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橋梁の基礎の補強・パイルベント橋脚の補強に関する研究小委員会 橋梁の基礎の補強・パイルベント橋脚 の補強に関する研究小委員会 平成30年1月29日 関西道路研究会 道路橋調査研究委員会

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橋梁の基礎の補強・パイルベント橋脚の補強に関する研究小委員会

橋梁の基礎の補強・パイルベント橋脚の補強に関する研究小委員会

平成30年1月29日

関西道路研究会 道路橋調査研究委員会

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橋梁の基礎の補強・パイルベント橋脚の補強に関する研究小委員会

まえがき

活動目的

• 液状化地盤中の杭基礎を含む基礎構造の地震時安全性の評価手法

や合理的な補強工法の選定手法,パイルベント橋脚を有する橋梁の

地震時挙動の解明やその安全性評価手法,合理的かつ適切な対策

手法等を検討することを目的

活動内容

• 基礎の補強やパイルベント橋脚の補強の事例紹介を通じて現状の課

題を抽出することにより,産官学間の垣根を取り払った議論を深める

• 対象をパイルベント橋脚に絞ったうえで,その耐震補強に必要となる調

査項目,具体的な補強設計手法,現場環境に応じた施工方法を大阪

府内に実在する橋梁を対象としてケーススタディー的に検討

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橋梁の基礎の補強・パイルベント橋脚の補強に関する研究小委員会

活動報告①活動内容 パイルベント橋脚(基礎)の耐震補強に着目した研究

②小委員会の開催期間 2015.9.29~2017.12.11(小委員会開催:計13回)

③委員会参加者 下表に示す

委員長 井上  晋 大阪工業大学

副委員長 山口  隆司 大阪市立大学大学院

学識委員 山下  典彦 大阪産業大学

松村  政秀 京都大学大学院

幹事 田中  剛 (株)長大

三住  泰之 (株)オリエンタルコンサルタンツ

委員 中野  進也 大阪市建設局

田中  開己 大阪市建設局

岡本  泰彦 奥村組土木興業(株)

金海  鉦 (株)国際建設技術研究所

河原崎 雄介 (株)建設技術研究所

宮田  洋好 (株)綜合技術コンサルタント

住岡  雅之 太平洋プレコン工業(株)

委員 寺田  昌広 大阪市建設局

途中で退会 吉谷  武彦 堺市建設局

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橋梁の基礎の補強・パイルベント橋脚の補強に関する研究小委員会

発表内容項目 所属

本小委員会について 委員長 井上  晋 大阪工業大学

 1.はじめに 委員 田中  開己 大阪市建設局

 2.事例収集 委員 田中  剛 (株)長大

 3.実際の橋梁に対する対策

  3.1 対象橋梁の諸元 委員 田中  剛 (株)長大

  3.2 解決すべき課題策 委員 田中  剛 (株)長大

  3.3 調査内容の提案 委員 金海  鉦 (株)国際建設技術研究所

  3.4 耐震補強策に関する提案 委員 河原崎 雄介 (株)建設技術研究所

  3.5 耐震補強設計手法に関する提案 委員 三住  泰之 (株)オリエンタルコンサルタンツ

おわりに 副委員長 山口  隆司 大阪市立大学大学院

発表者

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橋梁の基礎の補強・パイルベント橋脚の補強に関する研究小委員会

1. はじめに南海トラフ巨大地震に関する新たな知見等が出され、液状化対策の必要性が注目されて

いるなか、基礎の補強については、明確な基準や方針がなく、その対応には多額の事業費と長期の工期が必要と予想されている。

また、パイルベント橋脚を有する橋梁は地震時の被災事例が多いにもかかわらず、耐震安全性評価手法や合理的かつ適切な対策手法が確立されていないため、管理方針(架替・延命化)を策定することが難しい。

そこで本小委員会では、パイルベント橋脚を有する橋梁の補強に関する取り組み事例を収集するとともに、実際の橋梁をケーススタディーとして、耐震補強策の決定から実施にいたるまでの流れに従い、解決すべき課題を抽出し、必要な調査内容や耐震補強策に関する提案並びに耐震補強設計手法を提案するものである。

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橋梁の基礎の補強・パイルベント橋脚の補強に関する研究小委員会

2. 事例収集

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橋梁の基礎の補強・パイルベント橋脚の補強に関する研究小委員会

本節の内容○パイルベント橋脚(基礎)がもつ特徴と課題

⇒過去の事例を参考として,具体対象の耐震補強策の決定における参考資料とすることができるのでは?

小委員会の中で、幾つかの事例を収集

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事例1:橋梁全体で耐震性能を確保した事例

上部工:PC単純ポステンT桁橋(2連)

橋脚 :パイルベント橋脚(固定支承)

橋台 :枕梁式橋台(可動支承)

橋長 L=46.0m

40mm40mm

40mm 桁長 L=22.94m 桁長 L=22.94m

パイルベント橋脚(基礎)

鋼管杭

橋台基礎

鋼管杭

橋台基礎

鋼管杭

橋面から水面まで3.6m

Ⅲ種地盤(軟弱地盤)ではあるが、

玉石・コンクリート殻がある

M MF F

【課題】

○設計年度が古い(S42供用)

○施工空間が狭い

○交通量が多く夜間で工事が必要

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事例1:補強策の検討

補強策 不足を直接補強,橋全体で間接的に補強する案が考えられる

第1案:パイルベント橋脚の耐力を補強

⇒不足断面する断面耐力を直接補強(SSP工法)

