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生命医科学フューチャーグローバルサイエンティスト育成プログラム -“Fukui Medical High School”としての Role Model 創成- 業務成果報告書 (平成29年度) 国立研究開発法人科学技術振興機構協定事業 グローバルサイエンスキャンパス 国立大学法人福井大学

生命医科学フューチャーグローバルサイエンティスト育成 ......生命医科学フューチャーグローバルサイエンティスト育成プログラム -“Fukui

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Page 1: 生命医科学フューチャーグローバルサイエンティスト育成 ......生命医科学フューチャーグローバルサイエンティスト育成プログラム -“Fukui

生命医科学フューチャーグローバルサイエンティスト育成プログラム

-“Fukui Medical High School”としての Role Model 創成-

業務成果報告書

(平成29年度)

国立研究開発法人科学技術振興機構協定事業

グローバルサイエンスキャンパス

国立大学法人福井大学

Page 2: 生命医科学フューチャーグローバルサイエンティスト育成 ......生命医科学フューチャーグローバルサイエンティスト育成プログラム -“Fukui

本報告書は,国立研究開発法人科学技術振興機構との実施

協定に基づき,国立大学法人福井大学が実施した平成29年度

グローバルサイエンスキャンパス「生命医科学フューチャー

グローバルサイエンティスト育成プログラム」の成果を取り

まとめたものです。

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業 務 実 施 報 告

Ⅰ.業務の内容

1.プログラム名 平成29年度グローバルサイエンスキャンパス

2.企画名 生命医科学フューチャーグローバルサイエンティスト育成プログラム

-“Fukui Medical High School”としての Role Model 創成-

3.実施機関

実施機関名:国立大学法人 福井大学

実施責任者

所在地:〒910-8507 福井県福井市文京三丁目9-1

役職名:福井大学・学長

氏名:眞弓 光文

契約担当者

所在地:〒910-8507 福井県福井市文京三丁目9-1

役職名:福井大学・学長

氏名:眞弓 光文

4.連携機関

(共同機関)

なし

(上記以外の連携機関)

福井県教育庁高校教育課,滋賀県教育委員会,福井県高校生物研究会

5.本企画における

全体の目的,目標

◆将来,国際的に活躍する次世代の傑出した科学技術人材育成の企画を行う目的,

背景となる問題意識

【目的】

生命医科学・ライフサイエンスは,科学という国力の源泉となるものの中でも

最重要分野の一つとして,先進諸国や新興諸国を問わず,国際的視野の中で推進

及び人材の育成が図られている。また,生命医科学・ライフサイエンスは学問的

役割としても,医学や理学のみならず薬学,農学や工学ひいては人文科学全体の

新たな展開を図る上で,現代自然科学分野の根幹となる最も重要な基礎的分野と

して位置づけられている。本企画において,福井大学の持つ教育研究資源を結集

することにより,リーダー人材育成を目指した新たな組織としての”Fukui Medic

al High School”(バーチャル医学部)を創設し,生命医科学分野の知識・見識・

胆識および国際的視野にあふれる若者を発掘し育て,我が国科学技術分野の次世

代を担う人材を輩出することを目的とする。また,医科学研究に携わる若手研究

者の減少が問題視されている現状があるが,本プログラム参加を通して,医科学

研究の重要性について認識を深め,次世代を担う医科学研究リーダーの育成をも

目指す。

【背景】

我が国において,生命医科学・ライフサイエンスは,高校理科の一科目である

生物学としてその学習が進められている。しかしながら,一般的には高校生物学

は,ビッグサイエンスでもある「生命医科学・ライフサイエンス」とは大きく乖

離した状況にあり,日々進歩する科学である生命医科学の実体・実像や将来への

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展望を十二分に高校生に伝えるには至っていない。特に生命医科学研究現場での

理解が高校生では必ずしも正確・十分ではなく,実物に触れる機会も少なく,学

問の本質的なおもしろさを知る以前に,生徒らは受験のための生物学(高校教科:

生物基礎,生物)学習に終始しがちである。多様な分野の国際レベルの専門家が

英知を集結して初めて,複合科学として学問展開が可能となる生命医科学研究の

最先端のありようは,単に生物学を教育するのみでは,到底生徒らへ伝授するこ

とはできない。

そのような環境の中にいる高校生らは,実際の将来選択にあたっても,自分の興

味・関心ある対象を十分知った上で,自らの将来を選択できているとは言い難い。

そのため生命医科学研究の主要な場である大学においては,偏差値のみをよりど

ころに医学部や生命系学部を選択する生徒が少なからずおり,生命への畏敬を持

ち,科学としての生命に興味を抱き,国際的活動を見据えて生命系学部を選択す

るという学生は多いとは言えない。また,その教育機会の乏しさより,才能ある

生徒であってもその将来像を生命医科学研究の中に見いだせていない。このため,

大学卒業後,生命医科学を専門とする研究者,特に国際的に活躍しうる傑出した

リーダーたる若者は少ないといえる。これらのことから,幅広い学問的見地に立

ち,国際性を有する研究活動を行う人材,我が国の科学技術を牽引する次世代グ

ローバルリーダー育成は喫緊の課題である。

◆人材育成上の目標(受け入れる受講生の人材像と教育プログラムを通して育て

たい人材像)

我々は「生命科学クラブ(平成17年度~現在)」及び「未来の科学者養成講座

(平成21年度~平成23年度)」「次世代科学者養成プログラム(平成24年度・平

成25年度)」の活動を今日まで精力的に実施してきた。しかし,それぞれの活動

において高い評価を受けたと自負しているものの,反省点としては,真に最先端

を切り開く体験とその時間が必ずしも十分でなかった。また,それぞれの活動の

募集人員の制約や限定的な実施時期により体系的な教育が十分でなかったことも

課題としていた。そこで,本プログラムでは特に理系能力,目的意識ともに高く

将来の科学技術分野における活躍を目指す生徒を幅広く受け入れ,高度人材(フ

ューチャーグローバルサイエンティスト)育成を目指した新たな組織としての”F

ukui Medical High School”の創設を行う。ここでは生命医科学の現在及び将来

のありようを展望したうえで,国際化の要素を必須とする。そのため,語学力へ

の興味を募集・選抜段階から重視し,英語を特別視せず,研究活動を行う必要不

可欠のツールとして位置づけ,その力を伸ばすことも目的とし,各人の将来にお

ける国際的活躍(グローバルサイエンティスト)も組入れたライフプランを考え

させる場とする。

第一にインテンシブコースを設け,生命医科学に限らず理系能力が高く,語学

への興味を有し,自らの将来に対する目的意識の高い一次選抜生に対して生命医

科学分野の講義実習よりなるRole Model プログラムを課すとともに,ネイティブ

の本学語学センター教員らによる実践的生命医科学英語プログラムを受講させ,

科学技術分野での高い能力を身につけさせる。加えて先輩大学生や同じ目的を有

する他大学所属グローバルサイエンスキャンパス生徒らと交流を行い,若者同士

での切磋琢磨や将来を共有する機会を設ける。本コースにより,生命科学全般に

おいて広く専門的関心を持ち,科学の世界における語学の必要性を自覚し,仲間

と共に学びあう能力を養う。

第二に,真に最先端を切り開く体験を行うため,実際の研究現場に一員として

所属し,研究活動を主体的に遂行するということを活動の主眼におくアドバンス

トコースを設ける。アドバンストコース受講生は,インテンシブコースを受講し,

生命医科学における広い知識と科学の世界における語学能力を身につけ(あるい

は身につけることが出来る能力を有し),自らの能力を最大限伸ばすことを目標

とすることが出来る少人数が選抜され,本学に設置するラボ(研究室)を各自選

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択する。受講生は,研究現場において国際的最先端活動を行うことにより,研究

