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Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism 農産品物流の現状の問題認識と 現在の取組状況 平成281221国土交通省 資料7

農産品物流の現状の問題認識と 現在の取組状況 - …...Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism 農産品物流の現状の問題認識と 現在の取組状況

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Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism

農産品物流の現状の問題認識と現在の取組状況

平成28年12月21日国土交通省

資料7

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農産品・食品物流を巡る課題

生産地

生産地

生産地

《 流通構造イメージ図 》

集出荷・農協等

卸売業者

外食産業

食品小売業者等

消費者

卸売市場

食品製造業者

《 課 題 》 《 考え得る対策 》

「規模の経済」が機能していない

3.卸売市場

2.生産者

4.小売

1.全体

①荷量の予測が可能なシステム

①施設容量や設備の改善

①小売業者と連携し、納品時間や納品条件(パレットの使用等)指定の工夫②施設容量や設備の改善

①小ロットの貨物をアレンジしてまとめる主体の育成②共同配送の実現

③長期保管を可能とする鮮度保持輸送技術の普及④多温度帯トラックの導入促進⑤多層構造の流通システム改善⑥モーダルシフト(トラック⇒鉄道、船)

⑦一貫パレチゼーション(パレット、折り畳みコンテナ)の推進⑧バーコード、RFID等の活用⑨IT活用による附帯作業の効率化や荷待ち時間の短縮

⑩KPIの設定(容積を含めた積載率の把握

荷役作業が非効率

生産者毎/単協毎の出荷による非効率

多様な包装、パレットがバラバラ

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写真:大田市場

写真:大田市場

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農産品物流の実態 (トラック積載状況について)

〇 容積では「満載」にも関わらず、輸送トン数では低積載率となっているケースが見受けられる。(重量物は、水分量による過積載防止の観点から積載抑制する事例もある)

はくさい/大根 しいたけ/ピーマン重量物 軽量物

しいたけの満載状況(13t積載可能車両に6~8t)

はくさい満載状況(13t積載可能車両に10~12t)

大根 積載状況(荷下ろし途中のため、一部空間あり)

(13t積載可能車両に、10~12t)

ピーマン 積載状況(荷下ろし途中のため、一部空間あり)

(13t積載可能車両に6~8t)

大田市場でのドライバーヒヤリング(H28年10月)より物流政策課作成 3

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農産品物流の実態 (パレット使用状況について)

〇 荷積み、荷卸し時にバラの積み卸し作業が発生するなど、非効率な荷役作業が発生している。

生産地から集められた商品を、保管する際に様々なサイズのパレット等に保管。

パレットの紛失防止等のため、出荷する際にバラ積みもしくは、ドライバーが持ち込んだパレットに積替え

バラ積み

様々なパレット T11型パレット

積替え作業

フォークリフトで積込みバラおろし

作業時間2~3時間/車 作業時間2~3時間/車

作業時間2~3時間/車 作業時間20~40分/車

フォークリフトで荷卸し

作業時間20~40分/車

【大田市場でのドライバーヒヤリング、宮崎県トラック協会ヒヤリング】

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トラック運転者の労働時間の実態

1運行あたりの手待ち時間の分布

出典:トラック輸送状況の実態調査(H27)

【手待ち時間の有無別】

【輸送品類別】

1運行あたりの拘束時間とその内訳

農水産品

○ 農産品の輸送においては、手待ち時間及び荷役時間が課題となっており、これらの改善が必要不可欠。

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流通業務の総合化及び効率化の促進に関する法律の一部を改正する法律(概要)(物流総合効率化法の一部改正)

多様な関係者の連携により物流ネットワーク全体の省力化・効率化をさらに進める枠組みが必要

支援措置主務大臣による基本方針策定と「総合効率化計画」の認定

改正前

モーダルシフト

地域内配送共同化

輸送機能と保管機能の連携

他社との混載や運行頻度の改善等、各社それぞれで行っていた輸送の共同化により、過疎地域内のムダのない配送を実現

総合物流保管施設にトラック営業所併設、予約システム導入等の輸送円滑化措置を講じ、待機時間のないトラック輸送を実現

大量輸送が可能で環境負荷の少ない鉄道・船舶も活用した輸送

二以上の者の連携を前提に、輸送の効率化や共同化、輸送と保管の連携など、様々な取組みを対象にできるよう、枠組みを柔軟化大規模で高機能な倉庫が必須

対象を拡充・再編

総合効率化計画の作成(事業者)

改正後

【例えば】

人口減少が見込まれ労働力不足が顕在化しつつある中、我が国産業の持続的成長と豊かな国民生活を支えていくことが、物流に強く求められている。

フェリーでトラック輸送をする際、ドライバーを乗船させず、トラックのみを輸送する(無人航走)

(A事業者ドライバー) (B事業者ドライバー)

