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国際交流センター 紀要 第4号 年報 平成 22 年度

国際交流センター1.国家試験受験の上で求められる漢字知識 1.1.国家試験の概要 介護福祉士国家試験(以下国家試験とする)は年1 回実施され、EPA

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国際交流センター

紀要

第 4 号

年報

平成 22 年度

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目次

第 1 部:国際交流センター紀要 ........................................................................................... 1

介護福祉士国家試験対応の漢字学習ウェブサイトの開発 ............................................... 2

日本語の基本音節構造と音韻変化 .................................................................................. 13

第 2 部:平成 22 年度年報 ................................................................................................. 22

1.国際交流センター ...................................................................................................... 23

1.1. 沿革 ..................................................................................................................... 23

1.2. 目的 .................................................................................................................... 23

1.3. 国際交流センターの運営組織 ............................................................................. 24

2. 平成 22 年度国際交流センター現況 ......................................................................... 28

2.1. 国際交流センター教員および担当事務 ............................................................. 28

2.2. 年間行事および事業 .......................................................................................... 28

2.3. 留学生数 (平成 22 年 10 月現在) .................................................................. 31

3. 国際交流センターの国際交流事業 ............................................................................. 31

3.1. 国際サマープログラム 2010(ISP2010) ........................................................ 31

3.2. ガーナ拠点 ......................................................................................................... 33

3.3. チリ拠点 ............................................................................................................ 34

3.4. タイ拠点 ............................................................................................................ 34

3.5. コンケン大学(タイ)訪問団の本学教養部訪問応接支援 ................................ 36

3.6. 国際交流協定 ..................................................................................................... 36

3.7. 世界大学ランキング .......................................................................................... 37

3.8. 英語 Web サイトを中心とした情報発信 ........................................................... 38

4. 国際交流センターの教育と研究 ............................................................................... 38

4.1. 教育 .................................................................................................................... 38

4.2. 相談業務 ............................................................................................................ 43

4.3. 留学生とチューターの合同研修会 .................................................................... 44

4.4. 地域貢献 ............................................................................................................ 44

4.5. 教員紹介 教育と研究 ....................................................................................... 52

資料編 ................................................................................................................................. 57

資料 1 国際サマープログラム 2010 ............................................................................. 58

資料 2 留学生フォーラム 2010 .................................................................................... 62

資料 3 授業評価 ............................................................................................................ 63

資料 4 平成 22 年度年間行事一覧 ................................................................................ 64

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第 1 部:国際交流センター紀要

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2

介護福祉士国家試験対応の漢字学習ウェブサイトの開発

中川 健司 常磐大学講師

本センター非常勤講師

角南 北斗(ウェブデザイナー)

要旨

EPA 介護福祉士候補者は国家試験を受験する上で高いレベルの日本語力が要求されるが、候

補者の中には日本語学習歴が短い者が多いにも関わらず、組織的な日本語教育を受ける機会は

非常に限られている。6 か月の日本語導入研修に実施機関による内容の違いがある上、施設配

置後の日本語学習環境にばらつきがあるため、日本語学習の効率化のためには候補者の個々の

学習状況に応じて柔軟に対応できるような学習支援が必要である。そのためには、候補者が自

分の学習状況に合わせて選択できるように複数の学習支援のリソースが利用できることが望

ましい。著者の研究グループではこれらの点を踏まえて、候補者の国家試験に向けた漢字学習

の効率化に寄与できるような漢字学習ウェブサイトの開発を計画している。

キーワード:経済連携協定、介護福祉士国家試験、日本語学習支援、漢字学習ウェブサイト

0.EPA 介護福祉士候補者の国家試験受験について

2008~2010 年の 3 年間に EPA(経済連携協定)に基づきインドネシア・フィリピン両国

から来日した介護福祉候補者の数は 669 名に上る。各候補者は、約半年間の日本語研修の後、

来日前に契約した医療・介護等機関で実務研修を受けることになっているが、4 年以内に国家

試験に合格できない場合、帰国しなければならない。国家試験の受験資格として 3 年以上の介

護実務経験が必要であるため、現時点では候補者は滞在期間中に 1 回の受験機会しか与えられ

ていない。

介護福祉士候補者が最初に国家試験を受験するのは 2012 年 1 月であるため、現時点ではど

のぐらいの候補者が合格できるかについては想像の域を出ないが、看護師候補者の 2009 年か

ら 3 年間の国家試験合格者数がそれぞれ 0 名(受験者数 82 名)、3 名(同 254 名)、16 名(同

398 名)であったことを考えると、介護福祉士候補者についても決して楽観的な見通しを持つ

ことはできない。

1.国家試験受験の上で求められる漢字知識

1.1.国家試験の概要

介護福祉士国家試験(以下国家試験とする)は年 1 回実施され、EPA 候補者の第一陣(2008

年来日)は 2012 年 1 月に実施される第 24 回試験を受験することになっている。国家試験は

「社会福祉概論」をはじめとする 13 科目から成り、問題数は全部で 120 問(1 問 1 点で 120

点満点)、解答形式は 5 択の選択式である 1)。

合格するためには、前述の 13 科目を 12 に分けた科目群全てで得点をあげ、なおかつ全体で

60%程度の得点が必要である。そのため、仮に不得意な科目があってもそれを捨てて他の科目

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の得点で補うということができず、候補者は 13 科目を全て学習しなくてはならない。同試験

の合格率は例年 50%程度である。候補者の国家試験受験に関しては、試験で用いられる日本

語の難しさに注目が集まりがちであるが、3 年以上の介護実務経験、または福祉系高等学校卒

業という受験資格を満たしている受験者の約半数が不合格であることを考えると、日本人受験

者にとっても決して簡単な試験ではなく、日本語力だけが問題なのではないことがうかがえる。

1.2.国家試験受験の上で求められる漢字知識

EPA 候補者が国家試験を受験する上で日本語、特に漢字が大きな障壁になるという認識が

一般的である 2)が、実際にどの程度の漢字知識が必要なのであろうか。EPA 候補者受け入れ

に伴い、国家試験受験のためにはどの程度の日本語力が必要とされるのかという観点からの

研究が近年行われるようになってきている。中村他(2010)は国家試験中で用いられる日本語

について以下のように述べている。

1.頻度の高さからみると、名詞、サ変名詞の頻度の高い専門用語、動詞、形容詞の問

題で用いられる語を中心に習得する必要があるといえる

2.漢字は、日本語能力試験のレベルという点からみると、最低でも日本語能力試験 2 級

程度の知識が国家試験の問題の内容を理解するには必要と考えられる

3.名詞句の観点からは、頻度が低いが専門的な語で、問題理解に必須である語を把握

する必要があると考えられる

また、中川(2010b)は過去 8 回国家試験中で用いられる漢字(異なり)1551 字の 8 割以上

が旧日本語能力試験出題範囲の 1 級以上(級外、1 級、2 級)の漢字であり、3、4 級といった

初級レベルの漢字知識では対応できないと指摘している。

それでは、国家試験に対応するためにはどのぐらいの数の漢字を学ぶ必要があるのだろう

か。中川(前掲)では、出現頻度上位の 498 字により国家試験で用いられる延べ漢字の 90%

以上カバーされるとしているが、これはあくまでも試験全体について見た場合である。候補

者は国家試験受験に向けて 13 ある国家試験の各科目を個別に学んでいくため、科目毎にどの

ような漢字が用いられているかという観点も必要である。中川・中村・角南・齊藤(2012)で

は国家試験の各科目に出現する漢字について次のように述べている。

①国家試験の各科目の内容は多岐に渡っており、それぞれの科目で用いられている漢字

の数やレベルについても傾向の違いがある。

②学習の効率化のためには、試験全体を対象とした漢字学習支援だけでは不十分で、学

習者が学ぶ科目に応じた内容のものが必要となってくる。

③各科目に出現する延べ漢字のカバー率 90%を目安として科目別優先学習漢字を抽出

した場合、科目毎に最小で 261 字最大で 412 字学ぶ必要があるが、複数の科目に共通す

るものも多いため、試験全体では、異なりで 871 字となる。

また、中川・中村・角南・齊藤(2011)では、候補者にとって学びやすいと考えられる科目

学習順を選定し、その順番に合わせて上記の科目別学習漢字を学んだ場合、13 科目中最初の 5

科目(既習漢字 791 字)の時点で全ての科目のカバー率が 90%を超えるという試算を行って

いる。

このように、国家試験を受験する上で高いレベルの漢字知識が必要なため、内容理解のため

には相当数の漢字を学ばなくてはならない。このことから、EPA 応募時に候補者に一定レベル

の日本語能力を要求する、または、候補者に対して、国家試験受験に十分なレベルの日本語が

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身につくような組織的な日本語教育を実施するといった方策が考えられる。しかし、実際には、

次章で述べるように、日本語学習歴が短い候補者が、国家試験を受験するには不十分な日本

語教育しか受けていないというのが現状である。

2.候補者の日本語学習の状況

2.1.候補者の日本語学習歴

国家試験では先述のような高いレベルの漢字知識を要求されるが、将来それを受験すること

になる候補者は来日前にどの程度の日本語学習歴があるのであろうか。登里他(2009)による

と、2008 年に国際交流基金関西国際センターが受け入れた介護福祉士候補者 56 名の来日時の

日本語学習歴の内訳は、ゼロが 20 名、3 か月以下 28 名、6 か月以下 8 名であった。また、辻

他(2010)によると、2009 年度にヒューマンリソシアが日本語研修を行った EPA 候補者 368

名の研修前の日本語レベルはゼロビギナー289 名、4 級、3 級相当がそれぞれ 53 名、17 名で

あった。候補者全体の日本語学習歴に関する調査はないが、これらの事例から考えると、日本

語学習歴の短い者が候補者のかなりの部分を占めると予想される。

2.2.「介護」のバックグラウンドの有無

小川(2009)では日本の介護福祉士とフィリピンのケアギバーの違いについて述べているが、

日本における介護の概念と候補者の出身国のそれは必ずしも同じではなく、候補者に母国での

介護職の経験があったとしても、国家試験の内容の中には候補者が初歩から学習しなければな

いものが尐なくない。そのため、国家試験に向けての学習では、来日前に既に持っていた知識

を母語(または英語)から日本語に置き換えるという作業では済まず、日本語で全く新しい知

識を学ぶという色彩が強いと考えられる 3)。

3.候補者に対する日本語教育の状況

3.1.日本語導入研修

前述のように、日本語学習歴が短い者が多い介護福祉士候補者が国家試験に対応できるよ

うな日本語力、漢字力を習得するためには、一定期間の系統だった日本語導入学習が必要と

なるが、組織的な日本語教育は、実質的にはじめの半年間に行われる日本語研修のみである

4)。(2011 年から、候補者の出身国のインドネシア及びフィリピンにおいて、来日前に 2、3

か月程度の予備教育が行われることになっているが、これから国家試験を受験する第 1 陣か

ら第 3 陣は 6 か月の日本語研修のみであった。)国家試験で求められる日本語力を考えると、

半年間という時間は、決して十分ではない 5)。

また、日本語導入研修の実施機関については公募入札形式をとっているが、水野(2010)

は「(入札により)請け負った機関毎に日本語教育の内容や教材、方法が異なっており、第何

期の候補者であるかによって研修期間に習得した日本語も異なる」とその問題点を指摘して

いる。また、入札方式の弊害については、安里(2010)も「2 年目以降、応札先が同じと限ら

ないことから、看護・介護分野における日本語教授に関するノウハウが蓄積されないといった

問題を引き起こした」と述べている。これらに加えて、公募入札方式であることの結果として、

入札の可能性がある日本語教育機関は他機関が入札に於ける競合相手となるため、看護・介護

分野における日本語教授に関するノウハウを外部に出すことに慎重になり、日本語教育界全体

としてノウハウを共有することが難しくなっているという状況も指摘されている。

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3.2.施設配置後の日本語教育

ここまで述べてきたような状況では、日本語学習歴が短い候補者が国家試験に対応しうる

ような漢字知識の習得は期待できず、3年間の実務研修中の継続的な学習が重要になってくる。

しかし、現状では国家試験対策も含めて受け入れ先の施設に任されているにも関わらず、山崎

(2010)や齊藤(2011)が指摘するように施設毎の日本語教育の取り組みのばらつきが大き

いため、全ての候補者に充実した日本語学習の環境が与えられているとは言い難い。看護師

候補者の施設配置後の日本語教育については、施設に雇用された常勤の日本語教師による日

本語教育の例や(池田 2010)や大学が県への地域貢献の一環として候補生に対する日本語

学習支援を実施している例(佐野 2011)があるが、全ての候補者がこのような日本語教育関

係者による継続的な学習支援を受けられているわけではなく、候補者の自律学習に任されてい

る場合が多いと考えられる。

4.「介護のかんじサーチ」がめざすもの

現在、著者の研究グループでは、候補者に対する学習支援として国家試験対応の漢字学習ウ

ェブサイトの開発を計画している。本章では、EPA 候補者の国家試験受験に向けてどのような

学習支援が必要とされ、既存の教材ではそれにどの程度対応しているのかを見た上で、現在計

画中の漢字学習ウェブサイト「介護のかんじサーチ」がめざすものについて述べたい。

4.1.どのような学習支援が必要とされているのか

ここまで EPA 介護福祉士候補者の日本語学習の状況について述べてきたが、今後候補者に

対して国家試験受験に向けてどのような学習支援が必要なのだろうか。ここでは、EPA 候補者

が置かれている状況から、どのような漢字学習支援が必要だと考えられるのか、A.扱う学習内

容、B.学習者の学習管理に関する支援、C.学習支援へのアクセスの 3 つの点から考えてみたい。

A.扱う学習内容について

①実際の国家試験で用いられる漢字、用語をカバーしていること

中川・中村・角南・齊藤(2011)によると、国家試験の科目の中には現場に近いものとそう

でないものがあり、介護現場での業務が問題なくこなせる日本語力があれば、国家試験には問

題なく合格できるというわけではない。これは 3 年以上の介護実務経験、または福祉系高等学

校卒業という国家試験の受験資格を満たしていても、受験者の約半数が不合格であるというこ

とからもうかがえる。そのため、介護現場で用いられる日本語に加えて、国家試験で用いられ

る漢字、用語を学ぶ必要がある。

②英語やインドネシア語の訳語があること

2.2.で述べたように、日本における介護福祉士と候補者の母国における介護(職)にはかな

りの違いがあるため、国家試験の内容の中には候補者が初歩から学習しなければないものが尐

なくない。そのようなものについてはまず候補者の母語で知識を得て、その後それを日本語に

置き換えるという手順を踏めればいいが、現時点ではそのような環境は整っていない。すなわ

ち、候補者は国家試験に向けて日本語で新しい知識を習得するということを求められることに

なる。そのため、せめて介護分野の語に英語、またはインドネシア語の訳があれば、内容理解

の上で大きな助けになると考えられる。

③国家試験の科目毎に学べること

中川・中村・角南・齊藤(2012)では、国家試験各科目の出現漢字を対象に調査を行ったが、

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科目毎に用いられる漢字の傾向に違いが見られた。候補者は国家試験に向けて全 13 科目を同

時に学ぶわけではなく、それぞれの科目を個別に学んでいくため、内容理解のために必要な

漢字を科目毎の特徴を捉えた形で提示することができれば、候補者にとって有用であると考

えられる。

④最新の回の試験のデータが反映されたものであること

介護福祉士国家試験は 2011 年度から新しいカリキュラムに準拠した内容になるため、今後

国家試験で用いられる語や漢字の傾向が変わってくる可能性がある。旧カリキュラムの試験の

データに基づいたものでもある程度の国家試験対策はできるが、より精緻な学習支援を行うた

めには、最新の回の試験データを反映させる必要がある。それを考えると、最新の回の試験の

データが反映された教材を候補者が容易に入手できることが望ましい。

B.学習者の学習管理に関する支援

①候補者の個別の学習状況に対応できるものであること

施設配置前に 6 か月の日本語研修を受けるということはほとんどの候補者に共通しているが、

水野(2010)の指摘のように、そこで学ぶ内容は研修の実施機関によりばらつきがある。また、

施設配置後の日本語教育の環境やどの段階で国家試験に向けた学習を始めるのか、また国家試

験の各科目をどの順番で学ぶのかにより、その候補者が学ばなくてはならない漢字は変わって

くる。それを考えると、候補者に対する漢字学習支援は一律のものではなく、候補者の個別の

学習状況に対応できるものが望ましい。

②自律学習をサポートするものであること

3.2 で見たように、施設配置後の日本語学習に施設による環境のばらつきがある現状では、

候補者の日本語学習の中で自律学習の占める割合が高くなってくる。そのため、自律学習をサ

ポートできるような学習支援が求められる。

C.学習支援へのアクセスについて

①学習環境の異なる候補者が誰でも利用できること

候補者の国家試験対策講座などは都市部で行われることが多く、配置される施設の地理的条

件や人的資源などによって候補者が得られる学習支援が変わってくる可能性が大きい。また、

候補者の国家試験に向けた学習への理解が施設により違う場合もあるだろう。そのため、学習

支援は学習環境の異なる候補者が誰でも利用できるようオープンになったものであることが

望ましい。

4.2.既存の介護分野の日本語教材が対応している学習支援のニーズ

ここまで、候補者に必要だと考えられる学習支援について見てきたが、これらの中には既存

の教材で既に対応しているものもある。介護分野に特化した日本語教材の主なものを以下に挙

げる。

1)書籍

1-1)日本語指導グループ“Y”(2009-)『介護の言葉と漢字 』シリーズ

1-2)海外技術者研修協会編著(2009-)『専門日本語入門~介護篇~』シリーズ

1-3)国際交流基金関西国際センター(2009)『日本語でケアナビ 』

1-4)岡部麻美子・鎮目怜子・向井あけみ(2009)『介護スタッフのための声かけ表現集』

2)ウェブサイト

2-1)「日本語でケアナビ」(国際交流基金関西国際センター)