※空頭制限から、非常に継杭が多い構造

※土中の玉石・コンクリート殻から施工性が問題

第2案:橋全体で不足する耐力を補強(カバー)

⇒支承条件変更、免震化、桁端衝突考慮、等 様々な案を検討

結論 構造的な特徴と施工条件を考慮した合理的な補強策の採用

○河川内のパイルベント橋脚だけで負担するのは困難

○陸上部橋台への補強は比較的施工性が良い

⇒全ての支点を固定支承とした、地震力分散構造を採用

Mov→Fixへの荷重負担増に対して橋台増杭補強(マイクロパイル)

非常に高価

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事例2:地盤改良+増杭で耐震性能を確保した事例

水管橋 φ2200

橋台基礎 場所打ち杭

※雑誌「基礎工 vol.34 No.6」より

【課題】

○近接構造物

○施工空間が狭い(空頭制限)

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事例2:補強策の検討

補強策 増杭補強ができる方向が限定

⇒一方向の増杭だけでは不足を補えないため,地盤改良工法との併用

○改良範囲は地盤FEMで検証(有効な範囲)

○上空制約の有無により地盤改良工法を選定

制約なし:鉛直方向に地盤改良

制約あり:斜方向に地盤改良

○地盤改良工法の効果検証が必要

・コアボーリング、マイク集音

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事例3:橋梁全体で耐震性能を確保した事例

上部工:PC単純床版橋(3連)

橋脚 :パイルベント橋脚

橋台 :半重力式橋台

【課題】○設計年度が古い(S39架設供用)○施工空間が狭い○3連構造のため河川内負担は必須

→気中部鋼管杭の補強が必要

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事例3:補強策の検討

補強策 鋼管杭(基礎部、気中部)両方の補強が必要

⇒基礎部:空頭制限を満足できる補強策(マイクロパイルによる増杭)

⇒気中部:河川阻害率を考慮した橋脚補強策(RC巻立て)

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事例4:パイルベント構造の特性把握(解析的アプローチ)

例:パイルベントラーメン構造

(鉄道橋に多い構造)

※RTRI REPORT Vol.29 No.3より

【課題】○パイルベント構造の動的な特性

・慣性力の影響・地盤変形の影響→支配的な要因は??

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事例4:検討結果(その1)

1/βを境界として,変位・断面力ともに支配的な条件が変化

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事例4:検討結果(その2)

【凡例】

節点A

節点B

節点C

土中部 慣性力と全体系の大小間系が逆転

M(k

Nm

T(sec)

T(sec)

T(sec)

M(kN

m)

M(kN

m)

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事例4:検討結果(その3)

今回の結果 → 一つの解析ケースにおける結果

結果から

①補強策の決定時は支配的要因を明確にすることが効果的

→不足位置と対策の効率的・効果的決定

②解析モデルは支配的要因を明確にできるモデルを使用

→骨組みモデル、FEM解析、モデル化の範囲

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事例5:パイルベント構造の損傷

○河川内(特に河口部)のパイルベント構造は,損傷を受け易い構造

○気中部,水中部の鋼管が損傷を受けると,橋の耐力に大きく影響

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3. 実際橋梁に対する対策(案)

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3.1 対象橋梁の紹介左図の橋梁の耐震補強計画に必要な○調査○補強策○設計手法を示す。

・鋼3径間連続箱桁橋(河川橋)

・中間層は軟弱な砂質土層、粘性土層

・上部工は鋼箱桁(比較的質量が大きい)

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3.2 解決すべき課題

項目 着目点 解決すべき課題

架橋条件 河川橋 ○河川条件への適用狭い施工空間 ○施工空間への適用

近接施工,障害物 ○近接構造物の有無の確認.○障害物の有無の確認.

既往図書 設計当初の諸元 ○適用示方書○橋長,支間長,橋脚高○上部工,下部工,基礎工形式○設計条件(荷重条件,設計水平震度,等)

現在の状態 現状把握 ○点検調書からの現在の状態の把握.○現地点検による現在の状態の把握.

地盤条件 基礎の剛性が小さい ○地盤の影響を大きくうける.○軟弱地盤,液状化地盤の有無.○地盤抵抗諸元の確認.

調査段階で解決すべき課題

①調査段階で解決すべき事項

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3.2 解決すべき課題

調査段階で解決すべき課題

②設計段階で解決すべき事項

項目 着目点 解決すべき課題

補強策 最適部材部位 ○補強方法の選定.○最適案の選出条件.

設計方法 解析手法モデル化

○解析手法.○発生する応答値の適正化.(妥当性)○補強策に応じた解析手法の適用.

既設構造 現状把握 ○橋の現状性能の評価方法.○把握困難な部位に対する評価方法.(地中部等)

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3.3 調査内容の提案

本章では,パイルベント基礎をもつ橋梁の耐震補強計画に用いるための調査について提案する.

① 活用可能な既存資料の確認・整理

② 地盤定数に関する資料収集を目的とした調査・試験

③ 構造特性の特定に関する資料収集を目的とした調査・試験

④ 使用材料の種別・品質確認のための調査・試験

⑤ 劣化・損傷状況を把握するための調査・試験

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① 活用可能な既存資料の確認・整理

パイルベント基礎をもつ橋梁の耐震補強に関わる設計や施工を実施するために特定すべき地盤定数や構造特性を整理する

【活用可能な情報】

・既往の設計図書

・関西圏地盤情報データベース(KG-NET)等

その結果,改めて収集すべき必要がある情報については,現地調査・試験を行い資料の収集を図る.

