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卒業論文の書き方
同志社大学 中尾ゼミ
論文の将来
卒業論文は永久に同志社大学経済学部に保存されます.
来年度以降,ゼミの後輩などが見に行きます
もっと遠い将来には,会社関係者,配偶者,子供もしかしたら孫など多くの人に見られる可能性があります.
恥ずかしくないようにしましょう!
論文を書く動機
①経済学部卒業するんですから卒業論文くらい書かなくては!
②製本されて立派(外観)な本になる
③「先輩論文一覧」に載れば,すべての人に自慢できる
④名誉(万が一,出世した場合)
⑤子供などに見せて自慢する
④米国留学(推薦状が必要⇒書きません)
卒業論文作成方法
(1)テーマを決定する(2)産業あるいは企業群とテーマを決定する(3)分析する年と説明変数を決める(4)データ収集(5)TSPプログラムを書き,実行する(6)良い結果で出るまで繰り返す→(3)(4)(5)(7)他の年度も同じことをする(8)論文を書く
授業中にするべきこと
以上のプロセスのうち以下の
データ収集TSPプログラム実行
は必ず授業中に各自が実行してください。また,データ収集とTSPプログラム実行が完了した場合には,エラーがないか先生のチェックを受けてください.
書式
【表紙】1ページ目を表紙、題目・学生ID・氏名を明記【様式】A4横書き 1行35文字,1ページ40行【余白】上下:35mm 左右30mm
ゼミ全体として通しページを付けるため下部中央の位置は空けておく字数:8000字以上
(共同執筆の場合人数×8000字以上)部数:1部(ホッチキスなどで綴じないこと)提出場所:臨時経済学部事務室(扶桑館?)
「提出用表題紙」と「受領書」を記入して持参
提出要領
卒論は事務提出は1月中旬ですが
その前に先生にOKをもらう必要があります.
先生には論文をメールに添付して送ってください.この期限は12月中旬です.添削して返しますので、修正して再度送ってください.このやりとりでOKがでたら完成で,提出できます.
提出締め切り日:1月中旬です.
正確な日時は確認してください.
提出場所:経済学部事務室が指定した教室です.
(1)先輩の論文を見る
先輩の論文http://homepage2.nifty.com/XXGroupTN/Zemiyoko.ht
m#ZemiPapers
を参考にして,どんなタイプの論文を書くか決める.
先輩の論文のマネをするか自分で独自の研究をするかを決定する
(1)論文のタイプを決定(a)
論文のタイプ(a)ある産業のパネルデータ分析
例1:自動車産業の8社の2000年から2005年のデータ48を使って分析
例2:自動車産業の3社の1981年から2005年までのデータ75を対象に分析
この秋学期に,授業で皆一緒にやり方を修得しながら行います.
参照:http://xplala.aa0.netvolante.jp/class/panel.mht
(1)論文のタイプを決定(b)
論文のタイプ(b)ある企業の時系列データ分析
2年秋学期に授業で行いました例2:ホンダの1976年から2005年まで
のデータ30を対象に分析参照http://xplala.aa0.netvolante.jp/class/firmTimeAna.mht
注意:マクロデータも利用します.
(1)論文のタイプを決定(c)
論文のタイプ(c)マクロ経済時系列データの分析
2年の秋と3年春学期に授業で行いました例:日本の株価が変動する原因の分析
⇒このテーマの場合には,以下のファイルを参照して独自に計算してください。
参照http://xplala.aa0.netvolante.jp/class/consum.pdf
(2)産業/企業群・年を決定
上記の(a)パネルデータ分析を例に説明します。
①分析する産業か複数の関連ある企業と分析する年(何年から何年)を決める.例:
(イ)自動車産業の企業を対象に2001年から2005年(ロ)トヨタ,日産,ホンダ対象に1980年から2005年
②データ数(企業×分析年数)は50以上が望ましい
(2)被説明変数=テーマを決定
③普通は被説明変数がテーマになります.利潤率=(営業利益/総資産)が被説明変数なら,
テーマとしては,例えば、「利潤率決定要因の2000年代(2001-2005)と
1990年代(1991-1995)の比較」
とかなります.
