Upload
others
View
1
Download
0
Embed Size (px)
Citation preview
基礎実験Ⅲ テキスト
実験1:ウォーム減速機の分解と組立調査
(1)ウォーム減速機の分解手順書
ウォーム減速機を分解する時には、次に示す分解手順書に従うこと。
① 排油穴の六角穴付きねじを取り外し、潤滑油を排出させる
時間を節約するために、分解作業の前に、既に潤滑油を排出させている。従って、本作業は不要である。
② オイルシールを取り外す。
③ スナップリングを取り外す。
スナップリングを取り外す際は、スナップリングプライヤーを用いる。プライヤーの両柄を軽く握り、プライ
ヤーの先をリングの両穴に差し込む。プライヤーの柄を握り込んでプライヤーの先を狭め、スナップリングを取
り外す。この際、スナップリングがプライヤーから外れ、飛んでいかないように注意する。
排油穴と止めねじ
スナップリング
④ 蓋のボルトを外す(六角レンチを用いる)。
⑤ 蓋とシムを外す(蓋を外す際、外しにくい場合は、ベアリングプーラを用いると良い)。
⑥ ウォームホイール軸を取り外す。
ウォームギヤとウォームホイールが噛み合っているため、ウォームホイール軸を引っ張るだけでは外れない。
そこで、ウォームギヤ軸を始めに少し引っ張り、噛み合ってない状態でウォームホイール軸を取り外す。
ウォームギヤ軸
ウォームホイール軸
ウォームホイール軸
⑦ ウォームギヤ軸を取り外す。
ウォームギヤの歯を傷つけないように注意する。
⑧ 軸のベアリングを取り外す。
プーラの爪をベアリングの外輪に掛けて固定し、中央の突起を軸の穴に入れた状態でハンドルを回すことによ
って、ベアリングを取り外すことができる。中央の突起が軸の穴に届かない場合は間にボルトを入れると良い。
ウォームギヤ軸
ウォームホイール軸用ベアリングの取り外し
(2)ウォーム減速機の組立手順書
ウォーム減速機を組み立てる時には、次に示す組立手順書に従うこと。
使用する工具:
今回組み立てる際に使用した工具は写真の左から
・プラスチックハンマー
・ブッシュ
・ワイドプーラ
・スナップリングプライヤー
・六角レンチ
である。
組立手順:
① ウォーム軸とホイール軸にベアリングをはめる
軸にベアリングをいれ、上からブッシュを入れる。その上からプラスチックハンマーでブッシュをたたき、ベ
アリングを入れていく。先に軸の長さが短い方からベアリングをはめておくと、長い軸にベアリングをはめる作
業が楽になる。
② ウォーム軸をケースに入れる
先ほど、組み立てたウォーム軸をケースの中に入れていく。次の工程をやりやすくするため、先端のベアリング
を完全にはまらない程度に穴に入れる。
③ ホイール軸をケースに入れる
ホイール軸を上の穴に入れる。このとき、片方の手で先ほどのウォーム軸を持ち、もう片方の手でホイール軸を
持つ。そして、ウォームとホイールのかみ合いを調整しながらゆっくりとホイール軸を入れていく。このとき、
ホイール軸を入れるのにすっと入らず、力がいる場合は歯のかみ合いがうまくいってない可能性があるので、ホ
イール軸を抜いて、もう一度かみ合いを調整しながらゆっくり入れる。
④ ウォーム軸を完全に入れ、シムとスナップリングを入れる
ウォーム軸を先端のベアリングがはまるところまで完全に入れ、軸にシムを入れる。
次にスナップリングプライヤーを使い、スナップリングを穴にかちっと音がなるまで入れる。このとき、スナッ
プリングが飛ぶ恐れがあるので、慎重に入れる。
⑤ オイルシールを入れる。
先ほどスナップリングを入れた穴にオイルシールを入れる。入りにくい場合はブッシュを使うと簡単に入れるこ
とが出来る。
⑥ ホイール軸にシムを入れ、ふたを閉める
ホイール軸にシムを入れる。そのあとシムが移動しないようにふたを閉める。
⑦ ふたのボルトを締め、潤滑油を排出するボルトを締める
ふたを閉めた後ボルトを締める。そして、潤滑油を排出するボルトを締める。
⑧ 組立終了