活動に含有される国際的意義を理解し,自らの能力を最大限生かしうる世界を目

の当たりにする。それぞれのラボでは実際の研究グループに属し,研究の展開を

共に議論し,年間を通じて継続的に研究を遂行し,発表までを自覚と責任を持っ

て参加する。そして,主体的研究活動を通した自立的成長を促す。こうして”Fuk

ui Medical High School”を卒業する生徒(修了生)は個としての自覚と自信を

持ち,次世代を担い活躍しうるグローバル人材としての可能性が最大限育成され

る。本コースにより,生命医科学におけるグローバル研究の実際を体得し,自ら

がグローバルサイエンティストとして将来活躍することを自覚する人材へと育て

あげることを目指す。

◆受講生の受入と年間または複数年を通じた継続的な教育プログラム実施のため

の実施体制構築の目標

「福井大学生命科学クラブ」は,基本コンセプトとして興味関心を持ち参加の

意欲ある福井県高校生徒は全て受け入れることとし(さらには県外からの参加生

も受け入れた実績がある),これまで10年にわたり様々な生命科学教育実習プロ

グラムを展開してきた。本プログラムにおいてもまずは,広く福井県内さらには

ホームページ等のメディアを利用して近隣県を含む全国の高校生を募集する。そ

のため,すみやかに「企画設計ワーキング」を立ち上げ,福井県の拠点校を設定

し高校教員とともに教育プログラムを立案する。このように福井県教育委員会な

どともコンソーシアムを構築した上で,高校生を教育委員会と各高校の協力の下

広く募集する。さらに,石川県・富山県の拠点校に出向き募集を行い,応募者が

出た場合には当該教育委員会とコンソーシアムの拡大を行う。応募者の中の高校

1・2年次生から特に能力,目的意識ともに高い生徒を一次選抜し,インテンシブ

コースのプログラムを実施する。応募のあった受講生の選抜は「選抜・評価委員

会」(センター長を委員長とする,受講生の選抜・評価を行う委員会)が行う。

また,高校3年次生であっても目的意識が高く,高校との連携のもと推薦を受ける

ことが出来る生徒については受け入れる。インテンシブコースは,「推進部会」

(企画戦略担当理事を委員長とする,活動が円滑に実施されるよう協議する委員

会)コーディネートの下,福井大学教員が中心となり夏休みや冬休みを中心とし

て生命医科学プログラムと実践的生命医科学英語プログラムを開講する。年度末

には学んだことを互いに発表する中間発表会を開催し,「事業評価委員会」(学

長を委員長とする,本事業全体の評価を行う委員会)による評価フィードバック

を受ける機会を与える。これにより,年間を通じた教育プログラムの提供とモチ

ベーションの維持を図る。

インテンシブコース受講生の中から,受講生本人の希望と能力及び高校からの

意向も考慮した上で,「選抜・評価委員会」により二次選抜を行い,傑出した個

を育成する目的でアドバンストコースを開校する。ここでは福井大学に新たに設

置する「ラボ」(研究室)にて,国際学会発表と英文論文作成を最終目的とした

先端的かつ世界を見据えた生命医科学研究に継続的に従事させ,将来の傑出した

リーダー科学者たらんとする生徒の能力育成を図る。同時に必須研究ツールとも

いえる英語力を磨く機会を積極的に作り,国内外における学会発表に挑戦する勇

気を鼓舞する。アドバンストコースについても,1年目の年度末に進行中の研究を

発表する中間発表会に参加するとともに,2年目の年度末には,2年間の成果をま

とめた国際学会トライアル(英語による発表を含む学会形式)を行い,「事業評

価委員会」による評価を受けフィードバックを得る機会を与える。これにより,

年度間を通じた教育プログラムの提供とモチベーションの維持を図る。

全受講生には本学の大学生・大学院生チューター参加のもとでの講義実習を行

い,近い将来の若者像を明確に示すと共に将来像を共有させる。なお,チュータ

ーは新たに本学の学生・大学院生を募り,予め教育を行い受講生との触れ合いが

最大限有効になるよう組織化する(チューター部門)。二次選抜生は各ラボにお

いてメンターとなる若手教員の指導を受け,研究のみでなく将来の進路などにつ

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いても相談する機会を与える(メンター部門)。また,受講生の学会発表および

科学技術コンテスト等,大学外での受講生の参加を支援するため,大学教員や高

校教員からなる「発表支援部門」を構築する。

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6.業務計画書に対する結果

(1)募集・一次選抜,二次選抜の概要

募集・一次選抜

募集

日程 コース

応募者数

実績(人)

コース別選抜者数実績(人)

(中学) 高 1 高 2 高 3 男 女 計

5 月 25 日~

6 月 30 日

インテンシブ

コース 70 0 53 16 0 34 35 69

計 70 0 53 16 0 34 35 69

二次選抜

選抜実施時期 コース

コース別選抜者数実績(人)

(中学) 高 1 高 2 高 3 男 女 計

平成 29 年 11 月 アドバンストコース 0 13 1 0 6 8 14

計 13 1 0 6 8 14

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(2)募集・一次選抜

【受講生の募集】

5月下旬より,福井県内の高校にコーディネータが出向き,本プログラムについて高校教員と高校生に

対し説明を行った。さらに,石川県・富山県に加え中部地方の高校には,平成28年度参加校,科

学の甲子園出場高校またはSSH校など重点校を選定し,プログラムの紹介パンフレットを送付

すると共にコーディネータが中心となり直接訪問し説明を行った(滋賀県,京都府,愛知県,岐

阜県を訪問した)。また,本学公式ホームページ及び本プログラムホームページをとおして募集を行い,

全国規模での募集も行った。ニュースレターの発行に際しては,福井県のマスコミの後援も得て,募集

時に広く配布を行った。その結果,55名の募集に対し,福井県,石川県,富山県,滋賀県,京都府,茨

城県,神奈川県,徳島県,青森県から70名の高校生の応募があった。

また,今年度から,多様な受講生を確保するため,応募時に「自己推薦コース」と「高校推薦コース」

の2コースを設けた。新たに設けた「自己推薦コース」はエントリーシートの自己推薦欄を広く設け,更

に応募時までの理数系自由研究(生命医科学分野に限らない)の実績を重視した選抜とした。それぞれの

コースに定員を設けることはしないが,「自己推薦コース」応募者で,これまでの研究実績がある者は

積極的に選抜することとし,3名の応募があった。

【一次選抜(第2期インテンシブコース受講生の選抜)】

一次選抜においては,理数系能力に優れ,将来科学技術分野での活躍を希望する生徒を選抜しプログ

ラム受講生とした。過去において理数系分野での自由研究や科学系クラブでの活動があり,かつ発表会

に参加・受賞したことがある生徒は積極的に受け入れることとし,多様な受講生,さらには突出した人

材を発掘育成する目的から,一次選抜基準は本人および保護者の参加への明確な意思と所属高校の推薦

があることを選抜基準の一つとした。さらに,英語への関心・興味があり,高校生として現代社会の課

題にも目を向けていることを判断材料とするため,エントリーシートに英語と生命医科学に関する課題

への回答を要求した。以上を踏まえ,参加希望者から提出されたエントリーシートを元に,「選抜・評

価委員会」にて一次選抜を行った。

課題例:

1) あなたが深く学びたい,研究したいと思う生命医科学あるいは自然科学の項目や課題を一つあげ,

その理由について文章と図により説明してください。なお,英語によるまとめ(2~5 文程度)を書

いてください。

2) あなたが過去に行った自由研究やクラブ活動での自然科学に関する研究の課題を一つあげ,その

結果やそこから考えられるあなたの考察,今後の展開などを文章と図により説明してください。

なお,英語によるまとめ(2~5文程度)を書いてください。

3) あなたが読んだ自然科学の本を一つ取り上げ,本の中で記憶に残る部分や疑問に感じた部分をあ

げ,その理由,更にその点について自分なりに調べた事項を文章と図により説明してください。

なお,英語によるまとめ(2~5文程度)を書いてください。

選抜基準は,設定した項目についてABCの3段階評価(各評価項目に標準としてB評価,B評

価以上の場合はA,以下の場合はCと評価,点数としてA 3点,B 2点,C 1点)を行い,最高3

0点中15点以上のものを平均以上の能力意欲目的を有し,かつ周囲の理解と援助を受けること

ができるものを合格とした。なお,その他特記事項として評価項目では計れない能力がある

場合には,最大3点の加点を行った。ただし,評価項目(理数系能力,語学能力,目的意識,

自由研究等の経歴)のいずれかにおいてA評価以上の突出した能力を有すると選抜・評価委員

会で判断される場合には総合点に関わらず選抜した。

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(3)教育プログラム

【インテンシブコース】

生命医科学を中心に科学技術能力の育成とグローバル能力伸長に努めることを目的とし,講義実習を

全受講生に行っている。

カリキュラム作成にあたり講義及び実習内容に関しては高校 1 年生でも理解可能な内容となるよう事

前に講師と打ち合わせを行い,また高校教科書(新編 生物基礎,生物 数研出版)と資料集(サイエンスビュ

ー 生物総合資料 実教出版)を配布した。平成 29年度に開講した講義は別紙カリキュラムのとおり,26

コマ,実習は 9コマ,2回の学外研修を行い,参加した教員は 34名,大学生・大学院生の TA は 20 名で

あった。

開始時刻に関しては開催地へのバス到着時刻を考慮し,講義は午前 9時 30 分に開始した。高校と同程

度の時間である 50 分講義とし,講義レポートを作成する時間を含め 15 分の休憩時間を挟んで,午前に

3コマの講義を実施した。講師は主にパワーポイントを使用し,配布した参考資料を用いながら講義を

進めた。途中あるいは最後に質問を受け付けることで,受講生個々に対応できる方式とした。今期は過

去に,生命科学クラブを受講した大学院生及び大学生による講義を2コマ設けた。(大阪大学大学院 生

命機能研究科/医学系研究科,東京大学理科一類 理学部 地球惑星環境学科) 5 年後,10 年後のロー

ルモデルである若手大学院生・大学生の講義はインテンシブコース受講生に斬新な影響を与えたことが

アンケートでもうかがうことができた。

午後は主に実験実習を設け,可能な限り午前の講義と関連する内容とした。主に医学部実習室を利用

し,学部学生と同程度の内容や材料を用いた実験実習を行った。グループ実習の際には大学生 TAを含め

たメンバーが自己紹介から開始し,終了時には各自,あるいは全体でのまとめを経て,実習レポートを

作成した。受講生の出席率は,平均 64.6%であった。

学外研修として,理化学研究所・多細胞システム形成研究センター・染色体分離研究チーム,および

発生エピジェネティクス研究チームの講義を聴講したり,大阪大学蛋白質研究所・ゲノム染色体機能研

究室ではヒト染色体を使った減数分裂の制御機構についての講義と性染色体の観察実習を行った。また,

同研究所所属の外国人研究者,留学生院生 6 名を囲んで英語によるラウンドテーブルを実施した。海外

から見た日本の研究システムや海外で学ぶ意味,将来の展望についての話を聴き,受講生の近未来のロ

ールモデルを築くことが出来た。大阪大学医学部では,第 2 解剖学からは,神経系発生について特別講

義を受けた。研修にあたり事前に内容の打ち合わせを行い,老年・総合内科学から,「老化と医学・医

療」というテーマで,老化に伴う高血圧のしくみや,その治療の最前線について学んだ。また研修は,

コーディネータに加え本学学生 TAの補助のもと実施され,受講生らは,最新の研究を学び,同時に施設

の見学を通して日本を代表する科学研究室について知見を深めるとともに往復のバス中においては受講

生同士や学生 TA との情報交換を行う事が出来た。

語学センターや大学教員と協力して実践的生命医科学英語プログラム(英語で科学・英語論文の構成)