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② 地盤定数に関する資料収集を目的とした調査・試験(その1)

(1)耐震補強設計に着目した地質調査

(1)-1 現橋(既設橋)の耐震性能評価1)液状化の判定

2)杭の軸方向抵抗特性に関する検討

3)杭の軸直角方向特性に関する検討

(1)-2 補強設計時

(2)耐震補強工事に着目した地質調査

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② 地盤定数に関する資料収集を目的とした調査・試験(その2)

得られる地盤定数 重要度 備 考

液状化の判定

要否検討

標準貫入試験 N値 ◎

ボーリング 地下水位 ◎

堆積時代(沖積/洪積) ◎

土質(地盤種類、層厚) ◎

材料試験(粒度分布試験) 細粒分含有率 〇 〔概略値 可〕

液性限界・塑性限界試験 塑性指数 〇 〔概略値 可〕

粒度試験 粒度分布 〇 〔概略値 可〕

要検討時

地震時せん断応力比

     全土載圧

     有効土載圧

湿潤密度試験 単位体積重量 〇 〔概略値 可〕

動的せん断強度比

繰り返し三軸強度試験 繰返3軸強度比 〇 〔道示式 可〕

調査・試験名調査目的

◎:原則として把握する 、 〇:必要に応じて把握する 、 -:適宜判断   

現橋(既設橋)の耐震性能評価に必要と考えられる地質調査・試験(その1)

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② 地盤定数に関する資料収集を目的とした調査・試験(その3)

得られる地盤定数 重要度 備 考

軸方向抵抗特性の検討

押込み支持力

引抜き支持力

(極限支持力)

周面摩擦力

1軸圧縮試験 地盤種類 ◎

3軸圧縮試験 N値 ◎

粘着力 〇 〔概略値・推定値 可〕

軸直角方向抵抗特性の検討

水平方向地盤反力係数

水平方向

地盤反力係数

平板載荷試験

孔内水平載荷試験

1軸圧縮試験

3軸圧縮試験

標準貫入試験 変形係数 〇 〔概略値・推定値 可〕

地盤反力度の上限値

受動土圧強度

   受動土圧係数

一軸、三軸圧縮試験

粘着力 〇 〔概略値・推定値 可〕

せん断抵抗角 〇 〔概略値・推定値 可〕

湿潤密度試験

単位体積重量 〇 #REF!

◎:原則として把握する 、 〇:必要に応じて把握する 、 -:適宜判断   

調査・試験名調査目的

現橋(既設橋)の耐震性能評価に必要と考えられる地質調査・試験(その2)

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② 地盤定数に関する資料収集を目的とした調査・試験(その4)

得られる地盤定数 重要度 備 考

部材補強工法

(1)-1 調査に準ずる

(1)-1 調査に準ずる

(1)-1 調査に準ずる -

地盤改良工法(CPR工法等)

動的有限要素法による応答値の算定

標準貫入試験

N値 ◎

コア採取による試験

粒度試験 粒度 〇 〔概略値 可〕

湿潤粒度試験 土の密度 〇 〔概略値 可〕

一軸、三軸圧縮試験 一軸圧縮強度(粘着力) 〇 〔概略値・推定値 可〕

三軸圧縮強度(内部摩擦角) 〇 〔概略値・推定値 可〕

繰り返し三軸試験 繰り返し三軸強度 〇 〔道示式 可〕

透水試験、 透水試験係数 〇 〔概略値 可〕

Ps検層法(弾性波速度の評価)

せん断弾性係数 〇 〔概略値・推定値 可〕

弾性係数・ポアソン比 〇 〔概略値・推定値 可〕

増し杭工法

(1)-1 調査に準ずる

(1)-1 調査に準ずる

(1)-1 調査に準ずる -

◎:原則として把握する 、 〇:必要に応じて把握する 、 -:適宜判断   

調査・試験名調査目的

補強設計時に必要と考えられる地質調査・試験

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対象とする補強工事の内容 得られる地盤定数・成果 重要度 備 考

部材補強工法

土中条件の確認

ボーリング

土中異物・障害物・有効地盤面 ◎

地盤改良工法(CPR工法等)

土中条件の確認

ボーリング

土中異物・障害物・有効地盤面 ◎

造成径の設定

標準貫入試験

N値 ◎

ボーリング

土質条件 ◎

一軸、三軸圧縮試験

粘着力 ◎ 〔概略値・推定値 可〕

出来形の確認

ボーリング

改良体の強度、厚さ、範囲 ◎

増し杭工法

土中条件の確認

ボーリング

土中異物・障害物・有効地盤面 ◎

◎:原則として把握する 、 〇:必要に応じて把握する 、 -:適宜判断   

調査・試験名調査目的

② 地盤定数に関する資料収集を目的とした調査・試験(その5)

耐震補強工事に着目した地質調査・試験

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③ 構造特性の特定に関する資料収集を目的とした調査・試験 (その1)

・既往の設計図書類が収集できない場合,上部工重

量の確認等復元設計が必要となる場合がある.

・このような場合,必要に応じて足場等を用いて構

造物に近接し,形状・寸法を計測する必要がある.

