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35 宮崎医会誌 2013 ; 37 : 35-8. 症  例 はじめに 胎児腹腔内臍帯静脈瘤は胎内の臍帯静脈が限局 的に瘤状拡張を呈する稀な疾患である。その週数 における平均臍帯静脈径の+2SDを超過する拡張を 呈することが診断基準とされている 1) 。胎児腹腔内 臍帯静脈瘤を認めた場合,子宮内胎児死亡や胎児 染色体異常等を伴うと報告されており 1) ,慎重な管 理が必要である。胎児腹腔内臍帯静脈瘤の症例を 経験したので文献的考察を加えて報告する。 患者:25歳,女性。既往歴:特記事項なし。妊娠・ 分娩歴:1経妊,0経産。現病歴:自然妊娠成立後, 近医にて妊婦健診を施行された。妊娠経過に特に問 題はなかった。骨盤位のため当院での妊娠,分娩管 理を希望され,妊娠33週3日に当院を紹介受診した。 経過:妊娠34週5日の経腹超音波断層法で児の臍帯 付着部直下,臍帯動脈分岐部の直上に径14mm大の 嚢胞を認めた(図1,図2)。同部位にドップラ一 法で内部に血流を認め,胎児腹腔内臍帯静脈瘤と診 断した。経腹超音波断層法で心形態異常を含め,胎 児に明らかな形態異常を認めず,皮下浮腫,胸腹水 の貯留などの胎児水腫の所見を認めなかった。胎児 腹腔内臍帯静脈瘤は胎児水腫の初期状態である場合 があること,臍帯静脈瘤内の血栓による子宮内胎児 死亡の報告があることを考慮し,入院の上で経過観 察を行う方針とした。入院後は連日胎児心拍数陣痛 図,経腹超音波断層法を施行し,BPS(Biophysical profile score)による胎児の健常性の確認を行うと ともに,胎児水腫発症の有無,胎児腹腔内臍帯静脈 瘤径,静脈瘤内の血栓形成の有無について観察を 当院にて管理した胎児腹腔内臍帯静脈瘤の1例 林  広典 城戸  咲 庄野真由美 田中 章子 高村 一紘 永山 志穂 大神 達寛 谷口 秀一 嶋本 富博 要約:胎児腹腔内臍帯静脈瘤は胎内の臍帯静脈が限局的に瘤状拡張を呈する稀な疾患である。症例は 25歳,1経妊0経産で自然妊娠成立後,妊娠33週の妊婦健診で臍帯静脈分岐部に径14mm大の臍帯静 脈の拡張を認め,内部に血流を認めた。胎児腹腔内臍帯静脈瘤と診断し,入院管理とした。胎児に明 らかな形態異常を認めず,連日胎児心拍数陣痛図,経腹超音波断層法を施行し,胎児の健常性の確認, 胎児水腫の有無,胎児腹腔内臍帯静脈瘤径,静脈瘤内の血栓形成の有無等について観察を行った。臍 帯静脈瘤は最大径16.0mmまで拡張したが,静脈瘤内に明らかな血栓形成なく,妊娠経過に問題はなかっ た。瞬帯静脈瘤内の血栓形成の危険性を考慮し,早期の娩出を図ることとし,妊娠37週0日に骨盤位 の適応で帝王切開分娩を行い,2624gの女児を得た。産後母児ともに経過は良好であった。胎児腹腔内 臍帯静脈瘤は胎児に心形態異常,胎児水腫,染色体異常等を合併し,子宮内胎児死亡が8.1%と高率で あると報告されており,慎重な管理が必要と思われる。しかし,その管理方法についてはいまだ意見 の一致をみておらず,今回もその対応に苦慮した。子宮内胎児死亡の発症時期を予見することは困難 であるが,胎児死亡の危険性を推測し,頻回の胎児健常性の確認,適切な妊娠帰結の設定を行うこと は胎児腹腔内臍帯静脈瘤の管理に必要であると考える。 〔平成24年12月10日入稿,平成25年1月24日受理〕 宮崎県立宮崎病院産婦人科(宮崎市)

当院にて管理した胎児腹腔内臍帯静脈瘤の1例 - Med...図2.胎児腹部−水平断面図(color doppler). 妊娠34週.矢印が胎児腹腔内臍帯静脈瘤.点線が臍帯静

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Page 1: 当院にて管理した胎児腹腔内臍帯静脈瘤の1例 - Med...図2.胎児腹部−水平断面図(color doppler). 妊娠34週.矢印が胎児腹腔内臍帯静脈瘤.点線が臍帯静

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宮崎医会誌 2013 ; 37 : 35-8.