を実施した。通常の英語学習では学ばない数量表現を初めとする科学で使用する英語の講義や英語論文

の構成や発表法に関する英語のみでの講義などを開講し,講師との対話や発言を交えた内容とした。

今回新たに設けたプログラムの「受講生交流会」では,インテンシブコース内容とともに,どの様に

自ら取組み能動的に学んでいくかについて具体的説明を行い,また受講生の意思表明の自己アピールや

これまでに取り組んできた研究の一端を発表する場とした。「研究に関するグループワークと発表」で

は,受講生の自主的活動や学校での研究活動についてのプレゼンの後,グループ討論と発表を行った。

インテンシブコースで学んだことを基に,ポスターを作成し発表する成果発表会を3月28

日に開催し,受講生63名,大学教員10名,保護者22名の参加があった。インテンシブコース

受講生によるポスター発表(発表課題32)では,インテンシブコースのカリキュラムで扱った

内容に加え,それぞれが興味あるテーマを設定し,コーディネータの支援のもと,調査・研

究に取り組み,まとめを行い発表に臨んだ。

評価については,次の要件を満たす者に「フューチャーサイエンティスト」の称号を付与することと

し,成果発表会の際,修了証書を授与した。

・インテンシブコース受講生で,講義実習の出席とレポート提出が半分以上,または,講義DVDの視聴・

レポート提出を合わせて半分以上になること。かつ,成果発表会で個人あるいはグループの一員として

発表すること。あるいは,アドバンストコース受講生であること。

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【アドバンストコース】

グローバルな研究活動を展開しているラボで,アドバンストコース受講生(二次選抜生)の個に応じ

た指導の下,国際的に活躍しうる次世代の傑出した人材育成を行い,大学院(修士)レベルに到達する

ことを目標としている。

第2期アドバンストコース受講生は,平成29年1月の二次選抜後,5つのラボに分かれ,担当教員とメ

ンター,更にTAとして学部学生・大学院生の協力指導の下,それぞれ研究活動を行った。活動実績につ

いては,別紙ラボ活動報告書のとおりである。

10月7・8日に行われた全国受講生発表会においては,ラボ活動の成果として3件の発表を行い,コース

受講生10名と共に全国で活動する同じ受講生らと研究や活動について討論や意見交換を行った。

11月6日~11日には,トロントで行われた国際学会,12月2日~7日には,アメリカで行われた国際学

会に参加し,それぞれ英語にてポスター発表を行った。

また,12月9日には,神戸で行われた,ConBio2017高校生セッションに参加し,3件のポスター発表,

1件の口頭発表を行った。

グローバルサイエンスの実地研修を目的として3月17日~3月24日には,第2期アドバンストコース受講

生12人が米国カンザス大学ラボ研修に参加し,大学の6つのラボに分かれて実験実習に参加した。

研修最後の日には,参加者全員が英語で研修内容を発表し,同大学大学院生や研究者との討

論・対話を図った。

3月28日の成果発表会においては,第2期アドバンストコース受講生は2年間の成果をまとめた国際学会

トライアル(英語による発表を含む学会形式)として口頭発表およびポスター発表を行い,また第3期ア

ドバンストコース受講生はこれまでに学び実施した研究の概要についてポスター発表を行った。発表

会にはインテンシブコース受講生やラボ担当者,保護者などの参加もあり受講生を含めて活発な

議論がなされた。

評価については,次の要件を満たす者に「フューチャーグローバルサイエンティスト」の称号を付与

することとし,成果発表会の際,修了証書を授与した。

・アドバンストコース評価基準で総合30点中18点以上の評価であること。アドバンストコー

スにおけるラボ活動に積極的に参加していると担当者が評価すること,なお学会発表や論文

発表がある場合は十分条件とする。最終成果発表会において受講生が協力して成果発表を行

うこと。

その他参考:別紙ニュースレターno.5

(4)二次選抜

【二次選抜(第3期アドバンストコース受講生の選抜)】

11月に第3期インテンシブコース受講生全員に,アドバンストコースの説明・受講生募集を行ったとこ

ろ,予定の14名に対し14名の応募があった。応募者に対し,それまでの受講の様子やレポート,英

語による面接等,本学GSCの二次選抜基準により審査した結果,14名が合格基準点を達成しており14

名を合格とした。今期のアドバンストコース受講生14名の中には5名の県外生の参加があった。(青森,

神奈川,京都,石川,富山) 合格者は,12月より5つのラボに分かれて研究活動を行っている。各ラボ

の受入人数については,事前に担当者の了解を得ている。

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(5)募集・選抜者の実績内訳

【一次選抜者69名(応募者70名から選抜)】

学年 高校1年:53名 高校2年:16名

性別 男:34名 女:35名

出身校 (県外)

金沢大学附属高校,金沢泉丘高校,富山高校,膳所高校,脇町高校,青森高校,

洛北高校,横浜サイエンスフロンティア高校,東海大学付属望星高校

(県内)

藤島高校,高志高校,武生高校,敦賀高校,美方高校,若狭高校,

仁愛女子高校,啓新高校,北陸高校,敦賀気比高校,

福井工業大学附属福井高校

受講前受賞歴 ・ふくい理数グランプリ 個人最優秀賞 団体奨励賞

・ふくい理数グランプリ 個人奨励賞

・ふくい理数グランプリ 中学生部門 本選出場 (5名)

・ふくい理数グランプリ 中学校部門 参加 (11名)

・ふくい理数グランプリ 数学部門 本選出場 (1名)

・ふくい理数グランプリ 数学部門 参加 (3名)

・ふくい理数グランプリ 理科部門 10位以内

・敦賀市理科作品 受賞

・敦賀市理科グランプリ 優秀賞

・福井県科学アカデミー賞 受賞

・三方郡私たちの理科研究コンクール 入選

・統計グラフ福井県コンクール 第4部(中学生)銀賞

・マグネットコンテスト 優秀賞

・日本ジュニア数学コンクール団体戦 優秀賞

・日本ジュニア数学コンクール論文賞 銅賞

・科学の甲子園ジュニア最終選考会出場

・科学の甲子園 全国大会出場

・科学の甲子園 ジュニア全国大会 チーム総合優勝

筆記競技第1位 実技競技②第1位

・IMMC 参加

・数学オリンピック第17回広中杯 参加

・日本数学オリンピック 地区表彰(関西)

・京都洛西珠算競技大会 最優秀賞

・とやま科学オリンピック 中学校部門 金賞

・とやま科学オリンピック 高校部門(中学生参加)銅賞

・サイエンスチャレンジ滋賀 準優勝

・Brain bee 関西地区予選会 第3位

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【二次選抜者14名(応募者16名から選抜)】

学年 高校1年:13名 高校2年:1名

性別 男:6名 女:8名

出身校 (県外)

金沢大学附属高校,富山高校,青森高校,洛北高校,

横浜サイエンスフロンティア高校

(県内)

藤島高校,武生高校,仁愛女子高校,北陸高校,敦賀気比高校,

福井工業大学附属福井高校

受講前受賞歴

・敦賀市理科作品 受賞

・福井県科学アカデミー賞 受賞

・ふくい理数グランプリ 参加

・敦賀市理科グランプリ 優秀賞

・中学理数グランプリ福井県大会 本選出場

・数学オリンピック第17回広中杯 参加

・京都洛西珠算競技大会 最優秀賞

・とやま科学オリンピック 中学校部門 金賞

・とやま科学オリンピック 高校部門(中学生参加)銅賞

・科学の甲子園 ジュニア全国大会 チーム総合優勝

筆記競技第1位 実技競技②第1位

・サイエンスチャレンジ滋賀 準優勝

・科学の甲子園 全国大会出場

・日本数学オリンピック 地区表彰(関西)

・Brain bee 関西地区予選会 第3位

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7.業務項目別線表(結果)

業務項目(取組) 4

5

6

7

8

9

10

11

12

1

2

3

コンソーシアムの運営

推進部会の運営

事業評価委員会の運営

選抜・評価委員会の運営

企画設計ワーキングの運営

メンター部門の運営

チューター部門の運営

発表支援部門の運営

育てたい人材像の設定

広報・募集活動

意欲・能力調査

一次選抜

二次選抜

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- 14 -

業務項目(取組) 4

5

6

7

8

9

10

11

12

1

月 2月 3月

グローバル教育プログラム

インテンシブコース

アドバンストコース

国内研修

海外研修

講演会・交流会・全国受講生

研究発表会

国内・国際学会

成果発表会

インテンシブ評価

アドバンスト評価

受講生フォロー

・関係維持

修了生の状況把握

報道機関への投げ込み

2期生

3期生

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- 15 -

業務項目(取組) 4

5

6

7

8

9

10

11

12

1

月 2月 3月

福井大学HPでの広報・

FMHS HP運営

FMHS News Letter発刊

効果検証

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- 16 -

8.実施体制及び外部機関,学内他部署との連携等に係る効果や課題,その他について

福井県教育庁高校教育課と各高等学校と密に連携し,日程調整を含め本プログラムの充実を図っ

た。推進部会・事業評価委員会等を通し,学外委員と有益な情報交換が出来,次年度以降のプログラ

ムの改善へとつながっている。改善例として,学校行事等で出席できなかった講義 DVD の聴講を可能

とし,意欲ある受講生の個別の事情に対応できる体制としたことが挙げられる。今後,聴講に適した

DVD 撮影を行うことやグローバル対応としての英語プログラムの充実を進め,これら不断の改善を進

めることによりプログラムとしての充実度を高め十分な目標達成となるべく運営を行う。

Page 17: 生命医科学フューチャーグローバルサイエンティスト育成 ......生命医科学フューチャーグローバルサイエンティスト育成プログラム -“Fukui

