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橋梁線形計算の手引き 橋梁線形計算の基礎と電算処理および線形図の作成 T-Eng 鳥羽設計事務所

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橋梁線形計算の手引き

橋梁線形計算の基礎と電算処理および線形図の作成

T-Eng 鳥羽設計事務所

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1. 線形を構成する要素

1 .1 道路の線形とは

1 .1 .1 道路線形とは

道路の線形とは、あらかじめ計画された路線選定に基づいて、これから建設されるべき

道路のより具体的な幾何学的形態を決定するものである。それは人々が快く、しかも安心

して走れる道路を建設するという目的に基づくものであり、この目的を実現するためには、

地形的、幾何学的、視覚的、心理的そして気象条件など多くの制約条件を満たさなければ

ならない。

橋梁建設工事において、橋梁施工会社が工事を受注する段階では、道路線形は既に発注

者側で決定済みであり、施工会社が道路線形計画を行う事はない(道路線形上のミスが受

注後の設計照査の作業中に発見された場合、道路線形の修正が指示されることはある)。

施工会社サイドで行う作業は、これら決定された道路線形を理解し、橋梁上下部工の形

状を決定し、製作・施工に必要な構造寸法をアウトプットすることにある。従って、ここ

では計画に基づく道路線形計画については概要のみを記することとする。

1 .1 .2 道路線形はどのように定められるか

道路線形の決定には多くの制約条件があることは前述したが、その中で一番大きな要素

は地形条件である。道路は市街地を除く平地に建設する場合、当然、その道路建設費(工

期も含め)が最小となり、これを目標として路線選定がなされる。計画位置に対して一般

道路では直線、高速道路では円曲線(長距離な運転を要求される高速道路では、単調な直

線道路の走行は運転者の眠気を誘引するため、近年は曲線が主体の線形が採用されてい

る)を配置し、その間を曲線にて補間する。同時に地盤の高低により道路の計画高さを決

める。地盤より計画が低い場合は地盤を削り(切土)、地盤より計画が高い場合は地盤を

盛り上げる(盛土)あるいは橋梁となる。これらの試設計を繰り返し、総合的な判断から

最適線形が決定される。

一般道 従来の線形の描き方。平面図上に適当

な接線を描き、それらを曲線で結ぶ。

高速道 なめらかな線形の描き方。平面図上に

適当な円弧を描き、その間に緩和曲線を入れ

る。

( 1 )

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1 .1 .3 道路線形の表現

道路線形は次の三要素によって立体的形状が表現される。

・ 平面線形 : 道路を真上から見た幾何的形状であり、平面形状を表す線種とその線種の

基本要素(例えば線種=円の場合は、半径、曲線長、始終端の X,Y 座標など)から表現さ

れる。

・ 縦断線形 : 道路に沿った方向の道路勾配とその変化点における基本要素(Z 座標、勾配

摺り付け長など)から表現される。

・ 横断線形 : 道路を横断方向に切った断面形状であり、道路の排水勾配、曲線部の片勾

配など勾配(%表示)によって表現される。

Y

Z

X

平 面

縦 断 横 断

平面線形 (XY 面)

縦断線形 (XZ 面)

横断線形 (YZ 面)

( 2 )

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線形図例

( 3 )