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2-2)「リーディング・チュウ太」(東京国際大学 川村よし子教授グループ)

2-3)「介護の日本語(しけんたいさく)」(海外技術者研修協会)

既存の介護分野の教材の特徴として以下のことが挙げられる。

①用語に英語・インドネシア語の訳をつけているものが多いこと

日本語学習歴の短い者が多い候補者にとって専門用語の翻訳は大きな助けとなるだろう。定

訳のない介護用語を英語、またはインドネシア語に翻訳する作業は大変な困難を伴うものだと

予想される。本来であれば、厚生労働省が介護分野の専門用語については、英訳・インドネシ

ア語訳のリストを作成し、公表すべきであるが、現時点ではそうなっておらず、各教育機関が

試行錯誤を繰り返しながら訳語をつけているのが現状のようである 6)。

②介護現場に着目したものが中心であること

1-1)~1-4)、2-1)等介護分野の日本語教材は介護現場で必要な日本語に着目したものが多く、

国家試験受験を視野に入れたものはそれほど多くない。候補者が国家試験を受験するためには

3 年以上の実務経験が必要であり、その実務をこなすためには、介護現場で必要な漢字(語彙)

を習得しなければならないので,まず介護現場で必要な漢字や語を学ぶべきである。しかし、

中川・中村・角南・齊藤(2011)によると、国家試験の科目の中には介護現場に近いものとそ

うでないものがあり、現場で用いられる語の知識があってもそれだけでは対応できない科目が

あり、それらの科目については国家試験に向けての学習が別途必要になると考えられる。

近年、国家試験受験を視野に入れた教材も作成され始めている。1-1)シリーズには、『介護

の言葉と漢字 国家試験対策ウォーミングアップ』があり、同書は過去の国家試験のデータに

基づいて作成された漢字教材であり、過去 5 回(18-22 回)の国家試験で 15 回以上出てきた

語を掲載している。また、2-3)はその名前からも分かるとおり、介護福祉士国家試験に必要な

日本語や介護知識を効率的に学ぶことを目的とした e-ラーニング教材である。その中で国家試

験で多く用いられる語や漢字についても学べるようになっている。また、同教材は英語・イン

ドネシア語で対応可能なメンタリングサービスを提供しており、学習中の質問や不明点などを

相談できるようになっているが、これは 4-1.で挙げた「自律学習をサポートする」というニー

ズに対応するためだと考えられる 7)。

③科目毎という観点で作成された漢字教材がないこと

4.1.でも述べたように、国家試験の科目毎に用いられる漢字の傾向に違いが見られるため、

科目毎の漢字学習支援が必要であるが、既存の教材の中には、1-1)シリーズの『国家試験対策

段階別事例問題読解』や 2-3)のようにその観点を持った読解教材はあっても、科目毎の漢字学

習が可能な教材は現時点ではない。

4.3.「介護のかんじサーチ」がめざすもの

前項で見てきた通り、介護分野の日本語、漢字について候補者が得られる学習支援の選択肢

がある程度増えてきたのは事実である。しかし、既存の教材を補完して、候補者の国家試験受

験に向けた漢字学習を効率化するためには、学習支援として、既存の教材の持つ特徴に加えて

以下の条件を満たすものが提供されることが望ましい。

・国家試験の科目毎に学べるようになっていること

・最新の回の試験のデータが反映されたものであること

・候補者の個別の学習状況に対応できるものであること

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・自律学習をサポートするものであること

・学習環境の異なる候補者が誰でも利用できること

著者の研究グループでは、候補者の国家試験受験に向けた漢字学習支援として上記の条件を

満たす上で有効なのはウェブサイトという形態であると考え、「介護のかんじサーチ」という

学習ウェブサイトの開発を計画している。本項では、学習支援としてなぜウェブサイトという

形態を選択したのか、そして、どのような学習ウェブサイトの開発をめざすのかについて述べ

たい。

4.3.1.「介護のかんじサーチ」によってどのような学習支援が可能になるのか

現在開発を準備している「介護のかんじサーチ」はウェブサイトという形で提供することを

予定している。その理由として最も大きいのは、ウェブサイトが他のメディアに比べて「個々

の候補者にとってその時点で必要な情報だけを整理して見せること」に長けているからである。

4.1.で述べたように、候補者が国家試験の科目毎に学習を進めていく場合、必要な漢字知識

も科目毎に学べるほうが効率的である。しかし単に科目毎に該当漢字を抽出するだけでは、大

量の漢字が並ぶリストになってしまう。これでは全体の見通しが悪いため、学習計画が立てづ

らく、候補者の学ぶ意欲も下がってしまいかねない。未習漢字だけがリストアップされ、目標

ラインにおける現在の到達度などが見えるほうが望ましいだろう。また、国家試験で用いられ

る漢字には複数の科目に共通するものも尐なくないため、ある科目における漢字の学習記録を

他の科目を学ぶ際に反映できた方が効率的な学習が期待できる。

対応が難しいのは、候補者が「介護のかんじサーチ」を使う際に、どんな漢字を学習済みな

のか、どの科目をどんな順番で学びたいと考えているのかが、個々人で大きく異なっていると

いう点である。もちろん「介護のかんじサーチ」を使って学習していく過程においても、その

候補者の未習漢字のリストは変わっていく。常に学習履歴を残し、全体における到達度を確認

しながら、次に学ぶべき漢字を選んで学んでいく・・・。そういった個々人の学習管理が必要

となるが、先に述べたように、施設配置後の学習環境はばらつきが大きく、候補者によっては

自律学習の負担が大きい場合もあるだろう。そこで、学習管理の機能を持たせることを念頭に

置き、それが可能なウェブサイトを、本件のメディアとして選択した 8)。

ウェブサイトは、書籍などに比べて一覧性に乏しいと言われる。ディスプレイに収まる情報

量は紙のそれよりは尐ない。書籍のページをパラパラめくるほど、ウェブサイトのスクロール

や画面遷移の操作は快適ではない。しかしながら、状況に応じて情報を抽出して表示する柔軟

性は、書籍にはないウェブサイトの魅力である。書籍であれば 50 音索引や科目など固定され

た分類からしか情報を見ていくことはできないが、ウェブサイトは任意のキーワードを指定し

て検索することができるうえ、様々な条件を複合的に指定したり、結果を並び替えたりするこ

とも可能である。また関連する情報を次々とつなげて見せていくことにも、ウェブサイトのリ

ンクが大きく貢献する。

加えて、ウェブサイトの「更新可能なデータベースを利用者毎に持たせることができる」と

いう特徴も大きい。例えば、候補者毎に学習すべき漢字の種類と数は異なり、しかも学習が進

むにつれ刻々と変わっていくが、そのデータを利用者毎に個別のデータベースに記録し、ウェ

ブサイトの表示を連動させることができる。教材上で既習漢字と未習漢字を分けて扱えること

だけでも、候補者の学習管理の負担を大きく軽減することになるだろう。また、全体の必要漢

字数に対して何パーセントを学び終えたのか、現状では国家試験のカバー率はどの程度なのか

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といったことも、候補者に複雑な計算をさせることなく、一目でわかるようにすることもでき

る。

前述の通り、毎年新しい試験が行われる度に、そのデータを教材に反映させることが望まし

いが、更新可能なデータベースというのは、候補者にとってだけでなく、教材提供側にとって

も大きく役立つ。これが書籍であれば、改訂版を新たに出版することになり手間もコストも大

きく、また候補者も改めて購入するという負担を強いることになる。その点ウェブサイトは、

候補者が気付かないほどスムーズにデータを改訂することもできるし、データに限らず機能や

デザインの改善も随時行える。常に候補者のニーズを反映させていくことができるのである。

4.3.2.今後の開発計画

本研究では介護福祉士国家試験対応の漢字学習ウェブサイト「介護のかんじサーチ」を 3

年計画で開発する予定である。まず、EPA 候補者の国家試験に向けた学習を効率化する目的で、

A.過去の介護福祉士国家試験に出現した漢字、B .介護福祉士を対象とした教科書の索引で見

出し語として扱われている用語の 2 つを調査し、漢字学習データベースを構築する。それに前

述の見出し語から抽出した二漢字語を加えたデータベースを統合し、それらを基に、①介護福

祉士国家試験に出現する単漢字、②その漢字を含む二漢字語、③その二漢字語を含む用語、④

その用語を含む国家試験問題を科目毎に提示し、そのいずれからでも他の項目が検索可能な機

能を持つ、国家試験対応の漢字学習ウェブサイトの開発を行う。ウェブサイトの機能設計に際

しては各段階で EPA 候補者等に聞き取り調査を行い、得られたフィードバックを機能の改善

に反映させる予定である。また、ウェブサイトには長期間の漢字学習を支援する学習管理機能

も付与する。

各段階での開発計画は以下の通りである。

○第 1 段階

・試行版ウェブサイトの開発及び試用

介護福祉士国家試験の各科目について、①その科目で頻出する漢字(読み・意味)、②その

漢字を含む用語(読み・意味)を提示する機能を持つ試行版ウェブサイトを作成する。

例:「医学一般」

→①「肝/かん/liver, hepato-」

→②「C 型肝炎ウイルス/しーがたかんえんういるす/hepatitis C virus」

また、EPA 候補者に試用を依頼し、試用後に聞き取り調査を行い、次段階の改善に反映させる。

○第 2 段階

・介護用語中の二漢字語の抽出

増田他(2006)では、二漢字語(「急性血行性骨髄炎」中の「急性」「血行」「骨髄」のように、

用語の構成要素となっている漢字二字からなる熟語)を媒介とすることで医歯学分野の専門語

学習の効率化を図っており、その有効性はや中川 (2010a)や隈井他(2007)でも明らかになって

いる。二漢字語を介して専門用語を学ぶというアプローチは介護分野の用語についても有効だ

と考えられる。そこで、新旧カリキュラムに準拠する教科書の索引の見出し語を調査すること

によって得られたリスト中の全語を、1 つ以上の構成要素に分割して二漢字語を抽出し、国家

試験に出現する単漢字、その漢字を含む二漢字語、及びその二漢字語を含む用語の照合を行う。

・第二次試行版ウェブサイトの開発及び試用

第一次試行版に 2.の二漢字語を追加し、介護福祉士国家試験の各科目について①その科目で

Page 12: 国際交流センター1.国家試験受験の上で求められる漢字知識 1.1.国家試験の概要 介護福祉士国家試験(以下国家試験とする)は年1 回実施され、EPA

10

頻出する漢字(読み・意味)、②その漢字を含む二漢字語、③その漢字を含む用語(読み・意

味)を提示する機能を持つ第二次試行版ウェブサイトを作成する。

例:「医学一般」

→①「肝/かん/liver, hepato-」

→②「肝炎/かんえん/ hepatitis」

→③「C 型肝炎ウイルス/しーがたかんえんういるす/hepatitis C virus」

○第 3 段階

・学習管理機能の設計

候補者の日本語能力にもよるが、国家試験に向けた漢字学習は 2 年、3 年といった長期間に

なると予想される。そこで候補者の長期間の漢字学習を支援するために、ウェブサイトには学

習管理機能を付与する予定である。具体的には、以下のような機能である。

①学習者の既習漢字の提示

②学習者が過去にこのサイトで検索したり学習したりした漢字のリスト

③現時点での国家試験カバー率の提示及び今後学ぶ必要がある漢字数の提示

・最終版ウェブサイトの開発及び評価

第二次試行版に上記の 2.の学習管理機能を追加した最終版ウェブサイトを作成する。最終版

についてはより広い範囲の EPA 候補者に試用を依頼し、試用後に評価に向けた聞き取り調査

を行う。

なお、「介護のかんじサーチ」は、完成時に無料で一般公開される予定である。

1)第 24 回試験から新カリキュラムに準拠したものになるため、科目などに変更がある。本項

のデータは旧カリキュラムに基づくものである。

2) 厚生労働省(2010)は、EPAによる外国人候補者などの受験への配慮として、介護福祉

士国家試験における難しい用語に関して以下の1、2のような配慮を行うとしている。

1.易しい用語に置き換えるなどの措置を講じても、介護現場が混乱しないと考えられる用

語について

・難しい表現は、易しい用語を使って置き換える。ただし、介護現場で広く定着している

ものは、置き換えない。

・常用漢字以外の漢字については、原則としてふりがなを振る。(※すでに一部実施済み。)

・主語・述語・目的語を明示する

2.介護、福祉、医療などの学問上・法令上の専門用語について

・常用漢字以外の漢字については、原則としてふりがなを振る。

・英語の正式名称及び一般的に使用されている日本語訳の併記

・疾病名への英語併記 ※症状名への英語併記は行わない。

・外国人名への原語併記(※実施済み)※人名以外の、片仮名で表記されている専門用語

については、原語併記は行わない。

3)看護師候補者の場合も、「『社会保障制度と生活者の健康』『在宅介護』『老年看護学』の

分野は高齢者の人口が尐ないインドネシアでは、実際の看護の場で高齢者の患者に触れる機会

も尐なく、また、介護保険をはじめ日本の法律を十分に理解していないと分からない科目が多

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い。(池田他 2010)」と同様の指摘がある。

4)旧日本語能力試験 2 級レベル以上の日本語力のある候補者は日本語研修を免除される。

5)NPO 法人 AHP ネットワークは現地で 12 カ月の来日前教育 (日本語教育 1680 時間、看護・

介護専門教育 300 時間)、ガルーダサポーターズは現地で 6 か月間の日本語基礎教育及び来日

後 1 年間の日本語継続教育及び介護教育を行うことを提言している。

6)田尻(2011)では、日本語教材の専門用語の翻訳に問題がある可能性を指摘し、「このような大

事な翻訳は、責任体制をはっきりさせる必要がある」としている。

7)詳細については以下を参照のこと

「e ラーニング 『介護の日本語(しけんたいさく)』のご案内」

<http://www.aots.or.jp/jp/epa/renrakukai/elearning_kaigo.html>(2011 年 4 月 12 日閲

覧)

8)学習管理機能の充実した外国語学習ウェブサイトに単語力(http://www.tangoriki.com)が

ある。同サイトでは単語の意味を 3 択で答える単純な練習をするが、不正解だった単語は自動

的に単語帳にストックされ、後で復習したり再テストしたりできる。また、ユーザー登録しな

くてもこれらの機能を試すことが可能である。

参考文献

1)安里和晃(2010)「尐子高齢社会における移民政策と日本語教育」田尻英三・大津由紀雄編『言

語政策を問う!』ひつじ書房 pp.199-210

2)池田敤史・深谷計子・堀場裕紀恵・菱田治子 (2010)「経済連携協定に基づき来日した看護師

候補生の現状と問題点」『聖路加看護大学紀要』No.36 pp.86-90

3)NPO 法人 AHP ネットワークホームページ<http://www.ahp-net.org/ahp009.html>

(2011 年 4 月 6 日閲覧)

4)小川玲子 (2009)「外国人介護職と異文化間ケア−フィリピンの日本人高齢者施設の経験から

−」『紀要』九州大学アジア総合政策センター、3: pp.113-126

5)ガルーダサポーターズ「日本・インドネシア経済連携協定に基づくインドネシア人看護師及

び介護福祉士候補者の受入条件の改善に関する提言書」

<http://garuda-net.jp/data/teigen_20100114.pdf>(2011 年 4 月 6 日閲覧)

6)隈井正三・中川健司・増田光司「専門分野の日本語学習辞典の設計―『留学生のための二漢

字語に基づく基礎医学術語学習辞典』の場合」『2007 年度日本語教育学会春季大会予稿集』

pp.261-262

7)厚生労働省報道発表資料(2010)「介護福祉士国家試験における難しい用語の今後の取扱い

について」

< http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000000rifx-img/2r9852000000rihe.pdf >

(2011 年 1 月 5 日閲覧)

8)齊藤真美・飯島有美子・越山泰子(2011)「EPA による外国人介護福祉士候補者の言語、非言

語的背景―国家試験対策に向けての「学習者オートノミー」育成のため―」『関西国際大学コミ

ュニケーション研究所 コミュニケーション研究叢績』第 9 号

9)佐野ひろみ(2011)「インドネシア人看護師候補生の目的別日本語教育コース-事例報告-」

『第 13 回専門日本語教育学会研究討論会誌』pp.18-19

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http://wwwsoc.nii.ac.jp/stje/download/13STJE_discussion.pdf

10)田尻英三(2010)「看護師国家試験の漢字・漢語」『国文学 解釈と鑑賞』2011 年 1 月号

108-115

11)辻 和子・小島美奈子・高田 薫(2010)「2009 年度日本・インドネシア経済連携協定に基

づく看護師・介護福祉士候補者に対する事前研修における日本語研修実施報告―看護・介護の

職場に立つ人材に必要なコミュニケーション力構築の試み―」『日本語教育方法研究会誌』

Vol.17 No.2 pp.4-5.

12)中川健司(2010a)「基礎医学術語を学ぶ上で優先的に学習すべき漢字の選定の試み―二漢

字語及び基礎医学術語中の出現漢字傾向調査を基に― 」『日本語教育』145 号 pp.61-70.

13)中川健司(2010b)「介護福祉士候補者が国家試験を受験する上で必要な漢字知識の検証」

『日本語教育』147 号 pp.79-92.

14)中川 健司・中村 英三・角南 北斗・齊藤 真美(2011)「介護福祉士国家試験における科目

別学習漢字選定の試み」『第13 回専門日本語教育学会研究討論会誌』pp.20-21

http://wwwsoc.nii.ac.jp/stje/download/13STJE_discussion.pdf

15)中川健司・中村英三・角南北斗・齊藤真美 (2012 予定)「介護福祉士国家試験科目別出現漢

字に関する調査」『JSL 漢字学習研究会会誌』第 4 号

16)中村愛・秋本瞳・李在鎬 (2010)「介護福祉士候補者向け国家試験対策のためのコーパス調

査」『2010 年度日本語教育学会春季大会予稿集』pp.300-305.

