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平成24年3月26日
金属企画調査部 廣川 満哉
資源ナショナリズムの現状と資源開発
平成23年度第12回金属資源関連成果発表会
1 目次
1.資源ナショナリズムとその分類
2.資源ナショナリズムの現状(2011年動向)
3.資源ナショナリズムの影響(投資環境と探鉱費)
4.まとめ(対策)
- 2 -
金属資源を取り巻く環境変化
○価格高騰 2011年史上最高値 銅、金、錫、 レアアース、タングステンなど
○資源ナショナリズムの再興
外資規制や課税強化、高付加価値化等の動き
○中国の動向
・資源需要(金属消費)の急増、一部のレアメタルの生産集中、レアアースの輸出規制、資源確保のための海外投資(権益買収)の積極化
○探鉱開発プロジェクトの動向
・新規有望探査鉱区が減少し、優良案件の発掘・形成が困難
・開発における初期投資額が増大し、参入条件は悪化
○鉱石の低品位化、難処理化
採掘の深部化、鉱石の低品位化による技術リスク・生産コストの増大
○資源メジャーによる供給の寡占化
国際的な資源生産メジャー企業が再編を通じて市場支配力を一層強化
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金属
価格
(200
3年
5月=1
)
主要非鉄金属の価格推移・2003年5月=1とした指数で表示
鉛
銅
金
亜鉛
ニッケル
アルミニウム
錫
3 資源保有国が、自国の資源についての主権を求める動きのこと。 ・多国籍企業や先進工業国による資源の乱掘や利益の独占に対抗するもので、重要な資源に関して国有化や民族資本の経営参加を求めること。また、生産や輸出の際には国内企業の利益や国内供給を優先させる政策を打ち出すこともある。
・1990年代は各国ともに、民営化や外資への開放などに取り組んでいたが、2003年頃からの資源価格全般の上昇を背景に、このような自国の資源を囲い込む動きが資源産出国において高まった。
・一方で、資源を巡る領土紛争の激化や、資源産出国が自国の資源を武器として外交を有利に進めようとする動きも見られる。
鉱山ビジネスランキング(Business Risk facing mining and metals 2011-2012、Ernst&Young)
1位 資源ナショナリズム(前年4位からランクアップ)
(その他のアップ項目 インフラアクセス、社会的ライセンス、価格のボラティリティ)
資源ナショナリズムとは
http://m-words.jp/w/E5A49AE59BBDE7B18DE4BC81E6A5AD.htmlhttp://m-words.jp/w/E588A9E79B8A.htmlhttp://m-words.jp/w/E78BACE58DA0.htmlhttp://m-words.jp/w/E8BCB8E587BA.htmlhttp://m-words.jp/w/2003E5B9B4.htmlhttp://m-words.jp/w/2003E5B9B4.html
4
資源ナショナリズムの分類 資源ナショナリズムは、その内容や方法によりいくつかに分類される。資源国に有利(外資にとって不利)な順に整理すると以下の通り。また、複数の組み合わせもある。
6.鉱業関連税制あるいはロイヤルティの増加 昨年夏までの18ヶ月間で25ヶ国以上の政府が、何らかの税金あるいはロイヤルティをアップしたかアップする方針(E&Y調べ) →富の再配分の一方法であり、「資源ナショナリズム」に分類すべきかは議論有り
1.国有化及び外資制限 南ア、ベネズエラ、ボリビアでの国有化の動き、ロシア等での外資制限
2.高付加価値化義務 未加工鉱石の禁輸措置(インドネシア、南アなど)
3. 輸出数量制限の設定 中国(レアメタルの一部(レアアース)、インドの鉄鉱石
4.資源国資本(政府あるいは現地企業)の参加 国によってその割合が異なり、51%まで求められる国(ジンバブエなど)もある。 モンゴル、ジンバブエ、南アなど
5.国営企業設置や国営企業による探鉱活動開始 優先的に国営企業へ探鉱権や採掘権の付与
ボリビア
・新憲法承認(2009年1月)
鉱業権譲渡の禁止、保護区での活動制
限、先住民の権利拡大
・鉱山公社(COMIBOL)権限強化
新規案件はCOMIBOLとのJVによる
・新鉱業法で外資への課税強化を審議
所得税と鉱業ロイヤルティの納税
金属価格高騰時の追加所得税の導入
・産業育成を強力に要請(高付加価値化)
ペルー
・鉱業ロイヤルティ(2004)
・自発的拠出金(2006)等課税強化の政策
アルゼンチン
・地域住民や環境団体の運動により鉱山開
発制限の動き(州毎の対応)
