製造業の開発プロセスとソリューションについて - …Title 製造業の開発プロセスとソリューションについて Author 廣瀬浩一 Created Date

製造業の開発プロセスと

ソリューションについて

SCMとIT経営・実践経営研究会

廣瀬

Copyright by Koichi Hirose, 2014 1

なぜ開発プロセスについて？

企業の「存続と成長」において、“開発”“プロセス”は重要

多様化と、変化の激しい外部環境への対応

開発志向の重要性常に、何かを開発していないと

対応できない

• 新規開発と類似開発

• 多品種化、変種変量生産…

• ライフサイクルに応じた商品・サービス開発

業績の成否に繋がりやすい組織能力の一つとして考察

プロセスの革新志向環境に応じてプロセスを変更、高度化（投資対効果を得やすい）

• リードタイムの短縮

• 内外区分、グローバル化…

• 部分最適と全体最適

• 研究開発と製品開発の密な連動

Copyright, Koichi Hirose, 2014 2

研究開発費の減少傾向と技術貿易収支の推移

製造業の産業分類別の

研究開発費

主要国における技術貿易収支額の推移

2009年以降日本の技術貿易収支額は増加傾向リーマンショック以降は減少傾向


製造業のROAと売上高利益率

日本の製造業は米国、ドイツと比べ低水準

引用；「日本企業の競争力」内閣府


日本企業の世界シェア

低迷する電機製品の産業

引用；ものづくり白書2013年版

テレビ（液晶・プラズマ）自動車


イノベーションの追求


研究開発とは

研究開発とは事物・機能・現象等について新しい知識を得るために、

または既存の知識の新しい活用の道を開くために

行われる創造的な努力及び探究をいう。

（科学技術研究調査報告の定義）


経営戦略と整合した研究開発

企業の研究開発に必要な方針

研究開発戦略

技術戦略

経営戦略

事業戦略

要素技術の検討／基盤・戦略・補完技術

将来に向けたコアテクノロジーの強化・革新

外部資源の活用、オープンイノベーション

技術戦略（機能戦略）の一つとして研究開発戦略

（ＫＧＩ）

（ＫＰＩ）

常に、市場ニーズを重要視しているとは限らない


研究開発のステージ／知の創造と育成

創造から、商品の顧客・市場展開へ

基礎研究

応用研究

開発研究

個人

組織

新しい知識・事実の発見、立証

実用性、用途開発、改良

製品、システム、技術・工程として顧客・市場へ

・低いリスク・マネジメント関与大・明確なスケジュール（期間遵守）

・高いリスク・マネジメント関与小・不明確なスケジュール（創造重視）

個人の思考を妨げない、創造を支える

創造した知を社内（外）にネットワーク的に展開

関与のネットワーク性の増大（人・組織、市場・社会、情報）

知

知


創造、育成した知をマネジメントする

開発した技術、知識を、関係する情報（ﾉｳﾊｳ､基準等）とともに積極的に管理し、予期せぬ市場・経済・社会・技術の変化を捉えながら、戦略的に活用していく

基礎研究

応用研究

開発研究

品質保証

知的財産

法規制（環境）

技術管理

マネジメントソリューション

成果結果関連情報

技術企画

正式・標準・推奨・共通・公式

新規外注先選定・管理

開発技術管理

技術者育成

適用規制・安全基準……

商品開発へ

（クレーム情報）

中核ﾉｳﾊｳ


顧客DB

