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- 1 - ELECTRO SCANによる汚水回収システムの調査および試験

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ELECTRO SCANによる汚水回収システムの調査および試験

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総目録1.0 序論

2.0 Electro Scan回収システムの目的2.1 Electro Scanの一般的な使途2.2 Electro Scanの情報によりできる決定

3.0 機材と要員配置3.1 Electro Scanに必要な機材と構造部品3.2 必要な要員配置

4.0 作業4.1 現場での準備作業4.2 使用機材の設定4.3 スキャン実施4.4 使用機材の撤収・片付け4.5 レポート報告

5.0 実質的応用5.1 下水本管調査5.2 新開発下水道調査5.3 ポストCIPP評価5.4 部位修理評価5.5 下水道サイホン評価5.6 プラスチック管ライニング評価5.7 ポスト螺旋巻きHDPE評価5.8 プレ/ポスト・グラウト評価5.9 ポストCIPP評価- 破損した取付管5.10 アスベストセメント管評価

6.0 Electro Scanによる下水取付管評価6.1 取付管のElectro Scan実施に必要な機材と要員6.2 下水取付管へのElectro Scan操作

7.0 実地応用7.1 下水取付管評価 #17.2 下水取付管評価 #2

ELECTRO SCANによる汚水回収システムの調査および試験

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管壁の破損は探針が受けた電流のバラツキを測定することにより発見される。この電流のバラツキの表示トレースは、心臓の鼓動のリズムを計る心電図の記録に似ている(Figure 3)。

管破損を読み取った電流値は急激に上昇する。頑丈な管壁は耐電するが、管破損があると簡単に電気を通してしまう。破損の部位は0.4 inches (1 cm)以下の誤差

ELECTRO SCANによる汚水回収システムの調査および試験

1.0 序論 Electro Scanの技術では、帯電探針を使うことにより、非導電質の管壁に水が通り抜ける可能性のある経路を自動探知・測定することが可能である。この革新的な技術は、電流の漏れを水の流れと直接相関させるという地球物理学の法則に基づくもので、漏れの原因となり得る管破損の部位を特定し測定する持続的で一貫性のある手法である。

Electro Scanは、ASTM F2550-13 管壁に流す電流のバラツキから下水本管の漏れを特定するエレクトロスキャンの実施基準に準拠する。テレビカメラによる調査と違い、送煙試験、染料冠水試験、地中探査レーダ、レーザプロファイリング技術、第三者解釈、破損目録作業の必要がない。また、オペレータによる目視調査、マニュアルコーディング、データ解釈の必要もない。

Electro Scanは曖昧さを排除した初の自動評価ツールで、漏れの原因となり得る管破損の部位を特定し測定する。見つかった破損については、推定漏れ量(GPM:1分あたりのガロン)が表示される。Electro Scanは、各破損を客観的数値で示すことにより、計量化された管破損から推定作業を導く。 1.1 Electro Scanの使用 多くの伝統的な状況評価手法は、雨季の状況下で汚水管や排水管がどのように機能するのかを把握する必要性に迫られているにも関わらず、乾季に実施される。Electro Scanは1年を通して使用可能で、目視調査では見逃しがちな、継ぎ手の不具合、接続管の破損、放射状クラックや縦クラックなどの破損を検出できる。

Electro Scanは、アスベストセメント、レンガ、粘土、現場硬化管(CIPP)、ガラス繊維強化プラスチック(FRP)、高密度ポリエチレン(HDPE)、プラスチック(PVC)、鉄筋コンクリート(RCP)等の非導電材を使った管の破損を特定し測定するように設計されている。 Electro Scan技術の初期のプロトタイプは独立したケーブルリール仕様だったのに対し、後期のモデルは主要メーカーから販売されているテレビカメラケーブルとリールの既存構造に適応可能な仕様となっている(Figure 1)。普段どおり使い慣れたインフラで作業しながら、通常10分以内でテレビカメラとElectro Scanとの相互変更ができる。

スキャン実 施 中 は 、探 針 部 を水で満たす。探 針 は 毎分45-60フィートの速度で牽引されることにより、約10volt・40 milliamp、単三電池6個分の低電圧・高周波電流を放電する(Figure 2)。

Figure 1 – 電気トレースで示された電流値のバラツキ

で報告される。すべての破損は開始寸法と終了寸法で示され、破損流量は毎分何ガロン(GPM)か毎秒何リットル(LPS)かで推定される。GPM精度は40%前後であり、ASTM F2550-13に則った流量メータ試験とオープントレンチ送煙試験で確認される。

データの一貫性Electro Scanの主な利点は、機材オペレータに関わらず、代替評価技法よりもデータ調査結果が持続可能で首尾一貫していることである。数々の環境保護庁受託調査や基準が示しているとおり、短期間反復スキャン後のデータパターンは類似している(Figure 4)。

データの精度Electro Scanは毎1/4インチまたは14ミリ秒で記録する。つまり、Electro Scan は平均300フィート管セグメントに対し、探針の管内での牽引速度により10,000~20,000データポイントを生成している。データポイントはオペレータのトラックに搭載されたコンピューターに送信される。

大きな漏れと小さな漏れの違い

破損の部位やタイプを定義するために、あえて電気トレースの解釈をする必要はない。Electro Scanのエンジン処理により、幅(開始から終了まで)や高さ(最大破損電流)に基づき破損部分が解析され推定流量が計算される。

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Figure 2 - Electro Scanシステム

Figure 3 – 電気による下水管評価

The Electric Circuitry of a Sewer Collection System

The Electro Scanの適応可能な仕様により、テレビカメラとElectro Scan構造との相互変更が迅速かつ簡単にできる。Electro Scanの探針はテレビカメラ用と同タイプのプラグでリールに接続される。切り替えボックスでは、テレビカメラターミナルやElectro Scanコントローラーへのデータ切り替え、さらに閲覧と保存のためのコンピューターへのデータ切り替えが可能である。

Electro Scanの探針は、下水管内で牽引され低電圧・高周波電流の細い集中光線を放射する。非導電質の管壁はこの電気を通さない。しかし、漏れの原因となり得る管破損があると、電気が逃げて近くの地中杭がそれを受信する。 この電流のバラツキを測定し使用することにより、管内のすべての漏れの原因となり得る部位を特定し測定する。

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The Critical Sewers®クラウド用アプリケーションは、ユーザー閲覧用にスキャンをサマリー表示しレポートを作成する。Critical Sewers®は破損を大きく2つに分類する。

1. 小(Small)、中(Medium)、大(Large)2.マイナー(Minor)、モデレイト(Moderate)、シビア(Severe) 破損は電流振幅に応じて小、中、大のいずれかに該当する。同じ破損は、破損から流れ得る推定水量である推定破損流量(GPM:毎分ガロン)に応じて、マイナー、モデレイト、シビアのいずれかに該当する。破損流量は、電流トレースの破損カーブ下の面積により推定される。

大きい面積の大きい電流値は、最大推定破損流量(GPM)を意味することが多い。ただし、スキャンの最大推定GPMが、より大きい面積でのより小さな流れに起因することもよくある(Figure 5)。

例として、管セグメントに破損が二箇所あると仮定する。 破損1: 10フィート管に亘る細いクラック 破損2: 破損1より幅広だが1インチだけのクラック

破損1は破損2よりも低い電流振幅を示す。Electro Scanは破損を電流振幅に応じて分類するので、破損1を「小」、破損2を「大」というふうに分類する。

一方、破損2よりも破損1のカーブ下面積の方が大きい。つまり、破損1の漏れの方が大きいと推定される。つまり、破損1は破損2よりも推定破損流量が大きい。破損流量については、破損1を「シビア」、破損2を「マイナー」というふうに分類する。

電流振幅が破損を小、中、大と定義するのに対し、推定破損流量が破損をマイナー、モデレイト、シビアと定義することは覚えておくべき重要点である。小・シビアな破損または大・マイナーな破損はよくある。

違うトレースパターンは違う破損を示す。部位や大きさの解釈は不要。

Electro Scanが管内の特定のタイプの破損を識別可能かという質問がよくあるが、率直にいえば答えは「否」である。 Electro Scanは特定の破損の時計位置やアラインメント問題を示すことはない。しかし、Electro Scanトレースの反復パターンは起こり得る問題を意味する場合が多い。