症  例

は じ め に

 胎児腹腔内臍帯静脈瘤は胎内の臍帯静脈が限局的に瘤状拡張を呈する稀な疾患である。その週数における平均臍帯静脈径の+2SDを超過する拡張を呈することが診断基準とされている1)。胎児腹腔内臍帯静脈瘤を認めた場合,子宮内胎児死亡や胎児染色体異常等を伴うと報告されており1),慎重な管理が必要である。胎児腹腔内臍帯静脈瘤の症例を経験したので文献的考察を加えて報告する。

症 例

患者:25歳,女性。既往歴:特記事項なし。妊娠・分娩歴:1経妊,0経産。現病歴:自然妊娠成立後,近医にて妊婦健診を施行された。妊娠経過に特に問

題はなかった。骨盤位のため当院での妊娠,分娩管理を希望され,妊娠33週3日に当院を紹介受診した。経過:妊娠34週5日の経腹超音波断層法で児の臍帯付着部直下,臍帯動脈分岐部の直上に径14mm大の嚢胞を認めた(図1, 図2) 。同部位にドップラ一法で内部に血流を認め,胎児腹腔内臍帯静脈瘤と診断した。経腹超音波断層法で心形態異常を含め,胎児に明らかな形態異常を認めず,皮下浮腫,胸腹水の貯留などの胎児水腫の所見を認めなかった。胎児腹腔内臍帯静脈瘤は胎児水腫の初期状態である場合があること,臍帯静脈瘤内の血栓による子宮内胎児死亡の報告があることを考慮し,入院の上で経過観察を行う方針とした。入院後は連日胎児心拍数陣痛図,経腹超音波断層法を施行し,BPS(Biophysical profile score)による胎児の健常性の確認を行うとともに,胎児水腫発症の有無,胎児腹腔内臍帯静脈瘤径,静脈瘤内の血栓形成の有無について観察を

当院にて管理した胎児腹腔内臍帯静脈瘤の1例

林  広典 城戸  咲 庄野真由美 田中 章子

高村 一紘 永山 志穂 大神 達寛 谷口 秀一

嶋本 富博

要約:胎児腹腔内臍帯静脈瘤は胎内の臍帯静脈が限局的に瘤状拡張を呈する稀な疾患である。症例は25歳,1経妊0経産で自然妊娠成立後,妊娠33週の妊婦健診で臍帯静脈分岐部に径14mm大の臍帯静脈の拡張を認め,内部に血流を認めた。胎児腹腔内臍帯静脈瘤と診断し,入院管理とした。胎児に明らかな形態異常を認めず,連日胎児心拍数陣痛図,経腹超音波断層法を施行し,胎児の健常性の確認,胎児水腫の有無,胎児腹腔内臍帯静脈瘤径,静脈瘤内の血栓形成の有無等について観察を行った。臍帯静脈瘤は最大径16.0mmまで拡張したが,静脈瘤内に明らかな血栓形成なく,妊娠経過に問題はなかった。瞬帯静脈瘤内の血栓形成の危険性を考慮し,早期の娩出を図ることとし,妊娠37週0日に骨盤位の適応で帝王切開分娩を行い,2624gの女児を得た。産後母児ともに経過は良好であった。胎児腹腔内臍帯静脈瘤は胎児に心形態異常,胎児水腫,染色体異常等を合併し,子宮内胎児死亡が8.1%と高率であると報告されており,慎重な管理が必要と思われる。しかし,その管理方法についてはいまだ意見の一致をみておらず,今回もその対応に苦慮した。子宮内胎児死亡の発症時期を予見することは困難であるが,胎児死亡の危険性を推測し,頻回の胎児健常性の確認,適切な妊娠帰結の設定を行うことは胎児腹腔内臍帯静脈瘤の管理に必要であると考える。 〔平成24年12月10日入稿,平成25年1月24日受理〕

