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教員の仕事と意識に関する調査
文部科学省 国立大学改革強化推進補助金
大学間連携による教員養成の高度化支援システムの構築教員養成ルネッサンス・HATOプロジェクト－ －北海道教育大学 愛知教育大学 東京学芸大学 大阪教育大学
特別プロジェクト 教員の魅力プロジェクト
2
教員の魅力調査の報告にあたって
教員の魅力調査のプロジェクトは、HATOを構成する北海道教育大学、愛知教育大学、東京学芸大学、大阪教育大学が文部科学省の助成を受けて２年前に発足致しました。教員への社会の風当たりがきついことがありますが、それは社会的な期待の大きさの裏返しでもあると捉えて、私たちはこのプロジェクトの目的を、教員たちの現在の状況を多角的に把握し、教育活動の現在と教員の自己像を正確に捉えることと設定しました。そのことが、現在の状況の中に教員という仕事の魅力を浮かび上がらせ、さらにこれからの学校と教員の未来像を描く参考ともなるデータを得ることになると考え、調査を行うことにしました。その結果は、あとの分析に譲りますが、貴重なデータを得ることができたと考えています。 アンケートに回答いただいた全国の学校と先生方の協力によって、近年他に例をみない教員という仕事の魅力に関する貴重なデータを得ることができました。ここに記してプロジェクトの代表として感謝致したいと思います。 調査の結果は、教員の仕事が大変に多忙多岐にわたっている実態があるにもかかわらず、十分に評価されていない状況を示しています。また、そうした困難にもかかわらず、多くの教員が子どもを育てる仕事に意義と意味を見出していることもはっきりと示しています。私たちは、これらのデータを踏まえた教育改革や教員養成改革に取り組んでいきたいと思います。また、多くの教員・市民の皆様にもこのデータを見ていただきご検討いただければ幸いです。
2016年2月
愛知教育大学 教授HATOプロジェクト・教員の魅力プロジェクト代表
子安 潤
3
◆ 調査テーマ
◆ 調査方法
◆ 調査時期
◆ 調査対象校
◆ 調査対象者
◆ 調査項目
：
：
：
：
：
：
教員の仕事の実態や学習指導の実践状況、教員の仕事の魅力や悩み、学校教育などに関する意識と実態
学校通しによる質問紙調査（全国の小学校・中学校・高校それぞれ 540 校を無作為抽出し、学校経由で１校につき教員 6 名分の調査票を配布し、回収した。）
2015 年 8 月中旬～ 2015 年 9 月中旬
全国の公立小学校・中学校・高校（※ 分校、中等教育学校は対象外。高校は総合学科、専門学科を含む。）
主幹教諭、指導教諭、教諭（学校長から職階、年齢、性別、担当教科、担当学年が偏らないように配布を依頼。）
1 週間あたりの持ち授業コマ数／平日・休日の仕事時間／平日の睡眠時間／休日出勤日数 （月平均）／授業で行っていること／自分自身の評価／職場の様子や同僚・管理職等との関係／ロールモデルとなる（目指したい）教員の存在／教員の仕事の魅力、悩み・不満／「学校の先生」の仕事のイメージ／教員生活に対する満足度／将来展望／学校教育の中で育てたい力／教育改革や取り組みに対する賛否／これからの日本社会について／教員になりたいと思い始めた時期／教員になりたいと思った理由／大学生・短期大学生のときの授業や学びについて／現在の教員生活における大学での授業（科目）の役立ち度／大学生・短期大学生のときの経験で現在の教員生活に役立っていること、など
調査概要
小学校教員 中学校教員 高校教員 合 計
配布校数 540 540 540 1,620
配布数（各校 6 票ずつ） 3,240 3,240 3,240 9,720
有効回収数 1,482 1,753 2,138 5,373
有効回収率（％） 45.7 54.1 66.0 55.3
目 次
5. 教員の志望理由や時期………………………………… 146. 大学時代の経験と役立ち感… ……………… 15〜 167. 学校教育で育てたい力………………………………… 178. 教育改革や取り組みに対する賛否………… 18〜 199. 将来展望…………………………………………………… 19調査体制、調査事務局……………………………………… 20
調査概要……………………………………………………… 3
回答者の基本属性……………………………………… 4〜 5
1. 教員の勤務実態… ………………………………… 6〜 8
2. 自分自身の評価、職場の様子… …………………… 9
3. 教員のイメージ… ……………………………… 10〜 114. 教員の仕事の魅力と悩み…………………… 12〜 13
10〜 11
4
583 862 37
985 738 30
1406 708 24
0 20 40 60 80 100
女性（％）
無回答・不明男性
39.3 58.2 2.5
56.2 42.1 1.7
65.8 33.1 1.1
小学校
中学校
高校
15.7 16.5 14.5 7.3 12.4 14.0 17.2 2.4
15.9 14.7 11.8 9.4 13.3 16.8 16.2 1.9
15.7 14.7 13.2 11.5 11.7 17.4 14.5 1.3
0 20 40 60 80 100
小学校
中学校
高校
無回答・不明5～9年目
16.5 2.4
10～14年目
14.5
15～19年目
7.3
20～24年目
12.4
25～29年目
14.0
30 年目以上
17.2
5 年未満
15.7
14.7 11.8 9.415.9 13.3 16.8 16.2 1.9
15.7 14.7 13.2 11.5 11.7 17.4 14.5 1.3
（％）
3.8 1.0 94.9 0.1 0.2
4.7 0.9 94.1 0.0 0.2
5.3 1.6 92.9 0.0 0.1
0 20 40 60 80 100
小学校
中学校
高校
無回答・不明指導教諭 1.0 教諭
94.9
その他 0.1
0.9 0.0
1.6 0.0
主幹教諭
3.8
0.2
4.7 94.1
5.3 92.9
（％）
0.2
0.1
回答者の基本属性
性 別
教職経験年数
職 位
5
0 20 40 60 80 100 120
27.3 5.1 27.1 3.8 1.6 2.8 2.2 0.6 9.0 5.2 2.1 1.6 3.9 3.4 4.413.3 12.5 18.0 13.8 4.6 4.2 10.3 5.9 14.1 2.2 1.214.2 12.0 17.7 11.4 7.6 3.0 16.7 3.8 0.5 12.1 0.6 0.4
小学校
中学校
高校
社会5.1
理科3.8
体育9.0
道徳5.2
生活 1.6
算数 27.1
音楽 2.8
音楽 4.6
芸術 3.0 家庭 3.8 情報 0.5 その他 0.6
美術 4.2その他 2.2技術・家庭 5.9
家庭 0.6図画工作 2.2 外国語活動 2.1
国語 27.3