・計測結果のとりまとめ方法等については,事前に

設計者と協議しておくこととする

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③ 構造特性の特定に関する資料収集を目的とした調査・試験 (その2)

調査目的 得られる諸元 重要度 備 考

構造諸元の特定

杭径調査

スケール

杭径 ◎

杭長調査

衝撃弾性波法、

ボーリング

杭長 ◎

コンクリート部材

形状・寸法調査

スケール

形状・寸法 ◎

配筋・かぶり調査

電磁波法、

電磁誘導法、

はつり目視

配筋、かぶり ◎

鋼部材

形状・寸法調査

スケール

形状・寸法 ◎

肉厚調査

超音波法

部材厚 ◎

◎:原則として把握する 、 〇:必要に応じて把握する 、 -:適宜判断   

 

対象部位・部材 調査・試験名

構造寸法を特定するための調査・試験

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橋梁の基礎の補強・パイルベント橋脚の補強に関する研究小委員会

④ 使用材料の種別・品質確認のための調査・試験 (その1)

使用されている材料の種別・品質が不明な場合,これを可能な限り確認する必要がある.

【コンクリート部材】

圧縮強度,弾性係数

【鋼部材】

引張強度,降伏点,弾性係数

何れも実橋から試料を採取し,室内にて試験を行えば確認可能な物性であるが,容易に試料採取が出来ない場合が多い.

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橋梁の基礎の補強・パイルベント橋脚の補強に関する研究小委員会

非破壊検査の活用

・検査結果を活用する際には,検査の方法・内容,適用の範

囲を十分理解したうえで利用する必要がある.

・部分的な微破壊による試料採取による物性試験の併用など,

検査精度の向上を図るなどの配慮も必要である.

④ 使用材料の種別・品質確認のための調査・試験 (その2)

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橋梁の基礎の補強・パイルベント橋脚の補強に関する研究小委員会

④ 使用材料の種別・品質確認のための調査・試験 (その3)

(1)コンクリート部材に関する調査・試験

●圧縮強度

・超音波や衝撃弾性波などの弾性波速度を指標として

評価する手法やコンクリート表面の反発硬度を指標

として評価する手法

・超音波と反発硬度を併用して評価する手法がある.

何れも適用の範囲や適用時の留意事項を理解してうえで活用する必要がある.

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橋梁の基礎の補強・パイルベント橋脚の補強に関する研究小委員会

④ 使用材料の種別・品質確認のための調査・試験 (その4)

●静弾性係数コンクリートの弾性波速度(縦波速度)を測定し,この

縦波速度とポアソン比,密度を仮定し,これら定数と弾性係数との関係を示す理論式を用いて評価する手法もある.

ここに 、 Vp :弾性波速度

E :弾性係数

ρ :密度

ν :ポアソン比

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④ 使用材料の種別・品質確認のための調査・試験 (その5)

(2)鋼部材に関する調査・試験

・鋼部材については,引張強度,降伏点,弾性係数を

現場で実用的に評価できる汎用機材は現時点では

出回っていないのが現状.

・これに代わる手法として,鋼材の組成観察・分析から

材質を推定する手法がある.この検査方法は,直接,

対象の硬度を計測して材質を推定する手法や対象

から分析用のレプリカと呼ばれる試料を型取って室

内で電子顕微鏡を用いて分析・評価する手法である.

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④ 使用材料の種別・品質確認のための調査・試験 (その6)

●硬さ測定による材質評価法【方法・特徴】

対象部材に圧痕を付け,ポータブル超音波硬度計を用いて測定した硬度を指標に材質を推定する

手法である.

●組成観察(レプリカ法)による材質評価法【方法・特徴】

検査は部材表面を研磨・エッチングして現出した組織を樹脂フィルムに転写してレプリカを作成し,このレプリカを検鏡して非破壊的に組織を電子顕微鏡を用いて観察する方法である.

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橋梁の基礎の補強・パイルベント橋脚の補強に関する研究小委員会

⑤ 劣化・損傷状況を把握するための調査・試験 (その1)

・耐震補強対象橋梁の現有性能は必ずしも当初設計時

に有していた性能と同等であるとは限らず,経年に

よる材料劣化等によって性能が低下している橋梁も

多く見受けられる.

・部材に発生している変状は,定期点検等が実施され

ている場合には変状の種類,発生位置,範囲は把握

され,記録されているが,全ての変状が詳細調査等

によって,発生原因の特定や劣化・損傷の程度,範

囲,今後の進展性が明らかにされていないことも想

定される.

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橋梁の基礎の補強・パイルベント橋脚の補強に関する研究小委員会

⑤ 劣化・損傷状況を把握するための調査・試験 (その2)

詳細調査の実施に際して,コンクリート部材,鋼部材毎に体系的に整理されている.

1)(一社)建設コンサルタンツ協会 近畿支部 公共土木施設の

維持管理に関する研究委員会 道路分科会 橋梁WG②(補

修・補強):公共土木施設の維持管理に関する研究委員会報告

書2.橋梁補修設計マニュアル案

2)土木学会:2007年制定コンクリート標準示方書【維持管編】

,2008.3

3)(社)日本コンクリート工学協会:コンクリートのひび割れ

調査,補修・補強指針-2009-,2009.3.