・政府:輸出税強化(3% → 13%)
インドネシア
新鉱業法施行(2009.1.12)
①外資に活用されてきたCOW制度廃止
→事業許可制に一本化
②地方分権
③鉱石輸出の禁止
国内製錬による高付加価値化義務
④事業協約制の新設
⑤生産開始5年後以降、政府等への資本移
譲を義務化
フィリピン
・新財政制度を交付(2007年)
外資100%企業に、利益の50%支払いを
義務化
・新鉱業法案(2010年)
中央政府へ10%権益譲渡、権益60%の国内
資本化など
南アフリカ
・BEEの資本参加
2009年までに15%、2014年に26%
・鉱業ロイヤルティ法施行(2010年3月)
最終草案で賦課対象を「売上げ」から「利
益」へ
ロイヤルティ率は形態別(鉱石、地金)に
設定
・鉱業憲章改訂(2010年9月)
高付加価値化の方向
1970年代に中南米・アフリカで銅鉱山の国営化が起きたが、1990年代には外資への開放が進展
資源各国で資源開発に係るロイヤルティ強化、南アやボリビアでは資源の国有化、高付加価値化
政策の動き、インドネシアでは鉱石輸出の禁止など、国内資源の外資規制する動きが顕在化
DRCコンゴ
内戦中に締結した鉱業契約を不平等として、
プロジェクトごとの見直しを実施。
・鉱業権の取り消し
First Quantum(加)のKolwezi Tailing
その他25案件に鉱業権取り消し
・コンゴ政府の権益比増率要求
- 5 -
資源ナショナリズムの事例(2010年まで)
世界地図
地域・国 ・北・中米(米国、カナダ、メキシコ等)を除く、ほぼ世界全域。 ・特に南部アフリカで顕著(ヨーロッパ諸国の影響力低下) 。 鉱種 ・鉄鉱石を始めとするほぼ全ての鉱種
資源ナショナリズム動向(2011年)
アジア 中国 4月:レアアースの資源税を改正、軽希土類は0.4~3元/tからへ60元/t、重希土類は
30元/tに引き上げ。 5月:レアアースに関する国務院意見書発出 11月:コバルトの輸出に際しての増値税還付を検討。 12月:レアアースの2012年第1期のレアアース輸出枠を発表。 モンゴル →2006年鉱物資源法改正(政府権益34~50%保有など) Oyu Tolgoi銅・金プロジェクト、Tavan Tolgoi石炭プロジェクトが進展。 1月:超過利潤税廃止 9月:政府が権益配分見直しを要請するも、従来条件で合意。 インドネシア → 2009年鉱物資源法改正、高付加価値化政策、2014年より鉱石輸出禁止を表明。 9月:2014年の完全輸出禁止の前に、特定鉱物に対する輸出税を検討。 11月:高付加価値化義務大臣令ドラフト案公表→2011年2月、大臣令HP掲載 (鉱山権益の現地資本化比率20%→最大51%引き上げ、鉱石に関して輸出税を賦課)
2011年の資源ナショナリズム動向(1)アジア
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2009年01月 2009年06月 2009年12月 2010年06月 2010年12月 2011年06月 2011年12月
金属ジスプロシウム
中国国内価格 輸出価格 (価格出典:Metal Page)
(US$/kg)
・2012年輸出枠は同程度(通年で31,000t)に
維持されたため、日本への影響はない見込み。
レアアースの価格は、低下しているものの内外価格差は未だ解消していない。
→政府はレアアース、タングステン、モリブデン
の三品目に関して、輸出規制(輸出税賦課、輸出数量制限、最低輸出価格の設定)をWTO協定違反として米国、EUとともに中国に協議要請(3/13)
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主要レアアースの輸出価格と中国国内価格
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2009年01月 2009年06月 2009年12月 2010年06月 2010年12月 2011年06月 2011年12月
酸化ランタン・酸化セリウム
中国国内価格(酸化セリウム) 輸出価格(酸化セリウム)
中国国内価格(酸化ランタン) 輸出価格(酸化ランタン)
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2007 2008 2009 2010 2011 2012
第2期分見込み
第1期重希土
第1期軽希土
中国輸出枠
約4割減
2割減(合金追加)
(t)
中国輸出枠の推移
(US$/kg)
アジア ベトナム
7月:新鉱業法施行:首相方針で国内で必要な資源(鉄鉱石や銅など)は輸出しない。輸出できる鉱種は環境に配慮して加工度を上げることが条件
