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株式会社アコーディア・ソーラー福島富岡
アコーディア・ソーラー福島富岡発電所
環境リスク調査融資促進利子補給金交付事業
環境配慮取組に関する検討調査
報告書
(概要版)
平成 29 年 11 月
株式会社アコーディア・ソーラー福島富岡
1. 調査概要
本調査の概要を以下に示す。
1)調査名 株式会社アコーディア・ソーラー福島富岡 アコーディア・ソーラー福島富岡発電所 環境リスク調査融資促進
利子補給金交付事業 環境配慮取組に関する検討調査 2)対象地 福島県双葉郡富岡町大字岡本字上本町 578 番地外 88 筆
(敷地面積:954,577 ㎡)
3)事業者 株式会社アコーディア・ソーラー福島富岡 4)調査目的 ・ 事業の特性を環境面から整理する。
・ 対象地および周辺地域の状況等を既存資料調査等により把握す
る。 ・ 事業における環境配慮の具体的な取組内容を選定する。
5)調査内容 ・ 資料等調査 ・ 現地視察およびインタビュー 6)調査実施者 イー・アンド・イー ソリューションズ株式会社
東京都千代田区外神田四丁目 14 番 1 号 環境事業部 温暖化・エネルギー対策グループ 主席研究員 新島啓司(技術士 環境部門(環境保全計画)) TEL: 03-6328-0130 FAX: 03-5295-2051
2. 調査方法
(1)資料等調査
・ 対象地関係者より提供された資料等の確認
・ 環境関連の一般公表資料等の収集・確認
・ 環境関連当局へのヒアリング
(2)現地視察・インタビュー
対象地および周辺地域の視察ならびに対象地関係者に対するインタビューを実施した。現
地視察は 2017 年(平成 29 年)10 月 27 日に実施した。インタビュー対応者を以下に示す。
・ 株式会社アコーディアゴルフ ゴルフ事業本部 施設管理部 シニアマネージャー
小田切 久樹様
・ 日本コムシス株式会社 エネルギー営業担当 課長代理 佐藤重人様
電気通信システム部 技術長 伊豆豊様
表 2-1 現地調査等の実施状況
期日 ヒアリング
/現地実査
対象者等
平成 29 年 10 月 27 日
(金)
ヒアリング
及び
現地実査
上記 対応者
現地にて工事計画、排水計画等について確認)
現地実査においては、除染状況、植生、周辺の住宅等に
ついて確認
資料収集 富岡町生活環境課
3. 事業概要
3.1 事業の背景 双葉郡富岡町は、福島県の東部に位置する町である。平成 22 年は人口約 16,000 人の町で
あったが、平成 23 年に発生した福島第一原子力発電所事故のため、帰還困難区域、居住制限
区域、避難指示解除準備区域となっていた。しかし、平成 29 年 4 月 1 日に避難指示が北東部
の帰還困難区域を除いて解除され、住民の帰還が認められている。 福島県は東日本大震災・福島第一原子力発電所災害からの復興・再生に向けた基本方針と
して平成 24 年 12 月に発行された「福島県総合計画」のなかでも、「ふくしま再生プラン 政
策分野別の主要施策」のなかで、再生可能エネルギーの導入拡大、研究拠点・関連産業の集
積・育成、再生可能エネルギーに関する人材育成や啓発などを掲げている。 一方、事業者である株式会社アコーディア・ソーラー福島富岡は本事業を行うことを目的
として平成 29 年 10 月に設立された。株式会社アコーディア・ソーラー福島富岡の親会社で
ある株式会社アコーディア・ゴルフは平成 26 年 7 月から、太陽光発電事業に参入しており、
ゴルフ練習場「アコーディア・ガーデン水戸南」(茨城県水戸市平須町)の跡地に太陽光発電
所を設置している。 3.2 事業の概要 本事業の対象地は、旧ゴルフ場の跡地で、現在は基本的に未利用地であり、所在地は福島
県双葉郡富岡町大字岡本字上本町 578 番地外 72 筆、敷地面積は約 954,577 ㎡である(うち発
電所面積:約 527,801 ㎡)。対象地位置図を図 3.2-1 に示す。また、対象地の詳細位置図を図
3.2-2 に示す。 工事工程としては、2017 年(平成 29 年)6 月より対象地の除染作業を開始しており、2017
年(平成 29 年)11 月から不陸整正・フェンス設置等の造成工、2017 年(平成 29 年)11 月
から架台・モジュール設置、2019 年(平成 31 年)3 月から電気設備工、2019 年(平成 31 年)
11 月に工事完了の予定となっている。
図 3.2-1 対象地位置図(Google Map より)
図 3.2-2 対象地詳細位置図(Google Map より) アコーディア・ソーラー福島富岡発電所事業の概要を表 3.2-1 に示す。また、設備の配置図
を図 3.2-2 に示す。
表 3.2-1 アコーディア・ソーラー福島富岡発電所事業の概要 項目 内容
事業者名 株式会社アコーディア・ソーラー福島富岡 施工業者名 日本コムシス株式会社 設置場所(住所) 福島県双葉郡富岡町大字岡本字上本町 578 番地外 88 筆 太陽光発電容量 合計 34,744.38 kW
パワーコンディショナー SMA ジャパン株式会社製 型番:STP 60-JP-10×375 台 (定格電力:60kW、変換効率 98.0%)