4)(財)道路保全技術センター:橋梁点検・補修の手引き【近

畿地方整備版】,2001.7

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橋梁の基礎の補強・パイルベント橋脚の補強に関する研究小委員会

⑤ 劣化・損傷状況を把握するための調査・試験 (その3)

詳細な目視調査

はつり調査

中性化深さの判定

鉄筋腐食状況の調査

かぶり・鉄筋位置の測定

シュミットハンマーによる反発硬度試験

超音波伝搬速度の測定

塩化物イオン含有量の測定

圧縮強度・静弾性係数試験

アルカリ骨材反応性試験

◎:極力,実施することが望ましい試験項目

○:実施することによって有用な情報が得られる試験項目

―:省略してもよい試験項目

◎ ◎

凍害 その他

アルカリ骨材反応

塩害 中性化

劣化機構

詳細試験の項目

●コンクリート部材コンクリート部材の劣化機構による詳細調査方法選定の目安1)

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橋梁の基礎の補強・パイルベント橋脚の補強に関する研究小委員会

⑤ 劣化・損傷状況を把握するための調査・試験 (その4)

  ◎:原則として実施する ○:必要に応じて実施する

 非破壊検査

PTUTMTRTET

○ ○

○ ○

○ ○

○ ○

○◎

 たたき試験

◎ ○

 塩分測定試験

 付着性試験

 亀裂範囲測定

 溶接ビー

トのど厚測定

 疲労破面調査

○◎ ◎ ○

腐食

環境に起因

材料劣化に起因

製作施工に起因

 高力ボルトゆるみ破断調査

 腐食範囲測定

 板厚測定

 塗装劣化範囲測定

 塗膜厚測定

構造に起因

塩害

化学的腐食

品質不良

製作・施工不良

防水・排水工不良

構造形式・形状不良

損傷

 構造解析

 モデル供試体引張試験

 実橋応力(

疲労)

・変位測定

 変形量測定

亀裂

外力作用に起因

材料劣化に起因

製作施工に起因

構造に起因

繰返し荷重

衝突・地震

品質不良

製作・施工不良

構造形式・形状不良

ゆるみ脱落

外力作用に起因

材料劣化に起因

製作施工に起因

構造に起因

繰返し荷重

衝突・地震

品質不良

製作・施工不良

構造形式・形状不良

調査項目

推定される原因

  ◎:原則として実施する ○:必要に応じて実施する

構造に起因 構造形式・形状不良 ○ ○ ○

地震 ○

○ ○ ○ ○

異常振動

外力作用に起因繰返し荷重

製作施工に起因 製作・施工不良

構造に起因 構造形式・形状不良 ○ ○ ○ ○ ◎

洗掘・浸食 ○ ○ ◎

○ ◎

衝突・地震 ○ ○ ◎

○ ○ ◎

変形

外力作用に起因

繰返し荷重 ○

偏土圧・圧密沈下 ○

製作施工に起因 製作・施工不良 ○

構造に起因 構造形式・形状不良 ◎ ◎ ○

製作施工に起因製作・施工不良 ◎ ◎ ○

防水・排水工不良 ◎ ◎ ○ ○

材料劣化に起因 品質不良 ◎ ◎ ○ ○

◎ ◎ ○ ○

塗装劣化

環境に起因塩害 ◎ ◎ ◎ ○

化学的腐食

○ ○ ○ ○ ○

製作施工に起因 製作・施工不良 ○ ○ ○

○ ○

衝突・地震 ○ ○ ○

○ ◎ ○ ○ ○ ○

破断

外力作用に起因繰返し荷重 ○

材料劣化に起因 品質不良 ○

構造に起因 構造形式・形状不良

損傷

 腐食範囲測定

 板厚測定

 塗装劣化範囲測定

 塗膜厚測定

 塩分測定試験

 付着性試験

 亀裂範囲測定

 溶接ビー

トのど厚測定

 非破壊検査

 疲労破面調査

 構造解析

 モデル供試体引張試験

 実橋応力(

疲労)

・変位測定

 変形量測定

 たたき試験

 高力ボルトゆるみ破断調査

PTUTMTRTET

調査項目

推定される原因

●鋼部材(その1)鋼部材の損傷と調査方法選定の目安(その1)4) 鋼部材の損傷と調査方法選定の目安(その2)4)

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橋梁の基礎の補強・パイルベント橋脚の補強に関する研究小委員会

⑤ 劣化・損傷状況を把握するための調査・試験 (その5)

●鋼部材(その2)

・外観調査(劣化・損傷状況,範囲の確認)

・非破壊検査

1)き裂,変形の範囲,程度の確認

2)部材の現有応力の確認

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橋梁の基礎の補強・パイルベント橋脚の補強に関する研究小委員会

⑤ 劣化・損傷状況を把握するための調査・試験 (その6)

●鋼部材 非破壊検査

1)き裂,変形の範囲,程度の確認過流探傷試験(ET) :塗膜割れなど発見後、詳細調査が必要

か否かのスクリーニングに適用されるこ

とが多い

磁粉探傷試験(MT) :き裂検出の信頼性は高い

浸透探傷試験(PT) :気温や技量に影響を受けやすい.

超音波探傷試験(UT):き裂の深さや内部損傷の確認が可能

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⑤ 劣化・損傷状況を把握するための調査・試験 (その7)

2)部材の現有応力の確認

X線残留応力測定装置を用いた検査

X線の回折現象を利用して残留(現有)応力を測定する.現場計測も可能で可搬可能なポータブルタイプの機材もある.

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⑤ 劣化・損傷状況を把握するための調査・試験 (その8)

(3) 基礎構造物に関する調査・試験基礎構造物の損傷としては,「洗掘」と「沈下・移動・

傾斜」があり,パイルベント式橋脚において活用可能な調

査方法例を以下に示す.