Electro Scanトレースの特定のパターンの解釈は不要であるが、接続管の位置や主なパイプの特徴を把握した上でトレースを比較することを推奨する。例えば、継ぎ手の位置に対応したトレースにおける破損は、通常は継ぎ手の破損を示している。同様に、接続管における問題はトレース上で一目瞭然である(Figure 6)。

Figure 5 – 破損の比較

Figure 4Electro Scansは一貫したデータを提供する。管の状況が変わらない限り、同じタイプの管の反復スキャンでは同じ結

果になる

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Figure 7 – 管の圧力試験の共通手法浸入水試験ともいわれる静水・水圧試験や気圧試験では、管漏れの結果を合格・不合格で示すが、試験結果には修理の必要な破損数に関する情報は含まれない。

Electro Scanとテレビカメラ調査の違い

Electro Scanはテレビカメラに取って代わるものではないが、評価データに重要な情報を追加する。Electro Scanはテレビカメラに取って代わるものではなく、高解像度のパン・チルト・パノラマカメラを使った目視調査で見逃しがちな破損を特定し測定する。

2011年7月、米国環境保護庁がミズーリ州カンザスシティで実施された汚水回収システムの状態評価技術現場実証の結果を公表した。現場評価技術の他、テレビカメラとElectro Scanのベンチマークに関する最初の主要な独立研究では、テレビカメラとElectro Scanの対照比較を含め17本の下水本管の評価を行った。

Figure 8に示すとおり、テレビカメラはオペレータの目視調査で確認できる損傷について構造評価を行う。 一方、Electro Scanは自動的に定量化する。つまり、水の出入り可能な地表と管内との間の通り道である管について、裂け目に係る破損(クラック、破裂、継ぎ手破損、接続部破損)の目視調査は実施していない。

テレビカメラではPACP破損を発見できないことがあるが(Figure 9)、Electro Scanでは低電圧・高周波電流を使った技術によりテレビカメラには見えない破損を見ることができる。

カリフォルニア州レディングでは、マンホール間ごと(マンホールからマンホール)に管内流量を観察し、

送煙試験とテレビカメラ検査を実施し、漏れが見つかった時には修理を行った。しかし、周期的な氾濫により雨季の流量は1日450,000ガロンを超えた。伝統的な状態評価手法では浸入水の発生源を検出することができず、下水本管(25,000 ft. 6” x 8”)にElectro Scanを使用した。Electro Scanで深刻な破損と発見されたとおり、1日平均3,000 ft.規模の大きな破損を12カ所に確認した。Figure 10に示すとおり、Electro Scan結果は実際の破損本管部位と一致するだけでなく、事後に漏れの部位と推定破損流量を確認するために行ったオープントレンチ送煙試験の結果とも一致した。

Figure 6 - Electro Scanのトレースパターン 上記に示すとおり、スキャン130フィートでの破損は取付管接続部に位置する。この破損は取付管と本管との接続部の問題であると推定される。スキャン50フィートでの破損は広い幅に渡る。これは縦破損であることを示している。一方、約90フィートでの破損は幅が狭いことから放射状破損であることを示している。

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Figure 8 - 点線で囲まれた部分は、同じ管セグメントの下水本管評価を比較したもの-PACP基準 (上)、Electro Scan (中央)、対照比較(下)。出典:EPA/600/R-11/078 and USEPA Sewer Electro Scan Field Demonstration Revisited, Terry Moy, Charles G. Wilmut and Robert J. Harris.

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ゼロ破損のテレビカメラによるレポート実例

テレビカメラによりコールアウトなく検査された下水管をElectro Scanで解析した場合

約280.5リニアフィートで見つかった同部位の破損をテレビカメラが捉えたイメージ (テレビカメラ・コールアウトなし)

Figure 9 Electro Scanとテレビカメラの比較テレビカメラ調査では見つからずElectro Scanで見つかった破損

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Figure 10テレビカメラには見えずElectro Scanが検出した

破損のオープントレンチ試験

2.0 Electro Scan回収システムの目的

Electro Scanは下水道への浸入水や下水道からの漏水の滞在的発生源を検出するのに最適である。さらに、改修後の下水、雨水、水道管の漏れの原因となり得る破損を特定し測定するのにも適している。

管漏れが疑われる破損の位置を特定し、測定および特性分類を正確に行うことが、修理、修繕、新築費を抑える管設計・試験・認定を行うためには欠かせない。気圧・水圧試験(Figure 7)を含む一般的に使用されている下水漏れ評価手法は、管評価を総体的な合否判定で行う費用対効果の高い手法である。しかし、これらの手法で、特に継ぎ手や接続部の漏れの部位や大きさを検出するには限界があり、刷新や改修の決定を裏付けるものとして利用するにも限界がある。

テレビカメラは乾季の状況下(管が乾いているか、水が一部入っている状態)で下水本管や取付管を 評価するた

めに長い間使われてきたツールであり、Electro Scanは満水の状態での管機能をシミュレーションする初の雨季状態評価ツールである。

漏れの原因となり得る破損を探知するElectro Scanは、非導電材を使った管の状態評価、新設された管が漏れフリーであることの確認、改修後の管が漏れフリーであることの確認など、多目的ツールとしても使用される。

2.1 Electro Scanの一般的な使途

Electro scanには多くの使途があり、詳細については本章で後述する。ハイライトを以下に示す。

n 浸入水の疑いのある、または全体的か部分的に浸入水のある状態の下水本管や取付管

n ライニングプロジェクトの改修後認定

n 第三契約者による受諾前の新しい所有地開発や管接続

n 相反してまたはコールアウトなしで複数回テレビカメラ調査された下水本管

n サイホン評価

n 河川・水路の下を流れる、テレビカメラ調査の不可能な下水本管

n 浸入水発生源をより正確に割り出す下水調査評価研究(SSES)

n プレ/ポスト・グラウト評価

n 水面・水中からの漏れ検出が必要な大きなインターセプター

2.2 Electro Scanの情報によりできる決定

下水業者、コンサル・エンジニア、契約管理者は、Elec-tro Scanを全体的な状態評価プログラムの一部として使用できる。これら関係者は、Electro Scanの結果に応じて、重要な下水管修理について再優先順位付けや再ランク付けができる。

改修前の意思決定

浸入水や漏水は、テレビカメラでは簡単に見つけることのできない継ぎ手の破損に起因することが多い。多くの場合、テレビカメラでは、全国下水サービス業協会(NASS-CO)の管評価認定プログラム(PACP)が定める基準による破損の確認はほとんどできない。 Electro Scanでは正確に破損を特定し測定できる。

(上) カリフォルニア州レディングでは、 PACPテレビカメラでは破損の見えなかった下水本管を電子スキャニングした後、破損部位を確認しオープントレンチ送煙試験を実施して検査した。管からサーチャージ状態にすることにより、Ferncoの接続部に緩みがあることが判明した。

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Electro Scanとテレビカメラレポート例 - 対照比較

Critical Sewers® Electro Scanレポート表示例

Figure 11 - Electro Scanとテレビカメラレポート

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以下の質問に答えなさい(解答:43ページ)。

2.2A Electro Scanの探針は一般にどのように非導電質の管の破損を見つけますか?

2.2B Electro Scanはどのような天候下で使用できますか?

2.2C 電流振幅により「小」と分類された破損に「大」の破損より多くの漏れが発生する可能性はありますか?それはなぜですか?

2.2.D Electro Scanの一般的な利用法は何ですか?

