感染症の総称
○直接感染:泥で汚染された創から感染
血行性感染:体内の他の感染巣から波及
シャントがあると発生しやすい
○起炎菌:
クロストリジウム性ガス壊疽=クロストリジウム属が起炎菌
グラム陽性嫌気性桿菌=ウェルシュ菌
非クロストリジウム性ガス壊疽=クロストリジウム属以外が起炎菌
連鎖球菌、大腸菌、クレブジエラ、MRSAなどの混合感染
○感染した軟部組織内にガスが発生(細菌がガスを発生)
○毒素によって筋肉組織が壊死
○悪臭、圧雪感(握雪感)、捻髪音
○診断:XP、CTなど 疑わないと診断できない!
○予後 極めて不良
嫌気性菌
○酸素のない状態で生育,増殖する細菌
偏性嫌気性菌:酸素の存在下では発育できない
通性嫌気性菌:酸素の存在下でなくても増殖可能
○代謝によりガスを放出するものが多い
○毒素を産生するものも多い
○通常の環境で発育しにくいものも多く、
培養・分離が好気性菌より後年になったものもある
嫌気性菌の例:
ウェルシュ菌(クロストリジウム性ガス壊疽)、
破傷風菌、淋菌、ボツリヌス菌(缶詰の食中毒菌)、
ハロアネロビウム(シュールストレミング)、納豆菌
破傷風
○破傷風菌(Clostridium tetani)
=グラム陽性芽胞性嫌気性桿菌
○土壌中の常在菌 泥に汚染された創など(創は小さいことも多い)から感染
○潜伏期:3~21日、短いほど予後は悪く死亡率が高い
○菌体外毒素tetanospasminが血行性または末梢運動神経を通って
中枢神経系に入り,脊髄における反射経路の抑制機構を遮断し,
随意筋の間欠性痙攀を特徴とする症状が発現.
○症候:開口不能 (最初は軽度の開口障害)、
発語障害、嚥下障害、痙笑、全身強直、痙攣など
意識障害はない!!
草刈りをしていて鎌で手を切った 川に入っていてガラスで足を切った など
破傷風
診断:疑わないと診断できない
意識と脳脊髄液が正常で,筋肉の痙攀と外傷歴があれば
強く疑う
治療:全身管理(挿管+人工呼吸+筋弛緩薬: 数週間におよぶ場合も)
部屋を暗く、音遮断(刺激で痙攀誘発)
破傷風ヒトグロブリン、抗菌薬(ペニシリンG大量投与)
汚染創の処置
※呼吸器リハビリテーション必須
予防:汚染創では創の開放、破傷風トキソイド(ワクチン)
化膿性腱鞘滑膜炎(化膿性腱鞘炎)
腱鞘滑膜の感染
刺創、裂傷が原因となることが多い
手の屈筋腱に多い
起炎筋は黄色ブドウ球菌が多い
腱に沿った腫脹や圧痛が認められる
治療:緊急性を要し、抗菌薬投与、
腱鞘切開、腱鞘滑膜切除などが必要
予後:拘縮が起こりやすい→リハビリの重要性
骨髄炎
骨組織の感染
・感染経路
外界との交通のないもの
血行性感染: 小児化膿性骨髄炎の多く
軟部組織の感染巣(蜂巣織炎)
外界との交通のあるもの
開放骨折
穿刺
手術
・ MRI:診断に有用
・難治性=慢性化しやすい 治療に長期間を要する
血行性感染による急性化膿性骨髄炎
○成長期における長管骨骨幹端の解剖学的特性に起因する
○年齢:基本的に小児の疾患
○男児>女児
○好発部位:大腿骨、脛骨、上腕骨(⇒長管骨)
○起炎菌:黄色ブドウ球菌によるものが多い
○感染源:皮膚感染巣、皮膚病変、上気道感染症
診断
身体所見
発熱、悪寒、全身倦怠感、局所の疼痛、熱感、発赤、腫脹乳幼児:疼痛のために患肢を動かさない!
