Upload
others
View
5
Download
0
Embed Size (px)
Citation preview
令和 2 年度
神戸大学大学院工学研究科 博士課程前期課程入学試験
市民工学専攻
専門科目(一): 数学
問題用紙の枚数 ページ番号
数学 1 枚 1
解答用紙の枚数
数学 4 枚
ただし,計算用紙を 1 枚配付
試験日時:令和元年 8 月 26 日(月) 13:00〜14:00
専門科目(一)数学
1
[数学]
1. 以下の問に答えなさい.ただし,さいころは 1 から 6 まで 6 個の目を持ちそれぞれの目
が出る確率は同じとする.
(1) 9 人が一列に並ぶとき,特定の 2 人 A, B の間に 4 名が入る並び方は何通りあるか求め
なさい. (2) 赤玉が 2 個と白玉が 3 個入った箱 A と,赤玉が 4 個,白玉が 2 個入った箱 B がある.
1 つのサイコロを振って 1 または 2 の目が出た時に,箱 A から 1 個の玉を取り出し,3以上の目が出た時は箱 B から 1 個の玉を取りだすものとする.この時,白玉を取り出
す確率を求めなさい. (3) サイコロを何回か投げて少なくとも 1 回以上 1 の目が出る確率を 0.99 以上にしたい.
最低,何回投げればよいか,その回数を求めなさい.
2. 以下に示す行列 Aについて,次の問に答えなさい.
3 4
1 2
A
(1) 行列 Aのすべての固有値を求めなさい. (2) 行列 A を用いた線形変換により,自分自身に写像される直線のうち,原点を通るもの
をすべて求めなさい.
3. 2 2
cos10
x yf とするとき,xy 平面上で,原点(0, 0)から点 5 , 2 5 に至る線分 C;
y = 2x に沿う f の線積分の値を求めなさい.
4. 以下の常微分方程式の一般解を求めなさい.
2
22 8 5sin 5 2
d y dyy x
dx dx
[数学 最終ページ]
令和 2 年度
神戸大学大学院工学研究科 博士課程前期課程入学試験
市民工学専攻
専門科目(二): 構造力学
問題用紙の枚数 ページ番号
構造力学 3 枚 1, 2, 3
解答用紙の枚数
構造力学 4 枚
ただし,計算用紙を 1 枚配付
試験日時:令和元年 8 月 26 日(月) 9:30〜10:30
専門科目(二)構造力学
1
[構造力学]
1. 図-1 に示す構造に関する以下の問に答えなさい.ただし,集中荷重 P と Q(P > Q)は,
図のように水平距離 0.5 l を保ちながら梁 AB 上を移動するものとする. (1) 集中荷重 P が A 点から右に距離 x(0≦x≦0.5 l)に位置する C 点に作用している.
このとき,A 点,B 点の鉛直反力 R A,R B(上向きを正とする)を求めなさい. (2) (1)と同じ位置に荷重が作用しているとき,C 点における曲げモーメント M C を求めな
さい.さらに,梁 AB の曲げモーメント図とせん断力図を描きなさい. (3) 集中荷重 P が A 点から右に距離 0.4 l に作用したとき,梁 AB の曲げモーメントが最大
となった.このときの集中荷重 P と Q の比 P / Q を求めなさい.
図-1 問 1 の構造
AC
l
B
P Q0.5 l
Dx
専門科目(二)構造力学
2
2. 構造物のたわみに関する以下の問に答えなさい.ただし,梁のヤング係数を E,断面 2次モーメントを I とする.
(1) 図-2.1 の問題において,たわみ曲線 v(x)を 0≦x≦l/2 の区間を対象として求めなさい.
また,梁の中央 B におけるたわみ1 を求めなさい.
図-2.1 単純梁の構造
(2) 図-2.2 の問題において,たわみ曲線 v(x)を 0≦x≦l の区間を対象として求めなさい. また,B 点でのたわみ2,C 点でのたわみ3 をそれぞれ求めなさい.