問題 例として、同じ管に対するElectro Scanとテレビカメラの結果を、歴史的に激しい順流と逆流を起こしやすい部位で比較した(Figure 8)。この場合、Electro Scanでは下水本管の浸入水率200 GPM以上と推定されたのに対し、テレビカメラでは破損なしと分類されていた。

Electro Scanによる下水本管の再優先順位付けや再ランク付けを行い正確な臨界定義をする技術は、下水評価法の主要な変化を象徴している。

改修後の意思決定

Electro Scanは改修済み管の許容基準を実質的に変更するものである。ほとんどの場合、下水管改修の主要目的は地下水の汚水管への浸入を止めることである。下水本管の部位修理、リライニング、新管設置などの下水管改修手法では、管設置・改修が適正に実施されたことを確認するために、通常、主にテレビカメラを使用している。

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3.0 機材と要員配置

3.1 Electro Scanに必要な機材と構造部品 Electro Scan機材の主要構造部品:

• 制御電圧源• 探針• 探針を電圧源に接続し管内で動かすための絶縁

ケーブル • 管内の探針位置測定システム• 破損電流測定システム• 探針構成三電極を流れる総電流値の測定システ

ム• 地表電極• スライド式管ファンネルプラグが使用される場合

は、通常水頭と呼ばれる管内水圧を探針位置で測定するシステムも必要となる。

3.2 必要な要員配置

Electro Scanとテレビカメラの共通点は、破損に関する現場でのデータ審査・解析・コーディング・入力が不要で、テレビトラックオペレータ一人で十分にElectro Scan作業を完了できることである。下水道機関がテレビトラック操作に2名の要員を義務付けている場合は、2名の要員確保が必要な場合もある。

また、探針を上流マンホールに設置後、探針を牽引するための牽引ケーブルに下水道セグメント全長の長さを確保させるために、ウォータージェットトラックの要員配置が必要である。

問題以下の質問に答えなさい(解答:43ページ)。

3.2A Electro Scan 機材の3つの主要構造部品を挙げなさい。

3.2B Electro Scan を操作するには最少何名の要員が必要ですか?

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Electro Scan探針:3本の電極を持つ。両端の2本の電極は、中央の電極が電流を流さないように役割を果たす。中央の電極が破損を見つける。

標準アリエスカメラ

データ切り替え構造

標準キューカメラデータ

切り替え構造

テレビカメラからElectro Scanへの車載切り替えボックス:テレビカメラとElectro Scan間でデータを切り替える

Electro Scanのテレビカメラへのケーブルコネクタ :変換を容易にするために、Electro Scanはテレビカメラと同じプラグインターフェイスを利用する。

探針

ファンネルコーン:ファンネルコーンは下水管カイトと似たもので、スキャン中に探針を満たす水を貯める役割を果たす。缶の大きさによってファンネルの大きさも違う。

Figure 12 - Electro Scan機材

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本管コンソールのソフトウェアアプリケーション:オペレータがスキャンを設置し探針からデータを復旧する際に使う。また、ユーザー閲覧レポートを作成するCritical Sewers®クラウド用アプリケーションにスキャンデータを送信する。

コントローラー:車載コンピューターのデータを頼りに、探針の電源を入れ交信を図る。

設置用リールと地表電極:設置用リールのケーブルで、地表に挿した地表電極を留める。地表電極は探針から管壁に逃げた電流を誘導する。交通標識や電柱など地表にある資材で、設置用リールを更に留める。

探針調整セレクタと電位差計:調整セレクタ(スイッチ)は探針の調整試験に使われる。ガード試験位置では、探針の両端の2本のガード電極の試験を行う。破損試験位置では、中央の破損電極の試験を行う。

電位差計(左のダイヤル)は、管素材の総電流値とスキャン毎の土壌状態の調整を行うのに使われる。例えば、高耐性PVCや砂質土壌のスキャンを正確に行うには、適正電圧範囲にダイヤルを調整する必要がある。

Figure 12 - Electro Scan機材(続き)

電位差計ダイヤル

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Electro Scanとキューテレビトラック Electro ScanとIBAK KW 305

Figure 13 - テレビカメラトラック/バン製造業者によるElectro Scan配置例

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4.0 作業

4.1 現場での準備作業

See Figure 12 for graphical depictions of Elec-tro Scan job site preparation.

1. 複数セグメントでのスキャン実施計画 他の下水道評価と同じく、実施計画は効率的な作業に不可欠である。オペレータは地図、GIS、その他の補助資料を参照し、スキャン効果を最大限に発揮するよう計画することが推奨される。

2. 交通誘導 車両交通圏での作業中、オペレータは交通誘導を適切に行う必要がある。カラーコーン、制服着用の作業員による「停止・徐行」サイン、視覚効果の高い制服などが含まれる。交通誘導は、交通量の多い地域での安全性を最大限確保する役割を果たす。

3. テレビカメラからElectro Scanへの変換 Electro Scanによる状態評価の適応性は、テレビカメラトラック操作の一環として含まれる既存のケーブルやリールなど、標準的なテレビカメラ機材を使用することを可能にする。テレビカメラの設置や操作に精通しているオペレータであれば、Electro Scanの設置や操作にも問題はない。テレビトラックは10分以内でElectro Scan作業開始のために変換され、また10分以内でテレビ調査ができる状態に戻される。

テレビ調査用にテレビトラックが既に設置されている場合、最初の手順はテレビカメラのプラグを外しElectro Scanの探針のプラグを差し込むことである。 Electro Scanの探針は各メーカーのケーブルやリールに適用できるよう作られている。

通常、ケーブルやリールはテレビカメラに給電し、搭載コンピューターにデータを送り戻すようになっているため、オペレータは切り替えボックスを使って、Electro Scanコントローラーにデータ送信を迂回させる必要がある 。

4. 管の状態評価を行い、Electro Scan探針に牽引ケーブルを取り付ける Electro Scan車両を上流側マンホール近くに止める。マンホールの蓋を取り外し管の大きさと流量を測定する。

ジェットホース付きウォータージェットトラックを下流側マンホール近くに止める。ジェットホースには2つの目的がある。一つは、試験中の管部位のマ

ンホール間においてファンネルプラグと探針の牽引を可能にすること、二つ目は、ジェットホースが探針部に十分な水を供給することである。

Electro Scan試験は、晴天から完全なサーチャージ状態の管まで、いかなる下水流量の状態でも実施が可能である。 Electro Scanを正しく設置するために、上流・下流両側のマンホールの流量を評価することが重要である。管に継続的な流量を観察できる場合でも、マンホールの蓋を開けるまで流量状態を把握できないことがしばしばある。

• 晴天の状態 - 水位や水流が目視されない スライド式管ファンネルプラグは晴天の状態でのみ使用が認められる。コーン形状のファンネルプラグは探針部を水で満たす役割を果たす。ファンネルプラグの大きさは多様であり、管口径が 6 -15 in. (150 - 300 mm)の場合に使用できる。スライド式管ファンネルプラグを使うことで、マンホール間の全長にわたり管全体を完全な満水にすることなく、スキャン実施が可能となる。また、必要水頭も 2 - 12 in. (50 - 400 mm)まで下げることができ、接続されている管きょが逆流および溢水するリスクを著しく低減させる。

Electro Scanファンネルプラグとジェットホースを使うことにより、全長3-6 footの貯水層がファンネルプラグの後にできる。管円周に満遍なくスキャンを行うため、この水が非導電質の管壁に電気を通すことを可能にする。管表面に水との接触がないと管破損や漏れは検出されない。

• 部分的浸水状態 - 低速流から中速流 管が部分的浸水状態であれば、牽引ケーブルとしてのジェットホースやファンネルプラグの使用は適当である。しかし、探針部に追加の水が必要になっても水はほとんどない。

ジェットトラックやファンネルプラグの代わりに従来型下水プラグを使い進路を妨害すると、スキャン前に既存の水流で管セグメントを満たすことができる。

• 部分的浸水状態 - 高速流 管内に高速流が観察される場合、より小さなファンネルプラグ‐少なくとも管円周より円周が一周りから二周り小さいもの‐の使用が推奨される。

• 満水状態 管が満水状態であればファンネルコーンは

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不要である。探針の牽引は必要であるが、ウォータージェットトラックから管への追加注水も不要である。

• 大口径管 円周15インチ以上の管については、既存のレベル以上に追加注水することを推奨しない。Electro Scanは管壁と水が接触している状態ですべての漏れを見つけるため、水位以下にあるすべての管を評価する。

下水道の底が、堆積物、根茎、油脂、油、グリースなどの非導電材の沈泥で塞がっている場合でも、Electro Scanの低電圧・高周波電流は漏れの原因となり得る破損を特定し測定する。