フィリピン
9月:鉱業ロイヤルティ5%の導入との提案に対し、既に営業利益に41%課税と鉱業界が反発。
インド→公社的企業中心に鉱業
2月:鉄鉱石の輸出税、塊鉱20%(15%)、粉鉱20%(5%)に引き上げ。12月、30%に再引き上げし、輸出制限
アフガニスタン
12月:鉱業大臣、鉱山の国有化はないと明言。
中東 イラン
1月:鉄鉱石に輸出税を導入。精鉱50%、ペレット35%に設定。
9
2011年の資源ナショナリズム動向(2)アジア・中東
南米 チリ 1月:「地震復興資金」の原資として、鉱業ロイヤルティ改正。 BHP Billitonなど大手鉱山会社が受け入れ。 ペルー 6月:ウマラ大統領当選(資源の政府管理強化と課税強化政策) 8月:国会が鉱業ロイヤルティ改正、鉱業特別税、鉱業特別賦課金の新設を承認 12月:鉱業政策等を巡り鉱業大臣を含む内閣を大改造。 ブラジル 「鉱業法の改正準備中」 5月:厚板の輸入関税を12%から4%に引き下げ。 6月:資源超過利潤税導入を検討。国内鉱業権者25%が対象となる見込み。 エクアドル 「2009年の新鉱業法制定後、2010年より鉱業権を開放したが、政府との交渉 が難航」 8月:大統領、生産前のロイヤルティ前払い(利益の53%)を鉱山会社に要望。 ベネズエラ 2月:クリスタレックス・インターナショナル社の金鉱山権益を剥奪 8月:ベネズエラ:金産業国有化を宣言、90日以内に政府と合弁設立要求
2011年の資源ナショナリズム動向(3)南米
豪州
連邦 → 「2012年7月より鉄鉱石・石炭について鉱物資源利用税(MRRT)30%の適用を表明」
11月:2012年7月より炭素税(トン当たり)23.20US$導入し、2015年7月より排出権取り引きのスキームへの移行を表明。
WA(西オーストラリア)州
5月:2013年より鉄鉱石のロイヤルティを5.625%から7.5%に引き上げると発表。
→ 11月にBHP Billitonが同意。
7月:磁鉄鉱精鉱に対しロイヤルティ5%を導入。
Qld州
8月:首相が都市及び周辺地域での探鉱活動禁止政策を提案
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2011年の資源ナショナリズム動向(4)豪州
アフリカ 南アフリカ→「国有化要求強まる傾向」アフリカ民族会議中心 3月:ロイヤルティ法施行。 11月:高付加価値化戦略を内閣承認(金、PGM、ニッケル 、鉄鉱石、クロム等)。 ジンバブエ 3月:権益51%を現地へ譲渡等の権限移譲法の改正を発表。 11月:鉱物ロイヤルティを金は4.5%から7%、白金は5%から10%への引き上げを発表。 ナミビア 4月に鉱山エネルギー大臣、石炭・銅・金・ウラン・亜鉛を戦略鉱物として開発推進発言。 7月:財務大臣、鉱業関連税大幅引き上げ計画発表。 8月:2012年より最大2%の鉱石輸出関税、超過利潤税を導入する税制改正案を承認。 タンザニア 8月:金の輸出に対するロイヤルティ、3%から4%に引き上げを検討。 ザンビア → 「政権交代あり。」 10月:ザンビア:新鉱業大臣、「政府の鉱山権益拡大について鉱山会社と交渉する」と発言。 11月:ザンビア:ロイヤルティを、銅等は3%から6%に、貴金属は5%まで引き上げ。
2011年の資源ナショナリズム動向(5)アフリカ
モザンビーク
7月:政府の権益取得等を含む鉱業法改正を検討。
DRCコンゴ
8月:在南ア大使、鉱石の輸出禁止と鉱業利益の地元還元を迫る方針と発言。
ギニア → 「Simandou鉄鉱石プロジェクト、Kalia鉄鉱石プロジェクトが進展の中で、政権交代あり。」
1月:新大統領が鉱山の政府権益を15%以上から1/3へ引き上げに言及。
9月:鉱業法改正の審議開始、政府取得可能な権益比率を15%から35%まで拡大の方向。
ガーナ
12月:ガーナ:法人税を25%から35%に引き上げ、 超過利潤税10%を導入。
13
2011年の資源ナショナリズム動向(6)アフリカ
14
資源ナショナリズムによる投資環境の変化(世界)
資源ナショナリズムの再興で投資環境に影響しているか? →政策ポテンシャル指数の変化
出典:Survey of Mining Companies 2011/2012(Fraser Institute) 世界中の鉱山会社5,000社に毎年アンケート(2011年は802社から回答)
母数(アンケート対象国あるいは州):2009:71,2010:72,2011:79,2012:93
スコア スコアレンジ:0~100 100=投資好感度100% 0=投資好感度0%
対象国:2011年に何らかの 資源ナショナリズム強化等が 生じた国 2009~2012年のスコアの変化