- 17 -

9.企画の成果とその分析,自己評価

9-1.当該年度における達成目標に対する実績

達成目標に対する実績の概要

1)組織と運営基盤の強化

次世代の科学技術を担いうる人材育成が可能となるプログラムを展開するため,自己評価および受講生などのアンケートや意見聴取を基に改良を加え,

プログラム遂行のための組織のもと受講生募集を全国で行う。

2)インテンシブコース

全員参加の生命医科学講義・実習,研修を行う。

3)アドバンストコース

傑出した個を見いだし育成するコアプログラムとしてのアドバンストコースは2期生によるラボ研究の推進展開を最大限鼓舞し,学外での発表や研修,

海外での研修や学会への参加,論文発表を支援する。更に3期生が加わり,同じプログラムを受講する先輩後輩間での屋根瓦方式での教育を取り入れる。

4)カンザス大学ラボ活動研修

グローバルサイエンティストとなるべく海外での活躍の希望が強い受講生に対して,海外研究室におけるラボ活動や海外大学生との交流を目的とし,ア

メリカカンザス大学で研修を行う。

5)学内外での同世代交流

多様な若者との交流の機会を提供するため,福井大学および他大学に在籍する先輩大学生や全国受講生研究発表会では,他大学所属グローバルサイエン

スキャンパス生徒らと交流を行い,若者同士での切磋琢磨の機会を設ける。

6)全員参加型の成果発表

インテンシブコース受講生全員は科学技術系コンテストへの参加の支援を受け,年度末には自ら科学的内容をまとめ発表する。アドバンストコース受講

生は最終的に論文発表を目指すとともに,年度末に国際学会形式の成果発表会(国際学会トライアル)を事業評価委員会のもと行う。

Page 18: 生命医科学フューチャーグローバルサイエンティスト育成 ......生命医科学フューチャーグローバルサイエンティスト育成プログラム -“Fukui

- 18 -

定量的な達成目標に対する実績

大項目 中項目 目標 実績 注記等

受講生数

当該年度(29 年度)に在籍した全受講生数 83 人

当該年度(29年度)に新規に受け入れた受講生数 55 人 69 人

前年度(28年度)より年度を越えて教育プログラム

を受けた受講生数 14 人 14 人

来年度(30 年度)に年度を越えて教育プログラム

を受ける受講生数 14 人 14 人

受講生が

創出する

成果

国際学会等での外国語による今年度(29 年度)の

研究発表件数

(4 年間の延べ実績件数)

3-4件

(15-30件)

2 件

( 3 件)

●学会名

2017 Cardiac Physiome Conference (カナダ・トロント)

・発表題目

Frequency-dependences of action potential and Ca2+ transient

and roles of mitochondrial Na+/Ca2+ exchange in mice ventricular

myocytes

●学会名

The American Society for Cell Biology 2017(米国・フィラデル

フィア)

・発表題目

Analysis of irradiation resistance mechanism in S. cerevisiae

外国語論文発表の今年度(29 年度)の件数

(4 年間の延べ実績件数) 2 件

(5-10 件)

0 件

(0件)

インテル国際学生科学技術フェア(Intel ISEF)へ

の今年度(29 年度)の参加件数

(4 年間の延べ実績件数)

0 件

( 0 件)

Page 19: 生命医科学フューチャーグローバルサイエンティスト育成 ......生命医科学フューチャーグローバルサイエンティスト育成プログラム -“Fukui

- 19 -

中項目 小項目 目標 実績 注記等

国際的な科学

技術コンテス

ト等の日本国

内予選等への

参加数

(4 年間の延

べ実績件数)

日本学生科学賞

(ISEF 予選)

1-2件

(6-10件)

0件

( 1件 )

高校生科学技術チャレンジ

(ISEF 予選)

1-2件

(6-10件)

1件

( 2-3件 )

科学オリンピック

(物理・化学等) 2人

( 45人)

7人

( 19人)

・第 28 回 国際生物学オリンピック(IBO)2017 イギリス大会 銀メダル

その他

・脳科学オリンピック 1人

・化学グランプリ 3人

・日本生物学オリンピック 1人

・国際数学モデリングチャレンジ 1人

科学の甲子園 都道府県代表選考会 参加人数

(4 年間の延べ人数) 1-2件

( 4-8件)

2件

( 8件)

・滋賀県大会優勝 全国大会出場

その他(上記以外の成果)

・第 59 回日本平滑筋学会総会 TNBS 腸炎モデルマウスにおける消化管筋層の傷害と回復過程(ポスター発表)

・第 49 回日本臨床分子形態学会総会・学術集会 TNBS 腸炎モデルマウスを用いた結腸筋層の傷害と回復過程研究(ポスター発表)

・2017 年度生命科学系学会合同年次大会(ConBio2017)Development of an intracellular heme sensor(ポスター発表)

・2017 年度生命科学系学会合同年次大会(ConBio2017)腸炎疾患における消化管筋層の傷害と回復過程を探る(ポスター発表)

・2017 年度生命科学系学会合同年次大会(ConBio2017)マウス小腸筋層における c-Kit Ligand 生産細胞の同定 (ポスター発表)

・2017 年度生命科学系学会合同年次大会(ConBio2017)藤島高校のイシクラゲが,地球を救う!?(口頭発表)

・日本数学コンクール 団体優勝

・H30 年徳島県 SSH 合同研究発表会 ポスター発表の部 優秀賞

・ふくい理数グランプリ 奨励賞

・ふくい理数グランプリ 優秀賞

・エコノミクス甲子園全国大会 優勝

Page 20: 生命医科学フューチャーグローバルサイエンティスト育成 ......生命医科学フューチャーグローバルサイエンティスト育成プログラム -“Fukui

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9-2.設定目標に対する自己評価

<設定目標の達成度>

1.達成できた,2.どちらかというと達成できた,3.どちらかというと達成できなかった,

4.達成できなかった から選択してください。

領域 自己評価・根拠

1.募集・選抜 自己評価:< ① ・ 2 ・ 3 ・ 4 >←1つ選択

根拠)

募集目標 55 名に対し県内外から 70名の応募があり,本学 GSC の一次選抜基準に

よる採点の結果,合格点に達した 69 名を合格とした。

合格者の選抜基準評価によると,理数系知識や興味は A 評価が 70%以上と非常に

高く,文章作成に関わる日本語能力や英語能力も高いものである。高校教員による

評価はすべて高く,受講生の 7割程度が意欲・学習能力の点で優れているとしてい

る。また,受講生の過去の研究実績等(エントリーシートには 42 件が記載)も豊富

であるものが多いことも特徴である。総合的に一次選抜を経た受講生の能力・意欲

は理系分野において秀でており,本プログラムを経て将来の理系分野において活躍

が期待できる能力・資質を有していると考えられる。

2.教育プログラムの

開発または改善と実

自己評価:< ① ・ 2 ・ 3 ・ 4 >←1つ選択

根拠)

講義実習とも受講生の理解を第一にするため,高校生物の教科書を担当者に配

布すると共にコーディネータが講義実習内容についての相談を行った。講義内容に

は生命医科学基礎から応用,実際の研究について触れ,加えて他分野(化学や物理

学,分野によっては文系科目)との関連や必要性にも言及し,広い視点を持つこと

の重要性も喚起した。具体的には,他大学教員による講義や理化学研究所研修,大

阪大学研修などの国内研修をとおして,基礎科学分野への展開を図った。また,現

役大学院生による講義を行うことで若い研究者としての将来像を示すカリキュラ

ムを実施した。

インテンシブコースの修了生に学んだことを基に全員が発表することを修了要

件にした。その結果 32 件の発表をみた。インテンシブコースの発表テーマにおい

て,継続して実験を行い,国内学会の高校セッションにて発表可能と思われるもの

(3~4 件)においては,今後コーディネータの支援により,インテンシブコース OB

として高校において自主的に実験を行う予定である。

高校行事等の関係で出席できなかった受講生には,講義の DVD 撮影をし,DVD の

視聴受講を可能とした。これにより講義の最終的平均出席率は,DVD 聴講したこと

により,64.6%から 67.9%となった。

3.受講者の評価方法

の開発または改善と

実施

自己評価:< ① ・ 2 ・ 3 ・ 4 >←1つ選択

根拠)

受講生の評価方法については,従来実施してきた「未来の科学者養成講座」,「次

世代科学者育成プログラム」にて培った観点も取り入れており,PDCA サイクルを

経たうえでの評価方法となっており,高校生を対象とする評価方法としては,十分

なものであったと考えている。これまで実施した評価では受講生は高い能力育成を

行う事が出来ている。終了後に実施するアンケートを経て,3年間の実績をもとに

更に受講生評価の客観性や妥当性を検討することとしている。

Page 21: 生命医科学フューチャーグローバルサイエンティスト育成 ......生命医科学フューチャーグローバルサイエンティスト育成プログラム -“Fukui

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4.人材育成の達成水

自己評価:< ① ・ 2 ・ 3 ・ 4 >←1つ選択

根拠)

生命医科学領域を中心とした科学的知識・好奇心を有する人材の育成を目指し,

講義実習および研究活動をを経てそれら能力が大きく伸びたと強く感じている。昨

年度受講生のアンケート結果によると科学的基礎知識などの能力,学修や将来への

意識,自らの将来像などほとんどの項目で能力涵養が出来たことが示されている。

また,今年度に関しては,4月中旬に受講生アンケートを受講生全員,保護者,高

校教員に送付しており,アンケートの集計後,本プログラムの育成度が達成水準に

達しているかの確認を行う事としている。

5.連携機関・共同組

織との連携・協力関係

の構築など,運営体制

について

自己評価:< ① ・ 2 ・ 3 ・ 4 >←1つ選択

根拠)

高校側,県など関係機関とは従来から密接に連携しており,今回の実施において

も十分な協力のもと実施した。特にコーディネータは高校訪問を行い,受講生の活

動報告や指導を行うことにより,高校との協力関係が保たれている。また福井県高

校生物研究会からも,事業評価委員会委員として参加が得られた。

Page 22: 生命医科学フューチャーグローバルサイエンティスト育成 ......生命医科学フューチャーグローバルサイエンティスト育成プログラム -“Fukui

- 22 -

総合評価 自己評価:< ① ・ 2 ・ 3 ・ 4 >←1つ選択

根拠)