図-2.2 片持ち梁の構造
A C
P
l/2
x
l/2
B
AC
P
l/2
x
l/2
B
専門科目(二)構造力学
3
(3) 図-2.3 の問題において,バネに発生する力 F(圧縮力を正とする)を求めなさい.ただ
し,F=ky (F: バネに作用する力,k: バネ定数,y: バネの縮み)の関係があるものとす
る.
図-2.3 ヒンジとバネを有する構造
[構造力学 最終ページ]
P
l l/2
k
l l/2
令和 2 年度
神戸大学大学院工学研究科 博士課程前期課程入学試験
市民工学専攻
専門科目(二): 水理学
問題用紙の枚数 ページ番号
水理学 4 枚 1, 2, 3, 4
解答用紙の枚数
水理学 4 枚
ただし,計算用紙を 1 枚配付
試験日時:令和元年 8 月 26 日(月) 11:00〜12:00
専門科目(二)水理学
1
[水理学]
1. 図-1 に示すように水位差 H の貯水池が円管水路で連結されており,中間点 C の弁を開
けて管内流量 Q の半分を放出している.エネルギー損失は摩擦損失のみによって生じ
るものとして次の問に答えなさい.ただし,管径を d,摩擦損失係数を f,重力加速度
を g,AC,CB 間の管水路の長さを L とする.また,水位差は不変とする. (1) 流量 Q を表す式を誘導しなさい.
(2) 点 C の弁を閉じたときの流量を Q0 とするとき,Q0 /Q の値を求めなさい.
(3) 点 C の弁を閉じたときの AC 間の損失水頭 hf 0 を H を用いて表しなさい.
(4) 点 C の弁を閉じないときの AC 間の損失水頭 hf を H を用いて表しなさい.
L
L
H
Q
Q/2
A
B
C
弁
図-1 分岐部のある管水路
Q/2
専門科目(二)水理学
2
2. 幅 B = 80m, 勾配 I = 1/10000,マニングの粗度係数 n = 0.01 の長方形断面運河に等流
水深 H = 10m で水が流れている.以下の問に答えなさい.ただし,重力加速度 g = 10m/s2,水の密度 = 1000kg/m3 とする.
(1) この流れのフルード数 Fr を求めなさい.
(2) 底面に働くせん断応力0 を求めなさい.
(3) この水路のある区間の幅を徐々に狭くし,その部分の流れを限界状態にしたい.このとき,水
路幅はいくらにすればよいか求めなさい.ただし,この区間におけるエネルギー損失は無視
できるものとする.
専門科目(二)水理学
3
3. 図-2 のように 2 つの小孔を有する水槽から大気中へ水が放出されている.水槽の水位
h は一定であり,小孔での縮脈,摩擦などによるエネルギーの損失は無視できる.重
力加速度を g とする.以下の各問に答えなさい. (1) 2 つの小孔における水平流速 u1 と u2 を表す式を求めなさい. (2) 放水された水脈が底面に達するときの原点 O からの水平距離 x1 と x2 を表す式を求めな
さい. (3) h = 10 m,h1 = 8 m,h2 = 4 m,g = 10 m/s2 としたときの u1,u2,x1,x2 の値を求めなさい. (4) 0 < h2 < h1 < h であるとき,x1 = x2 となる条件を求めなさい.
図-2 2 つの小孔を有する水槽からの放水
専門科目(二)水理学
4
4. 図-3 のような一様勾配斜面の開水路で発生する跳水について考える.底面摩擦は無視
する.斜面勾配を tan,流体の密度を,重力加速度を g,水路の単位幅流量を q,区
間 I-II 間の距離を L とする. (1) 水平床( = 0)のときの水深比 h1/ h2 を表す式を求めなさい.ただし,下流側検査断面
II におけるフルード数 Fr2 を用いること. (2) 角度 > 0 で水路が傾斜しているとき,区間 I-II における運動量保存式を示しなさい.
なお,区間 I-II の跳水部分の単位幅あたりの質量 W は,この区間の断面形を台形近似
して,下式のように表されるものとする.
W = gL
2h1 + h2( )
(3) 角度 > 0 で水路が傾斜しているとき,Fr2 を用いて水深比 h1/ h2 を表す式を求めなさい.