5. 地表電極と接地用リール

地表電極と接地用リールは、探針から逃げた電流を測定するために使用される。この測定はスキャングラフに描かれる電流トレースを創出するために使われる。接地用リールは、探針内部の電極の適性を試験することにより、スキャン前に探針を調整するためにも使われる。

地表電極はスキャン場所から約1,000フィート以内の地表に設置する。設置用リールのケーブルの端に地表電極を留めるためのクリップが付いている。地表電極は必ずしも必要なものではない。接地用リールのクリップは、消火栓、電柱、交通標識など地表にある資材に取り付けることができる。

6. 下流側の準備

ウォータトラックを下流側マンホール近くに止める。ジェットホースの端にジェットノズルを取り付ける。上流側マンホールの管までホースが押し出されるように、ノズルから高圧で放水する。ノズル付きホースは下流側マンホールに挿入され上流側マンホールに噴出される。

4.2 使用機材の設定

Figure 15にElectro Scanの使用機材の設定を図解する

1. ジェットホースを取り出し探針を取り付ける ジェットホースが上流マンホールに届いたら、マンホールからホースを引き上げジェットノズルを取り外す。必要に応じて、ファンネルプラグをカップリングを使ってジェットホースに取り付ける。

通常、ファンネルプラグから探針への結合部はロープの4-5フィート部分に当たる。これにより探

針のマンホールへの挿入や撤去が容易になる。通常、ロープに探針を結合するために厚いプラスチック製のケーブルタイが使われる。ケーブルタイの使用により、管内で閉塞物に遭遇した際に探針を安全に取り外すことが可能になる。

2. ファンネルと探針をマンホールの中に下ろす

最初にファンネルプラグをマンホールに挿入する。通常、Electro Scanオペレータとジェットトラックオペレータは、ホースの撤回を調整するために双方向無線を通して連絡を取り合う必要がある。ホース撤回中にファンネルを目的の管へ誘導し、管から約6インチの位置で止める。探針をマンホール中央に下ろし目的の管の方向に向ける。低電圧信号を発している際に探針に触れても安全である。スキャンを適切に行うには探針部が水に満たされている必要がある。下水管の既存の水流が十分でない場合は、ジェットトラックオペレータが注水する。通常、水位がスキャンを行う管の上部に達するまで注水を行う。

3. ソフトウェアの設定

Electro Scanトラックにはコンピューター、通常はノートパソコンが搭載されている。探針と交信し、データを蓄積し、データをインターネット上のクラウド用アプリケーションに転送するために、Elec-tro Scanソフトウェアをコンピューターにインストールする。

スキャン開始前に、オペレータはマンホール番号や管円周などの情報をソフトウェアに入力する。オペレータはスキャン場所に出発する前に、マンホールや管に関する必要なすべての情報を入力する場合が多い。これにより、現場でのスキャン操作時間を短縮することができる。

4.3 スキャン実施

Figure 16にスキャン実施について図解する

1. Electro Scanソフトウェアによるスキャン開始

スキャンはElectro Scanソフトウェアを使って開始する。探針は生スキャンデータのコンピューターへの転送を開始する。

ソフトウェアは、探針部を満たす水量、探針の管に向けた動きの速度、受信電流、管内の移動距離など、スキャン状態に関するリアルタイムな情報をオペレータ・コンソールに表示する。この情報に基づ

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き、オペレータは撤回速度(牽引の遅速)や水流(オン/オフ)の調整をジェットトラックオペレータとともに行う。

2. 総電流値調整 (任意)

スキャンが始まると、探針から受信した総電流値がオペレータ・コンソールに表示される(Figure 14)。状態によっては、理想的なスキャン実施のためには総電流値が高すぎたり低すぎたりする場合もある。通常、理想的な電流範囲は2500-3000である。必要に応じて、電位差計を使い総電流値の増減を行うこともできる。例えば、雨に浸った土壌に囲まれた粘土管は高い総電流値を示すかもしれない。オペレータは総電流値が理想範囲に達するまで、電位差計のダイヤルを下げて調整する。

3. 下流側マンホールへの探針の牽引

ジェットトラックオペレータはホースを毎分45-60フィートの速度で巻き戻す。Electro Scanオペレータはオペレータ・コンソールを観察し、必要に応じてジェットトラックオペレータに速度や水位の変更について指示を出す。テレビカメラ操作と違い、観察やデータエンコードの必要はない。探針を管内から牽引するだけである。

探針が下流側マンホールの中央に到達すると、Electro Scanオペレータはソフトウェアによるスキャンを中止する。 ジェットトラックオペレータは探針からファンネルプラグを取り外す。探針を管内からElectro Scanトラックに巻き戻す。

4.4 使用機材の撤収・片付け

スキャンが完了したら、すべての関連ギアとツールをトラックに戻す。マンホールの蓋をマンホールに戻す。すべての交通誘導資材は最後に元に戻す。

さらにスキャンを実施する場合は、ジェットトラックの水位を調べ十分に水があることを確認する。

4.5 レポート報告 Electro Scanトラックがワイヤレスインターネットを完備していれば、スキャン後にデータ処理とレポート作成のために、生スキャンデータを一瞬にしてElectro Scanクラウド用アプリケーションにアップロードすることができる。そうでない場合、インターネット接続のあるオフィスでスキャンをアップロードすることができる。

Critical Sewers®クラウド用アプリケーションは、

問題以下の質問に答えなさい(解答:43ページ)。

4.5A Electro Scan操作中のジェットトラックの2つの主な機能を挙げなさい。

4.5B Electro Scan操作は、晴天の状態と満水状態の場合を比較するとどう違いますか?特にウォータージェットトラックとファンネルコーンについて答えなさい。

4.5C 地表電極はスキャン操作の場所からおおよそどれ位の距離に設置しますか?地表電極は必要なものですか? 4.5D 電源を入れた状態でElectro Scanの探針に触れても安全ですか?

4.5E Electro Scanオペレータは、スキャン中に探針が管に向かって動く速さをどのように知りますか?また、探針部にはどれくらいの水がありますか?

4.5F Electro Scanオペレータは観測やデータエンコードのためにスキャンを停止する必要がありますか?

データ処理を行いユーザー閲覧用のスキャンレポートを表示する。テレビカメラ用ソフトウェア、水圧モデル、資産管理、GISアプリケーションなど、第三者ソフトウェアアプリケーションへのデータ転送も可能である。

Figure 17にCritical Sewers®クラウド用アプリケーションの詳細とスクリーンショットを示す。

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Figure 14にElectro Scanの現場での準備作業を図解する。

3a. オペレータがテレビカメラから本ケーブルを外す 3b. オペレータが探針を本ケーブルに接続する

1. 地図帳やその他ツールによるスキャン実施計画 2. 安全第一の交通誘導

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5. 地中杭をさす

6b. 上流側ジェットホース

6a. ジェットノズルをジェットホースに取り付ける

4. マンホールの蓋を取り外す

Figure 14 - 現場での準備作業 (続き)

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1b. ジェットノズルを取り外す

Figure 15 – 使用機材の設定

1a.ジェットホースを上流側マンホールから撤去する

1c. ファンネルコーンと探針 をジェットホースに取り付ける 2. マンホール底部に探針を置く

3. コンピューターにソフトウェアを設定する

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3. ジェットトラックにより下流側に牽引される探針

Figure 16 – スキャンの実施

1. スキャン開始後に表示されるオペレータ・コンソール。水位、探針速度、総電流、開始からの距離の欄に注目。

2. 総電流値調整(任意)

管素材や土壌状態により、電位差計による総電流値調整が必要な場合もある。ダイヤルを上げると総電流が増え、ダイヤルを下げると総電流が減る。

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Figure 17 – レポート報告

Critical Sewers®クラウド用アプリケーションのスキャンサマリー表示

表の説明:

破損数電流振幅に基づいた、小、中、大の破損数

破損距離率%管スキャン距離に対する破損距離の割合。例えば、200 footスキャンに対し全破損の合計距離が20フィートであれば、スキャン距離に対する全破損距離率は10%である。