各領域において達成状況の目標をクリアしており,しっかり実施できたと考えている。

28 年度より更にインテンシブコースのカリキュラムが充実した。

・インテンシブコース受講生が現在興味を持っている事柄について,パワーポイントを使って発表

し討論する時間を設けた。→ 学会発表,成果発表の練習の場となった。

・学外研修の内容の充実 →理化学研究所研修において,研究室等の見学の充実。

大阪大学研修において,特別講義時間を2コマから4コマに増やした。外国人研究者・大学院生

による英語でのラウンドテーブルにおいて科学的英語運用能力の涵養を促した。

・カンザス大学研修では,電子メールを用いたラボ担当者との連絡と事前学習,米国でのラボ実習

および討論をすべて英語環境下にて実施した。本研修はカンザス大学大学院生機構の支援を得て

実施した。

・最終発表会では国際学会トライアルとして 2年間におよぶラボ所属のアドバンストコース受講生

全員が英語で発表すると共に,1年で修了のインテンシブコース生も多数発表し(インテンシブ昨

年発表26件→今年度32件),参加者・大学教員・高校教員などを交えた深い理解(ディープラ

ーニング)が実践された。

インテンシブコース受講生には平成 29年 7 月にロンドンでの国際生物オリンピックに出場した

生徒もいる。

生命医科学に特化した地方大学発のプログラムであるが,担当者を初め関係者および受講生の所属する

高校や教育委員会との連絡を含め,密な関係を構築し堅実に目標を達成している。受講生が同じ分野で学

ぶことで,全国発表会や最終発表会などでも互いに十分な討論が可能となっており,学外研修(海外,阪大,

理研)においても受講生が協力することができている。同世代の目標を同じくする仲間と過ごし互に刺激し

合うことにより将来の科学分野を担いうる人材が育成出来ていると確信している。

以上のことから3年目を終わり,GSC“Fukui Medical High School”として本学固有の育成モデルを固

めることができたと自負している。

9-3.その他特記事項

・先端研究に触れることによるモチベーション向上を目指し,第3期インテンシブコース受講生44名

が,8月10日に理化学研修所研修多細胞システム形成研究センター(神戸)で,染色体分離研究チーム

と発生エピジェネティクス研究チームの講義や先端研究施設全体の見学,iPS 細胞を用いた研究プロジ

ェクトの研究室において研修を行った。また,12月23日~24日に行われた大阪大学研修には,

33名が参加し蛋白質研究所ゲノム染色体研究室において,講義と観察実習を行い,外国人研究者と英

語によるラウンドテーブルを行い,グローバル研究の実際を体得した。

・第2期アドバンストコース受講生2名が,それぞれ下記国際学会に参加しポスター発表を行い,国際学

会の実際を体験することにより,将来のモチベーションを高めた。

・11 月 6 日~11日 カナダ・トロント

Cardiac Physiome Society 6-9 Nov.2017 University of Toronto

・12 月 2日~7日 アメリカ・フィラデルフィア

The American Society for Cell Biology 2017

・国内学会では,ConBio2017 日本分子生物学会(神戸)に,第2期アドバンストコース受講生6名と受講

生OB2名が参加し,ポスター発表3件,口頭発表1件を行い,他の国内学会も2件の発表を行った。

・3月17日~24日まで,アメリカカンザス大学ラボ研修に,第2期アドバンストコース受講生12

名が参加し,大学ラボに所属し研修を行い,直に海外のラボ活動に参加するとともに受講生自らが研

究発表を行うことにより,国際感覚を身につけることが出来た。

・3月28日に行われた研究成果発表会において,第2期アドバンストコース受講生は,国際学会トラ

イアルと位置付け,将来国際学会での発表を見据えグローバルサイエンティスト能力を高めるため,

英語での口頭発表及び英語でのポスター発表を行った。

Page 23: 生命医科学フューチャーグローバルサイエンティスト育成 ......生命医科学フューチャーグローバルサイエンティスト育成プログラム -“Fukui

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上記のように,平成 29 年度は,成果を得ている。平成 30 年度には,今の活動を高めて,国際学会3件,

外国語論文発表3件を目指している。また高校の科学技術コンテスト出場の際には,積極的な研究支援を

行っていくこととする。

・現在,受講生の進学先を集計中であるが,多くの受講生が医学部・医学科に進学している。また,医学

科でなくてもライフサイエンス関連学部を中心に,いわゆる難関大学へ進学していることから,本学の生

命医科学をベースにしたプログラムの有効性を反映するものと考える。

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10.次年度への重点課題および対応策

組織と運営基盤の強化

1) 本プログラム受講により次世代の科学技術を担いうる人材を育成する目的で,中間評価を踏まえた自己

評価および受講生と保護者・高校教員等の関係者からのアンケートや意見聴取を基に改良を加え,受講生

全員の科学技術能力の開発と向上を目指す。

2) これまでに構築したコンソーシアム,プログラム遂行のための組織(推進部会,事業評価委員会,選抜・

評価委員会,企画設計ワーキング,チューター部門,メンター部門,発表支援部門)の運営を強化する。

3) コーディネータを中心に受講生募集を北陸三県に加え,中部地方の SSH 校でも行い,加えてホームペー

ジや JST との連携により全国募集を実施する。募集では,「自己推薦コース」と「高校推薦コース」の 2

コースを設け,多様な受講生を募集する。コーディネータの高校訪問の際には応募希望者や高校教員の希

望を聴取するとともに,受講生所属の高等学校との連携を取りながら受講生にとって最適な日程とプログ

ラム内容について検討する。

インテンシブコース

生命医科学を中心に科学技術能力の育成とグローバル能力伸長に努めることを目的とし,講義実習を全

受講生に行う。さらに,語学センターによる実践的生命医科学英語プログラム,他大学や他研究機関への

研修を実施し,年度末には学んだことを発表する発表会を開催する。次年度は能動的学習に取り組むカリ

キュラムを実施し,発表会を含め自らが考え行動することを促すこととする。

アドバンストコース

傑出した個を見いだし育成するコアプログラムとしてのアドバンストコースは3期目に入り,3期生に

よるラボ研究の推進展開を最大限鼓舞し,学外での発表や研修,海外での研修や学会への参加,論文発表

を展開する。同時に4期生が加わり,同じプログラムを受講する先輩後輩間での屋根瓦方式での教育を取

り入れることとしており,コミュニケーション力の向上や科学の世界における自らの将来像を確立できる

よう指導を進める。コース生に 1 年または半年の活動計画を示し,ラボ担当者と目標を決めて活動できる

よう,コーディネータが中心となりマネジメントを行うこととする。

カンザス大学ラボ活動研修

グローバルサイエンティストとなるべく海外での活躍の希望が強い受講生に対しては,海外研究室にお

けるラボ活動や海外大学生との交流を目的とし,第3回カンザス大学研修(米国)を行う。なお本研修に

関してはこれまでに本学職員の事前視察および受け入れ大学の研究室主催者との綿密な打ち合わせを数回

にわたり行っており,今年度の実績を踏まえ次年度は事前学習等の指導を充分に行うこととしている。

学内外での同世代交流

多様な若者との交流の機会を提供するため,福井大学および他大学に在籍する先輩大学生や,同じ目的

を有する他大学所属グローバルサイエンスキャンパス生徒らと交流を行い,若者同士での切磋琢磨の機会

を設ける。特に全国受講生発表会を重視し,アドバンストコース受講生全員が参加し多くの発表を行い,

同じ志を持つ者との交流を図る。

全員参加型の成果発表

インテンシブコース受講生全員は発表支援部門との連携により科学技術系コンテストへの参加の支援を

受けるとともに,年度末には自ら学び得た科学的内容をまとめ発表し討論する場とする。アドバンストコ

ース受講生は最終的に論文発表・国際学会発表を目指すが,全員共通の到達目標として年度末に英語を用

いた国際学会形式の成果発表会(国際学会トライアル)を行う。これら成果発表は事業評価委員会により

受講生の育成度を検討すると共に全受講生にフィードバックを行い今後の科学技術分野での活動の指針を

示す。

Page 25: 生命医科学フューチャーグローバルサイエンティスト育成 ......生命医科学フューチャーグローバルサイエンティスト育成プログラム -“Fukui

日時 7月22日(土) 日時 7月29日(土) 8月5日(土) 8月10日(木) 8月19日(土) 8月26日(土) 9月23日(祝土) 10月21日(土) 11月3日(祝金) 12月9日(土)12月23日(土)~

24日(日)

3月28日(水)

場所 松岡C:合併講義室 場所 松岡C:第1中講義室 松岡C:第1中講義室 神戸 松岡C:白翁会ホール 松岡C:合併講義室 松岡C:第1中講義室 松岡C:看護棟第一講義室 松岡C:第1中講義室 松岡C:看護棟第一講義室 大阪 松岡C:合併講義室

9:15 9:15

~ ~

9:30 9:30

9:30 9:30

~ 1時限 ~

10:20 10:20

15分 休憩 休憩 15分

10:35 10:35

~ 2時限 ~

11:25 11:25

15分 休憩(15分) 休憩 15分  受講生交流会

11:40 11:40

~ 3時限 ~

13:00 12:30

昼食 45分

13:00

13:50

15分 休憩(15分)

休憩(15分) 休憩(15分)