(3)-1 洗掘(深浅測量を行い状況を把握・確認する)

1)スケール付きポール,スタッフを用いた簡易測量

2)音響測定器を用いた精密測量

(3)-2 沈下・移動・傾斜

1)トータルステーションによる測量

2)GPSによる測量

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⑤ 劣化・損傷状況を把握するための調査・試験 (その9)

(4)支承,桁遊間等に関する調査・試験外観変状目視の他,目的に応じてスケールを用いた

計測を行う

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3.4耐震補強策に関する提案

• 本項では、現況橋梁の耐震補強策に関する提案を行う.

① 耐震補強策の提案における前提条件

② 想定される補強工法一覧

③ 補強工法概要および設計・仮設の留意点

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橋梁の基礎の補強・パイルベント橋脚の補強に関する研究小委員会

3.4 耐震補強策に関する提案

①耐震補強策の提案における前提条件

A1橋台 P1橋脚 P2橋脚 A2橋台

支点条件 Move Move Move Fix

鋼管杭20本

Φ1200mm

10本Φ1200mm

10本Φ1200mm

20本Φ1200mm

支持層N値50以上の砂礫層

N値25程度の砂礫層

N値100以上の砂礫層

N値60以上の砂礫層

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橋梁の基礎の補強・パイルベント橋脚の補強に関する研究小委員会

3.4 耐震補強策に関する提案②想定される補強工法一覧

補強目的 補強工法

橋脚,基礎補強(橋軸) 【直接補強案】・鋼板巻立補強工法(Kuitaishin-SSP工法など)・壁式橋脚化補強工法・増し杭工法(場所打ち,鋼管,マイクロパイルなど)・地中連続壁増設工法・鋼管矢板基礎増設工法

【間接補強案】・慣性力分散工法(支承取替)・慣性力分散工法(制震ダンパー)・変位拘束工法・免震工法(支承取替)・上部工重量軽減

【地盤改良案】・コンポジットパイル工法・CPR工法

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橋梁の基礎の補強・パイルベント橋脚の補強に関する研究小委員会

3.4 耐震補強策に関する提案②想定される補強工法一覧

補強目的 補強工法

橋脚,基礎補強(直角) 【直接補強案】・鋼板巻立補強工法(Kuitaishin-SSP工法など)・壁式橋脚化補強工法・繋梁設置補強工法・ブレース材設置補強工法・増し杭工法(場所打ち,鋼管,マイクロパイルなど)・地中連続壁増設工法・鋼管矢板基礎増設工法

【間接補強案】・慣性力分散工法(支承取替)・免震工法(支承取替)・上部工重量軽減

【地盤改良案】・コンポジットパイル工法・CPR工法

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3.4 耐震補強策に関する提案③補強工法概要および設計・仮設の留意点

直接補強1 鋼板巻立工法(Kuitaishin-SSP工法)(橋脚:橋軸,直角対策)

概要図

適用条件留意事項

・砂礫層の礫形によって,圧入が困難となる場合があり,適用においては留意が必要である.・梁下必要空間は2.5m程度

仮設計画

・施工に桟橋を用いた場合に,鋼板巻立作業を2ヶ月程度で実施す

る必要がある.礫径によっては,施工効率が悪くなるため,留意が必要である.・施工ヤードとして120m2程度が必要となるが,水上であれば,台船による施工も可能である.

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橋梁の基礎の補強・パイルベント橋脚の補強に関する研究小委員会

3.4 耐震補強策に関する提案③補強工法概要および設計・仮設の留意点

直接補強2 壁式橋脚化補強工法(橋脚:橋軸,直角対策)

概要図

適用条件留意事項

・一般的にどのようなパイルベント橋脚に対しても適用可能である.

・鉄筋コンクリートを巻き立てることから,河積阻害率への影響が大きく,フーチングおよび増杭を併用することにより仮設規模も大規模となることが考えられる.

仮設計画

・主工種が鉄筋コンクリートであるため鉄筋・型枠・コンクリートという一連の作業となり,仮締切を含めた仮設設置期間が長くなる.

・鉄筋・型枠等の資機材の桁下の横移動やコンクリート打設には配管を用いるなどの工夫が必要となる.・施工ヤードとして120m2程度が必要となる.

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3.4 耐震補強策に関する提案③補強工法概要および設計・仮設の留意点

直接補強3 地中繋梁設置補強工法(橋脚:橋軸,直角対策)

概要図

適用条件留意事項

・一般的にどのようなパイルベント橋脚に対しても適用可能である.

・地中部に繋梁を設置するため,仮設規模も大きくなることが考えられる.

仮設計画

・主工種が鉄筋コンクリートであるため鉄筋・型枠・コンクリートという一連の作業となり,仮締切を含めた仮設設置期間が長くなる.

・鉄筋・型枠等の資機材の桁下の横移動やコンクリート打設には配管を用いるなどの工夫が必要となる.・施工ヤードとして120m2程度が必要となる.

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3.4 耐震補強策に関する提案③補強工法概要および設計・仮設の留意点

直接補強4 ブレース材設置補強工法(橋脚:直角対策)

概要図

適用条件留意事項

・増加重量が比較的小さいことが特徴である.・橋軸方向の補強としては影響が小さいため,留意が必要である.

仮設計画

・施工時水位より,上位にて設置が可能であれば,吊り足場を用いた施工が可能である.