GPMサマリーGPM流量に基づいて、マイナー、モデレイト、シビアに分類された破損部の破損流量(単位;分ガロン)リスト。

スキャングラフスキャングラフは接地用リールの受信した電流値により定義される電気トレースである。大、中、小の閾値は電流振幅に基づいた破損分類を定義する。

管破損部位この表は、見つかったすべての破損、グレード(小、中、大)、管内の開始地点から終了地点、距離、GPM流量、GPM破損箇所をリスト化したものである。

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5.0 実質的応用

重力下水本管は、外からの水の出入りを許す様々な破損の影響を受けやすく、ラインはしばしば広範に及ぶ環境問題を引き起こしSSO(汚水溢水)の一因となる。

Electro Scan解析中にしばしば使われる「異常」という言葉は、望ましい状態や基準からの逸脱を意味する。典型的な異常や破損の大多数は、下水本管または付近における継ぎ手からの漏れ、構造的破損、取付管接続部の緩みである。Electro Scanは適切な状況下で漏れの原因となり得る破損を特定する。

テレビカメラ、送煙試験、染料冠水試験などによる目視調査には、漏れ部位が不確かで推定破損流量が測定不能であるなど共通の限界がある。Electro Scanは、目視調査に依存している下水道管理者、オペレータ、エンジニアが直面する共通課題を克服する新しい評価ツールである。

Electro Scanは他の技法では特定できない破損を自動検出するが、機関によってはオペレータによる破損のより的確な特定や目録化を支援するために、過去のテレビカメラ調査を再吟味したいと考えるかも知れない。

下 水 道 機 関 は E l e c t r o Scanの速度と正確性を頼りに、まず下水管にElec-tro Scanを実施し、その後、対照比較や評価実施のためにElectro Scanにより特定された部位について、テレビカメラオペレータに記録させることもできる。

Electro Scanは比較的新しい技法であるため、次の章ではElectro Scanの実用例と特定の状態におけるデータ表示例を解説する。

問題

以下の質問に答えなさい(解答:43ページ)。

5.0 A Electro Scanと比較すると目視調査にはどのような限界がありますか?

5.0 B あなたが下水道機関幹部としてテレビカメラとElectro Scanの両方を使う場合、2つの手法の最も効率的な使用方法を答えなさい。

5.1 下水本管調査

管素材 コンクリート円周 (inches) 8スキャン距離 (feet) 305場所 ワシントン州バンクーバー

Figure 19に示すとおり、Electro Scanデータは破損を電流振幅に応じて小、中、大の3つに分類する。スキャングラフの各破損カーブ下は、各破損の推定GPM流量と管セグメントの累積総破損流量を計算する際に考慮される。

この特定の管部位には全セグメントを通して継ぎ手に多数の異常があり、これは継ぎ手の全長3フィート間隔で反応する継続的な信号により証明された。ほとんどの信号は潜在性の非常に低い漏れである。

15 LFに見られるより大きなElectro Scanの信号に対し、PACPテレビカメラレポートでは破損コールアウトが見られなかった点は興味深い。

Figure 18 – テレビカメラによる活発な漏れ

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Figure 19 – 破損をハイライトし、テレビカメラ(コールアウトなし)と比較したスキャングラフ例。スキャンを通して一定間隔の破損を確認できる。これらは継ぎ手部位の問題を意味している。Electro Scanにより検出されテレビカメラにより特定できなかったハイライトの箇所が示すとおり、継ぎ手の破損はテレビカメラオペレータにとって見ることは困難である。

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5.2 新開発下水道調査

管素材 PVC円周 (inches) 8スキャン距離 (feet) 293場所 テキサス州サウスレイク市

テキサス州サウスレイク市では、雨季に新しいPVCシステムに高下水流量を経験し、新開発の下流側下水道のバックアップとサーチャージを引き起こした。このシステムにはテレビカメラ調査が実施されていたが、市には承認されていなかった。

Figure 20に示すとおり、新しく再区分化された全長2,803 LFの下水本管がElectro Scanにより調査され、推定流量30 GPMまたは43,000 GPDの複数の破損が検出され、管上部より1フィート上に地下水があると仮定された。

スキャンされた12管のうち、破損がないのは2管のみで、残りの10管には各管につき1カ所から15カ所の破損が特定された。再区分全域で浸入水の原因となる得る箇所全体の約84%は、3管から12管セグメントに起因すると考えられた。つまり、84%の潜在的浸入水はこれら3管セグメントを合わせた全長844 LFにあたる下水本管32%に起因していたことになる。

下記グラフは管セグメントの1つの118 LF部位でのElec-tro Scanによる継ぎ手の異常の例である。Electro Scanで推定破損流量0.9 GPMの漏れは、当初のテレビカメラ調査中には破損として特定されていなかった

約118 feetの管でのElectro Scanとテレビカメラの比較。Electro Scanは推定破損流量0.9 GPMの破損を検出した。テレビカメラは破損を特定しなかった。

スキャン実施

スキャン場所 – テキサス州サウスレイク市の新興住宅地

Figure 20 – 新開発スキャン例

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5.3 ポストCIPP評価

管素材 CIPP円周 (inches) 8スキャン距離 (feet) 293位置 フロリダ州マイアミデイド下水道

Figure 21の典型的なCIPP設置と評価に示されるとおり、テレビカメラはリライニングなど改修後プロジェクト調査の基本ツールとして使用されてきた。しかし、漏れフリープロジェクト実施が目的であることから、他の手法により、ビルトイン探針のない状態でプロジェクトが実施できるようにすべきである。水圧・気圧試験も活用できるが、セグメントが気圧試験に不合格であった場合、これら

の試験では破損部位の特定ができない。非導電質素材と同様に、最近ライニングされた管は管内から電流を逃がさない。継ぎ手がないことから、現場硬化管(CIPP)や他のライニング素材の2つの大きな弱みは、再接続部またはライナーの素材破損部にある。Electro Scan試験の利点の1つは、ユーザーによる破損の原因やタイプの定義に役立つ反復トレースパターンにある。

ASTM F2550-13で推奨しているとおり、電極電流値を比較し最初の試験中に目視可能な破損を見逃していないことを確認するために、修理・リライニング・刷新の前後には別々にスキャン試験を行うべきである。接続部やその他の管の特性に応じて破損部位を測定するために、Electro Scansとテレビカメラの比較をすべきである。

ヨーロッパの多くの下水請負業者は、漏れや破損の有無を確認するために、反転(ライナーバッグの熱硬化や硬化)や取付管再接続の前に、ポストCIPP下水本管に圧力試験を実施する。圧力試験は全体セグメントを合格・不合格で判断するため、管内の部位の特定は不可能でありポストCIPPの破損を見逃すことがある。

Figure 22bに示すとおり、このポストCIPP下水道の電子スキャニングでは3つの重大な破損が検出され、各破損はトップハットもTライナーもどちらも設置されていない再接続部に位置していた。最近設置されたCIPPプロジェクトについては、プロジェクトの可否を定義するために、破損流量をCIPP(または部位修理などの改修)の前後に確認することが推奨される。

2014年、主要大都市の下水道機関は、2000年の14年前にCIPPによりライニングされた49の管セグメントを含む370の下水本管を調査するため、70,000フィートのElec-tro Scanプロジェクトを実施した。プロジェクトは全国的に有名なエンジニアリング会社の監督下で、経験豊富な下水道請負業者により調査され、100%すべてのCIPP管に破損電流が発見された。さらに重要な点は、調査対

象のライニングされた管の40%に当たる20の下水本管に、10,000GPDの推定破損流量が発見されたことである。

なぜCIPPは予想寿命よりずっと早くそれほど高い破損流量を示すのだろうか?なぜならCIPPはすべてを密封したシステムを作り出さない場合がある。伝統的に下水道機関は樹脂ライナーがホスト管に接着すると仮定している。しかし、Figure 23に示すとおり、ほとんどのCIPPプロジェクトの一環として、下水道管の油脂、油、グリースや樹脂を管内で動かすための潤滑油により環状空間が作り出される。熱膨張・収縮に起因する樹脂の収縮(樹脂重合)はライナーとホスト管(Burkhardt, Hüsgen, Kalwa, Pötsch, Schwenzer, 2011; Rahaim, 2010)の間に環状空間を作り出す。CIPPは管内管の象徴であるため、オペレータはElectro Scanの電位差計を使ってスキャン電流を増やすべきである。