17)日本語教育学会 看護と介護の日本語教育ワーキンググループ (2010) 「介護福祉士国家試

験問題の日本語の難しさについて考えるための基礎資料(改訂版)-第 21 回・第 22 回試験

の全問分析結果のまとめ(2010 年 12 月)-」

<http://wwwsoc.nii.ac.jp/nkg/kangokaigo/images/kisoshiryou-v2.pdf>(2011 年 1 月 8

日閲覧)

18)登里民子・栗原幸則・今井寿枝・石井容子(2009)「インドネシア介護福祉士候補者を対象

とする初級からの専門日本語教育研修プログラム」『2009 年度日本語教育学会春季大会予稿

集』pp.176-181.

19)増田光司・佐藤千史・中川健司・隈井正三 (2006)『留学生のための二漢字語に基づく医学

術語学習辞典-日本で働く医療関係者のために-』凡人社

20)水野 かほる(2010)「ベトナム人看護師候補者・介護福祉士候補者に対する日本語教育の

課題」『国際関係・比較文化研究 』9(1)、 pp.97-110,

21)山崎イチ子(2010) 「ポスト EPA の展望と日本語教育~インドネシア人介護福祉士の受け

入れ条項と今後の課題~」『2010 年度日本語教育学会春季大会予稿集』pp.19-22.

(なかがわ けんじ・すなみ ほくと)

[email protected]

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日本語の基本音節構造と音韻変化

Basic syllable structure and Phonological changes in Japanese

泉谷双藏(東京医科歯科大学・国際交流センター)

要旨

本論考では、日本語の基本音節構造の CV と基本的な自然音韻変化(Natural

phonological changes)に着目することにより、日本語における母音の挿入や

削除、複合動詞の接続(Conjugations)が無理なく説明できることを論証する。

ABSTRACT

This paper discusses the importance of the basic syllable structure of the

Japanese language in the form of (C)V, where C is an optional consonant

entity and V is an obligatory vowel entity. More specifically, it will be

argued that insertion and deletion of a vowel in a certain phonological

environment can be best accounted for by reference to the basic syllable

structure of CV. It will also be shown that verbal conjugations in a

compound verb follow from the CV pattern, naturally and without any

difficulty for users of the language.

Key Words:音節構造、CV、母音、子音、挿入、削除

0.はじめに

日本語は世界の言語の中でも、典型的な軽音節(Light syllable)で構成される音節を基本

構造にしている言語である。古来より日本語の語は子音(Consonant)と母音(Vowel)

とからなる CV を 1 つの音節のまとまりとして持っている言語である。この基本音節構造

を念頭に置くことでいろいろな言語事実がうまく説明できることがある。本論考では、日

本語の基本音節構造と基本的な自然音韻変化(Natural phonological changes)に着目す

ることにより、日本語の動詞の接続形態(Inflectional forms)が簡単に説明できることを

論証する。本論考の構成は次のようになっている。まず、第 1 節で日本語の基本的な音節

構造とその特徴を見てから、第 2 節で日本語における母音の「挿入」と「削除」を概観す

る。第 3 節では、前節でみた基本音節構造 CV と母音の挿入と削除の順序を考慮に入れる

ことにより、子音動詞の接続形態が無理なく説明できることを示す。第 4 節を本論考のま

とめとする。

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1. 日本語の基本音節構造とその特徴

日本語の音節構造の基本は ,(2)の語からも分かるように(C)V である。C は子音

(Consonant)で V は(Vowel)を表わす。1 日本語の音節構造の特徴として、まず第 1

にあげられるのは、CV の C は随意的(Optional)である、という点である。音節を構成

する上で無くても構わない。例えば、「絵」という語は母音のみの音節を持っている。第 2

に、日本語の音節構造は英語の音節(Syllable)とは違って、子音連続(Consonant

clusters:CC)を持たない点にある。英語では(3)の block や street や insist のような

単語では、1 つの音節の中で子音の連続(CC)が許されるが、日本語では(1b-c)のよう

な音節構造は許されず、(2)のように、(1a)のような基本音節構造(C)V だけが許され

る。

(1)日本語の基本音節構造

a. [Syllable (C)V] b. *[Syllable CCV] c. *[Syllable (C)VCC]

(2) い(胃:i)、え(絵:e)、お(尾:o) [V]

め(目、芽:me)、て(手:te) [CV]

(3)bock [CCVC]

street [CCCVC]

in.sist [VC.CVCC] (「.」は音節の境界を示す)

第 3 の特徴としては、日本語音節の基本構造が(C)V であることから自動的に引き出さ

れる帰結として、音節は基本的に開音節(Open syllables)であるという点である。

しかし、日本語には(4)に見られるように、語末が撥音(子音の「ん」 [n])で終わる

語がある。この CVC という構造は閉音節(Closed syllables)で、明らかに日本語の基本

音節構造である開音節ではなく、中国語との接触により日本語に導入された音節構造であ

る。従って、日本語の中で CVn の音節構造を持つ「はん、ぱん、ばん、かん、たん」等

のように語末が「ん」で発音される場合はその語の音読みである。

(4)撥音:はん(半:han)、おん(恩:on)、かん(缶:kan) [CVC]

これに関連して、一見、日本語の基本音節構造の例外として映る構造に(4)のような拗

音を含む語がある。

(5)きしゃ(記者:ki.sya)、しょるい(書類:syo. ru.i) [CCV]

「きしゃ」の「しゃ」や「しょるい」の「しょ」が拗音で、その構造は [CCV]のように見

受けられる。しかし、(5)の[sya]や[syo]の[sy]は、ローマ字表記を使うと CC のような子

1 日本語の音節は、英語の「シラブル」と区別して「モーラ」(Morae)と呼ばれるが、こ

こではシラブルと同意の「音節」と呼ぶことにする。厳密な英語のような言語の「シラブ

ル」と「モーラ」の違いに関しては Vance(1987)を参照されたい。

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音連続の表記になるだけのことであり、この[sy]は国際音声表記(International phonetic

symbols)では単音の[š]で表わされる。この表記方法によると(5)は(6)のように表記

され、日本語の基本音節構造 CV になり、例外ではないと考えられる。

(6)きしゃ(記者:ki.š a)、しょるい(書類:šo.ru.i) [CV]

日本語音節の基本構造(C)V の例外としては、ひらがな表記で小さい「っ」で表わされ

る促音を含む(7)のような語があげられる。

(7)あっと(a.t.to)、きっと(ki.t.to)きって(切手:ki.t.te)、きっぷ(切符:ki.p.pu)、

べっし(別紙:be.s. ši) [(C)V.C.CV]

(7)の語の第 2 番目の音節が子音 C だけで構成される音節になっている。前に母音がな

く、子音だけでは音節自体が成り立たないので、これは上の音節構造 CV の形をしていな

いので、音節とは呼べないことになる。そこで、言語学者の間でこの子音の扱いについて

これまでに、当該の子音と直前の音節の子音とで二重子音(Double consonant)や長子音

(Long consonant)を形成するという意見が出されているが、未だに決着がついていない。

また、言語学者の中には Vance(1987:40)のように、この子音 C を[Q]で表わす人もいる。

これは(7)では明らかなように、当該の子音の音価は直後の音節の最初の子音と同じ音

価になるため、[Q]で表わされる音価が次の子音(例えば、[t]や[p])により決まるからで

ある。つまり、促音の音価は一律的に決められず、それが現われる場所により変化するた

め、便宜的に[Q]で表記するということである。本論考では、このような促音は基本構造を

外れるので、考察の対象とはしない。

上で見た日本語の基本音節構造の CV(C は随意的なので本来は(C)V と表記すべきで

あるが、以下から CV と表記する)を想定することで、次節で考察する音韻現象(変化)

の挿入(Insertion)や削除(Deletion)がこの CV の音節構造を保持するために起こる自

然な音韻変化であることを考察する。

2. 挿入(Insertion)と削除(Deletion)

本節では日本語における母音の挿入(Insertion)や削除(Deletion)が日本語の基本音節

構造の CV を保持するために起こる自然な音韻変化であることを見る。

2.1 母音の挿入

子音連続(CC)の音節構造を持つ、英語等の外来語を日本語風に発音する時に、往々にし

て子音の後に母音が挿入される。これは日本語の基本音節構造(1)の CV を守るためであ

る。例えば、英語の‘ strike’( [strayk])を日本語に取り入れた場合は [sutoraiku]や

[sutoraiki]となり、下線で示したように[u]や[o]や[i]が子音の後にそれぞれ挿入される。ま

た 、 ハ ン バ ー ガ ー 店 の マ ク ド ナ ル ド は 、‘ MacDonald’s/ (Mac) ’ は 日 本 語 で は

[makudonarudo]となり、やはり[u]と[o]が子音の後に挿入される。

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(8) strike ストライク ストライキ マクドナルド

a. /u/ Insertion [sutraiku] [sutraik] [makudnarud]

b. /o/ Insertion [sutoraiku] [sutoraik] [makudonarudo]

c. /i/ Insertion [sutoraiku] [sutoraiki]

ケーキ

[keeki]

ステーキ

[suteeki]

母音が挿入される場合は一般的に高母音(High vowels)の[u]と[i]が挿入され易い。(8a)

では[u]が、(8c)では[i]が挿入されている。次に挿入され易い母音は[e]と[o]で、(8b)で

は[o]が挿入されている。(8b)のように、ストライク、ストライキやマクドナルドでは [t

や[d]の後に[u]ではなく[o]が挿入されるが、これはもし[u]が挿入されると、[tu]や[du]の

連鎖になるが、これらの音は日本語には存在しないため、音声的に [u]に一番近い音である

[o]が挿入されることになる。この母音挿入はスペイン語で[s]の前に[e]が挿入されるのと

よく似ている。2010 年のワールドカップでスペインのチームが ESP と表記されるように、

スペイン語では[s]の前に[e]が挿入される。[a]の挿入は稀だが、英語の salad や Holland

は日本語ではサラダ(sarada <― salad)やオランダ(oranda <― Holland)のよ

うになり、[a]が挿入される。英語の母音挿入では、‘speedometer’や‘thermometer’

のように /o/([a])が挿入される例がある。(9)に示したように、母音の挿入は‘聞こえ’

(Sonority, loudness)の度合いが尐ない順に起こり易くなっている。

(9)母音の挿入との順序:日本語における母音の挿入と削除は次の順序で行なわれる。

高母音(i/u)>中母音(e/o)>低母音(a)

2.2 母音の削除

挿入と削除は、表裏一体、コインの裏表、作用・反作用の関係にある。挿入がなければ削

除もない。プラスとマイナス、男と女、上と下、左と右の関係と同じである。どちらか一

方だけでは決して存在できない関係にある。ここでは英語からの輸入語と日本語からの例

を考察する。

まずは、英語からの輸入語の例を見る。上の(8a)の「ストライク」や「ストライキ」

では語末の母音[u]/[i]の挿入の後、この母音は非母音化(Devoicing)されて母音として

の‘聞こえ’がなくなり、あたかもそこに母音がなきが如く発音される。結果的に、この

母音は音韻論的な観点からは削除されたのと同じにことになる。これは(10)に示す無声

音間の有声音の無音化(Devoicing of a voiced sound between voiceless consonants)と

呼ばれる同化現象の一種の音韻変化であり、有声音間の子音の有声音化( Intervocalic

voicing of voiceless consonants)と正反対の関係にある。

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(10)無声子音間における有声音の非有声音化(Devoicing)2

[V] ――> [-voiced ](非有声音)/ C C/#

[-voiced ] [-voiced ]

(10)では、母音 V が無声子音 C[-voiced]に挟まれた環境(「/」の後)に現われると無

音声化する(非有声音[V]になる)ことを表わしている。3(8a-b)のストライクでは母音 ○

[u]の直前には無声子音の [k]があり、直後には何も音がないため、これは直後に無声音が

あると解釈されて、(10)の環境に合致し、[u]が非有声音化され、結果として発音されな

い、つまり削除されたのと同じになる。同様に(8b-c)では[k] /[č]と語末の間に位置す

る母音[u]/[i]が(10)により無声音化される。

同様の例が日本の中に見つけることができる。その典型的な例が文末の「です」である。

「です」[desu]の[u]母音(つまり有声音)は非有声音化(Devoicing)される。この「す」

の母音[u]は、前後にある無声音に囲まれているため(9)の環境に合致し、非有声音化さ

れる。この非有声音化によって有声音は無声音化するが、基本音節構造 CV の V がなくな

った訳ではないと考える。それには 2 つの根拠が考えられる。もし、仮に音節の V 自体が

なくなるとすると(11)例のように「です」に疑問符の「か」が後続する「… ですか」

では、無声音化の後の連鎖が[ska]になり、CCV の音節構造になる。しかし、上の(1b)

で述べたように子音連鎖 CC は日本語では許容されない。従って、(11b)に示してあるよ

うに母音の無声音化は起こり、母音としての音価が消滅しても、母音 V が占める位置は音

節構造には残ると考える。

(11)a.「… ですか」 [C V] [C V] [C V] b. [V] ○

[d e] [s u] [k a] ○

もう 1 つの根拠は、俗に言う「ささやき」(Whispering)に起こる母音の無声音化である。

これも母音の音価とともに V の音節が消滅すると考えるのは不合理である。つまり、「さ

さやき」における(無声音化した)母音は(11b)のような音節構造を持つと考える。母

音の音価は消えても、母音が占める位置は残るのである。さもなくば、ささやき語は子音

の連続となり、それは日本語の基本音節構造では許容されず排除されため、ささやき語は

存在し得なくなる。現実にはささやき語は存在するので、やはり母音の音価はなくなって

も母音としての音節構造の位置は残ると考えるのが自然であろう。

本節では日本語の基本音節構造 CV を保持するために英語からの輸入語で母音の挿入が

2 母音や子音の挿入・削除や有声音の非有声音化のような音韻変化が言語の自然音韻過程

(Natural phonological processes)であるという論拠に関しては Stamp(1973, 1979,

1987)、Donegan(1993)、Donegan and Stamp(1993)、Fudge(1994)を、日本語

における同化現象に関しては泉谷(2005)を、参照されたい。 3 V の下の印「○」は母音 V が無声音化したことを表わす。

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起こり、その後の日本語内で起こる母音の非有声音化は、母音の音価の消失であり、CV

構造での V の位置の消失ではなく、CV 構造の保持のために V の位置が残ることを考察し

た。次節では基本音節構造の CV を念頭に置くと、日本語の動詞の接続(Conjugations)

が無理なく説明できることを論証する。

3. 動詞の接続(Conjugations)

本節では動詞の接続形に関して、基本音節構造の CV が母音の[i]や[a]の挿入に関係するこ

とを考察する。はじめに、動詞の辞書形から「ます」形を導入する際に [i]が挿入される

ことを観察してから、次に、では何故 [u]ではなく[i]が挿入されるのかを考えてから、 [a]

が動詞の否定形に挿入される事実に触れる。最後に、子音動詞が後続する述部(動詞や形

容詞)と接合して複合動詞を構成する際にも、やはり [i]が挿入されることを指摘し、この

挿入が CV に起因することを示す。

3.1 辞書形と「ます」形

日本語の初級で動詞の接続(形)を教える際に、辞書形(Dictionary form:DF)を教え

てから「ます」形を導入するが、普通、辞書形から「ます」形を導く方法として、動詞が

母音動詞(Ru verb)の場合は動詞の語根(Root)に「ます」を付加し(または、語根の

後の「る」(-ru))を「ます」(-masu)で置き換え)、子音動詞(U-verb)の場合は語根に

「います」(-imasu)」を付加する(または、語根の後の「う」(-u))を「います」(-imasu)