・対象橋梁は,比較的桁下高が低く,常時水位が高いことが想定されるため,仮締切りと枠組み足場での作業を行う必要がある.

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3.4 耐震補強策に関する提案③補強工法概要および設計・仮設の留意点

直接補強5 増し杭(マイクロパイル)補強工法(橋脚,基礎:橋軸,直角対策)

概要図

適用条件留意事項

・機動性の良いコンパクトな施工機械設備であり,狭隘な場所での施工も可能.

・削孔性能に優れ,軟弱な地盤から岩盤に対しても柔軟に対応可能である.

仮設計画

・マイクロパイルを用いる場合,斜杭が多いが,橋軸方向の河積阻害率に配慮する必要がある.また,斜杭の場合,空頭制限だけでなく背面スペースも確保する必要がある.・施工ヤードとして,150m2程必要となる.

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3.4 耐震補強策に関する提案③補強工法概要および設計・仮設の留意点

間接補強1 慣性力分散工法(支承取替)(橋脚,基礎:橋軸,直角対策)

概要図

適用条件留意事項

・橋軸方向に元々可動条件の場合などは,地震時に摩擦分以外の慣性力が作用することとなるため,下部工耐力の範囲内で慣性力分散を行う必要がある.

・地震時の移動量が大きくなることが考えられる.特に既設橋梁においては,桁遊間のサイズによって,地震時に桁衝突が発生する可能性があることに留意が必要である.

仮設計画・上部工での対策のため,吊足場による施工が可能である.・横取りは必要となるが,橋面からの資材吊り降ろし施工を行う.

最大重量は支承本体となる.

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橋梁の基礎の補強・パイルベント橋脚の補強に関する研究小委員会

3.4 耐震補強策に関する提案③補強工法概要および設計・仮設の留意点

間接補強2 慣性力分散工法(制震ダンパー)(橋脚,基礎:橋軸対策)

概要図

適用条件留意事項

・既設支承が可動条件の場合に適用が可能である.支承条件を変更すれば,元々固定支点であっても適用可能.

・直角方向の地震動に対しては,適用が困難であることから,橋軸方向の対策として考える必要がある.

仮設計画・上部工での対策のため,吊足場による施工が可能である.・横取りは必要となるが,橋面からの資材吊り降ろし施工を行う.

最大重量はダンパー本体となる.

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橋梁の基礎の補強・パイルベント橋脚の補強に関する研究小委員会

3.4 耐震補強策に関する提案③補強工法概要および設計・仮設の留意点

間接補強3 変位拘束工法(橋脚,基礎:橋軸対策)

概要図

適用条件留意事項

・一般的に2~3径間の橋梁に対して適用が可能である.

・桁とパラペットの衝撃力を緩和するために,緩衝材などを配置する必要がある.

・直角方向の地震動に対しては,適用が困難であることから,橋軸方向の対策として考える必要がある.

仮設計画・上部工での対策のため,吊足場による施工が可能である.

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3.4 耐震補強策に関する提案③補強工法概要および設計・仮設の留意点

間接補強4 免震工法(橋脚,基礎:橋軸,直角対策)

概要図

適用条件留意事項

・既設橋梁全体の固有周期が長く無い場合に適用が可能である.・L2地震時に地盤が液状化をおこす場合や,比較的軟弱な地盤(Ⅲ種地盤)などにおいても適用が制限される.

・橋軸方向に元々可動条件の場合などは,地震時に摩擦分以外の慣性力が作用することとなるため,下部工耐力の範囲内で慣性力分散を行う必要がある.

仮設計画・上部工での対策のため,吊足場による施工が可能である.・横取りは必要となるが,橋面からの資材吊り降ろし施工を行う.最大重量は支承本体となる.

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3.4 耐震補強策に関する提案③補強工法概要および設計・仮設の留意点

地盤改良1 コンポジットパイル工法(橋脚,基礎:橋軸,直角対策)

概要図

適用条件留意事項

・主に軟弱地盤および液状化地盤内に設置された既設橋梁杭基礎の耐震補強に適用する.・空頭3.5m以上が必要となる.

・河川内に設置された橋脚および用地に制約がある場合などは,必要に応じて鋼矢板の打設を行う.

仮設計画

・セメントサイロ等の大型設備が必要となり,400m2程度のヤードが必要となる.

・施工箇所に空頭制限がある場合,所定の深さまでの改良が行えないため,施工基面の低下させるための掘削が必要となる.

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3.4 耐震補強策に関する提案③補強工法概要および設計・仮設の留意点

地盤改良2 CPR工法(橋脚,基礎:橋軸,直角対策)

概要図

適用条件留意事項

・補強体の位置と厚さを適切に設定することで,確実な補強効果を得ることができ,液状化の可能性がある砂質地盤にも適用可能.

・小型施工機による地上からの施工のみで,フーチングの拡幅も伴わないため,従来工法では施工が難しい空頭制限や敷地制限がある場所での補強工事に適している.

仮設計画

・コンポジットパイル工法と同様に,400m2程度のヤードが必要となる.

・斜方向に地盤改良を行うため,仮締切範囲が大きい.施工箇所に空頭制限がある場合,所定の深さまでの改良が行えないため,施工基面を低下させる必要がある.

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3.5 耐震補強設計手法に関する提案

• 本項では、現況および「3.4 耐震補強策に関する提案」で示した補強策に対する設計手法について提案する.