国語 13.3 社会 12.5 数学 18.0 理科 13.8 保健体育10.3 外国語 14.1
国語 14.2 地歴・公民12.0
保健体育7.6数学 17.7 理科 11.4 外国語 16.7 専門科目 12.1
特別活動 3.9その他 3.4
総合的な学習の時間 1.6
無回答・不明 1.2
無回答・不明 0.4
無回答・不明 4.4
（％）
0 20 40 60 80 100 120
16.52.4 2.42.414.5 12.4 14.014.0 17.2
14.7 14.7 11.8 16.816.816.816.8 16.21.9
14.7 11.5 11.7 17.4 17.4 14.514.514.51.3
小学校
中学校
高校
東北 関東 甲信越・北陸 東海 近畿 中国 四国 九州・沖縄北海道
14.56.3 11.3 24.1 8.4 11.7 11.8 6.9 5.0
（％）
14.04.3 9.4 32.1 6.5 10.6 12.5 6.5 4.2
11.111.56.0 26.1 9.8 10.5 12.7 7.1 5.2
0 20 40 60 80 100
通信制 0.2定時制 2.4
その他 0.1無回答・不明 0.7
全日制 96.6
96.6 2.4 0.2 0.1 0.7
（％）
0 20 40 60 80 100 120
商業科 3.9
普通科と専門学科・総合学科の併設 13.0専門学科と専門学科・総合学科の併設 3.1
その他 4.6 無回答・不明 0.6
普通科 59.3
59.3 7.5 3.9 8.0 4.6 13.0 3.11 0.6
工業科7.5
総合学科8.0
（％）
地 域
課程・学科（高校）
担当教科
注 学科について、「普通科」と「工業科」「商業科」「総合学科」を複数回答した場合は「普通科と専門学科・総合学科の併設」、「工業科」「商業科」「総合学科」の中で複数回答した場合は「専門学科と専門学科・総合学科の併設」とした。
注 小学校教員には「現在、力を入れて研究している教科や領域」を尋ねた。
⒈ 教員の勤務実態
60 20 40 60 80 100 120
11 時間 08分
11時間 32分
10時間 46分
8.9 23.8 24.8 23.9 9.8 6.3
6.1 16.0 21.3 27.4 15.2 11.1
5.5 12.3 26.8 22.7 19.4 4.97.3
無回答・不明 0.1
小学校
中学校
高校
0.3 2.2 8.9 23.8 24.8 23.9 9.8 6.3 0.11.0 1.9 6.1 16.0 21.3 27.4 15.2 11.1 0.20.9 5.5 12.3 26.8 22.7 19.4 7.3 4.9 0.2
（％） 平均時間８時間くらい 2.2
９時間くらい
１０時間くらい １１時間くらい １２時間くらい
0.2
0.2
1.01.9
0.9
７時間以内 0.3１３時間くらい１３時間より長い
0 20 40 60 80 100 120
5 時間 47分
5時間 45分
5時間 52分
8.2 25.6 15.6 2.3
8.9 27.2 46.0 15.0 2.5
7.9 21.6 48.9 18.5 2.9
無回答・不明 0.3
小学校
中学校
高校
8.2 25.6 48.0 15.6 2.4 0.38.9 27.2 46.0 15.0 2.7 0.57.9 21.6 48.9 18.5 3.0 0.3
（％）5時間より短い 5時間くらい
48.0
6 時間くらい
0.5
0.3
8 時間以上7時間くらい平均時間
0 20 40 60 80 100
54 分
42分
38分
17.1 11.8 14.4 36.6 16.8
27.7 13.7 14.0 32.0 10.0
34.2 13.4 8.713.6 27.6
小学校
中学校
高校
17.1 11.8 14.4 36.6 16.8 2.8 0.4 0.127.7 13.7 14.0 32.0 10.0 2.0 0.4 0.234.2 13.4 13.6 27.6 8.7 1.7 0.5 0.2
（％）しない 3０分より短い 30分くらい １時間くらい
0.22.0
0.21.7
2 時間くらい 4時間以上 0.4
0.4
0.5
3 時間くらい 2.8 平均時間
無回答・不明 0.1
図1−1 平日（授業がある日）に学校で仕事をする時間
図1−3 平日（授業がある日）の睡眠時間
Q あなたは、１日にどれくらいの時間、仕事をしていますか。
Q あなたの平日（授業がある日）の睡眠時間は平均してどれくらいですか。
教員の平日の仕事時間（学校と家）は約11時間半～12時間、睡眠時間は５時間台。
教員の平日の学校での仕事時間は、中学校教員がもっとも長く、平均約11時間半である。13時間以上（「13時間くらい」＋「13時間より長い」）働いている教員も、小学校・高校教員で1割台、中学校教員で2割台いる。また、多くの教員が平日に家でも仕事をしており、小学校教員では８割超、中学校・高校教員では7割前後が行っている。平日の睡眠時間は、小学校・中学校・高校教員とも平均５時間台と短い。
図1−2 平日（授業がある日）に家で仕事（授業の準備など）をする時間
注１…「７時間以内」は、「７時間より短い」「７時間くらい」の合計（図１－１）。注２…「４時間以上」は、「４時間くらい」「５時間くらい」「５時間より長い」の合計（図１－２）。注３…「８時間以上」は、「８時間くらい」「８時間より長い」の合計（図１－３）。
教員の勤務実態
1
教員の勤務実態
1
Q あなたは、ふだんの１週間（土日を含む）に、次のことをだいたい何時間くらい行っていますか。
7
0 20 40 60 80 100
2.0 日
4.5日
4.0日
26.3 19.8 17.1 13.2 3.715.4
6.7 7.8 7.7 6.6 21.8 12.8 13.5 8.3 14.1
9.1 10.5 12.5 8.5 10.2 4.819.5 10.5 14.0
8日以上 1.1 無回答・不明0.7小学校
中学校
高校
26.3 19.8 17.1 13.2 15.4 3.7 2.1 0.6 1.1 0.76.7 7.8 7.7 6.6 21.8 12.8 13.5 8.3 14.1 0.79.1 10.5 12.5 8.5 19.5 10.2 10.5 4.8 14.0 0.3
（％）０日 1日 2日 3日 4日5日
0.7
0.3
7日 0.66日 2.1 平均時間
0 20 40 60 80 100 120
1 時間 52分
1時間 22分
1時間 09分
11.7
9.422.6 5.9 24.6 18.9 9.1 5.3 3.6
31.3 9.3 7.1 22.2 15.2 7.8 4.02.9
無回答・不明 0.3小学校
中学校
高校
11.7 5.0 5.9 23.9 26.5 13.0 7.3 6.6 0.322.6 9.4 5.9 24.6 18.9 9.1 5.3 3.6 0.531.31 9.3 7.1 22.2 15.2 7.8 4.0 2.9 0.3
