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閲覧注意：これから見るビデオには賛否両論があり、
一部の方に不快感を与えることがありますので、
視聴はご自身で判断してください。 こんにちは。ポーター・スタンズベリーです。
今から 10 年と少し前、私はスタンズベリー＆アソシエイツ・インベストメント・リサーチを創立しました。
同社は 120 カ国以上に何十万人もの会員を抱える世界有数の定評ある投資リサーチ会社に成長し
ています。
過去数年の実績によって、当社を知った方もいるでしょう。私たちは投資家がウォール街の破綻によ
る大損害を回避するお手伝いをしました。
ファニーメイとフレディマック、ベア・スターンズ、リーマン・ブラザーズ、ゼネラルモーターズ、その他、
その後破綻した何十もの企業について投資を控えるよう、投資家に警告しました。さらに、株の空売
りとプットオプションの購入によって利益を上げるお手伝いをしました。私の知るかぎり、2008 年の大
惨事を当社ほど正確に予想したリサーチ会社は世界のどこにもありません。
でも、それを言うために、このビデオを作成したわけではないのです。
近の金融危機をうまく乗り切った経験に言及したのは、さらに大きな危機が忍び寄ってい
ると考えるからです。それもアメリカを根本から揺るがすような。
この数カ月、かなりの時間と資金を注ぎ込んでこのビデオを作成したのは、そのためです。一言で言
うと、非常に近い将来、アメリカで起きる特定の出来事についてお話ししたいのです。それはこの国も
私たちのライフスタイルもめちゃくちゃにするかもしれません。この迫りくる危機は 2008 年の金融危
機に関係していますが、これから話すように、それよりはるかに危険です。
この問題が頂点に達すると、街では暴動が起き、空前の人数の逮捕者が出て、軍は戒厳令を敷くで
しょう。
こんなことを軽々しく口にしているつもりはありませんし、脅すつもりもありません。
ただリサーチの論理的な結果を言っているのです。
ファニーメイとフレディマックの会計を調査したときも同じことをしました。ゼネラルモーターズやベア・
スターンズや、他の企業でも。2006 年に私が警告を始めたとき、 初は誰も取り合ってくれませんで
した。ほとんどの有名評論家からも無視されました。
私が経済問題の会合で証拠をあげて訴え、事実を突きつけると、彼らは怒り出しました。私のリサー
チに反論できなかったのです。……でも彼らは重大な結論を受け止める覚悟もできていませんでした。
だからあらかじめ警告します。
これから私が話すことは賛否を呼び、多くの人が不快に感じるでしょう。民主党支持者、共和党支持
者、ティーパーティーの支持者も。実際、すでに何通も嫌がらせメールを受け取っています。
私がお話しする考えや解決策は、 初は過激に見えるかもしれません。「アメリカ的ではない」とも。
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きっと「こんなことが本当に起こるわけがない……ここでは」と思うでしょう。
でもさっき言ったように、3 年前、世界 大の住宅ローン公社、ファニーメイとフレディマックの倒産が
近いと私が警告したときにも、誰も信じませんでした。
ゼネラルモーターズの倒産が近いと言ったときも、（米国 大のショッピングモール不動産所有者）ゼ
ネラル・グロース・プロパティーズのときも。でもその通りになりました。
そして今、私が過去 5 年間、さまざまな銀行や企業で追ってきたのと同じ財政問題が、財務省にまで
食い込んでいます。なぜそうなったかを後で説明しますが、これはあなたにとって、そしてすべてのア
メリカ人にとって極めて重要な意味があります。
この危機が次の段階に入ると、私たちの生活そのものが脅かされます。 何百万人もの人の貯金が消えます。あなたの会社も仕事も変わってしまいます。あなたの貯蓄、投
資、定年後の生活に著しい影響を与えます。
これまでの暮らし方がすべて変わるでしょう。どこでバカンスをするか、子どもや孫をどの学校にやる
か、どこでどのように買い物をするか、どうやって家族や家を守るか。
なぜそうなると思うのか、この後、ご説明します。私が大ウソつきかどうか、ご自分で判断してください。
私としては自分の人生のどんなことよりも、この危機が近づいていることを確信しています。
私は、負債は消えてなくなったりしないこと、救済措置が重大な結果を招くことを知っています。ほと
んどのテレビ評論家とは違って、金融や会計に精通しています。
もちろん、ここで一番大切なのは何が起こるかではなく、あなたがそれに対して何ができるかです。
つまり、もし定評ある XXXX がだめになったときの備えはありますかということです。私は集会やデモ
をやるつもりはないのでご心配なく。選挙に出ろと言われるたびに断っています。そうではなく、自分
の財産を守り、さらに増やすために私自身が実行していることや、あなたにもできる準備についてお
話ししたいのです。
100％の確信を持って言えますが、ほとんどのアメリカ人は、牛乳やパンやガソリンなどの日用品の
価格が急に上がったときに、どうすればいいか分からないでしょう。もし銀行が閉鎖してクレジットカー
ドが使えなくなったら、金や外貨の購入が禁じられたら、フードスタンプ（政府が生活保護者に発行す
る食糧配給券）が使えなくなったら、どうしたらいいのか分からないでしょう。
要は、アメリカの生活が変わろうとしているということです。実際に何が起きつつあるのか、これから
説明していきます。
私が示す事実に一つ残らず異議を唱えてもかまいませんが、どれも私の主張が正しいことが分かる
でしょう。
後はご自分で判断してください。
今まさにワシントンで起ころうとしている破局から自分と家族を守るため、今、あなたは行動を起こし
ますか？
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そう願います。だからこそ、私はこのビデオを作成したのです。
私が個人的に実行していて、あなたにも実行できることを、これから詳しくお話しします。あなたがこ
の危機を全く無傷でくぐり抜けられるとまではお約束できませんが、この簡単な方法を実行しない
人々よりはるかに良いことは保証します。
でも少し先を急ぎすぎたようです。
話を戻して、まず現在、何が起きているか、なぜそんなに懸念すべきなのか、今後 12 カ月で何が起
きそうかについて、できるだけ易しい言葉で説明したいと思います。
アメリカが直面する過去 大の危機？
端的に言うと、私たちはアメリカの通貨制度と日常生活の大崩壊を目の当たりにすることになるでし
ょう。
基本的に、政府は長年、（しばしば短期融資で）非常に大きな借金をしてきたので、もうすぐ、利息さ
え払えなくなります。
これは会計と金融のリサーチの専門家として申し上げています。
アメリカ経済は“そこまでひどくない”と思うかもしれませんが、ナショナル・インフレーション・アソシエ
ーションが提供する次の簡単な情報を考えてみてください。
もしアメリカ国民全員の所得に 100％の税金をかけても……それでも連邦予算は赤字なのです！
現状を維持するだけでも、さらに借金が必要なのです。とんでもない話だと思いませんか？
なのに、この事実はどこにも報道されていません。
通常、私がこうした数字を調べるのは、投資すべき企業を探したり会員にお勧めしたりするときなのですが、 近では、国のバランスシートの調査にほとんどの時間を注ぎ込んでいます。2008 年の金融システムの破綻で、すべての不良債権が世界の政府機関に吸収されたからです。
たとえば 2008 年夏のファニーメイとフレディマックの破綻では、アメリカ政府は未払負債をすべて保
証しました。
以来、両社は数千億ドルの損失を計上していますが、それもすべて政府が引き取りました。だから今
でも私たちは住宅ローンが組めるし、フレディとファニーも営業しています。でもこの救済のコストは財
務省に蓄積し、大変巨額になっています。
こうした損失と何兆もの他の民間の債務を、今、アメリカ政府が負っているのです。
困ったことに、政府はこの危機の以前から多額の借金を抱えていました。関与するたびに、ますます
借金が増えていきます。もはや利息さえ払えないときが刻々と近づいています。
（連邦議会予算事務局[ＣＢＯ]の数値を用いた）私の も控えめな計算でも、政府の債務不履行は避
けられません……ある一つの単純な抜け道なしには。これまでアメリカはそれで救われてきたのです。
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それは、ただドルを増刷するというアメリカ独自の能力のことです。
アメリカ政府には、この危機に対して使える非常に重要な一つの武器があります。つまりアメリカは
合法的に米ドルを増刷できる、世界で唯一の債務者なのです。米ドルはいわゆる「世界の準備通貨」
なのです。
ドルは世界の金融システムの基盤です。世界中の銀行が融資のためにドルを準備しています。 この秘密を理解している政治家はほとんどいません。現状では、アメリカ政府は通常の意味での破
産はしません。不良債権を支払うためにドルを刷れば済むのです。（実際、2009 年 3 月からそうして
います。）
一見、とても良さそうです。いつでも増刷できるなら、何の心配があるでしょう。
少しご説明しましょう。現状では、アメリカは外貨で輸入の支払いをしなくて良い唯一の国です。
たとえばドイツがサウジアラビアから石油を買うとしましょう。ドイツマルクやユーロでは支払いはでき
ません。石油価格はドル建てだからです。
まずドルを買ってから、石油を買うのです。
だからドイツ政府にとって、ドイツの通貨の価値はとても重要です。通貨の価値を維持するには、少
なくとも世界で消費するのと同程度に生産をする必要があります。そうでないと通貨価値が下がり、
すると物価が上がり、生活水準が下がり始めるからです。
しかしアメリカはどうでしょう？
アメリカは支払い通貨を獲得する心配をせずに、好きなだけ消費できます。ドルは世界のどこでも受
け入れられているからです。つまり、この数十年、何も生産したり輸出したりしなくても、わが国に必
要な石油やその他の製品を買うためのドルを確保できたのです。
ただ借金すればよかった。
そしてそのようにしたのです。次のグラフをごらんください。
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＜グラフ＞アメリカ政府負債総額（1000 ドル単位） もう首が回らない！
1970 年代まで、アメリカは世界 大の債権国でした。ところが 1980 年代半ばには債務国になってい
ました。そして 1990 年代末期以降、世界“ 大”の債務国なのです。
今日、アメリカ政府は世界の誰よりも多くの相手に多くの借金を抱えています。
それも金融危機の前からなのです。
つまり、こうした不良債権が蓄積する中、何兆ドルもの増刷によって返済を始めざるを得なくなったの
です。その影響が、ちょうど今、出始めているのです。
債権者がこの事情を知ったら、とても怒るでしょう。
ドルでの返済を全く受け入れなくなるか、この新たなドルの価値を大きく割り引くか。そんなばかなと