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Policy ポテンシャル指数(スコア)
中国
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ベネズエラ
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南ア
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ナミビア
タンザニア
ザンビア
DRCコンゴ
ギニア
ガーナ
NSW
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Qld
2012年上位からチリ、豪州各州、
ガーナ、ナミビア、ザンビア、ペルー、ブラジルの順。
インドネシア、ボリビア、ベネズエラが最下位
出典:2011年MEG報告書
・2011年の10万US$以上探鉱投資した2,329社の非鉄金属の探鉱費合計は163.1億US$であった(世界の95%と推定)。 2009年に前年のリーマンショックの影響で極小となったが、価格高騰とともに再び上昇に転じ、2011年は史上最高額となった。
Gold, US$8259.2mil,
51%
Copper, US$3657.6mil,
22%
Nickel, US$840.5mil,
5%
Zinc, US$780.4mil,
5%
Diamonds, US$448.9mil,
3%
PGM, US$240.2mil,
1%
Other, US$2080.7mil,
13%
Exploration budget for commodity (2011)Latin America,
US$4202.7mil, 26%
Canada, US$2914.2mil,
18%Rest of World, US$2425.2mil,
15%
Africa, US$2399.3mil,
15%
Australia, US$2010.mil,
12%
United States, US$1359.2mil,
8%
Pacific/SE Asia, US$996.9mil,
6%
Exploration budget for region (2011)
探鉱費動向(世界)
非鉄金属探鉱費に影響しているか? →世界での探鉱費比率の変化
16
資源ナショナリズムによる投資環境の変化(アジア)
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Policy ポテンシャル指数(スコア)
中国
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インドネシア
ベトナム
フィリピン
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アジアでの対象国は、スコアが元々低い傾向有り
年によって変化があるものの中国を除く国々は、投資環境悪化(スコアの低下)傾向が見られる。
ベトナム、フィリピン、インド、インドネシアなど資源政策でのナショナリズム強化が続いている資源国のスコア20以下まで低下
17
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国別探鉱費推移
中国
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インドネシア
ベトナム
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2007 2008 2009 2010 2011%
国別探鉱費比率
資源ナショナリズムによる探鉱費への影響(アジア)
探鉱費は各国とも2009年を除いて増加傾向にあるが、モンゴルは2009年に大幅減少 探鉱費比率の変化で見ると中国は増加しているもののそれ以外の国は横ばいあるいは減少傾向 中国は金属資源需要増に対応して、レアメタル以外の探鉱費が増加している。 モンゴルは2006年の鉱業法改正が響き、探鉱費比率は大きく低迷。
18
資源ナショナリズムによる投資環境の変化(南米)
国により投資環境に大きな差 チリ、ペルー、ブラジルなど投資環境好適国への影響はほとんどなく、高いスコアを維持。 ベネズエラ、エクアドル、ボリビアは世界的にも投資環境の悪い国と見られており、直近は スコア10前後まで低下。
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Policy ポテンシャル指数(スコア)
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国別探鉱費比率の推移(南米)