検査値
赤沈値、CRP、白血球(とくに好中球)↑:炎症反応+
X線:発症時正常 骨萎縮、骨膜反応像、骨吸収、骨破壊発症時にはX 線像で所見なし!(骨膜反応出現まで5~14日)
MRI:診断に有用 初期から所見がでやすい
骨シンチ:診断に有用
グラム染色=染色により細菌を大別する方法
クリスタルバイオレット(紫色色素)+サフラニン(赤色色素)で細菌を染色
グラム陽性=紫色細胞壁のペプチドグリカン層が厚く脂質が少ない菌
グラム陰性=赤色細胞壁のペプチドグリカン層が薄く脂質が多い菌
血行性急性化膿性骨髄炎の治療
抗菌薬の投与(感受性の確認)
全身安静、局所の安静(副子固定や牽引)
外科的処置(切開排膿、骨皮質開窓による減圧)
予後:病巣近傍関節の可動域の低下、
筋力低下
小児では成長障害(成長線に近い)
外傷性急性化膿性骨髄炎=直接感染
○開放性骨折によるものが最多 次いで手術による医原性
○小児以外に多い
○男性>女性
○好発部位:脛骨(∵開放性骨折が最も多いのは下腿)
○Risk factor: 糖尿病
○洗浄、デブリードメント、骨折部の安定化
○偽関節の原因になる
○適切な治療を行わないと敗血症・多臓器不全を併発
(第二次世界大戦前は死亡例が多かった)
慢性化膿性骨髄炎
○急性化膿性骨髄炎(血行性・外傷性)の治療が
早期かつ適切に行われず腐骨が発生すると発症
(腐骨が存在する骨髄炎=慢性骨髄炎)
○腐骨=感染した壊死骨
=血行がないので修復されにくく慢性的な感染源になる
=血行がないので抗菌薬が届きにくい
=血行がないので血液による免疫作用が働かない
○体調不良時に感染症状が増悪
○治癒しにくい
○瘻孔を伴う場合も少なくない
慢性化膿性骨髄炎 治療
○Papineau法:
軟部組織が欠損した開放骨折後の慢性骨髄炎の治療法
局所の病巣を徹底的に除去したあと、創を開放したまま処置
良好な肉芽で覆われるのを待って海綿骨移植、植皮を行う
○Ilizarov創外固定機 Bone transport法
○離断術:immunocompromised host
○高圧酸素療法
→しばしば難治性
血行性化膿性骨髄炎最初から慢性骨髄炎長期にわたって無症状に経過し、ときに局所重圧感や疼痛を自覚する
膝周囲の骨幹端に多い黄色ブドウ状球菌によるものが多いXP:単発性の骨透亮像と辺縁の骨硬化像
骨腫瘍との鑑別が必要→小児期に多い
治療:抗菌薬投与病巣掻爬、骨移植など
Brodie骨膿瘍
特殊な慢性骨髄炎
血行性化膿性骨髄炎弱毒菌による感染(菌検出は困難)若年者の骨幹部に多い(ときに下顎骨)根治は困難 抗菌薬投与など他疾患との鑑別に生検など最初から慢性の経過をとる(急性期なし)が膿瘍や腐骨の形成を欠きXP上骨硬化像+皮質骨の骨肥厚による紡錘状の骨膨隆昔国試で出た⇒知らなくても正答はできた
ガレ硬化性骨髄炎
化膿性脊椎炎の治療
投薬:病巣組織あるいは血液培養検査によって得られた菌に感受性のある抗菌薬を投与
安静:全身に安静、局所の安静
外科的治療:1.外科的掻爬:保存療法に抵抗する場合2.椎体固定:椎体の破壊により神経麻痺を起こす場合や破壊により脊椎の不安定性が生じた場合
化膿性股関節炎
乳児がほとんど
感染経路:血行性感染
起炎菌:黄色ブドウ球菌
症状不明熱:乳児不明熱で除外が必要な疾患のひとつ機嫌が悪い「オムツを替えるときの泣き方がいつもと違う(オムツ交換時の号泣=乳児化膿性股関節炎)」,「足をあまり動かさない」などの母親の訴えに要注意
予後早期診断と早期治療ができないと重大な機能障害をおこす(骨頭溶解・消失、変形性関節症)疑わないと診断できない!
化膿性股関節炎
○裸にして下肢の運動を観察○下肢の自動運動の左右差をみる(患肢を動かさない)○肢位は一般に屈曲・外旋・外転肢位○股関節部の腫脹・発赤はよほど進行しないとみられない(∵深部感染)○股関節を他動的に動かしたり触ったりして疼痛の有無を調べる○罹患部位が膝,足関節の場合もあり股関節のみならず他の関節の疼痛にも注意する.
○初発症状が発熱の場合,はじめに受診した科で発熱など全身症状のため局所症状が見逃されたり,抗菌薬投与により症状が隠蔽され発見が遅れることがある.