思うかもしれませんが、すでに事は起こりつつあります。
もう消費中心のライフスタイルは成り立たなくなります。
石油価格について考えてみましょう。
石油を安く入手できるのは、世界の準備通貨のオーナーであることの 大の恩恵です。
この事実と、他のいくつかの政策のおかげで、アメリカではガスがほとんどの先進国よりも安くなって
います。 近、ガスの価格が高騰していると思うかもしれませんが、他の先進国よりずっと安いので
す。
・アメリカ：1 ガロンあたり平均 2.72 ドル
・オスロ、ノルウェー：7.41 ドル （172％高）
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・ベルリン、ドイツ：6.82 ドル （151％高）
・ロンドン：6.60 ドル （143％高）
・ローマ、イタリア：6.40 ドル （135％高）
・パリ、フランス：6.04 ドル （122％高）
・東京、日本：5.40 ドル（98％高）
・トロント、カナダ：3.81 ドル （40％高）
現在アメリカでは平均で 1 ガロンのガソリンが２ドル７２セントします。ノルウェーでは７ドル４１セントも
します。ベルリンでは６ドル８２セントです。イギリスでは６ドル６０セントもします。ローマでは６ドル４０
セント。パリでは６ドル４セント。東京では５ドル４０セントです。隣の国のカナダでも３ドル８１セントし
ます。
もし石油がドル建てでなくなれば、アメリカの石油価格はただちに急騰します。一夜にして生活が変
わるでしょう。
空の旅はずっと高くつくようになります。全国各地の店に商品をトラックで運送するコストもずっと高く
なります。農業のコストも大きく上がります。通勤も、タクシーも、ほとんどすべてのことが、突然、非
常に高くつくようになるのです。
覚えておいてください。ただ、他の国々が米ドル以外での支払いを好むようになるだけで、価格の
急騰は始まります。
米ドルは何十年間も世界の通貨だったので、ほとんどのアメリカ人はこの地位を失ったときの影響を
全く想像できません。
そんなことになるはずがないと思うかもしれません……でも国の借金が増えすぎたり、消費が多すぎ
たり、生産が少なすぎたりすれば、必ずそうなるのです。
事実、1970 年代のイギリスがそうでした。
ご存じない方が多いのですが、イギリスのポンドは 18 世紀から 19 世紀にかけての約 200 年間、世
界のほとんどの地域で準備通貨として通用していました。
第二次世界大戦後、イギリスがアメリカの経済援助を受けるようになるまで、その地位は続きました。
有名なマーシャルプランで、アメリカはヨーロッパ諸国の再建のために何十億ドルもの援助をしました。
しかし不幸にも、イギリスは社会主義的な国家課題を追求したのです。政府は主要産業をすべて引
き取りました。イギリスの指導者はオバマ大統領のように「富を分配」しようとしたのです。まもなくイ
ギリスは完全に破産しました。
イギリスが限界に達したのは 1967 年。どうしようもなく状況が悪化し、社会主義的な労働党が 14％
の通貨「切り下げ」を一晩で決断しました。そうすれば国民は借金を払いやすくなると考えたのです。
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ところが現実には、一晩で、ポンドを持っているすべての人が 14％貧しくなっただけでした。その後何
年も、イギリスではすべてのものが高くつくようになりました。国家全体としても、近代イギリス史上、
悪の数十年間が始まったのです。
1970 年代後半、政府が賃金を凍結したイギリスの「不満の冬」をご存じない方は多いでしょう。ほぼ
すべての部門でストライキが続きました。墓堀り人夫、ごみ収集業者、病院の職員までも。多くの病
院が救急患者しか受け入れなくなったことさえあります。
1975 年、イギリスのインフレ率はたった 1 年で 26.9％に急上昇しました。
1974 年、イギリス政府は「スリー・デイ・ウィーク」を定めます。企業は週のうち決められた連続 3 日
間しか電気を使えなくなり、残業も禁じられました。テレビ局は電気節約のため午後 10 時 30 分で放
送を終了しなくてはなりませんでした。
この極度の経済の混乱により、イギリスには「ヨーロッパの病人」というあだ名がつきました。
その悲惨さはどんなものだったのでしょうか。
BBC の番組で集めたイギリス人の体験談を聞いてください。
ウェザビー在住のジョン・ブラックバーンはこう話します。
「当時、私はハダースフィールド発電所の統括エンジニアで、作業表に従って町の変電所に電力を送
るスイッチをオフにするのも仕事の一つでした。夜のシフトで自分の家に電力を送るスイッチを切って、
家に帰ってロウソクの灯で夕飯を食べたことが何度もありました」
ロンドン在住のリチャード・エヴァンスはこう話します。
「母は産婦人科病院に入るのに、ピケラインをわたらなければなりませんでした。祖母は食べ物や清
潔なタオルや寝具を運び込まなければなりませんでした」
ギルフォード在住のデビッド・ストーカーはこう話します。
「ニューカッスルの近くのノースイーストに住んでいました。ロウソクを求めて祖母と店を巡り歩いたこ
とを覚えています。全部、売り切れでした。肉屋が工夫して、私たちが買った肉の脂にひもをつけてく
れました。臭いし火事の危険もあったのでロウソクより実用的ではありませんでしたが、これで何とか
なりました」
想像してみてください……イギリスは 150 年もの間、世界の超大国だったのに、意図的に通貨を切り
下げたら、あとは坂を転げ落ちるばかりでした。
アメリカは違うと思うかもしれません。しかしすでに始まっているのです。
事実、2010 年の 7 ヶ月間で、米ドルの交換価値は 11%も急落しています。そして、下落率は加速して
いるのです。
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＜グラフ＞
米ドル
かつてイギリスの通貨に起きたことが、今、米ドルに起きています。ガスや石油、その他の日用品の
価格だけではなく、私たちが消費するほぼ“すべてのもの”が、たちまち値上がりするでしょう。中国
から輸入している衣料や家具、家庭用品もすべてです。
中南米から輸入する食糧も、アジアとヨーロッパからの電子機器、テレビ、コンピューター、車も値上
がりします。
事実、目の前で起きていることです。金の価格は金融危機以来、85％上昇しています。石油価格は
二倍に、大豆も大幅に値上がりし、銅は過去 2 年間で 200％以上の値上がりです。綿価格は去年
の 7 月からわずか数カ月で 102％上がっています。
ドッカーやアン・クラインなどのブランドを持つアパレル会社の社長、ウェズリー・カードは、 近こう言
っています。「もう選択の余地はない。値上げが必要だ」
次のグラフは、2009 年初頭以来の主要商品の急騰を示しています。
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＜グラフ＞ ダウジョーンズ コモディティー平均
大豆 とうもろこし
銀 銅
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もちろん、商品価格の急騰は始まりでしかありません。
米ドルが世界通貨としての地位を失うと、他にも悲惨な結果が待っています。
たとえば、世界中で米ドルの需要が大きく低下して利率が急上昇します。住宅ローンも現在のような
4.5％という低利率ではなく、8％、いや 10％、15％になるかもしれません。
住宅価格がどうなるか想像してみてください。
通貨市場が変化すると、株価はものの 1 週間で 低でも 40％下がるでしょう。
どのアメリカ企業も物資や原料に“ずっとたくさん”経費がかかるようになります。誰もローンを組めなくな
り、どの銀行も融資をしたがらなくなります。要するに、米ドルが世界の「準備通貨」としての地位を失え
ば、経済はすさまじく悪化し、2008 年の住宅ローン危機の 10 倍ぐらいひどくなるでしょう。
この通貨危機、そして世界の準備通貨としての米ドルの終焉は、いまだかつてないような大規模なイン
フレを招くでしょう。
誰もがドルを手放そうとしているときに、政府は借金の支払いのためにさらにドルを刷り、そして誰もドル
を持ちたがらない。この危機は壮絶なものになるでしょう。
例として、1990 年代にこのタイプの危機に直面した、あるヨーロッパの国に何が起きたかを見ていきまし
ょう。
これは大規模なハイパーインフレの際に、現実に起きることです。
あるヨーロッパの国の政府は、1990 年代初期までに、ほとんど貯蓄を使い切ってしまいました。そこで何
をしたでしょうか。国家管理下の銀行の民間人の預金の使用を制限し、民間人の貯金を盗み始めたの
です。
そして基本インフラを維持するため、どんどん紙幣を刷り始めました。それでも基本インフラは崩壊し始
めました。道路はくぼみ、水道管は壊れ、エレベーターは修理されず、建築工事は未完成のまま中断さ
れました。
この時点で、失業率は 30％を超えていました。
それほどひどくない？
しかしもっと、もっとひどくなるのです。
紙幣の乱発という危険な道に入ると、瞬く間に事態は極度に悪化します。
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サンホセ州立大学の経済学教授サイヤー・ワトキンスは、こう述べています。
「政府は価格統制によってインフレに対抗しようとした。だがインフレが続くうちに、価格統制による価格
は、生産者がばかばかしくなるほど低くなり、彼らは生産をやめてしまった。パン屋はパンを焼かなくなり、
食肉処理場は肉屋に肉を売らなくなり、その他の店は閉店した」
次に政府はインフレを抑えるために何をしたでしょうか？
なんと店が値上げをするたびに政府に書類を提出することを義務づけたのです。書類作成はとても時間
を取るので、それで価格の上昇を緩和できると思ったのです。
でも多くの政府の計画がそうであるように、これも意図に反して悲惨な結果を生みました。
店は書類作成に専念する従業員が必要になるし、手続きにあまりに時間がかかるので、何度も書類作
成をしなくても済むよう、基本的な商品価格をさらに高い率で値上げするようになったのです。
信じがたい話でしょう。 そしてもちろん、その政府はハイパーインフレの際にどの政府もやることをしました。新しい通貨を作った
のです……それまでの通貨からゼロを 6 個取って。旧通貨の 100,000,000 がすぐに新通貨の 100 と同じ
価値になりました。もちろんこれも効果はありませんでした……あるわけありません。
1993 年 10 月から 1995 年 1 月までに、物価はなんと 5,000,000,000,000,000％ 値上がりしたのです。あ
り得ない数字ですよね。
ということは、1993 年には 1 ドルだったパン 1 個が突然、50,000,000,000,000 ドル。
そう 50 兆ドルです！
笑いたくなるでしょう……でも、このかつて誇り高かったヨーロッパの国の人には笑いごとではなかったで
しょう。とくに固定収入の人は。