資源ナショナリズムによる探鉱費への影響(南米)
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探鉱費推移
チリ
ペルー
ブラジル
エクアドル
ベネズエラ
ボリビア
政策指数と同様に国により探鉱費に大きな差がある。
税制改正を実施あるいは予定しているチリ、ブラジルなど投資環境好適国の探鉱費比率はやや増加しており、ほとんど影響がない。 ペルーは近年住民運動等の活発化などの影響もあり、やや低下傾向
国営化等の動きがあるベネズエラ、エクアドル、ボリビアは、探鉱費は増加せず、その比率はますます低下
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資源ナショナリズムによる投資環境の変化(アフリカ)
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2009 2010 2011 2012
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Policy ポテンシャル指数(スコア)
南ア
ジンバブエ
ナミビア
タンザニア
ザンビア
DRCコンゴ
ギニア
ガーナ
国により投資環境に大きな差。ナミビアやガーナは比較的良好。コンゴやジンバブエは投資環境の悪い国。 ここ数年はほとんどスコアの大きな変化は見られないが、直近では南ア、ザンビア、DRCはやや上昇し、政府権益引き上げの動きがあるギニアが急落している。
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探鉱費推移
南ア
ジンバブエ
ナミビア
タンザニア
ザンビア
DRCコンゴ
ギニア
ガーナ
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1.5%
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2.5%
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3.5%
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2007 2008 2009 2010 2011
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国別探鉱費比率の推移(アフリカ)
資源ナショナリズムによる探鉱費への影響(アフリカ)
国によりに探鉱費は大きな差がある。 探鉱費比率は、国有化や高付加価値化の動きがある南ア、鉱石禁輸等の動きがあるDRCの低下が顕著
税率アップを狙うザンビアやガーナはやや探鉱費比率増加傾向にあるもののその他の国は横ばい傾向 ジンバブエは、2007年以前から治安、政治、経済に問題があり、さらに権益譲渡法改正により長期的に低迷
22
まとめ
1.資源ナショナリズムの現状 (1)背景 ・金属資源を巡る環境変化(資源国の民主化と政府の関心高まり) ・金属価格高騰に伴う政府収益拡大への期待(資源国の財政難) ・規制をして自国の産業育成 (2)地域・国 ・北・中米(米国、カナダ、メキシコ等)を除く、ほぼ世界全域。 ・特に南部アフリカで顕著 (3)鉱種 ・鉄鉱石を始めとするほぼ全ての鉱種 (4)改正・導入のタイミング ・政権交代、鉱業関係法制改正
2.資源ナショナリズムの影響 資源ナショナリズムの内容により投資環境や探鉱費増減に影響を与える。 ・国有化、高付加価値化、輸出規制、過度な政府資本参加の影響は大きい。 ・一方、ロイヤルティや税率の増加の与える影響は、価格高騰下においては、限定的。 特に南米諸国では軽微である。
23 1. 良好な関係の構築 鉱業プロジェクトがもたらす利益を受入れ国側に理解してもらうため、受入れ国政府との良好な関係(transparent relationships)構築のために投資する。
2.相手国への貢献 受入れ国政府の経済的及び政治的な奨励政策に沿った事業展開を行い、受け入れ国内のインフラ整備の一部となる。
3.社会貢献 有効な地域社会開発プログラムを積極的に実施することにより、受入れ国の地域社会に直接的かつ持続可能な利益をもたらす。
4.国営企業と提携 国営鉱山会社という持続可能な新らしいモデルとして、外資と資源国の有益な関係構築が可能か模索すべき →資源ナショナリズムは「逆境における好機」として、課題へ取り組むことが成功に つながる。 「Mines and Money London2011」
外資の資源ナショナリズム対応策(E&Y等)