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小学校算数科「データの活用」領域における授業づくり Q&A -「学びの系統図」の作成を通した統計的な問題解決活動の充実- Qこれからの小学校算数科の内容は、どうなるの? 2 A1 社会生活の様々な場面において、 必要なデータを収集して分析し、その傾 向を踏まえて課題を解決したり意志決 定したりすることが求められています。 小学校学習指導要領が改訂され、内容の 系統性や発展性の全体が整理され、新た に「データの活用」領域が設けられます。 2020 4 1 日から全面実施) 学習指導要領解説(p.38 の図)参照 研究論文(研究概要図)参照 滋賀県総合教育センター マスコットキャラクター 「センターン」 具体的な授業実践については、 4ページ以降に紹介しています ので、ご覧ください! A2 本研究では、右の図のように研修と 実践を往還させ、数学的に考える資質・能 力の育成を目指す授業づくりを進めまし た。学習指導要領改訂の内容について学 び、学習内容の系統性と目指す子どもの学 びの姿を基にした「学びの系統図」の作成 を通して、統計的な問題解決活動を充実さ せた授業づくりに取り組みました。 Qどのように授業づくりに取り 組んできたのか、教えてほしい! 知る 共有する 第1回研究会 学習指導要領改訂 の内容について 第5回研究会 授業研究と 研究のまとめ 第4回研究会 授業研究と 実践交流 第3回研究会 授業プラン の検討 第2回研究会 「学びの系統図の作成 研修と実践の 往還 年間計画の 見直し 明確にする 授業プランの 作成 授業プランの 修正 公開授業 「学びの系統図」を 基にした授業づくり ・重点時間の設定 授業づくりの手立て ・数学的な見方・考え方 「七つの視点」 ・統計的な問題解決活動 必然性のある 学習課題の大切さ 実践からの気付き 「データの活用」領域における 統計的な問題解決活動を充実させた 授業づくり 分析する 検証する 研修の視点 魅力的な学習課題の 重要性 数学的に考える資質・能力の育成 第1学年 第2学年 第3学年 第4学年 第5学年 第6学年 改訂前 改訂後 第1学年 第2学年 第3学年 第4学年 第5学年 第6学年 式の 表現と 読み 関数 考え 資料 整理 数量関係 数と計算 B 量と測定 図形 B 図形 測定 データ の活用 数と計算 変化と 関係 中学校 A数と式 B図形 C関数 データ の活用

小学校算数科「データの活用」領域における授業づくり Q&A · ・数学的な見方・考え方 「七つの視点」 ・統計的な問題解決活動 必然性のある

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Page 1: 小学校算数科「データの活用」領域における授業づくり Q&A · ・数学的な見方・考え方 「七つの視点」 ・統計的な問題解決活動 必然性のある

小学校算数科「データの活用」領域における授業づくり Q&A -「学びの系統図」の作成を通した統計的な問題解決活動の充実-

Q1 これからの小学校算数科の内容は、どうなるの?

2

A1 社会生活の様々な場面において、必要なデータを収集して分析し、その傾向を踏まえて課題を解決したり意志決定したりすることが求められています。小学校学習指導要領が改訂され、内容の系統性や発展性の全体が整理され、新たに「データの活用」領域が設けられます。 (2020年 4月 1日から全面実施)

学習指導要領解説(p.38 の図)参照

研究論文(研究概要図)参照

滋賀県総合教育センター

マスコットキャラクター

「センターン」

具体的な授業実践については、4ページ以降に紹介していますので、ご覧ください!

A2 本研究では、右の図のように研修と実践を往還させ、数学的に考える資質・能力の育成を目指す授業づくりを進めました。学習指導要領改訂の内容について学び、学習内容の系統性と目指す子どもの学びの姿を基にした「学びの系統図」の作成を通して、統計的な問題解決活動を充実させた授業づくりに取り組みました。

Q2 どのように授業づくりに取り組んできたのか、教えてほしい!

知る

共有する

第1回研究会 学習指導要領改訂 の内容について

第5回研究会 授業研究と 研究のまとめ

第4回研究会 授業研究と

実践交流

第3回研究会 授業プラン

の検討

第2回研究会 「学びの系統図」

の作成

研修と実践の 往還

年間計画の 見直し

明確にする

授業プランの 作成

授業プランの修正

公開授業

「学びの系統図」を 基にした授業づくり ・重点時間の設定

授業づくりの手立て ・数学的な見方・考え方

「七つの視点」 ・統計的な問題解決活動

必然性のある 学習課題の大切さ

実践からの気付き

「データの活用」領域における 統計的な問題解決活動を充実させた

授業づくり

分析する

検証する

研 修

研修の視点

魅力的な学習課題の 重要性

数学的に考える資質・能力の育成

実 践

第1学年

第2学年

第3学年

第4学年

第5学年

第6学年

改訂前

改訂後

第1学年

第2学年

第3学年

第4学年

第5学年

第6学年

式の表現と読み

関数の

考え

資料の

整理

D数量関係

A数と計算

B量と測定

C図形

B図形

C測定

Dデータの活用

A数と計算

C変化と関係

中学校 A数と式 B図形 C関数

Dデータの活用

Page 2: 小学校算数科「データの活用」領域における授業づくり Q&A · ・数学的な見方・考え方 「七つの視点」 ・統計的な問題解決活動 必然性のある

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Q3 統計的な問題解決活動を充実させた授業づくりとは、具体的にどのような授業のこと?授業づくりのポイントは何?

A3 学習指導要領解説(p.8)には、算数・数学の学習過程のイメージが示され、「データの活用」領域でも、日常生活の事象を扱った授業が求められています。本研究では、数学的に考える資質・能力を育むために、数学的な見方・考え方「七つの視点」と数学的活動「統計的な問題解決活動」とを関連付けて授業づくりに取り組みました。詳しくは、研究論文(p.3)をご覧ください。

キーワードは、

「数学的活動」

「数学的な見方・考え方」

だね!

研究論文(p.3の図2)参照

学習指導要領解説(p.8の図)参照

なるほど!日常生活

や社会の事象を扱っ

た授業が求められて

いるのか。

数学的な見方・考え方「七つの視点」

数学的活動「統計的な問題解決活動」

問題 計画 データ 分析 結論

□見いだす □集める □整理する

□比べる

□読み取る □考える □判断する

考察 数学的に考える

資質・能力