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平成29年9月12日
経済産業省商務情報政策局
産業保安グループ電力安全課
榎本 宏
発電用風力発電設備の規制に係る最近の話題について
九州風力発電情報連絡会
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【1 風力発電設備の審査体制】(1) 風力発電設備の審査体制について(2) 風力発電設備の審査の現状について(3) 専門家会議について(4) 専門家に意見照会を要する特殊な風力発電設備(5) この半年で専門家に意見照会した案件の概要(抜粋)
【2 工事計画届と審査体制】(1) 技術基準適合性について(2) 工事計画の審査について(3) 技術基準適合性と専門家会議について(4) 認証機関の活用について(5) 専門家会議の実績
【3 今後の動向】(1) 特殊案件の増加(2) 対応策の方向性
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目 次
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事業者 産業保安監督部 本省本省
③支持物、風車、電気設備など、全ての設備について
審査
工事計画 ②標準/特殊の判定(※1)
専門家会議の開催
専門家会議専門家会議
⑤特殊設備の審査(複数回の場合もあり)
届出後原則30日以内(延長可能)
①工事計画届出
工事開始
審査期間経過(※2)
④使用前自主検査
工事完了
使用開始
⑤使用前安全管理審査
審査申請
⑥評定結果の通知
※1 標準的なものと特殊なものの判定に係る内規を定めている。※2 審査の結果、技術基準違反等が認められる場合は、計画の
変更又は廃止を命ずることができる。
④特殊設備以外の設備等について審査
②標準/特殊の判定(※1)
工事開始
延長した審査期間経過
(※2)
⑥使用前自主検査
工事完了
使用開始 ⑦使用前安全管理審査
工事計画
③(必要に応じ)審査期間延長通知
連絡
とりまとめ
全ての設備についての審査結果のとりまとめ
審査申請
⑧評定結果の通知
連絡 特殊なケースでは数ヶ月に及ぶ場合もある。
(※3)
※3 専門家会議での審査結果を用いて、引き続き、産業保安監督部で審査を行う場合もある。
標準的な風力発電設備の場合
特殊な風力発電設備の場合
①工事計画届出
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1 風力発電設備の審査体制
(1)風力発電設備の審査体制について
4
(2)風力発電設備の審査の現状について
発電用風力設備の工事計画
着
工
認証機関が、独自審査の上、認証を付与(=法令適合性の証明)
専門家会議で、特殊設備について確認(本省電安課)
工事計画が特殊な設備に該当しないとき、
産業保安監督部が審査(工事着手制限:30日※延長有)
工事計画のうち、特殊な設備に該当す
る事項は専門家会議で複数回の審査会議を開催して審査
産業保安監督部が、特殊設備以外を審査特殊設備は本省照会
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1 風力発電設備の審査体制
産業保安監督部が特殊設備を含めた総合的審査
工事計画届に添付
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○風車関連 ・・・・・・・・・・・・・・・ 3名 (機械・電気系 等)
○風工学・支持物設計 ・・・・・・ 2名 (支持物構造系 等)
○基礎・地盤 ・・・・・・・・・・・・・・ 2名 (地盤評価、杭、液状化 等)
○鋼構造・支持物設計 ・・・・・・ 1名 (支持物構造系 等)
○コンクリート、支持物設計 ・・ 1名 (支持物構造系 等)
○特殊鋼材 ・・・・・・・・・・・・・・・ 2名 (JIS規格外材料評価 等)
○ブレード・複合材料 ・・・・・・・ 1名
○海洋・水辺 ・・・・・・・・・・・・・・ 2名 (着床式洋上風力 等)
・事案の特殊性に応じて、関連する専門家3~4名程度を選任
うち1名が審査主査を担当
・原則、毎月2回程度の開催を予定
(現在は、風車関係1回/月、支持物・地盤関係1回/月程度が標準的。)
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1 風力発電設備の審査体制
(3)専門家会議について
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6
1 風力発電設備の審査体制
(4)専門家に意見照会を要する特殊な風力発電設備
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• セクターマネージメント評価の妥当性について
• 特殊な風環境での耐久性評価について
• 特殊杭の安全性評価について
• 液状化の恐れのある地盤に建てる風車の安全性評価について
• 地震に対する評価の妥当性について(せん断ひずみの評価、側方流動の解析方法等)
• 海岸線に近い場所に設置する風車に対する評価について
• アンカーボルトの孔径が、学会指針より大きい設計となっていることの妥当性について
• 風車の型式認証時の風条件を超過する環境での安全性評価について
• 風車の型式認証が、条件付認証である場合の扱いについて
• 暴風時のヨー制御に関する評価について
• フランジボルト接合部のてこ比(e/g)が、適用範囲を超えている場合の安全性について
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(5)この半年で専門家に意見照会をした案件の概要(抜粋)
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• 発電用風力設備は、電気事業法で規定される電気工作物であるため、電気設備の技術基準、発電用風力設備に関する技術基準に適合していることが絶対の要件。
• 発電用風力設備に関する技術基準を定める省令→必ず適合しなければいけない技術基準
• 発電用風力設備の技術基準の解釈(最終改正:平成29年3月31日)
→上記基準を満たす仕様等の一例
この発電用風力設備の技術基準の解釈(以下「風技解釈」という)は、発電用風力設備に関する技術基準を定める省令(一部略)に定める技術的基準を満たすべき技術的な内容をできる限り具体的に示したものである。
なお、省令に定める技術的要件を満たすべき技術的内容はこの解釈に限定されるものではなく、省令に照らして十分な保安水準の確保が達成できる技術的根拠があれば、省令に適合するものと判断するものである。
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(1)技術基準適合性について
2 工事計画届と審査体制
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• 「工事計画届」に記載された内容の審査を行う。
• 審査内容は、「発電用風力設備に関する技術基準を定める省令」への適合性について。
• 審査において、監督部での審査が困難な部分については、各監督部長から本省電力安全課長へ意見照会を行う。
• 本省電力安全課長は、意見照会に回答するため、学識経験者からなる「専門家会議」の意見を聴取する。
• 本省電力安全課長は、専門家の意見を参考に、監督部長へ意見を述べる。
• 各監督部長は、本省電力安全課長からの意見をもとに、工事計画届に記載された内容が「発電用風力設備に関する技術基準を定める省令」に適合しているかどうか、判断する。
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(2)工事計画の審査について
2 工事計画届と審査体制
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専門家(会議)に意見照会する案件とは?
