Upload
others
View
9
Download
0
Embed Size (px)
Citation preview
(社医)つくばセントラル病院 診療技術部 ME室1)
(社医)つくばセントラル病院 腎臓内科2)
セントラル腎クリニック龍ケ崎3)
○古谷 雄祐1) 葛西 紘司1) 袴塚 祐司1) 小川 亨1)
並木 暢也1) 三上 孝宏1) 多留 賀功2) 石津 隆2)
中山 裕一3)
目的
当院でアムテック社製塩素系除菌洗浄剤ECO-200を導入し、現在使用しているメイプル社製次亜塩素酸ナトリウムとの比
較検討を行った。
使用薬剤及び対象機器
・使用薬剤
塩素系除菌洗浄剤 ECO-200(6%)
アムテック株式会社 (以下ECO-200)
次亜塩素酸ナトリウム メイプジア(6%)
メイプル株式会社 (以下メイプジア)
・対象機器
DBB-100NX 6台
ECO-200及びメイプジアの性状
◎ECO-200の性状
外観 淡黄色透明水溶液
主成分 •次亜塩素酸ナトリ
ウム(6%)
•カルボン酸系金属
キレート剤
•珪酸塩化合物
•苛性アルカリ
比重(25℃) 1.10
pH(25℃) 10.7±0.2(100
希釈液)
◎メイプジアの性状
形状 液体
主成分 次亜塩素酸ナトリ
ウム(6%)
比重(20℃) 1.21〜1.23
pH 12以上
方法 Ⅰ ECO-200とメイプジアにて、それぞれ洗浄した廃液側
シリコンホース(4カ月、8ヶ月、12ヶ月)計6検体を
採取し、各染色法使用にて付着物の調査をした。
・タンパク質染色-ポンソー3R
・脂質染色-ズダンブラックB
・糖鎖染色-PAS
・糖タンパク染色-Ruby染色
・炭酸カルシウム:Ca検出キット法
Ⅱ DBB-100NXでECO-200洗浄3台、メイプジア洗浄3台
それぞれ直列で設置されているETRF2本について使用
1000時間経過後で中空糸の観察し破断強度、破断伸度
の評価をした。
Ⅲ 複式ポンプ、ポペットバルブ、Oリングの評価
(電子顕微鏡にて観察)
洗浄工程 月・水・金
火・木・土
※過酢酸洗浄は、某社 過酢酸系透析装置専用除菌洗浄剤
ステラケアを使用しています。
結果(シリコンチューブ)
Ruby染色に関してはECO-200の方がメイプジアより糖タンパク
の付着が少ない傾向であった。
結果(Oリング ポペットバルブ) 4ヶ月後 8ヶ月後 12ヶ月後
Oリング、ポペットバルブ共に使用期間が長くなることによって表面の荒れと
光沢の減少は認められたが、ECO-200の方が僅かに少ない傾向であった。
結果(ポペットバルブ シリコンチューブ) 4ヶ月後 8ヶ月後 12ヶ月後
ポペットバルブの樹脂部はECO-200、メイプジア共に使用期間が長くなると表
面の荒れが認められた。シリコンチューブに関してはいずれも新品と差異は認
められなかった。
DBB-100NX使用1000時間のETRFの評価(1)
0
5
10
15
20
25
30
35
40
新品 ETRF前 ETRF後 ETRF前 ETRF後
破断強度
(g/F
ider)
軸ラベル メイプジア ECO-200
0
5
10
15
20
25
30
35
40
新品 ETRF前 ETRF後 ETRF前 ETRF後 破断伸度
(%)
軸ラベル メイプジア ECO-200
いずれのETRFも破断強度では有意な低下は認められなかったが、メイプジアの破断
伸度では有意な低下が認められ、劣化の兆候が推測された。またメイプジア、
ECO-200共にETRF後に比べETRF前の破断伸度に有意な低下が認められ、前段の
ETRFの方が劣化しやすい可能性が示唆された。
P<0.05
0
5
10
15
20
25
30
35
40
破断強度(
g/F
iber)
ETRF前 ETRF後
メイプジア
ETRF前 ETRF後
ECO-200
新品 0
5
10
15
20
25
30
35
40
45
破断伸度(%)
新品 ETRF前 ETRF前 ETRF後
DBB-100NX使用1000時間のETRFの評価(2)
ETRF後
メイプジア ECO-200
いずれのETRFも破断強度に有意な低下は認められなかったが、メイプジア
ETRF前において破断伸度に有意な低下が認められ、劣化の兆候と推測された。
p<0.05
0
5
10
15
20
25
30
35
40
破断強度(
g/F
iber)
0
5
10
15
20
25
30
35
40
45
破断伸度(%)
いずれの破断強度にも有意な低下は認められなかったが破断強度においてメイプジア
ETRF前 ETRF後及びECO-200 ETRF前に有意な低下が認められた。しかしECO-200と
メイプジアの間に有意差は認められなかった。またメイプジア ECO-200のいずれも
ETRF後に比べてETRF前の破断伸度に低下が認められ、ETRF前の方が劣化しやすい可
能性が示唆された。
新品 新品 ETRF前 ETRF前 ETRF前 ETRF前 ETRF後 ETRF後 ETRF後
DBB-100NX使用1000時間のETRFの評価(3)
ETRF後
メイプジア メイプジア ECO-200 ECO-200
P<0.05
考察
・ECO-200の方が僅かにバイオフィルムと思われる
糖タンパクの付着が少なかった。これはECO-200
の特徴としてバイオフィルムの分解、除去効果が
優れていると考えられた。
・ETRFの評価でETRF前の方が劣化しやすいのは
ETRF前で通過した透析液がETRF後に流れこむ
為、ETRF前の方が負担が大きいと考えられた。
・今後は封入方式も含めた消毒工程を検討してい
く。
結語
ECO-200はバイオフィルムの分解、除去効果には有用であると推測された。
日本透析医学会 CO I 開示
筆頭発表者名: 古谷 雄祐
演題発表に関連し、開示すべきCO I 関係にある
企業などはありません。