① 設計計算上の課題

② 解析方法の提案

③ 耐震補強策に対する解析方法の提案

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①設計計算上の課題(その1)

• パイルベント橋脚を有する橋梁の耐震設計に関する照査方法は,道路橋示方書に明記されていない.

• 橋脚とみなせる部材は,右下図のとおり「つなぎ梁」しかないことが一般的.

• 静的照査法を適用する場合には,つなぎ梁部材を橋脚とみなし,これらに地震荷重が作用した場合の終局水平耐力を求める必要がある.

出典:道路橋示方書(H24年3月)Ⅴ耐震設計編_P53

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①設計計算上の課題(その2)

• 基礎バネモデル ⇒ 液状化や基礎の非線形性等の複雑な挙動、

つなぎ梁の耐震性能評価⇒適正な判断が困難

橋軸方向 橋軸直角方向

実挙動

モデル化

(単体)

地震時慣性力

単柱的な挙動を示す

地震時慣性力

ラーメン的な挙動を示す

基礎バネを用いたモデル

1柱モデルでも実挙動に近い変形を表現可能。

基礎バネを用いたモデル

1柱モデルでは実挙動に近い変形を表現できない。 杭の本数分モデル化が必要

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①設計計算上の課題(その3)

橋軸方向 橋軸直角方向

モデル化

(全体系)

メリット

デメリット

• モデルが簡易

• 土中部の基礎や地盤の非線形性を表現できない

• 応答塑性率の照査が不可能

• モデルがやや煩雑.

• 同左

• 同左

• 基礎L2設計水平震度の設定が

困難

1柱モデルでも実挙動に近い変形を表現可能。杭の本数分モデル化が必要

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②解析方法の提案

(1)基礎バネを用いた静的解析

適応条件

1)つなぎ梁が橋軸方向,橋軸直角方向とも剛体とみなせる.

2)地中部の杭体または地盤に塑性化が生じない.

(2)基礎を梁でモデル化した解析

固定点

地盤水平バネ

鉛直摩擦バネ

節点

梁要素(杭)

杭底面鉛直バネ

固定点

つなぎ梁(梁要素_非線形部材)

杭(梁要素_非線形部材)

剛部材

上部工重量(質点)

剛部材

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③各補強策に対する解析方法の提案(その1)

補強概要 モデル化例

上部工変位拘束

(橋軸方向)

遊間に衝撃吸収材を設置

橋台背面土圧の考慮

上部工と橋台間に緩衝バネ要素を設け,橋台背

面土圧を荷重として考慮

支承交換

ダンパー設置

(軸直共通)

支承を免震支承等に交換

オイルダンパー等の設置

支承やダンパーをバネ要素として全体モデルに

組み込み

ダンパー設置 支承交換

水平バネ(免震等)水平バネ(ダンパー)

緩衝材設置

土圧を載荷緩衝バネ

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③耐震補強策に対する解析方法の提案(その2)

補強概要 モデル化例

杭体補強

(軸直共通)

KuiTaishin-SSP工法等 鋼板等の剛性を考慮して杭剛性を変更

壁式橋脚化

(直角方向)

パイルベント橋脚をコンクリート巻立て突出部の杭体をサーフェス要素や梁要素で

連結・一体化し,橋脚を表現

鋼板巻立て

杭の剛性等変更

壁式橋脚化

一体化

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橋梁の基礎の補強・パイルベント橋脚の補強に関する研究小委員会

③耐震補強策に対する解析方法の提案(その3)

補強概要 モデル化例

増杭

(軸直共通)

STマイクロパイル工法等梁要素でつなぎ梁を拡幅し,既設杭同様に増杭およ

び周辺地盤を梁要素とバネ要素で追加

増杭

底版拡幅

増杭

底版拡幅

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橋梁の基礎の補強・パイルベント橋脚の補強に関する研究小委員会

③耐震補強策に対する解析方法の提案(その4)

補強概要 モデル化例

杭体補強

(軸直共通)

地中部につなぎ梁を設置

地中つなぎ梁を梁要素として追加.

つなぎ梁の前面抵抗を考慮する場合は杭同

様前面地盤の抵抗をバネでモデル化

ブレース材設置

(直角方向)

鋼管天端付近を

ブレース材で結合追加したブレース材を梁要素で追加

壁式橋脚化

一体化

ブレース材設置

梁要素を追加

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橋梁の基礎の補強・パイルベント橋脚の補強に関する研究小委員会

③耐震補強策に対する解析方法の提案(その5)

補強概要 モデル化例

杭体補強

(橋軸方向)

(直角方向)

杭周辺の地盤を改良

コンポジットパイル工法等

地盤解析に橋梁モデルを梁要素で追加し,

地盤と構造物を一体で解析

地盤改良

地盤改良

• 部材や構造物の安定に関する照査方法は,道路橋示方書 Ⅳ下部工編,Ⅴ耐震編 および,各工法の照査方法に従うものとする.

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橋梁の基礎の補強・パイルベント橋脚の補強に関する研究小委員会

あとがき

本報告書では,パイルベント橋脚を有する橋梁の耐震補強を中心に,その現

状と実際に耐震補強を検討する際の有用な技術資料をまとめることができた.

パイルベント橋脚を有する橋梁の耐震安全性評価手法や合理的かつ適切な対

策手法が確立されていない現状において,本報告書がそれらの検討や今後の

管理方針(架替・延命化)策定のための検討において一助となることを期待する.

ご静聴ありがとうございました.