で置き換える。これを具体的に示すと(12)のようになる。

(12) 母音動詞(Ru verb) 見る 起きる 食べる

辞書形(DF) mi-ru oki-ru tabe-ru

語根(Root) mi- oki- tabe-

-masu 付加(置換) mi-masu oki-masu tabe-masu

子音動詞(U-verb) 書く 読む 話す

辞書形(DF) kak-u yom-u hanas-u

語根(Root) kak- yom- hanas-

-imasu 付加(置換) kak-imasu yom-imasu hanas-imasu

学習者が動詞の辞書形から「ます」形を正しく導くには、当該の動詞が母音動詞か子音動

詞かどうかを、まず知っておかなければならない。更に、子音動詞の場合は、母音動詞と

は異なり、語根に「-masu」ではなく「-imasu」を付加(または「-u」を「-imasu」で置

換することを知っていなければならない。このような教え方がほとんどの初級の教科書で

されている。また、教科書によっては、「ます」形から辞書形を導入する方法を紹介してい

るものもある。例えば『日本語の教え方 ABC』(寺田他 1998:102)では、子音動詞の場合

は「ます」形から「ます」を取って「う」に変え(例えば「かきます」―>「かく」)、母

音動詞の場合は「ます」形から「ます」を取って「る」を付加する(例えば「たべます」

―>「たべる」)と説明している。『An Introduction to Modern Japanese』Mizutani &

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19

Mizutani 1977:38)でも同じような説明がされているが、何故、子音動詞の場合には語根

に「-masu」ではなく「-imasu」を付加するのか、その理由を説明していない。筆者が知

る限り唯一『Japanese For College Students (Basic, Vol. 1) 』(85 頁)が、日本語の音節

構造 CV を保つために母音[i]が子音動詞の語根末の子音と「-masu」挿入されると、説明

している。しかし、何故挿入される母音が[u]ではなく[i]なのかは述べていない。次節では

その理由を簡潔に述べる。

3.2 子音で終わる動詞語根に母音「u」が挿入される理由

上の(9)で母音が挿入される場合は、高母音の[u]と[i]が挿入され易いと述べた。その理

由は上でも何回も述べたが、それは日本語の基本音節構造の CV を保持するためである。

子音連鎖(CC)が起こった時には、この 2 つの子音の間に V が挿入されて基本音節構造

の CV が(再)構成されるのである。更に、高母音の[u]と[i]が挿入され易い理由は、挿入

という音韻変化に関わる際の影響(コスト)が尐ないからである。一般的に高母音は低母

音([a])よりも‘聞こえ’が小さいため、挿入が大きな違和感なく起こり得るからである。

同様のことが反対の作用である削除(Deletion)にも言えて、高母音の方が低母音よりも

削除の際の影響が小さくて済むからである。例えば、英語話者にとって salad が日本語に

輸入されてサラダ([sarada])と発音されるのは予想外なことであるが、(ギターの)pick

が「ピック」([pikku])になるのには抵抗感がないだろう。特にこの場合、[u]は挿入され

た後、非有声音化(Devoicing)されて元の英語とほとんど同じ発音になるからである。

では、何故[u]ではなく[i]が挿入されるのであろうか。その理由は簡単である。 [u]は既

に動詞の辞書形で使われているからである。(12)をもう一度よく見られたい。もし仮に、

[u] が「-masu」の前に挿入されるとすると、例えば、「kak-u-masu」のような連鎖が生

じるが、これは意味的に「非丁寧(・非過去)」を表わす、辞書形の [u]が「丁寧(・非過

去)」を表わす「-masu」とが混在することになり、形態論(Morphology)的観点からは

あり得ないことである。こういう理由で動詞では[u]は挿入されないのである。名詞の挿入

の時には[a]は最も挿入され難いと述べたが、動詞では反対によく挿入される。(13)のよ

うに、子音動詞が否定辞の「ない」と「ず」に前接する時には、語根の後に [a]が挿入され

る。

(13)子音動詞の否定形:「a ない」と「a ず」

子音動詞(U-verb) 書かない 読ない 話さない

語根(Root) kak- yom- hanas-

a ない(-anai)挿入 kak-anai yom-anai hanas-anai

a ず(-azu)挿入 kak-azu yom-azu hanas-azu

子音動詞の語根に否定の形態素の[nai]や[zu]の直前に[i]ではなく[a]が挿入されるのには、

理由がある筈である。それは、例えば「書きない」(kak-i-nai)や「書きず」(kak-i-zu)

よりも[a]がある「書かない」(kak-a-nai)や「書かず」(kak-a-zu)の方が音声的に‘聞

こえ’が大きいことに関連しているのだろう。つまり、否定辞(否定の形態素)の「ない」

や「ず」の前に敢えて‘聞こえ’の度合いが大きい [a]を置くことで、その直後に否定辞が

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来ることを音声的に明示的に表わしているものと考えられる。

名詞(輸入語)では[a]がめったに挿入されない事実と、子音動詞の否定形では[a]が挿入

される事実とは、互いに好対照を成しているように思われる。次節では、「ます」形以外で

[i]が挿入される事例を検討する。

3.3 子音動詞と他の述部との接続形態

「ます」形の他に、(14)のような子音動詞がそれに後続する述部(動詞や形容詞:Verbals)

と複合動詞句を形成する際に、語根の後に [i]が挿入される。

(14)~たい、~たがる、~すぎる、~そう(様態)、~なさい、~ながら、~つかれる、

~はじめる、~だす、~つづける、~おわる、~つくす、~まくる、~まわす、~

まわる、~入れる、~あう、等

例えば、子音動詞「飲む(nom)」を例に取ると、それぞれ「飲みたい、飲みたがる、飲み

すぎる、飲みそう、飲みます、飲みなさい、飲みながら」や「飲みつかれる、飲みはじめ

る、飲みだす、飲みつづける、飲みおわる、飲みつくす、飲みまくる、飲みまわす、飲み

まわる、等」になる。動詞「飲む」の語幹は[nom]で、CV+C の音節構造をしている。こ

の後に C で始まる語が続くと CV+CC の形になる。上でも述べたように、日本語では子音

の連続は許されないため、基本音節構造の CV を保持するために 2 つの C(子音)の間に

V(母音)の[i]が挿入される。母音動詞の場合は語根に述部を後接させるだけでよい。ま

とめると(15)のようになる。

(15) a. [複合動詞 [子音動詞語根(Vc Root)] + [i] + [述部(Verbals)] ]

b. [複合動詞 [母音動詞語根(Vc Roo)] + [述部(Verbals)] ]

また、母音の挿入(9)と削除の順序は次のようになる。

(16)母音の挿入と削除の順序:日本語における母音の挿入と削除は次の順序で行なわれ

る。 高母音(i/u)>中母音(e/o)>低母音(a) ((9)を参照)

(15)のように子音動詞に述部が後続すると(16)の挿入と削除の順序に従って([u]で

はなく)必ず[i]が挿入されるのである。学習者は日本語の基本音節構造 CV を念頭に置い

て、子音動詞の語根と[i]が挿入される事実さえ覚えておけばいい訳で、(14)にあげた全

ての述部(のみならず他の動詞や助動詞)との接続形態(Inflectional forms)を覚える必

要がなくなり、学習者の負担がかなり減ることになる。

4.おわりに

本論考では次のことを議論した。まず、第 1 節で日本語のおける基本的な音節構造が CV

であることを指摘し、第 2 節では、外国語の名詞が日本語に輸入される際に、日本語の音

韻に基づいて再構成されるが、その音韻的再構成では日本語の基本音節構造の CV に見合

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うよう行なわれる結果として、母音(u/o/a)が挿入されることを確認した。第 3 節では、

子音動詞が後続の述部と結合して複合動詞を形成する際に、母音の [i]が挿入されるが、こ

れも基本音節構造の CV から自動的に説明できることを論証した。最後に、(1a)に示し

た基本音節構造と母音の挿入と削除の順序(16)の 2 つことを理解しておけば、日本語の

動詞の接続に関して学習者は全ての動詞の接続を覚える必要はなく、学習者の負担を大い

に軽減できることを指摘した。

参考文献

泉谷双藏 (2005)「音韻変化のシステムと免疫のシステム-自然派アプローチ-」東京医科歯科大学教養部紀要第35号、69-83(発行年月:2005年3月31日)

Donegan, Patricia. (1993) On the phonetic basis of phonological change. In

Historical linguistics: problems and perspectives, edited by Charles Jones,

98-130. New York: Longman.

Donegan, Patricia and David Stamp (1979) The study of natural phonology. In

Current approaches to phonological theory, edited by Daniel A. Dinnsen,

126-173. Bloomington: Indiana University Press.

Fudge, E.C. (1994) Natural phonology. In The encyclopedia of language and

linguistics, edited by R.E. Asher et al., 2761-2763. New York: Pergamon

Press.

Stamp, David. (1973) On chapter nine. In Issues in Phonological Theory, edited by

Kenstowics, M.J., Kessenberth C. W. The Hague: Mouton. Stamp, David.

(1979) A dissertation on Natural Phonology. New York: Garland.

Stamp, David. (1987) On phonological representations. In Dressler W. U.,

Leschutzky H. C., Pfeiffer O. E., Rennision J. R. (eds.) Phonologica 1984.

Cambridge: Cambridge University Press.

Vance, J. Timothy(1987)An Introduction to Japanese Phonology, New York: State

University of New York Press, Albany.

【初級日本語の教科書】

ICU(1996)『Japanese For College Students 『ICU の日本語』(Basic, Vol. 1)』東京:

Kodansha International

坂野永理、大野裕、坂根庸子、品川恭子(1999)『初級日本語[げんき]I 』Tokyo:The

Japan Times

寺田和子、三上京子、山形美保子、和栗雅子(1998)『日本語の教え方 ABC』東京:アル

Mizutani, Osamu and Nobuko Mizutani(1977)『An Introduction to Modern Japanese』

Tokyo:The Japan Times

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第 2 部:平成 22 年度年報

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1.国際交流センター

1.1. 沿革

平成 12 年 4 月 1 日に、国立大学としては 32 番目、医歯学系大学としては初の留学生

センターとして発足し、東京医科歯科大学駿河台臨床研究棟にて業務を開始した。東

京医科歯科大学では昭和 63 年(1988 年)より、教養部・国府台キャンパスの 1、2 年

生に対して単位取得科目としての日本語および日本事情を、また湯島キャンパスで研

究する大学院生、専攻生、短期留学生に対しては学生部の管轄で補講としての日本語

教育を行ってきたが、留学生センター発足後は研究留学生 (大使館推薦の文部科学省国

費留学生)を対象とする日本語研修コースを新たに加えて日本語教育・相談業務を行っ

てきた。

国際交流に関しては、平成 20 年(2008 年)7 月に閣議決定された「教育振興基本計

画」において、国が今後 5 年間に取り組むべき施策として、「大学の国際化」を推進す

ることが盛り込まれるとともに、具体的な施策の一つとして「留学生 30 万人計画」の

推進を掲げ、平成 32 年(2020 年)に実現することが目途とされている。このような動向

に対応する本学の現況としては、外国人留学生数は、平成 16 年度(2004 年度:法人

化時点)には 232 名の国費・私費留学生を受け入れていたが、平成 20 年度(2008 年

度)は 182 名となるなど減尐傾向にあったが、平成 22 年度(2010 年度)には 225 名

に漸増した。一方で、海外の大学等との国際交流協定校数は 60 校を超えており、国際

化に向けた対応が急務となっていた。

このことから、平成 20 年 4 月 1 日から企画・国際交流担当理事の下に「企画・国際交

流戦略会議」を設置し、国際化に向けた対応策を検討した結果、現行の国際交流に関

する全学的な体制を見直すこととした。具体的な方策としては、国際化を戦略的に推

進していくために「国際交流推進本部」を設置するとともに、留学生センターの組織

及び運営方法を見直して、平成 21 年 4 月から「国際交流センター」として発足させ、

本学の国際化に向けた体制の機能強化を図ることとなった。

1.2. 目的

国際交流センターの目的(業務)は以下の通りである。

1) 本学入学後の留学生のための日本語・日本事情教育

・ 大学入学後の留学生で日本語能力が不十分であるものに対して、日本文化及び

課外補講を実施する。

・ 大学入学後の基礎的日本語能力を有する留学生に対し、その能力の一層の向上

を図るために日本語・日本事情教育を実施する。

2) 大学院入学前予備教育

本学に進学する留学生及び他大学に配置される医歯学系の大学院レベルの国費留

学生に対し、大学院入学後の教育研究指導を受けるのに必要な予備教育を、日本

語教育を中心に実施する。定員は 15 名で、年間 2 期(各期 6 ヶ月)実施する。

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3) 生活指導

留学生特有の、教育・研究上あるいは社会生活への適応上の悩みに関する相談・

指導を実施する。

4) 留学相談

海外留学を希望する学生(日本人学生を含む)に対して修学上及び生活上の指導

助言を行う。

5) 地域への対応

地域の留学生支援団体(地方自治体、公益法人等)への対応を行い、宿舎の確保や

奨学金の依頼等を行う。

6) 留学情報

学内外の留学情報の集約・発信を行う。インターネットも視野に入れ、情報網の

構築を行う。

7)研究・教育の国際化推進対策

8)国際医療ネットワークの構築

9)留学生の確保対策、海外への情報発信

・国際サマープログラムの実施

・世界大学ランキングに関する検討

・ホームページの改善

10)協定校との国際交流推進

11)国際交流関連情報の管理等

・帰国留学生のデータベース構築

12)海外拠点の支援

1.3. 国際交流センターの運営組織

国際交流センターに関わる以下のような組織・会議がある。

国際交流推進本部(本部長=企画・国際交流担当理事)

<構成員>

各大学院研究科長、教育部長・研究部長

各学部長、教養部長

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各附置研究所長

国際交流センター長

事務局長

<審議事項>

・全学的な国際交流の推進に関する企画立案

・国際交流センター長候補者の推薦に関する事項

・国際交流センターの組織及び運営に関する重要事項

国際交流センター運営委員会(委員長=センター長)

<構成員>

センター長

センター専任教授又は准教授 1 名

各部会長

医歯学総合研究科教授 2 名(医系・歯系)

保健衛生学研究科教授 1 名

生命情報科学教育部・疾患生命科学研究部教授 1 名

教養部教授 1 名

各附置研究所教授各 1 名

<審議事項>

・組織及び運営に関すること

・業務内容に関すること

国際交流推進部会(部会長=委員の互選)

<構成員>

医歯学総合研究科教授 2 名(医系・歯系)

保健衛生学研究科教授 1 名

生命情報科学教育部・疾患生命科学研究部教授 1 名

教養部教授 1 名

各附置研究所教授各 1 名

センター専任教授又は准教授 1 名

企画・国際交流戦略会議推薦者

学術国際部長

<審議事項>

・教育研究の国際化推進対策に関すること

・国際医療ネットワークの構築に関すること

・外国人留学生の確保対策、海外への情報発信に関すること

・海外の学術協定校との交流推進に関すること

・国際交流関連情報の管理等に関すること

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国際教育部会(部会長=委員の互選)

<構成員>

医歯学総合研究科教授 2 名(医系・歯系)

保健衛生学研究科教授 1 名

生命情報科学教育部・疾患生命科学研究部教授 1 名

歯学部口腔保健学科教授 1 名

教養部教授 1 名

各附置研究所教授各 1 名

センター専任教授又は准教授 1 名

企画・国際交流戦略会議推薦者

学術国際部長

<審議事項>

・外国人留学生を対象とした日本語教育に関すること

・外国人留学生及び海外留学を希望する学生並びに教職員に対する相談業務に関する

こと

・学生及び教職員を対象とした英語教育、FD、海外留学支援に関すること

・国際交流関連の宿舎、奨学金、チューター制度等に関すること

平成 22 度は奨学金小委員会を次の通り、6 回開催した。

第 1 回:平成 22 年 5 月 17 日(月)10:00(Ⅰ期棟 5 階 カンファレンス室 3)

第 2 回:平成 22 年 8 月 10 日(金)14:00(M&D タワー8 階共用セミナー室 9)

第 3 回:平成 22 年 10 月 5 日(火)11:00(同上)

第 4 回:平成 22 年 12 月 8 日(水)14:00(同上)

第 5 回:平成 23 年 1 月 18 日(火)11:00(国際交流センター長室)

第 6 回:平成 23 年 2 月 21 日(月)11:00(同上)

国際交流センター連絡会議

<構成員>

センター教員

国際課担当職員

<審議事項>

・センター業務全般

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2. 平成 22 年度国際交流センター現況

2.1. 国際交流センター教員および担当事務

センター長:森尾郁子教授(大学院医歯学総合研究科教授兼任)

教員(専門領域):

増田光司准教授(日本語教育)

泉谷双藏准教授(日本語教育、相談業務)

大北葉子准教授(日本語ランゲージコーディネーター、日本語 Web )

CLEARY Kevin 准教授(英語教育、英語 Web)

竹本佳弘特任教授(分子生物学、創薬科学、国際交流)

吉田丘特任教授(国際交流)

担当事務

学術国際部

国際課

小関仁志課長

加藤玲子課長補佐

国際交流掛

山本哲也掛長

松平俊光掛員

小柳真美子掛員

福田悠美子掛員

三室戸貴美子掛員

留学生掛

恵飛須智子掛長

加藤史子掛員

椎名真帆掛員

日本語非常勤教員:

有馬貫志

鶴見千津子

中川健司

平形裕紀子

三輪充子

2.2. 年間行事および事業

1.日本語研修授業

(1)前期(第 20 期) 平成 22 年 4 月~平成 22 年 9 月 18 週間

(2)後期 平成 22 年 10 月~平成 23 年 3 月 18 週間

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2.日本語補講授業

(1)前期 平成 22 年 4 月~平成 22 年 9 月 15 週間

(2)後期 平成 22 年 10 月~平成 23 年 3 月 15 週間

3.英語

(1)特別英語(毎月第 4 水曜日)

(2)TOEFL-iBT 受験のためのセミナー

平成 23 年 3 月 26 日(土)に予定していたが東日本大震災のため中止した。

4.新入学留学生オリエンテーション

(1)4 月期 平成 22 年 4 月 23 日(金)

(2)10 月期 平成 22 年 10 月 22 日(金)

5.留学生等に対する相談業務等

(1)留学生相談室における外国人留学生等を対象とした相談業務

(2)短期留学生へのオリエンテーション

インペリアル大学医学部からの交換留学生対象 平成 23 年 3 月 1 日

6.留学生施設見学旅行

(1)日本語研修生

前期 平成 22 年 9 月 13 日~9 月 14 日(1 泊 2 日)日光

7.留学生のための日本文化体験

留学生の日本文化体験のため、伝統的な年中行事を催した。

(1)節分 平成 23 年 2 月 4 日(木) 国際交流センター留学生ラウンジ

大山喬史学長出席のもと豆まきを実施した。

(2)餅つき 平成 23 年 2 月 15 日(火)

大山喬史学長、佐々木成理事、吉澤靖之理事、谷本雅男理事出席のもと餅つき

を実施した。

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(3)ひなまつり 平成 23 年 3 月 3 日(木) 国際交流センター留学生ラウンジ

国際交流センター留学生ラウンジでひな人形を飾り、ひなまつりについての簡

単な説明を行い、甘酒や菱餅を試食した。

8.地域貢献

(1)千葉県市川市立第一中学校:一中フェスタ参加 平成 22 年 10 月 9 日(土)

(2)千葉県市川市立真間小学校:訪問授業 平成 22 年 7 月 2 日(金)

(3)千葉県私立昭和学院小学校:訪問授業 平成 23 年 2 月 4 日(金)