典型的なCIPP設置と評価1. 再接続前に反転したCIPPライナーバッグ2. ポストCIPPは取付管接続部に存在するディンプルを表示する3. リモート支管カッターはディンプルと取付管再接続部を取り除く4. ポストCIPP刷新のテレビカメラ調査

Figure 21 – 現場硬化ライニング反転後の典型的な改修後の手順

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22b – ポストCIPP Electro Scan実例 – 破損が不適切な設置を示唆している

22a – 破損がない場合のポストCIPP Electro Scan

Figure 22 - 最近のCIPPプロジェクトのElectro Scan実施。Figure 18aに破損流量やスパイクのない良いCIPPプロジェクトの典型的な電流値を示す。Figure 18bに各再接続部に複数の大きな破損電流のある悪いCIPPプロジェクトを示す。

Figure 23 – 多くの管ライニング手法は管の重大な破裂や破壊を発見するが、破損流量の経路は存在したままになる。地下水経路がグロウトなどの合成物質でいっぱいになっていなければ、水はライナーとホスト管の間の土壌や流れを浸透し、不具合のある接続管にしみ出し、改修前レベルの破損流量に戻るためしばしば下水本管や取付管に戻る。典型的なライナー破損を以下に示す。

環状空間

CIPP

ホスト管

0.87 GPM

破損流量

ポストCIPPライニング後の

固有浸入水リスク

未記録

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トップハットによるポストCIPP評価

管素材 陶管 (VCP)円周 (inches) 18スキャン距離 (feet) 360位置 ネバダ州サザンネバダ

トップハットは、下水本管と取付管の繋ぎ目を密封するために使われる樹脂含浸ファイバーグラスである。トップハットの「縁」は下水本管内の取付管接続部の周辺部位を迂回する(Figure 24)。

最近ライニングされたCIPPプロジェクトでは各接続部(取付管)に9つのトップハットがある。Electro Scanは各トップハットに小から中の破損を検出した(Figure 25)。

Electro Scan調査中は、探針が通過する際に12-18インチの水が下水取付管に浸入する。これによりElectro Scanは取付管接続部を試験できる。取付管に破損が見つかれば、破損が本管との接続部にあるのかトップハットの端を超えた取付管の上にあるのかを判断するために、追加評価が必要になる場合もある。

Figure 24 – トップハットライナー

Figure 25 – トップハットによるポストCIPPのElectro Scan

トップハット

接続部周辺の縁3”

取付管内6”-18”

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5.4 部位修理評価

管素材 陶管 (VCP)円周 (inches) 8スキャン距離 (feet) 342 & 178位置 グランドストランド、サウスカロラ

イナ州

Electro Scan試験の利点の1つは、部位修理の効果を評価できる点にある。汚水管部位修理に最もよく使われるのはPVCであり、部位修理の最後に最もよく使われる接続部はFerncoカップリングである。内部CIPP部位修理ライナーを使った部位修理が行われる場合もある。

最初のスキャングラフ(Figure 26)に示すとおり、PVC部位修理は206.5 LFと218 LFの間のゼロ電流トレースによって簡単に同一であると証明できる。これが事実であることは、通常は陶管やコンクリー

ト管であるホスト管より、プラスチックの方がはるかに低い導電性であることからも分かる。部位修理中や終了時にスキャン信号がないので、漏れの可能性のない効果的な修理であったと考えられる。

反対に、2回目のスキャン(Figure 27)では、下流側の146 LFで始まり150 LF付近で終わる非常に大きな信号により、内部CIP部位修理が示された。約2 feetにわたる大きな信号は排水流直下にある。その結果、管上部の水頭での推定潜在浸入水率は非常に高い。もしこの部位に漏れがあれば、土台や埋め戻しを洗い流す可能性は非常に高く、将来の管破壊の原因にもなり得る。

データによると、最終密封が工事中に適切に行われなかったか、経年の地下環境変動の結果緩んだと考えられる。部位修理管の素材や状態はテレビカメラ調査により確認することも可能だが、目視調査では部位修理の緩みやカップリングは破損として示されないことが多い。

Figure 26 – 同一であると証明できる206.5 Liner Feet (LF)と218 LFの間のPVC部位修理

PVC Point Repair

Figure 27 - 150 Linear Feet (LF)近くの不完全なCIP部位修理

CIP Point Repair

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5.5 下水道サイホン評価

管素材 アスベストセメント円周 (inches) 15スキャン距離 (feet) 136場所 カリフォルニア州サンタローザ

Electro Scan技術を調査のために理想的に使用することにより、下水道サイホン(Figure 28 & 29)は管プロフィールの基部で水位を捉えたり維持したりする。

スキャン(Figure 30)に示すとおり、典型的なコンクリート管であるセグメントを通して、低いレベルの「ノイズ」が見られる。ノイズ振幅がより大きければ、構造や漏れの懸念をすべき管素材の腐食を示している 。

小の閾を超えた異常26カ所と、管から1フィート上に浸入水の原因となり得る規模の15 GPMつまり日ガロン21,500を示す中の閾を超えた異常1カ所が見つかった。破損サマリー参照(Figure 31)。

この時点では重大な構造的異常は見られなかったが、浸入水部位は時間とともに土台や埋め戻しを洗い流す結果となり得る。浸入水軽減のための管のライニングをしないのであれば、地盤沈下、下水

Figure 30- 下水道サイホンのElectro Scan

Figure 31 - Electro Scan破損数とGPMサマリー情報

Figure 29 – 下水道サイホン。マンホールは川床下を旋回する。

Figure 28 - 1964年下水道サイホンの側面図面

口、下流側の土壌・バックフィル材の過剰などを観察すべきである。漏れの増加や構造劣化を調べるために3-5年間隔で管をスキャンすべきである。

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5.6 プラスチック管ライニング評価

管素材 PVC円周 (inches) 4スキャン距離 (feet) 147場所 カリフォルニア州リッチモンド

プラスチック管やライナーは、破損がない限り、電流を管から外の土壌に通さない非常に優れた絶縁体である。完全舗装地域(Figure 32)と同じく地表では、電気回路を繋げるために、接地用ケーブルを金属ポスト、支線引留具、類似構造物に取り付けることができる。

ここでは、セグメントで実施された圧力試験の失敗にも一因があるが、テレビカメラ調査により破損が検出されなかった。スキャングラフ(Figure 33)に示すとおり、管セグメントにはスキャン開始付近に小さな破損1つとスキャン終了付近に複数の破損があり、そのうちの1つは数フィートに亘っている。このデータは、所有者、エンジニア、請負業者に、圧力試験の失敗に対処するための明確なガイダンスを示す。

Figure 33 – PVC管のスキャン

Figure 32 – 舗装地域のスキャン

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5.7 ポスト螺旋巻きHDPE評価

管素材 鉄筋コンクリート円周 (inches) 66スキャン距離 (feet) 192場所 ユタ州ソルトレイク市

ソルトレイク市公共事業庁の66インチのインターセプター下水道は、浸入水減少と構造的一体性の確認のために、螺旋巻きリブロック高密度ポリエチレン(HDPE)ライナーにより最近ライニングされたばかりだった。

螺旋巻きはHDPEやPVCなどの素材により管壁を覆う管ライニング手法である。通常、端はさねはぎにより結合される。

螺旋巻き管(Figure 34)の設置後に、管所有者とエンジニアはライニング後の高浸入水率を検出し、高地下水の時期に行った流量観察と目視調査によりこれを確認した。管とライナーの状態をより明察するために、管に3分の4から3分の1まで水を流しながら、Electro Scan解析を行った。

あるスキャンセグメント(Figure 35)では推定流量14.9 GPMを示し、同じ部位で対応するテレビカメラ調査では3分の4の値を示した。2つ目のスキャンセグメントでは推定流量15.8 GPMを示し、同じ部位でテレビカメラでは破損を視認しなかった。3つ目のスキャン(Figure 36)では管セグメントの50‐120 LF部位で重大な異常を示した。管から15フィート上にGPM流量の根源があると考えられる(所有者のコンサルタント提供情報)。