宮崎県立宮崎病院産婦人科(宮崎市)

Page 2: 当院にて管理した胎児腹腔内臍帯静脈瘤の1例 - Med...図2.胎児腹部−水平断面図(color doppler). 妊娠34週.矢印が胎児腹腔内臍帯静脈瘤.点線が臍帯静

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宮崎医会誌 第37巻 第1号 2013年3月

図1.胎児腹部−水平断面像(color doppler).妊娠34週.矢印の腫瘤が胎児腹腔内臍帯静脈瘤.臍帯は膀胱の両側を分岐して走る2本の臍帯動脈と静脈管につながる1本の臍帯静脈から構成されている.本症例の臍帯静脈瘤は胎児腹腔内の臍帯付着部直下,臍帯動脈分岐部の直上に限局して形成されていた.BL:膀胱.

図2.胎児腹部−水平断面図(color doppler).妊娠34週.矢印が胎児腹腔内臍帯静脈瘤.点線が臍帯静脈瘤の直径である.BLは膀胱.

図3.臍帯静脈径とBPSの経時変化.

行った。臍帯静脈瘤は最大径16.0mmまで拡張したが,静脈瘤内に明らかな血栓形成はなく,胎児水腫の出現もなく経過した(図3) 。臍帯静脈瘤内の血栓形成による突発的な子宮内胎児死亡の危険性を考慮し,満期に入り次第妊娠を帰結する方針とした。妊娠37週0日に骨盤位の適応で帝王切開分娩を行った。児は2624gの女児で,Apgar score 1分値8点,5分値9点,臍帯動脈血pH 7.374であった。出生1 時間後に児の経腹超音波断層法を施行したが,臍帯

動静脈は虚脱しており,静脈瘤は確認できなかった。児に明らかな形態異常はなく,心臓超音波断層法で心形態異常を認めなかった。産後母児ともに経過は良好であった。

考 察

 胎児腹腔内臍帯静脈は通常肝外の臍帯静脈部を指す1)。 胎児腹腔内臍帯静脈径は,妊娠15週頃に直径約2-3mmとなり,妊娠週数が進むにつれて拡張していき,妊娠満期には約7-8mmへ達する2) 。胎児腹腔内臍帯静脈瘤は臍帯静脈の限局的な瘤状の拡張を呈する疾患で,発症頻度は0.11%とされている1)。その発生要因は不明であるが,これまでの報告では胎児腹腔内臍帯静脈瘤は妊娠22週から33週の間に発見されており,16週から19週に発見された例はないことから,先天的な疾患ではなく,後天的な疾患といわれている2,3) 。胎児血管で,肝外,腹腔内の臍帯静脈が構造的にも最も脆弱であり,同部位が高い圧力の血流を受けるため拡張するとされており,臍帯静脈の還流圧が腹腔内臍帯静脈径の拡張を引き起こしている可能性がある4)。胎児腹腔内臍帯静脈瘤は超音波所見で平均臍帯静脈径の+2SDを超える拡張を呈することが診断基準とされており1),これまで最大径85mmの胎児臍帯静脈瘤を認めた報告がある6)。