もちろんこの時点で、この国は完全に崩壊していました。ワトキン教授はこう述べています。
「社会構造が崩壊し始めた。強盗が病院や診療所から数少ない薬品類を奪い、その病院の前で売りさ
ばいていた。鉄道労働者はストライキに入り、国内の鉄道は動かなくなった。」
この時点で、国中の企業と国民が国内通貨を拒むようになりました。代わりにドイツマルクで取引し始め
たのです。なんと、1 日のインフレ率が 100％近くにのぼったのです。
来る日も来る日も、ほぼすべての価格が二倍になる社会のパニックを想像できるでしょうか。まさしく地
獄です。経済が急停止したのです。まるで紛争地帯で暮らしているようで、トラックは商品を運ばなくなり、
店もレストランもガソリンスタンドも閉鎖されました。
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実際、ガソリンを手に入れるには、道端でプラスチック缶に入れて売っている人から買うしかありません
でした。
ジョンズ・ホプキンス大の経済学教授、スティーブ・ハンケはこう述べています。
「人々は闇市で食料を買えるような余裕はなかった。飢えをしのぐには、政府直営店の長い列に並んで
不規則に支給される質の悪い食料品を手に入れるか、田舎に住んでいる親戚に頼るしかなかった。
長期間にわたって、ガソリンスタンドは外国人や大使館職員向けの 1 カ所以外は閉鎖されていた。また
人々は外国為替のブラックマーケットで途方もない時間を費やして、ほぼ無価値になった大量の札束を
1 マルク紙幣や 1 ドル紙幣に交換した。」
バスの運行は 60％減り、車内は混雑し、運転手が運賃を集められないほどでした。政府命令による停
電によって、長期間、暖房も電気も使えませんでした。
政府のもう一つの愚行は、個人小切手を“受け取らない”ことを違法にしたことです。
想像してください……小切手を切っても、通常、現金化までにかかる数日の間に、インフレが小切手の代
価をほとんど吹き飛ばしてしまうのです。
よくある話ですが、政府は何の責任も取りませんでした。サイヤー・ワトキンスによると、ハイパーインフ
レの原因は「人民と国家に対して不当に実施された制裁」というのが政府の公式見解でした。
でもあなたは思うでしょう。「ヨーロッパで起きたからといって、ここで起きるとはかぎらない」
さて、どうでしょう。このヨーロッパの国、つまりユーゴスラビアで起きたことは、アイスランドとギリシャでも、
より小さな規模で起こりました。ギリシャとアイスランドがましだったのは、単に外国からの莫大な援助が
あったからにすぎません。そう……すでに存在する返しきれない負債を解消するために、さらに負債を負
ったのです。
まもなく問題は顕在化するでしょう。たいていの人が考えるよりも、ずっと早く。
このタイプの債務危機は過去約 100 年間で、ドイツ、ロシア、オーストリア、ポーランド、アルゼンチン、ブ
ラジル、チリ、ポーランド、ウクライナ、日本、そして中国を襲いました。
もうすぐここアメリカにもやってきます。
まさかと思いますか？
実のところ、すでに地方や州のレベルでは始まっているのです。
ワシントンＤＣに拠点を置くシンクタンク、予算・政策優先事項センターによると、2011 年に少なくとも 46
の州が巨額の財政赤字を抱え、そもそも 2010 年の負債も完全に算出できていません。
州の財政赤字は総額 1600 億ドルに達するそうです。
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昨年は多くの州が連邦から援助を受けていましたが、それも今はありません。
CBS 局のテレビ番組「シックスティー・ミネッツ」は 近この危機について報道しました。その報道による
と、「地域や州のレベルで金融危機が迫っている。州政府は全体で税金で集めた額より５０００億ドルを
使った。その上、公的年金基金においても一兆ドル不足している。」
追い詰められた州政府は何をしようとしているのでしょうか。
その提案を聞いたら耳を疑うでしょう。
＊“すべて売り払う”：たとえばアリゾナ州は 2010 年初め、州政府所有の 7 億 3500 万ドル相当の建物を
売却し、20 年賃貸で使用すると発表しました。州政府は議事堂、上院と下院、州議事堂行政タワー、州
の催事場、そして刑務所まで売却する予定です。
＊“受刑者の釈放”：カリフォルニア州では、数千人の受刑者を刑務所から釈放するという過激な手段を
取りました。州予算の約 11％（80 億ドル）は刑罰制度に使われています（これは、高等教育の予算より
多い額です）
カリフォルニア州は来年までに受刑者を 6500 人減らそうとしています。つまり受刑者の約 4％が自由の
身になります。
信じがたいことですが、ニューヨーク州など他の州でもまもなく同じことをするかもしれません。
＊“生命保険”：ジョージア州は、州の職員にいわゆる「くたばった農民」保険をかけることを提案していま
す。それは、職員が死亡したときに保険金が遺族にではなく州の金庫に入る仕組みです。それをプロジ
ェクトや保険や年金の支払いに使おうというのです。ひどい話です。
州政府も地方自治体も財政的に追い詰められたあまり、とりあえず当面の財政破綻を回避するために、
これまで考えられなかったような手段を取ろうとしています。ほぼすべての州が、税収を増やすためにギ
ャンブルの合法化を検討しています。カリフォルニアは 近の選挙で否決されたにもかかわらず、マリフ
ァナを合法化したがっています。
もちろん、こうした愚かしい手段に長期的効果はありません。
何より驚くべきことに、連邦政府の実態は州や地方自治体よりもさらにひどいのです！ 連邦レベルでま
だこの危機の影響がはっきりと見えない唯一の理由は、さらに借金を重ねているからです。
州政府は紙幣を刷ることはできませんが、連邦政府は、少なくとも当面はそれができます。今のところ、
それだけが前代未聞の通貨危機を食い止めているのです。
重要なポイントは、ほとんどの人は理解していませんが、米国政府が紙幣の増刷を続けられる
のは……米ドルが世界の準備通貨であり続ける間だけだということです。
崩壊は人々が思うよりもずっと早くやってきます。実際、すでに起こりつつあるのです。
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第一段階はすでにかなり進行しています。たった今、目の前で起きているのです。
これはいくら強調してもしすぎることはありません。:自分の資産を守り、今後数年間で貯蓄を増やす
ためには、今、行動する必要があります。後ほど、私自身がどうやって財産を守っているか、そしてあな
たにお勧めしたいことを説明しますが、まず現在、何が起きているのかをお話しします。
「アメリカは……非常に懸念するにちがいない」
先に申し上げたように、ほとんどのアメリカ人は米ドルが世界の準備通貨としての地位を失うわけがない
と思っています。
でも、そのプロセスはすでにかなり進行しているのです。
一例をあげると、アメリカではほとんど報道されませんでしたが、昨年の秋、中国、日本、ロシア、フラン
スなどの世界の超大国が秘密の会合を開きました。アメリカ“抜き”で、またアメリカに知らせることもなく。
イギリスの『インデペンデント』誌でも、ベテランの中東特派員ロバート・フィスクがこの出来事について報
じています。
「 近の中東の も重要な経済的変化は、湾岸アラブ諸国が中国、ロシア、日本、フランスと共に、ドル
による石油取引を終わらせ、日本円、中国元、ユーロ、金、そしてサウジアラビア、アブダビ、クウェート、
カタールなどの湾岸協力会議が計画する新しい統一通貨などの複数基軸通貨に移行することを計画し
ていることである」
またフィスクがインタビューした中国の銀行関係者は、こう言っています。
「この計画は国際金融取引を一変させるだろう。アメリカとイギリスは非常に懸念するにちがいない。そ
の懸念の度合いは、このニュースが引き起こす嵐のような否定によって分かるだろう」
案の定、フィスクがこの秘密会合の詳細を報道すると、米国当局者や世界中の中央銀行がこの計画を
否定しました。
でも昔から中央銀行ではこう言われています……通貨切り下げの正確な時期の見分け方は？ 答え：
中央銀行総裁がテレビでそんなことは起きないときっぱり否定した“直後”。
（つい数週間前、「切り下げはしない」と発表したのは誰だったでしょうか。そう、ティム・ガイトナー財務長
官です。）
通貨切り下げに際して中央銀行が一番やりたくないのは、“前もって”警告を与えることです。だから否定
に否定を重ねるのです。発表されたときには、市民も投資家ももう逃げられません。
アメリカを除く大国の秘密会合の件で も信じがたいのは、そのことがアメリカでほとんど報道されなか
ったことです。
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しかし政府の報道発表よりも行動の方が説得力があります。
今、現実の世界で起きていることをご紹介しましょう。
次の事実を知れば、米ドルが世界の準備通貨の地位を失うのは、もう時間の問題だとご理解いただける
でしょう。
中国は逃げ出している
中国共産党常務委員会元副議長の成思危は、中国は米ドルに資金を注ぎ込むのをやめ、円やユーロ
に目を向けるだろうと言っています。
中国は地球上のどの国よりもたくさん米ドルを持っていますが、自国の経済に損害を与えることなく、で
きるだけ早く米ドルを手放そうとしています。
このグラフを見てください。
＜グラフ＞中国の米国短期国債（満期 1 年以下）保有総額
中国はドルを手放しつつある
中国のドル保有は 2009 年がピークで、その後はできるだけ早く、できるだけたくさんドルを売り払おうと
しています。
これは米ドル基準の終焉の兆しの一つにすぎません。
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まだまだあります。
もはや、ここではドルは歓迎されない
ご承知の通り、米ドルは長年、世界中ほぼどこでも受け入れられてきました。
私自身、旅行中にわざわざその国の通貨に換えようと思ったことはありませんでした。誰でもドルを受け
取ると分かっていましたから。
でも、もうそういうわけにはいきません。
メキシコ有数の銀行ＨＳＢＣでは、もはや米ドルで預金ができません。これはマネー・ロンダリングの疑惑
の余波ですが、それだけではなく、価値が落ち続ける米ドルをたくさん抱えたくないためではないかと私
は疑っています。
メキシコの大銀行が米ドルの預金を受け付けないなど、10 年前ならとうてい理解しがたいことだったでし
ょう。でも、それが今日の厳しい現実です。
メキシコだけではありません。
ロイターは、2008 年にヨーロッパで も人気のある観光地でも同じことがあったことを報じています。
アムステルダムの外貨両替所は、米ドルとユーロの両替を拒否したと伝えられています。
インディアナ州インディアナポリスからの旅行者メアリー・ケリーが、アンネ・フランクの家の前で、このよ
うに話していました。「ここではドルの価値はゼロかもしれません。両替できる場所がなかなか見つから
ないんです。繁華街とか大きい駅とか郵便局に行かないと」