製品開発プロセスの上流にて（概念化）自社の技術とともに顧客・マーケットの情報を狙いの品質に落とし込む

設計

要求品質

企画品質設計品質

顧客要求

市場ニーズ

顧客の期待

引合見積提案受注

顧客表現の重視

品質特性

・真の特性

・代用特性

ＣＲＭ

クレーム

ＱＦＤ

品質定義／仕様決め狙いの品質

技術管理

技術企画

商品企画

原価企画・新規・流用・転用・ｼﾘｰｽﾞ

・目標原価、原価配分

・意匠、機能機構、構造、構成ﾌﾞﾛｯｸ、ﾕﾆｯﾄ、部品…

・仕様、規格・基準、性能

マーケティング情報

原価ﾉｳﾊｳ

企画管理

サービス企画

図面管理

製品 BOM

内部・外部環境情報をベースに開発の情報流を組み立てていく

販売企画


設計開発プロセス（具現化／デジタル化）

無形的な情報をデジタライゼーション・プロセスに流通させ、仕様具現化していく（製品設計）。

設計

概要・基本設計詳細設計解析・試作・量試

試作・検証

CAM

工程設計

生産準備

調達

CAD DMU CAE

PDM BOM

技術管理


調達

ＢＯＭ

多様な設計作業設計意図と生産・調達要件を基に、設計情報の“実現（製造）”に向け、多様な開発作業が進んでいく（設計品質の詳細化、具体化、実現化）

変更

設計


試作・検証

工程設計

生産準備

・製品設計構造、部品

・機能設計

・意匠設計

・生産設計（容易性・経済性）ＶＥ基本機能付随機能

モジュール化

組立図面

部品図面

原価性調達性安全性、環境対応性生産容易性

・生産準備設計

・工程設計

・検査設計

・工程管理設計

部品構成情報

正式

工程の流れ、ｱｸﾃﾋﾞﾃｨ、手順

工程化、検査条件

管理項目、規格・基準

ＱＣ工程表

生産管理

内製

外製


部品構成表(ＢＯＭ)の成長設計情報を部品構成情報として細分化、展開し、工程情報に変換（原価、工数、技術、機械設備）。BOMを開発工程全体で管理・活用する。

設計


試作・検証

工程設計

生産準備

調達

製品ﾕﾆｯﾄ

ﾓｼﾞｭｰﾙA

ﾓｼﾞｭｰﾙB

製品ﾕﾆｯﾄ

ﾓｼﾞｭｰﾙA

ﾓｼﾞｭｰﾙB

製品ﾕﾆｯﾄ

ﾓｼﾞｭｰﾙA

ﾓｼﾞｭｰﾙB

製品

ﾕﾆｯﾄ

ﾓｼﾞｭｰﾙA

ﾓｼﾞｭｰﾙB

組立

検査

組立

加工

ﾌｧﾝﾄﾑ材料

部品構成展開基本構成正式・最新化工程展開（⇒計画展開）

設計 BOM

PDM

設計 BOM

企画BOM

製品BOM

設計 BOM

調達 BOM

生産準備 BOM

転用・流用 (ﾏﾄﾘｸｽ)

変更管理ﾁｰﾑ設計正式管理

工程管理

原価ﾏｽﾀ

部材ﾏｽﾀ

ﾅﾚｯｼﾞ


上流から下流まで一気通貫の情報流

開発･製品データ、情報の流通は拡大の一方。

CAM DMU

CAE CAD PDM BOM

設計試作･量試生産準備生産販売･保守研究･企画

生産管理

・調達・資材

販売管理

保守管理

高度なアプリケーションと計算資源(ｻｰﾊﾞｰ､LSI等)の普及から、上流～生産、販売、保守までのあらゆる工程（情報・データ）のデジタル化が進む。これにより後工程は上流のバーチャルなデータを活用し業務を効率化（ex.拡張現実）。上流は下流のデータを活用し、製品開発戦のヒントやアイデア出しを行う。

設計開発データを機能・構成展開に紐付けモジュール化を加速


設計 BOM

生産BOM

設計･生産連携の一例(無形物の有形化)