9.「留学生記念証贈呈式及び懇談会」及び「外国人留学生等・教職員懇談会」

(1)平成 23 年 9 月 21 日(火)「留学生記念証贈呈式及び懇談会」を行った。

大山喬史学長出席のもと 9 月卒業の外国人留学生に留学生記念証を贈り、教職

員と懇談を行った。

(2)平成 23 年 3 月 14 日(月)に「外国人留学生等・教職員懇談会」を予定してい

たが東日本大震災のため中止した。

10.国際サマープログラム

平成 22 年 9 月 5 日~8 日の 4 日間に渡り実施した(資料 1)。

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2.3. 留学生数

学部 大学院 専攻生 日本語

研修生

(国費)

合計

費 計

費 計

費 計

費 計

平成 22 年

5 月 2 5 7 79 116 195 0 17 17 3 84 138 222

平成 22 年

10 月 2 5 7 84 106 190 6 22 28 0 92 133 225

出身国別留学生数(平成 22 年 5 月現在)

国 人数 国 人数 国 人数

中国 100 ヨルダン 4 リビア 1

タイ 21 エジプト 3 アフガニスタン 1

バングラデシュ 19 タンザニア 2 カナダ 1

モンゴル 5 パラグアイ 3 ベネズエラ 1

インド 8 フィリピン 2 ブラジル 1

韓国 4 シンガポール 1 メキシコ 1

ミャンマー 5 マレーシア 3 ホンジュラス 1

スリランカ 6 イラク 2 アゼルバイジャン 1

イラン 5 ガーナ 2 キプロス 1

ベトナム 4 ラオス 1 スロバキア 1

カンボディア 2 パキスタン 1 フィジー 1

ネパール 3 サウジアラビア 2

3. 国際交流センターの国際交流事業

3.1. 国際サマープログラム 2010(ISP2010)

3.1.1. 実施趣旨

本プログラムを通して、本学を広く世界にアピールするとともに、優秀な外国人留学

生確保に資する。

3.1.2. 実施体制

企画・国際交流戦略会議-国際サマープログラム企画WG-学術国際部・国際課

国際サマープログラム企画WG委員名簿(*プログラム小委員会委員)

烏山 一教授(企画・国際交流戦略会議)*

木村彰方教授(企画・国際交流戦略会議)

太田伸生教授(医歯学総合研究科・医学系)* 招聘講師紹介者(Dr. Kazura)

神奈木真理教授(医歯学総合研究科・医学系)

東みゆき教授(医歯学総合研究科・歯学系)* 座長

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和泉雄一教授(医歯学総合研究科・歯学系)* 招聘講師紹介者(Dr. Charoen)

鍔田武志教授(難治疾患研究所・研究部・教育部)

田賀哲也教授(難治疾患研究所・研究部・教育部)*

秋吉一成教授(生体材料工学研究所)

森尾郁子教授*、竹本佳弘特任教授、大北葉子准教授、泉谷双蔵准教授、

ケビン・クレアリー准教授、増田光司准教授(以上、国際交流センター)

会議開催状況

平成 21 年 10 月 27 日 ISP2010 準備の会

平成 21 年 12 月 22 日 第 1 回企画WG

平成 22 年 1 月 7 日 第 1 回プログラム小委員会

平成 22 年 1 月 21 日 第 2 回企画WG

平成 22 年 2 月 18 日 第 2 回プログラム小委員会

平成 22 年 2 月 24 日 第 3 回企画WG

平成 22 年 3 月 10 日 第 3 回(最終)プログラム小委員会

平成 22 年 3 月 17 日 第 4 回企画WG

平成 22 年 6 月 3 日 招聘参加者選考委員会

平成 22 年 6 月 14 日 第 5 回企画WG

平成 22 年 8 月 12 日 第 6 回企画WG

平成 22 年 9 月 28 日 第 7 回(最終)企画WG

ISP2010 開催期間

平成 22 年 9 月 5 日~8 日

3.1.3. 招聘参加者募集・選考状況

アジア諸国 16 か国(アフガニスタン、インド、インドネシア、カンボジア、台湾 ROC、

パキスタン、スリランカ、タイ、タジキスタン、中国、ネパール、バングラデシュ、

フィリピン、ベトナム、マレーシア、ミャンマー)、96 名の応募者から、本学への留

学可能性、出身国、男女のバランス等を考慮して、13 か国(インド、インドネシア、

カンボジア、パキスタン、スリランカ、タイ、中国、ネパール、バングラデシュ、フ

ィリピン、ベトナム、マレーシア、ミャンマー)、25 名を選考した。うち 1 名の辞退

者(タイ)が出たため 24 名となったが、特別枞としてガーナ・野口記念医学研究所か

らの 2 名を加えて、計 14 か国、26 名(男性 14 名、女性 12 名)を招聘した。

3.1.4. ISP2009 の反省点を踏まえた ISP2010 プログラムの特徴

1)招聘参加者に配慮した内容(難易度を考慮し、特にレクチャーコースでは、専門的

になりすぎず、テーマ「感染と免疫」の導入・概要を提示する方向性を講師間で共

有)

2)招聘参加者と講師、招聘参加者と本学教員・学生とのより密度の高い相互交流

・国際的に活躍するアジア出身の講師の招聘(招聘参加者が講師をより身近に感じ

る、ロールモデルとしての役割)

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・グループ討論(WG委員をファシリテータとし、本学留学生も加わる)

・個別研究室訪問(将来の留学先として、具体的なイメージを膨らませる。指導教

授との面談の機会提供など)

・昨年度に引き続き、本学留学生をアルバイトとして起用(双方向の情報伝達)

3)ほとんどのプログラムを M&D タワー内施設で実施

3.1.5. 次年度以降の検討事項

1)実施時期

医歯学総合研究科博士課程入学試験・第 1 次募集【平成 23 年度は 9 月 28 日(水)】

を招聘期間中に受験できる可能性について検討

※別日程で特別入試を実施するためには、問題作成、試験実施面で課題が多い。

・ 資格認定(6 月)、出願期間(8 月上~中旬)に間に合うように採用決定

・ 実施時期が遅くなることによる問題(特に招聘参加者が学生の場合、学内施設利用

で学内授業との競合等)

・ 募集要項、願書等の入試情報の英文化

2)プログラム

・ テーマ:なるべく幅広いものを設定

・ 招聘講師:本事業の趣旨を理解してくれる講師選び(本学教員のアピールを優先)

・ キャンパスツアー(施設中心)と個別研究室訪問(留学先の検討)の組合せを維持

・ 招聘参加者と本学留学生・日本人学生との交流機会の増加

・ 余裕をもった昼休み時間等の設定

3)予算面 引き続き資金の有効活用に努力 (報告者:森尾郁子)

3.2. ガーナ拠点

本学の海外拠点の一つであるガーナ拠点では、ガーナ大学野口記念医学研究所(以下

『野口研』)において『感染症研究国際ネットワーク推進プログラム』が進行している。

Page 36: 国際交流センター1.国家試験受験の上で求められる漢字知識 1.1.国家試験の概要 介護福祉士国家試験(以下国家試験とする)は年1 回実施され、EPA

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同プログラムには井戸特任教授と鈴木特任准教授が長期で派遣されているが、国際交

流センターおよび事務部国際課を中心にして両教員の派遣及び派遣中の諸手続きを円

滑に行い、ガーナ拠点における活動に関し効率良く支援を行った。また、野口研にお

いて本学は JICA と連携をして『ガーナ由来薬用植物による抗ウィルス及び抗寄生虫

活性候補物質の研究プロジェクト』を 2010 年 4 月から開始しており、吉田丘特任教授

が 2011 年 2 月にガーナ野口研に出張し JCC(Joint Coordinating Committee)に参加し

た。JCC においては、ガーナ側と本学派遣チーム側が 2010 年度に行われた活動に対

する検証と 2011 年度の実施計画立案の検討を共同で行い、吉田特任教授はその際に適

宜支援・助言を行った。

3.3. チリ拠点

チリ国訪問および東京医科歯科大学ラテンアメリカ共同研究拠点(LACRC)開所式

日 時 2010 年 8 月 4 日(水)~15 日(日)

参加者 大山学長、佐々木理事、稲澤教授、江石教授、河野教授、杉原教授、湯浅教

授、渡辺教授、植竹准教授、吉田特任教授、飯田特任講師、松平国際課掛員

行事

本学の海外拠点の一つであるチリ拠点では、CLC(Clinica Las Condes)において

LACRC (Latin American Collaborative Research Center)を設立し、2010 年 8 月に、

その開所式開催と大腸ガン関連シンポジウムへの対応を主な目的として、大山学長を

団長としたチームを派遣した。同チームには国際交流センターから吉田丘特任教授と

松平俊光掛員が参加したが、特に LACRC 開所式典の円滑な実施について現場にて貢

献することが出来たと共に、本プロジェクトへの分子生物学分野の専門家派遣につい

て情報を収集し同分野の専門家派遣のための準備を行った。また、2010 年 5 月より人

体病理学分野で伊藤助教が、2011 年 1 月より食道・一般外科学分野で西蔭講師が、本

学より LACRC に長期で派遣されているが、国際交流センターおよび事務部国際課を

中心にして両教員の派遣及び派遣中の諸手続きを円滑に行い、チリ拠点における活動

に関し東京から支援を行った。

(報告者:吉田丘)

3.4. タイ拠点

「チュラロンコーン大学-東京医科歯科大学研究教育協力センター」開所式

日 時 2010 年 11 月 23 日(火)

参加者 大山学長、須田理事、谷本理事、大野副学長、田上歯学部長、川口学長特別

補佐、江石学長特別補佐、河野教授、秋田教授、森尾センター長、竹本特任

教授、鶴田講師、小関国際課長、山本国際課掛長

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本学はタイ王国のチュラロンコーン大学との間に医歯学領域において20 年以上に及

ぶ教育・研究における協力関係がある。両校の協力関係をさらに強化することを目的

に、平成21年11月23日にチュラロンコーン大学との間でチュラロンコーン大学-東京

医科歯科大学研究教育協力センター設立の調印を行った。その後本学国際交流センタ

ーが中心となって本研究教育協力センター開所にむけた準備を進め、平成22年11月23

日にチュラロンコーン大学歯学部内に本研究教育協力センターを開設した。当日は、

チュラロンコーン大学ピローム学長、アディソーン学部長、ワチャラポーン歯学部長、

他チュラロンコーン大学の教職員の方々、本学卒業生の方々、タイ国日本大使館、タ

イ国日本人会、バンコク日本人商工会議所、日本学術振興会バンコク研究連絡センタ

ー、JICAからの来賓を迎えて、竹本佳弘特任教授の司会による本学学長主催晩餐会、

森尾郁子センター長の司会による本センター開所式を行い、国際交流センターを中心

にチュラロンコーン大学と協力しながら開所式及び関連行事を円滑に実施した。また

その際には本研究教育センターのパンフレットも用意し積極的に広報に努めた。

本研究教育協力センターに期待されている役割は主に以下の4項目である。

1.両校の共同研究のサポート

2.本学留学希望者への留学情報提供

3.タイ在住の本学同窓生へのサポート

4.タイ在住邦人への医療関連情報提供

今後は上記の活動を中心に、本研究教育協力センターを介してアジアにおける研究・

教育活動を積極的に展開してゆく予定である。具体的には、医歯学領域における共同

研究の推進と本学への留学相談等の活動に加えて、本研究教育協力センターを利用し

た医歯学関係のセミナーの実施や医療情報の機関誌発行など、タイ拠点における医歯

学領域の活動を積極的に推進していくことを予定している。

写真左:左、本学大山学長、右:チュラロンコーン大学ピローム学長

写真右:本研究教育協力センターでのビデオ会議の様子。ビデオモニターは本研究教

育協力センターと本学の各講義室・会議室を直結しており、各種の講義や会議をタイ

と日本で同時に実施することができる。

(報告者 竹本佳弘)

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3.5. コンケン大学(タイ)訪問団の本学教養部訪問応接支援

目的: コンケン大学(タイ)訪問団の本学教養部訪問に際して、教養部の応接を支援

する。

日時:平成 22 年 8 月 25 日(水)

場所:本学教養部 (国府台キャンパス)

国際交流センター参加者:泉谷双藏准教授、大北葉子准教授

活動内容:コンケン大学(タイ)訪問団の本学教養部訪問に際して、英語通訳として

支援した。また、教養部教員の英語によるプレゼンテーション制作も支援した。

(報告者 大北葉子)

3.6. 国際交流協定

目的:学内における国際交流協定関連のプロセスならびに文書管理を統一することで、

国際交流協定業務の効率化を図る。

方法:国際交流協定における課題の抽出ならびに業務フローの検討を行う。検討結果

を学内で周知することで、国際交流協定にともなうプロセスならびに文書管理の統一

化・合理化を図る。

結果:国際交流の検討委員会である国際交流推進部会(1.3.国際交流センターの運営組

織参照)の下部委員会として国際交流センターのメンバーで構成された協定書小委員

会(森尾郁子国際交流センター長、竹本佳弘特任教授、小関仁志国際課課長、オブザ

ーバーとして高橋茂樹監事)を組織し、課題の抽出ならびに業務フローの検討を行っ

た。国際交流協定は、大学同士で締結するものと大学内の特定の部局単位で締結する

ものがある。また学費徴収など費用を伴うケースと、研究・人材交流に留まり費用を

伴わないケースがある。これらのケースを分類し業務フローを試案した。小委員会で

の試案は国際交流推進部会での検討、学内上部会議体での検討・承認を得た上で、協

定プロセスならびに文書管理の統一化を図った。また協定を希望する担当者のために、

Web サイト上でこれらの協定プロセス・関連書類書式を開示し、担当者が協定プロセ

ス情報に容易にアクセスできるように配慮した。現在は、策定したプロセスを試験運

用することで、より効率的な協定プロセス、文書管理の改善をすすめている。

協定書小委員会

第 1 回 平成 22 年 5 月 13 日(木)

第 2 回 平成 22 年 6 月 24 日(木)

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第 3 回 平成 22 年 9 月 29 日(水)

国際交流推進部会

第 1 回 平成 22 年 5 月 6 日(木)

第 2 回 平成 22 年 6 月 14 日(水)

第 3 回 平成 22 年 7 月 5 日(月)

第 4 回 平成 22 年 10 月 15 日(金)

第 5 回 平成 22 年 12 月 22 日(木)

第 6 回 平成 23 年 1 月 6 日(木)

(報告者 竹本佳弘)

3.7. 世界大学ランキング

目的:大学の国際化活動の一環として本学の世界の大学における位置付けを知り、大

学の国際化に必要となる課題を検討すること。

方法:世界大学ランキング指標の中でも、代表的なものとして世界の大学でよく利用

されている Times Higher Education World University Rankings(以下 THE と略)、

QS World University Rankings(以下、QS と略)のそれぞれの調査機関に大学の基

礎的なデータを提供することで本学のランキングを知る。またこれらの調査機関の評

価情報を検討することで、今後の大学の国際化に必要となる課題を検討する。本学で

は、2010 年より世界大学ランキングに取り組むこととした。

結果:THE では、世界ランキング 217 位、国内ランキング 7 位であった。一方 QS で

は、世界ランキング 300 位、アジアランキング 68 位、研究の質を示す指標のひとつで

ある論文当たりの被引用数では、アジアで 1 位と高く評価された。

考察:ランキング指標は、規模の大きさが指標へ大きく影響するために、本学のよう

な医歯学領域に特化した大学では、正当な評価を得ることが難しいと思われる。その

ために、調査機関と連絡を取り積極的に評価手法の改善を提案している。一方、研究

関連指標で本学が高く評価されたことにより、世界の留学生に本学の強みをアピール

する上でひとつの方向性を見いだすことができた。また大学の世界的な認知度の向上

がひとつの課題であることも明確となった。今後はその他の評価項目を詳細に検討し

ながら、大学国際化活動のひとつとして継続的に取り組んで行く予定である。一方、

学内におけるランキングへの取組みの周知も重要である。学内啓蒙活動として、THE

の根拠データの作成元であるトムソン・ロイター社から担当者を招きランキング勉強

会を開催し、学内におけるランキングの啓蒙に努めた。

日時:平成 23 年 2 月 17 日(木)16:00~17:30

場所:M&Dタワー8階「共用セミナー室9」

講師:トムソン・ロイター 渡辺 麻子

テーマ:「大学ランキングを研究戦略に生かす」

参加者:理事、副学長を含む学内関連教員

(報告者 竹本佳弘)

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3.8. 英語 Web サイトを中心とした情報発信

目的:大学の国際化活動の一環として、大学関連情報を積極的に海外へ提供し、留学

生の本学へのアクセスを高めること。

方法:2010 年 4 月 1 日本学 Web サイトの刷新にともない大学情報の英語化を推進す

る。英語化推進のために、広報と国際交流センターとの合同会議体を月次で開催し、

課題の抽出と具体的な翻訳作業を含む各種の対策を講じた。

会議メンバー:高谷副学長、高久田学長特別補佐、森尾国際交流センター長、竹本特

任教授、クレアリー准教授、加藤国際課課長補佐、酒井広報担当

会議実施日:平成 22 年 4 月 13 日、6 月 4 日、7 月 5 日、8 月 2 日、8 月 30 日、9 月

27 日、11 月 1 日、平成 23 年 2 月 14 日、3 月 14 日

実施内容:英語 Web サイト(課題の抽出・記載項目内容の検討・日本語 Web の英語

翻訳・英語 Web バナー作成による情報へのアクセス改善)、大学概要の英語化サポー

ト、大学機関誌(Bloom)の英語化サポート、海外拠点(タイ、ガーナ、チリ)活動内容

の英語による紹介など。なお英語翻訳に当たっては、国際交流センター教員による一

次翻訳の後に、エディターとして豊富な経験を有するクレアリー准教授のネイティブ

チェックを入れることで、翻訳に一貫性を持たせるように配慮した。このように大学

の情報を英語化し積極的に情報公開することで、海外から大学への情報アクセスが容

易になるように改善した。

(報告者 竹本佳弘)