（％）しない
5.0 5.9 23.9
30 分より短い30分くらい 5時間以上3時間くらい
１時間くらい 4時間くらい
26.5 13.0 7.3 6.6
２時間くらい
0.5
0.3
平均時間
注４…図１－１〜３、図１－５の平均時間は、「しない」を0分、「30分より短い」を15分、「5時間くらい」を300分、「5時間より長い」を360分のように置き換えて、無回答・不明を除いて算出した。図１－４の平均日数も同様。表１－１の「授業」の時間は、回答してもらった１週間あたりの持ち授業コマ数に、小学校は45分、中学校・高校は50分をかけて算出。それ以外は、数字（整数での記入を求めた）で回答してもらった時間から算出。無回答・不明は除いている。
注５…「保護者対応」以外の各項目について、小学校・中学校・高校の中でもっとも時間が長いものに濃いアミカケをしている（表１－１）。注６…「５時間以上」は、「５時間くらい」「５時間より長い」の合計（図１－５）。
「授業」とその「計画や準備」の時間のほか、「授業以外の子どもへの指導」や「事務業務」の時間が長い。
学校段階によって教員の仕事時間の内訳は異なっている。小学校教員は「授業」の時間が19時間弱と長く、「会議など」の時間も４時間強と、中学校・高校教員に比べて長い。また、中学校教員は「授業以外の子どもへの指導」が約10時間半と長く、高校教員は「授業の計画や準備」「授業以外の子どもへの指導」「事務業務」が９～12時間弱と長い傾向にある。また、中学校・高校教員は休日の出勤日数が多く、月に「８日以上」の教員も１割以上いる。一方、小学校教員は休日に家で仕事をする時間が長い。
表1−1 勤務時間の内訳（平均時間）
図1−4 休日（勤務を要しない日）の出勤日数
図1−5 休日（勤務を要しない日）に家で仕事（授業の準備など）をする時間
Q あなたは休日（勤務を要しない日）に月平均で何日くらい出勤していますか。
Q あなたは、１日にどれくらいの時間、仕事をしていますか。
授業 授業の計画や準備
授業以外の子どもへの指導 保護者対応 会議など 事務業務
小学校 18 時間 49 分 8 時間 43 分 5 時間 13 分 1 時間 22 分 4 時間 08 分 6 時間 58 分
中学校 14 時間 47 分 8 時間 46 分 10 時間 24 分 1 時間 26 分 3 時間 38 分 7 時間 47 分
高校 13 時間 20 分 11 時間 58 分 9 時間 43 分 1 時間 01 分 3 時間 51 分 9 時間 05 分
図1−6 授業で行うこと
Q あなたは、授業で次のことをどれくらい行っていますか。
授業で「グループワーク」を行っている教員は小学校で8割台だが、高校では5割。
授業で行うことについて尋ねたところ、ほとんどの項目で小学校教員の「行う」（「よく行う」＋「ときどき行う」、以下同様）の割合がもっとも高く、学校段階が上がるにつれてその割合は低くなる傾向がみられた。特に「観察や実験」「校外での体験的な活動」では小学校教員と高校教員との間に50ポイント以上の差がある。教職経験年数別でみると、「グループワーク」や「ICT機器の活用」は、「5～9年目」「10～14年目」の教員で「行う」の割合が高い傾向にある。
教員の勤務実態
1
8
0 20 40 60 80 100
85.6 71.4 50.8 79.5 26.3 23.3 72.6 56.2 42.6 69.7 24.5 20.8 63.6 45.3 34.7 60.0 11.5 8.6 42.6 58.8 53.6
0 20 40 60 80 100
グループワーク（集団での討論や探究活動）
ICT機器の活用
観察や実験
他教科との関連づけ（合科的な授業など）
プレゼンテーション（調べたことの発表など）
校外での体験的な活動（フィールドワークなど）
独自に開発した教材の利用
85.6
（％）
71.450.8
26.323.3
24.520.8
45.363.6
34.7
11.58.6
42.658.8
53.6
60.0
79.5
72.656.2
69.742.6
■小学校■中学校■高校
（％）
５年未満 ５～９年目 １０～１４年目 １５～１９年目 ２０～２４年目 ２５～２９年目 ３０年目以上
10
0
20
30
40
50
60
70
80
70.8
57.5
50.3
40.5
40.1
32.2
17.2
71.2
59.8
51.8
43.2
41.136.1
24.2
72.8
62.8
56.4
49.9
41.7
40.1
24.7
62.458.0
54.3
43.3
35.7
29.520.2
67.3
53.053.048.938.3
36.526.1
61.7
51.950.1
48.539.7
33.3
24.2
62.7
49.848.2
47.740.439.2
27.6
10
20
30
40
50
60
70
80
観察や実験
グループワーク（集団での討論や探究活動）
プレゼンテーション（調べたことの発表など）
他教科との関連づけ（合科的な授業など）
独自に開発した教材の利用
ICT機器の活用
校外での体験的な活動（フィールドワークなど）
図1−7 授業で行うこと（教職経験年数別）
注1 …「よく行う」＋「ときどき行う」の％（図1－6、7）。注2 小学校教員・中学校教員・高校教員を合わせたデータ（図1－7）。
2. 自分自身の評価、職場の様子
9割の教員は「子どもが困ったときに相談にのる」と自己評価している。
「困ったときに相談にのる」「子どものことが好き」「意見をよく聞く」の自己評価では、「あてはまる」（「とてもあてはまる」＋「まああてはまる」）と回答した割合が9割を超えている。子どもとのコミュニケーションについては小学校教員、部活動や受験勉強の指導では中学校教員、ニュースへの詳しさや進路指導では高校教員が高い。次に職場の様子や同僚・管理職との関係をみると、多くの項目で小学校教員の割合が高い。特に「校内研修の機会」や「若手育成の雰囲気」では小学校教員と高校教員との間に20ポイント以上の差がある。
Qあなたの日頃の様子について自己評価するとしたら、次のことはどれくらいあてはまりますか。
Qあなたの職場の様子や同僚・管理職等との関係について、次のことはどれくらいあてはまりますか。
図2−1 日頃の様子についての自己評価 図2−2 職場の様子や同僚・管理職等との関係
9
97.9 94.8 95.4 96.6 93.7 91.8 95.6 92.5 93.9 91.6 81.4 74.9 86.7 78.5 81.3 76.9 85.6 86.8 75.1 76.7 81.2 66.6 58.1 60.4 66.0 66.2 71.2 60.4 54.8 52.3 59.1 51.2 45.9 58.3 54.0 51.7 52.5 72.1 67.0 50.5 79.4 82.3 43.2 37.9 38.8 30.0 80.6 71.3