インドでは、2008 年に観光大臣が、タージマハルのような観光名所では、もう米ドルを受け取らないと通
告しました。キューバでは、米ドルはどこに行っても歓迎されません。
ニューヨークタイムズはこのように報じています。「中国の多くの店では、外国銀行の発行するドル建て
のクレジットカードをもはや受け入れない……外国人は一定の割当を超えて米ドルを人民元に換えるこ
とができない」
イランはもちろん、すべての準備金からドルを排除しましたし、クウェートは数年前にドルペッグ制をやめ
ました。
ブルームバーグ・ニュースは 近、中国とロシアは国際貿易でのドルの役割を小さくするために、互いの通貨による貿易を開始する計画があると報じました。ＵＢＳ銀行のバーヌ・バウェジャは「彼らの経済的立場からドルとアメリカ資産のリスクを考慮し、インボイス通貨としてのドルへの依存を減らしたいのでしょう」と語っています。
アメリカ国内でも始まっています。
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あまり知られていませんが、中西部の一部の州ではすでに「代替通貨」が使われています。
ＮＢＣニュースのミシガン支局によると、
「ミシガン州中部一帯に新しいタイプの貨幣が出回っています。偽貨幣ではなく競合通貨だと後援者は
言います。現在、アメリカの法定通貨を使わずに食べ物を買ったりカイロプラクティック治療を受けたりす
ることができます。」
実はこれは全く合法的です。財務省のウェブサイトには、1965 年の貨幣法によると「民間企業、個人ま
たは団体が、商品またはサービスの支払いに通貨もしくは貨幣を受け取らなければならないと規定する
連邦法は存在しない」とあります。
ある報告書によると、現在、全国で 150 種類の代替的な地域通貨が流通しているそうです！
ＵＳＡトゥデイによると、 大の地域通貨は、マサチューセッツ州西部のバークシャー地方で使われてい
る「バークシェア」です。
記事によると、「国内 大のこのシステムは 2006 年の開始以来、230 万ドル相当のバークシェアを流通
させてきた」そうです。
また、まだ地域通貨のない地域でも、店では米ドルよりも外貨の方が好まれることがあります。
ワシントンＤＣの私のオフィスから 40km ほどの地域では、一部の店がユーロを受け入れ始めました。も
ちろん現在、ユーロがドルよりもずっと安定しているというわけではありません。ここで私が言いたいのは、
民間の商店が債務以外の取引でドルを受け入れなければならないという“連邦政府の規定はない”こと
が、ほとんどの人には理解されていないということです。
商店や企業は、政府が何を決めようと、自分たちが強いと確信する通貨を受け入れるでしょう。
テキサス州下院議員ロン・ポールは 近、こう述べています。
「たとえばセブンイレブンでソーダを買うとき、店員はドルを受け取らなくてもよい。ユーロでも銀でも銅で
も要求できる。ただ、ドルを支える法定通貨法によってドルが他の通貨を流通から駆逐したので、（当面）、
店としてはドルを受け取る方が楽なのだ」
でもそれも急変してきました。
テキサス州の多くの場所では、メキシコの貨幣ペソで支払いができます。「ユーロ使えます」という看板が
いたるところにあります。マンハッタンでも。そしてマンハッタンだけではなく、ニューヨーカーの大好きな
夏の行楽地、ハンプトンでも。
リアル・ディール誌は、あるアートギャラリーの店員の声を紹介しています。「通貨の問題で売り上げを下
げたくありません」
米ドル以外の支払い方法を受け入れるのは、小さな商店だけではありません。
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世界 大の金融先物および商品先物取引所であるシカゴ・マーカンタイル取引所は、現在、金による先
物取引の決済を受け入れています。 近まで、財務省証券か債権でないと支払いができなかったので
すが。
彼らには悪い兆しがはっきり見えているのでしょう。
これはみな 10 年前なら全く考えられなかったことですが、今はそれが現実です。この流れは信じがたい
ほど急速に進行しています。
だからこそ……
も賢い投資家は手を打っているんです。
ビル・グロスはおそらく世界の誰よりも通貨や債務について豊かな知識のある人で、世界 大の公債基
金を運営しています。ブルームバーグは彼の発言を引用しています。
「私たちはすべてのクライアントにこう言ってきました。もし一つだけ投資を考えるなら、ドル以外の通
貨に投資すべきだと。それを 優先にすべきです。」
世界で も成功している億万長者の投資家、ジム・ロジャースはこう述べています。
「ドルはただ落ち目なだけではない、もう泥沼だ。すぐに手を打たないと、ドルは世界の準備通貨や交換
手段としての地位を失うだろう。そうなったら過去約 1 世紀で起きたことがないほど、アメリカ市民の生活
水準は激しく低下するだろう。」
それでもアメリカだけは違うと思うかもしれません。でも考えてみてください。 アメリカは本当に経済や金融の法則と無縁でいられるでしょうか？
私はそうは思いません。
政府がインフレによって負債を解消しようとすると、いつも悲惨な結果になりました。ここでも同じことです。
ジム・ロジャースが言うように、
「そうした軽率な金融的財政的行動は必ず経済破綻を招くことを、歴史は教えている」のです。ロバート・
Ｂ・ゼーリック前世界銀行総裁も 近、ジョンズ・ホプキンス大学上級国際研究学部での講演でこう語り
ました。「アメリカは、ドルが世界の も重要な準備通貨であるのが当たり前だと誤解しているかもしれな
いが、将来はドル以外の選択肢が増えていくだろう。」
だからこそ、国際通貨基金（ＩＭＦ）は 近、新しい世界通貨を求める論文を発表したのです。
ＩＭＦの戦略・政策・審査部が執筆した「準備金の積立と国際通貨の安定」と題する論文は、「バンコール」
という世界通貨を採用し、国際的中央銀行がその通貨を管理することを推奨しています。
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この論文の日付は 2010 年 4 月 13 日ですから、残念ながらただのたちの悪い噂ではありません。
世界で も強力な団体の公式文書の中の極めて真剣な提言なのです。
これはどこに向かっているのでしょう？
ブラジルの経済学者で戦略家のリカルド・Ｃ・アマラルはこう述べています。
「米ドルは第二次世界大戦終結以降、その目的にかなって、主要な外国為替準備通貨となった……（だ
が）米ドルがその特別な役割を担う日は……終わりに近づいた。今日、このシステムは非常に病み、緩
慢な死を遂げつつあるからである……。」
またアマラルは近い将来、「米ドルの大崩壊は世界がかつて体験したことのない 大の国際金融危機を
もたらす」と述べています。
金と銀の価格が急上昇しているのはそのためです。
＜グラフ＞
金 銀
金と銀の価格は過去 10 年間急上昇。
米ドルが世界の準備通貨としての地位を「失うかどうか」ではなく、それが「いつか」という話なのです。
投資家たちは米ドルに非常に重大な問題があることが分かっていて、国に大きな通貨の問題があるとき
でも歴史的に信頼性が高い貴金属へと逃げています。
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人々がもはや米ドルを受け入れない理由、多くの外国が新しい世界準備通貨を強く求める理由は理解し
がたいことではありません。
でも幸いなことに、どんなことが起きても、あなたの貯蓄を守れるいくつかの方法を、私は見つけました。
しかも今後数年間であなたの資金を 3 倍、5 倍にできるかもしれません。
何をすべきなのかは、すぐにお話しします。ですが、その前に、まず世界準備通貨としての米ドルの破綻
が多くの人の予想よりもずっと早まりそうな理由をご説明しましょう。
アメリカ経済の“本当の”姿
私の友人、同僚、家族の多くが、いまだにこの危機の到来を信用していません。
心理学の世界で「正常化バイアス」と呼ばれるものです。
正常化バイアスは、人が危機に直面したときの自然な反応です。
正常化バイアスが働くと、頭の良い人でも災難の可能性やその影響を過小評価します。一言で言うと、
これまで起きなかったのだから、これからも絶対に起きないと信じてしまうのです。私たちがみな犯すこと
です……それが人間の本性なのです。
正常化バイアスがあると、実際に災害が起きたときに対処できなくなります。基本的に人は一度も経験し
ていないことに対して備えたり対処したりするのに非常に苦労します。
正常化バイアスは、起こる必要のなかった死を招くことがしばしばあります。たとえば第二次世界大戦中
のユダヤ系の人々がそうでした。
バートン・ビッグスは著書『富・戦争・叡知』でこう述べています。
「1935 年末までに 10 万人のユダヤ人がドイツを離れたが、45 万人はまだ留まっていた。裕福なユダヤ
人家庭は…… 悪の事態は山を超えたと思い、そう期待し続けた……。
ドイツの多くのユダヤ人は聡明で教養の高い国際人だったが、事態を楽観視しすぎていた。長年ドイツ
に住み、地位も確立していたので、彼らを危険にさらす危機が迫っているのを、ただ信じられなかったの
である。彼らは安心しすぎていた。ナチスの反ユダヤ人主義は一過性で、ヒトラーは口ほどにはないとみ
くびっていたのである。ヒトラーの台頭に対する彼らの反応が鈍かったのは、全く無理からぬこととはい
え、その理由は悲惨なほどに誤っていた。事態は想像よりもずっと速く進行したのである。」
これは歴史上、 も悲劇的な「正常化バイアス」の破壊的影響の例です。
当時、すでに何が起きていたかというと、ユダヤ人はある宗教の信者であるというだけの理由で逮捕さ
れ、殴られ、課税され、強奪され、収監されていたのです。その結果、彼らは強制収容所に送られました。
家も事業も押収されました。
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“それでもなお”大半のユダヤ人はナチス政権下のドイツを離れませんでした。これほど事態が悪くなる
のを、ただ信じられなかったのです。これが正常化バイアスです……それは破壊的な結果をもたらすの
です。
ハリケーン・カトリーナでも、同じことが起きました。
堤防が用をなさないことが明白になっても、押し寄せる水の直撃コースにある自宅から避難しない人々
が何万人もいました。
ここまで悪化するのを見たことがなかったので……そうなるはずがないと思ってしまったのです。ハイチ
やパキスタン、その他の発展途上国では起こり得ても、アメリカでそんなことがあり得るとは考えられな
かったのです。その結果、2000 人近くの住民が亡くなりました。
これも「正常化バイアス」です。
今までのどの経験とも違うために、目の前の証拠を見ようとしないのです。
正常化バイアスが働くと、何の異常も起きていないかのように生活し続けるのです。
さて今、アメリカでも同じことが起きています。
1 世紀近くの間、アメリカは世界の 強国でした。米ドルは 50 年以上、世界の準備通貨として君臨して
きました。
これが変わりつつあるのを理解できない人がほとんどです。でもこれだけは断言します。事態は変化して