14:05

14:30 休憩 15分

5時限

10月7~8日

(7~8月) サマースクール 基礎講義と基礎実験実習を中心に開講・英語演習

(9~11月) オータムスクール 発展講義・特別講義と基礎実験実習(施設見学学習)を中心に開講@機器センター、高エネ

(12月~3月) ウィンタースクール 最先端研究に触れる研修旅行を実施。2月の発表会に向けた実習も行う。

講義種類 基礎講義 生命医科学を理解するため、高校教科書から大学レベルに繋がる講義を展開する。加えて生命倫理や研究倫理についての講義を行う。

発展講義 現在進行中の研究について、本学等における指導的立場の研究者がその意義や今後について講義を行う。

特別講義 学外講師による生命医科学の最先端に触れる。

女性研究者講義 女性研究者が研究者となった自分史と研究を語り、特に女性受講生に将来のRole Modelを示す。

若手研究者講義 若手研究者が自らの高校大学時代を振り返りつつ、現在の研究と自らの将来を語る。

基礎英語演習 語学センター教員の指導の下行う。

基礎実験実習 生命医科学ベーシックトレーニング

交流会・報告会・討論会

全国GSC受講生研究発表大会(東京) (アドバンストコース生)

 アドバンストコース

    修了証授与式

 インテンシブコース

 修了証授与式

 閉講式

 基礎講義

 ヒトの体を学ぶ

 飯野 哲  基礎実験実習

 細胞の構造について

 前田 桝夫

 @組織病理実習室

 14:20~16:30

 研究に関する

 グループワークと発表

 14:15~16:00

 若手研究者講義Ⅲ

 米国大学での経験談~

研究者としてのキャリアパス

 竹田 有加里

 13:15~14:00

 基礎実験実習

 分子遺伝学:

   分子生物学実習

 菅井 学

 @基礎医学実習室

 基礎実験実習

 ほ乳類の臓器を学ぶ・

 観察するⅡ

 飯野 哲

 ヒト染色体について

 前田 桝夫

 @組織病理実習室

14:30

16:30

※終了時

間は実習

内容によ

 基礎実験実習

 ほ乳類の臓器を学ぶ・

 観察するⅠ

 飯野 哲

 @組織病理実習室

15:00

16:30

※終了時

間は実習

内容によ

 基礎実験実習

 分子イメージング

 研究:

 核種製造から撮像まで

 (高エネルギー

    医学研究センター)

 清野 泰

 基礎実験実習

 心臓機能の実習

 松岡 達

 竹内 綾子

 @基礎医学実習室

 基礎実験実習

 細菌学実習

 定 清直

 千原 一泰

 竹内 健司

 @基礎医学実習室

 基礎実験実習

 最新機器で生命

 医科学を研究する

 (ライフサイエンス支援センター)

 女性研究者講義

 白血病の医学研究

 細野 奈穂子

4時限

13:15

14:45

 基礎講義

 生物学の基礎(生物界

 の多様性と共通性)

 西沢 徹

 13:15~14:05

 基礎実験実習

 脳とニューロンの観察

 深澤 有吾

 @組織病理実習室

 特別講義

 獣医学における

      病態研究

 堀 正敏

 中間発表会

 発展講義

 放射線の生命医科学

 応用

 清野 泰

 若手研究者講義Ⅱ

 どうして今、

   私はここにいる?

 三田村 耕平

  (大阪大学院生)

 基礎講義

 分子遺伝学:

    分子生物学

 菅井 学

 女性研究者講義

 こころの科学

 友田 明美

 インテンシブ発表会

 基礎講義

 心臓機能の科学

 松岡 達

 基礎講義

 感染と免疫

 定 清直

 基礎講義

 生命医科学における

 動物実験

 村田 拓也

 若手研究者講義Ⅰ

 こんな人です、

     東大推薦生

山本実侑(東京大学2年)

 発展講義

 医科学における創薬

 青木 耕史

 大阪大学研修

 

 ・染色体講義

  蛋白質研究所

   教授:篠原 彰

 ・研究室研修

・特別講義

  医学部

 教授:佐藤  真

 教授:楽木 宏実

 「老化と医学・医療」

 ・ラウンドテーブル

 (留学生や留学中の

   研究生との対話)

 基礎講義

 臨床医からみた

      ヒトと医学

 上田 孝典

 基礎講義

 がんの科学

 小林 基弘

 女性研究者講義

 生命医科学と研究倫理

 飯田 礼子

 発展講義

 脳発生の科学

 小西 慶幸

 特別講義

 ゲノム科学と

     品種改良

 村井 耕二

 発展講義

 工学から染色体を探る

 沖 昌也

 全国受講生研究発表会

 参加者報告会

 前田 桝夫

 アドバンストコース紹介

 飯野 哲

 発展講義

 遺伝情報の理解

 本田 信治

 特別講義

 獣医学における

      病態研究

 堀 正敏

 最終発表会

(国際学会トライアル)

 受講生交流会

 ・プログラム説明

   飯野 哲

 ・受講生討論会

   前田 桝夫

 ・昼食

 基礎講義

 神経細胞の生物学

 山田 雅己

 基礎講義

 神経系のはたらきと

 構造

 深澤 有吾

平成29年度 福井大学 生命医科学フューチャーグローバルサイエンティスト育成プログラム

Fukui Medical High School カリキュラム

時限

 理化学研究所研修

( CDB )

・染色体分配研究チーム

チームリーダー

  北島 智也

・発生エピジェネティク

 ス研究チーム

 チームリーダー

  平谷 伊智朗

 

 インテンシブコース

 開講式

 基礎英語演習

 英語で科学

 藤原 哲也

 基礎英語演習

 英語論文の構成

 渡邉 綾

 基礎講義

 バイオ工学と生命計測

 末 信一朗

 特別講義

 ゲノム科学と

     品種改良

 村井 耕二

Page 26: 生命医科学フューチャーグローバルサイエンティスト育成 ......生命医科学フューチャーグローバルサイエンティスト育成プログラム -“Fukui

~ Message ~

アクセス・キャンパスマップ

■松岡キャンパス■

FMHS組織図 ~私たちがみなさんをサポートします!~

FMHS事務局(研究推進課)課長:山口 光男 課長補佐:西 弥生 係長:金森 周二 主任:石田 純恵

〒910-8507 福井県福井市文京3-9-1 TEL:0776-27-8016 FAX:0776-27-9742E-Mail:[email protected]

教務:前田 桝夫 (FMHSコーディネータ・特命教授)

TEL:090-7080-1789 E-Mail:[email protected]

教頭:飯野 哲(医学部・教授)

名誉校長

眞弓 光文 (福井大学・学長)

校 長

上田 孝典 (福井大学・副学長)

2017 no.5

**編集後記**

FHMSの活動は、如何でしたでしょうか。早いもので、あっという間に一年が過ぎてしまいましたね。同じ目的を持つ仲間と一緒に過ごした時間は、かけがえのないものです。1年間一緒に歩んで来た仲間との絆を大切にし、新しい次のステップに進んでください。

(石田)

ライフサイエンスイノベーションセンター FMHS特設ページ

http://www.med.u-fukui.ac.jp/life/seimei/gsc/index.html

先輩受講生 仁愛女子高校3年生 松中 咲樹 さん

先輩受講生 仁愛女子高校3年生 御嶽 彩乃 さん

私は仁愛女子高校のグローバルサイエンスコースにいたことで、周りのみんなが FMHSに参加する流れになったので特に深い考えもなく参加を決めました。しかし、研究室でエピジェネティクスについての研究をさせていただいたことや、ポスター発表、カンザス研修などの、学校ではできないたくさんの貴重な活動を通して、実際の研究の在り方を実際に感じることができました。このことは将来の夢について具体的に考えるきっかけにもなりましたし、大学受験におけるモチベーションの向上にもつながりました。始めは何気ないきっかけだったけれど、このFMHSでたくさんの刺激をいただくことができたので参加して本当によかったです。

左から 御嶽さん・松中さん・内田さん

医師になりたいという気持ちがあったので、FMHSの本格的な内容の講義や研究ができるというところに惹かれ、参加しました。アドバンストコースでは約1年にわたり本格的な研究を行い、GSC全国受講生研究発表会やカンザス大学での発表など、高校ではなかなかできない貴重な経験をさせていただくことができました。また、自分と同じような夢を持っている仲間と出逢い共に過ごせたことも私にとって大きな支えになりました。FMHSでの経験を糧にこれからも頑張りたいと思います。

先輩受講生 仁愛女子高校3年 内田 日向子 さん

私は生物学に興味を持っており、自分の視野をさらに広げたいと考え、当プログラムに参加しました。実際に約1年半参加し、多くの貴重な経験を得ることができました。中でもラボでの研究は、自分の知識をより豊かなものにし、大学での研究意欲を高める良い機会となりました。そしてカンザス研修や研究発表会によって、研究成果を日本語や英語で伝えるプレゼン能力を高めることができたように思います。私はこのプログラムに参加できたことにとても感謝しています。

科学的好奇心を刺激する講義実習と高度な研究活動を、グローバル視点に基づき実践する“Fukui Medical High School (FMHS)”を開設しました。 生命医科学分野をはじめとする理数分野の大学進学をめざす高校生や、将来研究者や医学者をめざす高校生を、フューチャーグローバルサイエンティストとして育成することを目的としています。

~2017FMHS開講中!~

本事業はJSTグローバルサイエンスキャンパスの一環として行われております。 主催:福井大学 参画:福井県教育委員会

後援:福井新聞社、NHK福井放送局、FBC福井放送、福井テレビ、FM福井

2018.3.28発行

5月

7月

9月

1月

3月

11月

5月

7月

9月

1月

3月

11月

H29

H30

H31

インテンシブコース修了時“フューチャーサイエンティスト“

称号付与

インテンシブコース

最終発表会

国内研修(阪大・理研)

アドバンストコース

インテンシブ発表会・アドバンスト中間発表会・アドバンスト最終発表会

海外研修

学会発表

3期生 募集

全国受講生 研究発表会

アドバンストコース修了時“フューチャーグローバル

サイエンティスト“称号付与

アドバンストコース14名

2期生(H28.11~)

海外研修 (アメリカ カンザス大学)

国際学会発表

全国受講生 研究発表会

~ Message ~

Listen to the patient. He is telling you the diagnosis.

