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生態系「ピラミッド」モデルと 「藤棚」モデル 生態系「ピラミッド」モデルと 生態系「ピラミッド」モデルと 「藤棚」モデル 「藤棚」モデル 2010/11/14 放蕩息子 (2011/07/24修正)

生態系「ピラミッド」モデルと生態系「ピラミッド …視覚的に極めて安定的な 構図で、結果的に 生態系が堅牢で 壊れにくく、 静的なものという

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Page 1: 生態系「ピラミッド」モデルと生態系「ピラミッド …視覚的に極めて安定的な 構図で、結果的に 生態系が堅牢で 壊れにくく、 静的なものという

生態系「ピラミッド」モデルと「藤棚」モデル

生態系「ピラミッド」モデルと生態系「ピラミッド」モデルと「藤棚」モデル「藤棚」モデル

2010/11/14放蕩息子

(2011/07/24修正)

Page 2: 生態系「ピラミッド」モデルと生態系「ピラミッド …視覚的に極めて安定的な 構図で、結果的に 生態系が堅牢で 壊れにくく、 静的なものという

土壌 (表土)土壌 (表土)

分解者

分解者

分解者

分解者

植物(生産者)

植物植物(生産者)(生産者)

植物(生産者)

植物植物(生産者)(生産者)

植物(生産者)

植物植物(生産者)(生産者)

植物(生産者)

植物植物(生産者)(生産者)

植物(生産者)

植物植物(生産者)(生産者)

植物(生産者)

植物植物(生産者)(生産者)

肉食動物(3次消費者)

肉食動物肉食動物(3次消費者)(3次消費者)

肉食動物(3次消費者)

肉食動物肉食動物(3次消費者)(3次消費者)

肉食動物(2次消費者)

肉食動物肉食動物(2次消費者)(2次消費者) 肉食動物

(2次消費者)

肉食動物肉食動物(2次消費者)(2次消費者) 肉食動物

(2次消費者)

肉食動物肉食動物(2次消費者)(2次消費者)

草食動物(1次消費者)

草食動物草食動物(1次消費者)(1次消費者) 草食動物

(1次消費者)

草食動物草食動物(1次消費者)(1次消費者) 草食動物

(1次消費者)

草食動物草食動物(1次消費者)(1次消費者) 草食動物

(1次消費者)

草食動物草食動物(1次消費者)(1次消費者)

肉食動物(最高次消費者)

肉食動物肉食動物(最高次消費者)(最高次消費者)

太陽太陽 生態系「藤棚」モデル  生態系「藤棚」モデル  生態系「藤棚」モデル 2010/11/14作成

(2011/07/24修正)

Page 3: 生態系「ピラミッド」モデルと生態系「ピラミッド …視覚的に極めて安定的な 構図で、結果的に 生態系が堅牢で 壊れにくく、 静的なものという

太陽太陽

 生態系「ピラミッド」モデル  生態系「 生態系「ピラミッドピラミッド」モデル 」モデル 

土壌 (表土)

分解者分解者

植物植物(生産者)(生産者)

草食動物草食動物(一次消費者)(一次消費者)

肉食動物肉食動物(一次消費者)(一次消費者)

肉食動物肉食動物(二次消費者)(二次消費者)

肉食動物肉食動物(高次消費者)(高次消費者)

(財)日本生態系協会編著『環境を守る最新知識[第2版]』

P6 図1-1 陸の生態系ピラミッドの例をベースに作成

2010/11/14作成(2011/07/24修正)

Page 4: 生態系「ピラミッド」モデルと生態系「ピラミッド …視覚的に極めて安定的な 構図で、結果的に 生態系が堅牢で 壊れにくく、 静的なものという

☓ 視覚的に極めて安定的な構図で、結果的に生態系が堅牢で壊れにくく、静的なものというイメージを与えがちである。

☓ 例えば「3次消費者が直接1次消費者を捕食する」などの関係を表現できず、複雑な「食物網」のイメージを伝えられない。

☓ 猛禽類などの高次消費者(当然、「人類」も含む)が生態系ピラミッドの「頂点」で、生態系全体の支配者であるかのような誤解を与える。

☓ 「分解者」の位置づけと役割が表現できていない。生態系の中で、 「分解者」が中心となる「腐食連鎖(デトライタス・サイクル)」の重要性を過小評価させる。

☓ 生物群集間の栄養・エネルギー循環を表現できていない。「ピラミッド」上部の太陽の役割なども、正直、意味不明(苦笑)。

☓ 生物の「多様性」の重要性を表現しきれない。「ピラミッド」の構成種数の増減と、生態系の強靭さの変化が結びつかない。

☓ 生態系を構成する個々の生物群集のウェイトを表現できない。生態系内の特定の生物群集のみが異常に繁殖した場合の問題点などは、この「ピラミッド」モデルでは表現できない。

� 「吊り下げる」というイメージが、生態系の流動性や脆弱性・ダイナミズムを強力に表現する。

� 視覚的に「食物網」そのものである。任意の栄養段階をスキップした関係も表現し得る。

� 猛禽類などの高次消費者(当然、「人類」も含む)は、「藤棚」の一番下に吊り下げられ、生態系の変化に最も弱い生き物であることを明示する。

� 「分解者」の位置づけと役割が明確。「腐食連鎖(デトライタス・サイクル)」が、生態系維持に不可欠の要素であることを表現できている。

� 太陽光から始まる栄養・エネルギー循環が一目瞭然。生態系の説明がそのまま、栄養・エネルギー循環の説明になっている。

� 構成種の増加=「藤棚」の“網目”が密になること=生態系の強靭さの向上であり、生物多様性の重要性が分かりやすい。

� 生態系の中の一部の生物群集のみが異常に増えると、「藤棚」の構造全体が歪む。これによって、一部の過剰な繁栄(繁殖)が生態系全体のバランスを崩すことを表現しやすい。

「ピラミッド」のデメリット「ピラミッド」のデメリット「ピラミッド」のデメリット 「藤棚」のメリット「藤棚」のメリット「藤棚」のメリット

「ピラミッド」と「藤棚」・メリット/デメリット「ピラミッド」と「藤棚」・「ピラミッド」と「藤棚」・メリット/デメリットメリット/デメリット2010/11/14作成

Page 5: 生態系「ピラミッド」モデルと生態系「ピラミッド …視覚的に極めて安定的な 構図で、結果的に 生態系が堅牢で 壊れにくく、 静的なものという

大量消費大量消費大量廃棄大量廃棄大規模開発大規模開発

潤沢な生態系サービス潤沢な生態系サービス

少ない少ない人口人口

よりどりみどり

買い手市場買い手市場

産業革命以前産業革命以前

生態系サービスの利用者である人類社会の方が、供給者である

自然生態系より優位に立つ

「人類=万物の霊長」という人間観

過剰な人口過剰な人口

希少な希少な生態系生態系サービスサービス

奪い合い

売り手市場売り手市場

現在現在

生態系サービスの供給者である自然生態系の方が、利用者である

人類社会より優位に立つ

「人類=自然に生かされている」という人間観

 「買い手市場」から「売り手市場」へ  「 「買い手市場買い手市場」」から「売り手市場」へから「売り手市場」へ  2010/11/14作成