います……ほとんどの人が思うよりも速く。
ここで少し、私たちの回りにある証拠の断片を見てみましょう。
アメリカ国民の内４２００万人がフードスタンプを受け取っているのを知っていましたか？人口の１３％近くです。
フードスタンプを受給するアメリカ人の数は、去年より 17.5%増えています。そして、19 カ月間毎月連続で増えています。
人口の 13％が食べ物を買う余裕がない国が、本当に健全でしょうか。
またこれはどうでしょう。
＊＊貧民街が近所にできる
大きなメディアではほとんど報道されていませんが、全国の 10 以上の都市（フレズノ、サクラメント、ナッ
シュビルなど）で、多くの人々が大恐慌時代の貧民街の現代版のような場所で暮らしています。
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テレビ司会者オプラ・ウィンフリーが訪問してから広く知られるようになったフレズノの貧民街には、2000人ほどがホームレスとして暮らしています。テント村があまりに広がったので、シェルターに警備デスクがあるほどです。市の職員によると、繁華街の付近に 3 つの大きなテント村があり、2 つの地域の幹線道路沿いに小さな仮小屋が集まっているといいます。
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＊＊アメリカの世帯の 43％が実質的に破産している
また、 近の『ＭＳＮマネー』の記事によると、アメリカの世帯の約 43％が毎年、所得よりも多く出費して
います。
このグラフを見てください……信じがたいでしょう。
＜グラフ＞アメリカの消費者の負債総額（10 億）
アメリカの消費者は破産している！
平均的世帯のクレジットカードの負債は 8000 ドルで、個人破産は過去 10 年間で倍増しました。
これでどうやって現在の危機から逃れられるでしょうか？
貯蓄があってもだめです……唯一の答えは紙幣を増刷することですが、増刷は世界の準備通貨として
の米ドルの凋落を早めます。
＊＊消える雇用の謎
アメリカ政府は統計の歪曲の名人です。たとえば失業率。1930 年代は、引退による退職者を除いて職
のない人はみな「失業中」とみなされました。
ところが今日、政府は主に失業給付の受給者数で失業率を計算しています。失業給付の期限が切れる
と数に入らなくなります……それで失業率が下がるのです！ ばかげた話です。
現実の失業率は、政府統計よりもずっとずっと高いのです。
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ウソだと思うなら、 近私が見かけた 2 つの求人広告を見てみましょう。
ロングアイランドシティでは、エレベーター整備見習い 100 名の求人に対し、職安に約 2000 人もの列が
できました。4 日間待った人もいます。
オハイオ州マシロンでは、時給 16 ドルおよび給付という条件の清掃員 1 名の募集に対し、700 人が応
募しました。
要は、この国では雇用が増えていないのです。というのは政府が、企業が雇用を増やすのをどんどん難
しくしているからです。現在のような規制では、この国は、政府がみずからはまった落とし穴から脱出でき
るような成長は決してできないでしょう。
それは誇張だと思うかもしれません。でもアメリカ屈指の大企業のＣＥＯの発言を聞いてください。
インテルのＣＥＯ、ポール・オッテリーニは 近の講演で「アメリカで半導体の生産工場を一つ建設し、装
備し、運営するには 10 億ドル以上かかると断定できます」と言いました。
彼によると、追加費用の 90％は高い賃金率ではなく、他の国にはない高い率の税金や課徴金です。
サイプレス・セミコンダクターのＣＥＯ、Ｔ・Ｊ・ロジャーズも、問題はアメリカの賃金の高さではなく企業に敵
対的な法律にあると考えています。彼はＣＮＥＴニュースのインタビューで「カリフォルニアで工場主が
1000 人の労働者の雇用を創出しようとするとき、それをつぶすのは、さまざまな方法で妨害する敵対的
な政府だ」と答えています。
アメリカの法人税率が世界で二番目に高いことを知っている人はあまりいません。日本の新しい首相
は法人税を 15％削減する計画を発表しましたので、アメリカはもうすぐ世界一、法人税の高い国に
なります。
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他の国ならもっと安いコストで事業を開始することができ、もっと多くの収益を手元に残せるとしたら、誰
がアメリカで事業を始めたいと思うでしょうか？
これも、米ドルが回避されるもっともな理由の一つです。
次もそうです。
＊＊負債に苦しむアメリカ企業
1979 年には 61 社のアメリカ企業がムーディーズの格付けで AAA だったことをご存じですか？
現在はたったの 4 社です。オートマティック・データ・プロセッシング、エクソン、ジョンソン＆ジョンソン、マ
イクロソフト。
これでも経済回復に見えるでしょうか。トリプルＡが取れる安定企業が全国で 4 社しかないのに。
私もそうは思えません。でもこれも住宅部門に比べれば大したことではありません。
＊＊狂乱のラスベガス経済
今のアメリカの狂乱ぶりをご存じでしょうか。
ラスベガスの住宅市場の異様さを考えてみましょう。『ニューヨークタイムズ』によると、約 1 万戸の新築
住宅が空き家で、何千戸もの住宅が差し押さえられ、何千という人々が住宅ローンを払えなくなり、2006
年以降、住宅の平均価格が 60％以上下落しているのに、再び建設ブームが起きているそうです。
何がこの熱狂的な建設ブームを駆り立てているのでしょうか？
住宅を購入する人々は、前回のブームで建設された住宅を欲しがりません。その地区はゴーストタウン
化し、誰も住まない空き家の多くにゴキブリが住み着いているからです。
地元の建設業者は今、ラスベガスで もやってはならないことをしているのです……住宅の増設を！
フェニックスやその他の都市でも似たようなことが起こりつつあります。
もちろん、経済指標は良好に見えるかもしれませんが、長期的には状況をもっと悪化させるだけです。
企業が収益の数字を人工的に釣り上げるために使うトリックは他にもあります。
とんでもない話ですが……
＊＊未来のホープ：ニュージャージーのホームレス
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過去数年の私の著作を読んだ方は、私がフェニックス大学のような「営利目的」の教育部門を全く買って
いないことをご存じでしょう。
全国何万人もの学生に安い授業料で教育を提供する大学のいったいどこが悪いのでしょうか。
私に言わせれば、それはこの国と経済の歪みと狂乱を示す症状にすぎません。
その狂乱の一つは、ホームレスの人々を入学させていることです。
ウソだと思うかもしれませんが、ビジネス・ウィークも 近この件を報じています。
なぜそんなことをするのでしょうか？
なぜならホームレスの人々は、連邦の奨学金やローンで大学の授業料を払う資格があるからです。私が
読んだレポートによると、フェニックス大学は収入の 85％以上を連邦資金に依存しています。
また 近のビジネス・ウィークによると、もう一つの「営利目的」大学、ドレーク・カレッジ・オブ・ビジネスは、
ニュージャージー州ニューアーク校の学生の約 5％がホームレスです。
当然ながら、彼らの大半はローンを返せないでしょう。でも大学は気にしません。それは政府の問題であ
って彼らの問題ではないからです。
例によって、貧乏くじを引くのはあなたや私のような納税者です。
そして現在、投資家がドルの保有を恐れるもっともな理由がもう一つあります。
＊＊株式市場は 1937 年の再来
現在の株式市場で も憂慮すべき問題は、1937 年から 1942 年にかけての状況をそっくり再現している
かもしれないということです。
2008 年の経済危機以降、株式市場は驚異的に回復したと思っている人がほとんどでしょう……それは
ある程度その通りです。
でも決して危機を脱したわけではありません。
事実、1930 年代から 1940 年代にかけてのアメリカの前回の恐慌では、市場が完全に大暴落するまで、
同じような下落と回復があったのです。
実際、状況は気味悪いほどよく似ています。
このグラフを見てください。こんな恐ろしいグラフは久しぶりに見ました。これは 1937 年からの株式市場
の動きを 2008 年以降の動きと重ね合わせたものです。
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＜グラフ＞
黒線：1937 年からのダウ工業株平均
青線：2008 年からのダウ工業株平均
1930～1940 年代の再来？
両者ともほぼ同規模の大暴落と、やはりほぼ同規模の大きな回復があります。
でも次にどうなったでしょう？
もし歴史が指針になるなら、株式市場に再び大きな下落が起きてもおかしくありません。70 年前はそうだ
ったのです。
そして現在のさまざまな経済問題が解決されないままなら、必ずもう一度あるでしょう。とくに米ドルが準備金としての地位を失うとしたら。
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ウォール・ストリート・ジャーナルはこう報じています。
「昨年の株式市場の経過は、不気味なほど 1937 年に似ていた。 初に強く急激に戻った時の高値
がそのときと同様のペース、同様の規模であり、次にやはり同様に反発した。1937 年の反発が 1938
年の暴落へと至ったのと同じ経過をたどるのだろうか。」
つまり、状況は非常に不利なのです。
迫りくる通貨危機は避けられません。
ほぼすべての州が破産の瀬戸際です。とうてい返せない、とてつもない借金を抱えています。
アメリカ経済はもう泥沼です。すでに税金はとんでもなく高く、今後数年でさらに上がるでしょう。世界
のほぼすべての主要な経済的プレイヤーが、米ドルに代わる世界準備通貨に備えています。
重大な通貨危機が確実に迫っているのに、なぜ真顔でこの現実を否定できるのか、私には分かりま
せん。
通貨危機が来るとは思えないというなら、過去 10 年間の金と銀の対米ドル価格の推移のグラフを見
てください。
＜グラフ＞
金 銀
金と銀の価格は過去 10 年間急上昇！
頭の良い投資家が米ドルではなく金や銀を保有したがるのは明白です。
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基本的な経済の知識とセンスのある人なら、米ドルの運命が分かるでしょう。そしてそれは平均的ア
メリカ人が考えたこともないような大きな影響を及ぼすことになります。
では、あなたに何ができるでしょうか。
私は多くのリサーチの結果、今のあなたの財産を守るだけではなく、通貨危機の展開とともに相当な
儲けが出るような、あなたにできる驚くほど多くの簡単な方法があることを発見しました。
身を守り、儲けを増やすためにあなたにできること
今後数年間で、自分の身を守り、もしかしたら富を増やすために何をすべきでしょうか。
あなたが今すぐ始めるべき、一連の極めて簡単な経済的手段があります。
ただ覚えておいていただきたいのですが、ここでお話しするのは資金管理だけです。