0 20 40 60 80 100
0
20
40
60
80
100
（％）
95.494.897.9
96.693.791.8
95.692.593.9
91.681.4
74.986.7
78.581.3
76.985.686.8
75.176.781.2
66.658.160.4
66.066.271.2
60.454.852.3
59.151.245.9
58.354.051.7
72.152.5
67.0
50.579.482.3
43.237.938.8
30.080.6
71.3
■小学校■中学校■高校
子どもが困ったときに相談にのる
子どものことが好き
子どもの意見をよく聞く
悪いことをした子どもを厳しくしかる
子どもが気軽に話しかけやすい
教科書の内容についてよく知っている
授業がわかりやすい
クラスをまとめるのがうまい
世の中のニュースについてよく知っている
話がおもしろい
子どもが興味のあることについてよく知っている
地域住民や保護者の協力を引き出せる
部活動・クラブ活動の指導ができる
進路や将来について指導できる
最新の教育理論や教育動向について
勉強している
受験勉強の指導ができる
95.4 94.1 89.5 89.6 72.3 71.9 89.5 79.6 73.5 87.7 71.9 61.7 86.0 82.3 74.2 86.3 76.1 64.4 84.7 81.2 76.3 77.6 70.0 67.1 62.1 54.2 51.7 31.7 22.7 32.8
（％）0 20 40 60 80 100
0
20
40
60
80
100
95.4
89.594.1
89.6
72.371.9
89.5
79.673.5
87.6
71.961.7
74.1
86.376.1
64.4
81.276.3
77.670.067.1
62.154.251.7
31.722.7
32.8
84.7
82.3
86.0
■小学校■中学校■高校
子どもの指導上の課題についてよく話し合う
学習指導の方法についてよく話し合う
組織として教育の目標を共有している
校内での研修や研究の機会が多い
管理職に気軽に相談する
若手を育てる雰囲気がある
教職員の間で自由に意見を言い合える
校外の研修に気軽に参加できる
職場以外でも同僚と親しく付き合う
大学などの研究機関（専門家）と連携している
注…「とてもあてはまる」＋「まああてはまる」の％（図2－1、2）。
自分自身の評価、職場の様子
2
3. 教員のイメージ
10
0 20 40 60 80 100
65.1
58.2 40.3
47.6 51.1
小学校
中学校
高校
65.1 33.2 1.758.2 40.3 1.547.6 51.1 1.3
（％）いる
33.2
1.5
1.3
1.7
いない
無回答・不明
図3−1 ロールモデルとなる（目指したい）教員の有無
Q あなたには、ロールモデルとなる（目指したい）教員がいますか。
ロールモデル（目指したい教員）がいるのは5割弱～ 6割台。
目指したい教員がいると回答した割合は5割弱～ 6割台で、高校教員では5割を下回った。具体的には「教科指導力、生活指導力に優れた教員」「子どもへの理解が深く愛情に溢れ、子どもを第一に考える教員」「子どもとのコミュニケーションの取り方や接し方が上手」「授業がわかりやすく上手な教員」「人間としての魅力があり、人をひきつける力がある教員」「向上心を持ち、授業の準備や研究に熱心な教員」などの声が寄せられた。また「仕事と家庭（自分の時間）を上手に両立している教員」をロールモデルにあげる教員もいた。
【指導力に優れた教員】厳しいことで子どもたちを律するのでなく、子どもたちへの手立て・指示などの明確さ、人柄の温かさなどで子どもたちのやる気を引き出す方。
（小学校教員）
【子どもへの理解が深い教員】子どもの目線に立ち、子どもの気持ちや考えを理解した上で、具体的に人生の道標を示していける教員。
（中学校教員）
【子どもとの接し方が上手な教員】どのような生徒ともしっかりと関係を作る教員。呼吸をするように生徒に話しかけているところ。
（高校教員）
【授業が上手な教員】授業の展開において、生徒の実状にあった内容を設定し活気を持って引っ張っていくスタイルが参考にもなり励みにもなる。
（高校教員）
【人間としての魅力がある教員】１人の人間として相手に優しかったり、声をかけたり、心配したり、手助けしたり、しっかり意見を言ったり、感じたことを行動に移したり…。たくさんあります。人間として立派な方が多いです。（小学校教員）
【向上心を持っている教員】常に新たな課題を見つけ、それを解決していこうという姿勢を持っていた。前を向いて新たなものを取り入れ実践している。
（中学校教員）
【教育に対する信念を持っている教員】常に子どもにとって何が良いのかを考え、信念をもって教育にたずさわっている先輩の先生方。
（中学校教員）
【仕事とプライベートを両立している教員】ワーク・ライフ・バランスをとり勤務しながら、常に自己の向上に努めている。
（高校教員）
Q それはどのような人ですか。また、どのようなところがロールモデルになっていますか。
教員のイメージ
3
教員のイメージ
3
11
＞ 86.190.994.1
92.793.094.1
91.490.790.7
88.893.496.0
84.685.186.2
> 65.6> 59.265.1
< 67.3< 66.8< 71.9
> 25.626.030.9
< 46.9< 41.7< 49.0
< 62.6< 72.0< 77.6
15.214.4
< 21.4
< 41.0< 41.8< 61.7
99.298.798.1
98.098.396.0
98.096.795.3
94.295.2
91.6
88.088.087.6
81.674.5
71.8
37.131.531.4
36.030.1
23.923.421.6
21.022.725.3
17.55.57.5
14.414.4
22.2
35.1
責任が重い仕事
忙しい仕事
子どものためになる仕事
苦労が多い仕事
世の中のためになる仕事
楽しい仕事
みんなから尊敬される仕事
やりたいことが自由にできる仕事
給料が高い仕事
頭がいい人がつく仕事
休みが多い仕事
人気がある仕事
99.2 98.7 98.1 98.0 98.3 96.0 98.0 96.7 95.3 94.2 95.2 91.6 88.0 88.0 87.6 81.6 74.5 71.8 37.1 31.5 31.4 36.0 30.1 35.1 23.9 23.4 21.6 21.0 22.7 25.3 17.5 5.5 7.5 14.4 14.4 22.2
子どもの回答（％）
■小学校■中学校■高校
0 20 40 60 80 100（％）
Q 「学校の先生」の仕事とは、どんな仕事だと思いますか。
図3−2 「学校の先生」の仕事のイメージ