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1 .2 平面線形

1 .2 .1 道路中心線の設置

道路計画において線形計画とは、線形基準線の幾何学的な定義を決めること言える。線形

基準線には平面線形を定義する平面線形基準線、縦断線形を定義する縦断線形基準線、横断

線形を定義する横断線形基準線の三種があるが、通常は平面線形基準線が全てに使用される。

つまり、平面線形基準線上で平面の線の形状はもとより縦断勾配や横断勾配も定義する。こ

の基準線を道路中心線と呼び、道路中心線には測点番号(ステーション番号)を付す。

測点番号(ステーション番号)とは

ステーション番号とは、道路計画において計画される道路の起点よりある一定距離毎に

打たれた連番号であり、道路中心上の要素点(例えば平面線形で定義される円の始点や終

点、橋梁の始点や橋脚の位置など)はこのステーション番号とその番号位置からの距離

(単距離)によってその位置が表わされる。

例 : 橋脚P1の位置 No.1256+12.563

番号間の一定距離としては通常20m(国道など一般にはこの値)、50mまたは100

m(日本道路公団など計画された道路の延長が長い場合はこの値)が用いられる。従って上

の例では、ステーション間の距離が20mであれば、道路起点からの距離(追加距離)は

L=1256*20+12.563=25132.563 mの位置となる。

縦断線形・横断線形は全てこの測点番号によって平面線形と関連付けされる(3ぺ一ジ図

参照)。従って道路中心線が複数ある場合(道路が分岐したり、合流したり、あるいは上り

線と下り線が分離し、線形が異なる時など)では注意を要する。

1 .2 .2 平面線形を構成する要素

道路中心線の形状定義には以下の線を使用する。

(1) 直線

定義は2点の座標(X・Y)を定めこれを結ぶ線として定義される。直線の交点をIP 点

(Intersection Point)と呼び識別番号を付す。

二線の成す交角をIA(Intersection Angle)と呼ぶ。

( 4 )

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(2) 円曲線

IP部には必ず曲線を配置する。曲線の代表的なものとして円曲線が使用される。円曲線

の定義は姶点(BC(beginning of curve))と終点(EC(end of curve))の座標及び曲線半径

と曲線の方向により定義される。

円曲線には以下の種類がある。

・ 単曲線(a)---------- 一つの円を付する線形

・ 複合曲線(b)-------- 複数の半径の異なる円を同一方向に付する線形

・ 反交曲線(C)-------- 複数の半径の異なる円を異方向に付する線形

円および直線により構成される線形

B.C.:曲線始点、E.C.:曲線終点、I.P.:交点、I:交角、中心角、δ:偏角、D:総偏角、R:半径、T または

T.L.:切線長、Eまたは S.L.:外線長、外測、M:中央縦距、C:長弦、CL または L:曲線長

(c)においては、V:交点、A,B:切点(背向曲線始終点)、P:背向点または変曲点、R1,R2:円1及び

円2の半径。

( 5 )

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(3) クロソイド曲線

自動車の走行軸跡は、車輪の回転とハンドルの回転から生ずる。ハンドルに回転を与えな

いで走行する時の軌跡は直線であり、ハンドルに回転を与えた後、回転を停止させたままの

走行軌跡が円曲線である。この二つの走行軌跡の間に、ハンドルを一定の速度で回転を与え

ながら走行する軌跡が存在する。この条件を満たす曲線がクロソイド曲線である。

このようにクロソイド曲線は曲線長の増加につれて曲線半径が次第に変化する曲線であり、

車の走行に適した(なめらかなハンドル操作)曲線として道路線形で多用される曲線である。

曲線は次の式によって表現される。

R・L=一定=A2

L:クロソイド始点(直線と接する点)からの距離(m)

R:その位置における半径(m)

A:クロソイドのパラメーター(一定値----無次元)

従って距離に従って曲線半径が一次的(反比例)に変化する曲線である。クロソイド曲線は

通常、直線から円に変化する部分に使用される(緩和曲線という)。この緩和曲線を使用する

ことによって直線から円曲線への急激な曲率変化が避けられ車走行の安全性が向上する。

クロソイド曲線は直線側の始点(KA)座標(X,Y)、円曲線側の終点(KE)座標(X,Y)、パラメー

ター(A)、始点・終点間曲線長(L)、終点での曲線半径(R)によって定義される。

クロソイドの全体の形

クロソイド曲線は円の半径に相当し、円の半径が大きくなれば、円が大きくなめらかな曲

線となるように、パラメーターが大きくなればクロソイド曲線全体が大きくなる。

( 6 )

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クロソイド基本式は数学的には、Fresnel の積分といわれるもので、級数展開により積分

することができる。その公式を以下に示す。

( 7 )

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(b)S型 (c)卵型

クロソイド曲線には以下の種類がある。

・ 基本型(a):単円とクロソイドからの構成

対称型—-----円に対して対称なパラメーターのクロソイドの形

非対称型-----左右でクロソイドのパラメーターが異なる形

・ S 型(b):クロソイドで連続して反向曲線を形成するもの

・ 卵型(c):クロソイド始点が直線に接しないで円曲線に接する(KAE 点)