どのようにして家族を守るかは、あなたの環境によって違います。もし都会にお住まいなら、暴動や
食糧や水の不足が起きたときに避難する場所を確保しておくことをお勧めします。今後二年間でそう
なる確率は非常に高いからです。
混乱が収まるのをどこで待つにしろ、 低 6 カ月分の基本的食糧、水、医療品を備蓄することをお勧
めします。
危機の際には、政府はあてになりません。ハリケーン・カトリーナでニューオーリンズの街を救うことさ
えできなかったのです。地獄のような混乱が始まったとき、どうして国全体を救えるでしょう。
さっきも言いましたが、政府は個人を救おうとはしないでしょう……自分たちを救うのに精いっぱいで
しょう。資金の管理については、まず資金を失わないようにし、さらに優位に立てるようこの状況を活
用しましょう。私にはそのお手伝いができます。私が勧める手段はどれも簡単で容易に実行できます。
少なくとも当面は。でも手をこまねいていると、ほぼ確実に非常に高くつくようになり、難しくなり、実行
不可能にさえなるでしょう。
今、実行すれば、近づく嵐に備えられるばかりか、今後数年間でかなり儲けられるでしょう。
もし私の言ったことがはずれても……ここが一番おいしいところなのですが……それでも相当儲かり
ます。
この危機が緩やかなインフレで済んだとしても、あなたは非常にうまくやっていく備えができています。
では具体的な手段をご紹介しましょう。
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ステップ 1：資金の一部をアメリカ政府の手の届かないところに置く
（これは完全に合法で、あなたが思うよりずっと簡単です）
たぶん信じられないでしょうが、政府は自己救済のための政策を実施するでしょう。今は想像できな
いかもしれませんが。
でも政府は追い詰められると絶望的なことをするものです。そのせいで 80 年前、金の所有は非合法
化されたのです。
すでに自動的 401(k)や年金積立制度の「国有化」が話し合われているのも、そのためです。もうすぐ、
法外な税金を払わないと外国銀行に口座を開いたり海外預金を動かしたりするのが違法になるのも
そのためです。
でも幸いなことに、私は 近、アメリカで超一流とされる「資産保全」弁護士に会うことができました。
要は、あなたが政府に報告する義務が“ない”、今すぐできる 4 つの簡単な投資を教わったのです。
ここで間違えないでいただきたいのですが、
もし将来、それを売却すれば、やはり収益に税金はかかります。でも素晴らしいことに、ルールに従っ
てこの投資を保有しているかぎり、政府に報告する義務はないのです。
メリットは明らかです。
政府があなたの資金のありかを知らないほどよいのです。あるかどうか知らないものには、なかなか
手を出せません。
私自身もポートフォリオのかなりの部分をこれらの資産の一つに注ぎ込んでいます。
このビデオでは、私がしていることを一つ一つ詳しくお話ししませんが、私の新しいレポート『アメリカ
政府への報告義務のない 4 つの投資資産』ですべてを詳細にわたって説明いたします。あなたはこ
のレポートに無料でアクセスできます。
このレポートでは、私がどうやって資金を守っているかを説明するだけではなく、政府に報告しなくて
も違法にならない 3 つの投資先をお教えします。
もちろん、私の資産保全の弁護士から 善の戦略を教えてもらうには、普通、何千ドルもかかります。
でもこのレポートでは、手始めにすべきことをすべてお教えします。また、あなたが自分を守るために
とるべき行動の情報もお届けしたいと思います。
ステップ 2：この期間に もパフォーマンスが高くなる、
31
世界で も安全な資産を得る方法
あなたにとって可能な範囲で、できるだけ多く金と銀を買いましょう。確かに金は過去 10 年間ですで
に 400％以上値上がりしています。
でも米ドルが世界準備通貨としての地位を失ったとき、それはほんのちょっとした買い遅れにすぎな
かったことに気づくでしょう。
今後数年で金が 1 オンス 5000 ドルか 6000 ドルに達しなければ、私は驚きます。
ジョージ・ソロス、デビッド・アインホーン、ジョン・ポールソンなど世界で も賢いマネー・マネージャー
はそろって 近、金の持ち高を非常に大きくしました。まねしない手はありません。
ではその方法は？
たくさんの選択肢があります。 近、私のリサーチ会社は『金投資家のバイブル』という本を出しまし
た。金を手に入れ保有する 善の方法を詳しく述べています。
この本では、金業界の多くの秘密を明らかにします……とくに金の も良い買い方、売り方、蓄え方
を。同じ金貨でも優劣がある理由、ディーラーの利幅“なし”に買う方法、金を簡単に安全に非常に安
いコストで海外に蓄える方法……隠し場所、などなど。
この本は不定期にしか販売しませんが、価格は 24 ドルです。でもあなたは無料ですぐにアクセスで
きるようになります。
では銀はどうでしょうか？
銀はこの通貨危機で独特の役割を果たすでしょう。
ご説明しましょう……
有史以来、ほぼすべての時代で、金価格は銀価格の約 16 倍でした。このいわゆる「銀比率」は、銀
の発見や政府による金銀比価の規制によって変動します。しかし通貨として銀の需要がある自由市
場では、自然の需要供給バランスで銀価格が金価格の約 1/16 になると予想します。
歴史的な金銀比価では、金が約 1400 ドルなら銀は約 87 ドルです。ところが現在、銀は約 27 ドルで
取引されています。現在、金は銀の 50 倍以上で売られているのです。
何百年もの歴史と現在の違いは何でしょう？ なぜ銀は金よりこんなに安いのでしょう？
現在のように銀が「廃貨」になると、つまり通貨ではなく工業目的のみに使用されていると、金や他の
通貨を買うために銀が売られるので供給が急増します。
一方、通貨危機の際は、通貨としての銀の需要が銀の価値を大いに上げます。
たとえば第一次大戦中、金銀比価は歴史的な範囲（16）に戻りました。1970 年代初めにニクソンが金
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本位制をやめたとき、また も有名なところで 1979 年から 1980 年にかけてアメリカが深刻な通貨危
機に入りそうに見えたときも、そうでした。
ほとんどの人は知りませんが、銀は今世紀で もパフォーマンスの良い資産です……金ではなく。
私の友人、億万長者で通貨の専門家のクリス・ウィーバーは、金は 2000 年以来、256 ドルから 1365
ドルに上がったと指摘しています。433%の上昇です。銀は 4.02 ドルから 24.96 ドル。こちらは 521％で
す。
つまり銀は通貨危機の 善のヘッジなのです。
ドルが下落したら、銀は再び通貨としての需要が高まります。
そして需要が高まれば、銀の自由市場の値段は金の１６分の１に戻ると予想されます。金価格が銀
価格の１６倍だとすれば、金価格が１オンス２０００ドルになれば、銀価格は１オンス１２５ドルになる
でしょう。
億万長者で通貨の専門家のクリス・ウィーバーは、銀は 1 オンス 187 ドルになると予想しています。
そうなったら、今日の価格で投資すれば約 600％の利益が出ます。
では、銀を買う も良い方法は何でしょうか？
わが社は銀について多くの研究を重ね、個人的に銀を保有する素晴らしい方法を発見しました……
アメリカ国内や海外の安全な場所に保管する方法です。『銀市場の秘密』という価値あるガイドブック
にすべての知識を注ぎ込みました。
この貴重なリソースもやはりあなたに無料で差し上げたいと思います。この後すぐ入手法をお知らせ
しますが、その前に、今すぐやるべき 3 つ目の手段を説明させてください。
ステップ 3：100％の秘密の習得
来たる通貨危機で大きな利益を上げたいなら、一つの確実な方法は、現在、一部の投資家に絶対的
な富をもたらしている、普通とは違う複雑な投資戦略を学ぶことです。
私のリサーチ会社では、この数年、会員の方にこの方法をお教えしています。
ここが肝心なのですが、あなたは一株も買わずにこの戦略を始められます……「空売り」とは全く関
係ありません。
一言で言うと、一株も持たず、触れることもなく、市場からぴったり 100％の収益を安全に引き出せる
アプローチです。
33
ただし、この戦略は全く異なる 2 つの展開をたどることがあります。市場から引き出す 初のキャッシ
ュをいつでも手元に置ける一方、現在の市場価格よりも不利な価格で現株を買うことを求められると
きがあります。ですので、この戦略にはリスクがあり、おそらく万人向けではないのをご理解ください。
それでも、とくに金融不安の時期には、健全な市場戦略になります。一度、その仕組みを理解したら、
二度と従来の投資はしないと思うかもしれません。
だから 100％秘密と呼んでいるのです。
近年、私がこの秘密を教えた人々の例をあげましょう。
去年、アイダホ州ボイシ在住のピーター・コスはこの戦略を始めました。現在、月平均 1 万ドルの儲
けがあるそうです。メリーランド州アナポリスのランディ・バウマンは、この方法で 8 万 7500 ドル以上
儲けたそうです。インディアナ州カーメルのバーナード・ヘンダーソンは、現在 1 日平均 100 ドル回収
しています。ニュージャージー州ニューブランズウィックのハロルド・ウェルチックは 2 万ドル以上儲け
ています。
も端的なのは、サクラメントのティム・ヘウィットの言葉でしょう。「これが私のポートフォリオを救い
ました」
だから金融関係の著書のあるリー・ロウェルは「17 年間トレーダーをしているが、多くの人はこの投
資について聞いたことがないし、ましてや実行したこともない。これはすぐにキャッシュを入手できる
素晴らしい方法である」と述べています。
ピューリッツァー賞作家のジェームズ・ステュアートは 近このテクニックを学び、「配当があまりにい
いので、これは本当なのかと同僚に相談しました」と言いました。
まだほとんど理解されていないこの戦略によって、株式市場が荒れたときでも何十人もの人々がとて
つもない利益を上げています。そして、私の予想通りにまもなく市場が本格的に悪化しても、とてつも
なく利益の上がる安全な戦略なのです。
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私の新しいレポート『100％の秘密―リスクのある株式市場で も簡単に儲ける方法』
の中にあります。
この投資戦略があなた向きかどうか判断できるよう、この投資戦略を正確に説明します。今すぐ始め
れば、どんな利点があるかお教えします。
そして、株式市場が崩壊し始めると、この素晴らしいテクニックはもっともっと富をもたらします。
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そこで、、、
ステップ 4：どんなに状況が悪化しても、
自分と家族を救う資産を必ず一つ持つ
この危機が展開し始めたとき、どのぐらい悪化するのか、正確には分かりません。
暴動、デモ、銀行の取り付け騒ぎ、大量逮捕、手のつけられない騒乱……少なくとも数カ月は続くで
しょう。