注１…「とてもあてはまる」＋「まああてはまる」の％。注２……「子どもの回答」の数値は、2014年12月に、愛知県の小学６年生・中学３年生・高校３年生2,092名（有効回収数）を対象に実施した「教員のイ
メージに関する子どもの意識調査」で、「『学校の先生』の仕事は、どんな仕事だと思いますか」と尋ねた結果。注３…教員と子どもの回答に10ポイント以上差があるものを＜＞で示している。
「学校の先生」とは「子どものためになる」仕事。しかし「責任が重い」「忙しい」「苦労が多い」仕事でもある。
教員自身に「学校の先生」とはどのような仕事かを尋ねたところ、「子どものためになる」仕事という回答とともに、「責任が重い」「忙しい」「苦労が多い」仕事という回答が9割台であった（「とてもあてはまる」＋「まああてはまる」、以下同様）。これらについては、子どももほぼ同様のイメージを持っている。一方、「みんなから尊敬される」「人気がある」仕事だと思っている教員は１～３割台であるが、子どもの回答では、７割前後が「みんなから尊敬される」仕事、４～６割が「人気がある」仕事だと思っており、意識に差がみられた。
4. 教員の仕事の魅力と悩み
12
98.497.297.7
95.588.285.7
89.783.083.8
86.381.581.1
85.980.984.6
82.780.781.0
82.574.0
67.6
50.644.0
37.2
49.947.345.6
41.636.3
42.0
子どもの成長にかかわることができる
同僚の教員から学ぶことが多い
仕事を通じて自分が成長している
今の仕事は楽しい
仕事のやり方が自分の判断に任されている
世の中を支える人材を育てている
毎日の仕事が変化に富んでいる
仕事の成果が明らかである
自分がやるべき仕事の範囲がはっきりしている
仕事の社会的な評価が高い
98.4 97.2 97.7 95.5 88.2 85.7 89.7 83.0 83.8 86.3 81.5 81.1 85.9 80.9 84.6 82.7 80.7 81.0 82.5 74.0 67.6 50.6 44.0 37.2 49.9 47.3 45.6 41.6 36.3 42.0
■小学校■中学校■高校
0 20 40 60 80 100（％）
教員の仕事の魅力と悩み
4
図4−1 教員の仕事について感じること
Q あなたは教員の仕事について、次のことを感じることがありますか。
８割以上が「今の仕事は楽しい」と回答している一方で、４割前後が「仕事に自信が持てない」と回答。
８～９割台の教員が、「子どもの成長にかかわることができる」「同僚の教員から学ぶことが多い」「仕事を通じて自分が成長している」など、仕事を通じて子どもや自分の成長を感じており、8割以上が「今の仕事は楽しい」と回答している。一方で、「授業の準備をする時間が足りない」「仕事に追われて生活のゆとりがない」といった時間の悩みや、「校務分掌の仕事」の負担を感じている教員は６～9割台であり、「仕事に自信が持てない」と感じている教員も４割前後いる。
教員の仕事の魅力と悩み
4
13
9.9 9.0 10.9 72.5 70.4 69.6 15.9 17.7 16.7 0.8 1.9 1.7 0.9 1.0 1.1
（％）
小学校 中学校 高校
とても満足している
まあ満足している
合計
9.9
72.5
9.0
70.5
10.9
69.6
82.4 79.5 80.5
0
20
40
60
80
100
0
20
40
60
80
100
0
20
40
60
80
100
94.584.4
77.8
87.580.2
67.3
76.675.3
67.7
68.765.1
61.0
55.954.6
39.9
44.542.139.5
35.469.5
59.9
25.135.739.6
19.017.118.5
18.624.124.5
授業の準備をする時間が足りない
生活指導の必要な子どもが増えた
仕事に追われて生活のゆとりがない
校務分掌の仕事が負担である
保護者や地域住民への対応が負担である
仕事に自信が持てない
部活動・クラブ活動の指導が負担である
子どもが何を考えているのかわからない
管理職からの指示や干渉が多い
同僚との関係に疲れる
94.5 84.4 77.8 87.5 80.2 67.3 76.6 75.3 67.7 68.7 65.1 61.0 55.9 54.6 39.9 44.5 42.1 39.5 35.4 69.5 59.9 25.1 35.7 39.6 19.0 17.1 18.5 18.6 24.1 24.5
■小学校■中学校■高校
（％）0 20 40 60 80 100
Q あなたは、次のような悩みや不満をどれくらい感じていますか。
Q 総合的にみて、あなたはご自身の教員生活に、どれくらい満足していますか。
図4−2 教員の仕事の悩み・不満
図4−3 教員生活に対する満足度
注……「とても感じる」＋「まあ感じる」の％（図４－１、２）。
5. 教員の志望理由や時期
14
小学校 34.5
中学校
高校
0.8 0.8 0.9 34.5 15.7 13.8 15.7 28.9 17.2 21.3 20.5 23.9 21.7 27.7 32.3 5.6 5.7 11.3 0.5 0.7 0.5
0 20 40 60 80 100
小学生になる前 0.8 小学生のころ
0.8
0.9
15.7
15.7 28.9 20.5 27.7 5.7
13.8 17.2 23.9 32.3 11.3
0.7
0.5
中学生のころ
21.3
高校生のころ
21.7
大学生になって
5.60.5
社会人になって(大学院生を含む )
無回答・不明（％）
（％）
0
10
20
30
40
50
60
70
80
0 10 20 30 40 50 60 70
36.340.242.2
37.038.7
45.034.6
30.633.1
24.624.2
17.6
14.611.912.213.3
10.39.48.7
15.319.0
6.725.225.3
6.78.47.9
5.96.88.3
2.71.92.9
2.71.9
1.91.71.01.6
24.7
43.551.5
63.047.6
33.347.1
41.134.5
63.0 47.6 33.3 47.1 41.1 34.5 40.2 36.3 42.2 37.0 38.7 45.0 34.6 30.6 33.1 24.6 24.2 24.7 17.6 43.5 51.5 14.6 11.9 12.2 13.3 10.3 9.4 8.7 15.3 19.0 6.7 25.2 25.3 6.7 8.4 7.9 5.9 6.8 8.3 2.7 1.9 2.9 1.9 2.7 1.9 1.7 1.0 1.6
子どもが好きだから
あこがれる先生がいたから
人を育てる仕事だから
人に教えることが好きだから
安定していて長く続けられるから世の中のためになる仕事だから
教科の勉強が好きだから
家族や親戚が学校の先生だったから家族（親など）がすすめるから