有形物であるモノが流れが関与し始めると、人の意識はモノに執着し始め、情報流が途絶えがちに。

設計生産管理製造

承認図面（A0､A1) 製造図面（A0､A1）

生産指示最新連絡

進捗連絡実績連絡

（社内・社外）

完成品メーカー

手書きの追加・修正問合せ・確認

変更管理

（作業できない、図面内容が変わった…）

正式情報

実質の正式情報

（電子的に管理できていない）

デジタルデジタル＆アナログアナログ


ＤＲとコンカレント体制（多部門間連携）

リアルタイムな情報の共有・流通と活動管理、開発統制

設計生産管理製造調達企画技術管理ｶｽﾀﾏｰ

調達先

事前ＤＲ

ＤＲ０

ＤＲ１

ＤＲ２

設計

生産管理製造

調達

企画

技術管理

ｶｽﾀﾏｰ

販売・保守

引合・提案受注ｼｰｽﾞ･ﾆｰｽﾞ

仕様変更納品立上げｱﾌﾀｰﾌｫﾛｰ

……

最新情報共有、変化対応・変更管理、予実管理、ＰＤＣＡ対応、開発統制（意思決定は、別の承認ルートで行われることが少なくない）部門と部門、業務と業務の“際”を担う

DR Design

Review

コンカレント体制

擦り合せ力を生かした並行開発

・期間短縮・品質の作りこみ・作業精度向上


カスタマー連携の例

ICTを活用し開発プロセスを高度化

完成品メーカー

サプライヤー

ゲストエンジニア

技術者

生産

承認図面（郵送）

設計者（ｱﾌﾟﾘｹｰｼｮﾝ）

設計データ

生産

承認図面データ

設計者（PC）

仮想環境

生産

承認図面データ

専用回線

ゲストエンジニア型

データ連携型

環境連携型


日本の製造業

製造業を取り巻く環境変化

一般的に言われていること。特に新興国の成長が著しく、企業は、コスト戦略としての生産進出ではなく、マーケットとして捉えるため進出を企図している。

少子高齢化

経済のグローバル化

新興国の成長

ＩＣＴ技術の成長・普及

ニーズの多様化


海外生産比率の上昇傾向

海外生産比率は上昇傾向。進出先として、中期的な有望国は、インドネシア、インド、タイの順位

引用；株式会社国際協力銀行「わが国製造業企業の海外事業展開に関する調査報告」

・進出している企業は、道路の改善や電力インフラを問題として挙げているところが多い。・新興国市場における主な販売先は今後も日系メーカーが中心であるが、非日系メーカーへの販売も一定程度拡大する方向にある。


海外生産の有無と理由

成長市場を取り込むために進出

企業規模別海外生産の有無海外生産の拡大理由

グローバル市場の成長を取り込む


拠点進出拠点進出

バリューチェーン主軸の自律的分散化進出先の市場、技術、生活、経済、社会状況に応じて、

拠点が自律的に開発活動（設計・生産・販売）を実施。

国内拠点

設計調達製造物流販売保守ｻｰﾋﾞｽ

研究開発

技術管理

生産管理

会計人事



主軸（収益に直接関与）

支援軸

・主軸はマザー機能・または開発品のパイロット的機能

・支援軸を管理軸として強化・各拠点の生産･販売状況、動向を管理

情報（販売、市場、調達先、…）受取配当金技術収入

組織機能標準ﾌﾟﾛｾｽ、情報･ﾉｳﾊｳ･基準

組織機能標準ﾌﾟﾛｾｽ、

情報･ﾉｳﾊｳ･基準

・サプライチェーン・商品・販売網

・サプライチェーン・商品・販売網 ERP

PLM

CRM

ERP

PLM

CRM

ERP

PLM

CRM


ＥＭＳ活用のケース／国際分業

EMSとの戦略的分業により、独自の機能･デザインを持った製品を比較的低価格で、顧客市場に提供できる。

国内拠点

販売

技術管理

生産管理

販売管理

EMS 設計調達製造

保守ｻｰﾋﾞｽ

・サプライチェーン

・販売網

・商品企画、擦り合わせ

・低コスト、高品質

・開発データ・生産情報（計画・進捗）

製品顧客・市場

CRM

【開発の情報流】（プロセス）

会計


トップダウンとボトムアップ

企業におけるトップダウンとボトムアップの二つの活動

As Is 現状

To Be ありたい姿

継続した改善

参考；2013年度中小企業診断士理論政策更新研修「中小企業のIT化支援」 SCMとIT経営・実践研究会企画

経営戦略


分析的アプローチとデザインアプローチ

現状分析と目指す活動（一般論）

現状

理想のシステムアプローチ

アプローチ

・現状分析による問題解決・現状の問題点の原因究明と課題対応

・もともとのありたい姿、そもそものあるべき姿、理想の姿を先ず自ら考え、アプローチする

分析的アプローチデザインアプローチ


本質重視のアプローチ(活性化に向け)

理想のシステムを目指したイノベーティブな活動

理想のシステム

・理想のシステム（こうありたい姿）を先ず考え、アプローチする

デザインアプローチ

・そのために必要な課題が何かを設定し活動する（自ら成長）・新ＱＣ７の活用

アプローチ・理想のシステムを目的・目標にした計画が必要（スグには達成できない）・挑戦と実現性の妥当性判断と対策（確実に達成する）・マネジメント・サイクルが必要

・計画・ＰＤＣＡ

新規開発（新製品・新規技術）プロセス、仕組み成長戦略

高次の活動


ダイナミック・ケイパビリティと

チーム・ケイパビリティ

トップダウンとボトムアップが連動した企業、開発活動


プロセスについて再度考える

開発を進める二つの業務領域

企画設計調達製造販売

業務プロセス

メール

会議

移動

電話

Etc.… (SNS)

財務･会計資材･調達 BOM 生産管理受注･販売

Input→throughput→Output→承認

・定型業務

・非定型業務随時発生必要に応じて各様的形式

計画的発生手順･手続きルール的形式

付帯的価値

ヒントの可能性

正味価値(基幹業務）

精度･ｽﾋﾟｰﾄﾞ･効率 Copyright by Koichi Hirose, 2014 28

価値生産のソリューションについて再度考える



詳細は、当研究会の発表会にて。

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