でも幸い、あなたと家族をこの大混乱から守り、将来は財産にもなる一つの資産があります。それは
アメリカで広く手に入るものです。
銃とか債権、金や他の貴金属……そうした類ではありません。もちろん株式市場とも全く関係ありま
せん。
富裕層が自分たちを守り、維持し、財産を形成するために何世紀も使ってきた非常に強力な資産で
す。
この資産のインデックスは 1970 年から 2009 年にかけて株式市場を完全に圧倒し、その期間は株よ
りも 10,000％多く収益が上がりました。また、この投資は同じ期間での金の収益を 9000％上回りまし
た。
このグラフの青い直線が上昇しているのをごらんください。黒と赤の線、金と株の収益より遥かに高
いでしょう。
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＜グラフ＞ 危機の際の世界で も貴重な資産
金
「世界で も貴重な資産」
S&P 500 インデックス
なぜ株や金よりずっとパフォーマンスが良いのか？
億万長者の投資家、バートン・ビッグスは、このタイプの資産は歴史を通して常に「富と生活を守って
きた」と述べています。
たとえば第二次世界大戦中、何百万もの家族がインフレや政府による没収によって一生の蓄えを全
部失ったときでも、この一つの資産が財産を守り、維持し、増やしたのです。
アメリカの 富裕層の多くはこの資産をかなりたくさん所有していることを、平均的アメリカ人はよく分
かっていません。たとえばウォルマートの名家であるウォルトン家、ビル・ゲイツ、テッド・ターナー、ヒ
ルトン家、チャールズ・シュワブ、マイクロソフトのポール・アレン、テキサスの石油会社の名家のハン
ト家、ハースト家、フォード家、など。
さっき言ったように、今日、ここで、簡単にこの投資ができます。今それを所有している人は、おそらく
人口の 1％未満でしょう……でも手軽にかなり安く入手できます。
知るべきことはすべて私のレポート『危機の時代の世界で も貴重な資産』に詳しく書いてあります。
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この投資にはいくつか方法がありますが、それが何かをお教えします。
これは株、債権、貴金属、銃、薬やその類とは関係ありません。でもそれが家族を救い、将来、あな
たを非常に豊かにします。
私の億万長者の友人、ダグ・カセイはこう言います。今後、所有すべき“たった一つのもの”だと。
このビデオではここまでにしておきます。実は、この投資の秘密を知る人が少ないほどいいのです。
ではどうしたら、今すぐこれらの簡単な手段を始められるでしょうか？
当社、スタンズベリー＆アソシエイツ・インベストメント・リサーチは金融リサーチ会社です。
約 50 名のスタッフと共に、他のどこでも聞けないような安全で利益の上がる投資のアイディアを追求
しています。
10 年前に創立して以来、多くの人々の豊かな財産形成をお手伝いしてきました。
モンタナ州在住のハロルド・ティーセンは 近こう言ってくれました。「私の個人退職年金（ＩＲＡ）は 31
万 5000 ドルから 95 万 2000 ドルにまでなりました。こんなに人生を変えてくれたことに、ただただ感
謝しています。」
サンディエゴのダン・コフィンもこう言ってくれました。「会員になってから、ポートフォリオが数十万ドル
増えました。これからも末永くよろしくお願いします。」
会員のユリシーズ・ロイターからも 近興味深い便りが届きました。「小さな大儲け」をするうちに立派
な船とメキシコに家を買うことができたそうです。これがその写真です。
ロイターは「船は 3 週間前に届き、今はバハマをクルージングしています。メキシコに家を買ったので、
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10 月にはパナマ海峡を通って太平洋側に出ます」と書いています。
ニューヨーク州イタカのミッチェル・ドナヴァンからもすてきな便りが届いています。「以前は長時間残
業して生活費を稼いでいました。会員になったおかげで、早期に退職することができました。」
こういうお便りほどうれしいものはありません。
でも私は多くの会員や勤勉なアメリカ人が、この避けられない危機に不意打ちされるのではないかと
非常に心配しています。
だからこそ、このビデオを作成したのです。また事態が具体的にどう展開するのか、どうすれば自分
を守り、危機の中でも繁栄することができるのかを詳しくお教えしたいのです。
いいですか、政府は決して救ってくれません。
ただ流れに身を任せるのも……2、3 の簡単な手段を講じて家族の運命を守るのも、あなた次第です。
どうか私のレポートをちょっとのぞいてみてください。あなたに必要な情報が好きなだけ手に入ります。
一番おいしいところは、私のリサーチを読み、ここで話したすべての情報を得て、しかも何のリスクも
義務もないところです。
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ば、すぐに以下にアクセスできるようになります。
リサーチ・レポート #1 『アメリカ政府への報告義務のない 4 つの投資資産』
リサーチ・レポート #2 『金投資家のバイブル』
リサーチ・レポート #3 『銀市場の秘密』
リサーチ・レポート #4 『100％の秘密――リスクのある株式市場で も簡単に儲ける方法』
リサーチ・レポート #5 『危機の際の世界で も貴重な資産』
また毎月第二金曜に月刊ニュースレター『スタンズベリー投資顧問』をお届けします。この金融危機
に関する 新情報をお知らせし、現在、そして危機が始まったときに利益を上げる、普通とは違う素
晴らしい方法をお教えします。
崩壊する産業の救済に政府が追われる中で、財産を築く素晴らしい方法がいくつか見つかっていま
す。
私が自分を守るためにしていることについても、 新情報をお届けします。法規の改正や政府の介
入について常に状況を把握できるようにします。
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そして毎日、市場が開くたびに、有料会員専用の『スタンズベリー＆アソシエイツ・ダイジェスト』をお
送りします。
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ポーター・スタンズベリー
スタンズベリー＆アソシエイツ・インベストメント・リサーチ
2011 年 7 月
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ビデオセールスレター分析
End Of America
アメリカの終焉
1. ここでポーター・スタンズベリーはメインテーマを簡潔に述べ、いろいろな角度から分析する。
このビデオセールスレターでは、テーマが普通よりも少し後で語られるが（リードの範囲内）、「閲覧注意：
これから見るビデオには賛否両論があり、一部の方に不快感を与えることがありますので、視聴はご自
身で判断してください」という注意を引き付ける見出しがあるので、それで良い。
具体的には、テーマはリードの第 5 パラグラフから始まる。これから起きようとする惨事についての大予
言である。
「 近の金融危機をうまく乗り切った経験に言及したのは、
さらに大きな危機が忍び寄っていると考えるからです。
それもアメリカを根本から揺るがすような。」
次にポーターは、視聴者のためにテーマをいろいろな角度から語る。
「この問題が頂点に達すると、街では暴動が起き、
空前の人数の逮捕者が出て、軍は戒厳令を敷くでしょう。」
この時点で、少し懐疑的な視聴者でも、次は何かと耳を傾けずにいられなくなる。
2. ここで少し話題を変え、ポーターは自分の信頼性を確立するための話をし始める。
どんな場面でも、見込客の疑いをやわらげるのは信用である。
結局のところ、なぜ視聴者はプレゼンターの言葉を信じなければならないのか？ ポーターはただちにそ
の問いに答えている。
まず自分の会社を投資リサーチ業界の権威として位置づける。
「今から 10 年と少し前、私はスタンズベリー
＆アソシエイツ・インベストメント・リサーチを創立しました。
同社は 120 カ国以上に何十万人もの会員を抱える
世界有数の定評ある投資リサーチ会社に成長しています。」
その直後、自分が過去の金融崩壊を正確に予想し（会員に損害を回避させた）ことを伝える。
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「ファニーメイとフレディマック、ベア・スターンズ、
リーマン・ブラザーズ、ゼネラルモーターズ、その他、
その後破綻した何十もの企業について投資を控えるよう、投資家に警告しました。
さらに、株の空売りとプットオプションの購入によって
利益を上げるチャンスを見つけるお手伝いをしました。
私の知るかぎり、2008 年の大惨事を当社ほど正確に予想した
リサーチ会社は世界のどこにもありません。」
ある程度、視聴者の信用を得たら、テーマ（ステップ 1 に記述）を話す。その直後、信頼性が高まるような
話を積み重ね、視聴者が話の続きを聞き続けてくれるように導く。
再び、過去の金融の大惨事を正確に予想した話で信頼性を高める。
「3 年前、世界 大の住宅ローン公社、ファニーメイと
フレディマックの倒産が近いと私が警告したとき、誰も信じませんでした。
ゼネラルモーターズの倒産が近いと言ったときも、
ゼネラル・グロース・プロパティーズ（米国 大のショッピングモール不動産所有者）のときも。
でもその通りになりました。」
3 . ここでポーターは「これから何を話すかを提示する」。
視聴者は、このビデオが自分にとって重要な意味を持つ理由をざっと聞かされたので（メインテーマを簡
潔に提示する、いろいろな角度から説明する、信頼と信用を高める）、今度はなぜ 後までプレゼンテー
ションを見る必要があるのかを納得させる。
そのため、ポーターは再び主要テーマに戻る。
「私が過去 5 年間、さまざまな銀行や企業で追ってきたのと同じ財政問題が、
財務省にまで食い込んでいます。なぜそうなったかを後で説明しますが、
これはあなたにとって、そしてすべてのアメリカ人にとって極めて重要な意味があります。
この危機が次の段階に入ると、私たちの生活そのものが脅かされます。」 テーマを再提示したら、来たるべき危機が視聴者の生活に与える影響をまざまざと示す。
「何百万人もの人の貯金が消えます。
あなたの会社も仕事も変わってしまいます。
あなたの貯蓄、投資、退職後の生活に著しい影響を与えます。
これまでの暮らし方がすべて変わるでしょう。
どこでバカンスをするか、子どもや孫をどの学校にやるか、
どこでどのように買い物をするか、どうやって家族や家を守るか。」
この時点で、非常に懐疑的な視聴者でもビデオを止められなくなる。何と言っても、迫りくる危機は彼らの
ライフスタイルそのものを脅かすのだから。
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またポーターは、この危機の正体をまだ話していないことに注意しよう。ただどんな影響があるのか、視
聴者にとってどんな意味があるのかを、もったいぶって話すだけである。この危機とは正確に何なのか、