4. 国際交流センターの教育と研究

4.1. 教育

4.1.1 日本語予備教育(研修)

国費の研究留学生(大使館推薦)で文部科学省から本学を予備教育機関として指定さ

れた者(研修生)に対して大学院での勉学と日本での社会生活を送る上で必要な基礎

的日本語能力とともに日本文化、地理、防災などの教育を行っている。さらに研究活

動を行っていく上で必要となる基礎的医歯学用語や、臨床現場で必要な簡単な医療会

話の能力の習得も目指している。平成 22 年度前期は日本語研修生 3 名、平成 22 年度

後期は国費留学生 7 人を受け入れた。

4.1.1.1. 学生

1. 前期(第 20 期)歯学部 3 人(タイ 2 人、ヨルダン 1 人)

2. 後期 医学部 1 人(ガーナ)歯学部 6 人(タイ 2 人、バングラデシュ 2 人、イン

ド 1 人、ヨルダン 1 人)

4.1.1.2. 使用教科書

初級日本語 げんき I,II (The Japan Times)

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4.1.1.3. 時間割と担当教員

研修時間割

月 火 水 木 金

9:00 文法 1

大北葉子

会話

三輪充子

読解漢字 2

増田光司

ドリル 2

大北葉子

読解漢字 2

大北葉子

10:40 ドリル 1

中川健司

読解漢字 1

三輪充子

文法 1

増田光司

会話

泉谷双藏

テスト

大北葉子

13:10 聴解

中川健司

演習

泉谷双藏

ドリル 1

三輪充子

読解漢字 1

鶴見千津子

14:50 ドリル 2

中川健司

聴解

三輪充子

演習

鶴見千津子

4.1.1.4. 課外授業

課外活動として、国立科学博物館と日光を見学し、また年初には書き初めを実施する

など、留学生が日本文化と触れ合う機会を創出した。

国立科学博物館見学

平成 22 年 5 月 14 日

日光施設見学旅行 書き初め

平成 22 年 9 月 17 日 平成 23 年 1 月 7 日

4.1.2. 補講コース

本学の留学生が、医科歯科系学生にとって必要な日本語を継続的に学習し、教育、研

究、あるいは臨床活動に積極的に参加できるようになることを目的として、午後 4 時

半から午後 6 時までと午後 6 時 10 分から午後 7 時 40 分までの夕方の時間帯に日本語

補講を開講している。

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4.1.2.1. 補講コース一覧

総合日本語 会話 目的別 医療 英語

初級 1 B1 研修

初級 2 B2

初級復習 BR

初中級 総合初中級 会話初中級 漢字 英語

中級 総合中級 会話中級 能力試験 医療システム

医療用語 1

上級 総合上級 医療用語 2

4.1.2.2. 補講コース時間割

時間割と担当教員

平成 22 年度前期

月 火 水 木

Room 201 202 MM 201 202 201 201 202 MM DR

16:30 B1

平形

初中

会話

鶴見

B1

増田

英語

泉谷

初級

復習

有馬

B1

有馬

総合

中級

鶴見

能力

試験

対策

平形

英語

クレアリー

18:10 B2

平形

総合

初中

鶴見

医療

用語

大北

B2

増田

漢字

泉谷

中級

会話

有馬

B2

有馬

総合

上級

平形

平成 22 年度後期

月 火 水 木

Room 201 202 MM 201 202 201 201 202 MM DR

16:30 B1

平形

初中

会話

鶴見

B1

増田

英語

泉谷

初級

復習

有馬

B1

有馬

漢字 2

鶴見

能力

試験

対策

平形

英語

クレアリー

18:10 B2

平形

総合

初中

鶴見

医療

用語

B2

増田

漢字 1

泉谷

中級

会話

有馬

B2

有馬

総合

上級

平形

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4.1.2.3. 補講コース及び登録者数

コース名 略名 前期 後期 コース名 略名 前期 後期

初級 1 B1 15 14 会話初中級 ILS 21 7

初級 2 B2 9 6 能力試験受験対策 JLPT 11 7

初級復習 BR 6 2 初級漢字 1 漢字 1 9 8

総合初中級 IML 14 5 初級漢字 2 漢字 2 6

総合中級 M 6 医学用語 MT 5 3

総合上級 AD 7 10 初級英語 ENG 13 5

* 以上の国際交流センターでの教育のほかに、センター所属教員が、教養部(学部 1、

2 年生)において日本語・日本事情教育、セミナー教育 (いずれも単位取得科目となっ

ている)を実施している。

4.1.2.4. 特別英語コース

(1)特別英語コース 毎月最終水曜日の午後 4 時 30 分から午後 7 時 40 分まで

本学大学院の留学生及び日本人学生を対象に英語による学会発表と論文執筆の支援と

して毎月第 4 水曜日に特別英語クラスを開講している。大北葉子准教授とケビン・ク

レアリー准教授が担当している。「英語による学会発表準備コース」では 1 人 10 分プ

レゼンテーションを行い、文法、語彙、発音、などのフィードバックを与えている。

「英語で論文を書くための初級コース」では英語でのパラグラフの構造やパラフレー

ズの仕方を講義したのち、各学生が選んだ論文を 1 文で要約させ、英語をクレアリー

准教授が添削している。

偶数月 「英語による学会発表準備コース」

奇数月 「英語で論文を書くための初級コース」

受講者数

平成 22 年 平成 23 年

合計

4 月 5 月 6 月 7 月 1 月 2 月

発表 論文 発表 論文 論文 発表

6 5 4 10 11 2 38

(報告者 大北葉子)

(2)英語プレゼンテーションコースデザインのためのクラス

効果的なプレゼンテーション教育手法を検討する目的で、本学大学院の留学生及び日

本人学生を対象に英語による学会発表の方法を学ぶ初級クラスを試験的に開講した。

竹本佳弘特任教授とケビン・クレアリー准教授が担当している。

平成23年2月7日(月)5名、その後、実験的な講義を実施した。

(報告者 竹本佳弘)

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(3)TOEFL-iBTセミナー

平成23年3月26日(土)予定していたが東日本大震災のため中止した。

(報告者 大北葉子)

4.1.3. 大学院専門科目における国際化教育

専門科目として「オミックス創薬(2 単位)」(担当:竹本佳弘特任教授)、英語コミュニ

ケーション科目として「英語ディベート演習(2 単位)」・「国際データプレゼンテーシ

ョン演習(2 単位)」(担当:竹本佳弘特任教授、ケビン・クレアリー准教授)の 3 科

目の講義を、本学大学院・生命情報科学教育部の大学院生を対象に実施している。「オ

ミックス創薬」では、分子からマーケットまで創薬・育薬を中心にオミックスを用い

た個の医療の世界的な潮流を伝える。また「英語ディベート演習」「国際データプレゼ

ンテーション演習」では、英語によるコミュニケーション能力の向上、ならびに自己

のプレゼンスを高めるための手法を講義と演習を交えて実践する。「オミックス創薬」

は東京工業大学との連携講義に、また「英語ディベート演習」「国際データプレゼンテ

ーション演習」は、学際コンソーシアム(本学、お茶の水女子大学、北里大学、学習

院大学からなるコンソーシアム)の連携講義となっており、本学の大学院生・留学生

のほか、他学の学生が一緒に学ぶことができるユニークなコースである。これらの講

義・演習を通して個の医療に向けた世界的な動向を理解し国際社会において活躍でき

るようなコミュニケーション能力の高い人材育成を目指して、大学院における教育活

動をサポートしている。

(報告者 竹本佳弘)

4.1.4. 英語講義手法、質の改善への取組み

目的:教員を対象に英語による講義方法の改善を図る。

方法:学際生命科学東京コンソーシアム(本学、お茶の水女子大学、北里大学、学習

院大学の 4 大学からなるコンソーシアム)の4大学合同 ファカルティ・デベロップメ

ント(以下 FD と略)セミナーの講師として、コンソーシアムの教員を対象として英語講

義の構成および導入の方法など英語講義の方法論を講義することで、英語による講義

の品質を改善する。

講師:ケビン・クレアリー准教授

実施日時:平成 23 年 1 月 13 日(木)17:00-18:30、3 月 7 日(月)17:00-18:30

場所:1 月 13 日(東京医科歯科大学 M&D タワー21F 大学院講義室)、3 月 7 日(お

茶の水女子大学本館 2 階第 6 講義室(209 室))

講義の評価:参加した教員より、英語講義の実施方法・講義の際のコツなど実践的で

有用な講義であったとの評価に加えて、通常の講義を実施する上でも役立つレクチャ

ーであったとの感想が寄せられた。今回の FD 活動が英語による教育方法に加えて講

義全般の質を改善する上で有用であったことが示された。

(報告者 ケビン・クレアリー)

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4.2. 相談業務

本学の相談業務は国際交流センター1 階、平成 22 年 12 月からは 1 号館西 4 階の相談

室で日本語教員(1 名)が相談業務を兼任している。相談日時は毎週の月曜日と木曜日

(午後 1 時 30 分から 4 時 30 分まで)に加え、金曜日は終日、電話やメールでの事前

の予約での相談を受け付けている。

平成 22 年度の相談件数は 47 件で、国費留学生からの相談が 7 件、私費留学生の相談

が 24 件、不明等 16 件で、私費留学生が占める割合が 51%になっている(表 1 参照)。

私費留学生の相談内容のほとんどが奨学金関係の相談であった。男女別では、女性の

相談が 45%で、男性の相談が 51%、不明 4%(海外からのメールや電話での相談)で、

男女がほぼ同じぐらいの割合で相談に来ている(表 2 参照)。相談方法別では、個別の

面談形式は 34%で、Eメールによる相談が約半数近く(47%)を占めた。電話による

相談は 19%であった(表 3 参照)。また、相談を学年別に見ると、博士課程の学生か

らの相談が 47 件中 25 件で全体の半数(53%)になった(表 4 参照)。

表 1:国費・私費別 表 2:男女別

国費 7 15% 女性 21 45%

私費 24 51% 男性 24 51%

不明 4 8% 不明 2 4%

その他 12 26% 合計 47 100%

合計 47 100%

表 3:相談方法別 表 4:学年別

個別面談 16 34% 専攻生 2 4%

E メール 22 47% 博士課程(1 年) 4 9%

電話 9 19% 博士課程(2 年) 11 23%

合計 47 100% 博士課程(3 年) 10 21%

修士課程(2 年) 4 9%

その他 3 6%

不明 5 11%

N/A 8 17%

合計 47 100%

表 5:相談内容

相談の種類 内容 件数

修学関係 入学問い合わせ 8 47%

教育・指導について 4

博士号取得・博士論文等について 1

日本語について 9

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奨学金関係 奨学金情報提供 2 45%

申請書の書き方指導 1

面接の練習等 17

経済問題 1

宿舎関係 大学宿舎入居について 2 4%

健康関係 医療費支払い 1 2%

その他 迷惑メール問題 1 2%

合計 47 100%

相談内容としては、修学関係と奨学金関係が全体の 9 割弱(92%)を占めた(表 5 参

照)。

尚、留学生からの相談に関して、ここには相談室に来た相談のみを記しているが、相

談室以外にも留学生が個別に他のセンター教員や留学生掛の事務職員のところで相談

するケースもある。特に、奨学金に関しては事務職員のところに同じ留学生が複数回

相談や情報収集のために留学生掛に問い合わせをしており、実際の(延べ)相談件数

は上に記したも数より、多いものとなっている。

(報告者 泉谷双蔵)

4.3. 留学生とチューターの合同研修会

留学生とチューターとの合同研修会を昨年度に続き、今年度も 3 月 25 日に開催の予定

としていた。この研修会では、来年度の 4 月から新しくチューターとなる学生にチュ

ーターの意義と仕事内容等を説明し、今年度のチューターと留学生からは 1 年間の体

験談を報告してもらう予定であったが、3 月 11 日の東日本大震災のため開催が困難と

なったため延期とし、来年度の 4 月 14 日に開催予定にしている。

(報告者 泉谷双藏)

4.4. 地域貢献

4.4.1. 留学生の市川市における交流活動

本学は千葉県市川市に国府台キャンパス(教養部と国際交流会館・国際学生宿舎)が

あり、地域貢献の一つとして市川市にある小中学校で留学生が母国について紹介する

という活動を行っている。

(1)一中フェスタ参加

活動名:市川市立第一中学校:一中フェスタに参加

目的:市川市立第一中学校:一中フェスタの市民講師として留学生が中学生に自国に

ついて講義する。

日時:平成 22 年 10 月 9 日(土)

場所:市川市立第一中学校

参加者:大学院生 3 名(タイ、パキスタン、バングラデシュ:各 1 名) 専攻生 3 名

(タイ:2 名、ヨルダン:1 名)

引率:大北葉子准教授、泉谷双藏准教授

活動内容: 本学の留学生 6 人(タイ、ヨルダン、パキスタン、バングラデシュ)が講

師として参加し、自国の文化等の紹介を、パワー・ポイント等を使って行なった。こ

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の「一中フェスタ」は、市川市立第一中学校の学生の父母や近隣の住民が自分の話し

たいこと・伝えたいことや趣味や特技(生け花や楽器演奏等)について講座を開講し、

講師として中学生達に伝える催し(教室の講義形式)で、講師は 1 つの講座で約 60 分

間講演する。各講師が指定された学年のクラスに行き講演を行なう。中学生が、講演

の聴講や講演後の質疑応答を通して相互理解を深め、見聞を広めることをこの活動の

目的としている。本学の留学生 6 人は 3 つのグループに分かれ、各グループで 2 人の

留学生が自国の文化や習慣等をパワー・ポイントや写真等を使って紹介した。尚、こ

の「一中フェスタ」は教養部(水野哲也教授)との合同で地域交流活動として行なっ

ており、水野教授には市川第一中学校との連絡や講座の振り分け等で協力をいただい

た。国際交流センターからは大北葉子准教授と泉谷双藏准教授が留学生 6 人を引率し

た。

(報告者 大北葉子)

(2)留学生による市川市内の小学校訪問授業

ほぼ恒例化していた市川市立真間小学校の訪問が、前年度 (平成 21 年度)は先方の都合

により行われなかったが、今年度前期に復活した。また、新たに、市川市の私立昭和

学院小学校からも訪問授業の希望があり、後期にこれを行った。

市川市は、本学国府台キャンパスがあり、教養部で学ぶ 1 年次および 2 年次の学生が

通学する地であると同時に、キャンパス内に国際交流会館、国際女子学生寮、里見寮

を持つだけでなく、また、尐なからぬ留学生が市川市に住んでいる。これらの点から、

何らかの市川市への地域貢献を行いたいと考えており、今年度は二つの小学校で訪問

授業を行った。以下はその活動の概要である。

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① 市川市立真間小学校訪問授業

目的:本学の教養部キャンパス・国際学生宿舎・国際交流会館がある市川市の真間小学

校において、留学生が講師として自国について紹介し、地域貢献活動をすること。活

動を通して、日本の小学生の学校生活を知り、小学生と親睦を図り、日本についての

理解・親しみを深めること。また、小学生が留学生・外国人と交流の体験を持つこと。

日時:平成 22 年 7 月 2 日(金)11:00 ~ 14:30

場所:市川市立真間小学校

参加者:本センター所属留学生(第 20 期研修生)3 名

引率:増田光司准教授

活動:真間小学校 6 年生 3 クラスにて、午前・午後の 2 時限において、留学生が講義

を行うなどの活動。

11:10-11:25 真間小学校長に挨拶の後、体育館で小学生に対面。

11:25-12:10 留学生による自国の地理・文化・言語などのプレゼンテーシ

ョン。

12:10-13:15 留学生は 6 年生の 3 クラスに分かれ、小学生と共に給

食をとった後、小学生と教室内でゲーム。

13:40-14:15 留学生は各クラスで小学生と QA の後、校庭で自国の

遊びを紹介し、小学生と遊ぶ。

14:30 体育館にて小学生から歌を贈られた後、解散。

② 昭和学院小学校訪問授業

目的:①に同じ。

日時:平成 23 年 2 月 4 日(金)11:00 ~ 14:30

場所:市川市内 昭和学院小学校

参加者:本学留学生 3 名

引率:増田光司准教授

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活動:①と原則的に同じ。給食はなかったが、留学生各自が弁当を準備し小学生と昼

食を共にした。

(報告者 増田光司)

4.4.2. 留学生の文京区における交流活動

メインキャンパスを文京区に持つ本学留学生は、文京区役所主催の「外国人の神輿か

つぎ体験」および「国際交流フェスタ」に参加し、文京区民との交流を深めた。

(1)外国人の神輿かつぎ体験

文京区からの呼び掛けに応じ、平成 22 年 5 月

21 日、22 日の両日、本学の留学生のそれぞれ

男女各 1 名が湯島天神祭に参加し、地域の町内

会の方々と共に神輿をかつぎ、飲食を共にし、

交流を深めた。(引率:増田光司准教授)

(2)国際交流フェスタ参加

平成 23 年 2 月、文京区役所で行われた文京区国際交流フェスタに初めて参加した。国

際交流フェスタは文京区による催しで、外国人と日本人の文化を通じた交流を目的と

している。同フェスタの講演会「国際交流活動の紹介」に参加し、本学海外拠点事業 (ガ

ーナ、チリ、タイにおける 3 拠点)と留学生(ガーナ、タイ、インドネシア、ベトナム)

の自国についての紹介を行った。また、同会場に区民を招き入れて歓談をする交流も

行った。本学は学際生命科学東京コンソーシアム(お茶の水女子大学、学習院大学、北

里大学および本学による相互補完連携組織)の一員として同フェスタに参加したが、参

加の留学生数・教員数・交流活動などで中心的な役割を担った。

日時:平成 23 年 2 月 19 日(土)10:30 ~ 16:00

場所:文京シビックセンター(文京区役所)