異業種の複数荷主が連携して必要な貨物量を確保し、貨物列車を運行

貨物駅

貨物駅

各社倉庫

各社倉庫

小売A社

食品B社

製薬C社

飲料D社

空A社貨物

A社倉庫

B社倉庫

店舗

空B社貨物

空A社貨物

店舗

B社貨物

A社倉庫

B社倉庫

A社トラック

A社トラック

B社トラック

A社

B社

C社

宅配便事業者

貨客混載

集落の

中心拠点

貨物輸送の

「共同化」

周辺集落

過疎地等

共同集配

〇高速道路のインターチェンジ等の主要交通インフラに近接

〇トラック営業所又はトラック予約受付システムを導入した物流施設

(トラック予約受付システム)トラックドライバーが、物流施設内の作業状況を確認して、到着時間を予約できるシステム

総合物流保管施設 トラック営業所

〇輸送、保管、荷さばき、流通加工

を一体的に行う総合的な物流施設

(流通加工)

商品のラベル貼り、箱詰め、部品等の簡易な組み立て等

1.H28予算【一般会計:(38百万円)】○モーダルシフト等推進事業

・計画策定経費補助・モーダルシフト等運行経費補助

【エネルギー対策特別会計(37億円)】○物流分野におけるCO2削減対策促進事業・シャーシ・コンテナ、共同輸配送用車両等の購入補助

2.税制上の特例※税制大綱において、物流総合効率化法の改正を前提に

次の措置を講じることとされている。

① 輸送連携型倉庫の建物整備(所得・法人税5年間割増償却10%)(固定資産・都市計画税 5年間倉庫:1/2 付属設備:3/4)

② 旅客鉄道による貨物輸送貨物用車両、貨物搬送装置

(固定資産税5年間 2/3 等)

4.中小企業者に対する支援・中小企業信用保証協会による債務保証の上限の引き上げ等

6.事業開始における手続簡素化・新規路線での貨物鉄道の運行、カーフェリーの航路新設の許可みなし・自社貨物に加えて、他社の貨物の輸送も請け負う場合のトラック事業の許可みなし・過疎地等の地域内配送の共同化のための軽トラック事業の届出みなし・自家用倉庫を輸送連携型倉庫に改修して他業者に供用する際の倉庫業の登録みなし

3.立地規制に関する配慮・市街化調整区域の開発許可の配慮等

5.食品生産業者等に対する支援

・食品流通構造改善促進機構による債務保証等

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〇 食品メーカー大手6社が、食品企業物流プラットフォームの構築について合意。〇 食品業界全体で効率的で安定した物流体制を実現し、物流の質を高める狙い。〇 物流拠点の共同利用や配送の集約により、トラックの積載率を高め、輸送効率の向上を図る。

食品物流 (共同配送 事例)

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持続可能な食品物流の実現を目指した食品企業物流プラットフォームの構築と運営【平成28年度グリーン物流パートナーシップ会議 国土交通大臣表彰】

モーダルシフト共同配送

味の素ハウス⾷品

物流拠点の共同利用

第15回グリーン物流パートナーシップ会議(H28.12.14)講演資料より抜粋

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農産品物流 (鮮度保持輸送 事例)

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〇汎用コンテナ(鉄道12FTコンテナ)に、冷却システムと氷感システムを付加し、生鮮品などを凍らせることなく、長期にわたって鮮度を保持出来るコンテナ〇平成28年11月~平成29年1月実証を経て、平成29年4月から量産化およびサービス提供開始を目指す。

鉄道コンテナ(氷感SO庫)を活用した新たな物流の実現に向けた共同トライアルの実施

高電圧方式の鮮度保持コンテナ冷蔵したコンテナ内部に高電圧・定電流で電場を形成することで、冷結点でも凍らせず、食品などの鮮度を維持しながら、長期保存ができるコンテナ。

【高電圧方式の効果事例】

氷感システム

冷凍機

氷感電圧制御プレート

特殊塗料

真空断熱材

外部電源DC360V/DC24V

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佐川急便㈱ニュースリリースより抜粋

JR貨物・南関東ロジスティクスパンフレットより抜粋

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〇 嬬恋キャベツの輸送(嬬恋~築地市場等)の帰り荷を確保(雑貨、日用品、加工食品等)し、共同集配する取り組み。

〇 この取り組みにより、実車率の向上による物流効率化を図る。

農産品物流 (帰り荷取組 事例)

計画内容

実施事業者

㈱群馬グリーン配送/美才治運輸㈱JA嬬恋・大笹支所

JA嬬恋 築地市場等

築地市場等

埼玉県北部群馬県南部物流センター

凡例

トラック

鉄道輸送

鉄道貨物駅

嬬恋キャベツ輸送の帰り荷共配【平成28年度モーダルシフト等推進事業(計画策定経費補助)採択案件】

90%

10%

実施前

JA嬬恋

鉄道貨物駅

築地市場周辺物流センター等

60%

凡例

トラック

鉄道輸送

加工食品等

㈱群馬グリーン配送ラッピングトラック

鉄道輸送へ一部モーダルシフト(省人化、コスト抑制等)