濡れた周辺部の3分の1を試験したところ、セグメント全体の合計推定流量は202 GPMつまり290,500 GPDを示した。推定流量が破損部位付近の管円周全体に一貫して見られるのであれば、潜在的流量はこの数値の約3倍、600 GPMつまり871,500 GPDと考えられる。これらの流量は、コンサルタントによる流量観察調査からの推定と対照的である。

スキャン場所

管壁を覆うために機械が螺旋巻きに巻き上げる

Figure 34 - HDPE Electro Scan評価

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Figure 35 - Electro Scanと対応するテレビカメラ調査で特定された2つの破損の拡大図

Figure 36 - ラインセグメントの破損を示すスキャングラフ。2つの破損は破損電流が大の閾を越えている。

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5.8 プレ/ポスト・グラウト評価

管素材 陶管(VCP)円周 (inches) 8スキャン距離 (feet) 217場所 イリノイ州ヒッコリーヒルズ

Electro Scanは、重力汚水回収ラインの最も一般的な2つのグラウト破損‐非防水性の継ぎ手と取付管接続部‐を特定するのに理想的である。

Electro Scan試験の利点の1つは、ユーザーによる破損の原因やタイプの定義に役立つ反復パターンにある。最初のセグメント(Figure 38)には、下記スキャンのとおり、全セグメントを通して継ぎ手に多数の異常があり、継ぎ手の全長5フィート間隔で反応する継続的な信号により証明された。継ぎ手間の信号は、取付管接続部の漏れか構造的破損を示す。

重力下水道で最もよく使われるグラウトは親水性のものである。つまり、完全な状態を維持するには湿気を含んだ状態である必要がある。グラウト注入後のスキャングラフは、設置素材の非常に高い導電性を示している。

2つ目のスキャングラフ(Figure 39)は、グラウト済み継ぎ手のコンダクタンスが微増した場合と非常に類似した信号を表示している。

グラウト前

グラウト後

継ぎ手のグラウト

グラウト機器の拡大図

Figure 38 – 同じ管セグメントの継ぎ手のグラウト前後のスキャングラフ

Figure 37 – 標準グラウト

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グラウト前

グラウト後

Figure 39 – 同じ管セグメントの継ぎ手のグラウト前後のスキャングラフ1 1

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5.9 ポストCIPP評価- 破損した取付管

管素材 現場硬化管(CIPP)円周 (inches) 8スキャン距離 (feet) 293場所 フロリダ州マイアミデイド

みぞ掘不用CIPP管ライナーは、破損がない限り、電流を管から外の土壌に通さない非常に優れた絶縁体である

スキャングラフ(Figure 40)は、ライニングに成功したセグメントの195 LFから196 LFの部位に1つの大きな信号を示している。この破損した取付管接続部はテレビカメラ調査によって確認された(Figure 41)。110 LF部位と220 LF部位に見られるような小さな信号は、ポストCIPPスキャンではあまり見られない。これらの小さな信号はライナーの目立たない破損を示しているが、ほとんどの場合、その小ささから問題として考慮されることはない。

Figure 40 – 破損した取付管のテレビカメラ画像

Figure 41 – 取付管接続部の大きな破損を示すスキャン

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5.10 アスベストセメント管評価

管素材 石綿セメント管円周 (inches) 6スキャン距離 (feet) 267場所 クライストチャーチ、ニュージー

ランド

Electro Scanは漏れ検出やライナー評価のためのツールとして幅広く利用されている。一方で、アスベストセメント管(Figure 42)やコンクリート管の腐食に関する貴重なデータを提供する機能についてはあまり知られていない。

重力下水管アプリケーションに使われるコンクリート製管は、硫化水素による悪化、化学物質、研磨、経年石灰化の影響を受けやすい。セメントラインのスキャンは、特定の特に大きな破損に関する貴重な情報をもたらす一方で、ベースラインスキャンは、通常、特に管セグメント全体の「ノイズ」を表示する。

重度腐食

中等度腐食

軽度腐食

Figure 42 – アスベストセメント管

Figure 43 – 様々な腐食レベルを示したスキャントレース

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6.0 Electro Scanによる下水取付管評価

取付管に起因し得る浸入水の根源を除去する目的で、汚水管網にホリスティック・アプローチを行うコミュニティは多い。 テレビカメラトラックに適応可能なElectro Scanは、下水道公益事業体や請負業者による円周8インチ以上の、特に下水本管の管円周スキャンを可能にする。取付管などのより小さな管については、小口径管をテレビ画面に映し出すために使われるリールに似た、探針リールを使った手作業により、円周3 – 8インチ (76-150mm)の管のElectro Scan実施が可能になる。

6.1 取付管のElectro Scan実施に必要な機材と 要員

取付管のEletro Scan実施は一人でも可能である。必要な機材は、下水本管のElectro Scan実施の場合と類似しており下記を含む(Figure 44参照)。:

• 制御電圧源• 探針• 探針を電圧源に接続し管内で動かすための 絶縁ケーブル• 管内の探針の状態を測定するシステム• 破損電流測定システム• 探針構成三電極を流れる総電流値測定シス テム• 地表電極• 取付管プラグ• Electro Scanアプリケーションをインストー ル済みのスマートフォン• 探針からスマートフォンにデータ転送を行う ためのBluetooth®• 現場用プリンター(任意)

6.2 下水取付管へのElectro Scan操作

下水取付管へのElectro Scan機材操作は下水本管の場合と似ている。管内の破損を検出するために電流のバラツキを測定するという全体的なコンセプトは同じである。

トラックに大きなケーブルリールシステムを取り付ける代わりに、小さな手作業用ケーブルリールシステムにより下水取付管の評価が行われる。ケーブルリールはオペレータのスマートフォンと交信可能なBluetooth®モジュール搭載で、Electro Scan探針に取り付けられる。

Electro Scanソフトウェアアプリケーションをスマートフォンにインストールする必要がある。アプリケーションは、Bluetooth®を通じて探針からデータを収集し、Critical Sewers®クラウド用アプリケーションにデータを転送する。

一般的な操作の流れは次のとおり。

1. Electro Scanスマートフォンアプリケーションを開き設定する。必要に応じて、管の情報などのデータを入力する。Bluetooth®とBluetooth®モジュール内臓リールを応対させる。

2. Electro Scan探針を調整する。3. 地中杭 を設置する。4. 取付管を膨張式下水取付管プラグで栓をする。プ

ラグを取付管に巻き戻し、プラグを管セグメントの端まで押すことにより栓をする。その後、(自転車ポンプなどで)プラグを膨らまし管を満たす。これにより、水が取付管経由で下水本管に通り抜けることを阻止する障害物ができる。

5. 取付管を水で満たす。6. 探針が膨張したプラグに到達するまで、取付管の

中に手作業で入れていく。7. スマートフォンアプリケーション経由でスキャンを

起動し、管内の探針の牽引を始める。スキャンデータはBluetooth®経由でスマートフォンに送信される。

8. スキャンが完了すると、Electro Scanスマートフォンアプリケーションは、データ処理のためにデータをElectro Scanクラウド用アプリケーションに送信する。処理されたデータはスマートフォンアプリケーション上かウェブ上で閲覧できる。現場用プリンターが搭載されていれば、スキャン結果を印刷できる。

Figure 45にスキャンの実施を図解する。

問題以下の質問に答えなさい(解答:45ページ)6.2A 取付管にElectro Scanを実施するには最小何名の要員が必要ですか? テレビカメラトラックは必要ですか?

6.2B 取付管へのElectro Scan実施において、どの構造部品により探針との交信やクラウド用アプリケーションへのデータ送信が行われますか?