そしてなぜ起こるのかを知りたければ、 後までビデオを見るしかない。
後に、ポーターはある希望を示してこのステップを閉じる。この大混乱が襲うとき、ほとんどの人は何を
したら良いか分からないが、視聴者はそうではないと語る。
そして、ビデオの 後には、ポーターが将来に備え身を守るために取っている手段を紹介することや、視
聴者も自分の身を守り混乱を無傷で乗り切るために同じ簡単な手段を利用できることを話す。
4 . ここから「本題」に入る。
ポーターは、アメリカが大きな金融崩壊を迎えることになる理由を説明する。詳細にわたって説明しなが
ら、ステップ 1 から 3 までじらしていた情報をついに明らかにする。
「端的に言うと、私たちはアメリカの通貨制度と日常生活の
非常に大きな崩壊を目の当たりにすることになるでしょう。」
ポーターは、アメリカは負債を支払えず、巨大な金融崩壊を迎えると予想する。まだ本格的に崩壊してい
ない唯一の理由は、米ドルが世界の準備通貨で、アメリカは負債の支払いのために紙幣を増刷し続ける
ことができるからである。
だがドルが世界の準備通貨でなくなることは避けられず、いつそうなってもおかしくない。その日はアメリ
カ経済の審判の日となるだろう。
ポーターはアメリカがどのようにして膨大な負債を蓄積したかを説明して、この予想を証明する。深刻な
事態を描き出すため、次の衝撃的な統計を提示する。
「もしアメリカ国民全員の所得に 100％の税金をかけても…
…それでも連邦予算は赤字なのです！
現状を維持するだけでも、さらに借金が必要なのです。」
次に、イギリスをはじめとする他の先進国もこれと同じ金融危機に見舞われたことを巧みに紹介する。そ
してユーゴスラビアの例をあげる。またこの金融崩壊は過去 100 年間のいずれかの時点で、ドイツ、ロシ
ア、オーストリア、ポーランド、アルゼンチン、ブラジル、チリ、ポーランド、ウクライナ、日本、そして中国で
も起きたことを説明する。
多くの論理的証明を提供する一方、こうした歴史や市民が被った影響を語ることにより、無視しがたく、非
常に説得力があり感情移入のできる全体像を示している。
次に、こうした性格のものはアメリカでは起こりえないという視聴者の反論に対して、それがすでに州レベ
ルや地方自治体レベルで起きていることを説明する。多くの州は大きな負債を抱え、財政緊縮のために、
自治体所有の建物の売却や囚人の釈放など極端な手段を取らざるを得なくなっている。
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このステップ全体を通して、信頼性のある評価の高い情報源から、非常に具体的な事実情報、数字、グ
ラフ、引用をふんだんに使用している。こうした資料があると、論理的思考の人は、この予測はもっともで
やがて実現すると納得できる。
後にとどめを刺す。米ドルが世界の準備通貨でなくなるのは必至という点に戻り、圧倒的な証拠を示
す。
5 . ここでギアチェンジして、再びメインテーマを提示し、いろいろな角度から説明する。
次のことを視聴者に再認識させる。
「米ドルが世界の準備通貨としての地位を『失うかどうか』ではなく、
それが『いつか」という話なのです。」
視聴者を釘づけにし、 後まで見ればメリットがあることを再認識させる。
「幸いなことに、どんなことが起きても、あなたの貯蓄を守れるいくつかの方法を、
私は見つけました。しかも今後数年間であなたの資金を 3 倍、5 倍にできるかもしれません。
何をすべきなのかは、すぐにお話しします。」
視聴者の注意を引き付けると、その勢いに乗って、メインテーマと視聴者の生活への影響を鮮やかに描
写する。現実にアメリカでどれだけ事態が悪化しているかを示す。 たとえばカリフォルニア州フレズノの貧民街、高い失業率、フードスタンプの受給者の増加、政府補助金
を受けるためにホームレスを入学させるオンライン大学など。
何より重要なのは、株式市場が 1937 年、つまりアメリカが金融破綻に陥るちょうど 1 年前と気味の悪い
ほど似ていることである。
セクション全体を通して、視聴者はさらに悪いことが来るのかと心配になってくる……この申し分のないタ
イミングで、ポーターは、すべてを解決し、この危機を無傷で乗り切る方法を明らかにし始める。
6 . ついにポーターは、自分を守るために何をすべきかを明らかにする。
各ステップは、視聴者がもらえる無料のレポートと関連づけられている。
このビデオセールスレターで売ろうとする実際の商品は、すべての無料特典の価値が構築された“後に”
初めて明らかになることに注意しよう。この時点では、視聴者は商品そのものよりも無料特典を欲しがる。
後に、無料のレポートで得られるベネフィットをさらに強調した後、視聴者に入手方法を伝える。『スタン
ベリー投資顧問』の購読申し込みである。
7. ここで潜在顧客が商品やサービスを購入すべき理由を伝える。
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このビデオセールスレターでは、その理由は、金融破綻がまもなく訪れるので身を守る必要があるという、
切迫した、あらゆるところに共通するものである。
ポーターは、この金融破綻がやがて起こるということ（そして視聴者が身を守るのに必要な特別な情報を
ポーターが持っていること）を視聴者によく納得させているので、投資顧問サービスに登録するベネフィッ
トを軽く再認識させるだけで良い。
「でも私は多くの会員や勤勉なアメリカ人が、この避けられない危機に
不意打ちされるではないかと非常に心配しています。
だからこのビデオを作成したのです。また具体的に事態がどう展開するのか、
どうすれば自分を守り、危機の中でも繁栄することができるのかを詳しくお教えしたいのです。」
8 . ここでは、潜在顧客が商品を買うべき理由を「証明する」。今度はポーターの会社、スタンズベリー＆
アソシエイツ・インベストメント・リサーチに焦点が当てられる。
目標は会員を儲けさせること、だ。そして実際…… ポーターは会員の成功に焦点を当て、会員の声をいくつか紹介する。
例をあげると、
「モンタナ州在住のハロルド・ティーセンは 近こう書いてきました。
『私の個人退職年金（ＩＲＡ）は 31 万 5000 ドルから 95 万 2000 ドルにまで増えました。
こんなに人生を変えてくれたことに、ただただ感謝しています』。」
9 . ここでオファーを提示する。半額オファーとリスクリバーサルに焦点を当て、視聴者が抱きそうな 後
の反論や疑問を克服する。
10. ここで「注文ボタン」が現れる。このビデオセールスレターでは「いますぐ登録する」というクリック・リ
ンクである。またビデオの再生中は、注文ボタンはビデオ画面の下部にプレゼンテーションの 後まで表
示されている。
11. ささいな価格に見せる。よくあるのは、商品の価格を、普段はあまり価格を考えないで日常的に購
入するありふれた物品に例える方法である（コーヒー1 杯、外食 1 回など）
ここでは、無料のリサーチ・レポートの価値を形成するためにポーターが行った素晴らしい徹底した仕事
が、価格をささいなものに見せている。
ポーターは時間をかけて、これらの無料特典の価値を形成しているので（また会員の声や、ポーターの
支援による彼らの成果によって結果を証明しているので）、スタンベリー投資顧問への 1 年登録に対して
半額の 49 ドルは、確かにささいなものに見える。
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12. 保証。丸 4 カ月サービスを試すことができ、その時点までにキャンセルしたくなればキャンセルでき
ることを知らせる。何より、価値の高いリサーチ・レポートはすべてそのまま自分のものにできる。
13. クロージングとして、ポーターはオファーに応じるべき論拠をもう一度繰り返す。惨事が起きても、基
本的に政府はあなたを救ってくれない（政府自体も救えない）ということである。
そして呼びかける。
「ただ流れに身を任せるのも……2、3 の簡単な手段を講じて
家族の運命を守るのも、あなた次第です。」
「どうか私のレポートをちょっとのぞいてみてください。
あなたが必要な情報が好きなだけ手に入ります。」
14. またく r−ジングとして、登録が重要である理由を短いパラグラフで潜在顧客に再認識させる。ポータ
ーは、迫ってくる危機に関する状況を正確に把握できるよう支援し、身を守り富を増やすための新しい情
報を提供することを約束する。
15. このビデオセールスレターでは、ステップ 15 はステップ 8 の延長である。ポーターは顧客の声を追
加し、ダメ押しのように、一人の会員からの便りを紹介する。彼はポーターの支援によりたくさん儲けて、
立派な自家用船を買うことができた。
船の写真を入れて、信ぴょう性を高めている。
16. 切迫感の動機づけ。ビデオの 初から 後まで、切迫感が組み込まれている。この危機はいつ起
きてもおかしくなく、すでに視聴者は何かしなければならない気持ちになっている。それも“今すぐに”。
だが自分がすべきことを見つけるのに 1 秒も待つ必要がないことも、さらに切迫感を高める。登録後、す
ぐにレポートをダウンロードすることができる。
「ただ月刊ニュースレター『スタンベリー投資顧問』の
トライアル購読をしたいとお知らせいただければ、
すぐに以下にアクセスできるようになります。」
17. 後にもう一度、注文を促し、注文ボタンをクリックした後のことを話す。注文するとただちに、ポー
ターのレポートにアクセスすることができる。
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注意：17 のステップは必ずしもその通りの順序で進んでいくわけではない。ポーターのこの例に見られる
ように、テーマや内容によって多少、変動がある。何より万全の準備をし、論理的な流れの部分ではすべ
ての要素を入れ、視聴者を釘づけにしよう！
発行元： アメリカン・ライターズ＆アーティスツ社 245 NE 4th Avenue, Suite 102 Delray Beach, FL 33483 電話： +1 561-278-5557 FAX： +1 561-278-5929 HP： www.awaionline.com
©アメリカン・ライターズ＆アーティスツ社 2012年 本資料は、無断複写・複製・転載を禁じ、米国著作権法および国際条約により保護される。 本資料のいかなる部分、全体あるいは一部においても、アメリカン・ライターズ＆アーティスツ社からの書面による許諾を事前に得ることなく、いかなる形式、またはコピー、録音を含む電子的または機械的ないかなる方法、あるいは、情報記録および再生のいかなるシステムよって、無断で複写、複製、復元、送信することを禁ずる。 本資料は、著作権法およびその他の知的財産法により保護される。許可無く復元、再送信することは著作権侵害とみなす。 著作権物を許可無く復元、販売あるいは展示することは連邦法により禁じられており、違反した場合、民事上および刑事上の厳罰が科される。刑事上および法令上の著作権侵害は合衆国法典第 18編 2319 条によって規定される。