図-3 傾斜開水路上の跳水
[水理学 最終ページ]
令和 2 年度
神戸大学大学院工学研究科 博士課程前期課程入学試験
市民工学専攻
専門科目(二): 土質力学
問題用紙の枚数 ページ番号
土質力学 3 枚 1, 2, 3
解答用紙の枚数
土質力学 4 枚
ただし,計算用紙を 1 枚配付
試験日時:令和元年 8 月 26 日(月) 14:30〜15:30
専門科目(二)土質力学
1
[土質力学]
1. 盛土施工に用いる土を用いて締固め試験を行った.ある試験段階において,土を締め固
めた後に容積 1000 cm3のモールド内を占める土の質量は 1825 g であった.また,モー
ルド内の土を採取して含水比を計測したところ,12.5 %であった.水の密度を 1.00 g/cm3,
土粒子の密度を 2.70 g/cm3 として,以下の問に答えなさい.
(1) 締め固められた土の湿潤密度 t (g/cm3)を求めなさい.
(2) 締め固められた土の間隙比eを求めなさい.
(3) 締め固められた土の飽和度 rS (%)を求めなさい.
(4) この土を同じ様に締め固めた後に,土が入ったモールドを水中に浸したところ,土の飽
和度が90 %になった.土の含水量の増分(g)を求めなさい.また,浸水後の土の湿潤
密度 t (g/cm3)を求めなさい.ただし,浸水中の土の体積変化と間隙空気の圧縮性は
無視できるものとする.
専門科目(二)土質力学
2
2. 厚さ 5.0 m の均質な正規圧密粘土層の下面には不透水層があり,上面には透水性の良い
薄い砂層がある.この粘土層に一様な荷重 54 kN/m2 が載荷された時,以下の問に答
えなさい.なお,この粘土層から採取した試料を用いて,現場と同じ荷重を再現した室
内圧密試験(試料厚さ 4.0cm,両面排水条件)を実施したところ,50%圧密に達するの
に 30 分を要した.また,この粘土の体積圧密係数は vm 0.003m2/kN(一定),時間係数
は v50%T 0.195 とする.
(1) この粘土の圧密係数を求めなさい.ただし,単位も明記すること.
(2) この粘土層が50%圧密に達するのに必要な時間(日)を求めなさい.
(3) この粘土層の50%圧密時における沈下量(m)を求めなさい.
専門科目(二)土質力学
3
3. 練り返した粘土試料から三軸試験用の飽和供試体を作成し,圧密非排水圧縮せん断試
験を実施した.供試体は,300 kPa まで等方圧密され,せん断前には正規圧密状態にあ
る.せん断過程では,側圧が一定に保たれ,軸圧縮により生じる軸圧が 500 kPa に至っ
たときに,供試体は破壊状態に達した.この粘土試料を正規圧密状態から非排水せん断
したときの破壊時の間隙水圧係数 Af は 1.0 であることが分かっている.以下の問に答
えなさい.
(1) 供試体が破壊状態に達したときの過剰間隙水圧がいくらになるか,求めなさい.
(2) 破壊時における有効応力表示のモールの応力円を描きなさい.また,モール・クーロン
の破壊線も図示したうえで,有効内部摩擦角 ’を求めなさい.ただし,有効粘着力 c ’
はゼロとする.
(3) 非排水強度増加率 u 0c p を求めなさい.
(4) 同様の飽和供試体を300 kPaまで等方圧密した後,等方除荷して過圧密状態に至らしめ
て,非排水せん断した.この過圧密粘土供試体の過圧密比OCRと破壊時の間隙水圧係
数Afとして最も適切な関係を図-1の①~③から選び,その理由を「ダイレイタンシー」
という語句を用いて簡潔に答えなさい.
[土質力学 最終ページ]
図-1 過圧密比と破壊時の間隙水圧係数の関係
過圧密比OCR
破壊
時の間
隙水
圧係
数A
f
1
1.0
0.0
(正規圧密状態)
①
②
③
令和 2 年度
神戸大学大学院工学研究科 博士課程前期課程入学試験
市民工学専攻
専門科目(二):土木計画学
問題用紙の枚数 ページ番号
土木計画学 3 枚 1, 2, 3
解答用紙の枚数
土木計画学 4 枚
ただし,計算用紙を 1 枚配付
試験日時:令和元年 8 月 26 日(月) 16:00〜17:00
専門科目(二)土木計画学
1
[土木計画学]
1. 線形計画問題に関する以下の問に答えなさい.
