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C言語入門 第10週 プログラミング言語Ⅰ(実習を含む。), 計算機言語Ⅰ・計算機言語演習Ⅰ, 情報処理言語Ⅰ(実習を含む。) 1

C言語入門 - web.cc.yamaguchi-u.ac.jpweb.cc.yamaguchi-u.ac.jp/~okadalab/CLangI2015/CLangI2015_10p.pdf · ファイルが見つからない •ファイル名や配置場所を確認する

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C言語入門 第10週

プログラミング言語Ⅰ(実習を含む。), 計算機言語Ⅰ・計算機言語演習Ⅰ,

情報処理言語Ⅰ(実習を含む。)

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基本型

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標準ヘッダ: <limits.h>

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• 整数型の最小値・最大値は以下のマクロで定義されている

unsigned signed

最小値 最大値 最小値 最大値

char 0 UCHAR_MAX SCHAR_MIN SCHAR_MAX

short 0 USHRT_MAX SHRT_MIN SHORT_MAX

int 0 UINT_MAX INT_MIN INT_MAX

long 0 ULONG_MAX LONG_MIN LONG_MAX

char 型に関する定義

CHAR_BIT char 型のビット数

CHAR_MIN 0 または SCHAR_MIN

CHAR_MAX UCHAR_MAX または SCHAR_MAX

標準ヘッダ: <float.h>

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• 浮動小数点型に関する定数は以下のマクロで定義されている

float double

指数表現の基数 FLT_RADIX DBL_RADIX

精度の10進桁数 FLT_DIG DBL_DIG

仮数部における基数(RADIX)の桁数 FLT_MANT_DIG DBL_MANT_DIG

1.0 + 𝑥 ≠ 1.0となる最小の𝑥 FLT_EPSILON DBL_EPSILON

最大値 FLT_MAX DBL_MAX

正規化された最小の浮動小数値 FLT_MIN DBL_MIN

RADIX𝑛 − 1が表現可能な𝑛の最大値 FLT_MAX_EXP DBL_MAX_EXP

10𝑛を正規化された浮動小数値として表現可能な𝑛の最小値 FLT_MIN_EXP DBL_MIN_EXP

良くあるエラーの例

エラーメッセージを読みエラーの原因を推測しましょう

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gcc のエラーメッセージ

• 環境変数LANGを設定すると言語が変わる

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mintty + bash + GNU C $ LANG=C gcc error1.c error1.c: In function 'main': error1.c:7:3: error: expected ';' before 'printf' printf("world¥n"); ^

mintty + bash + GNU C $ LANG=ja_JP.UTF-8 gcc error1.c error1.c: 関数 ‘main’ 内: error1.c:7:3: エラー: expected ‘;’ before ‘printf’ printf("world¥n"); ^

ロケール(locale)と呼ばれる 多言語化の仕組み JM: locale (7)

mintty の locale の設定

• mintty左上のアイコンからoption→Text

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ここに Locale: ja_JP Cahaacter set: UTF-8 を設定して「OK」しておく

文末の「;」忘れ

• 文末に「;」を忘れると次の文字でエラーに

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error1.c int main() { printf("hello, ") printf("world¥n"); return EXIT_SUCCESS; }

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mintty + bash + GNU C $ gcc error1.c error1.c: 関数 ‘main’ 内: error1.c:7:3: エラー: expected ‘;’ before ‘printf’ printf("world¥n"); ^

エラーが生じたのは7行目の3文字目だが、エラーの原因は6行目の行末。 C言語では、スペースや改行は人間に読み易くするための位置調整に過ぎないので printf("hello, ") printf("world¥n"); は printf("hello, ")printf("world¥n"); と同じ意味。

ここに「;」があるべきだが 「;」の前に「p」が現れたことが エラーの原因

ブロック開始終端の不整合

• 「{」が1つ多い

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error2_1.c int main() { { printf("hello, world¥n"); return EXIT_SUCCESS; }

4 5 6 7 8 9 10

mintty + bash + GNU C $ gcc error2_1.c error2_1.c: 関数 ‘main’ 内: error2_1.c:10:1: エラー: expected declaration or statement at end of input } ^