・ 二重卵型(d):卵型の複合より構成

・ 複合型(e):各型の組合せにより構成

・ 凸型(f):円を挟まずクロソイドのみで構成

対称型-------左右が同じパラメーター

非対称型-----左右が異なるパラメーター

卵型の場合の円曲線との接し方

緩和曲線を含む線形

KA=クロソイド始点

KE=クロソイド終点

A=クロソイドのパラメーター

R=円曲線の半径 TS

TS

基本型(対称形) 基本型(非対称形)

(a)基本型

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KAE=卵型クロソイド始点

KAE=卵型クロソイド終点

(d)卵型(二重型)

(e)複合型

TS TS

凸型(対称形) 凸型(非対称形)

(f)凸型

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(4) 一般的な平面線形の構成(基本型)

上図のように平面線形は一般に半径=∞(曲率=0)の直線と半径=一定(曲率=一定の

の円弧、その間を結ぶ半径=可変(曲率=暫変)する緩和曲線(クロソイド曲線)から構成

される。直線と円弧間に緩和曲線を挿入しない場合、接続点での急激な曲率変化(a)によ

り、運転者は急なハンドル操作を要求されることとなる。

( 10 )

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1 .2 .3 道路幅員の構成とその定義

(1) 道路幅員の構成

幅員寸法は道路中心線直角(法線)方向に取る

路肩:道路の主要構造の保護、車道の効用を保つために設けられる幅

側帯:車両の運転者の視線を誘導し、側方余裕を確保する機能を持たせるため、車道に接

触して設けられる帯状の部分で路肩の一部である。車道と同程度の舗装を有する(類

似語である路側帯とは道路交通法上の呼称)。

(2) 道路幅員の定義

a) 道路中心線からの距離によって幅員を与える場合

道路中心線(側線)の形状を定義し、これを基準として平行な線(道路中心線に対して直

角方向に常に同じ距離を保つ線)や非平行線(道路中心線に対して直角方法の距離が徐々に

変化する線)を定義することにより道路の幅(幅員)を与える方法。一般にはこの方法によ

る。

<道路幅員が一定の場合>

( 11 )

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道路中心線が円曲線の場合

円平行曲線の曲線長は次式により計算される。

道路中心線がクロソイド平行曲線の場合

クロソイド平行曲線はクロソイド曲線ではない。クロソイド平行曲線上の座標は次式で表

せる。Dの符号は道路中心線の外側に拡幅したときは+、内側に拡幅したときは-である。

( 12 )

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<道路幅員が変化する場合>

道路中心線に対してある距離間で各々道路中心線からの距離を与え、その間を補間するこ

とによって幅員を定義する。

一般には曲線内側についてのみ拡幅を行うが、曲線半径の小さい曲線部では走行性および

視距(15ページ参照)により、曲線内外について幅員の拡幅を行うことがある。拡幅は通

常、緩和曲線であるクロソイド曲線区間で行われる。

拡幅には二種の方法がある。

・ 道路中心線上の距離に一次比例して幅を増やす方法(通常の方法)

拡幅始点からXの距離における拡幅量 b

b=AX

b X

b X A=(W4-W2)/L

幅員=W2+b

・ 3次曲線を使用する場合

拡幅始点からXの距離における拡幅量 b

b=AX3

A=(W4-W2)/L3

幅員=W2+b

クロソイド拡幅曲線上の点および曲線長

クロソイド曲線の曲線長に比例して拡幅された曲線をクロソイド拡幅曲線と呼ぶ。

特別な理由により原クロソイドの外側に拡幅する場合はDpの符号は-となる。

上記曲線長式は一次比例拡幅の場合を示す。

( 13 )

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b) 2本以上の側線を定義することにより道路幅員を与える場合