太陽電池モジュール 合計 305W×113,916 枚 (ハンファ Q セルズジャパン株式会社製 Q.PEAK-G4.1 305)
モジュール方角 0 度(真南向き) モジュール傾斜角度 10 度 系統連携システム 66,000 V 基礎 杭基礎
図 3.2-2 設備配置図
4. 対象地および周辺の状況
4.1 対象地の位置および周囲の状況 対象地の所在地は福島県双葉郡富岡町大字岡本字上本町に位置している。 対象地は、四方を森林に囲まれている。対象地周辺図を図 4.1-1 に示す。また、周辺の空中
写真を図 4.1-2 に示す。対象地周辺の主な土地利用を以下に取りまとめる。
北:森林 東:森林 南:森林 西:森林
図 4.1-1 対象地周辺図
図 4.1-2 対象地周辺の空中写真(Google Earth より)
4.2 対象地の現況
現地視察時に確認したところ、対象地は旧ゴルフ場跡地であり、東日本大震災の後は立ち
入り制限のため遊休地となっていたが、現在、除染作業が行われている最中である(写真 2参照)。対象地は東西南北を森林で囲まれていた(写真 6 参照)。 なお、対象地内には排水用調整池が設置されており、排水は調整池に集められた後、排水
中和処理設備を通してから、富岡川や留立溜池に排出されるようになっていた(写真 5 及び
図 4.2-1 参照)。
写真 1 対象地(除染後)
写真 2 対象地(除染中)
写真 3 対象地(除染前)
写真 4 対象地(変電所予定地)
写真 5 対象地(排水設備)
写真 6 周辺の森林
図 4.2-1 対象地の排水経路図
5.環境配慮に係る検討事項のまとめ
前章の環境配慮に関する検討内容等の結果を踏まえ、その検討結果の概要を表 5.1-1 に取
りまとめる。
表 5.1-1 環境配慮に関する検討内容等
環境影響等
検討項目選定(○)非選定
(×)
及びその理由
環境配慮の取組内容 左記措置等
実施時期
立地環境に係る検討
重要な動植物の生
息・生育地など自然
環境の改変
×
対象地から 15km 以上離れた
場所にあり、緑地等は連続し
ておらず、一体的なものはな
い。重要な動植物種の生息・生
息地はない。対象地近隣に自
然環境保全に係る地域・地区
も存在しない。
なし -
重要な地形・地質又
は土壌の改変 ×
大規模な土地の改変・造成
はない。杭基礎を採用する
ため、土壌の改変はない。
なし -
土壌汚染・底質汚染
箇所の改変 ×
大規模な土地の改変・造成
はない。また、土地利用履
歴等から判断して、対象地
に土壌汚染が存在する可
能性は低い。
なし -
人と自然との触れ合
い活動の場の改変 ×
対象地周辺に特筆すべき
人と自然との触れ合い活
動の場は存在しない。
なし -
その他
( ) × 特筆すべき事項はない。 - -
施設の存在及び供用に係る検討
大気汚染物質の排出 × 特段の大気汚染物質の排
出源は存在しない。 なし -
騒音・超低周波音の
発生 ○
騒音発生源としてパワー
コンディショナーがある。
・防音小屋の設置
・パワーコンディショナーを太陽
光パネルの下に置けるかどうか、
検討する
工事時
振動の発生 × 特段の振動源は存在しな
い。 なし -
悪臭の発生 × 特段の悪臭発生源は存在
しない。 なし -
水質汚濁の発生 × 特段の汚濁排水は発生し
ない。 なし -
地下水位の低下・地
盤沈下の発生 ×
地下水揚水および重量物
の設置はないため、地下水
位低下および地盤沈下の
発生は予見されない。
なし -
重要な動植物の生
息・生育地など自然
環境への影響
×
対象地は、ゴルフ場であ
り、重要な動植物種の生
息・生息地はない。対象地
近隣に自然環境保全に係
る地域・地区も存在しな
い。
なし -
地域景観への影響 ×
対象地の周囲は森林であ
り、視界中には住宅はな
い。従って反射の影響は軽
微であると考えられる。
なし -
人と自然との触れ合い
活動の場への影響 ×
対象地周辺に特筆すべき
人と自然との触れ合い活
動の場は存在しない。
なし -
廃棄物の発生 ×
廃棄物の発生は限定的で
あり、許可業者により適切
に処分される計画である。
なし -
温室効果ガス・オゾ
ン層破壊物質の排出 ×
温室効果ガス・オゾン層破
壊物質の排出はない。 なし -
その他
( ) × 特筆すべき事項はない。 - -
工事に係る検討
建設機械の稼働によ
る影響 ×
造成は限定的であり、大型
建設機械の使用頻度も低
いため、周辺環境への影響
は軽微と考えられる。
なし -
工事用車両の走行に
よる影響 ○
排気ガス、騒音、粉塵の発
生などが考えられる。
・低排ガス車・低騒音車の使用
・アイドリングストップ、安全走行
の遵守の徹底
工事時
工事排水や工事裸地
からの降雨時濁水の
発生
×
工事排水は限定的であり、
排水は調整池に集められ
てから、排水処理施設で処
理されてから、排出される
ため、排水は問題ない。
なし -
建設発生土や廃棄物
の発生 ○
整地により、微小の残土が
発生する。パネル等の梱包
材等の発生が想定される。
・残土の敷地内保管
・許可業者による廃棄物の適切な
場外処分
工事時
その他
( ) ○
特筆すべき環境影響はな
い。 -