→早期診断と治療開始が大切
診断
(発赤、熱感、疼痛、腫脹)全身の発熱X線、MRI、エコー(疑わないと検査できない)赤沈値亢進、CRP値陽性関節液:膿状
白血球50,000個/mm3以上糖値10mg/dl以下(菌が利用するので関節液内の糖値↓)
治療
炎症の早期の沈静化ー関節機能の温存
小児:局所の安静、抗菌薬の点滴関節穿刺による排膿ー関節内圧減少
乳児化膿性股関節炎:直ちに切開して排膿(一刻を争う)骨頭核の阻血ー破壊ー脱臼、脚短縮
成人:切開排膿、持続洗浄、関節固定術
淋菌性関節炎
淋菌 (Neisseria gonorrhoeae)=グラム陰性嫌気性球菌の感染
STD/性病:性行為などにより感染
まれに大衆浴場などにおける感染
(共用している椅子などに淋菌が付着し、
感染=性器が椅子に密着する女性に多い)
※女性は症状があまりでない!
淋菌性関節炎
血行性感染
淋疾(生殖器)の発症後1〜2週間cf. 女性は症状がでないことも=関節炎が初発
→問診が大切だがときに困難
滑膜の腫脹@大関節:膝関節、肘関節ときにRAとの鑑別が必要
治療抗菌薬投与
「汚れつちまつた悲しみに……」
汚れつちまつた悲しみに今日も小雪の降りかかる汚れつちまつた悲しみに今日も風さへ吹きすぎる
汚れつちまつた悲しみはたとへば狐の革裘(かはごろも)汚れつちまつた悲しみは小雪のかかつてちぢこまる
汚れつちまつた悲しみはなにのぞむなくねがふなく汚れつちまつた悲しみは倦怠(けだい)のうちに死を夢む
汚れつちまつた悲しみにいたいたしくも怖気(おぢけ)づき汚れつちまつた悲しみになすところもなく日は暮れる……
http://www.aozora.gr.jp/index_pages/person26.html#sakuhin_list_1
銀河鉄道の夜風の又三郎グスコーブドリの伝記どんぐりと山猫注文の多い料理店月夜のでんしんばしらよだかの星やまなしオツベルと象ざしき童子のはなし虔十公園林なめとこ山の熊セロ弾きのゴーシュ
http://www.aozora.gr.jp/index_pages/person81.html#sakuhin_list_2
結核性骨関節炎
結核罹患率:1960年代に減少1997年に増加1999年7月に結核緊急事態宣言
高齢者、AIDSの合併症
脊椎、股関節、膝関節、仙腸関節風棘:指趾骨、中手骨、中足骨後頭下脊椎結核:第1、2頸椎症候:微熱、食思不振、赤沈値亢進
ツベルクリン反応:強陽性疼痛、運動時痛、関節可動域制限
結核
○日本は先進国のなかでは最も結核患者率が高い!○決して過去の病気ではない○国民(含 医療者)の認知度が低い
○診断が後手に回りやすい
○肺病変が最多(飛沫感染)骨関節、脳、腎などにも波及
○骨関節結核のほとんどは肺結核からの二次感染
※院内感染で医療従事者が大量に感染する場合もある
「結核」の現在の状況「結核はすでに克服された過去の病気である」との
誤った認識をする傾向が生まれた
・1997年 前年に比し増加
・1999年7月「結核緊急事態」を宣言
・2000年より再び減少
・2007年の罹患率は19.8 (人口10万人対)
・2009年の罹患率は19.0 (人口10万人対)
・先進諸国の罹患率4~8 (人口10万人対)
わが国の結核の流行状況はいまだ先進諸国に比べると
約30年の遅れがあり、WHOからは
「結核中蔓延国・結核改善足踏み国」と指摘されている。
結核性脊椎炎=脊椎カリエス
結核菌の脊椎への感染40~50代男女好発部位:腰椎、胸椎の椎体椎体への感染→椎体の破壊・膿瘍(流注膿瘍)の形成
症状易疲労性、寝汗、微熱、ツベルクリン強陽性感染部位の鈍痛脊椎の不橈性膿瘍脊髄麻痺(Pott麻痺=ポット麻痺)
結核性脊椎炎の治療
保存療法 化学療法 抗結核剤(肺結核と同様)局所の安静ベッド上安静硬性コルセット(ナイト装具)ギプスベッド
手術 脊髄麻痺の出現、変形の進行、保存療法無効の場合↓
病巣掻爬、脊椎固定術
結核 ワンポイント
免疫力低下などにより、数十年経過して結核が再発する場合がある⇒既往歴の問診が重要⇒ 「肺結核」を「肺門リンパ節炎」・「肺浸潤」・「初感染」などと表現する高齢者が存在
⇒既往歴問診の際 注意!