FMHS校長 上田 孝典 よりご挨拶

2017 no.5

FMHS News Letter

生命医科学フューチャーグローバル サイエンティスト育成プログラム

-“Fukui Medical High School”としてのRole Model創成-

学生諸君、元気で楽しくキャンパス活動をお送りでしょうか? 今年もインテンシブコースに加え、普段はまず訪ねる機会のない理化学研究所や大阪大学の先端医学研究を体験して頂きました。11月からは第3期アドバンストコースでの研究もスタートしました。トロントやフィラデルフィアでの学会発表も上々の出来栄えと聞いています。昨年に続きカンザス大学でのラボ体験も控えているなど、魅力的取組が目白押しです。全国研究発表会でも自信と同時にさらなる向上心を持ったことと思います。これからも思う存分経験を重ねてください。参考迄にGSCでの我々のめざす所をあらためて述べ

ます。GSCは単なる理系の、レベルの高い授業を受け・研究のテーマを決め、それをまとめあげることだけが目標ではありません。さらにそれを通じてライフサイエンス研究全体に対

する興味を持ち、その面白さ、その重要性を理解してほしいと思います。そのためにも指導を受ける研究者・ほかの参加学生との交流を深め互いに刺激を受けつつライフサイエンス研究と付き合い、その楽しさを自ら実感して頂くことを心より希望します。

合併講義室(1F)看護学科棟

バス停

XMFRemote_(82173)213624_FMHS News Letter2018 No.5(82826) (X4_単頁) 1 折 2018/03/23 09:23:11

Page 27: 生命医科学フューチャーグローバルサイエンティスト育成 ......生命医科学フューチャーグローバルサイエンティスト育成プログラム -“Fukui

第3期アドバンストコースが始まりました 2017 no.5

アメリカ カンザス大学海外研修を終えて

トロント・フィラデルフィア国際学会発表!!

5つのラボにアドバンストコース受講生が配属され、活動を開始しました。これから1年半の活動を通して、国際学会や海外大学研修での発表、英語論文の作成を目指します。

・ラボ1 消化器病への挑戦 ・ラボ2 脳内神経回路と機能 ・ラボ3 心臓のシステム生理学 ・ラボ4 染色体工学 ・ラボ5 活性化リンパ球の分化とその制御機構

アドバンストコースとは

グローバルな研究活動を展開しているラボで、受講生の個に応じた指導の下、国際的に活躍しうる次世代の傑出した人材育成を行い、大学院(修士)レベルを目指します。

平成29年11月6日~11日 2017 Cardiac Physiome Conferenceにアドバンストコース第2期生 月岡美咲さんが参加。 平成29年12月2日~7日 The American Society for Cell Biology 2017に同じくアドバンストコース第2期生 前田春那さんが参加しました。 ☆☆☆ 月岡美咲さんからの感想 ☆☆☆

(前略)今回学会に参加して英語が必要だということを再認識しました。私は今までずっと医者になって 働きたいと思っていました。しかし、トロントでの国際学会を通して生理学にも興味がわいてきて、もっと 実験を続けたいと思うようになりました。学会に参加したことで、視野が広がり、いろんな人と交流ができ、 自分の将来についても考えるようになり、勉強に身が入るようになったので、国際学会に参加したことは私に とってとても価値のあることでした。私を国際学会に参加させてくださり、本当にありがとうございました。

☆☆☆ 前田春那さんからの感想 ☆☆☆ (前略)本題のポスター発表はものすごく楽しかったです。始まって最初の方は、誰もこないのではないかと 心配していた面もあり、逆に見にきてくれた人がいてとても嬉しかったです。直前まで何回も何回もくり返し 練習し、お母さんや友達からお守りをもらっていたのもあってか、英語がスラスラ出て来ました。自分の言っ ていることが伝わっているかどうか、相手の顔を見て話す余裕もでてきて、自分なりの1時間半を過ごすことが できました。相手の方々もうなづいてくれたり、気をつかってゆっくり英語を話してくれました。(中略)始めは参加するかを悩んでいたけれど、結果としてとても貴重な体験となりました。ありがとうございました。

平成29年3月18日~25日にアメリカ カンザス大学で行われた海外研修に15名が参加しました。

・3月19日 大学見学ツアー ・3月20日 研究室紹介 ・3月21日 研究室配属、実験実習

~22日・3月23日 発表会

カンザス大学では、7つの研究室に分かれて実習を行い、実習内容のプレゼンをしたり、アドバンストコースの成果を発表したりしました。 ☆☆☆ 参加者からの感想 ☆☆☆ たった5日間という短い期間ではありましたが、私達にとってかけがえのないとても充実した時間と なりました。海外の大学のラボで研究をして発表するという貴重な体験をさせていただいたことで、 サイエンティストになるという夢に一歩近づけたような気がします。

平成30年3月17日~24日に行われるカンザス大学研修には12名が参加します。計3回の事前研修を終え、準備は万端!! この研修の様子は、次回のニュースレターでお伝えいたします。

日本分子生物学会 高校生研究発表!! 平成29年12月9日 日本分子生物学会 ConBio2017にアドバンストコース第2期生6名とOB生2名が参加しました。 ☆☆☆ 野村朋代さんからの感想 ☆☆☆ 今回初めて学会に参加し、自分達の研究をポスター発表という形で発表しました。全く知らない人達に

研究内容をわかりやすく伝えることの大変さを実感しました。色々な人達がさまざまな研究を発表していて、 良い刺激となりました。(後略)

インテンシブコースの様子 2017 no.5

インテンシブコースとは

土日や夏休みを中心に福井大学キャンパスにおいて、大学教員による講義や実験実習を受講します。基礎講義から発展講義まで、各自の興味に応じて選択し受講することで多様な視点を育成します。受講内容をレポートにまとめ、最終的には学んだことを発表するなど生命医科学分野において、大学(学士)レベルを目指したプログラムを提供します。

ある1日(9:30~16:30)

1限:英語演習 (医学部教授) 2限:発展講義(医学部教授) 3限:若手研究者講義(大学院生)

昼休み 4-5限:基礎実験実習(医学部教授と医学生TA)

2017 FMHSの開講式が7月22日に医学部の合併講義室で行われ、理系研究者や医師を目指す、県内外の高校生69名が入学しました。開講式では、FMHS校長の上田孝典副学長の挨拶の後、受講生2人が入学者を代表して挨拶を行いました。 この後、初回カリキュラムにある講義・実習が行われ、これからの多彩なプログラムに興味と期待をよせていました。

熱き心と好奇心いっぱいの3期生が入学しました!! 医学部ならではの講義・実習!

様々な分野の第一人者である教員が生命医学や英語での講義、医学部実習室を使っての臓器標本の観察、最先端研究を実施している高エネルギー医学研究センターの見学など医学部ならではの実習を行っています。 <H29講義・実習実績> ・ほ乳類の臓器を学ぶ ・ゲノム科学と品種改良・ヒトの染色体 ・心臓機能の実習

10/7.8 全国受講生研究発表会

毎年好評の研修ツアーです。 8月に、理化学研究所多細胞システム形成研究センター(神戸)を訪れ、iPS細胞を観察したり、講師の先生から最新の研究を学びました。12月には、大阪大学蛋白質研究所で、動物細胞の分裂をリアルタイム観察をし、最先端講義を受けました。また、外国人研究者と英語によるラウンドテーブルを行い、研究内容や日本での生活について話し合いをし、充実した時間を過ごしました。

全国のグローバルサイエンスキャンパス受講生の代表が一同に集い、日頃の研究成果を発表し交流する全国受講生研究発表会に参加し、ポスター発表を行いました。また、全国で活動する仲間と研究や活動について討論や意見交換を行い、いろいろな意見を聞くことが出来ました。

8/10 理化学研究所研修 12/23.24 大阪大学研修

XMFRemote_(82173)213624_FMHS News Letter2018 No.5(82826) (X4_単頁) 2 折 2018/03/23 09:23:11

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第3期アドバンストコースが始まりました 2017 no.5

アメリカ カンザス大学海外研修を終えて

トロント・フィラデルフィア国際学会発表!!

5つのラボにアドバンストコース受講生が配属され、活動を開始しました。これから1年半の活動を通して、国際学会や海外大学研修での発表、英語論文の作成を目指します。 ・ラボ1 消化器病への挑戦 ・ラボ2 脳内神経回路と機能 ・ラボ3 心臓のシステム生理学 ・ラボ4 染色体工学 ・ラボ5 活性化リンパ球の分化とその制御機構

アドバンストコースとは グローバルな研究活動を展開しているラボで、受講生の個に応じた指導の下、国際的に活躍しうる次世代の傑出した人材育成を行い、大学院(修士)レベルを目指します。

平成29年11月6日~11日 2017 Cardiac Physiome Conferenceにアドバンストコース第2期生 月岡美咲さんが参加。 平成29年12月2日~7日 The American Society for Cell Biology 2017に同じくアドバンストコース第2期生 前田春那さんが参加しました。

☆☆☆ 月岡美咲さんからの感想 ☆☆☆ (前略)今回学会に参加して英語が必要だということを再認識しました。私は今までずっと医者になって 働きたいと思っていました。しかし、トロントでの国際学会を通して生理学にも興味がわいてきて、もっと 実験を続けたいと思うようになりました。学会に参加したことで、視野が広がり、いろんな人と交流ができ、 自分の将来についても考えるようになり、勉強に身が入るようになったので、国際学会に参加したことは私に とってとても価値のあることでした。私を国際学会に参加させてくださり、本当にありがとうございました。

☆☆☆ 前田春那さんからの感想 ☆☆☆ (前略)本題のポスター発表はものすごく楽しかったです。始まって最初の方は、誰もこないのではないかと 心配していた面もあり、逆に見にきてくれた人がいてとても嬉しかったです。直前まで何回も何回もくり返し 練習し、お母さんや友達からお守りをもらっていたのもあってか、英語がスラスラ出て来ました。自分の言っ ていることが伝わっているかどうか、相手の顔を見て話す余裕もでてきて、自分なりの1時間半を過ごすことが できました。相手の方々もうなづいてくれたり、気をつかってゆっくり英語を話してくれました。(中略)始めは参加するかを悩んでいたけれど、結果としてとても貴重な体験となりました。ありがとうございました。