専門的な仕事だから
部活動の指導をしたいから
他にやりたいと思う仕事がないから
休みが多いから
給料が高いから
みんなから尊敬されるから
その他
■小学校■中学校■高校
塾等で教えた経験から自分に向いていると感じたから。
（高校教員）
大変そうだけれどそれにみあうだけの「やりがい」があるのだろうと思ったから。（小学校教員）
悩んでいる生徒、困惑している生徒、不安を抱いている生徒を１人でも多く助けたいと思ったから。
（中学校教員）
図5−1 教員になりたいと思い始めた時期
図5−2 教員になりたいと思った理由
注 複数回答（図5－2）。
Q あなたが教員になりたいと思い始めたのはいつですか。
Q あなたが教員になりたいと思ったのはなぜですか。
5割を超える教員が、高校生のころまでに教員を志望している。
教員になりたいと思い始めた時期は、小学校教員では小学生のころ、中学校教員では中学生のころ、高校教員では大学生のころである割合が高い。それぞれの学校での経験や先生とのかかわりが、教員に対する志望動機につながったと思われる。教員を志望した理由としては、小学校・中学校教員では「子どもが好きだから」の割合がもっとも高い。また中学校・高校教員では小学校教員と比べて「教科の勉強が好きだから」「部活動の指導をしたいから」の割合が高くなっている。
教員の志望理由や時期
5
6. 大学時代の経験と役立ち感
15
授業で出された
課題はきちんと
やった
進路や将来につい
て真剣に考えた
授業にまじめに
出席した
卒業論文（研究）に
熱心に取り組んだ
教育に対する
見方や考え方が
変わった
学ぶことの楽しさ
を味わった
グループワークや
ディスカッションは
積極的に参加した
88.2 86.8 87.6 82.9 82.3 79.6 78.7 78.2 80.3 77.3 75.2 78.1 63.4 68.4 73.6 61.3 58.7 57.4 59.8 53.9 51.4
0
20
40
60
80
100
0
20
40
60
80
10086.888.2 87.6
82.9 82.3 79.6 80.378.7 78.2 77.3 75.2 78.1
63.468.4
73.6
61.3 58.757.4 59.853.9 51.4
（％）■高校
■中学校
■小学校
49.741.0
45.4
85.688.192.5
71.169.566.2
48.546.4
57.7
44.539.0
45.2
0
20
40
60
80
100
0
20
40
60
80
100
教職の意義等に
関する科目
教育の基礎理論に
関する科目
教育実践や方法に
関する科目
教科の内容や指導
法に関する科目
教育実習・
教職実践演習
49.7 41.0 45.4 45.2 39.0 44.5 57.7 46.4 48.5 66.2 69.5 71.1 92.5 88.1 85.6
（％）■高校
■中学校
■小学校
Q 大学生・短期大学生のときの授業や学びについて、次のことはどれくらいあてはまりますか。
Q 現在の教員生活において、大学での授業（科目）はどれくらい役立っていると感じますか。
図6−1 大学の授業や学びについて
図6−2 大学の授業（科目）の役立ち度
注１…「とてもあてはまる」＋「まああてはまる」の％（図6－1）。注２…「とても役に立っている」＋「まあ役に立っている」の％（図6－2）。
大学での授業や学びで「教育に対する見方が変わった」と回答したのは5割台。
7 ～ 8割の教員は「授業で出された課題はきちんとやった」「進路や将来について真剣に考えた」「授業にまじめに出席した」と回答している。一方で「教育に対する見方や考え方が変わった」と回答した教員は5割台である。次に大学での授業（科目）の役立ち度をみると、「教育実習・教職実践演習」は8～9割の教員が「役に立っている（「とても役に立っている」＋「まあ役に立っている」、以下同様）と回答したが、 「教職の意義等に関する科目」「教育の基礎理論に関する科目」で「役に立っている」と回答したのは3 ～ 4割台である。
大学時代の経験と役立ち感
6
大学時代の経験と役立ち感
6
16
Q 大学生・短期大学生のときにあなたが経験したことの中で、現在の教員生活において役立っていると感じることがあれば、具体的に記入してください。
教育実習の経験や学生時代に築いた人間関係に役立ちを感じている教員が多い。
大学生・短期大学生のころに経験したことで、現在の教員生活に役立っていると感じることを尋ねたところ、多くの声が寄せられた。中でも教育実習やボランティア、インターンシップでの学校現場経験をあげた教員が多かった。また、大学生活での様々な人との出会いやかかわりから受けた影響や、現在もつながり支えあえる仲間との関係を構築できたことに役立ちを感じている教員も多い。その他、大学での研究や論文作成から学んだこと、部活動・サークル活動やアルバイトでの経験などの回答があった。
【教育実習での現場経験】教育実習をはじめとする教育現場での実習。実際に子ども達の前で経験をしたことが現在に生かされている。本当に教員になってもいいかもしれないなどと感じたのもこの時であった。（小学校教員）
【教育実習での現場経験】教育実習で実際の場面を経験したことは現在の基礎になっている。実習期間やその機会が増えるとさらに役立つと考える。（中学校教員）
【教科の内容や指導法の授業】教科の内容や指導法、様々な授業の形等について専門的に学んだことが日々の授業づくりに直接生きていると思う。
（高校教員）
【人との出会いや人間関係の形成】大学生活で出会った多くの人々との関わりから人間的に豊かになり、教員としてだけではなく一人の人として大事だと思う事を子ども達に教えられるようになった。
（小学校教員）
【アルバイトでの経験】様々な職種のアルバイトをしたことで仕事の内容だけでなく働くことの価値や大変さがわかりました。
（小学校教員）
【部活動での経験】運動部を通して、他者と協働する力・あきらめずに頑張り抜く力を養えたと思っている。そのために何事にも全力で向かっていく姿勢がついたと思っている。
（高校教員）
【専攻テーマの研究】自分が専攻する研究テーマについて、納得がいくまで調査したり研究したりした経験は、生徒に学習指導や課題研究させる時に妥協しないで取り組むことの大切さや意義を伝えることに役立っている。（高校教員）
【論文作成の経験】論文執筆を通して論理的思考力が培われ、現在の仕事に役立っていると考えます。（中学校教員）
7. 学校教育で育てたい力
17
80.278.7
69.878.7
74.273.5
78.173.9
66.377.0
71.8
74.270.7
70.564.5
66.962.162.8
56.155.9
52.052.2
59.647.445.5
51.645.8
51.443.3
41.633.8
30.735.035.0
29.131.630.8
26.128.9
22.617.6
24.625.527.0