参加者:本学留学生 8 名(ガーナ、タイ、インドネシア、ベトナム、パキスタン )

引率:森尾郁子国際交流センター長、大北葉子准教授、増田光司准教授

活動:①講演会「国際交流活動の紹介」、②留学生と市民との交流会

(報告者 増田光司)

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4.4.3. 留学生フォーラム 2010「Steal the BOSAI!-Nippon の BOSAI を学べ!」へ

の参加

本フォーラムは、社団法人中越防災安全推進機構が企画・主催をしたもので、2006

年 10 月に起きた中越地震で大きな災害を受けた新潟県長岡市で開催された(同フォー

ラムの行われた日時と場所については、資料2別添のチラシ参照。)。

水害や地震で被害を受けたパキスタンからの留学生と、地震や火山活動等で被害を

受けたインドネシアからの留学生に対して参加の打診があり、国際交流センターとし

ては東京、千葉(市川市)以外の地域住民との交流の良い機会であること、またこの

交流を通して長岡市を中心とした市民に、日本と同様に地震の経験を有するパキスタ

ンやインドネシアを紹介する良い機会になることから参加を決め、本学国際交流セン

ターの吉田丘特任教授の引率により同上フォーラムに参加した。

Ⅰ.フォーラムの内容

パネルディスカッションの内容

パネリストは東京医科歯科大学からの出張者 3 名と反町真理子氏(フィリピン環境

NGO コーディエラ・グリーン・ネットワーク代表)の計 4 名。

本フォーラムには、東京医科歯科大学の他に、長岡在住の一般市民、長岡技術科学大

学、長岡造形大学、長岡大学の教員と留学生を含めた学生の計 100 名が参加。

パネルディスカッションの論点

(1)留学生から見た日本の魅力

留学生という海外の視点から日本の魅力(伝統・文化・防災システム等)を明

らかにし、日本人にとっての『当たり前なこと』を魅力のある財産として再認

識する。

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(2)日本人が意識していない日本の魅力・財産の海外への伝達

伝える担い手として、留学生は重要な役割を担うことが出来る。

特に防災分野での重要な拠点として、帰国した留学生が担うことが出来るネッ

トワークは充分に意味がある。

(3)留学生に期待される役割

留学生が日本を理解するためには、日本人特に地域の人々が果たす役割は大き

い。留学生の活動範囲は大学と住居の間を往復に留まり、日本の地域の人々と

の接する機会はほとんどなかった。このような状況では地域の国際化も進展し

ない。留学生には、地域の人々と交流することで、地域の国際化に重要な役割

を担うことが期待される。

・今回参加した本学の留学生である Dr. Ali と Dr. Melissa より、東京医科歯科大学の

留学生としての経験及び視点から、日本の魅力や海外において活かせる日本の文化

やシステムに関する発表があった。

Dr. Ali からは、心臓内科医としての専門分野の観点から日本食の有用性の指摘があ

った。特に、防災時における日本食は有用で、調理に時間がかからない(燃料費を

抑えることが出来る。パキスタン・インドでは、カレーを食するがその調理には数

時間の時間を要する。10 数分で出来る日本の食事は災害時には大変に有用であると

の指摘もあり。)、また低カロリーのものでもバランスよく栄養が取れる等の指摘が

あった。一方、インフルエンザ流行時に、日本人が手洗いやうがいを着実に行い、

マスク装着等についても徹底することでインフルエンザ流行を最小限に留めている

点の指摘があった。このような日本人の持つ文化・伝統・習慣は大変に素晴らしく、

帰国してからパキスタンの病院等で取り入れていきたい旨の発言があった。

・Dr. Melissa からは、一般的なインドネシアの事情と災害についての説明があったが、

特に昨今の火山噴火による被害の現状については、写真を有効に使いながら本フォ

ーラムに参加をした長岡市の聴衆に訴えた。インドネシアにおける火山被害の現状

については日本のメディアではそれほど伝えられていないため、極めて印象的であ

った。

・吉田特任教授からは、上記の論点を踏まえ、留学生の持つポテンシャルは日本の地

域社会の国際化にとって極めて重要である旨の指摘をおこなった。これまで、多くの

先進国においては、留学生は相互理解・友好促進、人材確保、人材養成という用語の

中で捉えられていた。しかしながら、留学生の存在と能力を日本の地域と更に上手に

繋げて行くことが出来れば、日本の地域の人々は留学生を通じて留学生の出身国また

当該国の生の情報を得られる他、それによって日本の地域の国際化の深化に繋がる。

また留学生側から見れば単に日本の地域を理解するということに加えて一般的な日本

人や日本のあるがままの姿を見聞することが出来るので、真の意味での日本を理解す

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る外国人を増やすことが出来るということを指摘した。

・Mr. Sherzod は一橋大学大学院に留学中の留学生であるが、留学生は自分たちの国

と日本の懸け橋になることが出来る極めて重要な存在であるとの指摘があった。また

留学生がこのような懸け橋になるためには、日本人と交流するために留学生に一定レ

ベル以上の日本語能力の必要性の指摘があったことも印象深いものであった。

本フォーラムの参加をした人々からは以下の意見や感想があった。

・長岡市を含めた新潟県中越地域は 6 年前に大きな地震があって、国内外から色々な

ボランティアや支援を受けた。災害の時に一番被害を受けるのは、子供であり、老人

であり、妊産婦であり、病気の人であり、在住外国人と言ったまさに弱い立場に置か

れた人々だと言える。地域の国際化ということを考えるのであれば、まず自分たちの

身近にいる弱者をどのように考えていくのかが重要である。

・留学生は、日本社会にいる外国と繋がっている身近な人々であり、日本を好きにな

ろうとしてくれている外国人であるということは言うまでもない。従って、もう尐し

日常的に無理のない範囲で交流できる場があっても良いのではないかと思う。長岡に

は中国やフィリピンやブラジル等々の国々からの在住外国人が居るが、普段からあま

り交流がないので『国際協力』だとか『国際交流』だとか言ってもピンと来ない人た

ちの方が圧倒的に多い。

・Dr. Ali と Dr. Melissa のようなアジアからの留学生の話を聞くことが出来てとても

良かった。長岡にいたらとてもパキスタンやインドネシアのことは分かり様もないし、

Dr. Ali が説明をしてくれた『ハラル』のことも以前は良く分からなかった。Dr. Ali の

話を聞くことが出来て、パキスタンのことが身近に感じた。典型的な日本食が『ハラ

ル』だということもとても勉強になった。

・自分も大学生で留学生の人々とサークル等で知り合いになり交流を続けてきたが、

コミュニケーションを取れる英語能力も重要だけれども、あまりにも自分たちが日本

のことを知らないことに愕然としたことがある。そのためにも、日本のことを正確に

学び、地に足がついた活動を心掛けていきたい。

Ⅱ.フォーラムのまとめ

パネルディスカッションの論点を中心に留学生(東京医科歯科大学と一橋大学)、NGO

から問題提起がなされ、それに基づいて、一般参加者からも長岡在住の留学生や日本

の学生、長岡の一般市民の皆様からも様々な意見や感想が述べられた。このように留

学生と共に防災という分野を切り口にして、今後の日本の地域社会の人々と留学生の

交流を積極的に考えていくことは重要であることを認識した。そのためには、地方自

治体、大学、NGO が連携して留学生との地域交流の場を積極的に提供してゆくことで

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地域における国際交流活動を浸透させてゆく必要性を確認することが出来た。

なお、本学から参加をした両名の留学生にとっても、今回のような形で日本の地域に

接し、人々と意見交換・交流をする機会が持てたことは貴重な経験になったものと思

われる。今後もこのような機会を積極的に提供していくことで、大学の国際化活動を

推進していきたい。

(報告者 吉田丘)

4.4.4. 留学生の R&D Internship

本学国際交流センターでは、専門講義を通して留学生が日本の研究・開発の場を学べ

る機会(R&D Internship)を設けている。大学院・生命情報科学教育部で実施してい

る講義のひとつ Omics-based Drug Discovery and Development (担当:竹本佳弘特

任教授)は、創薬科学・産業を総合的に学ぶ専門科目である。この講義では留学生に

一通り講義を実施した後に、日本の大手製薬企業の研究所と外資開発型企業を実際に

訪問する機会を作り、訪問先の会社の研究者や開発担当者から企業における研究・開

発の現状を直接学ぶものである。講義だけでは具体的に創薬をイメージすることは難

しいが、このようなインターンシップを講義の中に部分的に取り入れる形態を取るこ

とで、創薬科学の全体像を学ぶに止まらず、将来の創薬産業におけるキャリアパスも

具体的にイメージできるように講義をデザインしている。

多くの留学生は、初めて見る日本の企業の研究所の施設の美しさと研究レベルの高さ

に驚く。また開発の担当者との対話により、個の医療に向けた取組みと現状、日本の

医薬産業がすでに国際化しており世界的な視点を持った開発戦略を実践されているこ

となど座学では学べない現実社会における取組みを学ぶ。留学生の中には、将来日本

の企業への就職を検討している学生もいるために、質疑応答の際に熱心に質問する学

生も多い。この講義では日本人大学院生の参加も認めているため、留学生と日本人大

学院生が一緒に学べる機会でもある。留学生と日本人大学院生を合わせると、毎年

30-40 名近くの学生(うち留学生は 5 名程度)がそれぞれの企業見学に参加している。

留学生と大学院生は、見学後に一緒に懇親の場を設ける等、この講義を通して積極的

に交流に取り組んでいるようである。

製薬企業の研究所内を見学する機会は、個人ではなかなか作ることが難しい。留学生

の日本企業へのキャリアパスへの要望、日本人大学院生の国際化的なキャリアパスの

必要性、日本の企業の国際化などの社会的な背景を考慮すると、このような学問と社

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会を結ぶスタイルの講義はますます重要になってくるものと思われる。今後もこのよ

うな機会を積極的に設けることで、留学生と日本人大学院生がお互いに刺激し合いな

がら日本の実社会・国際化社会におけるキャリアパスを学べるコースを継続していき

たいとものと考えている。

その他、留学生を含む大学院生へのキャリア支援として、以下の活動を実施した。

(1).本学女性研究者支援室キャリアセミナー講師

内容:第 1 回「Ph.D.キャリアの活かし方」

日時:2010 年 9 月 17 日(金)18:00-19:30

主催:大学院生、女性研究者支援室

講師:竹本佳弘特任教授

参加者:大学院生、本学教員

参考文献:文部科学省・女性研究者支援モデル育成事業・女性研究者支援室「大学院

生による大学院生のためのキャリアガイドブック」

(2).大学院生・留学生のためのキャリアフェア

内容:企業で活躍する人材によるキャリアセミナー

日時:2010 年 9 月 29 日(水)13:00-17:00

企画・司会:竹本佳弘特任教授

主催:スチューデントセンター、学生支援課

参加企業:グラクソスミスクライン社、富士フィルム、三菱総合研究所

参加者:大学院生・留学生

(報告者 竹本佳弘)

4.5. 教員紹介 教育と研究

特任教員

●竹本佳弘(特任教授 理学博士)

1.専門分野

分子生物学、創薬・育薬科学、産学官連携、社会コミュニケーション

2.国際交流センター業務

・大学国際ブランディング(世界大学ランキング、英語 Web サイト、SNS を利用

した情報発信)、国際交流協定、海外拠点構築、スマートデバイス教育教材開発

3.授業担当

(1)国際交流センター講義:英語プレゼンテーション

(2)大学院国際関連科目

オミックス創薬特論(2 単位)

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Omics-based Drug Discovery and Development (2 単位)

英語ディベート演習(2 単位)

国際データプレゼンテーション演習(2 単位)

4.学生指導

・R&D インターンシップ企画・引率:留学生・大学院生約 30-40 名で 3 企業訪問

(大学院講義と連動させて実施)

・キャリアフェア企画・実施:留学生・大学院生約 40 名

(スチューデントセンター・学生支援課との共同プロジェクト)

・大学院生向け就職相談・エントリーシートなど随時アドバス

5.学内運営

・企画・国際交流戦略会議

・国際交流センター連絡会議

・国際交流推進部会

・協定書小委員会

・国際サマースクール ISP2011 ワーキンググループ

(Prof. Ian Wilmut 招聘(University of Edinburgh))

・広報・国際交流センター英語 Web 委員会

・医学部附属病院治験等審査委員会(勤務時間外活動 2009 年より担当)

6.研究

・創薬・育薬科学「個の医療」への応用、産学官連携、社会コミュニケーション論

(国際交流、大学ブランディング、プレゼンテーション教育手法、プロジェクト

マネジメント手法、スマートデバイス教育教材開発)

7.学外運営(勤務時間外活動)

文部科学省・都市エリア産学官連携促進事業審査委員 2010 年

文部科学省・知的クラスタープログラム審査委員 2010 年

文部科学省・地域イノベーションクラスタープログラム審査委員 2010 年

北海道知的クラスター ’Bio-S’ 研究評価委員(文部科学省プロジェクト) 2010 年

オミックス医療研究会・理事

8.学外教育(勤務時間外活動)

筑波大学大学院フロンティア医科学専攻・非常勤講師 2010 年

Lecture on Critical Path Research Management(英語講義)

(橋渡し研究マネージメント)

9.著作・報告書等

・チュラロンコーン大学-東京医科歯科大学研究教育協力センターパンフレット

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発行

・文部科学省・国際産学リンケージプログラム報告書(編集者)

・文部科学省・女性研究者支援モデル育成事業

「大学院生による大学院生のためのキャリアガイドブック」2 章

10.講演会等

・学内講演会「Ph.D.キャリアの活かし方」2010 年 9 月

●吉田丘(特任教授)

専門分野:海外技術協力プロジェクト運営、留学生の地域交流

専任教員

●増田光司(准教授)

専門分野:日本語、日本語教育、日本語教育史

国際交流センター業務:日本語教育。日本語・日本事情教育および異文化間交流教

育(於:教養部)

研究:①『留学生のための二漢字語に基づく基礎医学術語学習辞典』(増田他、

2006 年)における 2 字からなる漢字熟語の分析 ②松本亀次郎の日本語教育

●泉谷双藏(准教授)

専門分野:日本語・英語の構文論(統語論)と音韻論

国際交流センター業務:日本語教育、相談業務

研究:日本語、英語及び言語一般に関する統語論と音韻論

●大北葉子(准教授)

専門分野:日本語教育、認知神経科学、e ラーニング

国際交流センター業務:日本語教育(ランゲージコーディネータ)、日本語 I と II

(於:教養部)、Web マスター

研究:漢字認知過程の研究と漢字練習 Web サイトの開発(2010 年度科学研究費補

助金

●Cleary Kevin (Associate Professor)

1.専門分野 / Specialty

Literature in an English as a Foreign Language context; adaptation of texts;

material writing; editing; law; accounting

2.国際交流センター業務 / International Exchange Activities

• English version websites for TMDU and IEC

• Support data collection and presentation for university ranking purposes

• Revision (content and language) of documents for international exchange

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purposes, such as agreements, communications, pamphlets, posters, speeches

et alia.

3.授業担当 / Lecture

(1)国際交流センター講義 / International Exchange Center:

• Intermediate English

• Special English Class (Writing / Presentations in alternate months)

(2)大学院国際関連科目 / Graduate school

• English Debate (英語ディベート演習)(2 credits)

• International Data Presentations (国際データプレゼンテーション演習)(2

credits)

(3) その他 / Other

• Writing in English, Faculty of Dentistry

• English on demand class at the Medical Research Institute

4.学生指導 / Student advising

• Informal advice on career issues

5.学内運営 / University operation

• International Exchange Center management meeting(国際交流センター連絡

会議)

• College of Liberal Arts Faculty Meeting(教養部教授会)

• Doctor's course Faculty of Medicine Medical Curriculum Committee

• Public Relations / IEC English version website Working Group(広報・国際交

流センター英語 Web 委員会)

• International Summer Program 2011 Working Group(国際サマースクール

ISP2011 ワーキンググループ)

6.研究 / Research

• Adaptation of scientific texts for general audience

• Adaptation of texts for cinematic purposes

7.学外運営(勤務時間外活動) / Outside Activities

• President, Japan Association for Language Teaching (from 11/2010)

• Secretary, IEEE Professional Communication Society, Japan (from 1/2010)

8.学外教育(勤務時間外活動) / Outside Teaching

• "English through Cinema" at Sophia University Community College

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• English III, IV; Financial Accounting / Financial Regulation at Meiji

University Graduate School of Accountancy

9.著作・報告書等 / Papers, books etc.

Textbooks:

• Science Flash (Kinseido, January, 2011)

• Science Reader II (Macmillan LanguageHouse, January, 2011)

10.講演会等 / Symposiums, lectures etc.