平成29年3月18日~25日にアメリカ カンザス大学で行われた海外研修に15名が参加しました。

・3月19日 大学見学ツアー ・3月20日 研究室紹介 ・3月21日 研究室配属、実験実習 ~22日 ・3月23日 発表会 カンザス大学では、7つの研究室に分かれて実習を行い、実習内容のプレゼンをしたり、アドバンストコースの成果を発表したりしました。 ☆☆☆ 参加者からの感想 ☆☆☆ たった5日間という短い期間ではありましたが、私達にとってかけがえのないとても充実した時間と なりました。海外の大学のラボで研究をして発表するという貴重な体験をさせていただいたことで、 サイエンティストになるという夢に一歩近づけたような気がします。 平成30年3月17日~24日に行われるカンザス大学研修には12名が参加します。 計3回の事前研修を終え、準備は万端!! この研修の様子は、次回のニュースレターでお伝えいたします。

日本分子生物学会 高校生研究発表!! 平成29年12月9日 日本分子生物学会 ConBio2017にアドバンストコース第2期生6名とOB生2名が参加しました。

☆☆☆ 野村朋代さんからの感想 ☆☆☆ 今回初めて学会に参加し、自分達の研究をポスター発表という形で発表しました。全く知らない人達に 研究内容をわかりやすく伝えることの大変さを実感しました。色々な人達がさまざまな研究を発表していて、 良い刺激となりました。(後略)

インテンシブコースの様子 2017 no.5

インテンシブコースとは 土日や夏休みを中心に福井大学キャンパスにおいて、大学教員による講義や実験実習を受講します。基礎講義から発展講義まで、各自の興味に応じて選択し受講することで多様な視点を育成します。受講内容をレポートにまとめ、最終的には学んだことを発表するなど生命医科学分野において、大学(学士)レベルを目指したプログラムを提供します。 ある1日(9:30~16:30) 1限:英語演習 (医学部教授) 2限:発展講義(医学部教授) 3限:若手研究者講義(大学院生) 昼休み 4-5限:基礎実験実習(医学部教授と医学生TA)

2017 FMHSの開講式が7月22日に医学部の合併講義室で行われ、理系研究者や医師を目指す、県内外の高校生69名が入学しました。開講式では、FMHS校長の上田孝典副学長の挨拶の後、受講生2人が入学者を代表して挨拶を行いました。 この後、初回カリキュラムにある講義・実習が行われ、これからの多彩なプログラムに興味と期待をよせていました。

熱き心と好奇心いっぱいの3期生が入学しました!! 医学部ならではの講義・実習!

様々な分野の第一人者である教員が生命医学や英語での講義、医学部実習室を使っての臓器標本の観察、最先端研究を実施している高エネルギー医学研究センターの見学など医学部ならではの実習を行っています。 <H29講義・実習実績> ・ほ乳類の臓器を学ぶ ・ゲノム科学と品種改良 ・ヒトの染色体 ・心臓機能の実習

10/7.8 全国受講生研究発表会

毎年好評の研修ツアーです。 8月に、理化学研究所多細胞システム形成研究センター(神戸)を訪れ、iPS細胞を観察したり、講師の先生から最新の研究を学びました。12月には、大阪大学蛋白質研究所で、動物細胞の分裂をリアルタイム観察をし、最先端講義を受けました。また、外国人研究者と英語によるラウンドテーブルを行い、研究内容や日本での生活について話し合いをし、充実した時間を過ごしました。

全国のグローバルサイエンスキャンパス受講生の代表が一同に集い、日頃の研究成果を発表し交流する全国受講生研究発表会に参加し、ポスター発表を行いました。また、全国で活動する仲間と研究や活動について討論や意見交換を行い、いろいろな意見を聞くことが出来ました。

8/10 理化学研究所研修 12/23.24 大阪大学研修

XMFRemote_(82173)213624_FMHS News Letter2018 No.5(82826)

(X4_単頁)

2

2018/03/23 09:23:11

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~ Message ~

アクセス・キャンパスマップ

■松岡キャンパス■

FMHS組織図 ~私たちがみなさんをサポートします!~

FMHS事務局(研究推進課) 課長:山口 光男 課長補佐:西 弥生 係長:金森 周二 主任:石田 純恵

〒910-8507 福井県福井市文京3-9-1 TEL:0776-27-8016 FAX:0776-27-9742 E-Mail:[email protected]

教務:前田 桝夫

(FMHSコーディネータ・特命教授)

教頭:飯野 哲(医学部・教授)

名誉校長

眞弓 光文 (福井大学・学長)

校 長

上田 孝典 (福井大学・副学長)

2017 no.5

**編集後記**

FHMSの活動は、如何でしたでしょうか。早いもので、あっという間に一年が過ぎてしまいましたね。同じ目的を持つ仲間と一緒に過ごした時間は、かけがえのないものです。1年間一緒に歩んで来た仲間との絆を大切にし、新しい次のステップに進んでください。

(石田)

ライフサイエンスイノベーションセンターFMHS特設ページ

http://www.med.u-fukui.ac.jp/life/seimei/gsc/index.html

先輩受講生 松中 咲樹 さん

先輩受講生 御嶽 彩乃 さん

私は高校のグローバルサイエンスコースにいたことで、周りのみんなが FMHS参加する流れになったので特に深い考えもなく参加を決めました。しかし、でエピジェネティクスについての研究をさせていただいたことや、ポスター ḭカンザス研修などの、学校ではできないたくさんの貴重な活動を通して、究の在り方を実際に感じることができました。このことは将来の夢についてに考えるきっかけにもなりましたし、大学受験におけるモチベーションの向つながりました。始めは何気ないきっかけだったけれど、このFMHSでたくלא刺激をいただくことができたので参加して本当によかったです。

左から 御嶽さん・松中さん・内田さん

医師になりたいという気持ちがあったので、FMHSの本格的な内容の講義や研究ができるというところに惹かれ、参加しました。アドバンストコースでは約1年にわたり本格的な研究を行い、GSC全国受講生研究発表会やカンザス大学での発表など、高校ではなかなかできない貴重な経験をさせていただくことができました。また、自分と同じような夢を持っている仲間と出逢い共に過ごせたことも私にとって大きな支えになりました。FMHSでの経験を糧にこれからも頑張りたいと思います。

私は生物学に興味を持っており、自分の視野をさらに広げたいと考え、当プログラムに参加しました。実際に約1年半参加し、多くの貴重な経験を得ることができました。中でもラボでの研究は、自分の知識をより豊かなものにし、大学での研究意欲を高める良い機会となりました。そしてカンザス研修や研究発表会によって、研究成果を日本語や英語で伝えるプレゼン能力を高めることができたように思います。私はこのプログラムに参加できたことにとても感謝しています。

科学的好奇心を刺激する講義実習と高度な研究活動を、グローバル視点に基づき実践する“Fukui Medical High School (FMHS)”を開設しました。 生命医科学分野をはじめとする理数分野の大学

進学をめざす高校生や、将来研究者や医学者をめざす高校生を、フューチャーグローバルサイエンティストとして育成することを目的としています。

~2017FMHS開講中!~

本事業はJSTグローバルサイエンスキャンパスの一環として行われております。 主催:福井大学 参画:福井県教育委員会

後援:福井新聞社、NHK福井放送局、FBC福井放送、福井テレビ、FM福井

2018.3.28発行

5月

7月

9月

1月

3月

11月

5月

7月

9月

1月

3月

11月

H29

H30

H31

インテンシブコース修了時 “フューチャーサイエンティスト“

称号付与

インテンシブコース

最終発表会

国内研修(阪大・理研)

アドバンストコース

インテンシブ発表会・アドバンスト中間発表会・アドバンスト最終発表会

海外研修

学会発表

3期生 募集

全国受講生 研究発表会

アドバンストコース修了時 “フューチャーグローバル

サイエンティスト“ 称号付与

アドバンストコース14名

2期生(H28.11~)

海外研修 (アメリカ カンザス大学)

国際学会発表

全国受講生 研究発表会

~ Message ~

Listen to the patient. He is telling you the diagnosis.

FMHS校長 上田 孝典 よりご挨拶

2017 no.5

FMHS News Letter

生命医科学フューチャーグローバル サイエンティスト育成プログラム

-“Fukui Medical High School”としてのRole Model創成-

学生諸君、元気で楽しくキャンパス活動をお送りでしょうか? 今年もインテンシブコースに加え、普段はまず訪ね

る機会のない理化学研究所や大阪大学の先端医学研究を体験して頂きました。11月からは第3期アドバンストコースでの研究もスタートしました。トロントやフィラデルフィアでの学会発表も上々の出来栄えと聞い ています。昨年に続きカンザス大学でのラボ体験も控えているなど、魅力的取組が目白押しです。全国研究発表会でも自信と同時にさらなる向上心を持ったことと思います。これからも思う存分経験を重ねてください。 参考迄にGSCでの我々のめざす所をあらためて述べ

ます。GSCは単なる理系の、レベルの高い授業を受け・研究のテーマを決め、それをまとめあげることだけが目標ではありません。 さらにそれを通じてライフサイエンス研究全体に対

する興味を持ち、その面白さ、その重要性を理解してほしいと思います。そのためにも指導を受ける研究者・ほかの参加学生との交流を深め互いに刺激を受けつつライフサイエンス研究と付き合い、その楽しさを自ら実感して頂くことを心より希望します。

合併講義室(1F)看護学科棟

バス停

XMFRemote_(82173)213624_FMHS News Letter2018 No.5(82826) (X4_単頁) 1 折 2018/03/23 09:23:11

先輩受講生 内田 日向子 さん