21.518.7
27.2
64.0
他者と協働する力
自分で学ぶ力
あきらめず頑張りぬく力
失敗しても立ち直る力
多様な考えを尊重する力
いろいろな環境に適応する力
問題を発見し解決する力
幅広い知識や教養
社会に対する関心
物事を論理的に考える力
自分の意見を主張する力
リーダーシップ
家庭生活に必要な知識や技術
情報（ICT）を道具として使いこなす力
職業にかかわる専門的な知識
物事を批判的にみる力
80.2 78.7 69.8 78.7 74.2 73.5 78.1 73.9 66.3 77.0 71.8 64.0 74.2 70.7 64.5 70.5 66.9 62.1 62.8 56.1 55.9 52.0 52.2 59.6 47.4 45.5 51.6 45.8 43.3 51.4 41.6 33.8 30.7 35.0 35.0 29.1 31.6 30.8 26.1 28.9 22.6 17.6 24.6 25.5 27.0 21.5 18.7 27.2
■小学校■中学校■高校
0 20 40 60 80 100（％）
学校教育で育てたい力
7
Q あなたは、学校教育の中で、次のことを育てる必要があると思いますか。
図7−1 学校教育の中で育てる必要がある力
注 「とても必要」の％。
学校教育で育てる必要がある力として「他者と協働する力」「自分で学ぶ力」「あきらめず頑張りぬく力」が上位3位を占める。
上位3位以外に、「失敗しても立ち直る力」「多様な考えを尊重する力」「環境に適応する力」「問題を発見し解決する力」「幅広い知識や教養」について「とても必要」と回答した割合は5 ～ 8割であった。一方、「社会に対する関心」「物事を論理的に考える力」は高校教員で5割を超えているが、小学校・中学校教員では4割台である。さらに「職業にかかわる専門的な知識」「物事を批判的にみる力」は小学校・中学校教員で2割前後、高校教員で3割弱と、どの学校段階でもその割合は低い。
8. 教育改革や取り組みに対する賛否
教育改革や取り組みに対する賛否
8
18
学級定員の少人数化外部人材の拡充
アクティブ・ラーニングの推進ICTを活用した教育の推進
キャリア教育の充実コミュニティ・スクールや学校支援地域本部の普及
フリースクールの公認教員養成期のインターンシップ実施
大学入試制度の改革小学校英語の教科化
高校段階での到達度テストの導入校長の裁量権拡大
学制（６－３－３制）の改革教員養成の修士レベル化教育委員会制度の改革
道徳の教科化教員免許更新制度
■賛成 ■どちらかと言えば賛成 ■どちらかと言えば反対 ■反対 ■内容がわからない ■無回答・不明
81.3 15.2 1.1 1.6 0.3 0.5 48.8 44.9 3.8 0.9 1.1 0.5 35.2 58.0 3.0 0.6 2.4 0.7 25.9 66.5 6.3 0.6 0.1 0.6 21.5 65.9 6.7 1.1 3.8 1.0 15.2 57.2 10.1 2.4 14.3 0.8 17.3 49.7 15.2 2.4 14.6 0.7 17.5 48.5 17.1 7.6 8.6 0.7 16.5 41.0 15.0 3.6 23.1 0.8 9.3 36.4 34.5 18.4 0.7 0.6 7.5 38.1 21.8 5.8 25.9 0.9 6.4 31.8 30.5 10.0 20.1 1.2 6.4 27.7 34.7 12.1 18.2 0.9 3.4 20.0 35.2 24.0 16.8 0.7 3.1 20.0 29.3 19.8 27.0 0.9 3.0 15.8 38.7 40.2 1.6 0.7 2.2 13.2 27.9 54.7 1.3 0.7
（％）
0 20 40 60 80 100 120
0.5
0.53.844.948.8
0.7
0.6
1.0
0.8
0.7
0.7
0.8
0.6
0.9
1.2
0.9
0.7
0.9
0.7
0.7
15.21.1
81.3
3.058.035.2
6.366.525.9
6.765.921.5 3.8
10.157.215.2 2.4 14.3
14.62.415.249.717.3
17.148.517.5 8.67.6
3.6 23.1
18.434.536.49.3
15.041.016.5
5.821.838.17.5 25.9
20.110.030.56.4 31.8
18.212.134.727.76.4
24.03.4 20.0 35.2 16.8
27.019.829.320.03.1
40.238.715.83.0
54.727.913.22.2
1.6 0.3
0.9 1.1
0.6 2.4
0.6 0.1
1.1
0.7
1.6
1.3
学級定員の少人数化外部人材の拡充
アクティブ・ラーニングの推進キャリア教育の充実大学入試制度の改革
ICTを活用した教育の推進コミュニティ・スクールや学校支援地域本部の普及
フリースクールの公認教員養成期のインターンシップ実施
小学校英語の教科化高校段階での到達度テストの導入
校長の裁量権拡大学制（６－３－３制）の改革
道徳の教科化教育委員会制度の改革教員養成の修士レベル化
教員免許更新制度
■賛成 ■どちらかと言えば賛成 ■どちらかと言えば反対 ■反対 ■内容がわからない ■無回答・不明
74.3 22.1 2.0 0.7 0.4 0.5 40.0 51.1 5.9 1.0 1.4 0.5 29.1 61.6 5.2 0.7 2.6 0.8 24.9 65.3 6.1 0.9 2.2 0.7 19.8 42.1 16.6 3.1 17.6 0.8 19.3 66.4 12.0 0.9 0.7 0.6 15.2 53.5 13.3 2.4 14.5 1.0 14.8 47.7 20.1 4.4 12.4 0.6 14.7 45.0 23.3 9.1 7.1 0.7 10.2 40.0 30.2 15.6 3.4 0.5 8.3 43.1 23.6 7.5 16.8 0.8 8.3 32.0 30.4 8.9 19.5 0.9 6.7 26.8 36.7 12.6 16.5 0.8 4.6 16.7 38.6 37.3 2.2 0.7 4.4 17.9 31.9 19.6 25.4 0.8 3.5 20.1 35.7 25.4 14.5 0.8 3.1 13.0 26.5 54.7 2.2 0.6
（％）
0 20 40 60 80 100 120
0.5
0.5
0.8
0.7
0.8
0.6
1.0
0.6
0.7
0.5
0.8
0.9
0.8
0.7
0.8
0.8
0.6
2.022.174.3
5.951.140.0
5.261.629.1
6.165.324.9
3.116.642.119.8 17.6
12.066.419.3
13.353.515.2 14.52.4
4.420.147.714.8 12.4
9.123.345.014.7 7.1
15.630.240.010.2 3.4