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Figure 44 - Electro Scan下水取付管機材

探針リール:取付管の破損をスキャンする

現場用プリンター:スキャン結果を印刷する

取付管プラグ:管を満水状態にするために管に栓をする

接地・調整用リールと地中杭: 探針を調整し、操作中に探針から放電される電流を検出する

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Figure 45 -下水取付管へのElectro Scan操作の最重要点

1. Electro Scanスマートフォンアプリケーションを開き設定する

2,3. 探針調整後、地中杭を接地する

4,5. 取付管に栓をするため膨張式プラグを挿入し、取付管を水で満たす

6. 探針を挿入する

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7. スマートフォンでスキャンを開始し、探針をゆっくり巻き戻す

Figure 45 -下水取付管へのElectro Scan操作の最重要点(続き)

8. スキャン結果は現場用プリンターで印刷できる

9. スキャン結果の詳細レポートは、ウェブ上のCritical Sewers®クラウド用アプリケーション上で閲覧できる

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7.0 実地応用

7.1 下水取付管評価 #1

管素材 PVC円周 (inches) 6スキャン距離 (feet) 52場所 バージニア州ウィリアムスバーグ

Electro Scanプッシュ探針システム(Figure 46)は、ジェームス市サービス局内の複数の取付管を検査するために使用された。下記スキャングラフ(Figure 47)に示すPVC取付管は、スキャン距離52フィートの終了地点近くに2箇所の小さな信号が認められた他は、ほぼ破損のない状態である。プッシュカメラによるテレビカメラ検査写真では、この部位に接続部の不完全なクリーンアウトを確認した。この結果はPVC取付管検査で検出される典型的なデータであり、ほとんど破損のない状態では平面的なスキャンとなる。

Figure 46 - クリーンアウトからの下水取付管へのElectro Scan実施

Figure 47 - Electro Scanで下水取付管に検出された破損部位のElectro Scanとテレビカメラの比較

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7.2 下水取付管評価 #2

管素材 陶管 (VCP)円周 (inches) 6スキャン距離 (feet) 60場所 ウィスコンシン州ワウワトサ

下記スキャングラフ(Figure 48)に示すとおり、全長の3分の2に亘り重大な破損の見られる古いVCP取付管の例である。グラフはテレビカメラ検査とプッシュカメラ検査の結果を対照的に示している。よくあるように、Electro Scanは目視調査で特定されなかった複数の破損を検出した。

このスキャンは、ある住宅分譲地の19の取付管のスキャン実施プロジェクトの一環として行われた。破損テーブル(Figure 49)は19のスキャン結果を示している。

テーブルのほとんどの取付管には多くの小の破損が見られる。中や大の破損は一部に集中的に見られる。この事例では、総推定GPMの50%が19のスキャンセグメントのうちの5つに集中している。 推定GPMは電流振幅と破損信号の幅に基づくため、異なる取付管の総推定GPMはかなり違ったものになり、信号の数や大きさと普通に相関するとも限らない。例えば、電流値に応じて大に分類される破損が小に分類される破損より低い推定GPMになることもある。これは、小の破損のスキャングラフのカーブ下面積が大の破損のカーブ下面積よりも大きい場合に起こり得る。

Figure 48 - 下水取付管のElectro Scan とテレビカメラレポートの比較

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Figure 49 - 19の下水取付管スキャンのサマリーレポート

Figure 50 – テレビカメラ検査と比較した27の下水取付管スキャンの詳細レポート

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問題の解答

9ページの問題の解答2.2 A Electro Scanは管内の低電圧・高周波電流を放電する。電流は探針部の水を通って非導電質の管壁に到達する。漏れの原因となり得る破損が存在すれば、電流は通り抜け地表のElectro Scan機材により検出される。2.2 B Electro Scanはあらゆる天候下で使用できる。2.2 C 破損電流値は電流値(トレース)のカーブ下面積に応じる。長い距離に亘る低い電流振幅もあれば、短い距離の高い電流振幅もある。低い電流振幅のカーブ下面積が、高い電流振幅のカーブ下面積よりもだいぶ大きくなることもある。2.2 D Electro Scanの使途は次に示すとおり。疑いのある下水本管や取付管の評価、新しい管や接続部の評価、相反してまたはテレビカメラによるコールアウトなしで検査された管の評価、サイホン評価、河川や水路の下の下水本管評価、ライニングプロジェクトの認定、プレ/ポスト・グラウト評価、下水調査評価研究(SSES)の実施、大きなインターセプターの評価。10ページの問題の解答3.2 A Electro Scan実施に必要な主要構造部品は次に示すとおり。制御電圧源、探針、探針を電圧源に接続し管内で動かすための絶縁ケーブル、管内の探針位置測定システム、破損電流測定システム、探針構成三電極を流れる総電流値測定システム、地表電極、探針位置での管内水圧測定システム。3.2 B 操作に必要な最小要員数は2名-Electro Scanトラックに1名、ウォータージェットトラックの操作に1名-である。下水道会社・機関によっては、より多くの最少要員数を義務付けている場合もある。16ページの問題の解答4.4 A ジェットトラックのジェットホースは管内でElectro Scan探針を牽引するのに使われる。また、必要に応じてジェットホースは探針部に水を供給する。4.4 B 晴天の状態では、適切な大きさのファンネルコーンと、ジェットトラックによる探針部への注水が必要である。満水状態では、ファンネルコーンもウォータージェットトラックによる注水も不要である。4.4 C 地表電極はスキャン場所から約1,000フィート以内に設置する。地表電極は必ずしも必要なものではない。接地用リールのクリップは、交通標識、電柱、消火栓など地表にある資材に取り付けることができる。4.4 D 探針に触れても安全である。約10ボルト、単三電池6個分の低電圧電流を放電する。4.4 E The Electro Scanソフトウェアは、スキャン中に探針速度、水位、管内の移動距離など、リアルタイムな情報をオペレータ・コンソールに表示する。4.4 F 必要ない。探針は管内を毎分45-60フィートの速度で牽引され、スキャン中のオペレータによる観察やデータ入力は必要ない。22ページの問題の解答5.0 A テレビカメラ、送煙試験、染料冠水試験などによる目視調査には、漏れ部位が不確かで推定破損流量が推定不能であるなど共通の限界がある。5.0 B 下水道機関はElectro Scanの速度と正確性を頼り

模範解答

に、まず下水管にElectro Scanを実施し、その後、対照比較・評価実施のためにElectro Scanにより特定された部位について、テレビカメラオペレータに記録させることもできる。37ページの問題の解答取付管のElectro Scan実施は1名の作業員でできる。テレビカメラトラックは不要である。管内で探針を手作業で扱うためにリールが使われる。6.2 B BluetoothとElectro Scanアプリケーションをインストールしたスマートフォンは、探針と交信しデータ処理とレポート報告のためにスキャンデータをクラウド用アプリケーションに送信する。

用語ELECTRO SCANによる汚水回収システムの調

査および試験

電流振幅周期的変数は一定期間(時間または空間的周期)の変動を測定したものである。石灰化カルシウムの蓄積は管壁に沈殿する。大量の石灰化は徐々に大いに流れを制限する。CIPP現場硬化管(CIPP)は樹脂飽和フェルト材に使われるみぞ掘不用管改修手法である。電極電流を放電する伝導体。エンクラステーション管壁に付着する塩類鉱床の層またはその他の沈殿物。漏水管壁の破損を通して管から出ていく水。FERNCOカップリング2つの管セグメントを結合するカップリングの一種。グラウト管壁の隙間を埋めたり、2つの管の接続部を密封するために使われる素材。浸透飽和することまたは満たすこと。ここでは、CIPPプロセスの一環として樹脂でフェルトを飽和することを意味する。 浸入水管壁の破損を通して管に入ってくる水。漏水に似ているが、反対の意味。インターセプター通常、下水道システムの本「幹」として機能する大口径管。下水道からインターセプターを送る。 取付管通常、下水本管に結合される小口径管。例えば、住居と本管を繋ぐ下水管は取付管である。Service Lateralと同義。PVCポリ塩化ビニル(PVC)は多様な管、特に下水管を製造するのに使われるポリマーである。 研磨摩耗、化学製品でこすられることに起因する場合が多い。接続部取付管を参照。サイホン道路やトンネルなどの障害物の下に通すために使用される下水道システムの一部。サイホンは障害物の下に沈み、反対側の下水道システムに結合する。水は下流側の端から吸引される。

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