∵昔「結核」=「不治の伝染病」であったため「結核」を隠語で表現していた時代があった
梅毒(ばいどく、英:Syphilis):
○スピロヘータの一種である梅毒トレポネーマ
(Treponema Pallidum) によって発生する感染症、性病
○主に性行為により感染
皮膚や粘膜の微細な傷口から侵入
○母子感染、血液を媒介とする感染もある
母子感染の場合、児は先天梅毒となる
先天性梅毒〇乳幼児期に発症=先天性梅毒=垂直感染(※)三微:実質性角膜炎、難聴、半月状切歯骨端軟骨部の骨軟骨炎、骨幹部の骨炎、骨膜炎骨軟骨炎:膝関節、肩関節、手関節 =両側
パロー(Parrot)仮性麻痺:生後2~3ヶ月、梅毒性の骨軟骨炎による疼痛のため四肢(主に上肢)を動かさない
クラットン(Clutton)関節:両側膝関節の腫脹、関節水腫
※妊娠中に母から胎児へ感染
感染↓潜伏期間↓第1期梅毒:感染後3週間初期硬結・硬性下疳・無痛性横痃(鼠径リンパ節の腫張):自然消退↓潜伏期間↓第2期梅毒:3か月~3年 梅毒血性反応は3か月以降陽性バラ疹・扁平コンジローム:自然消退↓潜伏期間↓第3期梅毒:3年~ゴム腫↓第4期梅毒:末期進行麻痺(麻痺+痴呆)・脊髄癆・大動脈炎・大動脈瘤
人工物埋入後の感染
○骨折内固定材、人工関節・人工骨頭、脊椎インスツルメントなど
○医原性
○ときに齲歯、皮膚疾患などから血行性感染
○治療は困難→人工物には血行がない・死腔の存在
○起炎菌:MRSA, 表在性ブドウ球菌、黄色ブドウ球菌など
(グラム陽性球菌が多い)
○術後患者の熱発に要注意!
弛張熱=「昨日 熱が上がったけど今朝下がりました」要注意!
人工物埋入後の感染
治療:困難
抗菌薬を使用。程度、起炎菌、人工物のゆるみの有無、骨折の場合は骨癒合状態により
①切開排膿洗浄デブリードメント。人工物はそのまま② ①+人工物を抜去して洗浄デブリードメント、
人工物を再挿入③ ①+人工物を抜去。抗菌薬いりセメントスペーサー。
感染鎮静化後 人工物を再挿入
オプション 抗菌薬入りセメントビース(①、②、③と併用可能)持続灌流(〃)
感染鎮静化できない場合:人工物抜去、切断など
人工関節置換術後深部感染
一般的には1~3% (ZGH: 0.1%)
難治性!
High risk:
DM, シャント、リウマチなど免疫不全または免疫抑制剤使用例
急性感染<遅発性感染(≒他部位の感染巣から血行性感染)
整形外科術後深部感染症起炎菌
○ブドウ球菌感染が多い
○人工物(とくに人工関節や脊椎インスツルメント)が留置されている場合は
MRSAが比較的多い
症状
○細菌感染症における一般的な症状
○ 〃 が明確ではない場合も多い(∵病巣が深部)
治療
○困難な場合が少なくない/早期発見早期治療が大切
○十分な抗菌薬投与
○洗浄/インプラント抜去+洗浄/インプラント抜去+洗浄+インプラント再設置
※術後症例は常に術後深部感染症を懸念しつつ観察する
術後症例で熱発、創部被覆材の汚染、説明のつかない手術部の疼痛、
血液検査で中等度以上の炎症反応を発見したら術後深部感染症を疑う
MRSA
Methicillin-Resistant Staphylococcus Aureus
(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)
=多剤耐性黄色ブドウ球菌
多剤耐性=抗菌薬による治療が困難
(一部の抗菌薬は有効)
今や病院内の常在菌
日和見感染、院内感染の原因菌として重要
日和見感染
健常者では感染症を起こさないような病原体
(弱毒微生物・非病原微生物・無害菌)により
免疫力が低下した宿主に発症する感染症
例:高齢者、HIV感染、
免疫を抑制する薬剤の使用中
(ステロイドやRAの生物学的製剤)
Standard Precaution
院内感染対策の基本的な方法
すべての患者の血液・体液や
分泌・排泄物(尿、痰、便、膿)は
感染の恐れがあるとみなして対応する方法。
上記物質に触れた後は手洗いを励行し、
あらかじめ触れる恐れのある場合は
手袋、ガウン、マスクなどを着用。