16.87.523.643.18.3
19.58.930.432.08.3
16.512.636.726.86.72.2
37.338.616.74.6
25.419.631.917.94.4
14.525.435.720.13.52.2
54.726.513.03.1
1.0 1.4
0.7 2.6
0.9 2.2
0.9 0.7
0.7 0.4
図8−1 教育改革や取り組みへの賛否（小学校教員）
図8−2 教育改革や取り組みへの賛否（中学校教員）
Q 現在、国が進めている（進めようとしている）次の教育改革や取り組みについて、あなたのご意見をお聞かせください。
8割以上の教員が「アクティブ・ラーニングの推進」に賛成。
教育改革や取り組みに対する意見を尋ねたところ、「アクティブ・ラーニングの推進」は賛成（「賛成」＋「どちらかと言えば賛成」）の割合が８割を超えている。また「教育委員会制度の改革」については、2割台の教員が
「内容がわからない」と回答している。小学校教員は中学校・高校教員に比べて「内容がわからない」と回答する割合が高く、「高校段階での到達度テストの導入」「大学入試制度の改革」「校長の裁量権拡大」についてもその割合は2割を超えている。
9. 将来展望
19
学級定員の少人数化外部人材の拡充
キャリア教育の充実アクティブ・ラーニングの推進
ICTを活用した教育の推進大学入試制度の改革
コミュニティ・スクールや学校支援地域本部の普及教員養成期のインターンシップ実施
フリースクールの公認小学校英語の教科化
道徳の教科化高校段階での到達度テストの導入
校長の裁量権拡大教員養成の修士レベル化
学制（６－３－３制）の改革教育委員会制度の改革教員免許更新制度
■賛成 ■どちらかと言えば賛成 ■どちらかと言えば反対 ■反対 ■内容がわからない ■無回答・不明 （％）
0.4
0.3
0.8
0.5
0.5
0.7
0.7
0.3
0.6
0.3
0.4
0.8
0.7
0.5
0.8
0.4
0.3
31.3 3.663.3
37.0 52.7 6.02.1 1.9
25.0 60.9 9.0
24.3 57.7 11.6
14.7 66.1 15.0
14.4 38.9 29.0 9.4 7.7
13.0 56.1 11.0 2.8 16.5
11.7 42.5 24.7 14.1 6.6
11.6 45.9 21.8 5.3 14.8
10.1 38.1 31.2 17.4
8.8 30.0 32.0 24.3 4.4
8.0 39.3 30.5 14.0 7.3
6.9 29.3 33.6 14.4 15.2
4.8 20.6 35.5 30.6 8.0
4.3 21.1 40.7 16.7 16.42.8
16.7 31.8 26.1 22.12.711.6 28.0 56.5
1.7 2.6
2.5 3.4
2.2 1.5
2.9
0.7 0.7
0.8
学級定員の少人数化外部人材の拡充
アクティブ・ラーニングの推進キャリア教育の充実大学入試制度の改革
ICTを活用した教育の推進コミュニティ・スクールや学校支援地域本部の普及
フリースクールの公認教員養成期のインターンシップ実施
小学校英語の教科化高校段階での到達度テストの導入
校長の裁量権拡大学制（６－３－３制）の改革
道徳の教科化教育委員会制度の改革教員養成の修士レベル化
教員免許更新制度
■賛成 ■どちらかと言えば賛成 ■どちらかと言えば反対 ■反対 ■内容がわからない ■無回答・不明 （％）0.5
0.5
0.8
0.7
0.8
0.6
1.0
0.6
0.7
0.5
0.8
0.9
0.8
0.7
0.8
0.8
0.6
2.022.174.3
5.951.140.0
5.261.629.1
6.165.324.9
3.116.642.119.8 17.6
12.066.419.3
13.353.515.2 14.52.4
4.420.147.714.8 12.4
9.123.345.014.7 7.1
15.630.240.010.2 3.4
16.87.523.643.18.3
19.58.930.432.08.3
16.512.636.726.86.7
2.237.338.616.74.6
25.419.631.917.94.4
14.525.435.720.13.5
2.254.726.513.03.1
1.0 1.4
0.7 2.6
0.9 2.2
0.9 0.7
0.7 0.4
小学校
中学校
高校
12.3 13.2 7.4 57.5 56.0 65.1 12.5 12.5 10.5 1.8 2.2 1.7 14.8 14.8 14.5 1.1 1.3 0.7
0 20 40 60 80 100
今、真剣に教員を辞めたいと思っている1.8管理職にはならず、一教員として働きたい いずれは教員を辞めたいと思っている 特に考えたことはない
無回答・不明
できれば、将来管理職になりたい
1.7
2.2
12.3 57.5 12.5 14.8 1.1
（％）
13.2 56.0 12.5 14.8
7.4 65.1 10.5 14.5
1.3
0.7
将来展望
9
図8−3 教育改革や取り組みへの賛否（高校教員）
図9−1 教員自身の将来展望
Q あなたの将来展望について、もっともあてはまるものを1つ選んで○をつけてください。
6割前後の教員が将来も「一教員として働きたい」と回答。
教員自身の将来展望について尋ねたところ、「できれば、将来管理職になりたい」と回答した割合はどの学校段階でも1割前後となっており、高校教員はその割合がやや低い。一方、「管理職にはならず、一教員として働きたい」と回答した教員は6割前後であり、小学校・中学校教員よりも高校教員のほうが割合が高い。また、どの学校段階でも1割程度の教員が「いずれは教員を辞めたいと思っている」と回答している。
HATOプロジェクト愛知教育大学 特別プロジェクト 教員の魅力プロジェクト
「教員の仕事と意識に関する調査」発 行 日：2016年2月13日 発 行：国立大学法人 愛知教育大学 ㈱ベネッセホールディングス ベネッセ教育総合研究所5SHK01-03無断転載を禁じます。
※所属・肩書きは、発刊時のものです。
調査体制
子安 潤… （愛知教育大学…教授）
片山 悠樹… （愛知教育大学…講師）
武 寛子 （愛知教育大学…講師）
相原 総一郎 （愛知教育大学…研究員）
石澤 伸弘 （北海道教育大学…准教授）
金子 真理子 （東京学芸大学…准教授）
高橋 一郎 （大阪教育大学…准教授）
調査事務局（企画・実施・分析）
木村 治生 （ベネッセ教育総合研究所…副所長）
邵 勤風 （ベネッセ教育総合研究所…初等中等教育研究室長）
木村 聡 （ベネッセ教育総合研究所…研究員）
橋本 尚美 （ベネッセ教育総合研究所…研究員）…
大学間連携による教員養成の高度化支援システムの構築
－教員養成ルネッサンス・HATOプロジェクト－特別プロジェクト 教員の魅力プロジェクト教員の仕事と意識に関する調査
