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重量物をハンドリングする⼩型移動ロボットの制御
東京⼤学⼈⼯物⼯学研究センター
太⽥ 順
物体ハンドリングする移動ロボット
http://www.youbot‐store.com/youbots/kuka‐youbot‐omni‐directional‐mobile‐platform‐with‐arm
Kuka Youbot
http://www.robotnik.eu/new‐mobile‐manipulator‐concept‐x‐wam/
X‐WAM
http://www.ros.org/news/2015/05/ridgeback‐the‐mobility‐solution‐for‐baxter.html
Baxter on RIDGEBACK
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移動ロボットの自重ペイロード比
名前 自重[kg] ペイロード[kg]
比
Kuka youbot 26.3 0.5 0.019Barrett TechnologyWAM Arm
25 4 0.16
Baxter Research Robot(移動マニピュレータではない)
139(台座付)
2.3 0.017
30kgのものを持とうとすると約190kgのロボットが必要
http://www.barrett.com/robot/products‐arm‐specifications.htmhttp://www.youbot-store.com/developers/hardware/hardware-specification
http://www.nihonbinary.co.jp/Products/Robot/Baxter/
→何らかの発想の転換が必要 3
台車を用いた物体の搬送
方針(人間が重量物を運ぶ際に工夫)
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道具の利用 環境の利用
従来研究
• 協調把持• 複数台の小型移動ロボットで物体を持ち上げて搬送
• [Hirata 2005][Khatib 1993][佐々木 2000]
• 環境の利用• 物体を持ち上げずに環境と接触させて搬送
• [大川 1993][栗栖 1995]
• 道具の利用• 棒や紐等の道具を利用して搬送• [Yamashita 1998][Donald 2000]
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持ち上げること自体が困難
床との摩擦が大きい
研究⽬的
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小型移動ロボット群による大型重量物の搬送手法の構築
台車の利用摩擦の軽減
持ち上げることが困難
アプローチ
物体を傾けるだけで操作
道具の利用
環境の利用
提案⼿法の動画
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床に置かれた安定状態
台車に積載された別の安定状態
初期状態 目標状態
4倍速
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台車の挿入方法の決定
各ロボットの移動経路計画
作業実行
物体情報(物体形状・重心位置)物体、ロボット、台車の初期位置
の入力
台車挿入計画• どこに台車を挿入するか• どこを押して物体を傾けるか• 操作手順
ハードウェア設計• エンドエフェクタの設計• 台車の設計移動ロボットの誤差修正手法
• 物体の位置・姿勢推定手法の実装
作業過程
台⾞挿⼊位置の最適化
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評価関数:ペナルティ関数法を適用
設計変数: 〜 :台⾞の台数
KS
KS →
K ≫ K ≫ K
ランダム多スタート局所探索法により求解
評価指標:目標状態における
転倒困難性
0 ⼆度⽬の傾斜が可能1 ⼆度⽬の傾斜が不可能
0 挿⼊過程で転倒しない1 挿⼊過程で転倒する
制約条件
0 ⽬標状態で転倒しない1 ⽬標状態で転倒する
: も倒れやすい方向の倒れにくさ:全方向の倒れにくさの総和
ハードウェア構成
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物体傾斜ロボット
• 2自由度(鉛直方向,手先姿勢)• ボールネジ駆動の直動機構
Kinectセンサ
• 高所で大きな反力に抗することができる機構
• 低限の自由度
台車搬送ロボット
レーザスキャナ
平行グリッパ
台車
把持箇所
柔軟物(スポンジ)
実環境への適⽤
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4倍速丸テーブル 棚
重量:7.8kg 重量:10.6kg
4倍速
実環境への適⽤ 〜考察〜
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協調把持の場合
可搬重量:2.5kg
提案手法の場合
低4台必要
低5台必要
重量:7.8kg
重量:10.6kg
2台のみで搬送可能
結論と今後の展望•結論
• ⼩型移動ロボットが台⾞を⽤いることで⼤型の重量物を搬送する⼿法を提案
• 台⾞積載過程のロボットの動作計画⼿法を構築• 提案⼿法を実機実現するための実機ロボットシステムを構築• 実機実験により,⼤型重量物の搬送に必要な移動ロボットの台数を半分以下に抑えることができることを証明
•今後の展望• とはいえ,⼤型物体を搬送しようとするといろいろと問題があった.
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台車とアウトリガを用いた物体の搬送
前述の方法の搬送手順[sakuyama2014]
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(1) 待機 (2) 押して傾斜 (3) 台車挿入 (4) 反対側に移動
(5) 押して傾斜 (6) 台車挿入 (7) 積載完了 (8) 押し搬送
前述の方法の搬送手順[sakuyama2014]
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(1) 待機 (2) 押して傾斜 (3) 台車挿入 (4) 反対側に移動
(5) 押して傾斜 (6) 台車挿入 (7) 積載完了 (8) 押し搬送
小型な移動ロボットによる重量物搬送の問題は未解決
作業に応じて台車とロボットは固定と移動の切替えが必要
台車すべり ロボット転倒
道具に必要とされる機能と物体やロボットに掛かる力
重力またはロボットからの力それに伴い物体に発生する力
物体からの力
それに伴いロボットに発生する力
(a)物体を支えたい
(b)物体を運びたい
(c)物体を傾けたい (d)ロボットが倒れないようにしたい
物体 物体
物体
物体ロボット
太田 順. (2014). 遠隔操作において大きな力を発生するロボット技術開発と人材育成, エネルギーレビュー, 35(2), 12‐13.
台車(ブレーキ付) アウトリガ
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アウトリガ
• 設計
–傾け操作における数理モデルからロボットが転倒しない条件を求め,アウトリガの長さ(do)を決定
–設定
• 想定物体の押し位置高さ: 1000mm• アウトリガ取り付け位置の高さ: 300mm• 接地部の床面に対する摩擦係数μo: 0.8
→ do = 500mm
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使用する台車
• ロック機構付き台車[上西 2014]–すべり止めの板を床に押し付けて固定
–ロック/解除を無線通信で切替え
– 1台あたりの許容荷重は57.6kg
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X8
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結論と今後の展望
• 結論– 物体搬送過程で生じるロボットの転倒とすべりの問題に着目
– ロック機構付き台車とアウトリガを用いて実機による物体搬送を試行
– 寸法600mm四方以内の移動ロボットにより30kgの物体搬送に成功
• 今後の展望– ハードウエアの 適化
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新しい機構
実験装置
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X16
全体のまとめ
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重量物をハンドリングする小型移動ロボットシステムの実現を目指し,
台車と
アウトリガを
用いたロボットシステムを提案した.
ロボットの小型化,狭隘環境への対応が課題
ご清聴ありがとうございました