 胎児腹腔内臍帯静脈瘤を認めた場合,胎児奇形,染色体異常,子宮内胎児死亡等の合併症を伴うことが指摘されている1)。

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林  広典 他:胎児腹腔内臍帯静脈瘤の管理経験

 胎児腰腔内臍帯静脈瘤に伴う合併症は1992年にMahonyら2)によって初めて指摘され,胎児腹腔内臍帯静脈瘤を認めた場合,子宮内胎児死亡が44%に起こると報告している。Fungら7)による胎児臍帯静脈瘤91例の症例検討によると,21 trisomyを始めとする胎児染色体異常が約9.9%,胎児形態異常が約31.9%であった。胎児染色体異常を伴う例では約88.9%に形態異常を認めた。胎児形態異常としては,心室中隔欠損症,心房中隔欠損症等の心形態異常,胎児水腫および貧血が挙げられた。子宮内胎児死亡は約13%で,正常の分娩に至った症例は約59.3%であった。また妊娠26週以前に胎児腹腔内臍帯静脈瘤と診断された場合は,子宮内胎児死亡率は約26% にも上昇した。心形態異常や染色体異常を伴わず,胎児腹腔内臍帯静脈瘤のみを有する症例でも子宮内胎児死亡に至った症例は約8.1%であった。2010年における日本の母子統計で妊娠22週以降の死産率は0.34%であることと比すると高率であり,胎児腹腔内臍帯静脈瘤そのものが子宮内胎児死亡を引き起こす因子であると考えられる。臍帯静脈瘤内の血栓形成が死亡原因であった症例8,9)が報告されているが,その数は少なく,臍帯静脈瘤がどのような機序で子宮内胎児死亡を引き起こしているか明らかになっていない。 胎児腹腔内臍帯静脈瘤は高率に児の合併症,子宮内胎児死亡を引き起こすため,多くの文献で慎重な妊娠管理を推奨している。しかし,Valskyら10)は,超音波検査で胎児奇形および染色体異常を疑う所見がないことを確認したうえで外来管理とし,胎児心拍数陣痛図および超音波検査を週3−4回ずつ行い,1日5回の胎動確認を母体に指示するという管理を行ったにもかかわらず,妊娠35週に子宮内胎児死亡となった症例を報告している。子宮内胎児死亡を引き起こす原因は不明な部分も多いため,その発症も予見することが困難であると考えられる。 また分娩管理関しては多くの症例報告が制限を設けることなく,満期産での経腟分娩としているが,Valskyら10)は子宮内胎児死亡の可能性が高いため,妊娠34週での分娩を推奨しており,Zalelら11)も,児の肺成熟が確立され次第分娩とすべきとしている。しかし,分娩時期について一定した見解がない。

 検索する限り,日本では胎児腹腔内臍帯静脈瘤に関して大規模な症例の集積検討した報告はない。本症例では以上の海外の文献を参考とし,子宮内胎児死亡を含めた児の合併症について患者および家族に十分説明を行い,分娩まで入院管理とした。Fungら7)の報告に当てはめると,本症例では胎児腹腔内臍帯静脈瘤以外に明らかな形態異常はないことから子宮内胎児死亡の確率は約8.1%であり,妊娠26週以降に胎児腹腔内臍帯静脈瘤を指摘された点からは子宮内胎児死亡の確率は約3.3%であり,いずれにせよ日本での妊娠22週以降の死産率より高率であると考えられた。子宮内胎児死亡の発症時期を予見することは困難であると思われたが,Valskyら10)の報告以上に慎重な胎児の健常生の確認を行うこととし,母体による胎動の確認,1日3回の胎児心拍数陣痛図,連日の経腹超音波断層法を施行し,児の健常性評価および胎児腹腔内臍帯静脈瘤径,胎児水腫,臍帯静脈瘤内の血栓形成の有無について観察した。羊水検査については諸検査で胎児異常を認める場合にのみ施行すべきとの提言があり7),それに準じて本症例では施行しなかった。本症例で人工早産の適応はないと考えたが,突発的な子宮内胎児死亡の危険性があり,その予測は困難であることから妊娠37週以降は速やかに妊娠帰結の方針とし,骨盤位の適応で妊娠37週0日に帝王切開術を施行し,生児を得た。出生後に児の診察を行い,出生前検査の如く,形態異常を認めず,児の心臓超音波検査でも心形態異常を認めなかった。

結 語

 胎児腹腔内臍帯静脈瘤を認めたが,生児を得た症例を経験した。胎児腹腔内臍帯静脈瘤は子宮内胎児死亡を高率に合併し,慎重な妊娠管理が求められる。しかし,その管理方法についてはいまだ意見の一致をみておらず,今回もその対応に苦慮した。本症例では諸家の報告を参考に,綿密な胎児の健常性評価を行い,満期での速やかな妊娠帰結を行って生児を得た。子宮内胎児死亡の発症時期を予見することは困難であり,今回の妊娠,分娩管理がどの程度子宮内胎児死亡の危険性を回避することに寄与できたか不明であるが,胎児死亡の危険性を推測し,頻回の