「}」が1つ足らない状態で、ファイルの終端(入力の終端)に達している。

ブロック開始終端の不整合

• 「}」が1つ多い

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エラーが生じたのは8行目の3文字目だが、エラーの原因は7行目。 「}」が1つ多いので、main関数の定義が7行目で終わっている。 つまり、8~9行目は、何もないところにいきなり以下のように書いたのと同じ。

return EXIT_SUCCESS; }

8 9

error2_2.c int main() { printf("hello, world¥n"); } return EXIT_SUCCESS; }

4 5 6 7 8 9

mintty + bash + GNU C $ gcc error2_2.c error2_2.c:8:3: エラー: expected identifier or ‘(’ before ‘return’ return EXIT_SUCCESS; ^ error2_2.c:9:1: エラー: expected identifier or ‘(’ before ‘}’ token } ^

ブロック開始終端の不整合

• 関数名のミススペル

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コンパイルではなくリンクに失敗したと言われている。 分割コンパイルによる、外部関数のリンクの際、print が見つからなかった。 printf のつもりが print とミススペルしている。 標準ライブラリに print 関数は用意されていない。

error3.c int main() { print("hello, world¥n"); return EXIT_SUCCESS; }

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mintty + bash + GNU C $ gcc error3.c /tmp/ccopiKHp.o:error3.c:(.text+0x15): `print' に対する定義されていない参照です /tmp/ccopiKHp.o:error3.c:(.text+0x15): 再配置がオーバーフローしないように切り詰められました: R_X86_64_PC32 (未定義シンボル `print' に対して) /usr/lib/gcc/x86_64-pc-cygwin/4.8.2/../../../../x86_64-pc-cygwin/bin/ld: /tmp/ccopiKHp.o: 誤った再配置アドレス 0x0 がセクション `.pdata' 内にあります /usr/lib/gcc/x86_64-pc-cygwin/4.8.2/../../../../x86_64-pc-cygwin/bin/ld: 最終リンクに失敗しました: 無効な操作です collect2: エラー: ld はステータス 1 で終了しました

コンパイルフェーズではなくリンクフェーズでのエラー。 ~.o ファイルについて参照がみつからないと言われている。

不要な ;

• 関数定義がプロトタイプ宣言になっている

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main() の直後に ; があるのでそこで文が終わっている。 このため、関数の定義ではなく、関数のプロトタイプ宣言になっている。

error4.c int main(); { printf("hello, world¥n"); return EXIT_SUCCESS; }

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mintty + bash + GNU C $ gcc error4.c error4.c:5:1: エラー: expected identifier or ‘(’ before ‘{’ token { ^

ファイルが見つからない

• ファイル名や配置場所を確認する

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#include しようとしたファイルが見つからない。 #include に与えたファイル名か、ファイルに付けた名前のどちらかが間違っている。 上記の例では stdlib.h が正しいが lib ではなく ilb になっている。

error5.c #include <stdio.h> #include <stdilb.h> int main(); { printf("hello, world¥n"); return EXIT_SUCCESS; }

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mintty + bash + GNU C $ gcc error5.c error5.c:2:20: 致命的エラー: stdilb.h: No such file or directory #include <stdilb.h> ^ コンパイルを停止しました。

コンパイルフェーズではなく、プリプロセスフェーズでのエラー

C言語のコンパイル

• コンパイラにより実行形式に変換する

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.h ファイル .h ファイル

.h ファイル

Source files

.c ファイル .c ファイル

.c ファイル

.o ファイル .o ファイル

.o ファイル

Object files

ライブラリ ライブラリ

ライブラリ

実行ファイル

Executable files

C compiler

Preprocessor

linker

C compiler Cコンパイラは実際には preprocessor compiler linker の3段階に分かれている

エラー時の対処方法

• エラーメッセージをよく読みましょう。

• 行番号と何文字目かも参考になります。

• 同じようなエラーメッセージなら、同じような原因である可能性が高いはずです。

• 原因が分からない場合は、エラーメッセージを Google 等の検索エンジンで検索しましょう。

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参考文献

• [1] B.W.カーニハン/D.M.リッチー著 石田晴久 訳、プログラミング言語C 第2版 ANSI 規格準拠、共立出版(1989)

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