(1) 次の線形計画問題(主問題)をシンプレックス法で解き最適解を求めなさい. Maximize f = 4x1 + 6x2
subject to
0,0
9052
27
21
21
21
xx
xx
xx
(2) (1)の主問題の双対問題を示しなさい.ただし,解答の際には主問題の 1 つ目の制約条
件(a)に対する双対変数を y1,2 つ目の制約条件(b)に対する双対変数を y2 とおきなさ
い.その上で,双対問題の最適解を答えなさい. (3) (1) の主問題における制約条件(a),(b) の右辺定数の 1 の増加は,目的変数 f にどの
ように影響するか,それぞれ答えなさい.
2. 𝑓(𝑥) = 𝑥 + 𝑥 − 𝑥 + 6𝑥 + 2 の極値を求める問題を,x の初期値を x0 = 1 とした
ニュートン法により近似的に解こうとした場合,近似解が収束しないことを数値的に
示しなさい.
(a)
(b)
専門科目(二)土木計画学
2
3. 近年ハッキングによる被害が頻発している.A 君は銀行口座や各種の会員認証用に n 種
類のパスワードのリストを作成し,その中から適宜ひとつを選んで定期的に変更し使用
しているが,しばらくアクセスしていなかった口座の認証ページにパスワードを入力し
ようとして,どのパスワードを使っていたかを忘れてしまったことに気がついた.認証
されるパスワードは n 種類のうち 1 種類のみである.以下の問に答えなさい.
(1) 手元のリストに記載されている n 種類のパスワードからランダムにひとつを選んで試
し,認証に失敗した場合はそのパスワードをリストから外して別のパスワードをランダ
ムに選び試す,という方法をとる場合,r 回目に認証に成功する確率 p(r)を求めなさい.
ただし,何度認証に失敗してもロックされないものとする. (2) (1)の方法で試行する時,認証に成功するまでの試行回数 X の平均値 E (X)を求めなさい. (3) 同様に,試行回数 X の分散 Var(X)を求めなさい. 4. ある工場では,海水から物質 C を抽出する方法について検討している.従来からの抽出
法 A による海水1トンあたりの物質 C の抽出量は平均𝜇 ,分散𝜎 ,新たな抽出法 B で
得られる抽出量は平均𝜇 ,分散𝜎 の正規分布にそれぞれ従うとする.なお,分散𝜎 ,𝜎
は既知と仮定する.いま,抽出法 A で抽出作業を 10 回実施したところ,以下の量 xAi
(i=1,…, 10)が抽出された. 55.17,56.65,56.72,57.56,58.27,56.58,57.08,57.13,57.92,56.21 (単位:mg) また,新たな抽出法 B で抽出作業を 8 回実施したところ,以下の量 xBj(j=1,…, 8)が抽
出された. 58.59,58.45,59.64,58.64,58.00,57.03,57.33,57.80 (単位:mg) xAi,xBj は互いに独立であるものとして,以下の問に答えなさい.
(1) 標本平均�̅� ,�̅� ,および両者の差(�̅� − �̅� )が従う確率分布を,𝜇 ,𝜇 ,𝜎 ,𝜎 を用い
て示しなさい. (2) 2 つの抽出法による抽出量の平均𝜇 と𝜇 に差があるかどうか,帰無仮説 H0 と対立仮説
H1 を立て,有意水準 α = 0.05 で検定しなさい.ただし, 𝜎 = 0.270, 𝜎 = 0.156で
ある. (3) 新しい抽出法 B を開発した会社は「この抽出法だと抽出量は抽出法 A に比べ海水1ト
ンあたり 1mg 以上増加する」と宣伝している.これが正しいかどうかを検定するため
の帰無仮説 H0 と対立仮説 H1 を立てなさい.
専門科目(二)土木計画学
3
表-1 正規分布表
[土木計画学 最終ページ]