• 風技解釈に適合しているかどうか不明な場合。
• 省令に照らして十分な水準の保安確保が達成出来るかどうか不明な場合。
→「技術基準適合性」が証明できれば、どんな技術を使っても良い。
(=性能規定化)
→ただし、風車の設置される場所が異なれば、「技術基準適合性」の判断も異なる可能性がある。工事計画毎に判断することが原則。
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(3)技術基準適合性と専門家会議について
2 工事計画届と審査体制
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• 認証機関の認証の課程では、技術基準等への適合性について第三者認証を行うため、必要なデータを収集した上で、(認証機関の)専門家による意見照会等を経て、「適合証明書」や「認証評価報告書」が発行される。
• 認証のための審査の過程で、技術基準適合性を判断するために必要なデータなどが揃うこととなる。また、認証機関の常勤スタッフも専門的知見を有しているため、効率的なデータ取得などが可能となる。
• 現在、工事計画届の審査時に、風車、支持物などに対する認証機関の認証や審査結果があれば、国の工事計画届の審査でその内容を確認・参照しているところ。
• 揃ったデータは、「専門家会議」の委員が検討を行う際にも、有効活用されるデータとなる。
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(4)認証機関の活用について
2 工事計画届と審査体制
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• 本年1月~8月に開催された専門家会議は、合計11回。
• 風車が4回、支持物・地盤が7回開催されている。
• 月に2回程度の開催される専門家会議では、1回2時間程度で、通常1件30分×4件程度の検討を行う。
• 実績としては、風車11件、支持物・地盤12件の検討を行った。
• 風車11件のうち10件は、認証機関の認証済のものを検討し、全ての案件が1回30分程度の検討時間で終了している。
• 認定を取らなかった1件は半年以上の間隔を開けて2回目の会議で検討を行った案件である。
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(5)専門家会議の実績
2 工事計画届と審査体制
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• 支持物・地盤12件のうち4件は認証機関の認証済のものを検討し、こちらは全て1回30分程度の検討時間で終了している。
• 一方で、認証無しで持ち込まれた支持物・地盤案件8件は、①複数回の検討を要したもの、②1回の検討時間が1時間近くに及んだ(通常は30分程度)もの及び、③専門家会議は1回で終わったものの、追加資料の作成と確認(書面検討)に1ヶ月以上を要した案件もある。
• 認証無しは平均で1.6回/件の専門家会議での検討を行っている。
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• より厳しい条件での風車の設置案件が増加
• 洋上風力など、まだ我が国での技術的知見が積み上がっていない風力発電所が増加
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(1)特殊案件の増加
3 今後の動向
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• 現在、特殊案件とされているものであっても、事例が積み重なり、「省令に照らして十分な保安水準の達成ができる。」と判断できるようになれば、一般案件化する。
• 将来的に、国による発電用風力設備の工事計画審査において、認証機関による認証をより積極的に活用してゆく。
• その場合、認証機関において、
①電気設備の技術基準
②発電用風力設備の技術基準
③IEC等の関連基準
④風力発電設備支持物構造設計指針・同解説(土木学会)
を適用基準として用いていることを国の工事計画審査で確認
することで、審査全体の合理化を図る。15
(2)対応策の方向性
3 今後の動向
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釈迦に説法ですが、
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電気事業法の基本は、「自主保安」
・自らの発電施設は、自ら守る。
・自らの施設が、公衆安全を脅かす存在にならないように、維持・運用する。
・発電所の安全を保ち、説明する責任は、電気事業者にある。(発電機メーカーではない。)
<自らが主となって、保つ、安全。>17
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18
ご清聴ありがとうございました
御安全に!