• "Cooperation between JALT and CamTESOL" Presentation at the

CamTESOL conference in Phnom Penh, Cambodia (26 February, 2011)

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資料編

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資料 1 国際サマープログラム 2010

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Day / Time Event Venue

Sunday, 5 September: Registration and Welcome Reception

17:00–17:30 Registration M&D Tower 2F

Auditorium 1

17:30–18:00 Orientation

MC: Kevin Cleary (TMDU)

Welcome Address: Sei Sasaki (Trustee / Planning and International Exchange, TMDU)

Introduction to the ISP2010: Miyuki Azuma (ISP2010 Chairperson, TMDU)

Program Schedule: Ikuko Morio (Director / International Exchange Center, TMDU)

18:00–20:00 Welcome Reception "Grill Saints"

MC: Kevin Cleary (TMDU)

Monday, 6 September: Lecture Course, Day 1

9:20–9:30 Opening Remarks M&D Tower 2F

Junji Tagami (Dean / Faculty of Dentistry, TMDU) Auditorium 1

9:30–12:00 Lecture Course 1

Chair: Nobuo Ohta (TMDU) / Miyuki Azuma (TMDU)

Hajime Karasuyama (TMDU)

Title: Immunology: Past, present and future

James W. Kazura (Case Western Reserve University, USA)

Title: Emerging and re-emerging infectious diseases in developing countries:

Current situation and the future prospect

   Cof fee Break, 15 min

Nobuo Ohta (TMDU)

Title: Neglected tropical diseases: New challenges for the research promotion

12:00–13:00 Lunch Break

13:00–14:30 Group Discussions M&D Tower

Group Room No. Facilitators Seminar Rooms

A # 4 (22F) Hajime Karasuyama, Yuichi Izumi (TMDU)

B # 7 (14F) Nobuo Ohta, Tetsuya Taga (TMDU)

C #11 (6F) Miyuki Azuma, Akinori Kimura (TMDU)

D # 9 (8F) Takeshi Tsubata, Mari Kannagi (TMDU)

ISP2010 SCHEDULE

9:30–10:15

10:15–11:00

11:15–12:00

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60

Day / Time Event Venue

15:00–15:20 Introduction to the University M&D Tower 2F

Auditorium 1

15:20–16:55 Campus Tour

17:00–19:00 Poster Session M&D Tower 2F

Supervisor: Tetsuya Taga (TMDU) Foyer

Tuesday, 7 September: Lecture Course, Day 2

9:00–12:15 Lecture Course 2 M&D Tower 2F

Chair: Yuichi Izumi (TMDU) / Mari Kannagi (TMDU) Auditorium 1

Yoshihiro Ogawa (TMDU)

Title: Macrophages: Role in metabolic diseases

Nawarat Wara-aswapati Charoen (Khon Kaen University, Thailand)

Title: Pathogenesis of periodontal diseases as bacterial infection: Oral - systemic implications

   Cof fee Break, 15 min

Shoji Yamaoka (TMDU)

Title: How to see and control virus replication

Miyuki Azuma (TMDU)

Title: Dendritic cells: Control of immunity and tolerance

12:15–13:30 Lunch Break

13:30–17:00 Optional Program

・Laboratory visit

・Exposure to Japanese culture

・Guided walk in the neighborhood

18:00–20:00 Social Hour M&D Tower 26F

MC: Kevin Cleary (TMDU) Faculty Lounge

ISP2010 Address: Sei Sasaki (Trustee / Planning and International Exchange, TMDU)

Presentation of ISP2010 Certificates: Takashi Ohyama (President, TMDU)

9:00–9:45

9:45–10:30

10:45–11:30

11:30–12:15

Ikuko Morio (Director / International Exchange Center, TMDU)

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Day / Time Event Venue

Wednesday, 8 September: ISP Symposium 2010 & 9th Surugadai International Symposium

9:00–9:10 Opening Remarks M&D Tower 2F

Kikuo Ohno (Dean / Faculty of Medicine, TMDU) Auditorium 1

9:10–11:25 Morning Session

Chair: Toshiaki Ohteki (TMDU)

Masanori Hatakeyama (University of Tokyo, Japan)

Title: Helicobacter pylori CagA as a bacterial oncoprotein

Nawarat Wara-aswapati Charoen (Khon Kaen University, Thailand)

Title: Modulation of Wnt5a in periodontal diseases

Ruslan Medzhitov (Yale University School of Medicine / HHMI, USA)

Title: Host defense: Immunity and immunopathology

11:25–13:00 Lunch Break

13:00–14:30 Afternoon Session M&D Tower 2F

Chair: Takeshi Tsubata (TMDU) / Tetsuya Taga (TMDU) Auditorium 1

Toshiaki Ohteki (TMDU)

Title: Interferons wake up sleeping hematopoietic stem cells

Paola Ricciardi-Castagnoli (Singapore Immunology Network, Singapore)

Title: Immune regulatory role of dendritic cells during sterile

and non-sterile inflammation

   Coffee Break, 15 min

Takeshi Tsubata (TMDU)

Title: Membrane-bound lectins and humoral immunity

James W. Kazura (Case Western Reserve University, USA)

Title: Progress and challenges toward malaria vaccine development

Hirokazu Tamamura (TMDU)

Title: Anti-HIV inhibitors and AIDS vaccines

17:00–17:10 Closing Remarks M&D Tower 2F

Shigetaka Kitajima (Director / Medical Research Institute, TMDU) Auditorium 1

15:30–16:15

16:15–17:00

9:55–10:40

10:40–11:25

13:00–13:45

13:45–14:30

14:45–15:30

9:10– 9:55

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資料 2 留学生フォーラム 2010

Steal the BOSAI!!NipponのBOSAIを学べ!

主催;国際復興支援チーム中越、社団法人中越防災安全推進機構、社団法人北陸建設弘済会後援;新潟県(予定)、長岡市(予定)、独立行政法人国際協力機構(予定)

日時;2010年11月27日(土) 13:30~16:30

会場;長岡商工会議所 3階ホール(〒940-0065 新潟県長岡市坂之上町2-1-1)

日 本 防 災

チーム中越勉強会・国際編

私たちにできることがきっとある。

世界を身近に感じる機会!

プログラム

1.基調講演「海外で活かされるべき防災先進国「日本」の知恵」長岡市国際交流センター センター長 羽賀友信 (予定)

国際留学生フォーラム2010

2.パネルディスカッション「今、私たちにできること、そして留学生の役割」パネリスト

3.みんなで話そう、考えよう! 「世界の防災・減災」

・顧林生(清華大学都市計画設計研究院公共安全研究所長、中国蘇州市出身)名古屋大学大学院にて博士号取得。阪神淡路大震災や中越地震の復興の知見や教訓を活かして、四川大地震の復興に尽力。避難場所づくりなどの日本の防災手法を中国の都市防災に生かしている。

・反町真理子(フィリピン環境NGO コーディリエラ・グリーン・ネットワーク代表)

ルソン島北部の山岳民族を対象に植林や環境教育、奨学生支援などの活動を展開。昨年、今年と二年続いた台風の被災地への復興や地域防災活動の支援も行っている。

・ザイディ・アリ(東京医科歯科大学大学院生、パキスタン出身)

大学で医学を勉強する傍ら、日本の食文化や防災活動など、日本の良い点をパキスタンにおいて普及出来ないかと活動中。

・メリッサ アディアトゥマン(東京医科歯科大学大学院生 インドネシア出身)日本に対して興味を持っており、歯学を勉強する傍ら、更に日本を理解するために日本語を勉強中。インドネシアで多発している地震・火山・水害等の被害の実情を日本の方々に伝えたいと考えている。

・吉田 丘(東京医科歯科大学教授特任教授)

元JICA国際緊急援助隊事務局長。現在、東京医科歯科大学とJICAの共同プロジェクト支援、国際緊急援助隊と留学生の協働を模索中。

どなたでも

参加OK!

国際協力関係者

協力隊OV

留学生

問い合せ(社)中越防災安全推進機構 担当;河内、北村、日野

TEL 0258-36-8141 E-mail: [email protected]

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資料 3 授業評価

研修 学生数 3

評価スケール

Strongly disagree Strongly agree

1 2 3 4 5

評価内容

1 The course was carefully planned. 4.3

v2 The textbook was appropriate. 3.7

3 The pace of progress was appropriate. 4.0

4 Handouts and audio-visual materials were appropriate. 4.7

ß5 The activities in the course were satisfactory. 4.3

6 The instructor(s)’ explanations were usually clear. 4.7

7 The instructors encouraged us to learn and participate actively

in classes. 5.0

8 Overall, I rate the instructor(s) as: 5.0

9 Overall, I rate this course as: 4.3

補講 学生数 10

評価スケール

Strongly disagree Strongly agree

1 2 3 4 5

評価内容

1 The course was carefully planned. 4.5

2 The textbook was appropriate. 4.6

3 The pace of progress was appropriate. 4.5

4 Handouts and audio-visual materials were appropriate. 4.4

5 The activities in the course were satisfactory. 4.8

6 The instructor(s)’ explanations were usually clear. 5.1

7 The instructors encouraged us to learn and participate

actively in classes. 5.2

8 I would recommend this class to other students. 5.2

9 I rate my performance in this course as: 4.1

10 Overall, I rate the instructor(s) as: 5.4

11 Overall, I rate this course as: 5.4

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資料 4 平成 22 年度年間行事一覧

曜 予 定 曜 予 定 曜 予 定 曜 予 定 曜 予 定 曜 予 定

1 木英語HPに関する広報との合同

会議 土 火 木吉田丘特任教授(国際協力

ディレクター)着任 日 水

2 金 日 水 金留学生と真間小学校との地域

交流 月英語HPに関する広報との合同

会議 国際課・センター歓送迎

会木

3 土 月 憲法記念日 木 土 火JENESYSプロジェクト学術

フォーラム(ホテルモントレ半蔵

門)金

第5回企画・国際交流戦略会

4 日 火 みどりの日 金英語HPに関する広報との合同

会議 日 水 土

5 月 水 こどもの日 土 月英語HPに関する広報との合同

会議 第3回国際交流推進部

会木 日 ISP2010(受付、歓迎会)

6 火 木第1回国際交流推進部会 安

全保障に関する経産省からの

説明会日 火 金

全国国立大学法人留学生担当

センター長及び留学生担当課

長等合同会議(一橋大)チリLA

CRC開所式

月 ISP2010

7 水 金 月スチューデントセンター運営委

員会 水 第4回センター連絡会議 土 火 ISP2010

8 木 土 火 木 日 水 ISP2010(シンポジウム)

9 金第1回企画・国際交流戦略会

議   第20期日本語研修コー

ス開講式日 水

第3回企画・国際交流戦略会

議 第3回センター連絡会議 金第4回企画・国際交流戦略会

議 第20期日本語研修生真間

小学校訪問月 木

10 土第二期中期目標・中期計画に

向けた教職員FD研修 月

ポスドク海外派遣候補者選考

(「大航海」)  スチューデント

センター運営委員会 第2回企

画・国際交流戦略会議

木 土 火 金第20期日本語研修コース授業

終了

11 日 火 金 日 水第3回組織的な若手研究者海

外派遣プログラム事業推進・評 土

12 月 水 第2回センター連絡会議 土 月 木第6回国際サマープログラム

2010企画WG 日

13 火 木 協定書小員会(高橋監事) 日 火 金 月 研修日光旅行

14 水第1回センター連絡会議

国際課・センター合同歓送迎会 金 研修課外ツアー 月第2回国際交流推進部会 第5

回国際サマープログラム2010

企画WG水 第4回センター連絡会議 土 火

研修日光旅行       CU-

TMDUセンター開所式準備・現

地打合せ

15 木 センターHP打合せ 土 火 木 日 水

16 金日本語研修コース授業開始(前

期プレースメント試験) 日 水 金 研修課外ツアー 月 木第5回センター連絡会議(持ち

回り開催:前期日本語研修生

成績判定)

17 土 月 国際教育部会 木 土 火 金

18 日 火 金 研修課外ツアー 日 水

CU-TMDUセンターコーディ

ネータDr.Atiphan、学長、山下

生材研所長、塙教授と共同研

究について打合せ

19 月 前期日本語補講コース開講 水 土 月 木 日

20 火 木 日 火東京コンソーシアム、文京区国

際担当者との意見交換会に出

席金

チェンマイ大学歯学部長等(12

名)の学長訪問 月 敬老の日

21 水 金 月Thomson-ReutersとTHEとの大

学ランキングに関するセミナー

(国際フォーラム)水 土 火

留学記念証贈呈式、懇談会

(前期)(セインツ)

22 木 土 火英語HPに関する広報との合同

会議 木 日 水 第6回センター連絡会議

23 金留学生オリエンテーション、懇

談会(アルメイダ) 日外国人の神輿担ぎ体験に参加

(文京区役所企画) 水 金 月江石教授とタイ、チリ拠点につ

いて打合せ 木 秋分の日

24 土 月JAFSA危機管理セミナー(明

大) 国際交流センター運営委

員会木 土 火 金

25 日 火 金THE世界大学ランキング入力

作業 日 水コンケン大学訪問団の教養部

訪問(泉谷准教授、大北准教

授対応)土

26 月 水国際交流推進本部会議 英語

特別授業 土 月 木JSPS研究報告会(時事通信

ホール、東銀座) 日

27 火 木 日 火 金 月英語HPに関する広報との合同

会議、第20期日本語研修コー

ス閉講式

28 水英語特別授業 第1回研究活

動不正防止推進本部会議 金 月 水海外研修奨励制度贈呈式(学

長室) 英語特別授業 土 火 ISP2010まとめの会

29 木 昭和の日 土 火 木 日 水国際交流推進部会>協定書小

委員会(役員室)、英語特別授

30 金 日 水 英語特別授業 金 月英語HPに関する広報との合同

会議 木

31 月エルセビア研究活動評価セミ

ナー 土 火

備考

国際教育部会 ISP2010募集締め切

健康診断?

6月中、ISP2010採用者決定

通知、H21年度センター教員

個人評価提出締切

前期施設見学旅行(日光)、国

費留学生(国内採用)追加選

考、民間奨学金小委員会、9月

修了特別コース大学院生の学

位授与式・懇親会

日 月4 5 6 7 8 9

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曜 予 定 曜 予 定 曜 予 定 曜 予 定 曜 予 定 曜 予 定

1 金 月英語HPに関する広報との合同

会議 水 土 火新興・再興感染症研究拠点形

成プログラム推進委員会 火インペリアルカレッジ学生への

オリエンテーション

2 土 火 木 第5回国際交流推進部会 日 水 水

3 日 水 文化の日 金 月 木留学生日本文化体験イベント

(節分豆まき) 木留学生日本文化体験イベント

(ひな祭り)

4 月第7回企画・国際交流戦略会

議 木 土 火 仕事始め 金平成22年度留学生交流総合推

進会議(代々木オリンピックセ 金

5 火 金第7回企画・国際交流戦略会

議 日 水 土 土

6 水保健衛生学科学生交流協定に

ついて打合せ 土 月第8回企画・国際交流戦略会

議 木 日 日

7 木 日 火 金第9回企画・国際交流戦略会

議 月第10回企画・国際交流戦略会

議 月第11回企画・国際交流戦略会

8 金 月 水 第9回センター連絡会議 土 火 監事監査(国際交流センター) 火

9 土 市川一中フェスタ参加 火CU-TMDUセンター開所式につ

いて学長報告 木 日 水

第5回国際教育部会、第4回組

織的な若手研究者海外派遣プ

ログラム事業推進・評価委員

会、第11回センター連絡会議

水 第12回センター連絡会議

10 日 水 第8回センター連絡会議 金 国際化セミナー(上智大学) 月 成人の日 木 木

11 月 体育の日 木 土 火 金 建国記念の日 金日米留学交流セミナー(米国大

使館)

12 火創立記念日・ホームカミング

デーイベント 金 日 水 第10回センター連絡会議 土 土

13 水 第7回センター連絡会議 土 月 木 日 日

14 木 日本語プレースメントテスト 日 火英語HPに関する広報との合同

会議 金ISP特別選抜について医学部

長に説明 月英語HPに関する広報との合同

会議 月

英語HPに関する広報との合同

会議、留学生等教職員懇談会

(留学証贈呈式・懇談会後期)

M&Dタワー26F、ファカルティ

ラウンジ

15 金

北京協和医学院の件で影近教

授と打合せ、第4回国際交流推

進部会、CU-TMDUセンターに

ついて学長報告

月スチューデントセンター運営委

員会に出席 水 土 火留学生日本文化体験イベント

(餅つき) 火

16 土 火 木 日 水 第3回ISP2011企画WG 水

17 日 水 金 月 木世界大学ランキング勉強会(ト

ムソンロイターから講師招聘) 木

18 月 第3回国際教育部会 木国際教育部会・国内採用国費

留学生面接小委員会、第4回

国際教育部会土 火 金 金

組織的な若手研究者海外派遣

プログラム事業推進・評価委

員会・選考委員会

19 火 ISP2011準備会 金 日 水 土文京区国際交流フェスタ参加

(本学海外拠点事業と留学生

紹介)土

20 水CU-TMDUセンターコーディ

ネータDr.Atiphanと国際課、開

所式について打合せ土 月

国際交流センターマルチメディ

ア室移転(1号館へ) 木サウジアラビア大使館文化部

からの訪問団受入、第6回国

際交流推進部会日 日

21 木 日 火国際交流センター、国際課移

転(1号館へ) 金 第2回ISP2011企画WG 月スチューデントセンター運営委

員会に出席、日本語研修修了

を祝う会(ラウンジ)月 春分の日

22 金留学生オリエンテーション(M

&Dタワー2階、共用講義室

2)、懇談会(アルメイダ)月

CU-TMDUセンター開所式学長

主催夕食会 水 第1回ISP2011企画WG 土 火 火

23 土 火勤労感謝の日、CU-TMDUセン

ター開所式、記念昼食会 木 天皇誕生日 日 水 英語特別授業 水

24 日 水 英語特別授業 金 月 木 木 学位授与式(中止)

25 月 木 土 火リヨン高等師範学校Jan Matas

との打合せ(野田教授、高柳教

授)金 金 (学部)卒業式(中止)

26 火フランス大使館留学イベント参

加 金 日 水英語特別授業、第3回国際交

流推進本部会議 土 土 TOEFL-iBTセミナー(中止)

27 水 英語特別授業 土 月 木 日 日

28 木 日 火ガーナ派遣学生授与式(学長

室)、御用納め 金 月日米留学交流セミナー(明治大

学) 月

29 金文京区国際交流フェスタについ

て国際連携情報システムオフィ

ス江口教授と打合せ月 水 土 火

30 土 火 木 日 水

31 日 金 月 木

備考

12 1 211 310日 月

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東京医科歯科大学 国際交流センター

紀要 第 4 号

年報 平成 22 年度(2010 年度)

2011 年 7 月 発行

発行者 東京医科歯科大学国際交流センター

〒113-8510 東京都文京区湯島 1-5-45

編集者 大北葉子