道路幅員を定める側線(通常は二本、中央分離帯がある場合は四本)の平面線形を定義

し、側線間の距離により道路幅を定義する(この場合、道路中心線と言う呼称は使わず○

○側線の呼称を使用する)。

道路建設用地の確保に制約が多い地域、都市高速道路(首都高速道路公団、阪神高速道路

公団、名古屋道路公社、福岡北九州道路公社等)の線形はこの方法による。

<側線の数と主側線、副側線>

車線数と側線の関連を下図に示す。通常、中央分離帯の側線Ⅱ(下り線)と側線Ⅲ(上り

線)を主側線と呼び、縦断線形、横断線形は主側線を基準として決められる。幅員は主側線

に直角な幅として定義される。副側線は路肩側の側線を言う。

( 14 )

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(3) 曲線部における道路幅員の拡幅

車道の曲線部においては、設計車両および該当曲線部の曲線半径に応じ、車線幅を適切に

拡大する。曲線部では自動車の前輪と後輪とは異なった軌跡を描くため、直線部より広い車

線幅員を必要とするためである。この目的による拡幅が道路平面線形における幅員の拡幅量

である。

また、運転者は常にできるだけ遠くまで見通せることが車両の安全走行上必要である。そ

の距離によってハンドルやアクセル操作の準備がなされる。都市高速道路の曲線部では特に

壁高欄や遮音壁が視界を遮ることが多い。このため視界を確保するために、壁高欄や遮音壁

などの視界を遮る障害物を道路より後退させることがある。これを視距の確保という。平面

線形においては視距確保用の線形をこの部分のみ個別に設置する。これはセットバック線と

呼ばれる。

車線の拡幅

セミトレーラーの軌跡

( 15 )

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視距確保による拡幅

視距の確保 視距の確保のために岩壁の法面を後退させた例

E=D2/(8R)

ただし、E:視距必要幅

D:視距(m)

R:半径(m)

高架構造曲線部の拡幅量

外側車線 内側車線

SB:セットバックによる拡幅

G:車線拡幅量

S:側帯幅

( 15 )

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セットバック線形の例

( 17 )

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1 .2 .4 平面線形の表示

(1) 平面線形図の表示

平面線形図は通常1/300から1/1000の縮尺で道路中心線を描画したものであり、

図面内の余白に要素一覧を IP 毎に表示する。平面図には平面線形の変化点識別記号とその

位置のステーション番号を必ず記入する。

道路平面図の記載事項 道路平面図には、次ぎの事項を記載するものとする。

① 地形、地物、行政区画名

② 基準点の番号、位置および高さ

③ 座標点または方位

④ 道路中心線および側点番号

⑤ 道路幅

⑥ 平面線形要素

⑦ 橋梁、トンネルおよび切土、盛土

⑧ その他、必要と認められる事項

側点番号と線形要素の記入 平面線形の側点番号、線形要素の記入は、つぎの様式によるのを標準とす

る。

① 側点番号は起点側より20mまたは50mもしくは100mの間隔で一連番号をとり、中心線に付

する。上下各々の平面線形が別尾にあるときは、各車道中心線に各々の側点番号を記入する。

② 平面線形要素の記入は、道路中心線から直角にその中心方向に引出し、B.C、E.C,K.A,K.E などとと

もに、側点番号、円の場合は半径、曲線長、クロソイドの場合は、パラメータ、クロソイド長、直

線の場合は直線長を記入する。

B.C 円弧始点 K.E クロソイド曲線終点

E.C 円弧終点 R 曲率半径

B.T.C 緩和曲線始点 A クロソイドパラメータ

E.T.C 緩和曲線終点 I.P 主接線交点

K.A クロソイド曲線始点 I.A 主接線交角

平面線形要素の記入例

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平面線形図の例

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(2) 平面線形要素図(路線方向と曲率の表示)

橋梁などの構造物一般図の道路縦断断面図に記載される曲率図の表示は以下のように作図

する。

・ 起点より終点に向かって右回りの曲率を曲率図では中心線上方に、左回りを下方に描く。

・ 平面線形要素はクロソイドの場合はパラメータと曲線長、円の場合は曲率半径、直線の

場合は直線長を描く。

特殊な平面線形と曲率図での表示

曲率図 構成要素 平面線形

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以下次回