帰り荷共同化90%JA嬬恋 築地市場等

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他業界の取組 (医薬物流等)

〇 大塚グループ(医薬、飲料等)の物流を担う大塚倉庫㈱は、「納品時滞留時間の削減」に向けて、①Web予約システムの導入、②入庫時検品の廃止、③納品伝票と受領印の電子化〇それにより、ドライバーの拘束時間の大幅削減、配送効率向上、卸企業の庫内作業効率化等を実現。

写真とネット予約で物流の効率化 【2016年ロジスティクス大賞(JILS)】

従来

電子化

・紙ベースでの検品

・商品の写真撮影※入庫検品なし

・スマホで受領・リアルタイムで共有

・受領印での受領・受領書の持ち帰り

・デジタルデータ管理・キーワード検索可能

・受領書(紙)管理・判取り

トラック1台あたりの滞留時間 約32%(48.8分⇒16分)車両回転率 約150%(2回転⇒3回転) 等

主な効果

10ロジスティクス全国大会2016講演資料より、一部抜粋

・先着順での納品

・スマホで入庫予約

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長時間労働の改善等に向けたパイロット事業(実証実験)について

現状分析を踏まえ、当該集団の課題を設定し、この課題を解決する手段を検討する。

<課題の例> 手待ち時間・拘束時間関係

• すべての農家の荷が揃うタイミングがわからず、手待ち時間が発生

• 出勤時間が実態に即していない

荷役作業関係

• 農産品の仕分けが徹底されていない

現状分析

実験に参加する事業者と、コンサルタントが連携し、当該集団における運送取引の実態を把握。(打合せや事業場の訪問を複数回実施。)

<参加集団の例> 発荷主(農協) 元請運送事業者 下請運送事業者 着荷主(青果市場)

課題の洗い出し、解決手段の検討 実証実験

設定した課題に対する解決策を実証する。

<実験の例>

手待ち時間・拘束時間の縮減

• 集荷と出荷のタイミングをずらす。

• 出荷時間に合わせて、ドライバーの出勤時間を後ろ倒す

荷役作業工程の見直し

• 仕分け作業の徹底(色分けして見間違いをなくすなど)

実験結果検証

コンサルタント

発荷主着

荷主

着荷主

元請下

パイロット事業の実施例(福島県)

○発荷主都合による手待ち時間が発生○着荷主都合による手待ち時間が発生○長時間運転や長時間労働による拘束時間が長い○附帯作業に伴う拘束時間が長い

全体的に見られる取組課題

関係者が協力して課題の改善策を検討、パイロット事業の実施

農産品を荷種とするパイロット事業(平成28年度)

青森県、山形県、福島県、群馬県、愛媛県、熊本県、宮崎県

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・ 仕分け・検品等の附帯作業や荷待ち待機等、運送以外の業務に係る費⽤については、運賃とは別のものとして契約上明確化・ 着荷主側の荷待ち待機に関する費⽤について、発荷主と着荷主との間で契約上明確化

トラック運送業の取引条件の改善に向けた荷主への働きかけについて

○ トラック運送業における取引条件の改善に当たっては、荷主への理解と協力が必要不可欠。

○ このため、根本国土交通大臣政務官から関係省庁に対し、以下の「具体的な取組」を踏まえた取り組みを進めていただくよう荷主企業に対する働きかけを要請。

・ 運⾏管理者の選任、最低保有台数の維持、社会保険・労働保険の加⼊等の法令を遵守しない事業者との取引の禁⽌・ 運送契約締結に当たっては書⾯化を原則とし、附帯業務や荷待ち待機、⾼速道路料⾦等の⽀払いについても明記

・ 待ち時間、特に着荷主側における荷待ち時間の解消に向けた取組への理解と協⼒(トラック事業者との⾯談等による課題の具体的な把握等)

・ トラックドライバーの⻑時間労働の改善に向け、発荷主が中⼼となって着荷主及びトラック事業者との間で定期的に協議する等、荷主とトラック事業者の協⼒体制の確⽴

・ ⼀律○%減の原価低減要請や燃料価格等の変動分が考慮されない価格決定の禁⽌・ トラック運送業者との⼗分な協議を踏まえた運賃・料⾦の決定

○ 価格決定方法の適正化

○ コスト負担の適正化

○ 契約の相手方・方法の適正化

○ 長時間労働の削減

「具体的な取組例」

○ 12月1日(木)15:20~ 於:農林水産省 国土交通省根本大臣政務官より、農林水産省細田大臣政務官に対し要請

○ 12月6日(火)10:00~ 於:経済産業省 〃 経済産業省松村副大臣に対し要請

【関係省庁への協⼒要請】

<参考>

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