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経営学理論の専門ゼミ活動への応用
~ビジネスの視点から学生の自主性を伸ばす試み~
2014年3月17日
第20回大学教育研究フォーラム(京都大学)
高崎商科大学 商学部 加藤恭子(第2期 MOSTフェロー)
発表の概要
• 目的
• 内容(主要なもの)及び成果(含:学生の声)
• まとめと課題
本プロジェクトの目的
ビジネス(組織経営)の考え方を応用することにより、専門教育(特にゼミナール)のカリキュラム内で、自主性等キャリアを意識した教育を実現すること。
背景1:キャリア教育科目の増大⇒“「キャリア教育」と大学の「専門教育」は別物”の意識が加速してしまうのではないか、という懸
念。
背景2:著者自身の就業経験からの確信。
卒業論文を書くプロセス
新しいアイディア(サービス・製品等)を生み出すプロセス
プロジェクトの内容
①「伝える」スキルを磨く(卒業論文) 「書いて」「話して」伝える力の重要性
②目標管理制度 (MBO)(成績評価) 目標は具体的に、自ら設定⇒評価を共有
③部署制(ゼミ活動) 「人事部」「広報部」「企画部」への配属 ⇒一年の活動を企画・実行する力
プロジェクトの内容 ①伝えるスキルを磨く
書いて「伝える」スキル:「書くために書く」文章から「考え・アイディアを伝え、読み手を納得させる」文章へ
卒業論文 論文とは何か?
何故(良い)論文を書くのか? 何を書くのか? どう書くのか?
小プロジェクト 擬似ディベート:納得させるために必
要な情報を知る
企業への申し入れ書:受け入れてもらう文章の構造を知る
「仕事学のすすめ」の視聴:自分の意見を書き出す訓練
「ネタ帳」の作成:意見・アイディアを得るための手段を知る
プロジェクトの内容 ①伝えるスキルを磨く
話して「伝える」スキル:「発するための」プレゼンから「考え・アイディアを伝え、聞き手を納得させる」プレゼンへ
SPIプレゼン SPI問題を2~3人のグルー
プで分担し、内容・解き方を紹介する。
「目的」「聴衆」を意識し、合致した「手段」を考える。
卒論進捗発表会 最終講義日、持ち時間5分で卒論の進捗状況を発表。
「目的」「聴衆」を意識し、合致した「手段」を考える。
プロジェクトの内容 ①伝えるスキルを磨く:成果
書く・話す機会を通じて、「伝える」ことの重要性と難しさを実感させることができた。 「書くために書く」から「説得のために書く」
「具体的に書く(説得力を上げる)」、「文章構造を考
える」「資料を集める」ことは、「よりよく伝える」ためのテクニックであることを理解できた。
「何を書くか」については、まだ見通しが立っていな
い学生もおり、「卒業論文を書き上げられるか不安」との声もある。
プロジェクトの内容 ②目標管理制度(MBO)
本講義(ゼミ)の成績評価法として用いる。
目標管理制度(MBO):組織
としての目標を、部門、個人の「目に見え」、「証明でき」、「測定できる」目標に落とし込んでいくこと。また、その目標は本人と上司(部署)、組織との間で共有(管理)されるべきものである。
効果1:自身が立てる目標であるため、モチベーションが高まり、評価にも納得しやすい
効果2:具体的で、上司と共に立てる目標であるため、管理・評価がしやすい
プロジェクトの内容 ②目標管理制度(MBO)
指標及び評価方法
指標の構成: ①年間スケジュールの確認 ②2013年の目標 ③配属先での目標
④「一緒に働きたい」人になるための努力(目に見える、具体的なもの)
面談: ①学年始め(3~4月) ②中間(9月) ③学年末(1月)
ポイント:全ての目標を具体的なボリュームや頻度、行動に落とし込む(概念的な目標は×)
プロジェクトの内容 ②目標管理制度(MBO):成果
年に3回、じっくりと学生と向き合って話をすることで、一人ひとりの学生と深い信頼関係を築くことができた。
一律な評価基準ではなく、学生個人のニーズや意
志を尊重した目標(=ゼミとしての目標とも合致している)を設置しているので、モチベーションが高まり、本人の達成しよう・報告しようという意識も高まる。
「達成度の検証」⇒「翌年への反映」の側面は、まだ未知数。
プロジェクトの内容 ③部署制(ゼミ活動)
• ゼミ内に「広報部」「人事部」「企画部」の3部署を設置する。
• 年度が始まる前に面談し、希望部署を申告させる⇒講義初日に“辞令”
• 活動実績と評価⇒
学生からの報告を お聞きください
人事部 広報部 企画部
ゼミ生が学ぶ 機会を提供する
目的
成果
企画数
業務内容
5月 体育祭 7月 座談会① 8月 合宿 10月 学園祭 11月 座談会②
ゼミ生が楽しめる場所を提供する
目的
成果
アンケート
業務内容
5月 親睦会 8月 合宿
ゼミ生の活動を校外に伝え、内部に
広める
目的
成果
掲示物
業務内容
5月 掲示物作成 6月 Facebook 作成 10月 次年度 ゼミ説明会
自主性
発信力
ゼミ活動から得たこと・学んだこと
ゼミ1期生として基盤を作り上げていく中で、一人ひとりが意見を持ち行動できるようになった。
SPIプレゼン・卒業論文作成などを通して、伝える力が身に付いた。
就職活動への自信に!!!
まとめと課題(まとめ)
専門教育のカリキュラムの中で、キャリア教育を行う効果(それぞれを単独で行う以上の効果あり?)。
「しくみ」を構築することの重要性(しくみがあれば人は自主的に動く)。
「しくみ」作りの土台となりえた経営学(ビジネス)の諸理論・概念
学生の目覚しい成長(改めて教員の仕事の責任の重さを痛感)
まとめと課題(今後の課題)
静的な「伝える(書く・発表する)」から 動的な「伝える(討論する)」へ
「行動・計画を振り返る」⇒「次の行動・計画に活かす」のサイクルの効果をどう体感させるか?
ご清聴ありがとうございました
疑問、質問、アドバイス等 お願いいたします。