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宮崎医会誌 第37巻 第1号 2013年3月

胎児健常性の確認,適切な妊娠帰結の設定を行うことは胎児腹腔内臍帯静脈瘤の管理に必要であると考える。

参 考 文 献

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2) Mahoney BS, McGahan JP, Nyberg DA, et al : Varix of the fetal intra-abdominal umbilical vein : comparison with normal. J Ultrasound Med 1992 ; 11 : 73-6.

3) Estroff JA, Benacerraf BR. Fetal umbilical vein varix : sonographic appearance and postnatal outcome. J Ultrasound Med 1992 ; 11 : 69-73.

4) Nyberg D. Varix of the umbil ical vein. In Diagnostic Imaging of Fetal Anomalies, Nyberg D, McGahan J, Pretorius D, et al. Lippincott Williams & Wilkins : Philadelphia, PA, 2003 ; 113-5.

5) Volpe G, Resta L, Stefanelli R, et al : Varix of the extra-hepatic portion of the fetal intra-abdominal umbilical vein : pathogenesis, prenatal sonographic

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7) Fung TY, Leung TN, Leung TY, et al : Fetal intra-abdominal umbilical vein varix : what is the clinical significance? Ultrasound Obstet Gynecol 2005 ; 25 : 149-54.

8) Al len SL, Bagna l l C, Rober ts AB, e t a l : Thrombosing umbilical vein varx. J Ultrasound Med 1998 ; 3 : 189-92.

9) Viora E, Sciarrone A, Bastonero S, et a l : Thrombosis of umbilical vein varix. Ultrasound Obstet Gynecol 2002 ; 19 : 212-3.

10) Valsky DV, Rosenak D, Hoehner-Celnikier D, et al : Adverse outcome of isolated fetal intra-abdominal umbilical vein varix despite close monitoring. Prenatal Diagnosis 2004 ; 24 : 451-4.

11) Zalel Y, Lehavi O, Heifetz S, et al : Varix of the intra-abdomina l umbi l i ca l ve in ; prenata l sonographic diagnosis and suggested in utero management. Ultrasound Obstet Gynecol 2000 ; 16 : 476-8.

Management for Fetal Intra-abdominal Umbilical Vein Varix

Hironori Hayashi Saki Kido Mayumi Syouno Akiko TanakaKazuhiro Takamura Shiho Nagayama Tatsuhiro Ohgami Syuichi TaniguchiTomohiro Shimamoto

Department of Obstetrics and Gynecology, Miyazaki Prefectural Miyazaki Hospital, Miyazaki

Abstract Fetal intra-abdominal umbilical vein(FIUV)varix is a focal dilatration of the FIUV. It is reported that FIUV varix involves high rate of fetal loss or chromosomal abnormality. We report a case of successful deliverly for FIUV varix. A 25-year-old 1-gravida 0-parity woman had a check-up at our hospital for perinatal management at pregnancy 33 weeks. We found the focal dilatration of the FIUV, the diameter was 14mm on ultrasound examination. Color-flow imaging described the blood flow in the dilatration. We diagnosed FIUV varix, admitted her to our hospital. We confirmed reassuring fetal status on fetal cardiotocograph every day. We observed fetal hydrops, thrombosis in FIUV, and they didn't happen. We considered the risk of thrombosis, and performed cesarean delivery at pregnancy 37 weeks for breech presentation. The newborn infant was 2642g female, and had no abnormaly. Her progress after the operation was good, and she was discharged. It is reported that the fetal with FIUV varix has heart malformation, fetal hydrops, or chromosomal abnormality, and the rate of fetal loss is 8.1%. We need cautiously management for FIUV varix, but the concrete management has not decided.

Key words : fetal intra-abdominal umbilical vein varix, thrombosis, fetal loss