(2)被説明変数の例
④被説明変数の例:利潤率以外にも,例えば、広告支出広告比率(広告支出/売上高)
研究開発支出研究開発比率,賃金率(=(人件費+労務費)/従業員数)
輸出額輸出比率(=輸出額/売上高)負債比率(=負債合計/総資産)
自己資本比率(=1-負債比率)
(2)被説明変数の例:成長率
④被説明変数の例売上高成長率例えば2000年の売上高/1995年の売上高
従業員増加率賃金率上昇率利潤増加率
(3)分析する年と説明変数を決める
分析対象の年を決める.比較すれば論文は書きやすい例:2001-2005と1991-1995
被説明変数に影響を与える説明変数を考える.少なくとも5個例:広告支出,研究開発,企業規模(売上高),賃金
率,売上高成長率,輸出比率は利潤率に影響を与える
収集するべき標準財務データ
製造企業が分析対象の場合に財務データで収集すると役に立ちそうなのは貸借対照表:負債合計,償却対象有形固定資産,資本合計,資産合計損益計算書:売上高・営業収益,販売管理費,営業利益,当期利益,その他(製造原価明細など):輸出売上高・営業収益,人件費,労務費,従業員数,広告・宣伝費,研究開発費
説明変数の候補
広告支出あるいは広告比率=広告支出/売上高
研究開発支出あるいは研究開発比率=研究開発支出/売上高
賃金率=(人件費+労務費)/従業員数輸出売上高あるいは輸出比率=輸出額/売上高負債比率=負債合計/総資産(資産合計)
自己資本比率=1-負債比率成長率=売上高/1期前売上高販管費率=販売・管理費/売上高資本回転率=資産合計/売上高
金融企業の推定モデルの例
被説明変数純資産利潤率=当期利益/純資産合計説明変数
説明変数・企業規模 例:資産合計 従業員数
・成長率 例:資産合計成長率 従業員増加率
・資産・負債構成 例:貸出金/資産合計 有価証券/資産合計コールローン/資産合計 預金/資産合計 純資産/資産合計
・労働生産性 例:賃金率=人件費/従業員数
・営業努力 例:営業経費/従業員数 営業経費/資産合計
・地域性(地方銀行が分析対象の場合) 例:地域ダミー
(4)データ収集
データ収集の説明は以下にあります.全体としてhttp://xplala.aa0.netvolante.jp/class/tsphelp.html
パネルデータhttp://xplala.aa0.netvolante.jp/class/zaimuPNL.pdf
企業時系列データhttp://xplala.aa0.netvolante.jp/class/zaimuTime.pdf
マクロデータhttp://xplala.aa0.netvolante.jp/class/macrodatabase.pdf
→被説明変数と説明変数のデータを収集する
(5)TSPプログラムを書き,実行する
参照企業パネルデータ分析http://xplala.aa0.netvolante.jp/class/panel.pdf
企業時系列分析http://xplala.aa0.netvolante.jp/class/firmTimeAna.pdf
マクロ経済分析http://xplala.aa0.netvolante.jp/class/consum.pdf
(6)繰り返す
統計的に有意な変数を幾つか(5個以上)発見するまで,(3)説明変数を変更・追加する(4)データを再収集する(5)TSPプログラムを改訂,実行する
以上でも,うまく行かない場合には分析する年を変更する
それでもうまく行かない場合には産業/企業・テーマを変更する
(7)他の年度も同じことをする
例えば 2001-2005の分析を終了した場合には1991-1995についても以下を実行する
(3)説明変数(年が異なれば異なる)を決める(4)データ収集(5)TSPプログラムを書き,実行する(6)良い結果で出るまで繰り返す→(3)(4)(5)
(8)論文を書く
卒業論文の書き方はhttp://xplala.aa0.netvolante.jp/class/HowToWritePaper.p
df
を参照.パワーポイントファイルの場合にはhttp://xplala.aa0.netvolante.jp/class/HowToWritePaper.p
pt
を参照.
(9)データ収集とTSPプログラムの点検
1月の授業ではデータ収集からTSPプログラムの実行を点検しますので再現して見せてください.
エラーが見つかった場合には,短時間で卒論を改訂する必要が出てきます.
マイナーなエラーの例
(イ)論文記載の内容と分析対象企業や期間が異なる(ロ)収集データでのミス.例えば,資産合計もつもりで資本合計を収集している.(ハ)利潤率計算で利益を使わずに売上高・営業収益を使っている.(ニ)トヨタ自動車のつもりがパナソニックのデータを収集している.
以上のようなエラーは論文の改訂で対応可能です.
深刻なエラーの例
(ホ)ほとんどの企業で欠損データとなっているデータを利用している(研究開発費や輸出売上高に多いケース).(ヘ)被説明変数を OLSQ と C の間に入れるのを忘れている.エラーの例: OLSQ C rjr egrk ssn fsih ;
(ト)論文に掲載されている推定結果がまったく(=類似の結果も)再現できない
(ホ)(ヘ)(ト)が該当する場合には卒論はデータ収集からやりなおしとなります.
文章作法
卒論論文は基本的にはすべて自分の文章で構成されるべきものです.インターネットでも,先輩などの他の論文であっても,
他人の文章を盗んではイケマセン.・1行でも盗んではイケマセン・1円でも万引きが犯罪なのと同じです.
ただし,他人の文章を引用することはできます。引用した文章は「・・・」でくくると同時に出所を明記してください。例えば,
引用方法
例えば,トヨタ自動車は「世界中で…… …… ……販売している」(山田太郎『自動車産業』p.125)とかトヨタ自動車は「世界中で… …… …… …… …販売している」(『自動車研究所ホームページ』http://homepage2.nifty.com/XXGroupTN/HowToMakePaper.ppt)とかしてください。
文章の盗作について
以上のような表記がなく,他人の文章を自分の文章の
ように利用している場合には,卒業研究は不合格となります.
特にインターネット上の文章をコピー・ペーストはら
くちんに文字数を増やせますが,これは禁じ手です.
現在では簡単に発見されますので注意してください。
盗作発見ソフトの例以下の図はhttp://www.ank.co.jp/works/products/copypelna/より
授業予定
4月:マクロ経済データ分析:株価決定モデル
企業の時系列分析:ニッサン自動車5月: 産業クロスセクション分析:薬品産業6月: 産業パネルデータ分析:薬品産業7月: 卒論テーマ決定